JP2825923B2 - 高強度炭素繊維および前駆体繊維 - Google Patents

高強度炭素繊維および前駆体繊維

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JP2825923B2
JP2825923B2 JP2090178A JP9017890A JP2825923B2 JP 2825923 B2 JP2825923 B2 JP 2825923B2 JP 2090178 A JP2090178 A JP 2090178A JP 9017890 A JP9017890 A JP 9017890A JP 2825923 B2 JP2825923 B2 JP 2825923B2
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    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、メソフェーズピッチを出発原料とする、高
強度、高弾性率を有する新規な構造を有する炭素繊維お
よびその前駆体に関する。より詳しくは、改質された繊
維表面構造を有する引張強度が特に改善された、高強
度、高弾性率である高性能ピッチ系炭素繊維およびその
前駆体繊維に関する。
従来の技術 炭素繊維は、比強度および比弾性率の高い材料で近
年、航空宇宙分野、自動車工業、その他の工業分野で、
強くて軽い素材として注目を浴びている。このような分
野では高強度、高弾性率でありながら安価な材料が望ま
れている。
現在、炭素繊維はポリアクリルニトリル(PAN)を原
料とするPAN系炭素繊維と、ピッチ類を原料とするピッ
チ系炭素繊維が製造されているが、現状では高強度、高
弾性率の高性能炭素繊維としては主にPAN系炭素繊維が
使用されている。
しかしながら、PAN系炭素繊維は、さらに高弾性率化
を図るには限界があり、また、その原料となるPANが高
価であり、PANから得られる炭素繊維収率が低いことな
どもあって、炭素繊維の価格が高価とならざるを得ない
という問題がある。
そこで、炭素繊維収率が高く、高弾性率化が容易なメ
ソフェーズヒッチを原料とする、米国特許4,005,183号
に開示される3次元的秩序を有する多結晶黒鉛構造から
なる炭素繊維が提案されている。
近年では、さらに高強度を有する改良されたピッチ系
炭素繊維構造が提案されている。例えば特開昭62-10492
7号公報に開示される紡糸ノズルのキャピラリー部直上
部において攪拌することにって、繊維断面方向の黒鉛結
晶を微細化した構造、特開昭62-41320号公報に開示され
るキャピラリー出口部を拡大することによって、繊維断
面方向の炭素層面を褶曲させた構造、あるいは米国特許
4,818,612号に開示されるノズル手前に金網を置くこと
により繊維断面に格子模様を残存させた構造等が提案さ
れている。これらの構造は総て紡糸の際に付与されるも
のであって、繊維を構成する黒鉛結晶を断面方向におい
て微細化、難黒鉛化としたものである。
不融化、あるいは炭化、あるいは両者を組み合わせる
ことによって新規な繊維構造を発現させる方法として
は、例えば特開昭63-120112号公報に開示されている繊
維の外表層部を選択的に不融化させることにより、繊維
内部の黒鉛結晶性を向上させる繊維構造がある。この繊
維構造は高弾性率が容易に得られ易いという特徴を有す
るものである。
また、製造方法としては特開平1-314733号公報には、
不融化の際の雰囲気ガスに沃素を含有し、高強度を発現
させる方法が開示されている。この方法は不融化の際に
繊維に導入される酸素を最小限に押さえることによっ
て、欠陥のきわめて少ない繊維が製造されると記載され
ている。
また、特開昭60-259629号公報には二酸化窒素で不融
化した不融化糸を40℃/min以上の昇温速度で黒鉛化する
ことによって不融化、炭化時間の短縮と優れた強度を持
つ黒鉛化繊維の製造方法が開示されている。
本発明の炭素繊維構造は後に詳述する前駆体繊維の予
備炭化糸段階での繊維構造から必然的に導かれるもので
あり、予備炭化糸段階を経ることによって優れた物性が
認められない特開昭60-259629号公報の方法で得られる
繊維構造とは異なるものである。
特開昭61-215716号公報には、ピッチ系炭素繊維表面
を特定条件で気相酸化することによって、引張強度を向
上させる方法が開示されている。この方法は炭素繊維表
面をエッチングすることによって繊維表面にある欠陥が
低下し、炭素繊維物性が改善されると記述されている。
また、特開昭61-225330号公報に繊維中心部と結晶の
完全性が実質的に同一な表層部を有し、かつ超薄最外層
部の結晶の完全性が小である構造を持つ高強度PAN系炭
素繊維が開示されている。この繊維構造はPAN系炭素繊
維を特定条件で電気化学的に酸化処理した後、不活性あ
るいは還元性雰囲気で不活性化することによって得られ
ると記載されている。
本発明者らが検討した結果、この方法をメソフェーズ
ピッチ系炭素繊維に適用して類似の繊維構造とした場合
でも、引張強度の改善は認められず、逆に引張強度の低
下が生じた。これは、PAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊
維とでは、結晶子サイズなどに見られるように繊維構造
に大きな違いがあるためと考えられる。
このように従来提示されている高強度を有するピッチ
系炭素繊維は、その繊維断面方向の結晶を微細化した構
造、あるいは繊維製造の際に生じる種々の欠陥を極力減
らすという常識的な強度向上方法が提案されているにす
ぎず、ピッチ系炭素繊維独自の特質を把握した高強度、
高弾性率を有する新規な炭素繊維構造は明らかにされて
はいなかった。
発明が解決しようとする課題 炭素繊維製造工程上で生ずる潜在的欠陥、あるいは炭
素繊維製造後の取扱に際して生じる表面欠陥は著しく炭
素繊維の強度を低下する。本発明は、新規な炭素繊維構
造によって、種々の欠陥に対する強度の低下を緩和する
ことによって高強度、高弾性率を有する新規な炭素繊維
構造のピッチ系炭素繊維およびその前駆体繊維を提供す
るものである。
課題を解決するための手段 本発明は、(1)650℃乾燥空気中における酸化減量
率速度Aが下記式の範囲内であり、かつ−196℃におけ
る窒素あるいはクリプトン吸着から求めたBET比表面積
Sが下記式の範囲にありかつ、25℃における二酸化炭素
吸着から求めた細孔容積が0.001ml/g以下であり、かつ
引張弾性率40tf/mm2以上、引張強度が300kgf/mm2以上で
ある、2300℃以上で黒鉛化された炭素繊維、 0.15/D≦A≦0.6/D 1/(0.25×D×ρ)≦S≦1/(0.08×D×ρ) ただし、A :酸化減量率速度(1/min) S :比表面積(m2/g) D :炭素繊維の単糸繊維直径(μm) ρ:炭素繊維の密度(g/cm3) ならびに、(2)メソフェーズピッチを出発原料とす
る前駆体繊維で、この前駆体繊維を800〜900℃の温度で
炭化した繊維の−196℃における窒素吸着によるBET比表
面積Sが下記式の範囲にあり、かつ25℃におけるに二酸
化炭素吸着から求めた細孔容積が0.1ml/g以下であり、
かつこの前駆体繊維を2300℃以上の温度で黒鉛化した際
に上記(1)に記載の炭素繊維に転換される前駆体繊
維、 1/(0.045×D×ρ)≦S≦1/(0.005×D×ρ) ただし、S :比表面積(m2/g) D :炭化繊維の単糸繊維直径(μm) ρ:炭化繊維の密度(g/cm3) である。
すなわち本発明者らは、炭素繊維を構成する黒鉛結晶
は繊維全体にわたって均質であり、すなわち緻密な骨格
構造を形成しており、かつ炭素繊維表面部分においては
ある種の乱れを導入することにより、表面欠陥部分での
応力集中が緩和されるとの考えに基づき、高い引張強度
を有する炭素繊維ならびに前駆体の構造に関して鋭意検
討を重ねた結果本発明を完成するに至った。
なお、本発明では不融化繊維を不活性雰囲気下で熱処
理することを炭化と呼び、得られる繊維を炭化繊維と呼
ぶ。その中で特に2000℃以上の温度で処理することを黒
鉛化、得られる繊維を炭素繊維と呼ぶ。また、前駆体繊
維とは不活性雰囲気下で炭化ならびに黒鉛化すること
で、炭素繊維に転換可能な繊維をさすものであり、不融
化糸、900℃以下で炭化した炭化繊維を示す。
以下、本発明の内容を詳細に説明する。
本発明の炭素繊維の出発原料であるピッチは、コール
タール、コールタールピッチ等の石炭系ピッチ、石炭液
化ピッチ、エチレンタールピッチ、流動接触触媒分解残
査油から得られるデカントオイルピッチ等の石油系ピッ
チ、あるいはナフタレン等から触媒などを用いて作られ
る合成ピッチ等、各種のピッチを包含するものである。
本発明の炭素繊維に使用されるメソフェーズピッチ
は、前記のピッチを従来知られている方法でメソフェー
ズを発生させたものである。メソフェーズピッチは、紡
糸した際のピッチ繊維の配向性が高いものが望ましく、
このためメソフェーズ含有量は40%以上、より好ましく
は70%以上含有するものが望ましい。また、本発明で用
いるメソフェーズピッチは軟化点が200〜400℃、より好
ましくは250〜350℃のものがよい。
前記メソフェーズピッチをこれまで知られている方法
にて溶融紡糸を行うことによりピッチ繊維が得られる。
例えば、前記メソフェーズピッチを粘度100ポイズ〜200
0ポイズを示す温度で、口径0.1mm〜0.5mmのキャピラリ
ーから、圧力0.1〜100kg/cm2程度で押し出しながら100
〜2000m/minの引き取り速度で延伸し、繊維径が5〜20
μmのピッチ繊維を得る。
つぎにピッチ繊維は、既知の方法で不融化処理するこ
とにより熱硬化性の繊維へと転換する。例えば、空気、
空気に窒素ガス等の不活性ガス、あるいは酸素等を加え
酸素濃度を制御した酸化性ガス、またはこれらのガス
に、オゾン、二酸化窒素ガス、一酸化窒素ガス、二酸化
硫黄ガス等を混合させた、酸化性ガス雰囲気下でピッチ
の軟化点温度以下から、ピッチ繊維を酸化する不融化処
理を行う。
本発明の前駆体繊維は、このようにして得られた不融
化繊維、あるいは不融化繊維を予め窒素ガス等の不活性
ガス雰囲気下で温度300〜900℃、より好ましくは400〜9
00℃で炭化した繊維を、二酸化炭素ガス濃度5体積%以
上、より好ましくは20体積%以上の二酸化炭素ガス含有
雰囲気下で500〜1000℃、好ましくは500〜900℃の温度
で処理することによって得られる。
あるいは本発明の前駆体繊維はある特定の不融化条件
で処理し、必要に応じて低温炭化することによって得ら
れる。具体的に二酸化窒素濃度が5〜10体積%、酸素濃
度が2〜20体積%、残りのガスを窒素等の不活性ガスと
した混合ガス雰囲気下で温度150〜320℃、処理時間60〜
300min、好ましくは90〜240minの条件で不融化し、この
不融化糸を必要に応じて炭化することによって前駆体繊
維が得られる。特に本発明の前駆体繊維は従来の二酸化
窒素を用いた不融化法とは異なり、比較的長時間の不融
化時間とすることが重要である。なお、この前駆体繊維
を上述した二酸化炭素雰囲気中で処理することによっ
て、さらに好ましい特性を備えた前駆体繊維とすること
も可能である。
本発明の前駆動体繊維は800〜900℃の温度、不活性雰
囲気化で炭化した炭化繊維の−196℃における窒素ある
いはクリプトン吸着によるBET比表面積Sが下記式の範
囲にあり、かつ25℃における二酸化炭素吸着から求めた
細孔容積が0.1ml/g以下であることが重要である。
ただし、S :比表面積(m2/g) D :炭化繊維の単糸繊維直径(μm) ρ:炭化繊維の密度(g/cm3) ここで窒素吸着による比表面積は、予備炭化糸を250
℃で10-4torrまで減圧乾燥させ、温度−196℃において
定圧容量法で測定した吸着等温線からBET多点法に基づ
き求めた値である。また、細孔容積は炭化繊維を250℃
で10-4torrまで減圧乾燥させた繊維を、温度25℃、定圧
容量法で測定した吸着等温線から、Dubinin-Polanyi理
論(“Chemistry and Physics of Carbon",vol2,Marcel
Dekker,Inc.,New York,1966,p51)に基づき求めた値で
ある。ここで示される比表面積の値および細孔容積の値
は前駆体繊維に生じたミクロポアによって決定されてい
る。
窒素吸着法によって得られる比表面積は比較的大きな
細孔の量を表し、この値が1/(0.045×D×ρ)未満で
はこの前駆体繊維を炭素繊維としたときに、細孔は閉じ
ているか存在せず、繊維表面にある種の乱れを生じさせ
ることができない。また、1/(0.005×D×ρ)超では
繊維表面に残存する乱れが大きくなりすぎ、これ自体が
強度を低下させる原因となる。また、二酸化炭素吸着か
ら得られる細孔容積はこの値が0.1ml/gを超すと緻密な
骨格構造を形成し難く、したがって高性能な炭素繊維と
なり難い。
また、800〜900℃の温度、不活性雰囲気で炭化した際
の細孔分布も本発明の構成要素として重要である。温度
−196℃において定圧容量法で測定した窒素の吸着等温
線から、Dollimore-Healの方法(J.Applied.Chemi.,vol
14,p109,1966)を用いて求めた細孔分布のピーク半径が
1.3nm以下で、このときの細孔容積が0.002ml/g以上であ
ることが好ましい。
第1図に本発明の前駆体繊維(実施例1)と従来繊維
(比較例1)の炭化温度875℃での炭化繊維の窒素の吸
着等温線から求めた細孔分布曲線を示した。細孔半径が
1.3nm以下の細孔の存在が以降の炭素化、黒鉛化した際
の繊維表面にある種の乱れを導入した新規な繊維構造を
発現する。かつ、この方法で細孔全体の最も0.002ml/g
以上であることが、より改善された強度を有する繊維構
造をもたらす。
2300℃以上の温度、不活性雰囲気下で黒鉛化した際の
繊維骨格構造の緻密さは−196℃における窒素あるいは
クリプトン吸着から求めたBET比表面積と、25℃におけ
る二酸化炭素吸着から求めた細孔容積によって評価する
ことができる。繊維物性が優れる緻密な骨格構造は、−
196℃における窒素吸着から求めたBET比表面積Sが下記
式の範囲にあり、かつ25℃における二酸化炭素吸着から
求めた細孔容積が0.001ml/g以下であることが重要であ
る。
ただし、S:比表面積(m2/g) D:黒鉛化糸の単糸繊維直径(μm) ρ:黒鉛化糸の密度(g/cm3) 2300℃の温度で黒鉛化した黒鉛化繊維の比表面積値が
1/(0.08×D×ρ)超、あるいは細孔容積が0.001ml/g
超では、高強度、高弾性率を有する緻密な骨格構造とは
なり難い。
緻密に発達した骨格構造を持つ炭素繊維表面のある種
の乱れは、650℃乾燥空気中における酸化減量率速から
規定することができる。これは、窒素あるいはクリプト
ン吸着法あるいは二酸化炭素吸着法からは測定されない
ほど緻密な骨格構造であっても、650℃の温度における
酸素による酸化反応は僅かなある種の乱れを顕在化する
ことができることによる。
減量率速度は650℃に温度制御された熱天秤を用いて
測定する。熱天秤中に測定試料を装入し窒素気流中で室
温から650℃まで昇温し、温度が安定した後試料重量を
読みとりこの値をw1とする。この後、乾燥空気に切り替
え、乾燥空気気流中で30min間酸化減量させ、このとき
の試料重量w2を読みとる。酸化減量率速度Aは次式から
算出する。
このときの減量率速度が0.15/D未満では強度の改善は
見られず、ある種の乱れの導入は不十分であるものと考
えられる。一方、0.6/D超では強度の低下をもたらし緻
密な骨格構造の破壊が生じていると考えられる。このあ
る種の乱れは適正に不融化、炭化処理された炭素繊維で
は、透過型電子線回折装置による002面電子線回折像か
らは繊維全体にわたって実質的に同等な結晶構造が観察
され、結晶的に均質で緻密な構造をとる。
緻密な骨格構造は2300℃以上の黒鉛化によってX線回
折から求められる黒鉛結晶パラメータはd002が0.3435nm
以下、Lcが8.0nm以上の値をとる。
これらの作用によって引張弾性率が40tf/mm2以上、好
ましくは50tf/mm2以上である高度に黒鉛結晶が繊維軸方
向に配向した、引張強度が300kgf/mm2以上の高強度を有
する優れた特性の炭素繊維となる。
作用 本発明による新規な炭素繊維構造が、優れた引張強度
と引張弾性率を有する炭素繊維あるいは黒鉛化繊維とな
る理由はまだ不明な点もあり定かではないが、本発明者
らは以下のように考えている。
優れた物性を有する炭素繊維あるいは黒鉛化繊維と
は、理想的には黒鉛の結晶が持つ完全な秩序だった緻密
な構造が反映されるべきと考える。しかしながら、現実
には繊維製造の上で各種の欠陥が導入され、著しくその
物性が損なわれているのが現実である。特に欠陥の存在
は引張強度を大きく左右する。理想的な緻密な結晶構造
は欠陥が存在しないときには高い強度を有するが、ひと
たび欠陥が導入されるなら、欠陥部への応力集中は非常
に大きなものとなり、かつ欠陥の伝播、成長は非常に速
いものとなり、その結晶の本来持つ強度を著しく損なう
こととなる。
メソフェーズピッチのような易黒鉛化炭素材料は、13
00℃以上の炭素化、黒鉛化によって緻密な骨格構造へと
転換する。この緻密な骨格構造は、高い引張強度と高い
引張弾性率を発現するが、逆に欠陥に対する抵抗は非常
に小さなものとなる。本発明中に述べるある種の乱れと
は、強度を損なうほどは大きくはないミクロポアのよう
なものと考えられる。
本発明で提示する繊維構造は繊維全体からみたときに
は緻密な骨格構造をとり、しかしながら繊維表層部には
結晶的な乱れが実質的にないミクロポアが存在する、あ
るいは換言するなら常法とは逆に特定条件の欠陥が繊維
表面に付与されている、今までにはない新規な繊維構造
となっている。
このある種の乱れ(ミクロポア)が潜在的に生じるマ
クロな欠陥に対する応力の集中を緩和する効果をもたら
し引張強度の改善が図られるものと考えられる。
すなわち繊維自身の破壊靱性が改善された繊維構造を
発現していると考える。
実施例 以下、さらに本発明を明確にするために、実施例なら
びに比較例を用いて説明する。なお、本発明において、
ピッチ系炭素繊維および原料ピッチの特性を表わすのに
用いた諸物性値は以下の定義によった。
(1)繊維径、引張強度、引張弾性率 繊維径、引張強度、引張弾性率はJIS-R-7601(1986
年)に示された方法に準じて測定した。
(2)粘度、軟化点 粘度は、同心回転二重円筒粘度計を用いて測定した。
軟化点は、フローテスターを用いてハーゲン・ポアズイ
ユ式から算出される見掛けの粘度が20,000ポイズとなる
温度である。
(3)メソフェーズ含有量 本発明でいうメソフェーズとは、冷却固化したピッチ
を樹脂等に埋込んで表面を研磨し、反射偏光顕微鏡を用
いて観察することによって決定できる光学的に異方性を
示す組織を指す。またメソフェーズ含有量とは前述のよ
うにして観察して認められる異方性組織の面積割合で示
す。
(4)トルエン不溶分、キノリン不溶分 トルエン不溶分、キノリン不溶分JIS-K-2425(1978
年)に示された方法に準じて測定した。
(5)密度 密度は23℃の値であり、密度が1.50から1.80g/cm3
で0.01刻みとなるよう31種の塩化亜鉛水溶液と、1.80か
ら2.20g/cm3まで0.01刻みとなるように調整された41種
のブロモホルム・エタノール溶液を用いて、長さ1mmに
切った繊維の浮沈状態より求めた。
実施例1 原料としてキノリン不溶分を除去した軟化点80℃のコ
ールタールピッチを、水素化溶媒としてテトラヒドロキ
ノリンを用い、120kgf/cm2の圧力下、440℃で20分間反
応させた後、減圧下270℃で溶剤および低沸点留分を除
き、水素化処理ピッチを得た。これを常圧下480℃で熱
処理した後、低沸点分を除きメソフェーズピッチを得
た。このピッチは、軟化点が304℃、トルエン不溶分が8
5重量%、キノリン不溶分が14重量%、メソフェーズ含
有量が95%であった。
このピッチを用いて従来公知の方法で、キャピラリー
径0.14mm、ノズルホール数3000のノズルパックを有する
紡糸機を用いて、メソフェーズピッチの粘度800ポイズ
で糸径13μmのピッチ繊維を得た。
このピッチ繊維を空気中で200℃から300℃まで0.5℃/
minの昇温速度で昇温し、そのまま300℃に1時間保持
し、不融化処理を行い不融化繊維を得た。この不融化繊
維を窒素ガス雰囲気下、300℃から500℃まで5℃/minで
昇温し、そのまま500℃に30分保持して炭化繊維を得
た。つぎにこの炭化繊維を二酸化炭素ガス50体積%と窒
素ガス50体積%の混合ガス雰囲気下の炉内で、800℃で1
7分処理し、前駆体繊維を得た。その後、この前駆体繊
維を窒素雰囲気下で昇温速度20℃/minで875℃まで昇温
し、875℃に15分保持して875℃処理炭化繊維を得た。
この875℃処理炭化繊維の繊維径は11.5μm、密度は
1.73g/cm3、−196℃における窒素吸着によるBET比表面
積は2.91m2/g、25℃における二酸化炭素吸着による細孔
容積は0.065ml/g、窒素吸着法による細孔分布ピーク半
径は1.1nm、細孔容積は0.003ml/gであった。窒素吸着お
よび二酸化炭素吸着は日本ベル株式会社製ベルソープ36
に約3gの試料を用いて測定した。窒素吸着等温線は30to
rrから760torrの間を約25点、二酸化炭素吸着は30torr
から760torrまで約30点、1点当たりの吸着平衡時間に
2〜3時間をかけて測定した。
つぎにこの前駆体繊維をアルゴンガス雰囲気下で、昇
温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま2300℃に
15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の650
℃空気中における酸化減量率速度は0.021min-1、−196
℃におけるクリプトン吸着法によるBET比表面積は0.262
m2/g、25℃における二酸化炭素吸着法による細孔容積は
0.0001ml/gより小さな値であった。なお、クリプトン吸
着測定は前述の窒素吸着法と同様に、二酸化炭素吸着法
も前述の方法と全く同様に行った。また、酸化減量率速
度の測定にはMettler社製メトラーTG-50を用いた。
測定試料は約10mgを、直径5mm、高さ4mmのアルミナ製
円筒容器に装入し、空気流量30Nml/minの条件で測定し
た。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3420nm、Lcが17.5nm
であり、引張強度および引張弾性率は糸径9.8μm、強
度390kgf/mm2、弾性率68tf/mm2、密度2.14g/cm3であっ
た。
比較例1 実施例1で用いた不融化繊維を、窒素ガス雰囲気下で
300℃から875℃まで20℃/minで昇温し、そのまま875℃
に15分保持して875℃処理炭化繊維を得た。この875℃処
理炭化繊維の繊維径は11.5μm、密度は1.73g/cm3、窒
素吸着によるBET比表面積は0.91m2/g、二酸化炭素吸着
による細孔容積は0.064ml/g、窒素吸着法による細孔分
布ピーク半径は1.5nm、細孔容積は0.001ml/gであった。
つぎにこの875℃処理炭化繊維をアルゴンガス雰囲気
下で昇温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま23
00℃に15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の650℃空気中における酸化減量率速度は0.011min-1
クリプトン吸着法によるBET比表面積は0.232m2/g、二酸
化炭素吸着法による細孔容積は0.0001ml/gより小さな値
であった。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3421nm、Lcが
17.9nmであり、引張強度および引張弾性率を測定したと
ころ、糸径9.8μm、強度255kgf/mm2、弾性率66tf/m
m2、密度2.14g/cm3であった。
比較例2 実施例1で用いた不融化繊維を窒素ガス雰囲気下、30
0℃から500℃まで5℃/minで昇温し、そのまま500℃に3
0分保持して炭化繊維を得た。つぎにこの炭化繊維を二
酸化炭素ガス50体積%と窒素ガス50体積%の混合ガス雰
囲気下の炉内で、850℃で30分処理し前駆体繊維を得
た。窒素ガス雰囲気下で300℃から875℃まで20℃/minで
昇温し、そのまま875℃に15分保持して875℃処理炭化繊
維を得た。この875℃処理炭化繊維の繊維径は11.3μ
m、密度は1.73g/cm3、窒素吸着によるBET比表面積は1
2.5m2/g、二酸化炭素吸着による細孔容積は0.110ml/g、
窒素吸着法による細孔分布ピーク半径は1.6nm、細孔容
積は0.004ml/gであった。
つぎにこの875℃処理炭化繊維をアルゴンガス雰囲気
下で昇温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま23
00℃に15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の650℃空気中における酸化減量率速度は0.070min-1
クリプトン吸着法によるBET比表面積は2.35m2/g、二酸
化炭素吸着法による細孔容積は0.0017ml/gより小さな値
であった。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3425nm、Lcが
17.1nmであり、引張強度および引張弾性率を測定したと
ころ、糸径9.8μm、強度220kgf/mm2、弾性率63tf/m
m2、密度2.14g/cm3であった。
実施例2 石油重油留分の流動接触触媒分解装置(FCC装置)か
ら得られる分解残渣油(デカントオイル)を、大気圧下
での沸点範囲を360℃から520℃に蒸留した油を原料に、
窒素ガスを吹き込みながら圧力0.5kg/cm2、温度450℃で
45分間熱分解重合反応をさせた後、10mmHgの減圧下、温
度460℃で20分間低沸点分を取り除きメソフェーズピッ
チを得た。
このピッチは、軟化点が320℃、トルエン不溶解分が8
2重量%、キノリン不溶解分が35重量%、メソフェーズ
含有量が100%であった。このピッチを用いて従来公知
の方法で、キャピラリー径0.14mm、ノズルホール数200
のノズルパックを有する紡糸機を用いて、メソフェーズ
ピッチの粘度800ポイズで糸径13μmのピッチ繊維を得
た。
このピッチ繊維を空気中で150℃から300℃まで1℃/m
inの昇温速度で昇温し、不融化繊維を得た。この不融化
繊維を窒素ガス雰囲気下、200℃から500℃まで5℃/min
で昇温し、そのまま500℃に30分保持して炭化繊維を得
た。つぎにこの炭化繊維を二酸化炭素ガス25体積%と窒
素ガス75体積%の混合ガス雰囲気下の炉内で、780℃で2
0分処理した前駆体繊維を得た。
その後、この前駆体繊維を窒素雰囲気下で昇温速度20
℃/minで875℃まで昇温し、875℃に15分保持して875℃
処理炭化繊維を得た。この875℃処理炭化繊維の繊維径
は11.3μm、密度は1.70g/cm3、窒素吸着によるBET比表
面積は3.75m2/g、二酸化炭素吸着による細孔容積は0.09
3ml/g、窒素吸着法による細孔分布ピーク半径は1.1nm、
細孔容積は0.004ml/gであった。
つぎにこの予備炭化糸をアルゴンガス雰囲気下で、昇
温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま2300℃に
15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の650
℃空気中における酸化減量率速度は0.033min-1、クリプ
トン吸着法によるBET比表面積は0.286m2/g、二酸化炭素
吸着法による細孔容積は0.0001ml/gより小さな値であっ
た。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3415nm、Lcが16.8nm
であり引張強度および引張弾性率は糸径9.7μm、強度3
75kgf/mm2、弾性率58tf/mm2、密度2.12g/cm3であった。
比較例3 実施例2で用いた不融化繊維を、窒素ガス雰囲気下で
300℃から875℃まで20℃/minで昇温し、そのまま875℃
に15分保持して875℃処理炭化繊維を得た。この875℃処
理炭化繊維の繊維径は11.3μm、密度は1.73g/cm3、窒
素吸着によるBET比表面積は0.98m2/g、二酸化炭素吸着
による細孔容積は0.084ml/g、窒素吸着法による細孔分
布ピーク半径は1.6nm、細孔容積は0.001ml/gであった。
つぎにこの875℃処理炭化繊維をアルゴンガス雰囲気
下で昇温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま23
00℃に15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の650℃空気中における酸素減量率速度は0.011min-1
クリプトン吸着法によるBET比表面積は0.260m2/g、二酸
化炭素吸着法による細孔容積は0.0001ml/gより小さな値
であった。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3413nm、Lcが
17.0nmでより引張強度および引張弾性率を測定したとこ
ろ、糸径9.8μm、強度265kgf/mm2、弾性率57tf/mm2
密度2.12g/cm3であった。
実施例3 実施例1で用いたピッチ繊維を空気中に二酸化窒素ガ
スを5体積%添加した酸化ガス雰囲気中で150℃から300
℃まで1℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分保持し
て不融化繊維を得た。この不融化繊維を窒素ガス雰囲気
下で300℃から5℃/minの昇温速度で380℃まで昇温する
ことによって炭化を行い前駆体繊維を得た。
その後、この前駆体繊維を窒素雰囲気下で昇温速度20
℃/minで900℃まで昇温し900℃に15分保持して900℃処
理炭化繊維を得た。この900℃処理炭化繊維の繊維径は1
0.9μm、密度は1.70g/cm3、窒素吸着によるBET比表面
積は9.56m2/g、二酸化炭素吸着による細孔容積は0.0564
ml/g、窒素吸着法による細孔分布ピーク半径は1.1nm、
細孔容積は0.005ml/gであった。
つぎにこの900℃処理炭化繊維をアルゴンガス雰囲気
下で昇温速度40℃/minで2300℃まで昇温し、そのまま23
00℃に15分保持して炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の650℃空気中における酸化減量率速度は0.035min-1
クリプトン吸着法によるBET比表面積は0.275m2/g、二酸
化炭素吸着法による細孔容積は0.0001ml/gより小さな値
であった。黒鉛結晶パラメータはd002が0.3417nm、Lcが
17.8nmであり引張強度および引張弾性率は糸径9.5μ
m、強度360kgf/mm2、弾性率67tf/mm2、密度2.14g/cm3
であった。
第1表に875〜900℃処理炭化繊維の性状、第2表に23
00℃で黒鉛化した炭素繊維の性状を示した。
発明の効果 上述したごとく本発明の炭素繊維、ならびにその前駆
体は、その表面特性を制御する点に特徴を有する。本発
明の新規な構造を有する炭素繊維は、表面欠陥に対する
耐性を向上させる、すなわち破壊靱性の改善を行うこと
によって、引張強度が改善された高性能な炭素繊維を提
供する。
また、本発明法による新規な構造を有する炭素繊維
は、炭素繊維製造後に生じる表面欠陥に対しても強度低
下は少なく、高性能な繊維物性が安定して得られ易い特
徴を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1および比較例1で得られた温度875℃
処理炭化繊維の窒素吸着等温線からDollimore-Healの方
法で得た細孔分布曲線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 砂子 洋文 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (72)発明者 富岡 紀夫 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式會社第1技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−226093(JP,A) 特開 平2−6620(JP,A) 特公 平1−44751(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 9/12 - 9/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】650℃乾燥空気中における酸化減量率速度
    Aが下記式の範囲内であり、かつ−196℃における窒素
    あるいはクリプトン吸着から求めたBET比表面積Sが下
    記式の範囲にありかつ、25℃における二酸化炭素吸着か
    ら求めた細孔容積が0.001ml/g以下であり、かつ引張弾
    性率40tf/mm2以上、引張強度が300kgf/mm2以上である、
    2300℃以上で黒鉛化された炭素繊維。 0.15/D≦A≦0.6/D 1/(0.25×D×ρ)≦S≦1/(0.08×D×ρ) ただし、A:酸化減量率速度(1/min) S:比表面積(m2/g) D:炭素繊維の単糸繊維直径(μm) ρ:炭素繊維の密度(g/cm3
  2. 【請求項2】メソフェーズピッチを出発原料とする前駆
    体繊維で、この前駆体繊維を800〜900℃の温度で炭化し
    た繊維の−196℃における窒素吸着によるBET比表面積S
    が下記式の範囲にあり、かつ25℃におけるに二酸化炭素
    吸着から求めた細孔容積が0.1ml/g以下であり、かつこ
    の前駆体繊維を2300℃以上の温度で黒鉛化した際に請求
    項1に記載の炭素繊維に転換される前駆体繊維。 1/(0.045×D×ρ)≦S≦1/(0.005×D×ρ) ただし、S:比表面積(m2/g) D:炭化繊維の単糸繊維直径(μm) ρ:炭化繊維の密度(g/cm3
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