JPH10298829A - ピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の製造方法

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JPH10298829A
JPH10298829A JP9106875A JP10687597A JPH10298829A JP H10298829 A JPH10298829 A JP H10298829A JP 9106875 A JP9106875 A JP 9106875A JP 10687597 A JP10687597 A JP 10687597A JP H10298829 A JPH10298829 A JP H10298829A
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fiber
carbon fiber
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orifice
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Shigeo Hara
重夫 原
Yoshio Kishimoto
好雄 岸本
Michiharu Harakawa
通治 原川
Hajime Nakajima
肇 中嶋
Masatoshi Furuyama
昌利 古山
Yutaka Arai
豊 荒井
Tsutomu Nakamura
中村  勉
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Nippon Graphite Industries Ltd
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Eneos Corp
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NIPPON GURAFUAITO FIBER KK
Nippon Graphite Industries Ltd
Nippon Steel Corp
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Nippon Oil Corp
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    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D5/00Formation of filaments, threads, or the like
    • D01D5/253Formation of filaments, threads, or the like with a non-circular cross section; Spinnerette packs therefor
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01DMECHANICAL METHODS OR APPARATUS IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS
    • D01D4/00Spinnerette packs; Cleaning thereof
    • D01D4/02Spinnerettes
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F9/00Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
    • D01F9/08Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
    • D01F9/12Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
    • D01F9/14Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments
    • D01F9/145Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues
    • D01F9/15Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by decomposition of organic filaments from pitch or distillation residues from coal pitch

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引張弾性率が高くしかも圧縮強度が高いピッ
チ系炭素繊維の製造法を提供する。 【解決手段】 ピッチ系炭素繊維の製造において、メソ
フェーズピッチを溶融紡糸する際、該ピッチをテンプレ
ートの入口部に設置してある金網を通過させた後、オリ
フィスを通過させることにより一旦縮流し、その後オリ
フィス径よりも径の大きな導入孔へ拡大し、集束部分に
設けられた吐出孔を通過させて紡糸する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピッチ系炭素繊維の
製造法に関するものであり、特に引張弾性率が高くしか
も圧縮強度が高いピッチ系炭素繊維の製造法に関するも
のである。本発明にて得られた高引張強度、高弾性率、
そして高圧縮強度の炭素繊維は、宇宙・航空産業、スポ
ーツ・レジャー産業、さらには自動車産業、建築産業等
の種々の産業分野において使用される複合材料の強化繊
維として好適に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ピッチ系炭素繊維のうちメソフェーズピ
ッチを出発原料とする炭素繊維は、極めて高い弾性率を
有するものを製造することができるという長所を有す
る。その弾性率は、黒鉛結晶のA軸方向の理論弾性率に
ほぼ匹敵する950GPa程度のものまで工業的に製造
可能なレベルまで達している。また、引張強度も3〜4
GPa程度のものがすでに市販されており、最近では高
強度炭素繊維の代表であるポリアクリルニトリル(PA
N)系炭素繊維に匹敵する性能のものが得られるように
なっている。しかし、ピッチ系炭素繊維を用いた複合材
料は、PAN系炭素繊維を用いた複合材料に比べ、その
圧縮特性、特に圧縮強度が劣るという問題がある。曲げ
強度などの複合材料の実用特性は炭素繊維の圧縮強度が
左右しており、ピッチ系炭素繊維はPAN系炭素繊維に
比べて圧縮強度が低いため、複合材料としての用途に制
限があった。
【0003】この問題点に関し、特開平2−14023
号公報では、光学的異方性相を5〜40%含むピッチを
数100Pa・Sとピッチの紡糸粘度としては著しく高
い粘度で紡糸を行い炭素繊維を製造することで圧縮強度
を改善する方法が提案されている。また、特開平3−8
16号公報では、ピッチ系炭素繊維にホウ素イオンを真
空で注入することにより圧縮強度を改善する方法が提案
されているが、これらの方法は従来の炭素繊維の製造方
法に比しその製造条件が極めて特異であったり、非実用
的な工程を必要とするなど、工業的に圧縮強度を改善し
たピッチ系炭素繊維を得る方法としては多くの問題があ
った。特開昭61−258024号公報では、導入孔の
吐出孔側の端部に網目層を設けることにより、ピッチを
網目層および吐出孔の順に通過させて紡糸を行い炭素繊
維を製造する方法が提案されているが、工業的な生産と
いう観点から多大な労力を要するのみならず、PAN系
に匹敵するような圧縮強度の達成という点ではいまだ不
十分な方法であった。炭素繊維の剛性を活かしつつ複合
材料の圧縮強度を改善させるためには、炭素繊維そのも
のの圧縮強度を向上させる必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ピッチ系炭素繊維の圧
縮強度は、炭素繊維が持つ結晶子サイズの微細構造に左
右されるだけでなく、ラジアル、ランダム、オニオン構
造等と一般的に呼ばれる炭素繊維の軸に垂直に切断した
いわゆる横断面方向の巨視的構造によっても変化するこ
とが本発明者等が鋭意研究した結果明らかになった。圧
縮強度を高める横断面構造は、ある特定の繊維構造を必
要とし、炭素繊維内部はオニオン構造あるいはランダム
構造でかつ炭素繊維表層はラジアル成分を余り含まない
ランダム状のものが適しており、この様な炭素繊維の横
断面方向の構造は、一般的には、溶融紡糸の段階で決定
される。即ち、本発明の目的は高圧縮強度の炭素繊維を
提供することにあり、特に弾性率が500GPaを越え
る高弾性率領域であっても圧縮強度が高いピッチ系炭素
繊維を工業的かつ簡便に製造する方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、メソフェーズ
ピッチを溶融紡糸する際、該ピッチをテンプレートの入
口部に設置してある金網を通過させた後、オリフィスを
通過させることにより一旦縮流し、その後オリフィス径
よりも径の大きな導入孔へ拡大し、集束部分に設けられ
た吐出孔を通過させて紡糸することを特徴とするピッチ
系炭素繊維の製造法に関するものである。
【発明の実施の形態】本発明で用いられる溶融紡糸用の
原料としては、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、さらには
合成系ピッチなどがある。石油系ピッチの具体例として
は、デカントオイルピッチ、エチレンタールピッチがあ
り、石炭系ピッチの具体例としては、コールタールピッ
チ、石炭液化ピッチがある。合成系ピッチの具体例とし
ては、ナフタレンピッチ等の各種ピッチがある。本発明
では上記のようなピッチのうち、光学的異方性相を含む
ピッチ即ちメソフェーズピッチが用いられ、通常光学的
異方性相が50〜100%、好ましくは80〜100
%、より好ましくは90〜100%のピッチが用いられ
る。
【0006】本発明の紡糸用ノズルは、溶融したメソフ
ェーズピッチをテンプレートの入口部に設置してある金
網を通過させた後、オリフィスを通過させることにより
一旦縮流し、その後オリフィス径よりも径の大きな導入
孔へ拡大し、吐出孔を通過させて紡糸するものである。
より好ましい態様では、溶融したメソフェーズピッチを
テンプレートの入口部に設置してある金網を通過させた
後、オリフィスを通過させることにより一旦縮流し、そ
の後オリフィス径よりも径の大きな導入孔へ拡大し、該
導入孔から吐出孔に至る第1アプローチ部および第1ア
プローチ部に続く第2アプローチ部で再度縮流し、第2
アプローチ部の中央部分あるいは集束部分に設けられた
吐出孔を通過させて紡糸することができる。この様な紡
糸ノズルの形状を図1に示すが、この様なノズルから得
られるピッチ繊維を炭化して得られる炭素繊維は繊維表
層のラジアル成分が少なく、繊維断面全体では微細組織
から形成される複数の構造を持つ横断面構造となり、高
い圧縮強度を保持することができる。
【0007】本発明により圧縮強度が向上する理由は、
次のように考える。テンプレートの入口部に設置してあ
る金網は、ピッチを形成する組織を金網を通過する時の
剪断応力により微細化する役割を果たしている。一方、
オリフィスは、ピッチの流動形態を制御する役割を果た
す。ピッチをオリフィスを通過させることにより一旦縮
流し、その後オリフィス径よりも径の大きな導入孔へ拡
大させることにより、ピッチを形成する組織はオニオン
状に配列する。すなわち、ピッチを形成する組織を金網
で微細化し、次にオリフィスを通過させることにより微
細化した組織の配列をオニオン状にし、その後、吐出孔
を通過させて紡糸することで圧縮強度の向上に最適なオ
ニオン構造を含む横断面構造が形成されると考える。ま
た、より好ましくは、ノズル導入孔から吐出孔に至る第
1アプローチ部および第1アプローチ部に続く第2アプ
ローチ部で再度縮流し、第2アプローチ部の中央部分あ
るいは集束部分に設けられた吐出孔を通過させて紡糸す
ることで、炭素繊維の横断面構造のオニオン構造割合を
制御し、最適性状の炭素繊維を得ることができる。オリ
フィスを有するテンプレートと金網を逆に設置した場
合、すなわち、ピッチがオリフィスを出てから金網を通
過するように設置すると、オリフィスの効果が弱まり、
得られる炭素繊維の横断面構造はラジアル成分が多く、
優れた圧縮強度の炭素繊維を得ることができにくくな
る。
【0008】以下図1に基づいてノズルの形状を説明す
る。前記の様な炭素繊維の構造をもたらすには、テンプ
レートの入口部に設置する金網の細かさは、通常100
〜2500メッシュ、特に500〜2000メッシュが
好ましい。金網(4)の厚さは通常0.01〜5mm、
特に0.1〜3mmが好ましい。ピッチが通過する金網
の面積(S1)は、ノズル1個当たり通常1mm2
上、特に4mm2 以上が好ましく、金網からオリフィス
の入口までの長さ(L2)は通常0.2〜9mm、特に
0.5〜5mmが好ましい。該金網を通過させた後一旦
縮流するためには、オリフィスのあるテンプレートを用
いることができる。このオリフィスの形状は繊維横断面
の中央部の構造に深く関わり、円形またはスリット型の
形状が好ましい。テンプレートの板厚(L1)は、通常
0.5〜10mmが好ましい。オリフィスの面積(S
2)は通常0.008mm2 〜1mm2 、特に0.01
7mm2 〜0.5mm2 、オリフィスの長さ(L3)は
通常0.3〜1mmが好ましい。
【0009】導入孔から吐出孔に至る第1アプローチ部
(θ1)は通常40°〜150°、特に60°〜150
°の角度を形成することが好ましく、その第1アプロー
チ部の終端に続いてさらに導入孔側に開いた第2アプロ
ーチ部(θ2)は通常170°〜185°、特に175
°〜180°の角度を有することが好ましく、また最大
径(D2)は通常導入孔径(D1)の0.01〜0.8
倍、吐出孔径(D3)の1.5〜30倍が好ましい。吐
出孔径(D3)は通常0.05〜0.5mmが好まし
い。導入孔は通常紡出方向に平行な円筒状であり、導入
孔の径(D1)は通常0.5〜10mm、特に1.2〜
5mmが好ましく、導入孔での滞留時間は、通常1〜4
00秒、特に4〜200秒が好ましい。アプローチ部を
合わせた導入孔長さ(L4)は通常2〜10mm、吐出
孔長さ(L5)は通常0.1〜0.5mmが好ましい。
吐出孔の形状はどの様な形状でも適用できるが、圧縮強
度の向上をもたらすには、円形の吐出孔を用いることが
より好ましい。
【0010】本発明では上記の紡糸用ノズルを用いて、
紡糸用ピッチを紡糸粘度が通常8〜300Pa・S、好
ましくは20〜200Pa・Sを示す紡糸温度で、1〜
200kg/cm2 程度の紡糸圧力で押し出しながら通
常100〜2000m/minの引き取り速度で延伸
し、通常5〜20μmの繊維径をもつピッチ繊維とする
ことができる。また、ダイスに設ける吐出孔数は、単数
あるいは複数とすることができ、通常1個〜3000個
にすることができる。
【0011】得られたピッチ繊維は、酸化性ガス雰囲気
下、通常100〜360℃、好ましくは130〜320
℃の温度で通常10分〜10時間、好ましくは1〜6時
間保持し、不融化処理を行うことができる。酸化性ガス
としては酸素、空気あるいはこれらに二酸化窒素、塩素
等を混合して用いることができる。不融化処理した繊維
は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で通常100
0〜3000℃の温度で炭化あるいは黒鉛化等の焼成処
理を行うことで、圧縮強度が改善されたピッチ系炭素繊
維を得ることができる。なお、該焼成処理前に不活性ガ
ス雰囲気中で300〜800℃で一次炭化を行うことも
できる。このようにして得られる炭素繊維は、引張弾性
率が通常500〜1000GPaで圧縮強度が通常50
0〜1100MPaの特性を有することができる。さら
に、このようにして得られる炭素繊維は500℃以上の
酸化性ガスの雰囲気にさらされても優れた耐酸化性を示
すことができる。本発明においてメソフェーズピッチと
は、偏光顕微鏡でピッチの断面を観察した際に見ること
ができる光学的異方性を示すピッチであり、その含有量
は光学的異方性の面積分率で示す。炭素繊維の引張物性
は、JIS−R−7601に規定されているストランド
引張試験法に準じて測定した。炭素繊維の圧縮物性は、
ASTM−D3410に規定されている0°圧縮強度試
験法に準じて測定した。
【0012】
【発明の効果】本発明により炭素繊維内部は、微細組織
から形成されたオニオン構造状あるいはランダム構造状
でかつ、炭素繊維表層はラジアル成分を余り含まないラ
ンダム状の構造の炭素繊維を得ることができ、得られた
ピッチ系炭素繊維は引張強度および引張弾性率に優れて
いるのみならず、圧縮強度が高いという特徴を有するこ
とができる。
【0013】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに制限されるものでない。
【0014】(実施例1)石炭系の紡糸用ピッチを用い
て、図1に示す紡糸用ノズルを使用した。テンプレート
の入口部に設置する金網の細かさは、1500メッシュ
の物を使用し、ピッチが通過する金網の面積(S1)
は、ノズル1個当たり5mm2 とした。導入孔に至るピ
ッチの各流路には、図5−aのオリフィス形状のテンプ
レートを使用した。そのオリフィスの面積(S2)は
0.03mm2 である。テンプレート板厚(L1)は
2.5mm、オリフィスの長さ(L3)は0.5mmと
した。導入孔径(D1)は1.5mm、導入孔長さL4
が5mm、第1アプローチ部の導入孔側に開いた角度
(θ1)が120°、第2アプローチ部の導入孔側に開
いた角度(θ2)が180°で第2アプローチ部の導入
孔側に開いた側の径(D2)が0.8mmとした。吐出
孔は第2アプローチ部の中心に設けられており、吐出孔
径(D3)は0.12mm、吐出孔長さ(L5)が0.
24mm、吐出孔数は1000個である。紡糸粘度は6
0Pa・s、引き取り速度300m/minで紡糸した
ピッチ繊維をケンスに採取した。得られたピッチ繊維径
は12.5μmである。このピッチ繊維をケンスに収納
したまま、空気に二酸化窒素を2体積%添加した混合ガ
ス雰囲気内で2℃/minで300℃まで昇温し、60
分保持して不融化繊維を得た。次にこの不融化繊維を、
そのまま窒素ガス雰囲気下で10℃/minで700℃
まで昇温し、30分保持して一次炭化を行った。そして
この炭化繊維を2300℃の温度で黒鉛化を行い炭素繊
維を得た。得られた炭素繊維の繊維径約10μm、引張
弾性率は573GPa、引張強度は3.9GPa、圧縮
強度は610MPaであった。この炭素繊維の横断面方
向の断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、微細組
織からなる複数の構造を持つ横断面構造であり、繊維中
央部、直径約7μm部分はオニオン構造状であり、外層
部が約1.5μmの厚みでランダム状の構造を形成して
いた。
【0015】(実施例2)石油系の紡糸用ピッチを用い
て、実施例1と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸
し、ピッチ繊維をケンスに採取した。得られたピッチ繊
維径は12.5μmである。このピッチ繊維をケンスに
収納したまま、不融化条件が250℃までの昇温とする
以外は、実施例1と同じ条件で不融化・一次炭化・黒鉛
化処理を行い炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張
弾性率は621GPa、引張強度は4.0GPa、圧縮
強度は582MPaであった。
【0016】(実施例3)合成系の紡糸用ピッチを用い
て、実施例1と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸
し、ピッチ繊維をケンスに採取した。得られたピッチ繊
維径は12.5μmである。このピッチ繊維をケンスに
収納したまま、実施例2と同じ条件で不融化・一次炭化
・黒鉛化処理を行い炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の引張弾性率は639GPa、引張強度は3.9GP
a、圧縮強度は561MPaであった。
【0017】(実施例4)実施例1と同じ石炭系の紡糸
用ピッチを用いて、導入孔に至るピッチの各流路に、図
5−bのオリフィス形状のテンプレートを使用した以外
は、実施例1と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸
し、ピッチ繊維をケンスに採取した。得られたピッチ繊
維径は12.5μmである。なおこのオリフィスの面積
(S2)は0.23mm2 である。このピッチ繊維をケ
ンスに収納したまま、実施例1と同じ条件で不融化・一
次炭化・黒鉛化処理を行い炭素繊維を得た。得られた炭
素繊維の引張弾性率は591GPa、引張強度は4.1
GPa、圧縮強度は598MPaであった。
【0018】(実施例5)実施例3と同じ合成系の紡糸
用ピッチを用いて、実施例4と同じノズルでかつ同じ紡
糸条件で紡糸し、ピッチ繊維をケンスに採取した。得ら
れたピッチ繊維径は12.5μmである。このピッチ繊
維をケンスに収納したまま、実施例2と同じ条件で不融
化・一次炭化・黒鉛化処理を行い炭素繊維を得た。得ら
れた炭素繊維の引張弾性率は648GPa、引張強度は
4.1GPa、圧縮強度は576MPaであった。
【0019】(実施例6)実施例1と同じ石炭系の紡糸
用ピッチを用いて、図2に示すように第1アプローチ部
の角度(θ1)が60°、第2アプローチ部がない以外
は、実施例1と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸
し、ピッチ繊維をケンスに採取した。得られたピッチ繊
維径は12.5μmである。このピッチ繊維をケンスに
収納したまま、実施例1と同じ条件で不融化・一次炭化
・黒鉛化処理を行い炭素繊維を得た。得られた炭素繊維
の繊維径約10μm、引張弾性率は570GPa、引張
強度は3.9GPa、圧縮強度は559MPaであっ
た。この炭素繊維の横断面方向の断面を走査型電子顕微
鏡で観察したところ組織は細かく、繊維中央部、直径約
5μm部分はオニオン構造状であり、外層部が約2.5
μmの厚みでラジアル状の構造を形成していた。
【0020】(比較例1)実施例1と同じ石炭系の紡糸
用ピッチを用いて、図3に示すようにテンプレートの入
口部に設置してある金網を取り外した以外は、実施例6
と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸し、ピッチ繊維
をケンスに採取した。得られたピッチ繊維径は12.5
μmである。このピッチ繊維をケンスに収納したまま、
実施例1と同じ条件で不融化・一次炭化・黒鉛化処理を
行い炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張弾性率は
616GPa、引張強度は3.7GPa、圧縮強度は4
57MPaであった。この炭素繊維の横断面方向の断面
を走査型電子顕微鏡で観察したところ組織は大きく、繊
維中央部約5μm部分はオニオン構造状であり、外層部
が約2.5μmの厚みでラジアル状の構造を形成してい
た。
【0021】(比較例2)実施例1と同じ石炭系の紡糸
用ピッチを用いて、図4に示すようにオリフィスのある
テンプレートを取り外した以外は、実施例6と同じノズ
ルでかつ同じ紡糸条件で紡糸し、ピッチ繊維をケンスに
採取した。得られたピッチ繊維径は12.5μmであ
る。このピッチ繊維をケンスに収納したまま、実施例1
と同じ条件で不融化・一次炭化・黒鉛化処理を行い炭素
繊維を得た。得られた炭素繊維の引張弾性率は520G
Pa、引張強度は3.5GPa、圧縮強度は487MP
aであった。この炭素繊維の横断面方向の断面を走査型
電子顕微鏡で観察したところ、ラジアル構造状であり、
数パーセントの糸割れがあった。
【0022】(比較例3)実施例3と同じ合成系の紡糸
用ピッチを用いて、図1の紡糸ノズルでテンプレートの
入口部に設置してある金網を取り外した以外は、実施例
1と同じノズルでかつ同じ紡糸条件で紡糸し、ピッチ繊
維をケンスに採取した。得られたピッチ繊維径は12.
5μmである。このピッチ繊維をケンスに収納したま
ま、実施例2と同じ条件で不融化・一次炭化・黒鉛化処
理を行い炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の引張弾性
率は589GPa、引張強度は3.8GPa、圧縮強度
は468MPaであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるノズルの模式図。
【図2】本発明によるノズル例(アプローチ部が1つの
ノズル)。
【図3】本発明以外のノズル例(テンプレートのみのノ
ズル)。
【図4】本発明以外のノズル例(金網のみのノズル)。
【図5】本発明によるオリフィス形状の一例。
【符号の説明】
1 ノズル 2 テンプレート 3 オリフィス(ノズル入口部) 4 金網 5 導入孔 6 吐出孔
フロントページの続き (72)発明者 原 重夫 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 岸本 好雄 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 原川 通治 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 中嶋 肇 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本石 油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 古山 昌利 神奈川県川崎市中原区井田3丁目35番1号 新日本製鐵株式会社技術開発本部内 (72)発明者 荒井 豊 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 中村 勉 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 日本グ ラファイトファイバー株式会社広畑工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メソフェーズピッチを溶融紡糸する際、
    該ピッチをテンプレートの入口部に設置してある金網を
    通過させた後、オリフィスを通過させることにより一旦
    縮流し、その後オリフィス径よりも径の大きな導入孔へ
    拡大し、集束部分に設けられた吐出孔を通過させて紡糸
    することを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法。
JP9106875A 1997-04-24 1997-04-24 ピッチ系炭素繊維の製造方法 Withdrawn JPH10298829A (ja)

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