JPH0744683Y2 - 立体駐車場設備 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、２層式パレットを有す
る立体駐車場設備に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図７は従来の水平循環方式の立体駐車場
設備の概略を表す側面図、図８は図７のＶＩＩＩ−ＶＩ
ＩＩ矢視図、図９は図７に関連するパレットの概略を表
す側面図、図１０は図９のＸ−Ｘ矢視図である。上下２
階層を有する駐車場１入出庫口２側の駐車場１幅方向壁
面３に、階層を貫いて下層床面１０から入出庫口２まで
自動車を載せたパレット台車７を搭載して昇降し得るカ
ーリフト５を設ける。該カーリフト５は、前記壁面３に
沿うよう設けた支柱６と、駐車場１幅方向へ所定の間隔
を置いて互いに平行して配設され且つパレット台車７を
載せるため、パレット台車７幅に適合する長さ駐車場１
長手方向へ水平に突出する部分を有し前記支柱６に沿い
昇降し得るアーム８とを備えている。

【０００３】また、上下各層床面９，１０長手方向のカ
ーリフト５側（以下Ｃ側という）及び反カーリフト５側
（以下Ｄ側という）の両端部に、パレット台車７を駐車
場１幅方向へ移動させるため、パレット台車７幅方向の
パレット台車７車輪間隔に適合する間隔を駐車場１長手
方向へ置いて互いに平行し駐車場１幅方向に延びるレー
ル１２を設け、該レール１２間隔中心線上に、所定の間
隔を置いてパレット台車７を駆動する縦送り装置１１
ａ，１１ｂを配設する。

【０００４】さらに、パレット台車７を駐車場１長手方
向へ移動させるため、パレット台車７長手方向のパレッ
ト台車７車輪間隔に適合する間隔を駐車場１幅方向へ置
いて互いに平行し且つ駐車場１長手方向へ延びる２組の
レール１３，１４を、駐車場１幅方向へ所要の間隔を隔
てて互いに平行するよう敷設する（以下説明の便宜上駐
車場幅方向カーリフト側レール１３をＡラインレール、
反カーリフト側レール１４をＢラインレールという）。
そして、前記Ａラインレール１３、Ｂラインレール１４
及びＣＤ両側のレール１２の高さは、すべて同一レベル
となるよう形成し、前記の各レールが交差点には、レー
ル連続方向を９０度変更し得るレール切換装置４２を配
設する。

【０００５】さらにまた、前記Ａライン、Ｂラインの各
レール１３，１４の長手方向中央部に、パレット台車７
をレール１３，１４延設方向へ移動させるための横送り
装置１５ａ，１５ｂを設ける。該横送り装置１５ａ，１
５ｂは駆動装置１６により中央部を支持され、かつパレ
ット台車７下で水平旋回するよう駆動されるバー１７を
有し、該バー１７の両端に、後述のパレット台車７中心
に設けられた溝形断面ガイド２０の溝に緩く内嵌するロ
ーラ１８を回転自在に備えている。そして、バー１７が
前記各レール１３，１４に平行する向きに停止したとき
に、図８に示すように前記ローラ１８が前記ガイド２０
溝端部から半ば外れるよう前記バー１７の旋回中心を駐
車場１幅方向内側へずらして横送り装置１５ａ，１５ｂ
を配設する。

【０００６】自動車を載せて駐車場１内を水平に循環移
動するパレット台車７は、下面にパレット台車７長手方
向へ前記各レール１３，１４間隔と略同様の間隔を置
き、パレット台車７幅方向へ前記レール１２間隔と略同
様の間隔を置いて配設され、かつ水平面内旋回自在に取
付けた鍔付車輪１９を有し、さらにパレット台車７下面
中心に、パレット台車７長手方向へ延びかつ溝が下向き
となるよう取付けた所要長さの溝形断面のガイド２０を
有する。そしてパレット台車７幅方向両端部のパレット
台車７長手方向へ適宜の間隔を置いた部分に、平板をＵ
形に折り曲げたフック２１，２２を設ける。該フック２
１，２２を一方の端部側に下向きのフック２１、他方の
端部側に上向きのフック２２として取付け、複数のパレ
ット台車７を並べた場合に各フック２１，２２が互いに
噛み合ってパレット台車７幅方向には確実に連結され、
しかもパレット台車７長手方向には着脱自在なキャッチ
ドッグとなるよう形成し、パレット台車７を駐車場１内
に配設する場合は、前記上向きのフック２２がＣ側とな
り、かつ前記Ａラインレール１３、Ｂラインレール１４
上にそれぞれ並べられたパレット台車７がパレット台車
７幅方向に連結されるよう配列する。

【０００７】次に作動について説明する。例えば、下層
床面１０へ自動車を入庫する場合、（注、カーリフト５
のアーム８直下にパレット台車７がなく、Ａライン上Ｃ
側２列目に空のパレット台車７があるとする）カーリフ
ト５のアーム８を下降方向へ駆動し、アーム８を最下部
へ降下させ、前記床面１０Ａライン側の横送り装置１５
ａを駆動し、バー１７を反時計方向へ１／２回旋回させ
ると、Ａラインレール１３上のパレット台車７全数が１
パレット台車７幅分だけ、Ｃ側へ移動するので、カーリ
フト５直前のＡラインレール１３上に２列目にあった空
のパレット台車７が前記アーム８直上へ移載される。

【０００８】その後、前記アーム８を上昇方向へ駆動
し、前記パレット台車７を入出庫口２まで上昇させる。
そして、該パレット台車７上へ自動車を乗り入れ、再び
カーリフト５のアーム８を下降方向へ駆動し、アーム８
を最下部へ降下させると、パレット台車７はＡラインレ
ール１３上に載置され、かつパレット台車７幅方向端部
の下向きフック２１が床面１０Ａラインレール１３上の
パレット台車７幅方向端部上向きフック２２に噛み合
い、パレット台車７幅方向に連結される。そこで前記横
送り装置１５ａを駆動し、バー１７を時計方向へ１／２
回旋回させると、Ａラインレール１３上のパレット台車
７全数が１パレット台車幅分だけ、Ｄ側へ移動するの
で、前記パレット台車７は自動車と共に、カーリフト５
のアーム８直上から床面１０Ａラインレール１３上Ｃ側
２列目へ移載され、自動車の入庫を完了する。

【０００９】例えば、カーリフト５のアーム８直下とＢ
ラインＤ側端部にパレット台車がないときに、図８に示
す床面１０Ａライン上Ｃ側４列目の自動車４ａを出庫す
る場合、カーリフト５のアーム８を上昇方向へ駆動し、
入出庫口２へ位置付け、各レールの交点に設けたレール
切換え装置４２を駆動し、レール連続方向をＡＢ各ライ
ン方向とする。次に、ＡＢ各ラインの横送り装置１５
ａ，１５ｂを駆動し、バー１７を反時計方向へ１／２回
旋回させると、Ａライン上のパレット台車７はＣ側へ、
Ｂライン上のパレット台車７はＤ側へ１パレット台車幅
分移動し、ＡラインＣ側とＢラインＤ側の両端部の縦送
りライン上にパレット台車７が移動する。その後、前記
レール切換え装置４２を駆動し、各レール交点のレール
連続方向を各縦送りライン方向へ切換える。すると、前
記交点上にあったパレット台車７の車輪１９も共に向き
を変え、縦送りラインレール１２方向へ転動し得るよう
になる。そこで前記縦送り装置１１ａ，１１ｂをそれぞ
れ駆動し、Ｃ側Ａラインのパレット台車７をＣ側Ｂライ
ンへ、またＤ側Ｂラインのパレット台車７をＤ側Ａライ
ンへ移動させる。次にまたレール切換え装置４２を駆動
し、各レール交点のレール連続方向をＡＢ各ライン方向
へ切換え、ＡＢ各ラインの横送り装置１５ａ，１５ｂを
駆動し、バー１７を反時計方向へ１／２回旋回させる
と、Ａライン上のパレット台車７はＣ側へ、Ｂライン上
のパレット台車７はＤ側へ１パレット台車７幅分だけ移
動し、Ｃ側縦送りライン上のパレット台車７はＢライン
Ｃ側２列目へ移載され、Ｄ側縦送りライン上のパレット
台車７はＡラインＤ側２列目へ移載される。

【００１０】このようにして自動車４ａをＡライン上Ｃ
側２列目に移動し、次で、カーリフト５のアーム８を下
降方向へ駆動し、アーム８を最下部へ降下させた後、Ａ
ラインの横送り装置１５ａを駆動し、また再びバー１７
を反時計方向へ１／２回旋回させると、前記作動と同様
にＡラインのパレット台車７全部がＣ側に移動し、前記
自動車４ａはパレット台車７と共にアーム８直上へ移載
される。そこでまた、前記アーム８を上昇方向へ駆動
し、前記パレット台車７を入出庫口２まで上昇させ、該
パレット台車７上の自動車４ａを出庫させる。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
立体駐車場設備では、上下２層の階層を有するため、縦
送り装置１１ａ，１１ｂ、及び横送り装置１５ａ，１５
ｂ等を各階層ごとに設けなければならず、経済的に甚だ
不利であり、駐車場管理の面においても煩雑であるなど
という問題があった。

【００１２】本考案は、前述の実情に鑑み、１階層式駐
車場で、前記２階層式駐車場の収容台数と略同数の自動
車を収容できる立体駐車場設備を提供することを目的と
してなしたものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本考案は、駐車場スペー
スに敷設したレール上にパレット台車を平面的にレイア
ウトし、該パレット台車を順次水平移動し得る水平循環
方式駐車装置を有する駐車場の入出庫口にカーリフトを
設けた立体駐車場設備において、自動車搭載用の下層パ
レットと上層パレットを有する２層形パレット台車を前
記レール上に配設し、下層パレットに取付けた支柱に沿
って上層パレットを昇降自在に支持すると共に、支柱の
中間部に上層パレットの下部を係止保持可能な支持ブラ
ケットを突設固定し、支柱の上部所要位置に、上層パレ
ットの下部を係止保持可能なフック部を突出収納可能に
備えると共に、該フック部を突出方向に付勢する圧縮ば
ねを備えた落下防止装置を取付け、且つ、入出庫口の周
壁部側に、上層パレットの下部を係止保持可能な支持バ
ーを突出収納可能に備えると共に、該支持バーを突出収
納動させるアクチュエータを備えた上層パレット上下用
ユニットを設け、更に、入出庫口の周壁部側に、前記フ
ック部を前記圧縮ばねの押圧力に抗して収容方向へ操作
可能なプッシュバーを備えると共に、該プッシュバーを
駆動させるアクチュエータを備えた落下防止解除装置を
取付けたことを特徴とする立体駐車場設備にかかるもの
である。

【００１４】

【作用】従って、本考案では、自動車を入庫する場合
は、レール上から空のパレット台車を受けたカーリフト
を上昇方向へ駆動し、２層形パレット台車の上層パレッ
トを前記入出庫口床面高さ位置に合わせてから、該上層
パレットに自動車を乗り込ませ、次いで再びカーリフト
を上昇方向へ駆動し、２層形パレット台車の下層パレッ
トを前記入出庫口床面高さ位置に合わせてから、該下層
パレットに別の自動車を乗り込ませた後、カーリフトを
下降方向へ駆動し、カーリフトを最下部へ降下させた
後、レール上の２層形パレット台車を水平移動させるこ
とにより、カーリフト上の２層形パレット台車をレール
上へ移載して自動車の入庫を完了する。

【００１５】また、自動車を出庫する場合は、レール上
から出庫する自動車を載せている２層形パレット台車を
受けたカーリフトを上昇方向へ駆動し、２層形パレット
台車の上層パレットを入出庫口床面高さ位置に合わせた
後、該上層パレット上の自動車を出庫させた後、次いで
再びカーリフトを上昇方向へ駆動し、２層形パレット台
車の下層パレットを前記入出庫床面高さ位置に合わせた
後、該下層パレットから自動車を出庫させる。その後、
引き続き入庫する自動車があれば、前記入出庫時の場合
に準じて自動車の入庫を行う。

【００１６】第２の考案では、前記入庫する自動車がハ
イルーフ型などで車高が高い場合、支柱上下方向の高い
位置にある落下防止装置に上層パレットを係止すること
により、下層パレット上方空間高さを大きく変えて車高
の高い自動車を収容する。

【００１７】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

【００１８】図１は本考案の立体駐車場設備の概略を表
す側面図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ矢視図、図３は図１
に関連する２層形パレット台車の概略を表わす側面図、
図４は図３のＩＶ−ＩＶ矢視図、図５は図１に関連する
落下防止装置と落下防止解除装置の関係の概略を表す側
面図、図６は図１に関連する上層パレット上下用ユニッ
トの概略を表す側面図である。図中、図７ないし図１０
に示すものと同一のものには同一の符号が付してある。

【００１９】本考案の立体駐車場設備は、上下２層のパ
レットを有する２層形パレット台車２３を設け、自動車
４を上下２段に搭載し得るよう形成し、駐車場１の上層
の床面９を廃し、自動車４を上下２段に搭載した２層形
パレット台車２３が水平循環し得る空間高さを備えた下
層の床面１０のみを有する駐車場１としたこと以外、図
７ないし図１０に示した従来の立体駐車場設備と全く同
一構造であるので、カーリフト５と、縦送り装置１１
ａ，１１ｂ、及びＡＢ各ラインのレール１３，１４と、
横送り装置１５ａ，１５ｂの説明は省略する。

【００２０】自動車４を上下２段に搭載して駐車場１内
を水平移動する２層形パレット台車２３の下層パレット
２４は、自動車４を載せるのに必要な所定の長さ並びに
幅を有し、下面に、下層パレット２４長手方向へ前記各
レール１３，１４間隔と略同様の間隔を置き、下層パレ
ット２４幅方向へ前記レール１２間隔と略同様の間隔を
置いて配設され、かつ水平面内旋回自在に取付けた鍔付
車輪１９を有し、さらに下層パレット２４中心に、下層
パレット２４長手方向へ延び且つ溝が下向きとなるよう
取付けた所要長さの溝形断面のガイド２０を有する。そ
して、下層パレット２４長手方向へ適宜の間隔を置いた
部分の下層パレット２４幅方向両端部外側に、平板をＵ
型に折り曲げたフック２１，２２を設ける。該フック２
１，２２は、前記下層パレット２４幅方向両端部の一方
の端部に取付けるフック２１を下向き、他方の端部に取
付けるフック２２を上向きとし、複数の２層形パレット
台車２３を横に並べた場合に、前記フック２１，２２が
互いに噛み合って２層形パレット台車２３が幅方向には
確実に連結され、しかも２層形パレット台車２３長手方
向には着脱自在なキャッチドッグとなるよう形成する。

【００２１】前記下層パレット２４の４隅に支柱２６を
立設し、後述の上層パレット３４を支持するため、前記
支柱２６の所定高さ位置に、下層パレット２４の幅方向
で且つ支柱２６の内側へ突出した支持ブラケット２７を
固設する。そして、車高が高い自動車４を下層パレット
２４に収容させるに際して、前記上層パレット３４をさ
らに高い位置へ引き上げて止めて置けるようにするた
め、前記支柱２６のさらに上方の所定高さ位置に、上層
パレット３４の幅方向内側へ進退可能な落下防止装置２
８を設ける。該落下防止装置２８は、レバー３２と圧縮
ばね３３とを備えている。レバー３２は支柱２６内に設
けたピン２９により上下方向中央部を垂直面内回動自在
に取付けられており、前記ピン２９より上方部分を鉤型
に曲げて上層パレット３４の幅方向外側へ突出するよう
形成してプッシュ部３０とし、前記ピン２９より下方に
位置し、かつ下層パレット２４幅方向内側へ突出する部
分の上面２５を水平に形成し、該突出部分水平部先端か
ら下方に下向きの傾斜面を付してフック部３１としてい
る。また圧縮ばね３３は、レバー３２のフック部３１を
支柱２６内側へ突出させるため支柱２６内の前記フック
部３１背面に設けられている。

【００２２】上層パレット３４は下層パレット２４と同
様の長さと、前記支柱２６内幅に適合する幅を有し、前
記支柱２６に設けた支持ブラケット２７又は落下防止装
置２８に支持されているときに上層パレット３４の長手
方向へ位置ずれしないよう上層パレット３４幅方向両端
部の上層パレット３４長手方向支柱２６内寸法に適合し
た部分にストッパ３５を有する。

【００２３】前記２層形パレット台車２３を駐車場１内
に配設する場合は、前記上向きフック２２がＣ側とな
り、かつ前記Ａラインレール１３、Ｂラインレール１４
上にそれぞれ並べられた２層形パレット台車２３が該２
層形パレット台車２３幅方向に連結されるよう配列す
る。

【００２４】さらに、前記上層パレット３４の高さ位置
を変更する場合に該上層パレット３４を仮に支持するた
め、上層パレット上下用ユニット３６を、駐車場１入出
庫口２の２層形パレット台車２３幅方向の壁面上縁に、
２層形パレット台車２３長手方向へ所要の間隔を置いて
配設する。該上層パレット上下用ユニット３６は、壁面
に直交する水平方向に伸縮するシリンダ３７と、該シリ
ンダ３７ロッド先端に連結され前記壁面から入出庫口２
中心方向へ水平に突出する支持バー３８とにより形成す
る。

【００２５】さらにまた、前記レバー３２のプッシュ部
３０を押すことにより落下防止装置２８を解除するた
め、落下防止解除装置３９を、駐車場１入出庫口２の２
層形パレット台車２３幅方向壁面上部に、２層形パレッ
ト台車２３長手方向支柱２６間隔に適合するよう配設す
る。該落下防止解除装置３９は、壁面に直交する水平方
向に伸縮するシリンダ４０と、該シリンダ４０ロッド先
端に連結され、垂直方向に少し長い対プッシュ部３０接
触面を有し、かつ前記壁面から前記プッシュ部３０を押
し込める方向に作動するプッシュバー４１とにより形成
する。

【００２６】次に作動について説明する。自動車４を入
庫する場合は、横送り装置１５ａにより駆動され、Ａラ
インレール１３上をＣ側方向へ移動する２層形パレット
台車２３の中から空の２層形パレット台車２３の移載を
受けたカーリフト５のアーム８を上昇方向へ駆動し、上
層パレット３４を入出庫口２床面高さ位置に合わせてか
ら、該上層パレット３４に自動車４を乗り込ませ、次い
で再びカーリフト５のアーム８を上昇方向へ駆動し、下
層パレット２４を前記入出庫口２床面高さ位置に合わせ
てから、該下層パレット２４に別の自動車４を乗り込ま
せた後、カーリフト５のアーム８を下降方向へ駆動し、
カーリフト５のアーム８を最下部へ降下させると、２層
形パレット台車２３はＡラインレール１３上に載置さ
れ、かつ下層パレット２４Ｄ側端部の下向きフック２１
がＡラインレール１３上の２層形パレット台車２３の下
層パレット２４Ｃ側端部の上向きフック２２と噛み合
い、両２層形パレット台車２３が自動的に２層形パレッ
ト台車２３幅方向へ連結される。そこで、前記横送り装
置１５ａを駆動し、Ａラインレール１３上の２層形パレ
ット台車２３をＤ側方向へ移動すると、前記２層形パレ
ット台車２３も自動車４と共にＤ側方向へ移動し、カー
リフト５のアーム８直上からＡラインレール１３上Ｃ側
２列目へ移載され、自動車４の入庫が完了する。

【００２７】また、自動車４を出庫する場合は、横送り
装置１５ａにより駆動され、Ａラインレール１３上をＣ
側方向へ移動する２層形パレット台車２３の中から出庫
する自動車４が載る２層形パレット台車２３の移載を受
けたカーリフト５のアーム８を上昇方向へ駆動し、２層
形パレット台車２３の上層パレット３４を入出庫口２床
面高さ位置に合わせてから、該上層パレット３４から自
動車４を出庫させ、次いで再びカーリフト５のアーム８
を上昇方向へ駆動し、２層形パレット台車２３の下層パ
レット２４を前記入出庫口２高さ位置に合わせてから、
該下層パレット２４から別の自動車４を出庫させる。そ
の後、引き続き入庫する自動車４があれば、前記入庫時
の場合に準じて自動車４の入庫を行う。

【００２８】例えば、ハイルーフ型などの車高が高い自
動車４を入庫する場合は、上層パレット３４を支柱２６
上部へ位置付け、支柱２６に設けた落下防止装置２８に
より係止する必要がある。

【００２９】そのためには先ず、カーリフト５のアーム
８を下降方向へ駆動し、上層パレット３４が入出庫口２
壁面に設けた上層パレット上下用ユニット３６より少し
上方に位置するところで止め、上層パレット上下用ユニ
ット３６のシリンダ３７ロッドを伸長する方向へ駆動
し、支持バー３８を壁面から突出した後、再びカーリフ
ト５のアーム８を下降方向へ駆動すると、上層パレット
３４は前記支持バー３８に支持されて入出庫口２に止ま
るので、カーリフト５のアーム８が下降すると共に支柱
２６上部が上層パレット３４に接近し、やがて上層パレ
ット３４幅方向両端部が支柱２６上部に設けた落下防止
装置２８のレバー３２のフック部３１の下向き傾斜面を
押し、支柱２６がさらに降下すると、上層パレット３４
は圧縮ばね３３の反発力に抗して、前記フック部３１を
支柱２６内へ押し込みながら該フック部３１を通過す
る。

【００３０】上層パレット３４がフック部３１を通過す
ると、フック部３１は圧縮ばね３３の反発力により付勢
されて復元し上層パレット３４下に突出する。そこで、
カーリフト５のアーム８を上昇方向へ駆動すると、上層
パレット３４は前記のように上層パレット３４下に突出
したフック部３１に支持され、支柱２６と共に上昇す
る。

【００３１】その後、上層パレット上下用ユニット３６
のシリンダ３７ロッドを短縮する方向へ駆動し、支持バ
ー３８を壁面側へ後退させ、下層パレット２４を入出庫
口床面高さ位置に合わせ、カーリフト５のアーム８を停
止することにより、直接人手をかけることなく上層パレ
ット３４の高さ位置の変更を完了し、上層パレット３４
が支柱２６上部に設けた落下防止装置２８に係止され、
下層パレット２４上方空間が大きくなるので、車高の高
い自動車４を収容し得る。

【００３２】また、例えばハイルーフ形などの車高が高
い自動車４を出庫させたあと、前記上層パレット３４を
高さ位置へ復元する場合は、カーリフト５のアーム８を
下降方向へ駆動し、上層パレット３４が前記上層パレッ
ト上下用ユニット３６より僅か上方に位置するところに
止め、上層パレット上下用ユニット３６のシリンダ３７
ロッドを伸長する方向へ駆動し、支持バー３８を壁面か
ら突き出した後、落下防止解除装置３９のシリンダ４０
ロッドを伸長する方向へ駆動し、支持バー３８を壁面か
ら突き出した後、落下防止解除装置３９のシリンダ４０
ロッドを伸長する方向へ駆動し、プッシュバー４１を突
き出すことにより、落下防止装置２８レバー３２のプッ
シュ部３１を支柱２６内へ押し込むよう作動させると、
前記レバー３２はピン２９を中心として回動するので、
該レバー３２のフック部３１が支柱２６内へ引っ込み、
上層パレット３４は上下用ユニット３６の支持バー３８
により支持される。そこで、カーリフト５のアーム８を
上昇方向へ駆動し、支柱２６を上昇させ、前記フック部
３１が上層パレット３４幅方向側面に接する位置になっ
たとき、落下防止解除装置３９のシリンダ４０ロッドを
短縮方向へ駆動し、プッシュバー４１を後退させる。さ
らに支柱２６が上昇すると、圧縮ばね３３の反発力によ
り付勢されている該フック部３１は復元し、さらにまた
支柱２６が上昇し支柱２６中段に設けた支持ブラケット
２７が上昇パレット３４に接触すると、上昇パレット３
４は該ブラケット２７に支持され、通常の高さ位置に復
元する。

【００３３】その後、上層パレット上下用ユニット３６
のシリンダ３７ロッドを短縮方向へ駆動し、支持バー３
８を壁面側へ後退させ、下層パレット２４入出庫口床面
高さ位置に合わせ、カーリフト５のアーム８を停止する
ことにより、直接人手をかける事無く上層パレット３４
の高さ位置の変更を完了し、２層形パレット台車２３は
通常の車高を有する自動車４を上下２段に収容し得る。

【００３４】前記によれば、水平循環方式駐車装置を１
階層に設置し、上下２段に自動車４を搭載し得る２層形
パレット台車２３を配設するよう構成したので、縦送り
装置１１ａ，１１ｂ、ＡＢ各ラインのレール１３，１
４、横送り装置１５ａ，１５ｂなどの設備が上下２階層
を有する駐車装置の半数で済み、しかも２階層を有する
駐車場１の収容台数と略同じ台数の自動車４を収容し得
る。

【００３５】なお、本考案の実施例では、上層パレット
高さ位置を変更し得る２層形パレット台車について説明
したが、上層パレット高さを変更しなくとも通常の車高
を有する自動車は上下２段に収容し得ること、またパレ
ット幅方向に設けた落下防止装置、落下防止解除装置、
及び上層パレット上下用ユニット等はパレットの幅方
向、長手方向の何れに設けてもよいことなど、その他、
本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加
え得ることは勿論である。

【００３６】

【考案の効果】本考案の立体駐車場設備によれば、水平
循環方式駐車装置を１階層に設置し、上下２段に自動車
を搭載し得る２層形パレット台車を配設する構成とした
ので、縦送り装置や横送り装置などの設備が従来の２階
層に水平循環方式駐車装置に比べ半数で済み、設備費の
削減を図ることができ、しかも収容台数は前記従来例と
略同じとすることができると共に、下層パレットに対し
て上層パレットを昇降可能としたので、車高の高い自動
車でも収容させることができるなど、種々の優れた効果
を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の立体駐車場設備の概略を示す側面図で
ある。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。

【図３】図１に関連する２層形パレット台車の概略を表
す側面図である。

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ矢視図である。

【図５】図１に関連する落下防止装置と落下防止解除装
置の関係の概略を表す側面図である。

【図６】図１に関連する上層パレット上下用ユニットの
概略を表す側面図である。

【図７】従来の立体駐車場設備の概略を表す側面図であ
る。

【図８】図７のＶＩＩＩ−ＶＩＩＩ矢視図である。

【図９】図７に関連するパレットの概略を表す側面図で
ある。

【図１０】図９のＸ−Ｘ矢視図である。

【符号の説明】

１ 駐車場 ２ 入出庫口 ４ 自動車 ５ カーリフト ７ パレット台車 １３，１４ レール ２３ ２層形パレット台車 ２４ 下層パレット ２６ 支柱 ２７ 支持ブラケット ２８ 落下防止装置 ３４ 上層パレット ３６ 上層パレット上下用ユニット ３９ 落下防止解除装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 駐車場スペースに敷設したレール上にパ
   レット台車を平面的にレイアウトし、該パレット台車を
   順次水平移動し得る水平循環方式駐車装置を有する駐車
   場の入出庫口にカーリフトを設けた立体駐車場設備にお
   いて、自動車搭載用の下層パレットと上層パレットを有
   する２層形パレット台車を前記レール上に配設し、下層
   パレットに取付けた支柱に沿って上層パレットを昇降自
   在に支持すると共に、支柱の中間部に上層パレットの下
   部を係止保持可能な支持ブラケットを突設固定し、支柱
   の上部所要位置に、上層パレットの下部を係止保持可能
   なフック部を突出収納可能に備えると共に、該フック部
   を突出方向に付勢する圧縮ばねを備えた落下防止装置を
   取付け、且つ、入出庫口の周壁部側に、上層パレットの
   下部を係止保持可能な支持バーを突出収納可能に備える
   と共に、該支持バーを突出収納動させるアクチュエータ
   を備えた上層パレット上下用ユニットを設け、更に、入
   出庫口の周壁部側に、前記フック部を前記圧縮ばねの押
   圧力に抗して収容方向へ操作可能なプッシュバーを備え
   ると共に、該プッシュバーを駆動させるアクチュエータ
   を備えた落下防止解除装置を取付けたことを特徴とする
   立体駐車場設備。