JPH0739660A - 表皮一体発泡品 - Google Patents
表皮一体発泡品Info
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Abstract
位置決めを容易にして、生産性の向上,製品の品質安定
化を図る表皮一体発泡品を提供する。 【構成】 袋状表皮3の外方へ突出すようにインサート
1の可倒ステー12を配してインサート1の基部11を
表皮3内にセットし、この表皮3内に発泡原料を注いで
表皮3及びインサート1と一体に発泡成形した表皮一体
発泡品Aにあって、上記表皮3の製品底面側に、上記可
倒ステー12が差込まれる透孔31と、斯る透孔31か
ら可倒ステー12の作動方向へ細長く切り開いたスリッ
ト32と、を形成する。
Description
上端に取付けられる可倒式ヘッドレスト等の可倒ステー
を有する表皮一体発泡品に関する。
られる可倒式ヘッドレスト等には、可倒ステーを表皮か
ら突出す状態にしてインサート基部を表皮内に配し、こ
の表皮内へ発泡原料を注いで表皮,インサートと一体に
発泡成形した表皮一体発泡品が広く用いられている。斯
る可倒ステーを有する表皮一体発泡品については、可倒
ステーが本体に対し自在に動けるようになっていなけれ
ばならない。このため、従来、インサート1の基部11
には、可倒ステー用開口部111が形成され、表皮3側
には、可倒ステー12を支障なく動かせるよう大きめの
長穴35が造られていた(図8,図9)。そして、発泡
成形時に表皮と基部との隙間から発泡原料が侵入し、開
口部111内へ発泡原料が入り込むのを防止するため、
開口部111周りに弾性のシール部材6を貼り付ける対
策を講じていた。
12の動作を阻害しないよう上記長穴35やシール部材
6は、その開口が大きいため、これらを所定位置に組付
けていくのは至難であった。故に、インサート1に対す
る表皮3の位置ズレ不良を起こし易かった。この位置ズ
レ不良は、表皮皺等の品質低下を招いた。また、シール
部材6が所定の開口部111縁に貼着されず、シール不
能に陥ったり、製品としての外観品質の問題として開口
部111からシール部材6が覗いたりする不具合も絶え
なかった。加えて、シール部材6は、その形態から変形
し易いといった欠点があり、取扱い上の問題もあった。
いては、例えば、特開昭64−34708号公報に示す
如くの板状弾性体が提案された。しかし、この板状弾性
体は、可倒ステー12が傾動すると弾性変形で応じるた
め、可倒ステー12を大きく傾ける場合には抵抗体とな
り、可倒ステー12の動きを重くした。そして、可倒ス
テー12が傾くと、貫通孔の口が大きくなって歪んでい
るのが見え、製品外観を損ねていた。加えて、幾度か可
倒ステー12の傾動を繰返すと、板状弾性体の貫通孔付
近に思わぬ亀裂が走る欠陥等があった。
倒ステーを有する表皮一体発泡品にあって、可倒ステー
に対する表皮や板状の弾性部材の位置決めを容易にし
て、生産性の向上,製品の品質安定化を図る表皮一体発
泡品を提供することを目的とする。
泡品は、袋状表皮の外方にインサートの可倒ステーを配
してインサートの基部を表皮内にセットし、この表皮内
に発泡原料を注いで表皮及びインサートと一体に発泡成
形した表皮一体発泡品にあって、上記表皮の製品底面側
に、上記可倒ステーが挿通される透孔と、斯る透孔から
可倒ステーの作動方向へ細長く切り開いたスリットとを
形成するようにしたことを特徴とする。
の外方にインサートの可倒ステーを配してインサートの
基部を表皮内にセットし、この表皮内に発泡原料を注い
で表皮及びインサートと一体に発泡成形した表皮一体発
泡品にあって、上記基部に設けられた可倒ステー用開口
部を覆うように板状の弾性部材を配置し、斯る弾性部材
に上記可倒ステーが挿通される透孔を形成し、更にこの
透孔から可倒ステーの作動方向へ細長く切り開いたスリ
ットを設けるようにしたことを特徴とする。
まれる孔であって、可倒ステーが突き抜けることができ
ればよく、その形状等は問わない。「弾性部材」とは、
弾性変形の大きな材料からなるものをいい、具体的に
は、合成ゴム,発泡合成樹脂等である。「可倒ステーの
作動方向」とは、表皮一体発泡品の本体に対する可倒ス
テーの相対移動方向をいい、可倒ステーが所定の場所に
固着された場合には、現実に移動するのは本体側になっ
ている。
皮には、可倒ステーを配する所定位置に透孔を形成して
いるので、この透孔に可倒ステーを差込むと、自動的に
表皮とインサートの位置関係が定まる。そして、透孔の
大きさは可倒ステーの断面形状に略等しくしているの
で、表皮とインサートとはフィットした状態を保つ。製
品をシートバック上端に取付けた使用状態下では、可倒
ステーが本体に対し傾動すると、可倒ステーの作動方向
にスリットを有するため、殆ど抵抗なく可倒ステーを傾
けることができる。また、本第2発明に係る表皮一体発
泡品によれば、板状の弾性部材には、可倒ステーを配す
る位置に透孔が設けられているので、この透孔に可倒ス
テーを差込むと、位置合せしなくても弾性部材が開口部
を覆う場所へ降りる。従って、開口部縁へ労せず弾性部
材を貼着できる。そして、使用状態下では、弾性部材が
傾動する部分にスリットが形成されているので、可倒ス
テーを円滑に傾けることができる。
体発泡品の一実施例を示す。可倒タイプのヘッドレスト
に適用したものである。図1は製品化したヘッドレスト
の可倒ステー周りの部分拡大図、図2はインサートと弾
性部材との分解斜視図、図3は発泡成形型で発泡成形を
終えた断面図、図4は弾性部材の平面図、図5はインサ
ートに弾性部材を貼着した状態を示す拡大図である。
レストは、インサート1と、弾性部材2と、表皮3と、
発泡原料が発泡硬化してなる発泡材4と、で構成する。
インサート1は、基部11と、この基部11内から突出
す二本の可倒ステー12,12とからなる。基部11
は、図2の如くのボックス形状で、可倒ステー12を角
度調整できるアジャスター(図示せず)を内蔵してい
る。可倒ステー12が突出す基部11の上面側には、可
倒ステー12が傾動自在に動けるよう略長方形に切り欠
いた開口部111を形成する。可倒ステー12,12は
スチール製のパイプ形状で、後述する表皮3の外側に大
部分が突出す構成をとる。可倒ステー12が、製品にな
ったヘッドレストをシートバック上端へ固定する役目を
担っているからである。
レタン樹脂からなるクッション性に富む材料で造ってい
る(図2)。弾性部材2は、これを上記開口部111に
蓋をしようと上から被せた場合、起立状態にした可倒ス
テー12が当たる箇所に透孔21を有する(図4,図
5)。この透孔21に可倒ステー12を差込めば、弾性
部材2が開口部111を覆うようにするためである。透
孔21の大きさは、可倒ステー12の断面形状に略等し
い。
が傾動する方向には、細長く切り開いたスリット22が
設けられている(図4)。可倒ステー12の傾動動作が
スムーズになるからである。スリット22の長さは、可
倒ステー12の傾動範囲を僅かに超える。スリット22
は、既述のごとく、透孔21から可倒ステー12が傾動
する一方向に設けているが、可倒ステー12の傾動角の
中間のところに透孔21を形成して、透孔21を挟んで
両サイドに設けられるようにしてもよい。
混ぜ、発泡ゾルスラッシュ成形で所定の袋形状にしたも
のである。運転座席に坐った頭部の当り面に、ソフトタ
ッチ感触が得られるようにするためである。表皮3の製
品底面側で、発泡成形時に上記可倒ステー12と正しい
位置関係を保つ場所に、透孔31が形成されている(図
1)。この透孔31は円孔で、可倒ステー12のパイプ
径に略等しい。符号32は、透孔31を起点として可倒
ステー12の傾動する方向へ表皮3を細長く切り開いて
形成したスリットを示す。スリット32の端部には、小
孔33が打抜かれている。スリット32だけでは、可倒
ステー12が傾動すると、スリット32の端部が切り開
かれ、ほつれる虞れがある。しかるに、小孔33がある
ことによって、可倒ステー12が傾動しても小孔33の
円形部分で切り開こうとする外力が分散し、斯るほつれ
を防止する。
いた表皮3を用いて発泡成形を終え、脱型後、後加工で
スリット32を切込んでいる。初めからスリット32が
あると、表皮3への可倒ステー12の差し込み時、可倒
ステー12が誤ってスリット32へ入る虞れがあるから
である。本実施例では、スリット32を透孔31から小
孔33まで可倒ステー12が傾く一方向にのみ設けてい
る。しかし、可倒ステー12が傾動する中間点に透孔3
1を形成すると共に、この透孔31を挟んで可倒ステー
12の傾動範囲の両端に小孔33を形成し、両小孔3
3,33間にスリット32を切込んでもよい。ところ
で、表皮3は、インサート1の基部11とで前記弾性部
材2を挟持する構成になっている(図3)。発泡成形時
に、開口部111内へ発泡原料が入り込むのを阻止する
ためである。
泡原料を注入し、表皮3,基部11と一体成形して発泡
硬化させたものである。発泡原料は、発泡成形型5内に
表皮3と弾性部材2を貼着したインサート1とをセット
した後、表皮3に設けた注入口(図示せず)から注ぐよ
うにしている。本実施例では、発泡原料として発泡ウレ
タン樹脂を使用する。
産工程を述べる。まず、基部11の開口部111周りに
弾性部材2を接着固定する(図2)。透孔21へ起立状
態の可倒ステー12を差込み、スリット22方向を確認
しながら弾性部材2を押し下げれば、弾性部材2は、開
口部111に上から被さるように蓋をすることになる
(図5)。可倒ステー12を突き抜けさせる透孔21
が、位置決めの役割を果たすからである。
を差込み、基部11を表皮3内に配置する。ここで、こ
の時点の表皮3には、まだ透孔31と小孔33しか形成
されていない。従って、透孔31へ可倒ステー12を差
込む過程で、表皮3の横ズレは起こり得ない。基部11
に貼着した弾性部材2を表皮3裏面へ当接させれば、表
皮3とインサート1が所定位置にセットされた状態とな
る。その後、これらを発泡成形型5内に載置する(図3
参照)。
ート1,弾性部材2をセットした後、表皮3の注入口
(図示せず)から表皮内へ注入ノズル等を使って、発泡
原料を所定量流し込む。次いで、型閉めして発泡成形を
行う。所定時間が経過すると、発泡原料は発泡硬化し、
発泡材4となって表皮一体発泡品Aが出来上る。発泡成
形時には、上型51と下型52との間に締め付け圧力が
働く。この締め付け圧力は、表皮3と基部11とに弾性
部材2を圧接する作用を促し、表皮3,弾性部材2間に
発泡原料が侵入するのを防止する。加えて、従来のごと
く大きい開口のシール部材ではないので、たとえ発泡原
料が表皮3と弾性部材2間へ侵入しても、発泡原料が開
口部111内へ入り込む危険性は少なくなっている。ス
リット22が、常態で閉じているからである(図3,図
5)。脱型後、透孔31と小孔33間にカッターナイフ
等を使って、スリット32を切込む。かくして、所望の
ヘッドレストが仕上がる。
表皮一体成形を行うものである。表皮一体発泡成形に先
立ち、表皮3には、可倒ステー12を差込むことによっ
て表皮位置決めが図れる透孔31を形成している。ま
た、可倒ステー12の傾動最大角にあたる近傍だけに小
スリット34を形成する。この表皮3を使用して、表皮
3,インサート1と一体成形を行い、脱型後、後加工で
小スリット34から透孔31まで、スリット32を切込
んでいく製法を採る。他の構成は、実施例1と同じであ
る。
みを形成し、発泡成形後に、カッターナイフ,ハサミ等
でスリット32を設けていくものである。他の構成は、
実施例1と同様である。
弾性部材2に実施例1のものを使用する。弾性部材2に
は、表皮3と同系色の着色を施している。他の構成は実
施例1と同じである。
たところ、これまで作業性の悪かった表皮3,弾性部材
2の組付け作業が大幅に改善された。透孔21,31
は、発泡成形時に可倒ステー12がセットされる位置に
設けられているので、位置決め機能も発揮する。従っ
て、これらの透孔21,31に可倒ステー12を差込む
ことによって、開口部111縁への弾性部材2の貼着
や、表皮3とインサート1との位置合せを簡単になし得
た。そして、透孔21,31が、可倒ステー12を上下
方向以外にはズレないよう捕捉しているので、位置ズレ
不良による表皮3の皺や弾性部材2のシール不能等の欠
陥は激減した。
性部材2に切込んであるスリット22,32がたやすく
開き、且つ斯るスリット22,32が、可倒ステー12
の傾動方向にガイドする働きもなすので、スムーズに可
倒ステー12を傾けることができた。そして、可倒ステ
ー12が傾けば、この働きに乗じて元の場所のスリット
22,32が閉じていくので、透孔31,小孔33以外
に開口部分はなくなって、見た目にも美しいものになっ
た。従って、製品の品質向上にも寄与した。従来は、製
品底面側から開口部111内がまる見えといった見苦し
さがあったが、スリット22,32は通常閉じられてい
るので、製品外観を見栄えよく仕上げている。
スリット32を切込み易いように、予め、その末端部分
に小孔33を打抜いたり、小さめの小スリット34を形
成しているので、スリット32の切込み作業が非常に行
い易かった。更に、実施例4では、従来品の開口の大き
な表皮3を使用しているが、この場合でも、弾性部材2
が開口部111に蓋をしており、外から開口部111内
が見えていた不具合は改善された。そして、弾性部材2
を表皮3と同系色に着色することによって、製品外観が
より優れたものになった。
ものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種
々変更できる。インサート1,弾性部材2,表皮3,発
泡材4の形状,材質等は実施例に限定するものでない。
そして、ヘッドレスト製品に限らず、広く表皮一体発泡
品に適用される。また、スリット32は、後加工に依ら
ず前もって表皮3に形成しておいてもよい。スリット2
2は、透孔21から弾性部材2の外縁まで切り開いても
構わない。
泡品は、表皮,弾性部材の位置決めを容易にして、作業
性向上を果たすだけでなく製品の品質安定を図るなど優
れた効果を発揮する。
周りの部分拡大図である。
図である。
状態を示す断面図である。
大図である。
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 袋状表皮の外方にインサートの可倒ステ
ーを配してインサートの基部を表皮内にセットし、該表
皮内に発泡原料を注いで表皮及びインサートと一体に発
泡成形した表皮一体発泡品にあって、 上記表皮(3)の製品底面側に、上記可倒ステーが挿通
される透孔(31)と、該透孔から可倒ステーの作動方
向へ細長く切り開いたスリット(32)と、を形成する
ようにしたことを特徴とする表皮一体発泡品。 - 【請求項2】 袋状表皮の外方にインサートの可倒ステ
ーを配してインサートの基部を表皮内にセットし、該表
皮内に発泡原料を注いで表皮及びインサートと一体に発
泡成形した表皮一体発泡品にあって、 上記基部に設けられた可倒ステー用開口部を覆う板状の
弾性部材(2)を配置し、該弾性部材に上記可倒ステー
が挿通される透孔(21)と、該透孔から可倒ステーの
作動方向へ細長く切り開いたスリット(22)とを形成
するようにしたことを特徴とする表皮一体発泡品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20844893A JP3599759B2 (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 表皮一体発泡品 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP20844893A JP3599759B2 (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 表皮一体発泡品 |
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JPH0739660A true JPH0739660A (ja) | 1995-02-10 |
JP3599759B2 JP3599759B2 (ja) | 2004-12-08 |
Family
ID=16556374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP20844893A Expired - Lifetime JP3599759B2 (ja) | 1993-07-31 | 1993-07-31 | 表皮一体発泡品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3599759B2 (ja) |
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