JPH0742119B2 - 針状晶ゲ−タイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状晶ゲ−タイト粒子粉末の製造法

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JPH0742119B2
JPH0742119B2 JP61064398A JP6439886A JPH0742119B2 JP H0742119 B2 JPH0742119 B2 JP H0742119B2 JP 61064398 A JP61064398 A JP 61064398A JP 6439886 A JP6439886 A JP 6439886A JP H0742119 B2 JPH0742119 B2 JP H0742119B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録用磁性粒子粉末を製造する際の出発
原料として使用される針状晶ゲータイト粒子粉末の製造
法に関するものであり、詳しくは、針状晶ゲータイト粒
子の生成にあたって使用する原料のうち最も高価な水酸
化アルカリの鉄に対する使用割合を可及的に少なくする
ことができるものであって、その結果、生成する針状晶
ゲータイト粒子の水洗に使用する水の量も可及的に少な
くすることができるものであり、また高濃度の反応が可
能で、しかも可及的に短い反応時間でゲータイト粒子を
生成させることができることに起因して生産性を高める
ことができる省資源、省エネルギーの反応によって、軸
比(長軸:短軸)が大きく、且つ、微細な、殊に0.5μ
m以下の針状晶ゲータイト粒子を工業的、経済的に有利
に提供することを目的とする。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化が進むにつれて
磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体に対する高
性能化の必要性が益々生じてきている。すなわち、高密
度記録特性、高出力特性、高感度特性、周波数特性等の
諸特性の向上及びノイズレベルの低下が要求されてい
る。
磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為
に適した磁性材料の磁気特性は、高い保磁力Hcと大きな
飽和磁束密度σsとを有することである。
周知の如く、磁性粒子粉末の保磁力の大きさは、形状異
方性、結晶異方性、歪異方性及び交換異方性のいずれか
若しくはそれらの相互作用に依存している。
磁気テープ、磁気ディスク等磁気記録媒体の出力特性、
感度特性は、残留磁束密度Brに依存し、残留磁束密度Br
は、磁性粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中での
配向性及び充填性に依存している。
そして、塗膜中での配向性及び充填性を向上させるため
には、ビークル中に分散させる磁性粒子粉末ができるだ
け優れた針状晶を有する事が要求される。
また、記録媒体の低ノイズ化の為には磁性粒子粉末の微
粒子化が必要であり、殊に、磁性粒子粉末の長軸が0.5
μm以下であることが要求される。
現在、磁気記録用材料として主に針状晶マグネタイト粒
子粉末または、針状晶マグヘマイト粒子粉末が用いられ
ている。これらは一般に、第一鉄塩水溶液と水酸化アル
カリとを反応させて得られる水酸化第一鉄粒子を含むpH
11以上のコロイド水溶液を空気酸化し(通常、「湿式反
応」と呼ばれている。)て得られる針状晶ゲータイト粒
子を、水素等還元性ガス中300〜400℃で還元して針状晶
マグネタイト粒子とし、または次いでこれを、空気中20
0〜300℃で酸化して針状晶マグヘマイト粒子とすること
により得られている。
現在、磁気記録用磁性粒子粉末として使用されている針
状晶マグネタイト粒子粉末、又は針状晶マグヘマイト粒
子粉末は、その形状磁気異方性を利用して比較的高い保
磁力を得、その配向性の優れていることを利用して、比
較的大きな角型(Br/Bm)及び配向度を得ているもので
あるが、更に、針状晶マグネタイト粒子粉末並びに針状
晶マグヘマイト粒子粉末の特性をより優れたものとすべ
く研究開発が進められている。
上述したように、優れた針状晶を有する針状晶磁性粒子
粉末は、現在、最も要求されているところであり、この
ような特性を備えた磁性粒子粉末を得るためには、出発
原料である針状晶ゲータイト粒子が優れた針状晶を有す
ることが必要である。
従来、pH11以上のアルカリ領域で針状晶ゲータイト粒子
を製造する方法として最も代表的な公知方法は、第一鉄
塩溶液に当量以上のアルカリ溶液を加えて得られる水酸
化第一鉄粒子を含む溶液をpH11以上にて80℃以下の温度
で酸化反応を行うことにより、針状晶ゲータイト粒子を
得るものである。
一方、近年、省資源、省エネルギー化の要請が益々強ま
っており、針状晶ゲータイト粒子の生成にあたっても、
高価な水酸化アルカリの鉄に対する消費割合の減少、水
の消費量の減少及び高濃度の反応並びに反応時間の短縮
化による生産性の向上をはかり、工業的、経済的に有利
に針状晶ゲータイト粒子を得ることが強く要望されてい
る。
〔発明が解決しようとする問題点〕
省資源、省エネルギーの反応によって軸比(長軸:短
軸)が大きく、且つ、微細な針状晶ゲータイト粒子を工
業的、経済的に有利に得ることは、現在最も要求されて
いるところであるが、上述した通りの公知方法による場
合、得られた針状晶ゲータイト粒子粉末は、長軸0.5〜
1.5μm程度の針状形態を呈した粒子であるが、軸比
(長軸:短軸)は高々10:1程度であり、優れた針状晶を
有する粒子であるとは言い難い。反応溶媒中の反応鉄
(Fe2+)濃度は、通常0.2〜0.4mol/l程度であり、0.4mo
l/l以上の高濃度による粘度が増大して不均一な反応と
なり、針状晶ゲータイト粒子の生成沈澱に30時間程度以
上という長時間を必要とする。また、得られたゲータイ
ト粒子は長軸1.0μm以上の粗大粒子となる。
優れた針状晶を有するゲータイト粒子を生成する試み
は、従来から種々なされており、例えば、特公昭55-232
15号公報、特開昭56-69229号公報に記載の方法及び針状
晶ゲータイト粒子の生成にあたって各種金属塩を添加す
る、例えば、特開昭56-156705号並びに特開昭56-160329
号公報に記載の方法がある。
前出特公昭55-23215号公報に記載の方法は、針状晶ゲー
タイト粒子の生成にあたり鉄に対して4.8倍当量程度以
上の水酸化アルカリを使用し、高アルカリ濃度領域で針
状晶ゲータイト粒子の生成反応を行うことにより軸比
(長軸:短軸)が大きく、殊に、30:1程度以上の針状晶
ゲータイト粒子を得るものであるが、高価な水酸化アル
カリの鉄に対する消費割合が大きく、その結果、過剰の
アルカリを水洗除去する為には多量の水を必要とするも
のであった。また、反応水溶液中の反応鉄(Fe2+)濃度
は、高々0.25mol/l程度であり、これ以上に濃度を高め
ると粘度が増大して不均一な反応となり、針状晶ゲータ
イト粒子の生成沈澱に40時間以上という長時間を必要と
し、得られたゲータイト粒子は、長軸1.0μm以上の粗
大粒子となる。また、生成粒子中に粒状のマグネタイト
粒子が混在しやすくなる。
前出特開昭56-69229号公報に記載の方法は、針状ゲータ
イト粒子の製造方法において、酸化反応開始後、第1鉄
塩を主成分とする水溶液を少量づつ連続して加え、然る
後酸化反応を継続するものであるが、反応時間が20時間
前後と長時間を必要とする。
前出針状晶ゲータイト粒子の生成にあたって各種金属塩
を添加する方法は、針状晶ゲータイト粒子の生成にあた
ってニッケル塩を添加するものであり、軸比(長軸:短
軸)が30:1程度以上の針状晶ゲータイト粒子を得るもの
ではあるが、鉄に対して3.5倍当量程度以上の水酸化ア
ルカリを使用するものであり、更に、鉄に対する消費割
合を減少させることが要求される。また、反応鉄(F
e2+)濃度は、高々0.36mol/l程度であり、未だ、高濃度
の反応とは言い難い。
そこで、省資源、省エネルギーの反応によって軸比(長
軸:短軸)の大きな針状晶ゲータイト粒子を工業的、経
済的に有利に得る為の技術手段の確立が強く要望されて
いる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者は、省資源、省エネルギーの反応によって軸比
(長軸:短軸)の大きな針状晶ゲータイト粒子を工業
的、経済的に容易に得るべく種々検討を重ねた結果、本
発明に到達したのである。
即ち、本発明は、ニッケル塩を含む第一鉄塩水溶液と該
第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し3〜15倍当量の水酸化ア
ルカリ水溶液とを混合して得られたpH11以上の水酸化第
一鉄懸濁液に水可溶性ケイ酸塩の存在下、20〜60℃の温
度範囲で酸素含有ガスを通気することにより軸比(長
軸:短軸)の大きい針状晶ゲータイト種結晶粒子を生成
させる第一段と、第一段終了後の種結晶粒子と第一段で
消費された残りのアルカリとを含むアルカリ性懸濁液に
残存アルカリ中のOHに対し1/2当量以下の第一鉄塩を添
加した後酸素含有ガスを通気して添加した第一鉄塩とア
ルカリとの反応により生成した水酸化第一鉄を酸化する
第1回の操作を行い、次いで、アルカリ性懸濁液中に第
1回の操作で消費された残存アルカリ中のOHに対し1/2
当量以下の第一鉄塩を添加した後酸素含有ガスを通気し
て生成した水酸化第一鉄を酸化する第2回の操作を行う
という繰り返し操作を少なくとも2回以上行って、最終
的に残存アルカリ中のOH濃度が0.3Nになるまでに前記操
作を終了するとともに前記操作のそれぞれにおいて酸素
含有ガスを通気する前の反応溶液中に水可溶性ケイ酸塩
を存在させておくという条件に従って種結晶粒子を成長
させる第二段との二段階反応からなる軸比(長軸:短
軸)が40:1〜60:1の針状晶ゲータイト粒子粉末の製造法
である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、ニッケル塩を含
む第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し3
〜15倍当量の水酸化アルカリ水溶液とを混合して得られ
たpH11以上の水酸化第一鉄懸濁液に水可溶性ケイ酸塩の
存在下、20〜60℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気する
ことにより軸比(長軸:短軸)の大きい針状晶ゲータイ
ト種結晶粒子を生成させる第一段と、第一段終了後の種
結晶粒子と第一段で消費された残りのアルカリとを含む
アルカリ性懸濁液に残存アルカリ中のOHに対し1/2当量
以下の第一鉄塩を添加した後酸素含有ガスを通気して添
加した第一鉄塩とアルカリとの反応により生成した水酸
化第一鉄を酸化する第1回の操作を行い、次いで、アル
カリ性懸濁液中に第1回の操作で消費された残存アルカ
リ中のOHに対し1/2当量以下の第一鉄塩を添加した後酸
素含有ガスを通気して生成した水酸化第一鉄を酸化する
第2回の操作を行うという繰り返し操作を少なくとも2
回以上行って、最終的に残存アルカリ中のOH濃度が0.3N
になるまで前記操作を終了するとともに前記操作のそれ
ぞれにおいて酸素含有ガスを通気する前の反応溶液中に
水可溶性ケイ酸塩を存在させておくという条件に従って
種結晶粒子を成長させる第二段との二段階反応を行った
場合には、軸比(長軸:短軸)が大きく、且つ、微細
な、殊に、0.5μm以下の針状晶ゲータイト粒子を生成
させる反応において、水酸化アルカリの鉄に対する使用
割合及び水の使用量を可及的に少なくすることができ、
また、高濃度の反応が可能で、しかも、可及的に短い反
応時間でゲータイト粒子を生成させることができること
に起因して生産性を高めることができる点である。
本発明において、水酸化アルカリの鉄に対する消費割合
が可及的に少ない量で軸比(長軸:短軸)が大きい針状
晶ゲータイト粒子がえられる理由について述べる。
先ず、本発明において軸比(長軸:短軸)が大きい針状
晶ゲータイト粒子が得られるのは、本発明における反応
が、Niの存在下、高いアルカリ濃度領域でゲータイトの
生成反応を行うことにより軸比(長軸:短軸)が大きく
且つ、超微細な針状晶ゲータイト種結晶粒子を生成させ
(第一段の反応)、次いで反応溶液の粘度の向上を抑制
をしながら、且つ、新しい針状晶ゲータイト種結晶粒子
の発生を防止しながら、第一鉄塩を添加する操作を繰り
返すことにより、種結晶粒子の大きな軸比(長軸:短
軸)を維持しつつ、種結晶粒子を成長させる反応である
からである。
次に、水酸化アルカリの鉄に対する消費割合が少ないの
は、一定量の水酸化アルカリに対し、第一鉄塩を累積的
に添加するものである為、反応溶液の粘度を高めること
なく第一鉄塩の使用総量を高めることが可能であるから
である。
本発明において、反応鉄濃度を高めることができるの
は、第一段反応において添加するニッケル塩が反応溶液
の粘度を下げる効果を有すること及び前述した通り、第
二段反応において第一鉄塩を添加する操作を繰り返すこ
とによるものである。
本発明において、可及的に短い反応時間でゲータイト粒
子を生成させることができるのは、使用する第一鉄塩の
全量を一度に反応させるのではなく、第一段反応及び第
二段反応を通じ累積的に添加するものであるからであ
り、この効果は、水可溶性ケイ酸塩の添加によって更に
強められる。
次に、本発明方法実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明において使用される第一鉄塩としては、硫酸第一
鉄、塩化第一鉄等がある。
本発明において使用されるニッケル塩としては、硫酸ニ
ッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル等
がある。
ニッケル塩の添加量は、鉄に対し1.0〜7.5原子%であ
る。
1.0原子%未満である場合には、目的とする軸比(長
軸:短軸)の大きい針状晶ゲータイト粒子を得ることが
できず、また、反応溶液の粘度を下げることが困難であ
り、反応鉄濃度を高めることができない。
7.5原子%を越える場合には、針状晶ゲータイト粒子中
に不定形の異物が混入する。
本発明において使用される水酸化アルカリ水溶液として
は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液が
ある。
水酸化アルカリ水溶液の使用量は、第一鉄塩水溶液中の
Fe2+に対し3.0〜15倍当量である。
3.0倍当量未満である場合には、目的とする軸比(長
軸:短軸)の大きな針状晶ゲータイト粒子を得ることが
できない。15倍当量を越える場合には、針状晶ゲータイ
ト粒子中に粒状マグネタイト粒子が混在する。
本発明において使用される水可溶性ケイ酸塩としては、
ナトリウム、カリウムのケイ酸塩がある。
水可溶性ケイ酸塩は、針状晶ゲータイト粒子の生成を短
時間裡に行うものであるから、ゲータイトの生成反応が
生起する前に存在させておくことが必要であり、水酸化
アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気する前の水酸化
第一鉄懸濁液中に添加することができる。
水可溶性ケイ酸塩の添加量は、Fe2+に対し0.01〜1.0原
子%である。
0.01原子%未満である場合には、針状晶ゲータイト粒子
の生成反応を短時間裡に行うことができない。
1.0原子%を越える場合にも、針状晶ゲータイト粒子の
生成反応を短時間裡に行うことができるが、必要以上に
添加する意味がない。
本発明における温度は、20〜60℃の範囲である。20℃未
満である場合には、目的とする軸比(長軸:短軸)の大
きな針状晶ゲータイト粒子を得ることができない。60℃
を越える場合には、針状晶ゲータイト粒子中に粒状マグ
ネタイト粒子が混入する。
本発明の第二段反応において1回の操作により添加する
第一鉄塩の量は残存アルカリ中のOHに対し1/2当量以下
である。
1/2当量を越える場合には、反応溶液の粘度が高まって
反応が不均一となり、生成する針状晶ゲータイト粒子の
粒度が不均斉となる。
本発明の第二段反応における第一鉄塩の添加回数は、少
なくとも2回以上である。
第一鉄塩の全量を一度に添加した場合には、反応溶液の
粘度が高まって反応が不均一となり、生産性が低下し、
また、得られる針状晶ゲータイト粒子は軸比(長軸:短
軸)が小さく、粗大粒子となる。
少なくとも2回以上であれば本発明の目的とする効果を
得ることができるが、本発明を工業的規模において実施
する場合には、3〜5回が推奨される。5回以上の場合
には、作業上の操作や反応上の制御が複雑となる。
本発明の第二段反応において添加する第一鉄塩は、残存
アルカリ中のOH濃度が0.3Nになるまで添加することがで
きる。
0.3N未満になるまで第一鉄塩を添加すると針状ゲータイ
ト粒子中に粒状マグネタイト粒子が混入してくる。
本発明の第二段反応において存在させる水可溶性ケイ酸
塩の種類及び添加量は、第一段反応におけるそれらと同
一である。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の長軸、軸
比(長軸:短軸)は、いずれも電子顕微鏡写真から測定
した数値の平均値で示した。
実施例1 Feに対しNi換算で5.0原子%を含むように硫酸ニッケル1
34gを添加して得られたFe2+1.0mol/lを含む硫酸第一鉄
水溶液10lとFeに対しSi換算で0.1原子%を含むようにケ
イ酸ソーダ(3号)(SiO228.55wt%)2.1gを添加して
得られた3.4−NのNaOH水溶液30lとを混合し(Fe2+に対
し、5倍当量となる。)、pH12.5、温度40℃においてSi
及びNiを含むFe(OH)2懸濁液の生成反応を行った。得ら
れたSi及びNiを含むFe(OH)2懸濁液に、温度40℃におい
て毎分100lの空気を0.8時間通気してSi及びNiを含有す
る針状晶ゲータイト種結晶粒子を生成させた。
反応液の一部を抜き取り、水洗、過、乾燥して得られ
た針状晶ゲータイト種結晶粒子は、長軸0.15μm、軸比
(長軸:短軸)50:1であった。
上記Si及びNiを含有する針状晶ゲータイト種結晶粒子と
残存アルカリとを含むアルカリ性懸濁液にケイ酸ソーダ
(3号)(SiO228.55wt%)4.9g(Fe2+に対しSi換算で
0.3原子%に該当する。)及びFe2+7.8molを含む硫酸第
一鉄4.0l(残存アルカリ中のOHに対し、0.19当量に該当
する。)を添加し、次いで、温度45℃において毎分100l
の空気を1.2時間通気した。
次いで、反応溶液中に上記ケイ酸ソーダ及び硫酸第一鉄
を添加した後酸素含有ガスを通気して水酸化第一鉄を酸
化する操作を更に2回繰り返して針状晶ゲータイト種結
晶粒子の成長反応を行った。針状晶ゲータイト粒子の生
成反応総時間は7.3時間であり、残存アルカリ中のOH濃
度は0.64N(アルカリの消費量は鉄に対し、1.5倍当量に
該当する。)であった。
生成粒子は、常法により、別、水洗、乾燥した。
得られた針状晶ゲータイト粒子は、図1の電子顕微鏡写
真(×30000)から明らかなり通り平均値で長軸0.35μ
m、軸比(長軸:短軸)50:1であった。
実施例2〜16 針状晶ゲータイト種結晶粒子の生成反応におけるFe2+
溶液の種類並びに濃度、水可溶性ニッケル塩の種類並び
に使用量、水可溶性ケイ酸塩の種類、使用量並びに添加
時期、NaOH水溶液の濃度及び反応温度、針状晶ゲータイ
ト種結晶粒子の成長反応における第1回の操作で添加す
るFe2+水溶液の種類並びに使用量、水可溶性ケイ酸塩の
種類並びに使用量及び操作回数を種々変化させた以外は
実施例1と同様にして針状晶ゲータイト粒子を生成し
た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表1及び表2に示
す。
比較例1 Fe2+9.9molを含む硫酸第一鉄水溶液10lと4.6−NのNaOH
水溶液30l(Feに対して7倍当量となる。)とを混合
し、pH12.6、温度40℃においてFe(OH)2懸濁液の生成反
応を行った。
得られたFe(OH)2懸濁液に、温度40℃において毎分100l
の空気を20時間通気して針状晶ゲータイト粒子の生成を
行った。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた針状晶ゲータイト粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均で長軸0.5μm、軸比(長軸:短軸)45:1であ
った。
比較例2 Feに対しNi換算で5.0原子%を含むように硫酸ニッケル1
92を添加して得られたFe2+14.4molを含む硫酸第一鉄水
溶液10lと3.4−NのNaOH水溶液30l(Feに対し3.5倍当量
となる。)とを混合し、pH12.1、温度40℃においてNiを
含有するFe(OH)2懸濁液の生成反応を行った。
得られたFe(OH)2懸濁液に、温度40℃において毎分100l
の空気を16時間通気して針状晶ゲータイト粒子の生成を
行った。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた針状晶ゲータイト粒子は、電子顕微鏡観察の結
果、平均値で長軸0.37μm、軸比(長軸:短軸)30:1で
あった。
比較例3 Fe2+25.6molを含む硫酸第一鉄水溶液15lと4.7−NのNaO
H水溶液25lとを混合し、pH12、温度40℃においてFe(OH)
2懸濁液の生成反応を行った。
得られたFe(OH)2懸濁液に、温度40℃において毎分100l
の空気を40時間通気して粒子の生成反応を行った。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均で長軸1.
5μm、軸比(長軸:短軸)10:1の針状晶粒子と粒状粒
子とが混在していた。また、X線回折の結果、この粒子
粉末は、ゲータイト粒子とマグネタイト粒子との混合粒
子粉末であった。
比較例4 10.7−NのNaOH水溶液30l(Fe2+に対し16倍当量とな
る。)を使用した以外は実施例1と同様にして得られた
Fe(OH)2懸濁液に温度45℃において毎分100lの空気を3
時間通気して粒子の生成反応を行った。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、針状晶粒子と
粒状粒子とが混在していた。また、X線回折の結果、こ
の粒子粉末は、ゲータイト粒子とマグネタイト粒子との
混合粒子粉末であった。
比較例5 実施例1のSi及びNiを含有する針状晶ゲータイト種結晶
粒子と残存アルカリとを含むアルカリ性懸濁液にケイ酸
ソーダ(3号)SiO228.55wt%)14.8g(Fe2+に対しSi換
算で0.3原子%に該当する。)及びFe2+23.4molを含む硫
酸第一鉄12l(残存アルカリ中のOHに対し、0.585当量に
該当する。)を添加し、次いで、pH12、温度45℃におい
て毎分100lの空気を40時間通気した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、針状晶粒子と
粒状粒子とが混在していた。また、X線回折の結果、こ
の粒子粉末は、ゲータイト粒子とマグネタイト粒子との
混合粒子粉末であった。
比較例6 実施例2と同様にして、針状晶ゲータイト種結晶粒子の
成長反応における4回目の操作が終了した後、更に、ケ
イ酸ソーダ(3号)(SiO228.55wt%)3.2g(Fe2+に対
しSi換算で0.3原子%に該当する。)及びFe2+6.0molを
含む硫酸第一鉄3.0l(残存アルカリ中のOH濃度は、0.27
Nであった。)を添加し、次いで、pH12、温度45℃にお
いて毎分100lの空気を5.0時間通気した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥した。
得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、針状晶粒子と
粒状粒子とが混在していた。また、X線回折の結果、こ
の粒子粉末は、ゲータイト粒子とマグネタイト粒子との
混合粒子粉末であった。
〔効果〕 本発明における針状晶ゲータイト粒子粉末の製造法によ
れば、前出実施例に示した通り、水酸化アルカリの鉄に
対する消費割合及び水の消費量を可及的に少なくするこ
とができ、また高濃度の反応が可能で、しかも、可及的
に短い反応時間でゲータイト粒子を生成させることがで
きることに起因して生産性を高めることができる省資
源、省エネルギーの反応によって軸比(長軸:短軸)が
大きく、且つ、微細な、殊に、0.5μm以下の針状晶ゲ
ータイト粒子を工業的、経済的に有利に得ることができ
る。
このようにして得られた針状晶ゲータイト粒子粉末を出
発原料とし、加熱還元、又は、更に、酸化して得られた
マグネタイト粒子粉末及びマグヘマイト粒子粉末もま
た、軸比(長軸:短軸)が大きく、且つ、微細な粒子で
あるので、現在、最も要求されている高記録密度、高感
度、高出力及び低ノイズ用磁性材料粒子粉末として好適
である。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1で得られた針状晶ゲータイト粒子の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,000)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル塩を含む第一鉄塩水溶液と該第一
    鉄水溶液中のFe2+に対し3〜15倍当量の水酸化アルカリ
    水溶液とを混合して得られたpH11以上の水酸化第一鉄懸
    濁液に水可溶性ケイ酸塩の存在下、20〜60℃の温度範囲
    で酸素含有ガスを通気することにより軸比(長軸:短
    軸)の大きい針状晶ゲータイト種結晶粒子を生成させる
    第一段と、第一段終了後の種結晶粒子と第一段で消費さ
    れた残りのアルカリとを含むアルカリ性懸濁液に残存ア
    ルカリ中のOHに対し1/2当量以下の第一鉄塩を添加した
    後酸素含有ガスを通気して添加した第一鉄塩とアルカリ
    との反応により生成した水酸化第一鉄を酸化する第1回
    の操作を行い、次いで、アルカリ性懸濁液中に第1回の
    操作で消費された残存アルカリ中のOHに対し1/2当量以
    下の第一鉄塩を添加した後酸素含有ガスを通気して生成
    した水酸化第一鉄を酸化する第2回の操作を行うという
    繰り返し操作を少なくとも2回以上行って、最終的に残
    存アルカリ中のOH濃度が0.3Nになるまでに前記繰り返し
    操作を終了するとともに前記操作のそれぞれにおいて酸
    素含有ガスを通気する前の反応溶液中に水可溶性ケイ酸
    塩を存在させておくという条件に従って種結晶粒子を成
    長させる第二段との二段階反応からなることを特徴とす
    る軸比(長軸:短軸)が40:1〜60:1の針状晶ゲータイト
    粒子粉末の製造法。
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