JPH0736147A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

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JPH0736147A
JPH0736147A JP31553293A JP31553293A JPH0736147A JP H0736147 A JPH0736147 A JP H0736147A JP 31553293 A JP31553293 A JP 31553293A JP 31553293 A JP31553293 A JP 31553293A JP H0736147 A JPH0736147 A JP H0736147A
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resin
support
polyethylene resin
layer
density
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JP31553293A
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English (en)
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Tetsuya Ashida
哲也 芦田
Toru Noda
徹 野田
Nobushige Iketani
暢重 池谷
Takuya Seri
卓也 世利
Kohei Nitta
晃平 新田
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
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    • G03C1/79Macromolecular coatings or impregnations therefor, e.g. varnishes
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷却ロール汚れの転写に寄因する問題の発生
が無く、かつ画像形成層を設ける側とは反対側の樹脂層
中にゲル状の異物の発生がなく、なおかつカール物性、
切断性、基紙と該樹脂層との接着性等の性能の良好な、
更に高速かつ安定生産できる、紙を基質とする樹脂被覆
紙型画像材料用支持体を提供することを目的とする。 【構成】 天然パルプを主成分とする基紙の画像形成層
を設ける側の面がポリオレフィン樹脂(A)で被覆さ
れ、その反対側(裏側)の基紙面がポリエチレン系樹脂
(B)を主成分とする樹脂組成物で被覆された画像材料
用支持体において、裏側の樹脂層面の中心面平均粗さが
特定範囲値内のものであり、かつポリエチレン系樹脂
(B)が、特定の低密度ポリエチレン樹脂または中密度
ポリエチレン樹脂の特定重量部と特定の高密度ポリエチ
レン樹脂の特定重量部とを予め溶融・混合して調製した
コンパウンド樹脂であり、かつ該コンパウンド樹脂の臨
界剪断速度が特定値以下のものであることを特徴とする
画像材料用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙を基質として、その
一方の画像形成層を設ける側の紙基質(以下、基紙と言
う)面がポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物
から成る樹脂層で被覆され、その反対側の基紙面がポリ
エチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から成る樹脂
層で被覆された樹脂被覆紙型画像材料用支持体に関する
ものであり、詳しくは冷却ロール汚れの転写に寄因する
問題の発生が無く、かつ画像形成層を設ける側とは反対
側の樹脂層中にゲル状の異物の発生がなく、なおかつカ
ール物性、切断性、基紙と該樹脂層との接着性等の性能
が良好で、更に高速かつ安定生産できる樹脂被覆紙型画
像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、画像材料用支持体のための基紙面
がフィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型支
持体はよく知られている。例えば、特公昭55-12584号公
報には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された写真用支持体についての
技術が開示されている。米国特許第3,501,298 号公報に
は基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真用
支持体についての技術が開示されている。また、ハロゲ
ン化銀感光材料の迅速写真現像処理方式が適用されて以
来、基紙の両面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真
用支持体が、写真印画紙用として主に実用化されてお
り、必要に応じてその一方の画像形成側の樹脂層中には
鮮鋭度を付与するために、通常二酸化チタン顔料を含有
している。
【0003】また、米国特許第4,774,224 号公報には、
樹脂被覆の表面粗さが7. 5マイクロインチ−AA以下
である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン樹脂
で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として有す
る熱転写記録受像要素が提案されている。また、特開昭
63-307979 号公報には、樹脂被覆紙を支持体として有す
るインクジェット記録用シートに関する技術が開示され
ている。
【0004】更に、写真層を設ける側とは反対側の基紙
面を低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂
とを含む樹脂組成物で被覆した写真用支持体に関する技
術が提案されている。例えば、特公昭44-22904号公報に
は、密度が0. 915〜0.926g/cm3 であり、融解
指数が2. 9〜16g/10分である特定の低密度ポリエチ
レン樹脂15〜65重量%と密度が0. 960〜0. 9
75g/cm3 であり、融解指数が5〜18g/10分である特
定の高密度ポリエチレン樹脂85〜35重量%から成
る、高速被覆能力があり、かつネックイン及びピンホー
ルの発生のないポリエチレン組成物で基紙を被覆した写
真用支持体についての開示がある。また、特公昭48-996
3 号公報には、低密度ポリエチレン樹脂:高密度ポリエ
チレン樹脂=1: 1から成る樹脂組成物で基紙を被覆し
た、カール物性の点で良好な写真用支持体についての開
示がある。更に、特開昭58-95732号公報には、密度が
0. 945g/cm3 以上であり、メルトインデックスが1
5〜40g/10分である高密度ポリエチレン樹脂40〜7
5重量部と密度が0. 930g/cm3 以下であり、メルト
インデックスが1〜40g/10分である低密度ポリエチレ
ン樹脂60〜25重量部とから成るポリエチレン樹脂組
成物で基紙を被覆した、切断性及びカール物性の点で良
好な写真用支持体についての開示がある。
【0005】しかしながら、これらの先行技術に開示さ
れた低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂
から成る樹脂組成物を用いても、紙を基質とする樹脂被
覆紙型画像材料用支持体を生産する場合には、重大な問
題点が発生することが判明した。また、該樹脂被覆紙型
画像材料用支持体は、依然として品質的に重大な問題点
を有していた。
【0006】即ち、第一に、ポリエチレン系樹脂被覆紙
は、通常走行する基紙上に溶融押し出し機を用いて、そ
のスリットダイから溶融したポリエチレン系樹脂組成物
をフィルム状に押し出し、流延して被覆し、加圧ロール
と冷却ロールとの間で圧着し、冷却後ロールから剥離さ
れるという一連の工程で生産される。しかし、従来公知
の低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂と
から成る樹脂組成物を用いた場合には、冷却ロール上に
冷却ロール汚れと呼称されるポリエチレン系樹脂組成物
あるいはその変性物を主成分とする汚れが発生する傾向
があった。ポリエチレン系樹脂被覆紙の生産は、操業開
始から少なくとも2〜3日、通常は一週間、時には1ヶ
月間連続して溶融押し出し機を稼動して行われるが、連
続して操業する期間が長くなればなる程、始末が悪いこ
とに、冷却ロール汚れは多く蓄積する傾向があった。
【0007】ポリエチレン系樹脂被覆紙の製造中に、冷
却ロール汚れが多く発生し始めると冷却ロールからのポ
リエチレン系樹脂被覆紙の剥離性が悪化して、冷却ロー
ルと樹脂層との粘着性が大きくなって冷却ロール側に樹
脂層が取られる傾向が大きくなるために、基紙と樹脂層
との接着性が不均一に弱くなったり、ひどい時には基紙
と樹脂層とが剥離したりして画像材料用支持体用途のた
めの樹脂被覆紙としては、全く不適当で商品価値のない
ものになるという問題点があった。また、蓄積した冷却
ロール汚れが該樹脂層に附着したまま巻き取られ、画像
形成層を設ける側の樹脂層面に転写して出現し、それこ
そ画像材料用支持体用途のための樹脂被覆紙としては、
致命的な品質故障を起こすという問題点があった。更
に、この冷却ロール汚れの転写の問題は、汚れが一旦樹
脂被覆紙製造用のラミネーターのロールや乳剤コーター
のロールに転写して、それが再転写して品質故障になる
という深刻な問題を引き起こすこともあった。このた
め、冷却ロール汚れの十分な防止対策を講じる必要があ
った。
【0008】第二に、従来公知の低密度ポリエチレン樹
脂と高密度ポリエチレン樹脂とから成る樹脂組成物を用
いた場合には、ゲル状の異物が被覆樹脂面に発生する傾
向があった。このゲル状の異物は、やはり始末が悪いこ
とに、連続して操業する期間が長くなればなる程多く発
生する傾向があった。
【0009】樹脂被覆紙の製造中にこのゲル状の異物が
発生し始めると、被覆中の樹脂が筋状に薄くなったり、
時には樹脂割れを起こしたりして均一な樹脂被覆紙が得
られないという重大な問題点が発生した。また、基紙の
一方の面がポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成
物から成る樹脂層で被覆され、その反対側の基紙面がポ
リエチレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から成る樹
脂層で被覆された画像材料用支持体において、画像形成
層を設ける側(以下、単に表側と略す)とは反対側(以
下、単に裏側と略す)の被覆樹脂層中にゲル状の異物が
存在すると、該支持体を有する画像材料そのものの外観
が損なわれて商品価値が無くなってしまう。特に、裏側
の樹脂層(以下、単に裏樹脂層と略す)中にゲル状の異
物が発生すると、表側の樹脂層(以下、単に表樹脂層と
略す)上に画像形成層、特にハロゲン化銀写真構成層を
塗設する場合に、裏側からの影響により塗布が不均一に
乱れてしまうため画像形成層が均一に塗布出来なくな
り、それこそ致命的な品質故障が発生するという問題点
があった。このため、ゲル状の異物の十分な防止対策を
講じなければならなかった。
【0010】そのため、本発明者らはこのゲル状の異物
の発生原因の追求を行った。そもそも、基紙に溶融した
ポリエチレン系樹脂を押し出して被覆する場合には、ポ
リエチレン系樹脂の融点よりもかなり高い温度で行われ
ている。例えば、低密度ポリエチレン樹脂の融点は10
5〜110℃付近であり、高密度ポリエチレン樹脂の融
点は120〜130℃付近であるのに対し、押し出しダ
イからの溶融押し出し温度は、薄膜塗布を行うために3
00℃付近で行う必要がある。一般にポリエチレン分子
中には、エチレンモノマーの重合体としての直鎖状の炭
素の他に炭素炭素二重結合のような不飽和結合や、メチ
ル基あるいは、それ以上の炭素骨格を結合した側鎖状の
炭素を含むことが知られている。ポリエチレンに対し、
300℃付近での温度は加工適性面からは適度な温度で
あるが、分子レベルでは活性化を促進させる範囲であ
り、特に長時間操業では溶融ポリエチレン系樹脂の流動
変化等の要因により、分子中の不飽和結合や側鎖状の炭
素付近でラジカルが発生しやすい状態になり、ラジカル
が連鎖反応して溶融ポリエチレン系樹脂が橋かけ反応を
起こして押し出し機内部に蓄積、滞留し、時としてフィ
ルムと共に押し出された時にゲル状の異物となって現れ
るものと考えるに到った。
【0011】このようなゲル状の異物の発生を防止する
方法として、押し出し加工温度を下げて操業する方法が
あるが、その場合ポリエチレン系樹脂と紙との接着性が
低下するため、必要な程度の接着性を維持するためには
加工速度が制限され、生産性が低下してしまう。また、
短い周期にて押し出し機の分解掃除を行うことは効果が
あるものの生産性の低下は避けられない。また、本発明
者らの検討により、ポリエチレン系樹脂組成物中に酸化
防止剤を添加することが、このゲル状の異物を防止する
ことにある程度有効であることが判明したが、多量の酸
化防止剤の添加が必要であり、この場合基紙と樹脂層と
の接着性が極めて不十分になるという問題点が発生し
た。特に、基紙の走行速度が150m/分以上である高速
条件で生産した場合には、基紙と樹脂層との接着性が益
々悪化するという問題点が発生した。
【0012】第三に、画像材料用支持体としての樹脂被
覆紙は表樹脂面の平滑性に優れたものが要求されている
が、一方画像材料としての質感、手触り感、腰などのた
めにユーザーの規格に合致した重量の支持体が要望され
ている。樹脂被覆紙の平滑性を改良する最も効果的な方
法は、表樹脂層の被覆量を増加することであるが、表樹
脂層の被覆量の増加分について基紙の坪量を減少させる
と上記した質感、手触り感、腰などの性能が著しく悪化
するため裏樹脂層の被覆量を減少させる方法を選択する
のが好ましい。しかしながら、この場合該樹脂被覆紙を
支持体とする画像材料は、画像形成層側にカールして取
り扱いが著しく不便になるという問題点が発生した。
【0013】このため、樹脂被覆紙型画像材料用支持体
の裏樹脂層用の樹脂組成物として、低密度ポリエチレン
系樹脂と高密度ポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂
組成物を用い、該樹脂組成物中の高密度ポリエチレン系
樹脂の含有量を多くして裏樹脂層の密度を高める事によ
って、樹脂被覆紙を支持体とする画像材料のカールを平
坦化あるいは裏側に少しカールせしめて画像材料のカー
ル物性を改良することが行われる。しかしながら、この
場合には該樹脂組成物中の高密度ポリエチレン系樹脂の
含有量が多くなればなる程、例えばその含有量が60重
量%以上、特に70重量%以上になると該樹脂組成物を
被覆した樹脂被覆紙型画像材料用支持体あるいは該画像
材料用支持体を有する画像材料の切断性が悪くなるとい
う問題点が発生した。即ち、該画像材料用支持体あるい
は該画像材料用支持体を有する画像材料は、ギロチンカ
ッター、プリシジョン プリント カッター(precisio
nprint cutter)などのカッターで所望のサイズに切断
されるが、その際画像材料用支持体が正確に切断され
ず、画像材料用支持体の切断面からひげ状のものが発生
して商品価値を低下させるという問題点がしばしば発生
した。
【0014】更に、樹脂被覆紙型画像材料用支持体の裏
樹脂層の被覆量を少なくすればする程、基紙と樹脂層と
の接着性が悪化するという問題点も発生した。この基紙
と樹脂層との接着性の問題は、基紙の走行速度が速くな
ればなる程、顕在化した。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、生産中に冷却ロール汚れの発生が少なく、それ故に
ロール汚れの転写に寄因する問題の発生がなく、かつ画
像形成層を設ける側とは反対側の樹脂層中にゲル状の異
物の発生がなく、なおかつカール物性、切断性、裏樹脂
層と基紙との接着性などの性能が良好で、更に高速生産
できて、かつ安定生産できる、紙を基質として表側の基
紙面がポリオレフィン樹脂を主成分とする樹脂組成物で
被覆され、裏側の基紙面がポリエチレン系樹脂を主成分
とする樹脂組成物で被覆された樹脂被覆紙型画像材料用
支持体を提供することである。本発明のその他の目的
は、以下の明細書の記載から明らかとなろう。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】本発明者らが
前述の問題点を解決するために、鋭意検討の結果、紙を
基質として、その一方の画像形成層を設ける側の紙基質
面がポリオレフィン樹脂(A)を主成分とする樹脂組成
物から成る樹脂層で被覆され、その反対側の紙基質面が
ポリエチレン系樹脂(B)を主成分とする樹脂組成物か
ら成る樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、
画像形成層を設ける側とは反対側の樹脂層面の触針式3
次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8
mmでの縦方向(machine direction )の中心面平均粗
さSRaが0. 6〜2. 0μmの範囲であり、かつポリ
エチレン系樹脂(B)が、JIS K 6760で規定
されるメルトフローレートが10〜40g/10分、密度が
0. 960g/cm3 以上である高密度ポリエチレン樹脂9
0〜65重量部とJIS K 6760で規定されるメ
ルトフローレートが0. 2〜2g/10分、密度が0. 93
5g/cm3 以下、分子量50万以上の分率が10重量%以
上、下記で規定される臨界剪断速度が0. 5(1/秒)
以下である低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエ
チレン樹脂を10〜35重量部とを予め溶融・混合して
調製したコンパウンド樹脂であり、かつ該コンパウンド
樹脂の下記で規定される臨界剪断速度が10(1/秒)
以下である樹脂被覆紙型画像材料用支持体によって、本
発明者らの目的が達成されることが判明した。
【0017】本明細書で言う樹脂の臨界剪断速度と
は、:コーン・プレート型回転式粘度計を用い、240
℃にて測定した剪断応力と第一法線応力差が等しくなる
点における剪断速度(単位:1/秒)をいう。
【0018】一方、本明細書で言う触針式3次元表面粗
さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心
面平均粗さSRaとは、数1で規定されるものである。
【0019】
【数1】
【0020】数1において、Wxは試料面域のX軸方向
(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸方
向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは試
料面域の面積を表わす。
【0021】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってS
a=160mm2 の条件で求めることが出来る。なお、
X軸方向のデータ処理としてはサンプリングを500点
行い、Y軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0022】本発明の目的は、樹脂被覆紙型画像材料用
支持体において、裏側の樹脂層面の本明細書で言う中心
面平均粗さSRaを0. 6〜2. 0μmの範囲に加工
し、かつ裏側被覆用樹脂として特定のポリエチレン系コ
ンパウンド樹脂を主成分とする樹脂組成物を用いること
により相乗的に達成される事を見い出した。特に、本発
明により樹脂被覆紙型画像材料用支持体製造時の冷却ロ
ール汚れが相乗的に改良され、本発明における画像材料
用支持体あるいは該支持体を有する画像材料では、冷却
ロール汚れの転写による品質問題が発生しない。また、
本発明の目的は、裏側の樹脂層面の本明細書で言う中心
面平均粗さSRaを0. 8〜1. 6μmの範囲に加工す
る事により、顕著に達成される事を見い出した。更に、
本発明の目的は、ポリエチレン系コンパウンド樹脂中の
低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエチレン樹脂
として、そのメルトフローレートが0. 2g/10分以上1
g/10分未満のものを用いる事により、顕著に達成される
事を見い出し、本願発明に到ったものである。
【0023】本発明における樹脂被覆紙型画像材料用支
持体の裏側の樹脂層面は、本明細書で言う中心面平均粗
さSRaが0. 6〜2. 0μmの範囲に加工される。中
心面平均粗さSRaが0. 6μm未満である場合には、
冷却ロール汚れの発生を防止することが出来ないし、ま
た画像材料用支持体あるいは該支持体を有する画像材料
を製造後ロール状に巻き取った時に表、裏の面が接着、
ブロッキングする傾向となって問題がある。一方、中心
面平均粗さSRaが2. 0μmより大きい場合にも、冷
却ロール汚れの発生を防止することが出来ないし、また
画像材料用支持体あるいは該支持体を有する画像材料を
ロール状に巻き取った時に表面がくもる傾向となって問
題がある。本発明における画像材料用支持体の裏樹脂層
面の中心面平均粗さSRaとしては0. 8〜1. 6μm
の範囲が好ましい。
【0024】本発明における樹脂被覆紙型画像材料用支
持体の裏樹脂層面の中心面平均粗さSRaを0. 6〜
2. 0μmの範囲に加工する方法としては、その範囲の
SRaが得られるような粗面度を有する冷却ロールを用
いればよい。冷却ロールの具体的な製造方法としては、
例えば特開昭60-6944 号公報、特開昭62-150247 号公報
に記載の型押し法、エッチング法、ドライサンドブラス
ト法、液体ホーニング法等で製作することが出来るが、
液体ホーニング法が好ましい。尚、使用に先き立って予
め冷却ロールを用いて樹脂被覆紙を製造し、該樹脂被覆
紙の裏面の中心面平均粗さSRaを測定して確認するこ
とが望ましい。
【0025】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のコ
ンパウンド樹脂中の高密度ポリエチレン樹脂としては、
その密度が0. 960g/cm3 以上のものであり、JIS
K6760で規定されるメルトフローレート(以下、
JIS K 6760で規定されるメルトフローレート
を単にMFRと言う)が10〜40g/10分の範囲のもの
であり、かつコンパウンド樹脂に調製された時の該樹脂
の臨界剪断速度が10(1/秒)以下になるものであれ
ば、各種の密度、MFR、分子量、分子量分布のものを
単独にあるいは混合して使用でき、また、通常の高密度
ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブチレン等
のα−オレフィンとの共重合体及びこれらの混合物等各
種のものを使用できる。
【0026】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のコ
ンパウンド樹脂中の低密度ポリエチレン樹脂または中密
度ポリエチレン樹脂としては、その密度が0. 935g/
cm3以下、MFRが0. 2〜2g/10分の範囲のものであ
り、分子量50万以上の分率が10重量%以上、臨界剪
断速度が0. 5(1/秒)以下のものであり、かつコン
パウンド樹脂に調製された時の該樹脂の臨界剪断速度が
10(1/秒)以下になるものであれば、各種の密度、
MFR、分子量、分子量分布のものを単独にあるいは混
合して使用できる。例えば、高圧法低密度ポリエチレン
樹脂(オートクレーブ法低密度ポリエチレン樹脂、チュ
ーブラ法低密度ポリエチレン樹脂)、直鎖状低密度ポリ
エチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、エチレンとプ
ロピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの共重合体、
カルボキシ変性ポリエチレン樹脂及びこれらの混合物等
各種のものを使用できる。
【0027】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のコ
ンパウンド樹脂中の低密度ポリエチレン樹脂あるいは中
密度ポリエチレン樹脂および高密度ポリエチレン樹脂の
使用比率、密度、MFRおよび臨界剪断速度は、画像材
料用支持体を製造する際の樹脂の混合性、ポリエチレン
系樹脂組成物の成形加工性(以下、単に成形加工性と略
す)、冷却ロール汚れの防止効果、ゲル状の異物の防止
効果や画像材料用支持体の切断性(以下、単に切断性と
略す)、カール物性、基紙と樹脂層との接着性、手触り
感、腰等の画像材料用支持体としての性能などについ
て、試行錯誤の実験の結果、総合的な見知から決定さ
れ、本願発明に到ったものである。特に、高密度ポリエ
チレン樹脂と低密度あるいは中密度ポリエチレン樹脂と
から成るコンパウンド樹脂中の高密度ポリエチレン樹脂
の使用量としては、90〜65重量部であり、好ましく
は85〜70重量部の範囲であり、特に好ましくは80
〜70重量部の範囲である。該樹脂の使用量が65重量
部より少ないと画像材料用支持体のカール物性、腰等が
悪くなって問題であるし、90重量部より多いと樹脂の
混合性、成形加工性、冷却ロール汚れ、切断性、基紙と
樹脂層との接着性等が悪くなって問題である。
【0028】また、本発明の実施に用いられる裏樹脂層
用のコンパウンド樹脂中の高密度ポリエチレン樹脂のM
FRとしては、10〜40g/10分の範囲であり、好まし
くは10〜30g/10分の範囲である。該樹脂のMFRが
10g/10分より低いと切断性、基紙と樹脂層との接着
性、高速加工性等が悪くなって問題であるし、40g/10
分より高いと樹脂の混合性、成形加工性等が悪くなり、
またカール物性が悪い傾向となって問題である。また、
高密度ポリエチレン樹脂の密度としては、0. 960g/
cm3 以上であるが、密度が0. 960g/cm3 より低いと
カール物性、腰等が悪くなって問題であり、好ましくは
0. 962g/cm3 以上である。
【0029】一方、本発明の実施に用いられる裏樹脂層
用のコンパウンド樹脂中の低密度ポリエチレン樹脂また
は中密度ポリエチレン樹脂相互のMFRとしては、0.
2〜2g/10分の範囲であるが0. 2g/10分より低いと樹
脂の混合性、基紙と樹脂層との接着性、高速加工性等が
悪くなって問題であるし、2g/10分より高いと成形加工
性が悪くなり、カール物性も悪い傾向となって問題であ
り、好ましくは0. 2〜1g/10分未満の範囲である。ま
た、低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエチレン
樹脂の密度としては、0. 935g/cm3 以下であり、密
度が0. 935g/cm3 より高いと樹脂組成物の成形加工
性、基紙と樹脂層との接着性等が悪くなって問題であ
り、好ましくは0. 930g/cm3 以下である。また、該
樹脂の分子量50万以上の分率としては、10重量%以
上であり、好ましくは12重量%以上である。該樹脂の
分子量50万以上の分率が10重量%より少ないと成形
加工性、特にネックインが大きくなって問題である。こ
こで、分子量の測定はウォーターズ社製150−C(カ
ラム:東ソー社製GMH−XL HT 8mmφ×30cm
×3本、溶媒:1, 2, 4−トリクロロベンゼン、温
度:135℃、流量:1ml/min)を用いるGPC法によ
り行った。次に、該樹脂の臨界剪断速度としては0. 5
(1/秒)以下であり、好ましくは0. 4(1/秒)以
下である。臨界剪断速度が0. 5(1/秒)より大きい
と成形加工性、ゲル状の異物の発生等で問題である。こ
こで、臨界剪断速度の測定は、コーン・プレート型回転
式粘度計(レオメトリック社製レオメトリックメカニカ
ルスペクトロメーター、コーン・プレート直径:25m
m、角度:0. 1rad 、温度:240℃)を用いて行
い、第1図において、剪断応力と第一放線応力差が等し
くなる点における剪断速度を臨界剪断速度(単位:1/
秒)と規定した。
【0030】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のポ
リエチレン系樹脂は予め溶融・混合して調製したコンパ
ウンド樹脂から成る樹脂組成物として用いられる。低密
度ポリエチレン樹脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と
高密度ポリエチレン樹脂とを予め溶融・混合してコンパ
ウンド樹脂を調製する方法としては、単純溶融混合法、
多段溶融混合法等を用いることができる。例えば、押し
出し機、二軸押し出し機、加熱ロール練り機、バンバリ
ーミキサー、加圧ニーダー等を用いて、所定量の低密度
あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン
樹脂、更に必要に応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添
加剤を加えて溶融・混合した後、その混合物をペレット
化する方法が有利に用いられる。ポリエチレン系樹脂を
コンパウンド樹脂として用いないで溶融押し出し機に単
純混合のままの状態で直接添加して溶融押し出しコーテ
ィングした場合には、基紙と樹脂層との良好な接着性、
樹脂相互の良好な混合性、良好な成形加工性等が得られ
ず、問題である。
【0031】本発明の実施に用いられる上記コンパウン
ド樹脂としては、特に押し出し溶融被覆時に経時的に発
生するゲル状の異物を防止するためには、該樹脂の臨界
剪断速度が10(1/秒)以下のもの、好ましくは8
(1/秒)以下のものが好適である。臨界剪断速度が1
0(1/秒)より大きいとゲル状の異物が発生し問題で
あるし、又冷却ロール汚れが多くなって問題である。本
発明によるゲル状の異物の発生を防止する効果は、溶融
押し出し被覆時の高い樹脂温度下における樹脂の粘弾性
的性質に起因していると考えられ、臨界剪断速度にて樹
脂の性質が粘性的から弾性的になることによって、ゲル
化の機会減少、ゲルの粉砕及び混練向上等により発現さ
れたと考えられる。
【0032】本発明における画像材料用支持体の基紙の
画像形成層を設ける側の面は、ポリオレフィン樹脂
(A)で被覆される。それらのポリオレフィン樹脂
(A)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリペンテン等のホモポリマー、エチレン−ブ
チレン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上から成
る共重合体及びこれらの混合物であるが、溶融押し出し
コーティング性並びに基紙との接着性の点からポリエチ
レン系樹脂が特に好ましい。それらのポリエチレン系樹
脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチ
レン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリ
エチレン樹脂、エチレンとプロピレン、ブチレン等のα
−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエチレ
ン樹脂等及びこれらの混合物等各種のものを使用でき
る。また、各種の密度、MFR、分子量、分子量分布の
ものを使用できるが、通常、密度0. 91〜0. 97g/
cm3 の範囲、MFR1〜30g/10分、分子量2万〜25
万の範囲のものを単独にあるいは混合して有利に使用で
きる。
【0033】本発明における画像材料用支持体の裏樹脂
層の被覆厚さとしては、4〜100μmの範囲が有用で
あるが、6〜50μmの範囲が好ましく、9〜35μm
の範囲が特に好ましい。また、画像形成層を設ける側の
基紙面は、ポリオレフィン樹脂(A)で被覆されるが、
その樹脂は、ポリエチレン系樹脂が好ましく、その被覆
厚さとしては裏側の樹脂と、特にカールバランスを取る
範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜100μ
mの範囲が有用であるが、好ましくは6〜50μmの範
囲である。
【0034】本発明における画像材料用支持体は、走行
する基紙上にポリエチレン系樹脂を主成分とする樹脂組
成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから
フィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出し
コーティング法によって製造される。その際、溶融フィ
ルムの温度は280℃乃至340℃であることが好まし
い。スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィ
ッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリッ
ト開口径は0. 1mm乃至2mmであることが望ましい。ま
た、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙に
コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが
好ましい。また、特公昭61-42254号公報に記載の如く、
基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹
きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。
また、表、裏の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押
し出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出し
コーティング方式で基紙に被覆されるのが好ましく、必
要に応じて表または裏の樹脂層を二層以上の多層構成に
する、多層押し出しコーティング方式で被覆しても良
い。また、画像材料用支持体の表樹脂層面は光沢面、特
公昭62-19732号公報に記載の微粗面、マット面あるいは
絹目面等に加工することが出来る。
【0035】本発明における画像材料用支持体の表、裏
樹脂層中には、各種の添加剤を含有せしめることが出来
る。特公昭60-3430 号公報、特公昭63-11655号公報、特
公平1-38291 号公報、特公平1-38292 号公報、特開平1-
105245号公報等に記載もしくは例示の酸化チタン、酸化
亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリ
ン酸アミド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン
酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチ
ン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム
等の脂肪酸金属塩、特開平1-105245号公報に記載もしく
は例示のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リ
ン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群
青、セリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー
系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイ
オレット、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料
や染料、特開平2-254440号公報に記載もしくは例示の蛍
光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合
わせて含有せしめることが出来る。それらの添加剤は、
樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有
せしめるのが好ましい。特に、本発明の実施に用いられ
る裏樹脂層用の樹脂組成物中にこれらの添加剤を含有せ
しめる方法としては、高密度ポリエチレン樹脂と低密度
ポリエチレン樹脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂に予
め加えるか、あるいはコンパウンド樹脂の調製時に加え
るか、または、該樹脂に高濃度に添加したマスターバッ
チを予め作成し、このマスターバッチを溶融押し出し被
覆時に該樹脂に加えてもよい。
【0036】本発明の実施に用いられる基紙は通常の天
然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプと合成パルプ、合成繊維とからなる混抄
紙でもよい。それらの天然パルプとしては、特開昭58-3
7642号公報、特開昭60-67940号公報、特開昭60-69649号
公報、特開昭61-35442号公報等に記載もしくは例示して
あるような適切に選択された天然パルプを用いるのが有
利である。天然パルプは塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩
素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはア
ルカリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素などに
よる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理
を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混
合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、クラフ
トパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各
種のものを用いることができる。
【0037】本発明の実施に好ましく用いられる天然パ
ルプを主成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に
各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤と
して、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62-7534 号
公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化
物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルま
たはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、
乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるい
は両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、
カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力
増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリ
ン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウ
ム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節
剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等、その他特
開昭63-204251 号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを
適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0038】また、本発明の実施に好ましく用いられる
天然パルプを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、
各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラ
テックス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズ
プレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗
工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは
塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親
水性コロイドとして、特開平1-266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラ
テックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55-4
027 号公報、特開平1-180538号公報に記載もしくは例示
のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少な
くとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくは
ラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アク
リル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及
びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもし
くはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状
シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホ
ン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸
化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエ
ン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着
色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめるのが有利である。
【0039】本発明の実施に好ましく用いられる天然パ
ルプを主成分とする基紙としては、JIS P8119
により規定されるベック平滑度が100秒以上の平滑面
を有するものが好ましく、200秒以上の平滑面を有す
るものが更に好ましい。ベック平滑度100秒以上の基
紙を製造する方法としては、一般的には、短繊維で平滑
性のでやすい広葉樹パルプを多く用い、叩解機により長
繊維分がなるべく少なくなるように叩解する。具体的に
は、パルプの叩解は叩解後のパルプの繊維長を42メッ
シュ残分が20〜45%、濾水度200〜350CSF
になるようにすることが好ましい。ついで、内添薬品を
添加した紙料スラリーについて、特開昭58-37642号公
報、特開昭61-260240 号公報、特開昭61-284762 号公報
等に記載もしくは例示してあるような適切な抄紙方法を
採用して長網抄紙機、丸網抄紙機など通常用いられる抄
紙機により均一な地合が得られるように抄造し、更に抄
造後マシンカレンダー、スーパーカレンダー、熱カレン
ダー等を用いてカレンダー処理を施し、ベック平滑度1
00秒以上の基紙を製造することが出来る。また、本発
明の実施に用いられる基紙の厚みに関しては、特に制限
はないが、その坪量は20〜250g/m2 のものが好ま
しい。
【0040】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059 号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849 号公報、特開昭58-184144 号公報等に記載もし
くは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バ
インダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を
適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0041】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0042】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0043】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱転写記録受像
材料用支持体として用いることができる。それらの熱転
写記録受像層に用いられる合成樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアク
リレート樹脂等のエステル結合を有する樹脂、ポリウレ
タン樹脂等のウレタン結合を有する樹脂、ポリアミド樹
脂等のアミド結合を有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合
を有する樹脂、その他ポリカプロラクタム樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を挙げら
れる。これら樹脂に加えて、これらの混合物もしくは共
重合体等も使用できる。
【0044】本発明に係わる熱転写記録受像層中には、
上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても良い。上
記離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、弗素系、
リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル類等が
挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオイルが最
も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、油状の物
も使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシ
リコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒
硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオイ
ルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコーンオイ
ルの添加量は、受像層中に0. 1〜20wt%が好まし
い。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、受像
層の厚さとしては、0. 5〜20μmが好ましく、2〜
10μmがさらに好ましい。
【0045】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受容層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受容層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906 号公報、特開平3-281383号公報、
特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげることが
でき、これらを単独或は併用して含有せしめることがで
きる。
【0046】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受容層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906 号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251 号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0. 2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等
に記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、
pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0048】実施例1 広葉樹漂白サルファイトパルプと広葉樹漂白クラフトパ
ルプ1:1の混合パルプをカナディアン・スタンダード
・フリーネス320mlに叩解し、更にパルプ100重
量部に対して、カオチン化澱粉3重量部、アニオン化ポ
リアクリルアミド0. 2重量部、アルキルケテンダイマ
ー乳化物(ケテンダイマー分として)0. 4重量部、ポ
リアミノポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0. 4重量
部を添加し、坪量160g/m2 の紙を製造した。得られ
た湿紙を110℃で乾燥し、引き続きカルボキシ変性ポ
リビニルアルコール3重量部、蛍光増白剤0. 05重量
部、青色染料0. 002重量部、塩化ナトリウム4重量
部、クエン酸0. 2重量部及び水93重量部から成る含
浸液を25g/m2 含浸させ、最終的に得られる基紙水分
が絶乾水分で8重量%になるように熱風で乾燥し、更に
線圧90kg/cm でスーパーカレンダー処理して画像材料
用支持体の基紙を製造した。このときの基紙のベック平
滑度は200秒であった。
【0049】次に、画像形成層を塗設する側とは反対側
の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に表
1に記載のポリエチレン樹脂組成物を樹脂温度320℃
で25μmの樹脂厚さに基紙の走行速度150m/分で溶
融押し出しコーティングした。この際、冷却ロールとし
ては、該裏樹脂層面の中心面平均粗さSRaが表1に記
載した粗面度となるものを用いた。尚使用した冷却ロー
ルは液体ホーニング法で粗面化された冷却ロールで、こ
の冷却ロールを用いて冷却水温度12℃で操業した。
【0050】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、該表面に低密度ポリエチレン樹脂(密度0. 92
0g/cm3 、MFR=8. 5g/10分)47. 5重量%、含
水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl2
3 分として0. 75重量%)で表面処理したアナターゼ
型二酸化チタン顔料50重量%とステアリン酸亜鉛2.
5重量%から成る二酸化チタン顔料のマスターバッチ2
0重量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0. 920g/
cm3 、MFR=4. 5g/10分)65重量部と高密度ポリ
エチレン樹脂(密度0. 970g/cm3 、MFR=7. 0
g/10分)15重量部から成る樹脂組成物を樹脂温度32
0℃で32μmの樹脂厚さに基紙の走行速度150m/分
で溶融押し出しコーティングした。なお、表、裏のポリ
エチレン樹脂の溶融押し出しコーティングは、逐次押し
出しコーティングが行われる、いわゆるタンデム方式で
行われた。その際、該樹脂被覆紙の二酸化チタン顔料を
含む樹脂層の表面はグロッシー面に加工した。
【0051】更に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放
電処理後、下記のバックコート塗液をオンマシン塗布し
た。乾燥重量分として、コロイド状シリカ:スチレン系
ラテックス=1:1から成り、更にポリスチレンスルフ
ォン酸ソーダ0. 021g/m 2 の他適量の塗布助剤等を
含むバックコート塗液をラテックス分(固形重量計算
で)として0. 21g/m2 になる塗布量で塗設して画像
材料用支持体を得た。
【0052】以上のようにして画像材料用支持体を製造
する時の裏面樹脂層用のポリエチレン樹脂組成物の成形
加工性、冷却ロール汚れの発生程度、ゲル状の異物の発
生程度及び得られた試料の画像材料用支持体としての性
能の評価方法としては、以下に記載の方法で評価した。
【0053】画像材料用支持体製造時の裏樹脂層用のポ
リエチレン樹脂組成物の成形加工性の評価方法として
は、裏面の樹脂被覆部分の横方向の長さを測定してネッ
クインの程度を評価すると共に、溶融樹脂膜の筋の発生
の程度、ドローダウン性の程度による膜切れの発生の有
無、サージングあるいはドローレゾナシスによる流動の
不安定性等の成形加工性について総合的に評価した。評
価基準としては、○:良好、△:やや悪いが実用上問題
がない程度、×:悪く実用上問題がある程度、を表わ
す。
【0054】裏樹脂層用のポリエチレン樹脂組成物の溶
融押し出し時の冷却ロール汚れの評価方法としては、前
記の製造条件下で画像材料製造時に製造開始から6時間
後に冷却ロール上の汚れの発生状況を視覚的に判定して
評価した。評価基準としては、○:冷却ロール汚れの発
生が少なく良好、△:冷却ロール汚れの発生がやや多い
が、実用上問題がない程度、×:冷却ロール汚れの発生
が多くて、実用上問題がある程度、を表す。
【0055】裏樹脂層用のポリエチレン樹脂組成物の溶
融押し出し時のゲル状の異物の評価方法としては、設定
温度320℃、1時間あたり2. 5Kgとなる条件下で8
時間フィルム状に押し出した後の0. 01m2 のフィル
ム中における0. 1mm以上のゲル状の異物の個数を測定
し初期の値と比較することにより、ゲル状の異物を評価
した。評価基準としては、○:8時間後のゲル状の異物
の個数が初期値と変わらない、△:8時間後のゲル状の
異物の個数がやや増加したが、実用上問題がない程度、
×:8時間後のゲル状の異物の個数が初期値より大きく
増加して、実用上問題がある程度、を表す。
【0056】画像材料用支持体の切断性の評価方法とし
ては、上記のカラー印画紙をプリジジョン プリント
カッターで長さ方向が11. 7cmの大きさになるように
裁断し、切断面の状態を評価した。評価基準としては、
◎:ヒゲの発生がほとんどなく、切断性が極めて良好、
○:ヒゲの発生が少しあるが、切断性が良好、△:ヒゲ
の発生がやや多いが、実用上問題がない程度、×:ヒゲ
の発生が多くて切断性が悪く、実用上問題がある程度、
を表す。
【0057】画像材料用支持体のカール物性の評価方法
としては、以下のようにして行った。まず、画像材料用
支持体の二酸化チタン顔料を含む表側の樹脂面にコロナ
放電処理後黄色発色カプラーを含む青感乳剤層、色混り
防止剤を含む中間層、マゼンタ発色カプラーを含む緑感
乳剤層、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色
カプラーを含む赤感乳剤層及び保護層を設けてゼラチン
の総量が8g/m2 であるカラー印画紙を作成した。各色
感乳剤層は硝酸銀で0. 6g/m2 に相当する塩臭化銀を
含み、更にハロゲン化銀の生成、分散及び成膜に必要な
ゼラチンの他、適量のカブリ防止剤、増感色素、塗布助
剤、硬膜剤、増粘剤及び適量のフィルター染料等を含
む。次に、作成したカラー印画紙を35℃、常湿で5日
間保存した後、カラー発色現像後20℃、40%RHに
おける8. 2cm×11. 7cmの大きさのカラープリント
のカールの状態を評価した。評価基準としては、○:や
やマイナスカール(バックコート層側へのカール)及至
平坦であり、カール物性が良好、△:カールがあるが、
実用上問題がない程度、×:カールが大きく、実用上問
題がある程度、を表わす。
【0058】画像材料用支持体の基紙と裏樹脂層との接
着性の評価方法としては、各試料を50℃、60%RH
の恒温恒湿槽に1日間保存した後、試料の基紙層と裏面
の樹脂層とに剥離し、剥離した樹脂層に付着した基紙層
の面積率を測定することにより、基紙と裏樹脂層との接
着性を評価した。評価基準としては、○:面積率が10
0%で良好、△:面積率が100%未満で80%以上で
あり、接着性がやや悪いが実用上問題がない程度、×:
面積率が80%未満であり、接着性が悪く実用上問題が
ある程度、を表わす。
【0059】得られた結果を表1に表わす。
【0060】
【表1】
【0061】(注1)○は本発明による試料を表わす。
【0062】(注2)HDPE:密度0. 967g/c
m3 、MFR=15g/10分の高密度ポリエチレン樹脂。
【0063】(注3)LDPE:密度0. 924g/c
m3 、MFR=0. 6g/10分、分子量50万以上の分率
=15重量%、臨界剪断速度=0. 06(1/秒)の低
密度ポリエチレン樹脂。
【0064】(注4)ポリエチレン樹脂組成物の調製方
法〜コンパウンド:HDPEとLDPEとを混練用押し
出し機を用いて予め溶融・混合して調製したコンパウン
ド樹脂のペレットとして使用する。単純混合:HDPE
とLDPEとを単純混合のまま溶融押し出し機に添加し
て使用する。
【0065】(注5)本文明細書に規定された方法で測
定した、画像材料用支持体の裏樹脂層面の中心面平均粗
さSRa(μm)を表す。
【0066】表1の結果から、裏側の樹脂層面の中心面
平均粗さSRaが0. 6〜2. 0μmであり、かつ裏樹
脂層中のポリエチレン樹脂が、本発明における高密度ポ
リエチレン樹脂90重量部〜65重量部と低密度ポリエ
チレン樹脂10重量部〜35重量部とを予め溶融・混合
して調製したコンパウンド樹脂である、本発明における
画像材料用支持体(試料No. 2、No. 3、No. 5〜No.
9及びNo. 12)は、ポリエチレン樹脂組成物の成形加
工性が良好であり、冷却ロール汚れの発生が無く、かつ
ゲル状の異物の発生が無く、更に基紙と樹脂層との接着
性、カール物性及び切断性が良好である優れた画像材料
用支持体であることがよくわかる。特に、画像材料用支
持体の総合性能から、HDPEの含有量としては、85
重量部〜70重量部の範囲が好ましく、又冷却ロール汚
れの改良効果の点から、画像材料用支持体の裏樹脂層面
の中心面平均粗さSRaとしては、0. 8〜1. 6μm
の範囲が好ましいことがよくわかる。
【0067】一方、発明外の試料はそれぞれ問題点を有
していることがわかる。高密度ポリエチレン樹脂の含有
量が90重量部より多い場合(試料No. 1)には、ポリ
エチレン樹脂組成物の成形加工性が悪く、また冷却ロー
ル汚れの発生が多く、更にゲル状の異物の発生が多く、
なお更に基紙と樹脂との接着性及び切断性が悪くて問題
であるし、高密度ポリエチレン樹脂の含有量が65重量
部より少ない場合(試料No. 13)には、カール物性が
悪くて問題である。また、ポリエチレン樹脂組成物の調
製方法として、単純混合した場合(試料No. 11)に
は、ポリエチレン樹脂組成物の成形加工性及び切断性が
悪く、また初期からゲル状の異物の発生が多くて問題で
ある。更に、裏側の樹脂層面の中心面平均粗さSRaが
0. 6μmより小さい場合(試料No. 4)には、冷却ロ
ール汚れが多くて問題であるし、一方裏側の樹脂層面の
中心面平均粗さSRaが2. 0μmより大きい場合(試
料No. 10)には、やはり冷却ロール汚れが多くて問題
であるし、この場合には、画像材料用支持体を巻き取っ
た後に表側の鏡面が随所でくもりが生じるという問題も
発生した。
【0068】実施例2 実施例1の試料No. 7で用いた裏面被覆用のポリエチレ
ン樹脂組成物の代わりに、表2に記載のポリエチレン樹
脂を表3に記載の配合で実施例1の試料No. 7と同様に
して調製したコンパウンド樹脂組成物として用いる以外
は実施例1の試料No. 7と同様に実施した。
【0069】
【表2】
【0070】得られた結果を表3に示す。なお、表中の
(注1)は、表1中のそれと同意義である。
【0071】
【表3】
【0072】表3の結果から、裏樹脂層中のポリエチレ
ン樹脂が、MFRが10g/10分〜40g/10分、密度が
0. 960g/cm3 以上である高密度ポリエチレン樹脂9
0重量部〜65重量部とMFRが0. 2g/10分〜2g/10
分、密度が0. 935g/cm3 以下、分子量50万以上の
分率が10重量%以上、臨界剪断速度が0. 5(1/
秒)以下である低密度ポリエチレン樹脂10重量部〜3
5重量部とを予め溶融・混合して調製したコンパウンド
樹脂組成物であり、かつ該組成物の臨界剪断速度が10
(1/秒)以下のものである、本発明における画像材料
用支持体(試料No.14〜No. 24)は、ポリエチレン
樹脂組成物の成形加工性が良好であり、冷却ロール汚れ
の発生が無く、かつゲル状の異物の発生が無く、更に基
紙と樹脂層との接着性、カール物性及び切断性が良好で
ある優れた画像材料用支持体であることがよくわかる。
【0073】特に、本発明の実施に用いられる低密度ポ
リエチレン樹脂としては、ゲル状の異物の発生を防止す
る観点から、そのMFRが1g/10分未満のものが好まし
い(試料No. 15並びにNo. 21と試料No. 22との比
較)ことがよくわかる。また、本発明の実施に用いられ
る高密度ポリエチレン樹脂としては、カール物性の観点
から、その密度が0. 962g/cm3 以上のものが好まし
く(試料No. 15並びにNo. 19と試料No. 20との比
較)、また、成形加工性、ゲル状異物の防止効果及び基
紙と樹脂層との接着性の観点から、そのMFRが10g/
10分〜30g/10分の範囲のものが好ましい(試料No. 1
5、No. 19並びにNo. 23とNo. 24との比較)こと
がよくわかる。更に、本発明の実施に用いられるコンパ
ウンド樹脂組成物としては、その臨界剪断速度が8(1
/秒)よりも低いものが好ましい(試料No. 14〜No.
21並びにNo. 23と試料No. 22並びにNo. 24との
比較)ことがよくわかる。
【0074】一方、本発明外の試料はそれぞれ問題点を
有していることがわかる。低密度ポリエチレン樹脂のM
FRが2g/10分より大きい場合(試料No. 27)には、
成形加工性及びゲル状の異物の発生程度が悪くて問題で
あるし、また、低密度ポリエチレン樹脂の分子量50万
以上の分率が10重量%より低い場合(試料No. 27〜
No. 29)には、成形加工性が悪くて問題であるし、ゲ
ル状の異物の発生が多くなる傾向がある。また、高密度
ポリエチレン樹脂のMFRが40g/10分より大きい場合
(試料No. 31)には、成形加工性、ゲル状の異物の発
生程度及び基紙と樹脂層との接着性が悪くて問題であ
る。また、コンパウンド樹脂組成物の臨界剪断速度が1
0(1/秒)より大きい場合(試料No. 25〜No. 28
及びNo. 31)には、ゲル状の異物の発生が多くて問題
であるし、又冷却ロール汚れの発生が多くなる傾向があ
る。
【0075】
【発明の効果】本発明により、生産中に冷却ロール汚れ
の発生が少なく、それ故に冷却ロール汚れの転写による
問題の発生がなく、かつ画像形成層を設ける側とは反対
側の樹脂層中にゲル状の異物の発生がなく、なおかつ該
樹脂層と基紙との接着性が良好であり、そしてカール物
性及び切断性の良好な、更に高速生産できて、かつ安定
生産できる、優れた樹脂被覆紙型画像材料用支持体を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】剪断応力及び第一法線応力差と剪断速度との関
係を表わす図表であり、縦軸は剪断応力及び第一法線応
力差を示し、横軸は剪断速度を示す。
【符合の説明】
a 剪断応力 b 第一法線応力差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池谷 暢重 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内 (72)発明者 世利 卓也 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内 (72)発明者 新田 晃平 岡山県倉敷市潮通3丁目10番地 三菱化成 株式会社水島工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を基質として、その一方の画像形成層
    を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂(A)を主
    成分とする樹脂組成物から成る樹脂層で被覆され、その
    反対側の紙基質面がポリエチレン系樹脂(B)を主成分
    とする樹脂組成物から成る樹脂層で被覆された画像材料
    用支持体において、画像形成層を設ける側とは反対側の
    樹脂層面の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される
    カットオフ値0.8mmでの縦方向(machine directio
    n )の中心面平均粗さSRaが0. 6〜2. 0μmの範
    囲であり、かつポリエチレン系樹脂(B)が、JISK
    6760で規定されるメルトフローレートが10〜4
    0g/10分、密度が0.960g/cm3 以上である高密度ポ
    リエチレン樹脂90〜65重量部とJIS K6760
    で規定されるメルトフローレートが0. 2〜2g/10分、
    密度が0. 935g/cm3 以下、分子量50万以上の分率
    が10重量%以上、下記で規定される臨界剪断速度が
    0. 5(1/秒)以下である低密度ポリエチレン樹脂ま
    たは中密度ポリエチレン樹脂を10〜35重量部とを予
    め溶融・混合して調製したコンパウンド樹脂であり、か
    つ該コンパウンド樹脂の下記で規定される臨界剪断速度
    が10(1/秒)以下であることを特徴とする画像材料
    用支持体。樹脂の臨界剪断速度(単位:1/秒):コー
    ン・プレート型回転式粘度計を用い、240℃にて測定
    した剪断応力と第一法線応力差が等しくなる点における
    剪断速度をいう。
  2. 【請求項2】 該低密度ポリエチレン樹脂または該中密
    度ポリエチレン樹脂のJIS K 6760で規定され
    るメルトフローレートが0. 2g/10分以上1g/10分未満
    である請求項1記載の画像材料用支持体。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂(A)を主成分とす
    る樹脂組成物から成る樹脂層中に二酸化チタン顔料を含
    むものである請求項1または2記載の画像材料用支持
    体。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂(A)がポリエチレ
    ン系樹脂である請求項1、2または3記載の画像材料用
    支持体。
  5. 【請求項5】 画像形成層がハロゲン化銀写真構成層で
    ある請求項1、2、3または4記載の画像材料用支持
    体。
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