JP3087780B2 - 針状ゲータイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状ゲータイト粒子粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録用磁性粒子粉
末を製造する際の出発原料として好適な、微粒子で且つ
軸比(長軸径/短軸径−以下同じ−)が10以上である
針状ゲータイト粒子粉末が工業的に得られる製造法を提
供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒
体に対する高性能化の必要性が益々生じてきている。即
ち、高記録密度、高感度特性及び高出力特性等が要求さ
れる。磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足さ
せる為に要求される磁性材料粒子粉末の特性は、高い保
磁力と優れた分散性を有することである。
【0003】即ち、磁気記録媒体の高感度化及び高出力
化の為には磁性粒子粉末が出来るだけ微粒子で高い保磁
力を有することが必要であり、この事実は、例えば、株
式会社総合技術センター発行「磁性材料の開発と磁粉の
高分散化技術」(1982年)第310頁の「‥‥磁気
テープ性能の向上指向は、高感度化と高出力化それに低
ノイズ化にあったから、針状γ−Fe2 3 粒子粉末の
高保磁力化と微粒子化を重点とするものであった。‥
‥」なる記載の通りである。
【0004】微粒子化することにより、前出「磁性材料
の開発と磁粉の高分散化技術」第312頁の「‥‥粒度
が微細になればノイズは低下する‥‥」なる記載の通
り、ノイズを低減して高画質用の磁気記録媒体とするこ
とができる。
【0005】周知の通り、磁性粒子粉末の保磁力の大き
さは、形状異方性、結晶異方性、歪異方性及び交換異方
性のいずれか、若しくはそれらの相互作用に依存してい
る。
【0006】現在、磁気記録用磁性粒子粉末として使用
されている針状マグネタイト粒子粉末、針状マグヘマイ
ト粒子粉末等の磁性酸化鉄粒子粉末や鉄を主成分とする
金属磁性粒子粉末は、その形状に由来する異方性を利用
すること、即ち、軸比を大きくすることによって比較的
高い保磁力を得ている。
【0007】これら既知の磁性粒子粉末は、出発原料で
あるゲータイト粒子又は該ゲータイト粒子を加熱処理し
て得られた針状ヘマタイト粒子を、水素等還元性ガス中
で還元してマグネタイト粒子又は鉄を主成分とする金属
粒子とすることにより、また、前記マグネタイト粒子
を、空気中で酸化してマグヘマイト粒子とすることによ
り得られている。
【0008】上述した通り、微粒子で且つ大きな軸比を
有する磁性粒子粉末は、現在、最も要求されているとこ
ろであり、このような特性を備えた磁性粒子粉末を得る
ためには、出発原料であるゲータイト粒子粉末が微粒子
で且つ軸比が10以上であることが要求される。
【0009】従来、出発原料であるゲータイト粒子粉末
を製造する方法としては、第一鉄塩水溶液に当量以上
の水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄
コロイドを含む懸濁液をpH11以上にて80℃以下の
温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことによ
り針状ゲータイト粒子を生成させる方法(特公昭39−
5610号公報)、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水
溶液とを反応させて得られるFeCOを含む懸濁液に
酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘
状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法(特開昭5
0−80999号公報)、第一鉄塩水溶液に当量未満
の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加
して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶
液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより
針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲー
タイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶
液中のFe2+に対し当量以上の水酸化アルカリ水溶液
を添加した後酸素含有ガスを通気して前記針状ゲータイ
ト核粒子を成長させる方法(特公昭59−48766号
公報、特開昭59−128293号公報、特開昭59−
128294号公報、特開昭59−128295号公
報)及び第一鉄塩水溶液と当量未満の水酸化アルカリ
水溶液又は炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸
化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガス
を通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核
粒子を生成させ、次いで、酸性乃至中性領域で前記針状
ゲータイト核粒子を成長させる方法(特公昭51−17
518号公報、特開昭55−149136号公報、特開
昭58−60506号公報、特開昭60−11300号
公報、特開昭61−140110号公報、特開昭62−
128929号公報)等が知られている。また、第一
鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液を用いてゲータイト粒子
粉末を製造する方法としては、特公昭39−19959
号公報、特公昭51−44719号公報、特開昭51−
128697号公報等が知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】微粒子で且つ軸比の大
きい磁性粒子粉末は、現在、最も要求されているところ
であるが、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造す
る前出の方法による場合には、軸比の大きな、殊に、
軸比10以上の針状ゲータイト粒子を生成させることが
できるが、粒子サイズも大きくなる。また、当量以上、
殊に、2当量程度以上の水酸化アルカリ水溶液を使用す
るので経済的ではない。
【0011】前出の方法による場合には、紡錘状を呈
した粒子を生成させることができ、微粒子が得られるが
軸比は高々7程度であり、軸比の大きな粒子が生成し難
いという欠点があり、殊に、この現象は生成粒子の長軸
径が小さくなる程顕著になるという傾向にある。
【0012】前出及びにおける方法による場合に
は、前記アルカリ水溶液の当量比を低くすれば微粒子の
ものはできるが軸比が悪くなり、針状ゲータイト核粒子
の成長反応時間が長くなる。また、前記アルカリ水溶液
の当量比を高くすると針状ゲータイト核粒子の生成反応
時間が長くなり、軸比は大きくなるが粒子サイズも大き
くなる。
【0013】また、前出における方法による場合に
は、粉体粉末冶金協会発行「粉体および粉末冶金」第2
3巻第3号第83頁の「‥‥第1鉄塩と第2鉄塩の混合
溶液にアルカリを添加するか、または水酸化第1鉄と第
2鉄を混合すると常温においてFe3 4 が生じてく
る。‥‥」なる記載の通り、マグネタイトが非常に生成
しやすく、微細なゲータイト粒子が得られたとしても針
状性の悪いものであり、いがぐり状のゲータイト粒子等
が生成することもあるから、磁気記録用の磁性材料粒子
粉末としては好ましくないものであった。
【0014】一方、前出いずれの方法においても、高濃
度の反応を短時間で行なう工業的に優れた製造法は未だ
確立されていない。
【0015】そこで、本発明は、第一鉄塩と第二鉄塩と
の混合水溶液により、微粒子で且つ軸比が10以上であ
る針状ゲータイト粒子粉末を工業的に製造することを技
術的課題とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明方法によって達成できる。
【0017】即ち、本発明は、第一鉄塩と第二鉄塩との
混合水溶液と該液中のFe2+及びFe3+の総和に対し当
量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液
若しくは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ混合水溶液から
選ばれるアルカリ水溶液とを反応して得られる鉄含有沈
澱物コロイドを含む第一鉄塩と第二鉄塩との混合反応溶
液に、酸素含有ガスを通気して前記鉄含有沈澱物コロイ
ドを酸化することにより、グリーンラストを経由して針
状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータ
イト核粒子を成長させることにより針状ゲータイト粒子
を生成させる方法において、前記第一鉄塩と第二鉄塩と
の混合反応溶液に酸素含有ガスを通気して該液中のFe
2+の残存率が70%以上であって針状ゲータイト核粒子
とグリーンラストとの混合物を含んだ状態にある第一鉄
塩反応溶液とし、これにゲータイト微粒子粉末を添加
し、次いで、当該針状ゲータイト核粒子の成長反応を行
うことからなる針状ゲータイト粒子粉末の製造法であ
る。
【0018】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0019】本発明において使用される第一鉄塩として
は、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等が、また、第二鉄塩とし
ては、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等が使用でき、これらの
混合水溶液を使用することができる。
【0020】第一鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液の混合
比率は、第二鉄塩の添加量を全Feに対しFe3+として
3〜27mol%である。3mol%未満の場合には、
第二鉄塩を添加した効果が得られず、粒子サイズ、反応
時間とも第二鉄塩を添加しない場合と変わらない。27
mol%を越える場合には共沈によりマグネタイトが混
在することもあるので好ましくない。
【0021】本発明において使用される水酸化アルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリ
ウム水溶液等が、炭酸アルカリ水溶液としては、炭酸ナ
トリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸アンモニウ
ム等が使用することができ、また、これらの混合水溶液
を使用することもできる。
【0022】水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水
溶液若しくは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ混合水溶液
の使用量は、第一鉄塩と第二鉄との混合水溶液中のFe
2+及びFe3+の総和に対し当量未満である。当量以上の
場合には、粒度が不均斉であって樹枝状粒子が混在す
る。また、粒状のマグネタイト粒子が混在してくること
もある。好ましい使用量は、0.3〜0.8当量の範囲
であって、0.3当量未満の場合には、針状ゲータイト
核粒子が極めて短時間で生成されるので酸化度を制御す
ることが困難である。0.8当量を越える場合には、粒
状のマグネタイトが混在することもあるので好ましくな
い。
【0023】本発明においては、グリーンラストと該グ
リーンラストを経由して生成したゲータイト核粒子との
混合物を含んだ状態にある第一鉄塩反応溶液のFe2+
残存率が70%以上の液中に、ゲータイト微粒子粉末を
添加する。Fe2+の残存率が70%未満の場合には、針
状ゲータイト核粒子の粒子サイズが既に大きく成長して
いるため、成長反応後に得られる針状ゲータイト粒子の
粒子サイズも大きくなり、微粒子とはいい難い。Fe2+
の残存率が95%を越える場合にも添加することはでき
るが、グリーンラストから針状ゲータイト核粒子を十分
に生成させるためには95%以下が好ましい。
【0024】尚、Fe2+の残存率は、反応溶液中のFe
2+含有量を測定し、次式により求められる。 B÷A×100=Fe2+の残存率(%) 但し、Aは第一鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液と当量未
満のアルカリ水溶液との混合直後の反応溶液中のFe2+
含有量であり、Bは当該混合物を含んだ状態にある第一
鉄塩反応溶液中のFe2+含有量
【0025】本発明における前記混合物を含んだ状態に
ある第一鉄塩反応溶液に添加するゲータイト微粒子粉末
としては、BET比表面積20〜150m2 /g、長軸
径0.05〜0.30μm及び軸比5〜30である。B
ET比表面積が150m2 /gを越えるゲータイト微粒
子粉末又は長軸径が0.05μm未満のゲータイト微粒
子粉末を用いることもできるが工業的には得ることが困
難である。BET比表面積が20m2 /g未満又は長軸
径が0.30μmを越える場合には、ゲータイト核粒子
の成長反応を行なっても、添加したゲータイト微粒子粉
末の粒子程大きくならないため、粒度が不均斉となる。
軸比が5未満又は軸比が30を越える場合にも、粒度が
均斉なゲータイト粒子粉末を得ることができない。尚、
グリーンラストから生成させる針状ゲータイト核粒子と
BET比表面積は同等以上、長軸径は同等以下のゲータ
イト微粒子粉末を添加することが好ましい。
【0026】また、ゲータイト微粒子粉末の添加量は生
成ゲータイト粒子粉末に対して3〜20重量%である。
3重量%未満の場合には、ゲータイト微粒子粉末を添加
する効果が得られない。20重量%を越える場合には、
ゲータイト微粒子粉末と生成したゲータイト粒子との異
なる粒度が存在することになるので好ましくない。尚、
添加するゲータイト微粒子粉末は、前記乃至及び本
発明によって得られたいずれの方法による微粒子粉末で
あってもよい。
【0027】本発明における針状ゲータイト核粒子の成
長反応は、針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶
液に必要により、第一鉄塩を添加した後、pH3〜6に
維持しながら酸素含有ガスを通気する方法、前記針状ゲ
ータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に必要により、
第一鉄塩を添加した後、炭酸アルカリ水溶液又は炭酸ア
ルカリ・水酸化アルカリ水溶液を添加してpH8〜10
の範囲で酸素含有ガスを通気する方法並びに前記針状ゲ
ータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に必要により、
第一鉄塩を添加した後、水酸化アルカリ水溶液を添加し
てpH11以上で酸素含有ガスを通気する方法のいずれ
の方法でもよい。
【0028】本発明における針状ゲータイト核粒子の成
長反応に使用されるアルカリ水溶液としては、前記アル
カリ水溶液を使用できる。
【0029】本発明における反応温度は、通常、ゲータ
イト粒子が生成する80℃以下の温度で行えばよい。8
0℃を越える場合には、針状ゲータイト粒子中に粒状マ
グネタイト粒子粉末が混在することがある。
【0030】本発明における酸化手段は、酸素含有ガス
(例えば、空気)を液中に通気することにより行い、必
要により機械的操作による攪拌を伴ってもよい。
【0031】尚、本発明においては、ゲータイト核粒子
の生成反応と該ゲータイト核粒子の成長反応とを同一の
反応塔を用いて行うことができることはもちろん、別々
の反応塔を用いる場合でも本発明の目的とするゲータイ
ト粒子が得られる。
【0032】また、本発明においては、磁性粒子粉末の
特性向上等の為、ゲータイト粒子の生成反応中に通常添
加されるCo、Ni、Zn、P、Al、Si等のFe以
外の異種元素を添加することができ、この場合にも同様
の効果が得られる。
【0033】
【作用】本発明における第一鉄塩と第二鉄塩との混合水
溶液と該液中のFe2+及びFe3+の総和に対し当量未満
の前記アルカリ水溶液とを反応して得られる鉄含有沈澱
物コロイドを含む第一鉄塩と第二鉄塩との混合反応溶液
に、酸素含有ガスを通気して前記鉄含有沈澱物コロイド
を酸化することにより、該液中のFe2+の残存率が70
%以上であってグリーンラストを経由して生成した針状
ゲータイト核粒子とグリーンラストとの混合物を含んだ
状態にある第一鉄塩反応溶液とし、これにゲータイト微
粒子粉末を添加した場合には、前記液中から針状ゲータ
イト核粒子の析出を促進させて微細な針状ゲータイト核
粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子の成
長反応を行なうことによって、長軸径0.30μm以下
の微粒子で且つ軸比が10以上である針状ゲータイト粒
子粉末を得ている。
【0034】上記反応系について詳しく説明すれば次の
通りである。先ず、グリーンラストについては、例え
ば、粉体粉末冶金協会昭和43年度秋季大会講演概要集
の第80頁の「‥‥試料は硫酸第一鉄に0.7当量のN
aOHを加え生じたbasic saltを空気酸化し
ながらpHを測定しpH5.5になったところで酸化を
停止する。この時得られる化合物がgreen rus
tである。‥‥」なる記載の通りであり、アルカリの当
量比によっても異なるがグリーンラストを生成するpH
は6.5〜5.5であり、グリーンラストがすべて針状
ゲータイト核粒子に変わるとpHは急激に低下して4以
下となる。
【0035】そこで、本発明者は、前記反応系における
グリーンラストと該グリーンラストを経由して生成され
るゲータイト核粒子の状態を検討し、グリーンラストと
該グリーンラストを経由したゲータイト核粒子との混合
物を含んだ状態にある第一鉄塩反応溶液中のFe2+の残
存率が50〜90%の各残存率において、ゲータイト微
粒子粉末を添加し、針状ゲータイト核粒子を生成させ、
次いで、当該針状ゲータイト核粒子の成長反応を行なっ
て針状ゲータイト粒子を生成させたところ以下のような
結果が得られた。
【0036】Fe2+の残存率が70%未満の場合には、
ゲータイト核粒子の粒子サイズが大きくなるために、得
られた針状ゲータイト粒子の粒子サイズも大きい。これ
は、一般にグリーンラストから微細なゲータイト核粒子
が生成され、残存するグリーンラストが微細なゲータイ
ト核粒子を成長させると考えられていることから、pH
6.5から5.5のグリーンラストの領域においてFe
2+の残存率が70%未満になると溶解析出反応により熟
成されて粒子サイズが大きくなったものと考えられる。
【0037】そして、後出実施例に示すようにFe2+
残存率が70%以上において、ゲータイト微粒子粉末を
添加し、針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、当
該針状ゲータイト核粒子の成長反応を行なって針状ゲー
タイト粒子を生成させた場合にのみ、長軸径が0.30
μm以下の微粒子で且つ軸比が10以上てある針状ゲー
タイト粒子が得られる。
【0038】従って、本発明者は、グリーンラスト中に
微細な針状ゲータイト核粒子が生起した後のpH6.5
〜5.5のグリーンラストの領域において、前記第一鉄
塩と第二鉄との混合反応溶液中のFe2+の残存率が70
%以上である針状ゲータイト核粒子とグリーンラストと
の混合物とを含んだ状態にある第一鉄塩反応溶液とし、
これにゲータイト微粒子粉末を添加すると、微細で粒度
が均斉な針状ゲータイト核粒子が急激に生成・析出させ
ることができることがわかり、しかも、きわめて短時間
で生成させることができることを見いだした。
【0039】また、第一鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液
を用いた反応にもかかわらず、針状性の良いゲータイト
粒子を生成させることができるので磁気記録用の磁性材
料粒子粉末としても好ましいものである。
【0040】前述したように、一般に第一鉄塩と第二鉄
塩との混合水溶液を用いた場合のアルカリ系の反応にお
いては、反応時間は短縮されるものの生成ゲータイトの
軸比が小さくなり、いがぐり状のゲータイト粒子等を生
成することもあるので好ましくないものであるが、酸性
系の反応においては、グリーンラストという中間生成物
が存在するためにFe2+とFe3+とによる共沈などの影
響を直接受けることが少ないのでグリーンラストにおけ
る生成時間を短縮させてグリーンラストを経由してゲー
タイト核粒子を得ることができる。
【0041】しかしながら、第一鉄塩水溶液を酸化させ
て得られたグリーンラストに比べ第一鉄塩と第二鉄塩と
の混合水溶液を酸化させて得られたグリーンラストは不
安定である。この不安定な状態で存在するグリーンラス
トをさらに酸化させてゲータイト核粒子を得る生成条件
も不安定なものであるので工業的な制御もかなり困難で
ある。
【0042】そこで、本発明においては、不安定な針状
ゲータイト核粒子とグリーンラストとの混合物を含んだ
状態にある第一鉄塩反応溶液にゲータイト微粒子粉末を
添加することにより、安定的に微細で粒度が均斉な針状
ゲータイト核粒子を生成・析出させることができたこと
によるものと考えている。
【0043】また、グリーンラスト領域における反応を
大幅に短縮することができると同時に高濃度の反応も可
能であるので工業的である。
【0044】本発明における針状ゲータイト核粒子の成
長反応としては、前述したように針状ゲータイト核粒子
を含む第一鉄塩反応溶液をpH3〜6に維持しながら酸
素含有ガスを通気する方法、前記針状ゲータイト核粒子
を含む第一鉄塩反応溶液に炭酸アルカリ水溶液又は炭酸
アルカリ・水酸化アルカリ水溶液を添加してpH8〜1
0の範囲で酸素含有ガスを通気する方法並びに前記針状
ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に水酸化アル
カリ水溶液を添加してpH11以上で酸素含有ガスを通
気する方法のいずれの方法でもよい。
【0045】中でも好ましい方法は、pH8〜10の範
囲又はpH11以上のアルカリ性領域において成長反応
を行なう方法であり、この場合には硫黄や塩素等の不純
物が粒子表面に残留付着することがないので、加熱還元
時に焼結が生起して粒子形状が崩れることもないから粒
度が均斉で軸比の大きい、殊に、軸比12以上の針状ゲ
ータイト粒子粉末が得られる。
【0046】また、最も好ましい方法は、針状ゲータイ
ト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に炭酸アルカリ水溶液
を添加してpH8〜10の範囲で酸素含有ガスを通気し
て酸化反応を行なう方法であり、この場合には該第一鉄
塩反応溶液中に残存するFe2+と炭酸アルカリとが反応
して生成されたFeCO3 により、粘度が低く高速酸化
ができるので微粒子で且つ粒度が均斉になるとともに、
グリーンラストから生成された核粒子の針状晶の晶癖を
引き継いで軸比を大きくすることができるので粒度が均
斉で軸比の大きい、殊に、軸比13以上の針状ゲータイ
ト粒子粉末が得られる。
【0047】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子
の長軸径、軸比は、いずれも電子顕微鏡写真から測定し
た数値の平均値で示した。
【0048】Fe2+の残存率は、第一鉄塩水溶液又は反
応溶液をフラスコに投入し、不活性ガスで置換し通気し
ながら硫酸と燐酸との混酸を添加・加熱溶解した後、当
該溶液中のFe2+を酸化還元滴定法により測定し、Fe
2+含有量から次式により求めた。 B÷A×100=Fe2+の残存率(%) 但し、Aは第一鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液と当量未
満のアルカリ水溶液との混合直後の反応溶液中のFe2+
含有量であり、Bは当該混合物を含んだ状態にある第一
鉄塩反応溶液中のFe2+含有量
【0049】実施例1 Fe2+ 1.6mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液10
lとFe3+ 0.4mol/lを含む硫酸第二鉄水溶
液20 lと1.2NのNaOH水溶液10l(硫酸第
一鉄と硫酸第二鉄との混合水溶液中のFe2+に対し0.
375当量とFe3+に対し1.0当量に該当し、Fe2+
及びFe3+の総和に対し0.5当量に該当する。)とを
混合し、pH7.2、温度38℃においてFe(OH)
2 とグリーンラストとの混合物を含んだ状態にある第一
鉄塩反応溶液の生成を行った。生成した当該第一鉄塩反
応溶液に温度40℃において毎分80 lの空気を通気
し、当該第一鉄塩反応溶液のFe2+の残存率が85%の
ときに、該液中に針状ゲータイト微粒子粉末(長軸径
0.13μm、軸比8及びBET比表面積123m2
g)120gを添加し、空気を継続して通気し、ゲータ
イト粒子を生成させた。この時のpHは3.6であっ
た。反応溶液の一部を抜き取り、常法により、濾過、水
洗、乾燥して得られた粒子粉末の電子顕微鏡写真(×3
0000)を図1に示す。得られたゲータイト粒子粉末
は、図1に示す通り、長軸径0.15μm、軸比12の
針状粒子であった。
【0050】上記ゲータイト粒子を針状ゲータイト核粒
子として用い、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩
反応溶液(ゲータイト核粒子の存在量は生成ゲータイト
粒子に対し50mol%に該当する。)に、2.0Nの
Na2 CO3 水溶液10 l(残存硫酸第一鉄水溶液中
のFe2+に対し2.0当量に該当する。)を加え、pH
9.3、温度45℃において毎分100 lの空気を
2.5時間通気してゲータイト粒子粉末を生成した。生
成ゲータイト粒子は、常法により、濾過、水洗、乾燥し
た。得られたゲータイト粒子粉末は、図2の電子顕微鏡
写真(×30000)に示す通り、粒度が均斉であって
樹枝状粒子が混在しておらず、長軸径0.16μm、軸
比13の針状粒子であった。
【0051】実施例2 Fe2+ 1.8mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液10
lとFe3+ 0.2mol/lを含む硫酸第二鉄水溶
液10 lとヘキサメタリン酸ソーダ(硫酸第一鉄と硫
酸第二鉄との混合水溶液中のFe2+及びFe3+に対しP
換算で0.28mol%に該当する。)5.7gと1.
10NのNa2 CO3 水溶液20 l(硫酸第一鉄と硫
酸第二鉄との混合水溶液中のFe2+に対し0.444当
量とFe3+に対し1.0当量に該当し、Fe2+及びFe
3+の総和に対し0.5当量に該当する。)とを混合し、
pH7.3、温度38℃においてFe(OH)2 とグリ
ーンラストとの混合物を含んだ状態にある第一鉄塩反応
溶液の生成を行った。生成した当該第一鉄塩反応溶液に
温度40℃において毎分80 lの空気を通気し、当該
第一鉄塩反応溶液のFe2+の残存率が90%のときに、
該液中に針状ゲータイト微粒子粉末(長軸径0.15μ
m、軸比10及びBET比表面積115m2 /g)80
gを添加し、空気を継続して通気し、ゲータイト粒子を
生成させた。この時のpHは3.4であった。反応溶液
の一部を抜き取り、常法により、濾過、水洗、乾燥して
得られた粒子粉末の電子顕微鏡写真(×30000)を
図3に示す。得られた針状ゲータイト粒子粉末は、図3
に示す通り、長軸径0.23μm、軸比12の針状粒子
であった。
【0052】上記ゲータイト粒子を針状ゲータイト核粒
子として用い、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩
反応溶液(ゲータイト核粒子の存在量は生成ゲータイト
粒子に対し50mol%に該当する。)に、3号水ガラ
ス(硫酸第一鉄と硫酸第二鉄との混合水溶液中のFe2+
及びFe3+に対しSi換算で0.5mol%に該当す
る。)8.2gと4.5NのNaOH水溶液10 l
(残存硫酸第一鉄水溶液中のFe2+に対し2.25当量
に該当する。)を加え、pH13.8、温度40℃にお
いて毎分100 lの空気を3時間通気してゲータイト
粒子粉末を生成した。生成ゲータイト粒子は、常法によ
り、濾過、水洗、乾燥した。得られたゲータイト粒子粉
末は、図4の電子顕微鏡写真(×30000)に示す通
り、粒度が均斉であって樹枝状粒子が混在しておらず、
長軸径0.28μm、軸比15の針状粒子であった。
【0053】比較例1 硫酸第二鉄水溶液を使用しなかった以外は実施例1と同
様にしてゲータイト核粒子を生成(Fe2+の残存率が8
5%に相当する。)させ、次いで、該ゲータイト核粒子
の成長反応を行なって針状ゲータイト粒子粉末を得た。
得られたゲータイト核粒子は、図5の電子顕微鏡写真
(×30000)に示す通り、長軸径0.16μm、軸
比10の針状粒子であった。また、得られた針状ゲータ
イト粒子は、図6の電子顕微鏡写真(×30000)に
示す通り、長軸径0.18μm、軸比13の針状粒子で
あった。それぞれ、実施例1に比べ粒子サイズも大き
く、反応時間も実施例1に比べ1.3倍であった。
【0054】比較例2 針状ゲータイト核粒子とグリーンラストとの混合物を含
んだ状態にある第一鉄塩反応溶液の液中に針状ゲータイ
ト微粒子粉末を添加しなかった以外は実施例1と同様に
してゲータイト核粒子を生成(Fe2+の残存率が50%
に相当する。)させ、次いで、該ゲータイト核粒子の成
長反応を行なって針状ゲータイト粒子粉末を得た。得ら
れたゲータイト核粒子は、電子顕微鏡写真観察の結果、
長軸径0.14μm、軸比5の針状粒子であった。ま
た、得られた針状ゲータイト粒子は、電子顕微鏡写真観
察の結果、長軸径0.18m、軸比7の針状粒子であっ
た。それぞれ、実施例1に比べ粒子サイズが小さく軸比
も小さいものであり、反応時間も実施例1に比べ1.2
倍であった。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る針状ゲータイト粒子粉末の
製造法によれば、前出実施例に示した通り、微粒子で且
つ軸比が10以上である針状ゲータイト粒子粉末を工業
的に得ることができる。
【0056】本発明に係る針状ゲータイト粒子粉末を出
発原料とし、加熱還元して得られた針状マグネタイト粒
子粉末や加熱還元し、次いで、酸化して得られた針状マ
グヘマイト粒子粉末もまた微粒子で且つ大きな軸比を有
しているので、高記録密度、高感度、高出力用磁性粒子
粉末として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図2】実施例1で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図3】実施例2で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図4】実施例2で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図5】比較例1で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図6】比較例1で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図7】比較例2で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図8】比較例2で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一鉄塩と第二鉄塩との混合水溶液と該
    液中のFe2+及びFe3+の総和に対し当量未満の水酸化
    アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若しくは水酸化
    アルカリ・炭酸アルカリ混合水溶液から選ばれるアルカ
    リ水溶液とを反応して得られる鉄含有沈澱物コロイドを
    含む第一鉄塩と第二鉄塩との混合反応溶液に、酸素含有
    ガスを通気して前記鉄含有沈澱物コロイドを酸化するこ
    とにより、グリーンラストを経由して針状ゲータイト核
    粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を成
    長させることにより針状ゲータイト粒子を生成させる方
    法において、前記第一鉄塩と第二鉄塩との混合反応溶液
    に酸素含有ガスを通気して該液中のFe2+の残存率が7
    0%以上であって針状ゲータイト核粒子とグリーンラス
    トとの混合物を含んだ状態にある第一鉄塩反応溶液と
    し、これにゲータイト微粒子粉末を添加し、次いで、当
    該針状ゲータイト核粒子の成長反応を行うことを特徴と
    する針状ゲータイト粒子粉末の製造法。
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