JP3827352B2 - 自動車用ヘッドレスト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自動車用ヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車には、乗員の頭部を支持するとともに、衝撃などから保護するためのヘッドレストが設けられている。このヘッドレストには、枕形状をした合成樹脂製発泡体の表面がファブリックなどの表面材で覆われた枕部と、その枕部内の前記発泡体内に上部が固着されて下部が枕部の底面から突出した金属製のスティとで構成されるものが多い。前記枕部は乗員の頭部と当接して該頭部を指示し、また、前記スティは座席の背もたれ上部に挿通されてこのヘッドレストを車体に取り付ける。
【0003】
なお、前記構成からなるヘッドレストの成形は、前記スティの上部を配置した発泡用成形型内に発泡原料を注入し、前記スティと強固に接着した枕形状の発泡体を成形し、その後ファブリックなどからなる表面材を前記発泡体に被せることによりなされたり、あるいは、前記成形型内に前記スティとともに表面材を配置して、前記スティおよび表面材と強固に接着した枕形状の発泡体を発泡成形することによりなされている。
【0004】
ところで、近年自動車部品においては再生利用が進められている。この再生利用は、自動車部品を材質ごと、たとえば、金属部分とプラスチック部分とに分離しそれぞれの材質から別の製品や部材を成形して再利用を図るものである。この再生利用の要求は、ヘッドレストにおいても例外ではない。
【0005】
しかしながら、従来のヘッドレストは、前記のように金属製スティと発泡体と表面材が強固に接着しているため、その分離作業が容易ではなかった。そのため、再生利用に手間がかかり経済的に不利であったり、完全に分離させられず、満足できる再生利用ができないこともある。
【0006】
また、ヘッドレストは、乗員の好みや体格に応じて枕部の高さや傾斜を調節できるものが好ましい。そこで従来では、ヘッドレストが装着される座席背もたれ側に枕部の高さ調節機構や傾斜調節機構を設けて、枕部の高さおよび傾斜調節を行なうようにしている。ところが、背もたれの構造などによっては背もたれ側にかかる調節機構を設けることができない場合もあった。
しかるに、前記枕部の高さ調節機構や傾斜角度調節機構をヘッドレストに設けると、その機構の存在によりヘッドレストの構造が一層複雑となり、ヘッドレストの再生利用のための部材の分離がますます困難になるおそれがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、前記の点に鑑みてなされたもので、部材間の分離が容易で再生利用に都合がよく、しかも枕部の高さ調節機構および傾斜角度調節機構も備えた自動車用ヘッドレストを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、この発明は、プラスチック製の二つのシェル半体が組み合わされてなる中空の枕部シェルと、水平部から下方へ伸びる脚部が前記シェル半体の組み合わせ部間に上下動および前後回転可能に挿通されて、当該水平部および脚部の上部が枕部シェル内に収納されたスティと、前記スティ水平部の嵌まる水平部用凹溝を異なる高さに複数有し、前記スティ水平部を両側から挟むようにして二つのシェル半体内に対向して設けられた少なくとも一組の水平部用板ばね体と、前記スティ脚部の嵌まる脚部用凹溝を異なる前後位置に複数有し、前記スティ脚部に圧接するようにして一のシェル半体の内面から他方のシェル半体の内面へ向けて突設された脚部用板ばね体と、前記他方のシェル半体の内面に形成され前記二つのシェル半体を組み合わせた際に前記脚部用板ばね体の先端と係合する凹部よりなる板ばね押さえ部と、前記枕部シェル表面の少なくとも頭部当接予定面に取り付けられたパッド材とからなる自動車用ヘッドレストに係る。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係る自動車用ヘッドレストの正面図、図2はヘッドレストの内面を示す斜視図、図3はシェル半体を組み合わせたA−A拡大断面図、図4は図2においてシェル半体を組み合わせた状態を示すB−B拡大断面図、図5は水平部用板ばね体および脚部用板ばね体の作用を概略的に示す図、図6は係合手段の一例を示す断面図、図7はその係合状態を示す断面図、図8はパッド材の一例を示す断面図、図9は枕部シェルにパッド材を配置した状態を示す斜視図、図10は前記枕部シェルにパッド材を巻き付ける状態を示す斜視図である。
【0010】
図1および図2に示されるように、この実施例の自動車用ヘッドレスト10は、枕部シェル11とスティ30と水平部用板ばね体40と脚部用板ばね体50とパッド材60とからなり、スティ30に対して枕部シェル11を上下動および前後回動させて、その高さおよび傾斜を調節可能とするものである。
【0011】
枕部シェル11は、プラスチックの射出成形などにより内側が窪んだ形状に形成された二つのシェル半体12,22が、窪んでいる面を対向させて組み合わされることにより中空状とされたものである。この枕部シェル11の外形状は、枕状、俵型、弁当箱形状など適当とすることができる。これらシェル半体12,22に使用される材質は、平常時における乗員頭部の押圧により変形しない剛性を有するプラスチックが用いられ、好ましくはポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂などである。前記枕部シェル11内には、スティ30の上部側が収納保持されている。
【0012】
ここでスティ30について説明すると、このスティ30はヘッドレスト10を座席背もたれに装着するためのもので、金属製の中空または中実の棒状体からなり、枕部シェル11内に収納されるスティ水平部31と前記スティ水平部31の両端から屈曲して下方へ伸びる二本のスティ脚部32,32とにより、図のような略コの字状に形成されている。
【0013】
前記シェル半体12,22の内面には、水平部用板ばね体40が設けられている。
水平部用板ばね体40は、枕部シェル11内におけるスティ30の水平部31を異なった高さに位置決めして、座席背もたれに対する枕部シェルの高さを調節するためのものである。前記水平部用板ばね体40は複数の水平用凹溝42,42,…を有する一組の板ばね41,41よりなり、シェル半体12,22の略中央に、その上下(ヘッドレスト10使用時に上下方向となる向きを言う。)方向に沿って対向して立設されている。前記水平用凹溝42は、図3に示すように、二つのシェル半体12,22を組み合わせた時に、対向する板ばね41の水平用凹溝42どうしで前記スティ水平部31を両側から挟む保持部43を、異なった高さで複数形成する。前記スティ水平部31は、水平部用板ばね体40の弾性により、これら複数の保持部43間を摺動可能に保持されており、前記水平用凹溝41によって形成されるいずれかの保持部43内に保持されることによりその位置が決定される。
【0014】
へッドレストの高さを調節する場合には、図5に示すように、スティ脚部32または枕部シェル11を掴んで強く上げ下げする。そして、前記保持部43間で前記スティの水平部31を移動させて、底部から突出するスティ脚部32の長さを変えることにより、枕部シェル11を所望の高さ位置にする。本実施例においてこの水平部用板ばね体40は、一の枕部シェル11に一組設けられているが、枕部シェルの形状などに応じて複数形成することもできる。
【0015】
一方、脚部用板ばね体50は、スティ脚部32に圧接し、枕部シェル11から突出するスティ30の脚部32に対して、傾斜させた枕部シェル11の角度を固定するためのものである。この脚部用板ばね体50は複数の脚部用凹溝52,52,…を有する板ばね51よりなり、スティ30の両方の脚部32,32対して一つづつ設けられるとともに、一のシェル半体(本実施例ではシェル半体12)から他方のシェル半体に向けて突設されている。前記脚部用凹溝52は前記スティ30の脚部32側面に嵌まる形状とされ、図4に示すように、スティ30に対して枕部シェル11を前後回転させることにより変化するスティ30の脚部32の位置を固定する。スティ30の脚部32は、前記スティ水平部31と同様に、前記脚部板ばね体50のばね弾性によって前後の脚部用凹溝52間を摺動可能に保持されており、いずれかの脚部用凹溝52に保持されることによりその位置が決定される。
【0016】
また、図5に示すように、ヘッドレストの傾きを調節する場合には、前記枕部シェル11の下側を掴んで前方または後方に回動させて、当該枕部シェル11をスティ水平部31を中心に前または後に回動させる。それにより、前記スティ脚部32が嵌まる脚部用凹溝52が変わり、枕部シェル11を所望の傾斜とすることができる。
【0017】
なお、図中の符号53は板ばね押さえ部で、脚部用板ばね体50を設けない側のシェル半体内面に設けられている。この板ばね押さえ部53は、図4に示すように、シェル半体12,22を組み合わせた際に前記脚部用板ばね体50先端と係合する凹部よりなり、脚部用板ばね体50の先端を固定して当該脚部用板ばね体50をスティ脚部32に確実に圧接させその位置を固定する。それにより、枕部シェル11を多少前後に動かしても、脚部用凹溝52からスティ脚部32が外れないのでその位置決めが安定する。
【0018】
また、前記両シェル半体12,22はその外周端縁が両者の組み合わせ部15,25を構成している。この組み合わせ部15,25において、前記枕部シェル11の底部側となる部分に、スティ突出用凹部16,26が形成されている。前記スティ突出用凹部16,26は、シェル半体12,22の組み合わせにより、前記組み合わせ部15,25にスティ30の脚部32が挿通可能な穴を形成する。図5から理解されるように、このスティ突出用凹部16,26は、前記枕部シェル11の前後回転によるスティ脚部32の移動の幅を充分含む長穴を形成し、この穴から前記スティ脚部32,32が上下動および前後回転可能に外へ突出している。
【0019】
さらに、前記両シェル半体の組み合わせ部15,25の内側近傍には、図6に示すように、係合手段15a,25aを立設することが好ましい。この係合手段15a,25aは、前記両シェル半体12,22の組み合わせ状態を維持するためのもので、係合解除可能なものが好適である。たとえば、互いに係合可能な爪や、ピンとピン穴の組み合わせなどがある。本実施例では、先端に互いに反対方向へ屈曲した爪部を有する板状のものが、シェル半体12,22の対向するそれぞれの面に形成されている。そして、前記シェル半体12,22を組み合わせて互いに押圧することにより、図7に示すように先端の爪部が係合してシェル半体12,22が組み合わせられる。なお、この爪部は、両シェル半体12,22を強引に引き離すことにより係合を解除することができる。
【0020】
一方、シェル半体12,22の外面には、パッド材取り付け面12a,22aが形成されている。図2に示すように、このパッド材取り付け面12a,22aは、周囲に対してパッド材の厚み分の段差を有する凹形状に形成されていて、この面にパッド材を取り付けた際に該パッド材の縁を隠蔽してパッド材と枕部シェル11との一体感を高め、ヘッドレストの外観を良好なものとする。このパッド材取り付け面12a,22aは、枕部シェル11において乗員の頭部が当接する少なくとも一つのシェル半体の外面に設けられる。本実施例では両シェル半体12,22の上下方向に、前記パッド材取り付け面12a,22aを設けて、図のようにパッド材60を枕部シェル11の外面に巻き付けるようにした。
【0021】
前記枕部シェル11の底部側の組み合わせ部には、このパッド材取り付け面12a,22aから連続してパッド材用凹部12b,22bが形成されている。このパッド材用凹部12b,22bは、図2および図3に示すように、前記パッド材取り付け面12a,22aに巻き付けられたパッド材60の両端63をシェル半体12,22内に導入するとともに、両シェル半体12,22の組み合わせにより挟む部分である。それによって、パッド材60の反発弾性により両シェル半体12,22が開くのを防ぐことができる。なお、このパッド材取り付け面12a,22aおよびパッド材用凹部12b,22bは、用いられるパッド材60の幅および厚みに応じて適当な寸法に形成される。
【0022】
パッド材60は、頭部に対する衝撃を緩和するためのもので、図8に示すように、軟質ウレタンフォームなどのクッション体61と、その表面を覆うファブリックなどの表面材62とからなる。このパッド材60は、前記パッド材取り付け面12a,22aを覆うことのできる幅および長さのものが用いられ、この実施例では、前記枕部シェル11のパッド材取り付け面全周よりも数cm長い布団状のものが用いられる。なお、このパッド材60の厚みは、要求される緩衝性に応じて適当とされる。また、前記表面材62は、クッション体61の裏面を含む全周に設けてもよい。
【0023】
なお、前記シェル半体12,22の外面は、前記パッド材取り付け面12a,22a以外の部分をシボ模様とすることが好ましい。この部分はパッド材60により覆われることなく露出するため、シボ模様とすることによりヘッドレストの外観を一層向上させることができる。また、前記実施例において、両シェル半体12,22は互いに分離した例を示したが、ヒンジを介して両者が連結されていてもよい。
【0024】
次に、前記各部材からヘッドレスト10を組み立てる手順について説明する。まず、図9に示すように、前記パッド材60の裏面側に、前記両シェル半体12,22をその内側を上向きとして配置し、スティ突出用凹部16,26をパッド材60の両端63に向けて位置させる。その際、前記パッド材取り付け面12a,22aにパッド材60が位置するように、両シェル半体12,22とパッド材60との位置関係を調整する。
【0025】
続いて、図10に示すように、前記パッド材60の両端63を、シェル半体12,22に形成された前記パッド材用凹部12b,22bから、当該シェル半体12,22の内面側へ折り曲げて該シェル半体12,22内に導入し固定する。その固定は、パッド材60の前記両端63をシェル半体内面にタッカー止めすることにより、あるいはシェル半体内面に立設したピン(図示せず)にパッド材の両端63を突き刺すなどにより行なう。
【0026】
しかる後、図2に示すように、シェル半体12内にスティ30を配置する。まず、スティ30の水平部31を、水平部用板ばね体40上の適当な水平部用凹部42に配置するとともに、脚部用板ばね体50の適当な脚部用凹溝52にスティ脚部32を嵌め、前記スティ突出用凹部16,26から外へ突出させる。
【0027】
次いで、前記シェル半体12に他方のシェル半体22を対向させ、前記組み合わせ部15,25を介して組み合わせる。それにより、水平部用板ばね体40の水平部用凹溝42は対向する凹溝42とで保持部43を形成し、スティ水平部31を保持する。その際、前記脚部用板ばね体50の先端が、他方のシェル半体22内面の板ばね押さえ部53に嵌まり、スティ30の脚部32を脚部用凹溝52により圧接保持する。
そして、各シェル半体12,22を互いに押圧し、係合手段15a,25aを係合させることにより、その組み合わせ状態が固定される。
【0028】
このようにして形成されたヘッドレスト10は、前記スティ30を介して座席の背もたれに装着される。そして、枕部シェル11の高さを調節する際には、枕部シェル11を幾分大なる力で上または下に動かし、スティ水平部32を水平部用板ばね体40の保持部43に順次保持させる。枕部シェル11が所望の高さ位置の保持部と係合した時点で枕部シェル11に加える力を解除する。それにより、水平部用板ばね体40の弾性で、枕部シェル11の高さが固定される。
【0029】
また、枕部シェル11の傾きを調節する場合には、前記したように、枕部シェル11の下側を幾分大なる力で前後に動かすことにより、当該枕部シェル11をスティの水平部31を中心に回動させ、スティ脚部32を脚部用板ばね体50の脚部用凹溝52に順次嵌めていく。スティ脚部32が枕部シェル11を所望の傾きとする凹溝と係合したところで枕部シェルに加える力を解除すれば、前記脚部用板ばね体50の弾性で枕部シェル11の傾きが保持される。
【0030】
一方、自動車の廃車などにより、このヘッドレスト10を再生利用する必要が生じた場合には、前記両シェル半体12,22の組み合わせ部15,25にねじまわしのような先端の細い工具を挿入してこじることにより、両シェル半体12,22を分離させる。それによって、前記スティ30をシェル半体12,22から外すことができるようになる。また、前記パッド材60については、その両端をタッカー針から引きちぎり、その後タッカー針をペンチなどで引き抜いたり、あるいはピン止めの場合にはピンからパッド材60の両端を抜くことにより、両シェル半体12,22から外すことができる。したがって、各部材を容易に分離させることができ、各部材の再生利用が可能となる。
【0031】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明の自動車用ヘッドレストによれば、枕部シェルが二つのシェル半体の組み合わせからなって、その枕部シェルにスティが脱着可能に固定されている。また、パッド材は前記枕部シェルの外面にあって、枕部シェル内のスティと接着されていない。そのため、ヘッドレストを再生利用する際には、枕部シェルを二つのシェル半体に分離させればスティをシェル半体から容易に外すことができ、分離作業を簡単に行なえる利点がある。しかも、枕部シェルの上下動および傾斜機構は、シェル半体内面に設けられた板ばね体の凹溝に、スティの水平部および脚部を順次係合することにより行なうものである。したがって、スティには、パッド材が部分的に接着したまま残ることもなく、スティと枕部シェルおよび発泡体とを完全に分離することができ、良好な再生品が期待できる。また、この上下動機構は、ヘッドレスト構造を複雑にすることがなく、再生利用時の分離だけでなく、ヘッドレストの組立作業も簡単で経済的となる。
【0032】
また、この発明の自動車用ヘッドレストは、上下および傾斜機構が枕部シェル内に設けられているので、座席背もたれにはかかる調節機構を設ける必要がない。そのため、座席背もたれに調節機構を設けることのできない場合にも、枕部シェルを好みの位置に調節することができる。しかも、この発明の自動車用ヘッドレストは、前部座席のヘッドレストのみならず、後部座席のヘッドレストにも適用できる。そのため、後部座席のヘッドレストにおいても、枕部シェルの高さや傾きを調節できるようになり、きわめて都合がよい。
【0033】
さらに、この発明の自動車用ヘッドレストにおいて、パッド材が一つのシェル半体の外面または枕部シェルの外面に巻き付けられ、該パッド材の両端がシェル半体の組み合わせ部から枕部シェル内に導入されて、当該パッド材両端の隠蔽および固定がされたものにあっては、パッド材がその両端のみで枕部シェルに固定されるので、分離の際にパッド材を引きちぎる等により容易にパッド材と枕部シェルとを分けることができる。したがって、枕部シェルとパッド材についても再生利用のための分離作業が容易なものとなる。加えて、パッド材取り付け面が凹形状とされて、シェル半体の組み合わせ部から前記パッド材の両端が枕部シェル内に導入されたものにあっては、パッド材の両端および両側が隠蔽されて外から見えず、枕部シェルとの一体感が増し、ヘッドレストの外観を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る自動車用ヘッドレストの正面図である。
【図2】 枕部シェルの内面を示す斜視図である。
【図3】 シェル半体を組み合わせたA−A拡大断面図である。
【図4】 図2においてシェル半体を組み合わせた状態を示すB−B拡大断面図である。
【図5】 水平部用板ばね体および脚部用板ばね体の作用を概略的に示す図である。
【図6】 係合手段の一例を示す断面図である。
【図7】 その係合状態を示す断面図である。
【図8】 パッド材の一例を示す断面図である。
【図9】 枕部シェルにパッド材を配置した状態を示す斜視図である。
【図10】 前記枕部シェルにパッド材を巻き付ける状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ヘッドレスト
11 枕部シェル
12 シェル半体
22 シェル半体
30 スティ
31 スティ水平部
32 スティ脚部
40 水平部用板ばね体
42 水平部用凹溝
50 脚部用板ばね体
52 脚部用凹溝
60 パッド材
Claims (5)
- プラスチック製の二つのシェル半体が組み合わされてなる中空の枕部シェルと、
水平部から下方へ伸びる脚部が前記シェル半体の組み合わせ部間に上下動および前後回転可能に挿通されて、当該水平部および脚部の上部が枕部シェル内に収納されたスティと、
前記スティ水平部の嵌まる水平部用凹溝を異なる高さに複数有し、前記スティ水平部を両側から挟むようにして二つのシェル半体内に対向して設けられた少なくとも一組の水平部用板ばね体と、
前記スティ脚部の嵌まる脚部用凹溝を異なる前後位置に複数有し、前記スティ脚部に圧接するようにして一のシェル半体の内面から他方のシェル半体の内面へ向けて突設された脚部用板ばね体と、
前記他方のシェル半体の内面に形成され前記二つのシェル半体を組み合わせた際に前記脚部用板ばね体の先端と係合する凹部よりなる板ばね押さえ部と、
前記枕部シェル表面の少なくとも頭部当接予定面に取り付けられたパッド材とからなる自動車用ヘッドレスト。 - 請求項1において、パッド材がクッション材とその表面を覆う表面材とからなることを特徴とする自動車用ヘッドレスト。
- 請求項1または2において、二つのシェル半体が互いに係合する係合手段を有し、前記係合により二つのシェル半体の組み合わせが維持されることを特徴とする自動車用ヘッドレスト。
- 請求項1ないし請求項3のいずれかにおいて、一つのシェル半体の外面または組み合わされた二つのシェル半体の外面にパッド材が巻き付けられ、該パッド材の両端がシェル半体の組み合わせ部から枕部シェル内に導入されて当該パッド材両端の隠蔽および固定がなされていることを特徴とする自動車用ヘッドレスト。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかにおいて、シェル半体のパッド材取り付け面が凹形状とされていることを特徴とする自動車用ヘッドレスト。
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