JPH0742615B2 - 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維 - Google Patents

高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維

Info

Publication number
JPH0742615B2
JPH0742615B2 JP1049779A JP4977989A JPH0742615B2 JP H0742615 B2 JPH0742615 B2 JP H0742615B2 JP 1049779 A JP1049779 A JP 1049779A JP 4977989 A JP4977989 A JP 4977989A JP H0742615 B2 JPH0742615 B2 JP H0742615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
pitch
fiber
strength
elastic modulus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1049779A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH026623A (ja
Inventor
勉 内藤
源四郎 西村
喜久治 小峰
Original Assignee
東燃料株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東燃料株式会社 filed Critical 東燃料株式会社
Priority to JP1049779A priority Critical patent/JPH0742615B2/ja
Priority to TW078102132A priority patent/TW206990B/zh
Priority to US07/327,637 priority patent/US5114697A/en
Priority to DE68921658T priority patent/DE68921658T2/de
Priority to EP89302979A priority patent/EP0335622B1/en
Publication of JPH026623A publication Critical patent/JPH026623A/ja
Publication of JPH0742615B2 publication Critical patent/JPH0742615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D4/00Spinnerette packs; Cleaning thereof
    • D01D4/02Spinnerettes
    • D01D4/027Spinnerettes containing inserts
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般には、炭素繊維に関するものであり、特に
宇宙産業、自動車産業、建築産業等に軽量構造材料用強
化繊維として広く使用することのできる高強度、高弾性
率のピッチ系炭素繊維に関するものである。
従来の技術 従来、炭素繊維(黒鉛繊維)としては、PAN系炭素繊維
が広く製造及び使用されている。一般的にはPAN系炭素
繊維はピッチ系炭素繊維に比較して特に引張強さの点に
おいて優れた特性を有するために高強度炭素繊維として
使用されており、PAN系炭素繊維の中には引張強度が5.6
GPaと非常に高強度を示すものもあるが弾性率は290GPa
とあまり高くない。これはPAN系炭素繊維が難黒鉛化性
であるため結晶化(黒鉛化度)の向上には限界があり、
本質的に超高弾性率を達成することは困難であるという
理由による。又、PAN系炭素繊維では原料が高価で炭化
収率も悪く、又経済面でも良くない。そこで、これらの
点、即ち、引張強度及び引張弾性率の点において優れ
た、コストの廉価なピッチを原料としたピッチ系炭素繊
維及び黒鉛繊維の製造方法がいくつか提案されている。
例えば、ピッチを350〜450℃で約40〜90重量%のメソ相
が生ずるまで十分加熱し、紡糸温度で非チキソトロピー
性を示し10〜200ポイズの粘度を有する炭素質ピッチを
紡糸し、この紡糸繊維を酸素含有雰囲気中で250〜400℃
の温度で不融化して、次いで得られた不融化繊維を不活
性雰囲気中で少なくとも1000℃に加熱し、更に約2500℃
以上に加熱することによって三次元的秩序を示す(11
2)クロス格子線の存在及び(100)と(101)回折線の
分離が認められ、層間隔(doo2)が3.37Å以下、積層厚
み(Lc)1000Å以上を有する黒鉛繊維が製造されること
が報告されている(特公昭60-4286号)。
上述の特公昭60-4286号公報に開示される2800℃まで焼
成された黒鉛繊維は引張強度が1.7〜2.4GPa(250×103
〜350×103psi)、引張弾性率が520〜830GPa(75×106
〜120×106psi)程度のものであった。
又、特開昭62-104927号公報には、コールタールピッチ
を原料として、配向角(φ)が10°未満であり、積層厚
み(Lc)が180〜250Åで、層間隔(doo2)が3.38〜3.45
Åであるピッチ系炭素繊維を製造し得ることが報告され
ている。
しかしながら、該特開昭62-104927号公報にて示される
炭素繊維の引張強度は2.6〜3.3GPa(265〜333kg/m
m2)、引張弾性率は608〜853GPa(62〜87ton/mm2)であ
るが、伸び率が0.38〜0.43%であった。
特開昭61-83319号公報にはナフタリンを原料として配向
角(φ)が30°未満、好ましくは15〜25°であり、積層
厚み(Lc)が80Åを超え且つ200Å以下で、好ましくは9
0〜170Åであり、又層間隔(doo2)が3.37〜3.440Åを
示す2000℃以上で処理されたピッチ系炭素繊維を製造し
得ることが報告されている。
該特開昭61-83319号公報にて示される炭素繊維の引張強
度は3.1〜3.9GPa(318〜394Kg/mm2)、引張弾性率は234
〜412GPa(23900〜42000Kg/mm2)であり、伸び率は0.9
〜1.4%であった。更に原料としてナフタリンを使用せ
ねばならず原料コストが高くなるという問題があった。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上述からも理解されるようにこれら従来
のピッチ系炭素繊維は少なくとも伸び率が低いために取
扱いが難しく、特に複合材料を製造する場合に大きな問
題となっていた。
又、上述のようにナフタリンを原料としてピッチ系炭素
繊維を製造した場合には伸び率は大であるが、引張弾性
率が小さく且つ原料コストが高いという問題があった。
本発明者等は、ピッチを原料として高弾性率と高引張強
度と、高伸び率を有する高性能炭素繊維を得るべく研究
開発する過程にて、炭素繊維の結晶構造を特異なものと
することで、高引張強度、高弾性率、高伸び率とを合せ
持つ炭素繊維を得ることができることを見出した。
本発明は、斯る新規な知見に基づきなされたものであ
る。
従って、本発明の目的は、高弾性率で高強度且つ高伸び
率を有する高性能炭素繊維を提供することである。
本発明の他の目的は、取扱いが容易であり、特に複合材
料を製造するのが容易な高引張強度、高弾性率及び高伸
び率の高性能炭素繊維を提供することである。
課題を解決するための手段 上記諸目的は、本発明に係る高引張強度、高弾性率の炭
素繊維によって達成される。要約すれば本発明は、三次
元的秩序を示す(112)クロス格子線の存在及び(10
0)、(101)回折線の分離が共に認められず、X線構造
パラメーターの配向角(φ)が12°以下であり、積層厚
み(Lc)が80〜180Åである結晶構造を有し、単繊維の
糸径が5〜12μm、引張強度が少なくとも3.0GPa以上、
引張弾性率が少なくとも500GPa以上、そして伸び率が0.
5%以上であることを特徴とする高強度、高弾性率を有
するピッチ系炭素繊維である。又、好ましくは、層間隔
(doo2)は3.40〜3.45Åとされる。配向角(φ)は、よ
り好ましくは5〜10°であり、積層厚み(Lc)は100〜1
60Åとされる。
本発明者等は上述のように高弾性率と高引張強度を合せ
持ち且つ高伸び率を示す高性能炭素繊維を得るべく研究
開発する過程において従来にない結晶構造上の特徴を有
する炭素繊維によってそれが可能であることを見出し
た。即ち本発明者等は、適当にバランスされた高弾性
率、高引張強度、高伸び率の高性能炭素繊維を得るに
は、三次元的秩序を示す(112)クロス格子線の存在及
び(100)、(101)回折線の分離は共に認められない方
がよく、配向角(φ)及び積層厚み(Lc)が適当な範囲
にバランスされることが特に重要な要素であることを見
出した。
本発明に係る高引張強度、高弾性率の炭素繊維について
更に詳しく説明する。
従来より炭素繊維の結晶性が良くなると弾性率が向上す
るということは良く知られたことである。しかしなが
ら、従来の市販のピッチ系炭素繊維では、引張強度は2.
2GPaと低く単に結晶性を良くするだけでは高弾性率、高
引張強度、高伸び率を有する高性能炭素繊維は実現され
得ないことを示している。
本発明者等は、炭素繊維の物性及び構造の相関関係を詳
細に研究をした結果、単に弾性率を向上せしめるには、
三次元的秩序を示す(112)クロス格子線の存在及び(1
00)、(101)回折線の分離が認められるように結晶性
を上げることが重要であるが、反面引張強度が低下する
ことが見受けられ、従って、弾性率の向上と共に高引張
強度、高伸び率を達成するためには三次元的秩序を示す
(112)クロス格子線の存在及び(100)、(101)回折
線の分離は共に認められない方がよく、更に高引張強度
発現のためには該結晶の大きさが比較的小さい緻密な方
が望ましく結晶の大きさを決定する要素である積層厚み
(Lc)及び配向角(φ)が特に適当にバランスした状態
に維持されることが極めて重要であり、又その結果高伸
び率を発揮し得ることがわかった。
従って、本発明者等の研究実験の結果によると優れた機
械的特性を有する炭素繊維は、X線構造パラメーターの
配向角(φ)が12°以下、積層厚み(Lc)が80〜180
Å、好ましくは配向角は5〜10°、積層厚みが100〜160
Åであり、又、高引張強度発現のためには層間隔(do
o2)は3.40〜3.45Åであるのが好ましいことを見出し
た。
つまり、本発明者等の研究実験の結果によると、適度の
高弾性率と、高引張強度と、高伸び率とを得るには、三
次元的秩序を示す(112)クロス格子線の存在及び(10
0)、(101)回折線の分離は共に認められない方がよ
く、更に、配向角が12°を超えると、得られた炭素繊維
の弾性率が、悪くなるという問題があり、又積層厚みが
80〜160Åの範囲外である場合には、積層厚みが160Åよ
り大きいと十分な炭素繊維の強度が得られ難く積層厚み
が80Åより小さいと十分高い弾性率が得られ難いという
問題点があった。
本発明による炭素繊維は、配向角が12°以下、積層厚み
が80〜180Åであり、伸び率が0.5%以上であり、高弾性
率と高引張強度及び高伸び率が得られ、本発明による炭
素繊維の伸び率は従来使用されている高弾性率を有する
炭素繊維の伸び率と比較しても高く、従来からの高弾性
率を有する炭素繊維のもろさという問題点を克服した。
次に、本発明に係る炭素繊維の製造方法について説明す
る。
本発明に係る炭素繊維を製造するに際しては、先ず、熱
伝導性の良い挿入部材を入れた紡糸ノズルを使用して紡
糸ノズルにおける溶融ピッチの温度変動、特に温度降下
を最低限度に抑えることにより紡糸し炭素質ピッチ繊維
を得る。このようにして得られたピッチ繊維を窒素ガス
雰囲気下で1フィラメント当り0.0001〜0.2grのテンシ
ョンを付与しながら最低温度120〜190℃から0.005〜0.1
℃/分の昇温速度で最高温度240〜350℃まで加熱して不
融化を行なう。不融化した繊維は、次に不活性ガス中
で、例えばアルゴンガス中で0.1〜10℃/分の昇温速度
で1000℃まで加熱し、更に1000℃から10〜500℃/分の
昇温速度で最高温度1700〜2500℃まで加熱することによ
り高い炭化収率で炭素繊維を得ることができる。
これにより、高弾性率でありながら、強度が大で伸び率
が0.5〜1.0%と大きい、炭素繊維を得ることができる。
実施例 次に、本発明の高引張強度、高弾性率炭素繊維を実施例
について更に詳しく説明する。
本明細書において、炭素繊維の特性は下記の如き測定方
法を採用した。
・X線構造パラメータ 配向角(φ)、積層厚さ(Lcoo2)、層間隔(doo2)は
広角X線回折より求められる炭素繊維の微細構造を表わ
すパラメータである。
配向角(φ)は結晶の繊維軸方向に対する選択的配向の
程度を示すもので、この角度が小さい程配向が良いこと
を意味する。積層厚さ(Lcoo2)は炭素微結晶中の(00
2)面の見掛けの積層の厚さを表わし、一般に積層厚さ
(Lcoo2)が大きい程結晶性が良いと見なされる。又、
層間隔(doo2)は微結晶の(002)面の層間隔を表わ
し、層間隔(doo2)が小さい程結晶性が良いと見なされ
る。
配向角(φ)の測定は繊維試料台を使用し、繊維束が計
数管の走査面に垂直になっている状態で、計数管を走査
して(002)回折帯の強度が最大となる回折角2θ(約2
6°)を予め求める。次に計数管をこの位置に保持した
状態で、繊維試料台を360°回転することにより(002)
回折環の強度分布を測定し、強度最大値の1/2の点にお
ける半価幅を配向角(φ)とする。
積層厚さ(Lcoo2)、層間隔(doo2)は繊維を乳鉢で粉
末状にし、学振法「人造黒鉛の格子定数および結晶子の
大きさ測定法」に準処して測定・解析を行ない、以下の
式から求めた。
Lcoo2=Kλ/βcosθ doo2=λ/2sinθ ここで、K=1.0、λ=1.5418Å θ:(002)回折角2θより求める β:補正により求めた(002)回折帯の半価幅 又、(112)クロス格子線の存在、及び(100)、(10
1)回折線の分離の判定はステップスキャン法より注目
する範囲について数時間以上積算して、測定し、十分S/
N非が良いスペクトルで行なった。
実施例1 光学的異方性相(AP)を約50%含有する炭素質ピッチを
前駆体ピッチとして使用しこれをローター内有効容積20
0mlの円筒型連続遠心分離装置でローター温度350℃に制
御しつつ遠心力10000GでAP排出口よりピッチを抜き出し
た。得られたピッチは光学的異方性相を98%含み、軟化
点が268℃であった。次に得られたピッチをノズル径0.3
mmの溶融紡糸装置で340℃で紡糸した。このとき使用し
た紡糸装置及び紡糸口金の構造が第1図〜第3図に図示
される。
紡糸装置10はピッチ配管より溶融したピッチ11が注入さ
れた加熱シリンダー12と、該シリンダー12内のピッチを
加圧するプランジャー13と、加熱シリンダー12の底面側
に取付けられた紡糸口金14とを具備し、紡糸口金14は、
紡糸ノズル15が1個穿設されており、ボルト17及び口金
押え18によって加熱シリンダー12の底面側に着脱自在に
固着することによって構成された。紡糸されたピッチ繊
維は紡糸筒19を通過した後巻取りボビン20に巻き取られ
た。
本実施例で使用された紡糸口金14に形成された紡糸ノズ
ル15は、大径のノズル導入部15aと、該ノズル導入部15a
に連通して形成された小径のノズル部15bとを有し、大
径のノズル導入部15aと小径のノズル部15bとの間には切
頭円錐形状のノズル遷移部15cが形成された。紡糸口金1
4はステンレス鋼(SUS304)にて作製され、紡糸ノズル1
5部の厚さ(T)は5mmとされ、大径のノズル導入部15a
及び小径のノズル部15bの長さ(T1)及び(T2)はそれ
ぞれ4mm及び0.65mmとされた。又、大径のノズル導入部1
5a及び小径のノズル部15bの直径(D1)及び(D2)はそ
れぞれ1mm及び0.3mmとされた。
又、紡糸ノズル15の大径ノズル導入部15aには前記紡糸
口金14より大きい熱伝導度を有した、本実施例では銅製
の挿入部材16が配置された。該挿入部材16は、一端16a
が小径ノズル部15の入口に近接し、他端16bは大径ノズ
ル導入部15aの入口より外方へと延在する細長の棒状体
とされ、全長(L)は20mmであり、直径(d)は、挿入
部材が大径ノズル導入部15aに円滑に挿入され、且つ確
実に保持されるように、大径ノズル導入部15aと挿入部
材16との間の空隙が1/100〜5/100mmとなるように形成さ
れた。
又、挿入部材16の該表面には溶融ピッチをノズル部15b
へと流動案内するべく、該挿入部材の軸線方向に沿って
半径(r)が0.15mmの円弧状をした4個の溝18が形成さ
れた。
上記構成の紡糸装置にて溶融ピッチを紡糸した場合に
は、紡糸ノズルを通過する際の温度降下を30℃以下に抑
えることができた。
このようにして得られたピッチ繊維を窒素雰囲気で開始
温度160℃、最終温度300℃、昇温速度0.01℃/分で不融
化した。このときピッチ繊維には1フィラメント当り0.
001grのテンションを掛けた。
不融化化処理の終了後、アルゴン雰囲気中で昇温速度1
℃/分、最終温度1000℃で予備炭化を行ない、引続き50
℃/分の昇温速度で2000℃まで昇温し炭化処理を行ない
直径約9.8μmの炭素繊維を得た。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が共に認められず、積層厚さ(Lcoo2
が140Å、配向角(φ)が7.1°、層間隔(doo2)が3.42
3Åであつた。又該繊維の物性値は、引張弾性率が610GP
a、引張強度は4.0GPa、繊維の伸び率は0.7%であった。
比較例1 実施例1と同一のピッチを用いて、挿入部材なしの紡糸
口金を用いて紡糸温度330℃で紡糸し、得られたピッチ
繊維を空気雰囲気において130℃から0.3℃/分の速度で
255℃まで昇温して不融化した。その他は実施例1と同
様に処理した。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が共に認められず、積層厚さ(Lcoo2
が120Å、配向角(φ)が15°、層間隔(doo2)が3.430
Åであつた。又、該繊維の物性値は、引張弾性率が380G
Pa、引張強度は2.8GPa、繊維の伸び率は0.7%であっ
た。
比較例2 実施例1と同一のピッチを用いて挿入部材なしの紡糸口
金を用いて、紡糸温度340℃で紡糸し、得られたピッチ
繊維を空気雰囲気中で130℃から0.3℃/分で255℃まで
昇温して不融化した。
不融化終了後、アルゴン雰囲気中で3000℃まで昇温して
焼成した。その他は、実施例1と同様に処理した。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が認められ、積層厚さ(Lcoo2)が590
Å、配向角(φ)が5°、層間隔(doo2)が3.375Åで
あつた。又、該繊維の物性値は、引張弾性率が750GPa、
引張強度2.3GPa、繊維の伸び率は0.3%であった。
比較例3 実施例1と同一のピッチを用いて挿入部材なしの紡糸口
金を用いて、紡糸温度310℃で紡糸し、得られたピッチ
繊維を空気雰囲気中で130℃から0.3℃/分で255℃まで
昇温して不融化した。
不融化終了後、アルゴン雰囲気中で2600℃まで昇温して
焼成を行なった。その他は実施例1と同様に処理した。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が共に認められず、積層厚さ(Lcoo2
が200Å、配向角(φ)が14℃、層間隔(doo2)が3.394
Åであつた。又、該繊維の物性値は、引張弾性率が480G
Pa、引張強度は2.1GPa、繊維の伸び率は0.4%であっ
た。
実施例2 紡糸温度を330℃、焼成温度を1900℃とした以外は実施
例1と同じ材料及び方法にて炭素繊維を得た。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が共に認められず、積層厚さ(Lcoo2
が110Å、配向角(φ)が9.5°、層間隔(doo2)が3.43
5Åであつた。又、該繊維の物性値は、引張弾性率が520
GPa、引張強度は3.8GPa、繊維の伸び率は0.7%であっ
た。
実施例3 紡糸温度を345℃、焼成温度を2000℃とした以外は実施
例1と同じ材料及び方法にて炭素繊維を得た。
この炭素繊維は、X線回折の結果、三次元的秩序の指標
となる(112)クロス格子線の存在及び(100)、(10
1)回折線の分離が共に認められず、積層厚さ(Lcoo2
が150Å、配向角(φ)が6.0°、層間隔(doo2)が3.41
0Åであつた。又、該繊維の物性値は、引張弾性率が650
GPa、引張強度は4.1GPa、繊維の伸び率は0.6%であっ
た。
発明の効果 本発明に係る特異な結晶構造を有した炭素繊維は、高引
張強度と高弾性率を有する特性を具備し宇宙開発、自動
車、建築物等の軽量構造材料用強化繊維として極めて有
効に使用し得る。更に本発明の高引張強度、高弾性率炭
素繊維は著しく高弾性でありながら、繊維の伸び率は0.
5〜1.0%と大きく、複合材料用強化繊維に使用した場合
には最終製品としての複合材料用強化繊維の性能が向上
するばかりでなくその製造段階においても高弾性率であ
りながら強度が大で繊維の伸び率が大きいために製造時
の糸扱いが非常に容易となり製造効率が大幅に改善され
るという利益がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る炭素繊維を製造するための紡糸
装置に使用される紡糸口金の一実施例の断面図である。 第2図は、第1図の紡糸口金に使用される挿入部材の一
実施例の平面図である。 第3図は、第2図の紡糸口金に使用される挿入部材の一
実施例の平面図である。 14:紡糸口金 15:紡糸ノズル 16:挿入部材
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−104927(JP,A) 特開 昭61−83319(JP,A) 特開 昭62−177222(JP,A) 特開 昭63−295715(JP,A) 特公 平5−45686(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】三次元的秩序を示す(112)クロス格子線
    の存在及び(100)、(101)回折線の分離が共に認めら
    れず、X線構造パラメーターの配向角(φ)が12°以下
    であり、積層厚み(Lc)が80〜180Åである結晶構造を
    有し、単繊維の糸径が5〜12μm、引張強度が少なくと
    も3.0GPa以上、引張弾性率が少なくとも500GPa以上、そ
    して伸び率が0.5%以上であることを特徴とする高強
    度、高弾性率のピッチ系炭素繊維。
  2. 【請求項2】前記結晶の層間隔(doo2)が3.40〜3.45Å
    である請求項1記載の高強度、高弾性率のピッチ系炭素
    繊維。
  3. 【請求項3】前記結晶の配向角(φ)は5〜10°であ
    り、積層厚み(Lc)は100〜160Åである請求項1又は2
    記載の高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維。
JP1049779A 1988-03-28 1989-03-03 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維 Expired - Lifetime JPH0742615B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1049779A JPH0742615B2 (ja) 1988-03-28 1989-03-03 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維
TW078102132A TW206990B (ja) 1988-03-28 1989-03-22
US07/327,637 US5114697A (en) 1988-03-28 1989-03-23 High strength, high modulus pitch-based carbon fiber
DE68921658T DE68921658T2 (de) 1988-03-28 1989-03-23 Pechkohlenstoffaser mit hoher Zugfestigkeit und hohem Elastizitätsmodulus.
EP89302979A EP0335622B1 (en) 1988-03-28 1989-03-23 High strength, high modulus pitch-based carbon fiber

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-73779 1988-03-28
JP7377988 1988-03-28
JP1049779A JPH0742615B2 (ja) 1988-03-28 1989-03-03 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH026623A JPH026623A (ja) 1990-01-10
JPH0742615B2 true JPH0742615B2 (ja) 1995-05-10

Family

ID=26390232

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1049779A Expired - Lifetime JPH0742615B2 (ja) 1988-03-28 1989-03-03 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5114697A (ja)
EP (1) EP0335622B1 (ja)
JP (1) JPH0742615B2 (ja)
DE (1) DE68921658T2 (ja)
TW (1) TW206990B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5407614A (en) * 1989-11-17 1995-04-18 Petoca Ltd. Process of making pitch-based carbon fibers
JP2825923B2 (ja) * 1990-04-06 1998-11-18 新日本製鐵株式会社 高強度炭素繊維および前駆体繊維
JPH0617320A (ja) * 1992-06-30 1994-01-25 Tonen Corp 高圧縮強度ピッチ系炭素繊維
US6703091B1 (en) * 1999-04-16 2004-03-09 Roger H. Walker Structural lining system for pipes and method for applying same
EP1845179B1 (de) * 2006-04-15 2010-07-28 Toho Tenax Co., Ltd. Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Kohlenstofffasern
US7749479B2 (en) 2006-11-22 2010-07-06 Hexcel Corporation Carbon fibers having improved strength and modulus and an associated method and apparatus for preparing same
CN101820985B (zh) * 2007-10-11 2013-01-16 东邦特耐克丝株式会社 碳素空心纤维及其制造方法
EP3659624B1 (en) 2014-01-15 2022-11-16 The U.S.A. as represented by the Secretary, Department of Health and Human Services Cartilage targeting agents and their use

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4005183A (en) * 1972-03-30 1977-01-25 Union Carbide Corporation High modulus, high strength carbon fibers produced from mesophase pitch
US3919376A (en) * 1972-12-26 1975-11-11 Union Carbide Corp Process for producing high mesophase content pitch fibers
US3919387A (en) * 1972-12-26 1975-11-11 Union Carbide Corp Process for producing high mesophase content pitch fibers
US4017327A (en) * 1973-12-11 1977-04-12 Union Carbide Corporation Process for producing mesophase pitch
US3974264A (en) * 1973-12-11 1976-08-10 Union Carbide Corporation Process for producing carbon fibers from mesophase pitch
US3995014A (en) * 1973-12-11 1976-11-30 Union Carbide Corporation Process for producing carbon fibers from mesophase pitch
US4209500A (en) * 1977-10-03 1980-06-24 Union Carbide Corporation Low molecular weight mesophase pitch
US4331620A (en) * 1980-02-25 1982-05-25 Exxon Research & Engineering Co. Process for producing carbon fibers from heat treated pitch
JPS5930192B2 (ja) * 1980-12-15 1984-07-25 富士スタンダ−ドリサ−チ株式会社 潜在的異方性ピツチ
US4655902A (en) * 1981-08-28 1987-04-07 Toa Nenryo Kogyo Kabushiki Kaisha Optically anisotropic carbonaceous pitch
JPS5976925A (ja) * 1982-10-25 1984-05-02 Nippon Oil Co Ltd ピツチ系炭素繊維の製造法
US4913889A (en) * 1983-03-09 1990-04-03 Kashima Oil Company High strength high modulus carbon fibers
JPS59163422A (ja) * 1983-03-09 1984-09-14 Kashima Sekiyu Kk 石油系メソフエ−ズの紡糸法
JPS59216921A (ja) * 1983-05-20 1984-12-07 Fuji Standard Res Kk 炭素繊維の製造方法
WO1985001752A1 (en) * 1983-10-13 1985-04-25 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Carbon fibers with high strength and high modulus, and process for their production
JPS60259609A (ja) * 1984-06-01 1985-12-21 Nippon Oil Co Ltd 紡糸用ノズル
US4628001A (en) * 1984-06-20 1986-12-09 Teijin Limited Pitch-based carbon or graphite fiber and process for preparation thereof
JPH0633530B2 (ja) * 1984-09-14 1994-05-02 呉羽化学工業株式会社 炭素繊維及びその製造方法
EP0200965B1 (en) * 1985-04-18 1991-02-06 Mitsubishi Oil Company, Limited Pitch for production of carbon fibers
JP2652932B2 (ja) * 1985-07-02 1997-09-10 新日本製鐵株式会社 しなやかで高弾性率を有する石炭ピッチ系炭素繊維
US4775589A (en) * 1985-07-02 1988-10-04 Nippon Steel Cporporation Coaltar pitch based carbon fiber having high Young's modulus
JPS62177222A (ja) * 1986-01-29 1987-08-04 Nippon Steel Corp ピツチ系炭素繊維の製造方法
CN87104047A (zh) * 1986-05-02 1988-04-13 东亚燃料工业株式会社 高模量沥青基碳纤维及其制造方法
JPS63303120A (ja) * 1987-05-31 1988-12-09 Toa Nenryo Kogyo Kk 高強度、超高弾性率炭素繊維
JPH0660451B2 (ja) * 1987-06-05 1994-08-10 株式会社ペトカ ピッチ系黒鉛繊維の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH026623A (ja) 1990-01-10
EP0335622B1 (en) 1995-03-15
US5114697A (en) 1992-05-19
EP0335622A2 (en) 1989-10-04
DE68921658T2 (de) 1995-11-30
EP0335622A3 (en) 1991-10-23
TW206990B (ja) 1993-06-01
DE68921658D1 (de) 1995-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950008909B1 (ko) 고강도, 초고탄성률 탄소섬유
US5209975A (en) High elongation, high strength pitch-type carbon fiber
JPH0742615B2 (ja) 高強度、高弾性率のピッチ系炭素繊維
JPH0790725A (ja) メソフェーズピッチ系炭素繊維ミルド及びその製造方法
JPH0660451B2 (ja) ピッチ系黒鉛繊維の製造方法
US5269984A (en) Process of making graphite fiber
US5037590A (en) Method for the preparation of carbon fibers
JPH02216222A (ja) 高強度高モジュラスピッチ系炭素繊維
EP0279687B1 (en) Graphite fiber
JPH10298829A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH03146717A (ja) 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維
JPH03146718A (ja) 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維
JPH03146720A (ja) 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維の製造方法
EP0761848B1 (en) Carbon fibres and process for their production
JP2678384B2 (ja) 炭素繊維用ピッチ及びそれを用いた炭素繊維の製造方法
JPH05272017A (ja) 炭素繊維及びその製造方法
JPH09119024A (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JPH03146719A (ja) 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH0380888B2 (ja)
JP2023117438A (ja) 熱処理耐炎繊維、熱処理耐炎繊維シート及びそれらの製造方法、並びに黒鉛繊維及び黒鉛繊維シートの製造方法
JPS6269826A (ja) 高強度・高弾性炭素繊維の製造方法
JP3177690B2 (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH0610215A (ja) ピッチ系炭素繊維およびその製造方法
JPS6147825A (ja) ピツチ系炭素繊維
JPS6134224A (ja) ピツチ系高強度長炭素繊維の製造法