JPH0740899B2 - 醤油の短期醸造方法 - Google Patents

醤油の短期醸造方法

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JPH0740899B2
JPH0740899B2 JP61120170A JP12017086A JPH0740899B2 JP H0740899 B2 JPH0740899 B2 JP H0740899B2 JP 61120170 A JP61120170 A JP 61120170A JP 12017086 A JP12017086 A JP 12017086A JP H0740899 B2 JPH0740899 B2 JP H0740899B2
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與光 武田
光造 丹沢
嘉久 志村
俊輔 村松
武四 鮎沢
賢一 小野
英夫 二宮
芳仁 佐野
保之 兎束
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株式会社テンヨ武田
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、低食塩濃度の醤油醸造用諸味を使用するこ
と、並びにこの諸味に対し、従来の同一タンク(容器)
内での醤油醸造工程中においては段階的(連続的に)に
進行する、乳酸発酵及びアルコール発酵とを異なるタン
ク(容器)内で別々に平行して行なうことにより、醤油
の醸造期間の短縮を実現すると共に、醸造工程の終了後
必要に応じて加塩すれば通常の醤油として、また加塩を
控えれば脱塩等の特別な処理を行なわなくても、減塩醤
油として使用できるようにした醤油の短期醸造方法に関
するものである。
〈従来の技術〉 従来の醤油の醸造(発酵・熟成)方法を便宜上第1〜第
3工程に分けて略記すると次の通りである。
第1工程:醤油麺に食塩水を添加して、食塩含有量が15
%(重量百分率)以上の醤油醸造用諸味を製造する工
程。
この工程は、例えば、大豆と小麦の等量からなる醤油麺
と、23%食塩水を用いて、いわゆる11.5水の仕込をする
ことにより行なわれる。
第2工程:第1工程により得られる醤油醸造用諸味を、
約3月間加温しつつ発酵させる工程。
この工程における発酵は、最初に乳酸菌による乳酸発酵
が進行し、生成する乳酸によりpHが低下した後、次いで
酵母によるアルコール発酵が進行する。通常特に、乳酸
菌、酵母等の種菌の接種は行なわない。
第3工程:第2工程により発酵が終了した醤油諸味を、
比較的低温に約3月間保持して熟成させる工程。
この熟成期間中に、いわゆる諸味臭が除去されると共
に、全窒素(水溶性の窒素成分)が漸増して旨味が倍加
するのである。
また、最近健康上の理由から需要が増加した減塩醤油
は、前記醤油に対し種々の脱塩処理を施して製造された
ものである。
〈発明が解決しようとする問題点〉 前記した従来の醤油の製造方法においては、発酵工程
(乳酸発酵とアルコール発酵)に3月間、熟成工程に3
月間、合計少なくとも6月間の醸造期間が必要である。
このように、発酵工程と熟成工程に長期間を要するの
は、醤油諸味中の食塩濃度が高いので、これらの工程
において関与する微生物(乳酸菌、及び酵母)、及び酵
素の作用が阻害されること、発酵工程においては、乳
酸発酵とアルコール発酵が同時に平行して進行せず、段
階的に進行する(先ず、増殖速度の早い乳酸菌による乳
酸発酵が進行し、次いで増殖速度の遅い酵母によるアル
コール発酵が進行する。)ことによる。
また、前記した減塩醤油は、通常の食塩濃度の醤油から
食塩を除去することにより製造されていたので、通常の
醤油の製造工程に脱塩工程を付加しなければならなかっ
た。この脱塩工程は、高い経費を要すると共に、技術的
にもかなり困難な工程であるので、もしこの工程を経な
いで減塩醤油を製造することができれば画期的である。
以上から、食塩濃度の低い醤油醸造用諸味(醤油諸味)
を使用し、また前記乳酸発酵とアルコール発酵とを段階
的ではなく、同時に進行させて醸造期間を短縮すること
ができる醤油の醸造方法の開発が待望されていたのであ
る。
〈問題を解決するための手段〉 そこでこの発明は、 第1工程として「醤油麺に水、及び必要に応じて食塩を
添加して得られる混合物の食塩含有量を10%(重量百分
率)以下に調整すると共に、この混合物を50℃以上の温
度で、24〜96時間消化処理して、醤油醸造用諸味を製造
する工程」、 第2工程として「第1工程により得られる醤油醸造用諸
味に、ペディオコックス(Pdeiococcus)属の乳酸菌を
接種して10〜20日間発酵させて得られる乳酸発酵諸味、
及び同じく第1工程により得られる醤油醸造用諸味に、
チゴサッカロミセス(Zigosaccharomyces)属または
(/及び)キャンディダ(Candida)属の酵母を接種し
て10〜20日間発酵させて得られるアルコール発酵諸味と
を製造する工程」、 第3工程として「第2工程により得られる乳酸発酵諸味
と、アルコール発酵諸味とを混合して熟成させる工
程」、 を順次経た後、得られる醤油諸味を、圧搾、火入れ、ロ
カ等の常法により処理することによって、前記問題点を
解決するために開発したものである。
この発明において醤油醸造用諸味、乳酸発酵諸味、アル
コール発酵諸味、及び醤油諸味とは、次のようにして調
整した諸味をいう。
醤油醸造用諸味:醤油麺に水単独、また水と食塩(食塩
水を含む)を添加したものであって、発酵工程を経てい
ない諸味をいう。
乳酸発酵諸味:醤油醸造用諸味に、ペディオコクス(Pe
diococcus)属の乳酸菌を接種して10〜20日間発酵させ
て得られる諸味をいう。
アルコール発酵諸味:醤油醸造用諸味に、チゴサッカロ
ミセス(Zigosaccharomyces)属または(/及び)キャ
ンディダ(Candida)属の酵母を接種して10〜20日間発
酵させて得られる諸味をいう。
醤油諸味:発酵工程(乳酸発酵、アルコール発酵等)を
経た醤油醸造用諸味をいう。
次に第1工程〜第3工程を更に詳しく説明する。
〈第1工程〉 醤油麺に水、及び必要に応じて食塩を添加して得られる
混合物の食塩含有量を10%(重量百分率)以下に調整す
ると共に、この混合物を50℃以上の温度で、24〜96時間
消化処理して、醤油醸造用諸味を製造する工程である。
醤油醸造用諸味の食塩含有量は、低い方が望ましいが、
10%以下なら後の発酵・熟成工程に悪影響を及ぼさな
い。
また、この工程により醤油麺の蛋白質は、ほとんどが分
解されて水溶性の窒素に変ってしまい、以下の工程の発
酵・熟成期間を大幅に短縮することとなるのである。
なお、食塩は消化処理工程終了後に添加してもよい。
〈第2工程〉 第1工程により得られる醤油醸造用諸味に、ペディオコ
ックス(Pediococcus)属の乳酸菌を接種して10〜20日
間発酵させて得られる乳酸発酵諸味、及び同じく第1工
程により得られる醤油醸造用諸味に、チゴサッカロミセ
ス(Zigosaccharomyces)属または(/及び)キャンデ
ィダ(Candida)属の酵母を接種して10〜20日間発酵さ
せて得られるアルコール発酵諸味とを製造する工程であ
る。
乳酸発酵、及びアルコール発酵を短期間に進行・終了さ
せるために、本工程において積極的に乳酸菌、及び酵母
を接種する。
乳酸発酵を行なわせるために接種するペディオコックス
(Pediococcus)属の乳酸菌としては、ペディオコック
ス アシドラクチシ(Pediococcus acidolactici)、ペ
ディオコックス ハロヒルス(Pediococcus halophilu
s)、またアルコール発酵を行なわせるために接種する
チゴサッカロミセス(Zigosaccharomyces)属または
(/及び)キャンディダ(Candida)属の酵母として
は、チゴサッカロミセス ルキシ(Zigosaccharomycse
ruxii),キャンディダ バーサチルス(Candida versa
tilus),キャンディダ トロピカリス(Candida tropi
calis)等が汎用される。
本工程は通常2週間、長くても3週間以内に終了する。
この工程においては、積極的に接種した乳酸菌、及び酵
母により、乳酸発酵とアルコール発酵が異ったタンク
(容器)内で別々に平行して効率よく進行するので、諸
味の食塩濃度が低いことと相俟って発酵期間(従来法に
おいては3月)が大幅に短縮されるのである。
〈第3工程〉 第2工程により得られる乳酸発酵諸味と、アルコール発
酵諸味とを混合した後熟成させる工程である。
乳酸発酵諸味とアルコール発酵諸味との混合割合は、特
に限定しないが、通常(2〜8):(8〜2)の範囲に
ある。
本工程における熟成期間は、通常2月で終了する(従来
法においては3月以上)。これは、醤油諸味の食塩濃度
が低く、酵素に対する阻害作用が少ないので、生化学的
反応が速やかに進行するからである。
「実施例」 脱脂大豆150kg,小麦150kgから常法により、醤油麺400kg
を製造した。これに65℃の温水600kgを添加して攪拌し
た後、55℃に48時間保持して消化し、醤油醸造用諸味を
製造した。
この消化工程中、及び消化工程終了後の醤油醸造諸味の
成分変化を第1表(表は巻末に一括して示す)に示す。
この表の分析値によれば、pH,全窒素,直接還元糖,
色,グルタミン酸のいずれの成分も、十分に増加してい
る。これは食塩を添加せず、高温で諸味を消化させた結
果、酵素反応が速やかに進行したためと思われる。
次に消化工程終了後の醤油醸造用諸味に食塩100kgを添
加した後、これをA部,B部,C部に3等分し、A部には、
ペディオコックス ハロヒルス(Pediococcus halohilu
s)の純粋培養液1.5l(5.2×108/ml)を接種し、B部
には、チゴサッカロミセス ルキシ(Zigosaccharomyce
s ruxii)の純粋培養液1.5l(1.9×107/ml)を接種
し、C部には、キャンディダ バーサチルス(Candida
versatilus)の純粋培養液1.5l(8.0×106/ml)の純
粋培養液を各々接種して、各々30℃で嫌気的(1日に30
秒程度ゆっくり攪拌)に14日間発酵させた。これらのA
部(乳酸発酵諸味)、B部(アルコール発酵諸味)、C
部(アルコール発酵諸味)各々の発酵期間中、及び発酵
工程終了後の成分分析結果を第2〜第4表に示す。な
お、これらの表に全窒素が表示していない理由は、全窒
素は、前記消化工程終了後(第1表参照)にはほとんど
増加せず値が変わらないからである。
次に乳酸発酵、及びアルコール発酵が終了した前記A,B,
Cの醤油諸味を混合し、同一のタンク内において、25℃
で60日間熟成させた。熟成中、及び熟成工程終了後の醤
油諸味の成分分析の結果を第5表に示す。
また、この熟成工程が終了した醤油諸味を、圧搾、火入
れ、ロカ等の常法により処理して得た醤油の分析結果を
JAS特選の醤油の規格値と共に第6表に示す。両者を比
較すれば明らかなように、この発明の醸造方法により得
られた醤油は、食塩の含有量を除けば、いずれの分析値
においても、JAS特選の醤油の規格値に比較して遜色が
ない。また、両者を官能的に比較しても全く遜色がなか
った。更にまた、この醤油の食塩含有量は8.7%であ
り、このまま減塩醤油となり得るものである(これに食
塩を添加すれば、通常の醤油となるのはもちろんであ
る。)。
〈発明の効果〉 以上のように、この発明に係る醤油の短期醸造方法によ
れば、醸造期間が従来の醸造方法に比較して、約1/2に
短縮されると共に、脱塩等の高度の技術的処理をするこ
となく減塩醤油を製造することができる等その効果は非
常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二宮 英夫 山梨県中巨摩郡竜王町玉川888 団地21− 12 (72)発明者 佐野 芳仁 山梨県塩山市上於曽1844 (72)発明者 兎束 保之 山梨県甲府市岩窪36−4 審査官 河野 直樹 (56)参考文献 食品工業、5下(1982)p45

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の第1〜第3工程を順次経て製造される
    醤油諸味を、圧搾、火入れ、ロカ等の常法により処理す
    ることを特徴とする醤油の短期醸造方法。 第1工程:醤油麺に水、及び必要に応じて食塩を添加し
    て得られる混合物の食塩含有量を10%(重量百分率)以
    下に調整すると共に、この混合物を50℃以上の温度で、
    24〜96時間消化処理して、醤油醸造用諸味を製造する工
    程。 第2工程:第1工程により得られる醤油醸造用諸味に、
    ペディオコックス(Pediococcus)属の乳酸菌を接種し
    て10〜20日間発酵させて得られる乳酸発酵諸味、及び同
    じく第1工程により得られる醤油醸造用諸味に、チゴサ
    ッカロミセス(Zigosaccharomyces)属、または(/及
    び)キャンディダ(Candida)属の酵母を接種して10〜2
    0日間発酵させて得られるアルコール発酵諸味とを製造
    する工程。 第3工程:第2工程により得られる乳酸発酵諸味と、ア
    ルコール発酵諸味とを混合した後熟成させる工程。
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