JPH101899A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

Info

Publication number
JPH101899A
JPH101899A JP8152304A JP15230496A JPH101899A JP H101899 A JPH101899 A JP H101899A JP 8152304 A JP8152304 A JP 8152304A JP 15230496 A JP15230496 A JP 15230496A JP H101899 A JPH101899 A JP H101899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
pulp
support
image material
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8152304A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Tsubaki
正行 椿
Toru Noda
徹 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP8152304A priority Critical patent/JPH101899A/ja
Publication of JPH101899A publication Critical patent/JPH101899A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断性が良好であり、かつ切断寸法が正確で
あり、なおかつ腰が強い、更にはカール物性が良好であ
る画像材料及びそのプリントを提供出来る樹脂被覆紙型
画像材料用支持体を提供することが課題である。 【解決手段】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
て、紙基質の両側がフィルム形成能ある樹脂を含む樹脂
層で被覆された画像材料用支持体であって、紙基質は、
紙用薬品添加前の叩解後の天然パルプについて測定され
た、〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値
及びパルプの繊維長が特定範囲にある天然パルプを主成
分として構成されたものであり、かつ画像材料の切断性
指数が特定値以上であることにより、課題が解決され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、その一方の画像形成層を設け
る側の紙基質(以下、基紙と言うことがある)がフィル
ム形成能ある樹脂(a)を含む樹脂層(A)で被覆さ
れ、その反対側の紙基質がフィルム形成能ある樹脂
(b)を含む樹脂層(B)で被覆された樹脂被覆紙型の
画像材料用支持体に関するものであり、詳しくは切断性
が極めて良好であり、かつ切断寸法が正確であり、なお
かつ腰が強い、更にはカール物性が良好である画像材料
及びそのプリントを提供出来る樹脂被覆紙型の画像材料
用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料等は、画像材料用支持体上にそ
れぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行
型熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の
画像形成層及び必要に応じて下引層、保護層、バック層
等の補助機能層が塗設されたものである。特に、ハロゲ
ン化銀写真構成層としては、ハロゲン化銀写真乳剤層、
保護層、下引層、中間層あるいは色混り防止層、ハレー
ション防止層、もしくはフィルター層、紫外線吸収層、
バック層等およびそれらの組み合わせから構成されたも
のである。例えば、単一なハロゲン化銀写真材料は、写
真材料用支持体上にハロゲン化銀写真乳剤層とその保護
層を設けたものである。また、多層ハロゲン化銀カラー
写真材料は、写真材料用支持体上に下引層、青感ハロゲ
ン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハロゲン化銀写真乳剤
層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化銀写真乳剤層と保護
層等のハロゲン化銀カラー写真構成層が順に設けられて
多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
フィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支
持体はよく知られている。ハロゲン化銀写真材料用途の
ための樹脂被覆紙型の写真材料用支持体としては、例え
ば、特公昭55-12584号公報には、基紙がフィルム形成能
ある樹脂、好ましくはポリオレフィン樹脂で被覆された
写真材料用支持体についての技術が開示されている。米
国特許第 3,501,298号公報には基紙の両面がポリオレフ
ィン樹脂で被覆された写真材料用支持体についての技術
が開示されている。また、ハロゲン化銀写真材料の迅速
写真現像処理方式が適用されて以来、基紙の両面がポリ
エチレン系樹脂で被覆された写真材料用支持体が、写真
印画紙用として主に実用化されており、必要に応じてそ
の一方の画像形成層を設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を
付与するために、通常二酸化チタン顔料を含有してい
る。
【0004】また、米国特許第 4,774,224号公報には、
樹脂被覆の表面粗さが7.5マイクロインチ−AA以下
である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン樹脂
で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として有す
る熱転写記録受像要素が提案されている。また、特開昭
63−307979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として有す
るインクジェット記録用シートに関する技術が開示され
ている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】第一に、天然パルプを主成分とする基紙の
画像形成層を設ける側(以下、画像形成層を設ける側を
表側、表側に被覆される樹脂層を表樹脂層、その反対側
を裏側、裏側に被覆される樹脂層を裏樹脂層と略すこと
がある)を少なくともフィルム形成能ある樹脂を含む樹
脂層で被覆し、基紙の裏側をフィルム形成能ある樹脂を
含む樹脂層で被覆した樹脂被覆紙を支持体とする画像材
料及びその画像形成処理後のプリント、特にハロゲン化
銀写真材料及び現像処理後のプリント、多くはロール状
のプリントは、ギロチンカッター、プリシジョン プリ
ント カッター(precision print cutter)などのカッ
ターで所望のサイズに切断されるが、その際、画像材料
やプリントが正確に切断されず、切断面からひげ状のも
のが発生して商品価値を低下させるという問題や所望の
サイズに切断されないという問題がしばしば発生した。
また、著しい場合には、画像材料やそのプリント、特に
ハロゲン化銀写真材料やそのプリント(ハロゲン化銀写
真材料のプリントのことを、以下単に写真プリントと言
うことがある)が、ほとんど切断されず折れ曲がってし
まうという問題が発生した。このような現象は、ロール
状の写真プリントをプリシジョン プリント カッターで
高速で裁断する時、特に刃と刃の間隔(以下、単に刃幅
と略すことがある)が広く設定されている時に観察され
た。
【0007】そのため、本発明者らは画像材料及びその
プリントの切断性の要因について種々検討した結果、切
断性に及ぼす要因としては、支持体である樹脂被覆紙、
画像形成層、カッターの種類やその切断条件等の各種要
因があるが、画像材料及びそのプリントの切断性は、支
持体たる樹脂被覆紙の要因によっても大きく影響される
ことが判明した。そこで、さらに本発明者らは、切断性
に及ぼす樹脂被覆紙の要因について種々検討した結果、
画像材料及びそのプリントの切断性は、樹脂層の要因に
依存すると共に天然パルプを主成分とする基紙の種類や
性質等の要因、例えば天然パルプの種類、繊維長、紙料
スラリーに含有せしめられる紙用添加剤等の紙料スラリ
ー条件、抄紙速度、緊度プレス、マシンカレンダー条件
等の抄紙条件、サイズプレス、タブサイズプレス等の後
処理条件、ひいては基紙の剛度、密度等の様々な要因に
依存している事が判明した。また、樹脂被覆紙の裏樹脂
層の厚味が厚くなればなる程、特に20μm以上の場合
には、該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプ
リントの切断性が、顕著に低下する事が判明した。
【0008】第二に、樹脂被覆紙型支持体上に画像形成
層及び補助機能層を塗設した画像材料及びそのプリント
の腰としては、画像材料からプリントを作成する際の処
理機器による処理性及び仕上がったプリントの鑑賞性等
の点から、画像材料及びそのプリントは腰の強いことが
好ましい。しかし、従来の樹脂被覆紙を支持体とする画
像材料及びそのプリントは、腰が弱くなる傾向があり、
画像材料の処理性、プリントの鑑賞性に問題が発生する
ことがあった。この画像材料及びそのプリントの腰が弱
くなる傾向は、支持体たる樹脂被覆紙の要因によって大
きく影響され、樹脂被覆紙の切断性を改良する方向にア
クションを取れば取る程樹脂被覆紙の腰が弱くなる傾向
があり、ひいては画像材料及びそのプリントの腰が一層
弱くなるという問題があった。
【0009】また、画像材料及びそのプリントは、画像
材料の処理性、プリントの鑑賞性、アルバム等への貼付
性等の点から、ややマイナスカール(画像形成層とは反
対側の裏側へのカール)乃至平坦であることが好まし
い。しかし、従来の樹脂被覆紙を支持体とする画像材料
及びそのプリントは、プラスカール(画像形成層側への
カール)が大きくなる傾向があり、画像材料の処理性、
プリントの鑑賞性、貼付性に問題が発生することがあっ
た。この画像材料及びプリントのプラスカールの傾向を
改良するために、支持体として用いる樹脂被覆紙の裏樹
脂層中に高密度ポリエチレン系樹脂を多く含有せしめた
り、裏樹脂層の厚さを厚くしたりすることがしばしば行
われる。しかしながら、裏樹脂層中に高密度ポリエチレ
ン系樹脂を多く含有せしめたり、裏樹脂層の厚い樹脂被
覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリントは、その
切断性が、益々悪化するという問題も発生した。
【0010】このため、樹脂被覆紙型の支持体の切断性
を改良するために、これまで種々の提案が行われてい
る。特開昭55-98748号公報には、ポリエチレン樹脂被覆
紙型の写真用支持体において、(強度剤/サイズ剤)の
比が1.8以上(絶乾重量基準)である基紙、好ましく
はJIS P 8207で規定される呼び寸法が特定値で
ある長い繊維を含まないパルプから構成される基紙を用
いて該写真用支持体の切断性を改良する技術が記載され
ている。しかし、該技術を用いても該支持体を有する画
像材料の切断性の改良は極めて不十分であったし、画像
材料の腰は不十分であった。特に、この技術において、
画像材料のカール性を改良しようとして、裏樹脂層中の
高密度ポリエチレン系樹脂を65重量%より多く含有せ
しめると画像材料の切断性は一層不十分なものになると
いう問題があった。
【0011】更に、樹脂被覆紙型の写真用支持体の切断
性を改良する目的で、いくつかの基紙の技術が提案され
ている。特開昭63−173045号公報に記載の低粘度パルプ
を配合した基紙の使用、特開昭63−256788号公報に記載
の特定のリファイナーディスクで叩解したパルプスラリ
ーを用いた基紙の使用、特開昭63−306442号公報に記載
の特定の引張り強さを有するパルプから構成される基紙
の使用、特開平3-149542号公報に記載の平均重合度が8
00以上であるパルプから構成され、かつ内部結合力が
1.0〜2.0(kgf・cm)である基紙の使用等の技術が
提案されているが、これらの技術を用いても樹脂被覆紙
を支持体とする画像材料の切断性の改良にはかなり不十
分であったし、切断性の改良と腰の改良を両立すること
が出来なかった。
【0012】一方、樹脂被覆紙型の写真用支持体のカー
ル性または切断性を改良する目的で、いくつかの裏樹脂
層に係わる技術が知られている。特公昭48−9963号公報
には、低密度ポリエチレン樹脂:高密度ポリエチレン樹
脂=1:1から成る樹脂組成物で基紙を被覆した、カー
ル物性の良好な写真用支持体についての開示がある。更
に、特開昭58-95732号公報には、密度が0.945g/c
m3以上であり、メルトインデックスが15g/10分〜40
g/10分である高密度ポリエチレン樹脂40重量部〜75
重量部と密度が0.930g/cm3以下であり、メルトイ
ンデックスが1g/10分〜40g/10分である低密度ポリエ
チレン樹脂60重量部〜25重量部とから成るポリエチ
レン樹脂組成物で基紙を被覆した、切断性及びカール物
性の良好な写真用支持体についての開示がある。更に、
特開平6-230517号公報、特開平6-266046号公報、特開平
7−36147号公報には、臨界剪断速度が特定値以下のもの
である高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹
脂とから成る樹脂組成物で基紙を被覆した、切断性及び
カール物性が良好であり、かつゲルの発生が無い画像材
料用支持体についての開示がある。
【0013】しかしながら、これらの先行技術に開示さ
れた低密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂
から成る樹脂組成物で基紙を被覆した樹脂被覆紙を支持
体とする画像材料の切断性は、ある程度改良されるもの
の、プリジジョン プリントカッターの刃が磨耗してき
たり、刃幅が広目に設定されていると(例えば、刃幅が
70μm以上、ことに80μm以上、特に90μm以上
に設定されていると)切断性が未だ不十分であった。ま
た、紙を基質とする樹脂被覆紙を支持体とする画像材料
の切断性は、基紙と樹脂層、更には画像形成層の要因が
相互に絡み合って決まると考えられるが、未だそれらの
要因は明らかではないのが現状であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、その一
方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィルム形成能あ
る樹脂(a)を含む樹脂層(A)で被覆され、その反対
側の紙基質がフィルム形成能ある樹脂(b)を含む樹脂
層(B)で被覆された樹脂被覆紙型の画像材料用支持体
であって、切断性が極めて良好であり、かつ切断寸法が
正確であり、なおかつ腰が強い、更にはカール物性が良
好である画像材料及びそのプリントを提供出来る樹脂被
覆紙型の画像材料用支持体を提供することである。本発
明のその他の目的は、以下の明細書の記載から明らかと
なろう。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らが前述の問題
点を解決するために鋭意検討した結果、天然パルプを主
成分とする紙を基質として、その一方の画像形成層を設
ける側の紙基質がフィルム形成能ある樹脂(a)を含む
樹脂層(A)で被覆され、その反対側の紙基質がフィル
ム形成能ある樹脂を含む樹脂層(B)で被覆された画像
材料用支持体であって、紙基質は、紙用薬品を添加する
前の叩解後の天然パルプについて測定された、下記で規
定される、〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水
度)〕の値が、1.4×10-3(mm/ml)〜2.0×1
-3(mm/ml)の範囲にあり、かつパルプの繊維長が
0.47mm〜0.57mmの範囲にある天然パルプを主成
分として構成されたものであり、かつ該画像材料支持体
の下記数式1で示される切断性指数(C値)が、2.0
以上であることを特徴とする画像材料用支持体によっ
て、本発明の目的が達成されることが判明した。
【0016】ここで、パルプの繊維長及びパルプの濾水
度は、下記で規定される。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについてJAPAN
TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及びパ
ルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平均
繊維長(mm)で表示したもの。 パルプの濾水度:叩解後のパルプについて、TAPPI
スタンダード パルプ試験法NO.T227m−58
「パルプのフリーネス(濾水度)」に準拠して測定した
濾水度(ml)。
【0017】
【数2】
【0018】ここで内部結合強度及び穿孔力は、下記で
規定される画像材料用支持体の内部結合強度(gf・cm/c
m2)及び穿孔力(gf)である。 内部結合強度:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方
法No.54-93に準じて紙基質の抄紙方向で求めた画
像材料用支持体の内部結合強さ。同試験方法で求まる強
さは2.54cm×2.54cmの面積当たりの強さ(kgf・
cm)であるので、単位面積(cm2)当たりに換算した
値。具体的には同試験方法で求まる内部結合強さ(kgf・
cm)に155を乗じることによりgf・cm/cm2の単位に換
算される。 穿孔力:先端の直径が1mm、曲率が0.5mmである針を
用いて、内径11mmのリング状の試料台に貼り合わせた
試料を30cm/minの一定速度で試料に垂直に突き刺
し、試料が突き破れた時の荷重を求める。その値を比例
換算で220μm当たりにした値を穿孔力(単位:gf)
とする。具体的には株式会社レオテック社製FUDOH
レオメーターの荷重検出機能を有する測定機に上記針を
取りつけ、30cm/minの一定速度で上記試料を垂直に
突き刺し、そのときの荷重変動を連続記録して最大荷重
を求める。その値を比例換算で220μm当たりにした
値を穿孔力(単位:gf)とする。
【0019】本発明の目的は、切断性指数(C値)を好
ましくは2.1以上、特に好ましくは2.2以上にする
ことによって、顕著に達成される事を見い出した。ま
た、本発明の目的は、画像材料用支持体の内部結合強度
を280(gf・cm/cm2)以上にすること、あるいは/
及び画像材料用支持体の穿孔力を900(gf)以下にす
ることによって、顕著に達成される事を見い出した。更
に、フィルム形成能ある樹脂(b)を含む樹脂層(B)
側にバック層を塗設し、かつ該バック層面の動摩擦係数
を0.32以上にすることによって、本発明の目的、特
に切断寸法の正確性が、顕著に達成される事を見い出
し、本発明に到ったものである。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明における樹脂被覆紙型の画
像材料用支持体は、切断性指数(C値)が2.0以上に
なるものである。画像材料用支持体の切断性指数(C
値)は、数式1から理解される如く、内部結合強度の平
方根値を穿孔力で割り、100倍して求められる。従っ
て、切断性指数(C値)を2.0以上にするには、内部
結合強度を大きくし、穿孔力を小さくすればよい。具体
的には、本発明における画像材料用支持体としては、内
部結合強度を280(gf・cm/cm2)以上、あるいは/及
び穿孔力を900(gf)以下にしたものが好ましい。
【0021】本発明の実施に用いられる基紙は、紙用薬
品を添加する前の叩解後の天然パルプについて測定され
た、〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値
が、1.4×10-3(mm/ml)〜2.0×10-3(mm/
ml)の範囲にあり、かつパルプの繊維長が0.47mm〜
0.57mmの範囲にある天然パルプを主成分として構成
されたものである。〔(パルプの繊維長)/(パルプの
濾水度)〕の値が、1.4×10-3(mm/ml)より低い
と、画像材料用支持体の穿孔力が低くなる方向ではある
が内部結合強度も低くなって、結果的に切断性指数(C
値)が低くなり、画像材料の切断性が悪くなるし、また
画像材料の腰が弱くなるという問題がある。一方、
〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕値が、
2.0×10-3(mm/ml)より高いと、画像材料用支持
体の穿孔力が大幅に高くなって、切断性指数(C値)が
大幅に低下し、画像材料の切断性が悪くなって問題であ
る。〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値
としては、画像材料の切断性及び腰の観点から、1.5
×10-3(mm/ml)〜1.8×10-3(mm/ml)の範囲
にあるのが好ましい。また、パルプの繊維長が0.47
mmより短いと、画像材料用支持体の内部結合強度が大幅
に低くなって切断性指数(C値)が大幅に低下し、画像
材料の切断性が悪くなり、また画像材料の腰が弱くなっ
て問題である。一方、パルプの繊維長が0.57mmより
長いと、画像材料用支持体の穿孔力が大幅に高くなっ
て、切断性指数(C値)が大幅に低下し、画像材料の切
断性が悪くなって問題である。パルプの繊維長として
は、0.49mm〜0.55mmの範囲が好ましい。
【0022】紙用薬品を添加する前の叩解後の天然パル
プについて測定された、〔(パルプの繊維長)/(パル
プの濾水度)〕の値が、1.4×10-3(mm/ml)〜
2.0×10-3(mm/ml)の範囲にあり、かつパルプの
繊維長が0.47mm〜0.57mmの範囲にある天然パル
プは、パルプの叩解条件として、カッティング叩解と粘
状叩解とのバランスを最適化するこにより、好ましく調
整することが出来る。具体的には、カッティング叩解と
粘状叩解の比率、叩解時間、パルプ濃度、叩解動力等の
叩解条件について、一連の組み合わせの実験条件下で叩
解し、採取したパルプスラリーについてパルプの繊維長
とパルプの濾水度を測定することにより最適化すること
が出来る。
【0023】画像材料用支持体の内部結合強度を強くす
る、好ましくは280(gf・cm/cm2)以上、特に好まし
くは350(gf・cm/cm2)以上にするには、具体的には
紙料スラリー中にカチオン化澱粉、アニオン化、カチ
オン化あるいは両性ポリアクリルアミド、植物性ガラク
トマンナンガム、ポリ水酸化アルミニウム等の紙力増強
剤をパルプ(絶乾重量)当たり固形分量で1.0重量%
以上、好ましくは1.5重量%以上、特に好ましくは
2.0重量%以上添加する、塩化アルミニウム、硫酸
バン土等の定着剤を紙力増強剤と併用し、かつ紙料スラ
リーのpHを6.0〜9.0に調節する。パルプの叩
解としては、粘状叩解したものが好ましく、濾水度35
0ml以下、好ましくは320ml以下に叩解したものを用
いる、基紙の密度(基紙中の灰分を除いて計算して)
を0.95 g/cm3以上、好ましくは1.0g/cm3以上、
特に好ましくは1.05g/cm3以上にする、等の方法を
好ましくは2つ以上用いる。
【0024】一方、画像材料用支持体の穿孔力を弱くす
る、好ましくは900(gf)以下、特に好ましくは80
0(gf)以下にするには、具体的にはパルプの叩解と
しては、カッティング叩解しフィブリル化しないように
する(従って粘状叩解とのバランスを取る必要があ
る)、パルプとしては、広葉樹漂白パルプ、好ましく
は広葉樹サルファイトパルプを15重量%以上、好まし
くは30重量%以上併用して用いる、湿紙の乾燥途中
で緊度プレスを用いて基紙の密度(基紙中の灰分を除い
て計算して)を1.0g/cm3以上、好ましくは1.05
g/cm3以上にする、画像材料用支持体の表・裏の樹脂
層厚さの合計を65μm以下、好ましくは60μm以
下、特に好ましくは55μm以下にする、等の方法を好
ましくは2つ以上用いる。
【0025】本発明の実施に用いられる基紙を構成する
パルプとしては、前記したような適切に選択された天然
パルプを用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次
亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにア
ルカリ抽出もしくはアルカリ処理及び必要に応じて過酸
化水素、酸素等による酸化漂白処理等、及びそれらの組
み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針
葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、また、
クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプ等
の他再生パルプ(故紙パルプ)等の各種のものを用いる
ことができる。
【0026】本発明の実施に好ましく用いられるカチオ
ン化澱粉としては、トウモロコシ、馬鈴薯、タピオカな
どの生澱粉に、エチレンアミン、ポリアルキレンポリア
ミン、2−ジメチルアミノエチルクロライドのようなハ
ロゲン化アミンなどを反応させて第3級アミノ基あるい
は第4級アンモニウム基を含有させた澱粉あるいはカチ
オン基の他にアニオン基を含有させた両性澱粉のことで
あり、カチオン化澱粉中の塩基性窒素の含有率が0.1
5重量%〜0.50重量%のものが好ましく、それらの
具体例としては、王子ナショナル株式会社製Cato
Fなどをあげることができる。
【0027】本発明の実施に好ましく用いられるアニオ
ン性ポリアクリルアミドとしては、アクリルアミド単独
重合体またはアクリルアミドと共重合可能なビニルモノ
マーとアクリルアミドとの共重合体の部分加水分解物、
あるいはマレイン酸、アクリル酸またはそれらの塩とア
クリルアミドとの共重合体等であり、それらの具体例と
しては、ハマノ化学工業株式会社製ポリアクロンST−
15、ポリアクロンCA−4、荒川化学工業株式会社製
ポリストロン117、星光化学株式会社製スターガムA
−15等をあげることができる。
【0028】本発明の実施に好ましく用いられるカチオ
ン性ポリアクリルアミドとしては、ポリアクリルアミド
のマンニッヒ変性化物、ポリアクリルアミドのホフマン
分解物、アクリルアミドとカチオン性単量体、例えば
N,N−ジアルキルアミノアルキルメタアクリレート、
N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドなど
との共重合体等であり、それらの具体例としては、星光
化学株式会社製スターガムK−15を挙げることができ
る。
【0029】本発明の実施に好ましく用いられる両性ポ
リアクリルアミドとしては、アクリルアミドあるいはメ
タアクリルアミドを主要な単量体成分とし、かつカチオ
ン基とアニオン基を有する水溶性重合体であり、アクリ
ルアミドあるいはメタアクリルアミド、水溶性カチオン
モノマー、α,β−不飽和カルボン酸およびジカルボン
酸などの混合物を共重合させることによって得られ、そ
れらの具体例としては、特開平4-267250号公報、特開昭
58−190948号公報、特開昭59-31949号公報等に記載のも
のをあげることができる。
【0030】本発明の実施に好ましく用いられる植物性
ガラクトマンナンガムとしては、グアーの胚乳を精製し
化学変性したグアガムがあり、その具体例としては、メ
イホールケミカル株式会社製のメイプロイドガム770
0をあげることができる。また、本発明の実施に好まし
く用いられるポリ水酸化アルミニウムとしては、{Al
(OH)3n・AlCl3 の構造を持ちn=20±1であ
るものが好ましく、その具体例としては、浅田化学株式
会社製Pahoをあげることができる。
【0031】基紙中には、前記したアニオン性、カチオ
ン性あるいは両性のポリアクリルアミド、カチオン化澱
粉、植物性ガラクトマンナンガム、ポリ水酸化アルミニ
ウム等の紙力増強剤、塩化アルミニウム、硫酸バン土等
の定着剤の他に、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を
含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金
属塩あるいは/及び脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記
載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるい
は/及びエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまた
はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、特
開昭63−214748号公報に記載のポリビニルアルコール、
湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭
酸カルシウム、酸化チタン等、pH調節剤として、苛性
ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を、その他特開昭63−2042
51号公報、特開平1-266537号公報等に記載もしくは例示
の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤等を適宜組み合せて
含有せしめるのが有利である。
【0032】また、基紙中には、各種の水溶性ポリマー
もしくは親水性コロイドまたはラテックス、帯電防止
剤、添加剤から成る組成物をサイズプレスもしくはタブ
サイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工
等の塗工によって含有せしめることができる。水溶性ポ
リマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1-266537
号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニ
ルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリア
クリルアミド系ポリマー、セルローズ系ポリマー等、エ
マルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョ
ン、特開昭55−4027号公報、特開平1-180538号公報に記
載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタク
リル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマ
ルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体およびそれらのカルボキシ変性共重合
体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤と
して、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金
属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポ
リスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤等、顔料と
して、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫
酸バリウム、酸化チタン等、pH調節剤として、塩酸、
リン酸、クエン酸、苛性ソーダ等、そのほか前記した着
色顔料、着色染料、蛍光増白剤等の添加剤を適宜組み合
わせて含有せしめるのが有利である。
【0033】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が250mV以下のものが好ましく、200mV以下のもの
が更に好ましく、150mV以下のものが最も好ましい。
ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、2つの球状の触針
の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイクロ
メーターを介し電気信号として測定するフィルム厚み測
定器を用い、電子マイクロメーターの感度レンジが±1
5μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向
に1.5m/分の定速で走査することで試料の抄紙方向の
厚み変動を測定し、得られた測定信号値を、FFTアナ
ライザーを用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用
して高速フーリエ変換して、128回の積算の加算平均
によるパワースペクトル(単位:mV2)を求め、2Hz〜
25Hzの周波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた
値を1/2乗することにより求められる値(単位:mV)
である。
【0034】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造する方法と
しては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉樹
パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上用
いる。内添薬品を添加した紙料スラリーに適切な抄紙方
法を採用して長網抄紙機により、均一な地合が得られる
ように基紙を抄造したものが好ましい。具体的には、例
えば、紙料スラリーに適切なタービュレンスを与える、
特開昭61−284762号公報に記載もしくは例示の様な適切
な上部脱水機構を有する長網抄紙機を用いる、ウエット
パートのプレスとしては、多段のウェットプレス、好ま
しくは3段以上のウェットプレスを行い、プレスパート
の最終段にはスムージンクロールを設ける、等の適切な
抄紙方法を組み合わせて均一な地合が得られるように抄
造し、更に抄造後マシンカレンダー、スーパーカレンダ
ー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処理を施し、膜
厚むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造すること
が出来る。
【0035】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙としては、基紙の表側の触針式3次元表
面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの
抄紙方向の中心面平均粗さSRa(以下、基紙の表側の
触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ
値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さSRaなる術
語を、単に中心面平均粗さSRaと略すことがある)が
1.45μm以下のものが有用であり、1.40μm以
下のものが好ましく、1.35μm以下のものが更に好
ましく、1.25μm以下のものが特に好ましい。本明
細書で言う触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される
カットオフ値0.8mmでの中心面平均粗さSRaとは、
数式3で規定されるものである。
【0036】
【数3】
【0037】数式2において、Wxは試料面域のX軸方
向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸
方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは
試料面域の面積を表す。
【0038】本発明の実施に好ましく用いられる、中心
面平均粗さSRaが1.45μm以下の基紙を製造する
方法としては、具体的には、平滑性の出やすい広葉樹パ
ルプ、好ましくは広葉樹サルファイトパルプを15重量
%以上、好ましくは30重量%以上用い、湿紙の乾燥途
中で多段の緊度プレスを行い、更に基紙を抄造後マシン
カレンダー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用
いて少なくとも2系列以上のカレンダー処理、例えば基
紙に第1系列のカレンダー処理としてマシンカレンダー
処理あるいは/及び熱マシンカレンダー処理を行い、そ
の後第2系列以降のカレンダー処理として必要に応じて
更にマシンカレンダー処理を行った後特開平4-110939号
公報に記載もしくは例示の熱ソフトカレンダー処理を行
って、中心面平均粗さSRaが1.45μm以下の基紙
を製造することが出来る。また、基紙中あるいは基紙上
に各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドあるい
はポリマーラテックスをサイズプレスもしくはタブサイ
ズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工など
の塗工によって固形塗布量として1.0g/m2以上、特に
2.2g/m2以上含有あるいは塗設せしめるのが好まし
い。
【0039】本発明における画像材料用支持体の基紙の
密度としては、0.95g/cm3〜1.15g/cm3の範囲
が好ましく、1.00g/cm3〜1.15g/cm3の範囲が
一層好ましく、1.05g/cm3〜1.10g/cm3の範囲
が特に好ましい。基紙の密度を0.95g/cm3〜1.1
5g/cm3にするには、抄紙工程の緊度プレス、ウェット
プレスの最適化及び特に、基紙の抄紙後マシンカレンダ
ー、スーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いて少な
くとも2系列以上のカレンダー処理を適切な条件下で基
紙に行うことによって達成される。基紙の密度が0.9
5g/cm3未満であると面質の良い平滑性に優れた画像材
料用支持体が得られないし、基紙の密度が1.15g/c
m3より大きいと画像材料及びそのプリントの腰が弱くな
って問題である。また、本発明の実施に用いられる基紙
の厚味に関しては、特に期限はないが、その坪量は40
g/m2〜250g/m2のものが有用であり、70g/m2
220g/m2のものが好ましい。
【0040】本発明における画像材料用支持体の基紙の
両側は、フィルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆さ
れる。それらのフィルム形成能ある樹脂としてはポリオ
レフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物などの熱可塑性
樹脂が好ましく、中でも溶融押し出しコーティング性の
点から前記したポリオレフィン樹脂あるいは/及びポリ
エステル樹脂が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂が特
に好ましい。また、特公昭60-17104号公報に記載もしく
は例示の電子線硬化樹脂から成る樹脂層で被覆してもよ
い。
【0041】本発明の実施に好ましく用いられる表樹脂
層用及び裏樹脂層用のポリエチレン系樹脂としては、低
密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密
度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、
エチレンとプロビレン、ブチレン等のα―オレフィンと
の共重合体、エチレンとアクリル酸、アクリル酸エチル
エステル、無水マイレン酸等の共重合体またはグラフト
共重合体である、所謂カルボキシ変性ポリエチレン樹脂
等、またオートクレープ型反応器、チューブラ型反応器
等を用いた高圧ラジカル重合法によるポリエチレン系樹
脂、メタロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチ
レン系樹脂、チーグラ法、フィリップ法等を用いた、メ
タロセン以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチ
レン系樹脂及びこれらの混合物であり、各種の密度、メ
ルトフローレート(以下、JISK 6760で規定さ
れるメルトフローレートのことを単にMFRと略す)、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度
が0.90〜0.97g/cm3の範囲、MFRが0.1g/1
0分〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3g/10分
〜40g/10分の範囲のものを単独に或いは混合して有利
に使用できる。
【0042】本発明の実施に好ましく用いられる裏樹脂
層用のポリエチレン樹脂としては、MFRが10g/10分
〜40g/10分、密度が0.960g/cm3以上である高密
度ポリエチレン系樹脂90重量部〜65重量部とMFR
が0.2g/10分〜3g/10分、密度が0.935g/cm3
下である低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエチ
レン樹脂10重量部〜35重量部とを予め溶融・混合し
たコンパウンド樹脂組成物が好ましい。
【0043】本発明の実施に好ましく用いられる裏樹脂
層用の高密度ポリエチレン樹脂のMFRとしては、10
g/10分〜40g/10分の範囲であり、特に好ましくは10
g/10分〜30g/10分の範囲である。該樹脂のM
FRが10g/10分より低いと切断性、カール物性が悪い
傾向となり、また基紙と樹脂層との接着性、高速加工性
等が悪くなって好ましくないし、40g/10分より高いと
樹脂の混合性、成形加工性等が悪くなって好ましくな
い。また、高密度ポリエチレン樹脂の密度としては、
0.960g/cm3以上であるが、密度が0.960g/c
m3より低いと樹脂層の弾性率が低くなりカール物性、腰
等が悪くなって好ましくなく、好ましくは0.962g
/cm3以上である。
【0044】また、本発明の実施に好ましく用いられる
裏樹脂層用の低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリ
エチレン樹脂のMFRとしては、0.2g/10分〜3g/10
分の範囲であるが、0.2g/10分より低いと樹脂の混合
性、基紙と樹脂層との接着性、高速加工性等が悪くなっ
て好ましくないし、3g/10分より高いと成形加工性が悪
くなり、切断性、カール物性も悪い傾向となって好まし
くなく、一層好ましくは0.2g/10分〜2g/10分未満、
特に好ましくは0.2g/10分〜1g/10分未満の範囲であ
る。また、低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエ
チレン樹脂の密度としては、0.935g/cm3以下であ
り、密度が0.935g/cm3より高いと樹脂組成物の成
形加工性、基紙と樹脂層との接着性等が悪くなって好ま
しくなく、好ましくは0.930g/cm3以下である。ま
た、該樹脂の分子量分布としては、分子量50万以上の
分率が10重量%以上のものが好ましく、12重量%以
上のものが特に好ましい。該樹脂の分子量50万以上の
分率が10重量%より少ないと成形加工性、特にネック
インが大きくなって好ましくない。ここで、分子量の測
定はウォーターズ社製150−C(カラム:東ソー社製
GMH−XL HT8mmφ×30cm×3本、溶媒:1,
2,4−トリクロロベンゼン、温度:135℃、流量:
1ml/min)を用いるGPC法により行った。
【0045】本発明の実施に好ましく用いられる高密度
ポリエチレン樹脂と低密度あるいは中密度ポリエチレン
樹脂とから成るコンパウンド樹脂組成物中の高密度ポリ
エチレン樹脂の使用量としては、90重量部〜50重量
部の範囲が有用であり、好ましくは85重量部〜60重
量部の範囲、特に好ましくは85重量部〜70重量部の
範囲である。高密度ポリエチレン樹脂の使用量が50重
量部より少ないと画像材料のカール物性、腰等が悪くな
って好ましくなく、90重量部より多いと画像材料の切
断性、樹脂の混合性、成形加工性、基紙と樹脂層との接
着性等が悪くなって好ましくない。
【0046】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のポ
リエチレン系樹脂としては、予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂が好ましい。低密度ポリエチレン樹
脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレ
ン樹脂とを予め溶融・混合してコンパウンド樹脂を調製
する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等
を用いることができる。例えば、押し出し機、二軸押し
出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー等を用いて、所定量の低密度あるいは中密度ポ
リエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂、更に必要に
応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添加剤を加えて溶融
・混合した後、その混合物をペレット化する方法が有利
に用いられる。ポリエチレン系樹脂をコンパウンド樹脂
として用いないで溶融押し出し機に単純混合のままの状
態で直接添加して溶融押し出しコーティングした場合に
は、基紙と樹脂層との接着性、樹脂の混合性、成形加工
性等が悪くなって好ましくない。
【0047】本発明における画像材料用支持体は、走行
する基紙上に表樹脂層中及び裏樹脂層中の樹脂が熱可塑
性樹脂、好ましくはポリオレフィン樹脂、特に好ましく
はポリエチレン系樹脂の場合には、表樹脂層用及び裏樹
脂層用の樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのス
リットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆ
る溶融押し出しコーティング法によって製造される。通
常は、走行する基紙上に溶融押し出し機を用いて、その
スリットダイから溶融した樹脂組成物をフィルム状に押
し出し、流延して被覆し、加圧ロールと冷却ロールとの
間で圧着し、冷却ロールから剥離されるという一連の工
程で生産される。その際、溶融フィルムの温度は280
℃及至340℃であることが好ましい。スリットダイと
しては、T型ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイの
フラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1mm乃
至2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を基紙
にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処理、火炎
処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公
昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に接する側の溶融
樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する
基紙に樹脂層を被覆しても良い。また、表、裏の樹脂層
は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーティングさ
れる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で基
紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて表または裏
の樹脂層を二層以上の多層構成にする、多層押し出しコ
ーティング方式で被覆しても良い。また、画像材料用支
持体の表樹脂層面は光沢面、特公昭62-19732号公報に記
載の微粗面、マット面あるいは絹目面等に加工すること
が出来、裏樹脂層は通常無光沢面に加工するのが好まし
い。
【0048】また、本発明における画像材料用支持体の
表、裏の樹脂層の厚さとしては、特に制限はないが、表
樹脂層の厚さとしては、9μm〜60μmの範囲が有用
であり、好ましくは12μm〜45μmの範囲である。
裏樹脂層の厚さとしては、5μm〜60μmの範囲が有
用であるが、好ましくは8μm〜40μmの範囲であ
る。また、表樹脂層に比して裏樹脂層の被覆量を少なく
して表・裏の樹脂層中の樹脂被覆量の差を3g/m2以上に
するのが好ましい。
【0049】本発明における画像材料用支持体の表、裏
樹脂層中には、各種の添加剤を含有せしめることが出来
る。特公昭60-3430号、特公昭63-11655号、特公平1ー382
91号、特公平1ー38292号、特開平1-105245号等の各公報
に記載もしくは例示の酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、
炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、ア
ラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミ
リスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金
属塩、特開平1-105245号に記載もしくは例示のヒンダー
ドフェノール、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の
各種酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブル
ー、フタロシアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、
コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガ
ンバイオレット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-
254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線
吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめ
ることが出来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバ
ッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ま
しい。特に、本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のコ
ンパウンド樹脂組成物中にこれらの添加剤を含有せしめ
る方法としては、高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリ
エチレン樹脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂に予め加
えるか、あるいはコンパウンド樹脂の調製時に加える
か、または、該樹脂に高濃度に添加したマスターバッチ
を予め作成し、このマスターバッチを溶融押し出し被覆
時に該樹脂に加えてもよい。
【0050】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号、特開平1−92740号、
特開平1-102551号、特開平1-166035号等の各公報に記載
もしくは例示のような下引層を塗設することができる。
【0051】また、本発明における画像材料用支持体の
裏樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活
性化処理を施した後、帯電防止等のために各種のバック
層を塗設することができる。また、バック層には、特開
平5-107688号公報に記載もしくは例示のコロイド状シリ
カ、コロイド状アルミナ、ヘクトライト粘土コロイド及
びそれらの混合物等の無機帯電防止剤、バインダー、有
機帯電防止剤あるいは両方の目的のための特開昭59−21
4849号公報に記載もしくは例示のカルボキシル基または
スルフォン基を有する水溶性合成高分子化合物もしくは
その塩または親水性合成高分子コロイド物質もしくはそ
の塩、特開昭59−214849号公報に記載もしくは例示のポ
リマーラテックス、特開昭58-14131号公報に記載もしく
は例示の澱粉、特開昭58-45248号公報に記載もしくは例
示のポリビニルピロリドン、特開昭62−220950号公報に
記載もしくは例示のポリビニルアルコール、特開昭63−
189859号公報に記載もしくは例示のキトサンなどのポリ
マー、特公昭58-56859号公報に記載もしくは例示の硬化
剤、特開昭59-21849号公報に記載もしくは例示のマット
化剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめるこ
とができる。
【0052】バック層用の塗液を塗布する装置として
は、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコー
ター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、
グラビアコーター、フレキソグラビアコーター及びそれ
らの組み合わせ等があげられる。また、塗布された塗液
の乾燥装置としては、直線トンネル乾燥機、アーチドラ
イヤー、エアループドライヤー、サインカーブエアフロ
ートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線加熱ドライヤ
ー、マイクロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置を挙
げることができる。
【0053】本発明においては、裏樹脂層(B)側にバ
ック層を塗設し、かつバック層面の動摩擦係数を0.3
2以上、好ましくは、0.36以上、特に好ましくは、
0.40以上にすることによって、画像材料の切断性、
特に切断寸法の精度を顕著に改良出来る。なお、本明細
書で言う動摩擦係数とは、JIS P8147−1987で
水平板の上にフェロタイプ板を固定して、試験片はおも
りにのみ貼りつけて、下部可動はりの移動速度を毎分5
00mmにして測定した、バック層面とフェロタイプ板の
動摩擦係数を言う。本発明における画像材料用支持体の
バック層面の動摩擦係数を0.32以上にするには、具
体的には裏樹脂層を溶融押し出しコーティングする際
に、バック層面の中心面平均粗さSRaが小さくなる粗
面度を有する冷却ロールを用いる(動摩擦係数を上記範
囲にするバック層面のSRaとしては、1.3μm以下
が有用である)、バック層面の小さな凹凸が極力小さ
くなるようなバック層配合を用いる(マット化剤の使用
量を少なく制限する等)、バック層用の塗液の塗布を
均一、平滑に行う、等の方法を用いればよい。粗面度を
有する冷却ロールとしては、サンドブラスト法、エッチ
ング法、電気的穿孔法、液体ホーニング法等により凹凸
の粗面を形成せしめるものが有用であり、サンドブラス
ト法、液体ホーニング法またはそれらの組み合わせによ
るものが好ましい。又、冷却ロールの材質としては、ス
テンレススチール、鉄等のニッケル又はクロムメッキ、
ホーロー引きなど各種のものを使用出来る。
【0054】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0055】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0056】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱転写記録受像
材料用支持体として用いることができる。それらの熱転
写記録受像層に用いられる合成樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアク
リレート樹脂等のエステル結合を有する樹脂、ポリウレ
タン樹脂等のウレタン結合を有する樹脂、ポリアミド樹
脂等のアミド結合を有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合
を有する樹脂、その他ポリカプロラクタム樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を挙げら
れる。これら樹脂に加えて、これらの混合物もしくは共
重合体等も使用できる。
【0057】本発明に係わる熱転写記録受像層中には、
上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても良い。上
記離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、弗素系、
リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル類等が
挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオイルが最
も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、油状の物
も使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシ
リコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒
硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオイ
ルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコ
ーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコーンオイ
ルの添加量は、受像層中に0.1wt%〜20wt%が好ま
しい。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸
化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、受
像層の厚さとしては、0.5μm〜20μmが好まし
く、2μm〜10μmがさらに好ましい。
【0058】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受像中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上さ
せる目的で各種のバインダーを含有せしめることができ
る。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸等
の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼラ
チン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、カ
ルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルアル
コール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906号、特開平3-281383号、特願平4-2
40725号等の各公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等を挙げることが
でき、これらを単独或は併用して含有せしめることがで
きる。
【0059】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63−204251号、特開平1-266537号等の各公報に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0.2μm〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公
報等に記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合
物、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫
酸、塩酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコー
ル、シリコン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合
わせて含有せしめることができる。
【0060】
【実施例】次に本発明を更に具体的に説明するために、
実施例を述べる。
【0061】実施例1 下記の配合A〜Cにより、基紙を製造した。それらの基
紙は、膜圧むら指数RPyが190mV〜230mVの範囲
のものであり、表側の中心平均粗さSRaが1.1μm
〜1.2μmの範囲のものであった。
【0062】(配合A)広葉樹漂白クラフトパルプを叩
解後のパルプの繊維長及び濾水度が表1に記載の値にな
るように叩解後、パルプ100重量部(以下、パルプの
絶乾重量部を表す)に対して、表1に記載の量(重量
部)のカチオン化澱粉、アニオン化ポリアクリルアミド
0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.2重量部、エポキシ化高級脂肪
酸アミド0.2重量部、ポリアミドエピクロルヒドリン
樹脂0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、
赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。その後、
紙料スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機に
のせ、適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、
ウェットパートで15kg/cm〜100kg/cmの範囲で線圧
が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムー
ジングロールで処理し、引き続く乾燥パートで30kg/c
m〜70kg/cmの範囲で線圧が調節された2段の緊度プレ
スを行った後、乾燥した。その後、乾燥の途中でカルボ
キシ変性ポリビニルアルコール4重量部、蛍光増白剤
0.05重量部、青色染料0.002重量部、塩化ナト
リウム4重量部及び水92重量部から成るサイズプレス
液を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水
分が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、線圧70
kg/cmでマシンカレンダー処理して、坪量が170g/
m2、密度が1.04g/cm3である基紙を製造した。 (配合B)広葉樹漂白クラフトパルプを叩解後のパルプ
の繊維長及び濾水度が表1の記載の値になるように叩解
後、パルプ100重量部に対して、表1に記載の量(固
形分としての重量部)のポリ水酸化アルミニウム、カチ
オン化澱粉2.2重量部、アニオン化ポリアクリルアミ
ド0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテ
ンダイマー分として)0.2重量部、エポキシ化高級脂
肪酸アミド0.2重量部、ポリアミドエピクロルヒドリ
ン樹脂0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染
料、赤色染料を添加して調製した紙料スラリーを用いる
以外は、配合Aと同様にして、坪量が170g/m2、密度
が1.04g/cm3である基紙を製造した。
【0063】(配合C)広葉樹クラフトパルプを叩解後
のパルプの繊維長及び濾水度が表1の記載の値になるよ
うに叩解後、パルプ100重量部に対して、表1に記載
の量(重量部)のメイプロイドガム、表1に記載の量
(重量部)のアニオン化ポリアクリルアミド、塩化アル
ミニウム0.7重量部(固形分として)、紙料スラリー
のpHが6.9〜7.1になる量の苛性ソーダ、アルキ
ルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)
0.2重量部、エポキシ化高級脂肪酸アミド0.2重量
部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4重量部及
び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して
調製した紙料スラリーを用いる以外は、配合Aと同様に
して、坪量が170g/m2、密度が1.04g/cm3である
基紙を製造した。
【0064】次に、画像形成層を設ける側とは反対側の
基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に下記
の樹脂組成物(R1)を樹脂温度315℃で20μmの
樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出しコ
ーティングした。この際、冷却ロールとしては、下記バ
ック層を塗設後の該バック層面の中心面平均粗さSRa
が1.15μmになる粗面度のものを用いた。尚、使用
した冷却ロールは液体ホーニング法で粗面化された冷却
ロールで、冷却水温度12℃で操業した。
【0065】(樹脂組成物R1)高密度ポリエチレン樹
脂(密度0.967g/cm3、MFR=15g/10分)70
重量部と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/c
m3、MFR=0.6g/10分)30重量部とを溶融押し出
し機を用いて予め溶融・混合して調製したコンパウンド
樹脂組成物であり、そのペレットとして使用した。
【0066】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、該表面に低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92
0g/cm3、MFR=8.5g/10分)47.5重量%、含
水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl23
分として0.75重量%)で表面処理したアナタ−ゼ型
二酸化チタン顔料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5
重量%から成る二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ20
重量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.920g/c
m3、MFR=4.5g/10分)65重量部と高密度ポリエ
チレン樹脂(密度0.970g/cm3、MFR=7.0g/
10分)15重量部から成る樹脂組成物を樹脂温度315
℃で28μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融
押し出しコ−ティングした。なお、表、裏のポリエチレ
ン樹脂の溶融押し出しコ−ティングは、逐次押し出しコ
−ティングが行われる、いわゆるタンデム方式で行われ
た。その際、該樹脂被覆紙の二酸化チタン顔料を含む樹
脂層の表面はグロッシー面に加工した。
【0067】更に、表、裏樹脂層を加工後巻き取るまで
の間に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放電処理後、
下記のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量
分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテックス=
1:1から成り、更にポリスチレンスルフォン酸ソーダ
0.021g/m2の他適量の塗布助剤等を含むバック層用
塗液をラテックス分(固形重量計算で)として0.21
g/m2になる塗布量で塗設した。なお、バック層面の動摩
擦係数は0.37であった。
【0068】さらに、バック層を塗設後、樹脂被覆紙を
巻き取るまでの間に、表側の樹脂面にコロナ放電処理を
施し、石灰処理ゼラチン1.2g、低分子量ゼラチン
(新田ゼラチン株式会社製、P−3226)0.3g、
パラオキシ安息香酸ブチルの10重量%メタノール溶液
0.3g及びスルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエ
ステル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.45g
を含み、全量を水で100gに調製した配合の下引塗液
をゼラチン塗布量0.06g/m2になるように均一にオン
マシン塗布して画像材料用支持体を得た。
【0069】次いで、画像材料用支持体の下引層上に黄
色発色カプラ−を含む青感乳剤層、色混り防止剤を含む
中間層、マゼンタ発色カプラ−を含む緑感乳剤層、紫外
線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色カプラ−を含
む赤感乳剤層及び保護層を設けてゼラチンの総量が8g/
m2であるカラ−印画紙を作成した。各色感乳剤層は硝酸
銀で0.6g/m2に相当する塩臭化銀を含み、更にハロゲ
ン化銀の生成、分散及び成膜に必要なゼラチンの他、適
量のカブリ防止剤、増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘
剤及び適量のフィルタ−染料等を含む。次に、作成した
カラー印画紙を35℃、常湿で保存した後、カラー発色
現像してカラー写真プリントを作成し、以下の評価を行
った。
【0070】画像材料の切断性の評価方法としては、上
記の8.2cm幅のロール状のカラー写真プリントを刃幅
を80μmに設定したプリジジョン プリント カッタ−
で長さ方向が11.7cmの大きさになるように切断し、
切断面の状態を評価した。評価基準としては、グレード
10〜9;カッターでの切断率は100%であり、切断
面からのヒゲの発生もほとんどなく切断性が極めて良
好、グレード8〜7;カッターでの切断率は100%で
あり、切断面からのヒゲの発生もわずかしかなく切断性
が良好、グレード6〜5;カッターでの切断率は100
%であり、切断面からのヒゲの発生があるが、実用上問
題がない程度、グレード4〜3;カッターでの切断率が
50〜60%であり、刃幅を10〜15μm縮めないと
100%の切断率にならず、実用上問題である程度、ま
たは切断率は100%であるが、切断面からのヒゲの発
生が極めて多く、実用上問題である程度、グレード2〜
1;カッターでの切断率が0%(従って、失敗率が10
0%)であり、刃幅を20μm以上縮めないと100%
の切断率にならず、またその場合も切断面からのヒゲの
発生が多く、実用上問題がある程度、を表す。
【0071】画像材料の腰の強さの評価方法としては、
13cm×18cmのカラー写真プリントについて、10人
のモニターによりカラー写真プリントの端を持って上下
に振り、手触り感による腰の強さを評価した。評価基準
としては、◎:腰がかなり強い、○:腰が強い、△:腰
がやや弱いが、実用可能である程度、×:腰が弱く、実
用上問題がある程度を表す。
【0072】得られた結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】なお、表1中の(注1)〜(注8)は、以
下の通りである。
【0075】(注1)○は本発明による試料を示す。
【0076】(注2)〜(注4)明細書本文中に記載さ
れた方法で測定された、パルプの繊維長(L)(単位:
mm)とパルプの濾水度(V)(単位:ml)及び103×
(L)/(V)=103×〔(パルプの繊維長)/(パ
ルプの濾水度)〕(単位:mm/ml)の値をそれぞれ示
す。
【0077】(注5)各配合における可変量の薬品のパ
ルプ100重量部当たりの固形分としての添加量(重量
部)を示す。なお、カチ澱はカチオン化澱紛、PAAは
アニオン化ポリアクリルアミド、PAlはポリ酸化アル
ミニウム、ガムはメイプロイドガム7700(メイホー
ルケミカル株式会社製)をそれぞれ表す。
【0078】(注6)〜(注7)明細書本文中に記載さ
れた方法で測定された、画像材料の内部結合強度(gf・c
m/cm2)と穿孔力(gf)をそれぞれ示す。
【0079】(注8)明細書本文中で規定された画像材
料の切断性指数(C値)を示す。
【0080】表1の結果から、基紙の両面が樹脂層で被
覆された画像材料用支持体であって、基紙は、紙用薬品
を添加する前の叩解後の天然パルプについて測定され
た、〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値
が、1.4×10-3(mm/ml)〜2.0×10-3(mm/
ml)の範囲にあり、かつパルプの繊維長が0.47mm〜
0.57mmの範囲にある天然パルプを主成分として構成
されたものであり、なおかつ該画像材料用支持体の切断
性指数(C値)が、2.0以上である本発明における画
像材料用支持体(試料No.3〜No.8及びNo.1
2〜No.14)は、画像材料の切断性が良好で、かつ
腰が強い、優れた画像材料用支持体であることがよくわ
かる。特に、画像材料の切断性の点から、画像材料用支
持体の切断性指数(C値)として、2.1以上になる画
像材料用支持体(試料No.4〜No.7及びNo.1
3〜No.14)が好ましく、2.2以上になる画像材
料用支持体(試料No.5〜No.7及びNo.14)
が特に好ましいことがよくわかる。
【0081】また、画像材料の切断性及び腰の強さの点
から、基紙を構成する天然パルプとして、〔(パルプの
繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値が、1.5×10
-3(mm/ml)〜1.8×10-3(mm/ml)であり、かつ
パルプの繊維長が0.47mm〜0.55mmである天然パ
ルプを用いた画像材料用支持体(試料No.4〜No.
7及びNo.13)が好ましいことがわかる。また、画
像材料用支持体の物性から考察すると、画像材料の切断
性及び腰の強さの点から、内部結合強度が350(gf)
以上である画像材料用支持体(試料No.7及びNo.
14)は、特に好ましいことがよくわかる。
【0082】一方、切断性指数(C値)が2.0未満で
あったり、基紙を構成する天然パルプとして本発明の要
件満たさないものを用いた、本発明外の画像材料用支持
体(試料No.1〜No.2及びNo.9〜No.1
1)は、画像材料の切断性が悪かったり、腰が弱くて問
題があることがよくわかる。
【0083】実施例2 実施例1の試料No.6において、裏樹脂層用の樹脂組
成物を被覆する際に用いた冷却ロールの代わりに、バッ
ク層を塗設後の該バック層面の中心面平均粗さSRa
が、1.02μm、1.15μm、1.35μmまたは、
1.58μmになる粗面度の冷却ロールを用いる以外は
実施例1の試料No.6と同様に実施した。
【0084】なお、画像材料の切断精度の評価方法とし
ては、8.2cm幅のロール状のカラー写真プリントを刃
幅を80μmに設定したプリシジョン プリント カッ
ターで長さ方向11.7cmの大きさになるように切断
し、切断試料の長さを測定して評価した。評価基準とし
ては、グレード10〜9;切断寸法が0〜0.1mm未満
であり、切断精度が極めて良好、グレード8〜7;切断
寸法が0.1〜0.2mm未満であり、切断精度が良好、
グレード6〜5;切断寸法が0.2〜0.5mm未満であ
り、切断精度が実用上問題ない程度、グレード4〜3;
切断寸法が0.5mm以上であり、切断精度が実用上問題
がある程度、グレード2〜1;そもそも切断されず切断
精度が議論できない程度を、表す。
【0085】得られた結果を表2に示す。なお、各試料
の内部結合強度、穿孔力及び切断性指数(C値)は、試
料No.6とほぼ同一であった。
【0086】
【表2】
【0087】なお、表2中の(注1)及び(注9)は、
以下の通りである。
【0088】(注1)○は本発明による試料を示す。
【0089】(注9)明細書本文注に記載された方法で
測定された動摩擦係数を表す。
【0090】表2の結果から、本発明における画像材料
用支持体は、切断精度及び切断性の点から、バック層面
の動摩擦係数が、好ましくは0.32以上、一層好まし
くは0.36以上、特に好ましくは0.40以上のもの
であることがよくわかる。
【0091】実施例3 実施例1の試料No.6で用いた、裏樹脂層用の樹脂組
成物(R1)の代わりに下記の樹脂組成物(R2)また
は(R3)を用い、かつ表3に記載の樹脂層厚さにする
以外は実施例1の試料No.6同様に実施した。
【0092】(樹脂組成物R2)高密度ポリエチレン樹
脂(密度0.967g/cm3、MFR=6.8g/10分)
65重量部と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926
g/cm3、MFR=3.5g/10分)35重量部と単純混
合した樹脂組成物であって、単純混合のまま溶融押し出
し機に添加して使用した。
【0093】(樹脂組成物R3)樹脂組成物(R1)と
同じ樹脂組成物。
【0094】なお、画像材料のカール物性の評価方法と
しては、20℃、40%RHにおける、8.2cm×1
1.7cmの大きさのカラー写真プリントのカールの状態
を評価した。評価基準としては、グレード○;ややマイ
ナスカール(バック層側へのカール)及至平坦であり、
カール物性が良好、グレード△;カールがあるが、実用
上問題がない程度、グレード×;カールが大きく、実用
上問題がある程度、を表す。
【0095】得られた結果を表3に示す。なお、各試料
の内部結合強度、穿孔力及び切断性指数(C値)は、試
料No.6とほぼ同一であった
【0096】
【表3】
【0097】なお、表3の(注1)は、表1中のそれと
同意気である。
【0098】表3の結果から、本発明における画像材料
用支持体は、切断性及びカール物性の点から、裏樹脂層
用のポリエチレン系樹脂として、高密度ポリエチレン樹
脂と低密度あるいは中密度ポリエチレン樹脂とを含有
し、かつ高密度ポリエチレン樹脂を主成分とするコンパ
ウンド樹脂組成物を用いたものが好ましいことがよくわ
かる。
【0099】実施例4 実施例1の試料No.6の画像材料用支持体上に多層ハ
ロゲン化銀カラー写真構成層の代わりに、下記のインク
受像層を塗設してインクジェット記録材料を作成した。
その結果、該インクジェット記録材料の切断性、切断精
度及びカール物性が良好であり、かつ腰が強く、該画像
材料用支持体は優れたものであった。
【0100】インク受像層は、分子量7万のアルカリ処
理ゼラチンの10重量%ゼラチン水溶液30g、ソジウ
ムカルボキシメチルローズ(エーテル化度0.7〜0.
8、B型粘度計での2重量%水溶液の粘度が5cp以下の
もの)の8重量%水溶液37.5g、エポキシ化合物
(長瀬産業株式会社製NER−010)の5重量%メタ
ノール溶液0.3g、スルフォコハク酸−2−エチルヘ
キシルエステル塩のメタノールと水の5重量%混合液
0.5g及び純水31.7gから成る塗液を固形分量で
7g/cm2分塗設されて形成された。
【0101】
【発明の効果】本発明により、切断性が良好であり、か
つ切断寸法が正確であり、なおかつ腰が強い、更にはカ
ール物性が良好である画像材料及びそのプリントを提供
出来る、紙を基質とする優れた樹脂被覆紙型の画像材料
用支持体を提供出来る。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィル
    ム形成能ある樹脂(a)を含む樹脂層(A)で被覆さ
    れ、その反対側の紙基質がフィルム形成能ある樹脂
    (b)を含む樹脂層(B)で被覆された画像材料用支持
    体であって、紙基質は、紙用薬品を添加する前の叩解後
    の天然パルプについて測定された、下記で規定される、
    〔(パルプの繊維長)/(パルプの濾水度)〕の値が、
    1.4×10-3(mm/ml)〜2.0×10-3(mm/ml)
    の範囲にあり、かつパルプの繊維長が0.47mm〜0.
    57mmの範囲にある天然パルプを主成分として構成され
    たものであり、なおかつ該画像材料用支持体の下記数式
    1で示される切断性指数(C値)が、2.0以上である
    ことを特徴とする画像材料用支持体。ここで、パルプの
    繊維長及びパルプの濾水度は、下記で規定される。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについて,JAPAN
    TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及び
    パルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平
    均繊維長(mm)で表示したもの。 パルプの濾水度:叩解後のパルプについて、TAPPI
    スタンダード パルプ試験法No.T227m−58
    「パルプのフリーネス(濾水度)」に準拠して測定した
    濾水度(ml)。 【数1】 ここで内部結合強度及び穿孔力は、下記で規定される画
    像材料用支持体の内部結合強度(gf・cm/cm2)及び穿孔
    力(gf)である。 内部結合強度:JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方
    法No.54ー93に準じて紙基質の抄紙方向で求めた画
    像材料用支持体の内部結合強さ。同試験方法で求まる強
    さは2.54cm×2.54cmの面積当たりの強さ(kgf・
    cm)であるので、単位面積( cm2)当たりに換算した
    値。具体的には同試験方法で求まる内部結合強さ(kgf・
    cm)に155を乗じることによりgf・cm/cm2の単位に換
    算される。 穿孔力:先端の直径が1mm、曲率が0.5mmである針を
    用いて、内径11mmのリング状の試料台に貼り合わせた
    試料を30cm/minの一定速度で試料に垂直に突き刺
    し、試料が突き破れたときの荷重を求める。その値を比
    例換算で220μm当たりにした値を穿孔力(単位:g
    f)とする。具体的には株式会社レオテック社製FUD
    OHレオメーターの荷重検出機能を有する測定機に上記
    針を取りつけ、30cm/minの一定速度で上記試料を垂
    直に突き刺し、その時の荷重変動を連続記録して最大荷
    重を求める。その値を比例換算で220μm当たりにし
    た値を穿孔力(単位:gf)とする。
  2. 【請求項2】 切断性指数(C値)が、2.1以上であ
    る請求項1記載の画像材料支支持体。
  3. 【請求項3】 切断性指数(C値)が、2.2以上であ
    る請求項1記載の画像材料用支持体。
  4. 【請求項4】 画像材料用支持体の内部結合強度が28
    0(gf・cm/cm2)以上である請求項1、2または3記載
    の画像材料用支持体。
  5. 【請求項5】 画像材料用支持体の穿孔力が900(g
    f)以下である請求項1、2、3または4記載の画像材
    料用支持体。
  6. 【請求項6】 フィルム形成能ある樹脂(b)を含む樹
    脂層(B)側にバック層が塗設されており、かつ該バッ
    ク層面の下記で規定される動摩擦係数が0.32以上で
    ある請求項1、2、3、4または5記載の画像材料用支
    持体。 動摩擦係数:JIS P8147−1987で水平板の上に
    フェロタイプ板を固定して、試験片はおもりにのみ貼り
    つけて、下部可動はりの移動速度を毎分500mmにして
    測定したバック層面とフェロタイプ板の動摩擦係数。
  7. 【請求項7】樹脂層(A)中のフィルム形成能ある樹脂
    (a)が、ポリオレフィン樹脂またはポリエステル系樹
    脂である請求項1、2、3、4、5または6記載の画像
    材料用支持体。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン系
    樹脂である請求項7記載の画像材料用支持体。
  9. 【請求項9】 樹脂層(A)が、二酸化チタン顔料を含
    むものである請求項1、2、3、4、5、6、7または
    8記載の画像材料用支持体。
JP8152304A 1996-06-13 1996-06-13 画像材料用支持体 Pending JPH101899A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8152304A JPH101899A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 画像材料用支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8152304A JPH101899A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 画像材料用支持体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101899A true JPH101899A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15537608

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8152304A Pending JPH101899A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 画像材料用支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101899A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000006513A (ja) * 1998-06-18 2000-01-11 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2003001690A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Fuji Photo Film Co Ltd 支持体の製造方法
JP2011194745A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp インクジェット記録媒体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000006513A (ja) * 1998-06-18 2000-01-11 Oji Paper Co Ltd インクジェット記録用シート
JP2003001690A (ja) * 2001-06-26 2003-01-08 Fuji Photo Film Co Ltd 支持体の製造方法
JP2011194745A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Fujifilm Corp インクジェット記録媒体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6190781B1 (en) Support for imaging material
JPH09230534A (ja) 画像材料用支持体
JPH1130837A (ja) 画像材料用支持体
JPH101899A (ja) 画像材料用支持体
JP3328396B2 (ja) ポリオレフィン樹脂被覆紙
JP2000019684A (ja) 画像材料用支持体
JP3453717B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3343274B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3529518B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3343834B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3490120B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3490121B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3350565B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3244958B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH09265155A (ja) 画像材料用支持体
JP3866296B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3490118B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2002294599A (ja) 画像材料用支持体
JP3707819B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH0736147A (ja) 画像材料用支持体
JPH11109559A (ja) 画像材料用支持体及び画像材料
JPH07306495A (ja) 画像材料用支持体
JPH08179462A (ja) 画像材料用支持体
JPH10186577A (ja) 画像材料用支持体
JPH10293378A (ja) 画像材料用支持体