JPH10239796A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

Info

Publication number
JPH10239796A
JPH10239796A JP1023997A JP1023997A JPH10239796A JP H10239796 A JPH10239796 A JP H10239796A JP 1023997 A JP1023997 A JP 1023997A JP 1023997 A JP1023997 A JP 1023997A JP H10239796 A JPH10239796 A JP H10239796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
support
image material
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1023997A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Noda
徹 野田
Masayuki Tsubaki
正行 椿
Kengo Yamane
憲吾 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP1023997A priority Critical patent/JPH10239796A/ja
Publication of JPH10239796A publication Critical patent/JPH10239796A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】見た目の光沢感の高い画像材料及びそのプリン
トが得られる、かつ剥離むらの発生のない、なおかつ高
速かつ安定生産出来る、優れた樹脂被覆紙型の画像材料
用支持体を提供すること。 【解決手段】天然パルプを主成分とする紙を基質とし
て、紙基質の画像形成層を設ける側が熱可塑性樹脂
(a)を最も多く含む上層(A)と熱可塑性樹脂(b)
を最も多く含む下層(B)とから成る少なくとも2層で
被覆された画像材料用支持体において、熱可塑性樹脂
(a)は、その融点が熱可塑性樹脂(b)の融点より高
いものであり、かつ少なくとも2層の樹脂層を被覆した
後に該画像材料支持体が、少なくとも2層の樹脂層側に
熱を保持する状態で圧接された事を特徴とする画像材料
用支持体により、課題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、紙基質(以下、基紙と略する
ことがある)の画像形成層を設ける側が熱可塑性樹脂
(a)を含む上層(A)と熱可塑性樹脂(b)を含む下
層(B)とから成る少なくとも2層の樹脂層で被覆され
た画像材料用支持体に関するものであり、見た目の光沢
感が高い、かつ光沢むらが無い画像材料及びそのプリン
ト、特にハロゲン化銀写真印画紙及びそのプリント(ハ
ロゲン化銀写真印画紙プリントのことを、以下単に写真
プリントと略すことがある)を提供出来る、なおかつ支
持体製造時の冷却ロールからの剥離性が改良されて剥離
むらの発生が無い、しかも高速かつ安定生産出来る画像
材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料は、画像材料用支持体上にそれ
ぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行型
熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の画
像形成層及び必要に応じて下引層、保護層等が塗設され
たものである。特に、ハロゲン化銀写真構成層として
は、ハロゲン化銀写真乳剤層、保護層、下引層、中間層
あるいは色混り防止層、ハレーション防止層、もしくは
フィルター層、紫外線吸収層等およびそれらの組み合わ
せから構成されたものである。例えば、単一なハロゲン
化銀写真材料は、写真材料用支持体上にハロゲン化銀写
真乳剤層とその保護層を設けたものである。また、多層
ハロゲン化銀カラー写真材料は、写真材料用支持体上に
下引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハ
ロゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化
銀写真乳剤層と保護層等のハロゲン化銀カラー写真構成
層が順に設けられて多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
熱可塑性樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支持体はよく
知られている。ハロゲン化銀写真材料用途のための写真
材料用支持体としては、例えば、特公昭55-12584号明細
書には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支持体につい
ての技術が開示されている。米国特許第3,501,298号明
細書には基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された
写真材料用支持体についての技術が開示されている。ま
た、ハロゲン化銀写真材料の迅速写真現像処理方式が適
用されて以来、基紙の両面がポリエチレン系樹脂で被覆
された写真材料用支持体が、写真印画紙用として主に実
用化されており、必要に応じてその一方の画像形成層を
設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するために、通常
二酸化チタン顔料を含有している。
【0004】また、米国特許第4,774,224号明細書に
は、樹脂被覆の表面粗さが7.5マイクロインチ−AA
以下である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン
樹脂で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として
有する熱転写記録受像要素が提案されている。また、特
開昭63-307979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として
有するインクジェット記録用シートに関する技術が開示
されている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】第一に、基紙の画像形成層を設ける側(以
下、画像形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹
脂層を表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される
樹脂層を裏樹脂層と略すことがある)の面を少なくとも
熱可塑性樹脂、特にポリエチレン系樹脂を含む樹脂層で
被覆した画像材料用支持体用途のための樹脂被覆紙は、
通常走行する基紙上にポリエチレン系樹脂組成物を溶融
押し出し機を用いて、そのスリットダイからフィルム状
に流延して被覆し、加圧ロールと冷却ロールとの間で圧
着し、冷却後ロールから剥離されるという一連の工程で
製造される。その際、グロッシー用途の画像材料用樹脂
被覆紙を製造する場合には、冷却ロールとして、鏡面な
いしは光沢面または特公昭62-19732号公報に記載の微粗
面を有する平滑性の極めて良い冷却ロールが用いられ
る。かくして樹脂被覆紙の表樹脂層は、その溶融状態で
平滑性の極めて良い冷却ロールに圧接されるため平滑性
の良い面に加工され、従って該樹脂被覆紙を支持体とす
る画像材料及びそのプリントでは、見た目の光沢感の高
いものが得られるはずである。しかしながら、実際に製
造した樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリ
ントでは、十分に見た目の光沢感の高いものを得る事は
出来なかった。特に、樹脂被覆紙を支持体とする写真印
画紙では、十分に見た目の光沢感の高い写真印画紙及び
写真プリントを得る事は出来なかった。
【0007】そのため、本発明者らは画像材料及びその
プリントの見た目の光沢感の要因について種々検討した
結果、見た目の光沢感に及ぼす要因としては、支持体で
ある樹脂被覆紙、画像形成層、現像処理などの画像形成
方法等の各種要因があるが、画像材料及びそのプリント
の見た目の光沢感は、支持体たる樹脂被覆紙の要因によ
っても大きく影響されることが判明した。そこで、さら
に本発明者らは、見た目の光沢感に及ぼす樹脂被覆紙の
要因について種々検討した結果、画像材料及びそのプリ
ントの見た目の光沢感は、樹脂層の要因に依存すると共
に天然パルプを主成分とする基紙の種類や性質等の要
因、例えば天然パルプの種類、繊維長、紙料スラリーに
含有せしめられる紙用添加剤等の紙料スラリー条件、抄
紙速度、緊度プレス、マシンカレンダー条件等の抄紙条
件、サイズプレス、タブサイズプレス等の後処理条件、
ひいては基紙の表面粗さ等の様々な要因に依存している
事が判明した。また、樹脂被覆紙の表樹脂層の厚味が薄
くなればなる程、特に31μm以下の場合には、該樹脂
被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリントの見た
目の光沢感が、顕著に低下する事が判明した。特に、グ
ロッシー用途の写真材料では、写真プリントにした場合
に高度の見た目の光沢感が要求されており、写真プリン
トの見た目の光沢感の劣る写真材料は、グロッシー用途
のものとしては全く不適当で商品価値の無いものになる
という問題があった。
【0008】第二に、グロッシー用途の画像材料用樹脂
被覆紙は、高度の平滑性が要求されるものの、特に基紙
に溶融樹脂を押し出しコーティングする際に表樹脂層の
厚味が厚くなればなる程、特に20μm以上の場合や樹
脂被覆紙の製造速度が速くなればなる程、特に200m/
分以上の場合には、冷却ロールからの樹脂被覆紙の剥離
性が悪化し、樹脂被覆紙面上に剥離むらと呼称される幅
方向の横段状のむらが発生する事である。この剥離むら
が発生すると該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
プリントにも光沢むらが発生し、見た目の光沢感が益々
低下し、商品価値が著しく低下するという問題があっ
た。
【0009】従来、樹脂被覆紙型の画像材料用支持体の
上記した問題点及び別種の欠点を排除、改良するための
いくつかの技術提案がある。特開昭59-198451号公報、
特開平1-303435号公報等に共押し出しコーティング法及
び逐次押し出しコーティング法の二層押し出しコーティ
ング法により、樹脂被覆紙型の写真用支持体の表樹脂層
面に発生する傾向があるクレーター状の細孔を防止、改
良し、表面欠陥のない平滑性に優れた写真用支持体を提
供する技術の記載もしくは例示があるが、前記した問題
点の解決には不十分であり、特に樹脂被覆紙を支持体と
する画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感を向
上、改良するには極めて不十分であった。
【0010】また、特開昭49-45608号公報には、積層構
造を形成させた後に樹脂被覆紙を、特定の温度及び圧力
に保たれた、樹脂被覆面に接する金属ロールを含む2本
以上のロール間で圧接することにより、表面平滑性のよ
い樹脂被覆紙を得る技術の記載もしくは開示がある。し
かし、該技術を用いても樹脂被覆表面が熱負けしてブロ
ッキングし、却って表面の平滑性が悪くなったり、また
熱負けを避けようとすると全く効果がなかったりして、
樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリントの
見た目の光沢感を向上、改良するには極めて不十分であ
った。
【0011】また、特開昭61-132949号公報には、第一
被覆層が低密度ポリエチレン樹脂を主成分として形成さ
れ、第二被覆層が高い剛性モジュラスを有する重合体で
形成された写真用原紙により、剛性が強い、また高い光
沢度の樹脂被覆紙型の写真用支持体を提供する技術の記
載もしくは開示があり、更に高い剛性モジュラスを有す
る重合体としてHDPE、PP、PC、線状低密度ポリ
エチレン(LLDPE)、ナイロン11、ナイロン6、
ナイロン66等のポリアミド類、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)等のポリエステル類が例示されている。しかし、該
技術を用いても前記した問題点の解決には不十分であ
り、特に樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプ
リントの見た目の光沢感を向上、改良するには極めて不
十分であった。
【0012】更に、特開平7-120868号公報には、耐水性
樹脂被覆層を少なくとも2層以上にし、かつ基紙より最
も遠い層の耐水性樹脂の密度を他層の耐水性樹脂の密度
より大きくすることにより、また、特開平7-168308号公
報には、耐水性樹脂被覆層を少なくとも2層以上にし、
かつ最外層の耐水性樹脂として特定の曲げ弾性率のもの
を使用することにより、基紙と耐水性樹脂層との接着性
及び冷却ロールからの剥離性が改良された、樹脂被覆紙
型の写真印画紙用支持体の技術が開示されているが、該
技術を用いても樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
そのプリントの見た目の光沢感を向上、改良するには、
また極めて不十分であった。
【0013】一方、樹脂被覆紙の平滑性を改良する目的
で、特開昭58-68037号公報に記載の特定の繊維長分布を
有するパルプ、特開昭60-69649号公報に記載の特定の繊
維長、幅、厚みのパルプ、特開昭61-35442号公報に記載
の針葉樹パルプ、特開昭63-173045号公報に記載の低粘
度パルプ等の特定パルプの使用、特開昭58-37642号公報
に記載のベック平滑度が特定値以上である基紙、特開昭
63-291054号公報に記載の表面粗さが特定値以下である
基紙等の特定物性値である基紙の使用、特開昭60-12639
7号公報に記載の基紙の熱カレンダー処理、特開昭61-28
4762号公報に記載の上部脱水機構を有する抄紙機による
抄紙、特開昭63-204250号公報に記載の長網二層抄紙機
による抄紙、特開昭64-20541号公報に記載の湿紙の緊度
プレス処理等の特定の抄紙方法の使用等の技術が開示さ
れているが、前記した問題点の解決には不十分であり、
特に樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリン
トの見た目の光沢感を向上、改良するには極めて不十分
であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、
紙基質の画像形成層を設ける側が樹脂層で被覆された樹
脂被覆紙であって、該樹脂被覆紙を支持体とする、見た
目の光沢感が顕著に高く、かつ光沢むらが無い画像材料
及びそのプリントを提供出来る、なおかつ剥離むらの発
生が無い、優れた樹脂被覆紙型の画像材料用支持体を提
供することである。本発明の第二の目的は、150m/分
以上、更に200m/分以上、なお更に250m/分以上、
特に300m/分以上の製造速度で樹脂層が被覆されて、
それ故に生産性及び経済性に優れ、かつ支持体製造時の
冷却ロールからの剥離性が改良されて剥離むらの発生が
無く、なおかつ高速かつ安定生産出来る、優れた樹脂被
覆紙型の画像材料用支持体を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、紙基質の画像形成層を設ける側が
熱可塑性樹脂(a)を最も多く含む上層(A)と熱可塑
性樹脂(b)を最も多く含む下層(B)とから成る少な
くとも2層の樹脂層で被覆された画像材料用支持体にお
いて、熱可塑性樹脂(a)は、その融点が熱可塑性樹脂
(b)の融点より高いものであり、かつ少なくとも2層
の樹脂層を被覆した後に該画像材料用支持体が、少なく
とも2層の樹脂層側に熱を保持する状態で圧接された事
を特徴とする画像材料用支持体により、本発明の目的が
達成されることを見い出した。
【0016】本発明の目的は、熱を保持する状態での圧
接として、熱カレンダー処理、特に熱ソフトカレンダー
処理による圧接、表面温度50℃〜150℃の金属ロー
ルを少なくとも1本含む2本以上のロール間での圧接、
2系列以上で行われる圧接またはそれらを併用した圧接
により、顕著に達成されることを見い出した。
【0017】また、本発明の目的は、熱可塑性樹脂
(a)として、高密度ポリエチレン系樹脂、ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリエステル系樹脂またはそれらの混合
物、特に高密度ポリエチレン系樹脂を用いることによ
り、有利に達成されることを見い出した。また、本発明
の目的は、上層中の熱可塑性樹脂(a)の含有割合を、
上層中の全熱可塑性樹脂成分に対して50重量%以上、
更に60重量%以上、特に70重量%以上にすることによ
り、顕著に達成されることを見い出した。また、本発明
の目的は、熱可塑性樹脂(b)として、特に低密度ポリ
エチレン系樹脂を用いることにより、有利に達成される
ことを見い出した。
【0018】また、本発明の目的は、基紙として、画像
形成層を設ける側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測
定されるカットオフ値0.8mmの抄紙方向の中心面平均
粗さが1.5μm以下、更に1.4μm以下、なお更に1.
3μm以下、特に1.2μm以下のものを用いることによ
り、相乗的に達成されることを見い出した。
【0019】また、本発明の目的は、該少なくとも2層
の樹脂層として、少なくとも最下層から成る樹脂層と少
なくとも最上層から成る樹脂層が逐次に溶融押し出しコ
ーティングされる、逐次押し出しコーティング方式によ
り被覆されたものを用いることにより、顕著にかつ相乗
的に達成されることを見い出した。また、少なくとも最
下層から成る樹脂層の厚さを、全樹脂層の厚さの25%
以上、更に40%以上、特に50%以上の厚さにすること
により、極めて、顕著にかつ相乗的に達成されることを
見い出した。
【0020】また、本発明の目的は、最上層用の樹脂組
成物の温度が、それより下側の樹脂層を構成する樹脂組
成物の温度より低い条件で、溶融押し出しコーティング
方式により、該少なくとも2層の樹脂層を被覆すること
により、極めて、顕著にかつ相乗的に達成することを見
い出した。
【0021】また、本発明の目的は、最上層中の添加剤
の含有割合を、それより下側の樹脂層中の添加剤の含有
割合より高くすること、特に添加剤として、白色顔料、
着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、酸化防止剤または離
型剤を用いることにより、効果的に達成されることを見
い出した。また、本発明の目的は、白色顔料として、二
酸化チタン顔料を用いること、更に二酸化チタン顔料の
最上層中の含有割合(最上層の重量に対する割合とし
て)を12重量%以上、特に15重量%以上にすることに
より、一層効果的に達成されることを見い出した。
【0022】更に、本発明の目的は、該少なくとも2層
の樹脂層を基紙に被覆する際の基紙の走行速度を200
m/分以上、更に250m/分以上、特に300m/分以上に
することにより、極めて、顕著にかつ相乗的に達成され
ることを見い出し、本発明に到ったものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像材料用支持体
について、詳細に説明する。
【0024】本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂
(a)としては、熱可塑性樹脂(b)の融点より高いも
のであれば、各種の熱可塑性樹脂が使用可能であるが、
その融点が115℃以上のものが好ましい。また、種々
の密度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のも
のを単独にあるいは混合して使用できる。なお、本明細
書で言う融点とは、樹脂被覆紙に加工する前の熱可塑性
樹脂について、示差走査熱量計で測定された、所謂DS
C融点を言う。このような熱可塑性樹脂(a)として
は、ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられる。それら
のポリエチレン系樹脂としては、高圧法により重合製造
したポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒を用いて
重合製造したポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒
以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹
脂およびこれらの混合物などを挙げることができる。中
でも、メタロセン重合触媒またはメタロセン重合触媒以
外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂
が、特に好ましい。
【0025】熱可塑性樹脂(a)として、本発明の実施
に好ましく用いられる高圧法により重合製造したポリエ
チレン系樹脂としては、オートクレーブ型反応器、チュ
ーブラー型反応器などを用いた高圧製造法による長鎖分
枝を有する各種のポリエチレン系樹脂である。それらの
高圧法により重合製造したポリエチレン系樹脂として
は、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹
脂、エチレンを主成分とするプロピレン、ブチレンなど
のα−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン樹脂などおよびこれらの混合物であり、各種の密
度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを
使用できるが、通常、密度が0.90〜0.95g/cm3
範囲、好ましくは密度が0.924〜0.95g/10分の
範囲、メルトフローレートが0.1〜50g/10分、好
ましくはメルトフローレートが0.4〜50g/10分の
範囲のものを単独に或いは二種以上混合して使用でき
る。なお、ポリエチレン系樹脂のメルトフレートは、J
IS K 6760「ポリエチレン試験法」に準拠して
規定されるものである。
【0026】熱可塑性樹脂(a)として、本発明の実施
に特に好ましく用いられるメタロセン重合触媒を用いて
重合製造したポリエチレン系樹脂としては、特表平3-50
2710号公報、特開昭60-35006号公報、特表昭63-501369
号公報、特開平3-234717号公報、特開平3-234718号公報
などに記載もしくは開示されている如く、ジルコニウム
系またはハフニウム系などのメタロセンと、好ましくは
メチルアルミノキサンなどとを組み合わせて触媒活性を
高めたものを重合触媒として用いて重合製造されたもの
である。それらのメタロセン重合触媒を用いて重合製造
したポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン
樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹
脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分
とするプロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンとの
共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂などおよび
これらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレー
ト、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、
密度が0.910〜0.97g/cm3の範囲、好ましくは0.
915〜0.97g/cm3の範囲、特に好ましくは密度が
0.920〜0.97g/cm3の範囲、メルトフローレート
が0.05〜500g/10分、好ましくは0.08〜30
0g/10分の範囲のものを単独に或いは二種以上混合し
て使用できる。
【0027】熱可塑性樹脂(a)として、本発明の実施
に特に好ましく用いられるメタロセン重合触媒以外の金
属重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂と
しては、例えばチーグラー法、フィリップス法などを用
いて重合製造した各種のポリエチレン系樹脂を挙げるこ
とができる。それらの金属メタロセン重合触媒以外の金
属重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂と
しては、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレ
ン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン
樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成
分とするプロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンと
の共重合体、あるいはカルボキシ変性ポリエチレン樹脂
などおよびこれらの混合物であり、各種の密度、メルト
フローレート、分子量、分子量分布のものを使用できる
が、通常、密度が0.87〜0.97g/cm3の範囲、好ま
しくは密度が0.905から0.97g/cm3の範囲、一層
好ましくは密度が0.910〜0.97g/cm3の範囲、な
お一層好ましくは密度が0.915〜0.97g/cm3の範
囲、更に好ましくは密度が0.920〜0.97g/cm3
範囲、特に好ましくは密度が0.930〜0.97g/cm3
の範囲、メルトフローレートが0.05〜500g/10
分、好ましくは0.08〜300g/10分の範囲のもの
を単独に或いは二種以上混合して使用できる。
【0028】また、本発明の実施に当たり、熱可塑性樹
脂(a)として、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂またはこれらの混合物も使用できる。なお、本
発明においては、ポリカーボネート系樹脂については、
軟化点をもって他の樹脂における融点と同意義的に使用
するものとする。本発明の実施に用いられるポリエステ
ル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分
解性樹脂およびこれらの混合物またはそれらとポリエチ
レン系樹脂との混合物であり、各種の密度、極限粘度
[η]のものを使用できる。具体的な代表例としては、三
菱化成株式会社製ポリエステル樹脂(商品名:NOVA
PEX HS004、融点235℃、密度1.33g/c
m3、極限粘度[η]0.73dl/g)を挙げることができ
る。また、ポリエステル樹脂とポリエチレン系樹脂との
混合物を有利に用いることができる。例えば、共重合ポ
リエチレンテレフタレート樹脂とマレイン酸でグラフト
変性された共重合ポリエチレン樹脂(融点74℃)との
混合物(三菱化成株式会社製、融点224℃)を挙げる
ことができる。また、本発明の実施に用いられるポリカ
ーボネート系樹脂としては、各種のグレードのものを使
用できるが、具体的な代表例としては、三菱化成株式会
社製ポリカーボネート系樹脂(商品名:NOVAREX
7022A、密度1.20g/cm3、メルトフローレート
12〜16g/10分、軟化点160℃〜190℃)を挙
げることができる。
【0029】本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂
(a)としては、画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感および剥離むらの改良効果の点から、その融点
が、115℃以上のものが好ましく、120℃以上のも
のが一層好ましく、125℃以上のものが特に好まし
い。すなわち、本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂
(a)の融点が低過ぎると、本発明の目的とする見た目
の光沢感の高いものが得られにくいし、剥離むらが発生
し易くなる。
【0030】本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂
(b)としては、その融点が熱可塑性樹脂(a)の融点
より低いものであれば、各種の熱可塑性樹脂が使用可能
であるが、見た目の光沢感の改良効果の点から、その融
点が、熱可塑性樹脂(a)の融点より5℃以上低いもの
が好ましく、10℃以上低いものが更に好ましく、15
℃以上低いものがなお一層好ましく、20℃以上低いも
のが特に好ましい。また、その融点が125℃以下のも
のが好ましく、120℃以下のものが更に好ましく、1
15℃以下のものが特に好ましい。また、種々の密度、
メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを単独
にあるいは混合して使用できる。
【0031】このような熱可塑性樹脂(b)としては、
ポリエチレン系樹脂が好ましく用いられる。それらのポ
リエチレン系樹脂としては、高圧法により重合製造した
ポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒を用いて重合
製造したポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒以外
の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂お
よびこれらの混合物などを挙げることができる。中で
も、高圧法により重合製造したポリエチレン系樹脂が好
ましい。また、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリ
エチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度
ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分とするプロピレ
ン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合体、ある
いはカルボキシ変性ポリエチレン樹脂などおよびこれら
の混合物であり、その融点が熱可塑性樹脂(a)の融点
より低いものであれば、各種の密度、メルトフローレー
ト、分子量、分子量分布のものを使用できる。
【0032】熱可塑性樹脂(b)として、本発明の実施
に好ましく用いられる高圧法により重合製造したポリエ
チレン系樹脂としては、オートクレーブ型反応器、チュ
ーブラー型反応器などを用いた高圧製造法による長鎖分
枝を有する各種のポリエチレン系樹脂である。それらの
高圧法により重合製造したポリエチレン系樹脂として
は、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹
脂、エチレンを主成分とするプロピレン、ブチレンなど
のα−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン樹脂などおよびこれらの混合物であり、各種の密
度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを
使用できるが、通常、密度が0.90〜0.95g/cm3
範囲、好ましくは密度が0.900〜0.930g/10分
の範囲、メルトフローレートが0.1〜50g/10分、
好ましくはメルトフローレートが0.4〜50g/10分
の範囲のものを単独に或いは二種以上混合して使用でき
る。
【0033】本発明の実施に用いられる熱可塑性樹脂
(a)としては、見た目の光沢感及び剥離むらの改良効
果の点から、融点が好ましくは115℃以上、一層好ま
しくは120℃以上、特に好ましくは125℃以上であ
るポリエチレン系樹脂を主成分として、融点が主成分と
して用いる樹脂の融点より低いポリエチレン系樹脂、好
ましくは融点が115℃より低いポリエチレン系樹脂を
混合した樹脂組成物が有利に用いられる。該樹脂組成物
としては、予め溶融・混合して調製したコンパウンド樹
脂組成物が好ましい。このように調製したコンパウンド
樹脂を用いると、成形加工性やフィルムの均一性の点お
よび樹脂ゲルと呼称される不均一な樹脂の固まりを防止
する点で好ましい。コンパウンド樹脂組成物を調製する
方法としては、各種の方法で行うことができる。例え
ば、混練用押し出し機、加熱ロール練り機、バンバリー
ミキサー、加圧ニーダーなどを用いて二種類以上のポリ
エチレン系樹脂、更に必要に応じてその他の熱可塑性樹
脂、酸化防止剤、離型剤などの各種の添加剤を加えて溶
融・混合した後、その混合物をペレット化する方法が有
利に用いられる。本発明の実施に当たっては、特に樹脂
物性が異なる熱可塑性樹脂を併用して使用する際には、
予め溶融・混合して用いるのが好ましい。上記の如く、
融点が高いポリエチレン系樹脂を主成分として、それよ
り融点が低いポリエチレン系樹脂を併用して用いる場
合、特に両者のメルトフローレートに大きな差がある場
合、例えば、主成分として用いるポリエチレン系樹脂の
メルトフローレートが5〜40g/10分であり、併用す
るポリエチレン系樹脂のメルトフローレートが0.2〜
4.5g/10分であるような場合には、特に予め溶融・
混合して調製したコンパウンド樹脂組成物として用いる
のが好ましい。
【0034】本発明の実施に用いられる、熱可塑性樹脂
(a)の上層樹脂層(A)中の含有割合および熱可塑性
樹脂(b)の下層樹脂層(B)中の含有割合としては、
それぞれの樹脂層中の全熱可塑性樹脂分に対して、それ
ぞれ最も多い含有割合であればよいが、見た目の光沢感
および剥離むらの改良効果の点から、50重量%以上が
好ましく、60重量%以上が更に好ましく、70重量%以
上が特に好ましい。なお、本明細書で言う上層(A)が
基紙に遠い側、下層(B)が基紙に近い側という相対的
位置関係を示すものである。また、本発明においては、
本発明の効果の点から、上層(A)が最上層であり、か
つ下層(B)が中間層または最下層である構成が好まし
く、下層(B)が最下層である構成が最も好ましい。ま
た、上記の該樹脂層中には、本発明の効果を損なわずに
本発明の要件を満たす範囲で、熱可塑性樹脂(a)、熱
可塑性樹脂(b)以外のその他の樹脂、例えば、ポリエ
チレン系樹脂、ポリブテン、ポリペンテンなどのホモポ
リマー、エチレン−ブチレン共重合体などのα−オレフ
ィンの2つ以上から成る共重合体、ポリエステル系樹脂
などを含有させてもよい。
【0035】本発明の実施に用いられる、熱可塑性樹脂
(a)および熱可塑性樹脂(b)をそれぞれ含有する上
層(A)および下層(B)の樹脂層中の樹脂成分のトー
タルとしてのメルトフローレートとしては、特に制限さ
れるものではないが、該樹脂組成物の溶融押し出しコー
ティング性、成形加工性および見た目の光沢感の改良効
果の点から、本発明の特に好ましい実施態様である、熱
可塑性樹脂がポリエチレン系樹脂である場合には、メル
トフローレートが2〜15g/10分の範囲が好ましく、
3〜10g/10分の範囲が更に好ましい。
【0036】本発明における画像材料用支持体は、基紙
の画像形成層が設けられる側を熱可塑性樹脂(a)を含
む上層(A)と熱可塑性樹脂(b)含む下層(B)とか
ら成る少なくとも2層の樹脂層で被覆した後に、該画像
材料用支持体が、少なくとも2層の樹脂層側に熱を保持
する状態で圧接されて製造される。本発明の実施にあた
り、熱を保持する状態での圧接としては、各種材質のロ
ールを用いる、熱カレンダー装置による熱カレンダー処
理が好ましく、熱ソフトカレンダー装置による熱ソフト
カレンダー処理が特に好ましい。本発明の熱カレンダー
処理、特に好ましくは熱ソフトカレンダー処理の好まし
い実施態様としては、表面温度50℃〜150℃、好ま
しくは55℃〜100℃、特に好ましくは60℃〜90
℃の金属ロールを少なくとも1本含む2本以上のロール
間で、処理を施すことである。熱カレンダー処理、特に
好ましくは熱ソフトカレンダー処理を施す際の温度は、
通常、表面温度50℃〜150℃であるが、本発明の実
施に用いられる、熱可塑性樹脂(a)と熱可塑性樹脂
(b)とを含有する樹脂層の融点との関連において決め
られる。本発明の特に好ましい熱ソフトカレンダー処理
の実施態様としては、金属ロール以外の他の1本のロー
ルが、ゴム被覆ロールである熱ソフトカレンダー装置に
よる熱ソフトカレンダー処理が特に好ましい。そのゴム
被覆ロールの硬度としては、ショアー硬度40〜100
が好ましく、ショアー硬度50〜80が特に好ましい。
熱カレンダー処理、特に好ましくは熱ソフトカレンダー
処理を施す際のプレス線圧は、好ましくは3〜45kgf/
cmであり、一層好ましくは4〜35kgf/cm、特に好まし
くは5〜25kgf/cmである。また、特にプレス線圧とし
て負荷をかけずとも、プレスロールの自重と紙の張力の
みによって処理する、いわゆる素通しの状態での処理も
有効である。熱処理回数は、1回でもよいが、効果の程
度に応じて、多数回行うことができる。この際、熱を保
持する状態での圧接が、2系列以上で行うことも、本発
明の好ましい実施態様である。このように熱カレンダー
処理を施すことにより、画像材料及びそのプリントの見
た目の光沢感は、著しく改良されるが、本発明において
は、更にもう一つの特徴を具備させることができる。す
なわち、基紙の画像形成層を設ける側に、下層に最も多
く含有せしめられる熱可塑性樹脂(b)より高い融点を
有する熱可塑性樹脂(a)を最も多く含有せしめた上層
を設けることにより、ブロッキングを起こすことなく、
したがって剥離むらの発生がない、画像材料用支持体を
得ることができる。さらに特筆すべきは、熱可塑性樹脂
よりなる樹脂被覆層を熱カレンダー処理するにも拘ら
ず、減速生産せずに200m/分以上、更に250m/分以
上、特に300mm/分以上の製造速度で、高速かつ安定
生産が可能なことである。
【0037】本発明における画像材料用支持体の基紙の
裏側の面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されるのが
好ましい。それらのフィルム形成能ある樹脂としては、
ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂が好まし
く、中でも溶融押し出しコーティング性の点からポリオ
レフィン樹脂が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂が特
に好ましい。また、特公昭60-17104号公報に記載もしく
は例示の電子線硬化樹脂で被覆してもよい。
【0038】本発明における画像材料用支持体の表側の
樹脂層としては、2層あるいはそれ以上の多層構成であ
ってもよいが、2層構成が本発明の目的を効率的に達成
する上で好ましい。また、本発明における画像材料用支
持体は、走行する基紙上に加熱溶融した樹脂組成物を流
延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング方
式によって製造される。その際、画像材料用支持体の表
側の2層あるいはそれ以上の多層の樹脂層が多層同時に
押し出しコーティングされる、いわゆる共押し出しコー
ティング方式を用いてもよいし、少なくとも最下層から
成る樹脂層、その後に少なくとも最上層から成る樹脂層
が順に別個のステーションで逐次に溶融押し出しコーテ
ィングされる、いわゆる逐次押し出しコーティング方式
を用いてもよい。本発明においては、画像材料及びその
プリントの見た目の光沢感及び剥離むらの改良効果の観
点から、逐次押し出しコーティング方式を用いて製造さ
れる画像材料用支持体が特に好ましい。また、逐次押し
出しコーティングする際に、少なくとも最下層から成る
樹脂層にコロナ放電処理などの活性化処理を施してもよ
いし、施さなくてもよい。
【0039】また、溶融押し出しコーティングの際、ス
リットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテ
イル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径
は0.1mm及至2mmであることが望ましい。また、多層
共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタ
イプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイ
プ等のいずれタイプでもよい。また、溶融フィルムの温
度は、280℃及至340℃であることが好ましく、そ
の際最上層用の樹脂組成物とそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度差をつけてもよい。例えば、最
上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度より5〜10℃低くして、樹脂
層の冷却ロールからの剥離性の向上を図ることが出来
る。
【0040】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層の被覆厚さとしては、8〜100μmの範囲が有用で
あるが、12〜60μmの範囲が好ましく、18〜40
μmの範囲が特に好ましい。また、本発明における特に
好ましい画像材料用支持体である、樹脂層が少なくとも
最下層から成る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹脂
層を逐次に溶融押し出しコーティングして被覆された多
層構成の場合、少なくとも最下層から成る樹脂層の厚さ
としては、画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感
及び剥離むらの改良効果の観点から、表側の全樹脂層厚
さの25%以上の厚さが好ましく、40%以上の厚さが一
層好ましく、50%以上の厚さが特に好ましいが、特に
制限されるものではない。また、裏側の基紙面は、フィ
ルム形成能ある樹脂を主成分とする裏樹脂層で好ましく
は被覆されるが、その樹脂はポリエチレン系樹脂が好ま
しく、その被覆厚さとしては表側の樹脂層と、特にカー
ルバランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一
般に8〜100μmの範囲が有用であるが、好ましくは
12〜60μmの範囲である。
【0041】本発明の実施に当たり、表・裏の樹脂組成
物を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。ま
た、特公昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に接する
側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に
走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。また、表、裏
の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーテ
ィングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング
方式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて裏
の樹脂層も二層以上の多層構成で被覆しても良い。ま
た、画像材料用支持体の表樹脂層面は光沢面、特公昭62
-19732号公報に記載の微粗面、マット面あるいは絹目面
等に加工することが出来、裏樹脂層は通常無光沢面に加
工するのが好ましい。
【0042】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60-3430号公報、特公
昭63-11655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-382
92号公報、特開平1-105245号公報等に記載もしくは例示
の二酸化チタン顔料を含有せしめるのが好ましい。ま
た、二酸化チタンの他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシ
ウム等の白色顔料、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、顔料の分散
剤及び離型剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、特開平1-10
5245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防
止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロ
シアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバ
イオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレ
ット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-254440号公
報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の
各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出
来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるい
はコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。ま
た、プリントの鮮鋭度または白色度あるいは画像材料用
支持体の耐熱性、耐光性または離型性の効果的な向上等
の点から、酸化チタン等の白色顔料及び蛍光増白剤、着
色顔料や着色染料あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤ま
たは離型剤等その他の添加剤を最上層中に、それより下
側の樹脂層中より高濃度に含有せしめるのが好ましい。
特に、二酸化チタン顔料の最上層中の含有割合(最上層
中の重量に対する割合として)を、7重量%以上、更に
9重量%以上、なお更に12重量%以上、特に15重量%
以上にすることが好ましい。
【0043】本発明の実施に用いられる基紙は通常の天
然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプを主成分として合成パルプ、合成繊維と
からなる混抄紙でもよい。それらの天然パルプとして
は、特開昭58-37642号公報、特開昭60-67940号公報、特
開昭60-69649号公報、特開昭61-35442号公報等に記載も
しくは例示してあるような適切に選択された天然パルプ
を用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次亜塩素
酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ
抽出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過酸化水
素、酸素などによる酸化漂白処理など、およびそれらの
組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、
針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いら
れ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソー
ダパルプなどの各種のものを用いることができる。
【0044】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に各種の添
加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂
肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62-7534号公報に記
載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるい
はエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアル
キルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力
増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性の
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン
化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤と
して、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、
酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸
バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤とし
て、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等、その他特開昭63
-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記載もしく
は例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組
み合せて含有せしめるのが有利である。
【0045】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、各種の水
溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテック
ス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズプレス
もしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エア
ーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せし
めることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロ
イドとして、特開平1-266537号公報に記載もしくは例示
の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、
ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、
セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス
類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55-4027号公
報、特開平1-180538号公報に記載もしくは例示のエチレ
ンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構
成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテック
ス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、
酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブ
タジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれら
のカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテ
ックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリ
ウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコ
ロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有
機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭
酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンな
ど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性
ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍
光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含有せしめる
のが有利である。
【0046】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は30〜250g/
m2のものが好ましい。
【0047】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙としては、画像材料及びそのプリ
ントの見た目の光沢感を顕著に改良する観点で、基紙の
表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカッ
トオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さSRa
(以下、基紙の表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて
測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面
平均粗さSRaなる術語を、単に中心面平均粗さSRa
と略することがある)が1.5μm以下のものが好まし
く、1.4μm以下のものが更に好ましく、1.3μm以下
のものが一層好ましく、1.2μm以下のものが特に好ま
しい。
【0048】本明細書で言う触針式3次元表面粗さ計を
用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面平均
粗さSRaとは、数式1で規定されるものである。
【0049】
【数1】
【0050】数式1において、Wxは試料面域のX軸方
向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸
方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは
試料面域の面積を表す。
【0051】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってSa=1
60mm2の条件で求めることが出来る。なお、X軸方向
のデータ処理としてはサンプリングを500点行い、Y
軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0052】中心面平均粗さSRaが1.5μm以下であ
る基紙は、具体的には、以下の方法を用いることによ
り、好ましくは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは
3つ以上組み合わせて用いることにより得られることが
本発明者らの検討により明らかとなった。
【0053】(1)使用する天然パルプとしては、広葉
樹漂白クラフトパルプまたは広葉樹漂白クラフトパルプ
と広葉樹漂白サルファイトパルプの併用が好ましい。ま
た、紙用薬品が添加される前の叩解後のパルプについて
測定された、パルプの繊維長が、好ましくは0.42mm
〜0.70mm、一層好ましくは0.45mm〜0.65mm、
なお一層好ましくは0.47mm〜0.61mm、特に好まし
くは0.49mm〜0.57mmの範囲になるように叩解、調
製されたものを用いる。パルプの繊維長が短過ぎると基
紙の内部結合強度が弱くなり、剛度が低くなったりする
し、一方パルプの繊維長が長過ぎると基紙の中心面平均
粗さSRaが大きくなる傾向がある。なお、本明細書で
言うパルプの繊維長とは、叩解後のパルプについて、J
APAN TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89
「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長
さ加重平均繊維長(mm)で表示したものを言う。
【0054】(2)湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用い
る。具体的には、例えば特開平3-29945号公報に記載も
しくは例示のような多段の緊度プレスを湿紙に行う。
【0055】(3)基紙中あるいは基紙上に、各種の水
溶性ポリマー、親水性コロイドあるいはポリマーラテッ
クスを含有あるいは塗設せしめる。具体的には、基紙中
あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーもしくは親水性
コロイドあるいはポリマーラテックスをサイズプレスも
しくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアー
ナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量として1.0g
/m2以上、好ましくは2.2g/m2以上含有あるいは塗設せ
しめるのが好ましい。
【0056】(4)基紙を抄造後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いて少なくとも
2系列以上のカレンダー処理を基紙に行う。具体的に
は、例えば基紙に第1系列のカレンダー処理としてマシ
ンカレンダー処理あるいは/及び熱マシンカレンダー処
理を行い、その後第2系列以降のカレンダー処理として
必要に応じて更にマシンカレンダー処理を行った後、特
開平4-110939号公報に記載もしくは例示の熱ソフトカレ
ンダー処理を行うのが好ましい。
【0057】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしく
は例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイ
ンダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0058】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0059】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0060】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱移行型熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱移行
型熱転写記録受像材料用支持体として用いることができ
る。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用いられる合
成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアクリレート
樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエステル結
合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合を
有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する樹
脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリカ
プロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等が挙げられる。これら樹脂に加えて、
これらの混合物もしくは共重合体等も使用できる。
【0061】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、
弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイ
ル類等が挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオ
イルが最も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、
油状の物も使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変
性シリコーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコ
ーンオイルの添加量は、受像層中に0.1〜20wt%が好
ましい。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、
酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、
受像層の厚さとしては、0.5〜20μmが好ましく、2
〜10μmが更に好ましい。
【0062】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906号公報、特開平3-281383号公報、
特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげることが
でき、これらを単独或は併用して含有せしめることがで
きる。
【0063】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0.2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等に
記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、p
H調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0064】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0065】<基紙の製造>広葉樹漂白クラフトパルプ
85重量%及び広葉樹漂白サルファイトパルプ15重量%
から成る混合パルプを叩解後のパルプの繊維長(JAP
AN TAPPI紙パルプ試験方法No.52−89「紙及
びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重
平均繊維長で表示して)が0.60mmになるように叩解
後、パルプ100重量部に対して、カチオン化澱粉3重
量部、アニオン化ポリアクリルアミド0.2重量部、ア
ルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分とし
て)0.4重量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色
染料を添加して紙料スラリーを調製した。その後、紙料
スラリーを200m/分で走行している長網抄紙機にのせ
適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェッ
トパートで15〜100kgf/cmの範囲で線圧が調節され
た3段のウェットプレスを行った後、スムージングロー
ルで処理し、引き続く乾燥パートで30〜70kgf/cmの
範囲で線圧が調節された2段の緊度プレスを行った後、
乾燥した。その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビ
ニルアルコール4重量部、蛍光増白剤0.05重量部、
青色染料0.002重量部、塩化ナトリウム4重量部及
び水92重量部から成るサイズプレス液を25g/m2サイ
ズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分率で
8重量%になるように乾燥し、線圧70kgf/cmでマシン
カレンダー処理して、坪量170g/m2の中心面平均粗さ
SRaが1.30μmである画像材料用支持体の基紙を製
造した。
【0066】<裏面樹脂層の形成>次に、画像形成層を
塗設する側とは反対側の基紙面(裏面)をコロナ放電処
理した後、該裏面に低密度ポリエチレン樹脂[密度0.9
24g/cm3、メルトフローレート(以下、ポリエチレン
系樹脂のメルトフローレートのことをMFRと略す)=
1g/10分]30重量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度
0.967g/cm3、MFR=15g/10分)70重量部から
成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温度320℃で25
μmの樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し
出しコーティングした。この際、冷却ロールとしては、
下記バック層を塗設後の該バック層面の中心面平均粗さ
SRaが1.15μmになる粗面度のものを用いた。な
お、使用した冷却ロールは液体ホーニング法で粗面化さ
れた冷却ロールで、冷却水温度12℃で操業した。引き
続き、下記のようにして表樹脂層を被覆して、樹脂被覆
紙を製造した。
【0067】比較例1〜2 基紙の表面をコロナ放電処理した後、該表面に高圧法低
密度ポリエチレン樹脂[密度0.920g/cm3、MFR=
4.5g/10分、融点109℃、以下、低密度ポリエチレ
ン樹脂(LDPE−1)と略す]47.1重量%、含水酸
化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl23分と
して0.50重量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化
チタン顔料50重量%と群青(第一化成工業株式会社
製、#2000)0.4重量%とステアリン酸亜鉛2.5
重量%及びテトラキス〔メチレン−3(3、5−ジ−ter
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕メタン150ppmから成る二酸化チタン顔料マスタ
ーバッチ[以下、マスターバッチ(MB−1)と略す]2
5重量部と低密度ポリエチレン樹脂(LDPE−1)7
5重量部から成る樹脂組成物を樹脂温度315℃で30
μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出し
機を用いて、鏡面の冷却ロールとプレスロールの線圧4
0kgf/cmで溶融押し出しコーティングした。なお、表、
裏のポリエチレン樹脂の溶融押し出しコーティングは、
逐次溶融押し出しコーティングが行われる、いわゆるタ
ンデム方式で行われた。その際、該樹脂被覆紙の二酸化
チタン顔料を含む樹脂層の表面は、グロッシー面に加工
した。
【0068】さらに、表、裏樹脂層を加工後巻き取るま
での間に、カレンダー処理を施さないこと、あるいはオ
ンマシン上で表2に記載のプレス温度、プレス線圧及び
系列数の条件での熱ソフトカレンダー処理を施し、引き
続くゾーンで樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放電処理
後、下記のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾燥
重量分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテック
ス=1:1から成り、さらにポリスチレンスルフォン酸
ソーダ0.021g/m2の他適量の塗布助剤などを含むバ
ック層用塗液をラテックス分(固形重量計算で)として
0.21g/m2になる塗布量で塗設した。
【0069】さらに、バック層を塗設後、樹脂被覆紙を
巻き取るまでの間に、表側の樹脂面にコロナ放電処理を
施し、石灰処理ゼラチン1.2g、低分子量ゼラチン(新
田ゼラチン株式会社製、P−3226)0.3g、塩化ビ
ニリデン系ラテックス1.5g、パラオキシ安息香酸ブチ
ルの10重量%メタノール溶液0.3g及びスルフォコハ
ク酸−2−エチルヘキシルエステル塩のメタノールと水
の5重量%混合液0.45gを含み、全量を水で100gに
調製した配合の下引塗液をゼラチン塗布量0.06g/m2
になるように均一にオンマシン塗布して画像材料用支持
体を得た。
【0070】比較例3〜4 比較例2において用いた樹脂組成物の代わりに、マスタ
ーバッチ(MB−1)25重量部と低密度ポリエチレン
樹脂(LDPE−1)22重量部と高密度ポリエチレン
樹脂[密度0.967g/cm3、MFR=7.0g/10分、融
点130℃、以下、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE
−1)と略す]53重量部から成る樹脂組成物を用いる
こと及びカレンダー処理を施さないこと、あるいは表2
に記載のプレス温度、プレス線圧並びに系列数の条件で
の熱ソフトカレンダー処理を施すこと以外は比較例2と
同様にして画像材料用支持体を得た。
【0071】比較例5〜7 基紙の表面をコロナ放電処理後、該表面に下層用の樹脂
組成物として、厚さ15μmの比較例2と同じ表樹脂層
用の樹脂組成物、上層用の樹脂組成物として、厚さ15
μmの比較例2と同じ表樹脂層用の樹脂組成物をそれぞ
れの樹脂温度315℃で基紙の走行速度200m/分で、
二層共押し出し機を用いて、鏡面の冷却ロールとプレス
ロールの線圧40kgf/cmで二層同時押し出しコーティン
グして表樹脂層を被覆すること及びカレンダー処理を施
さないこと、あるいは表2に記載のプレス温度、プレス
線圧並びに系列数の条件での熱ソフトカレンダー処理を
施すこと以外は、比較例2と同様にして画像材料用支持
体を得た。
【0072】比較例8〜10 比較例7において用いた上層用の樹脂組成物の代わり
に、マスターバッチ(MB−1)25重量部と低密度ポ
リエチレン樹脂(LDPE−1)22重量部と高密度ポ
リエチレン樹脂(HDPE−1)53重量部から成る樹
脂組成物を用いること及びカレンダー処理を施さないこ
と、あるいは表2に記載のプレス線圧並びに系列数の条
件でのソフトカレンダー処理(熱が加わらない圧接のみ
の処理)を施すこと以外は比較例7と同様にして画像材
料用支持体を得た。
【0073】比較例11〜13 比較例10において用いた下層用の樹脂組成物の代わり
に、マスターバッチ(MB−1)25重量部と低密度ポ
リエチレン樹脂(LDPE−1)22重量部と高密度ポ
リエチレン樹脂(HDPE−1)53重量部から成る樹
脂組成物を用いること及びカレンダー処理を施さないこ
と、あるいは表2に記載のプレス温度、プレス線圧並び
に系列数の条件での熱ソフトカレンダー処理を施すこと
以外は比較例10と同様にして画像材料用支持体を得
た。
【0074】比較例14〜16 基紙の表面をコロナ放電処理後、該表面に最下層の樹脂
層として、厚さ15μmの比較例1と同じ表樹脂層用の
樹脂組成物、中間層の樹脂層として、厚さ10μmの比
較例1と同じ表樹脂層用の樹脂組成物、最上層の樹脂層
として、厚さ5μmの比較例1と同じ表樹脂層用の樹脂
組成物をそれぞれの樹脂温度315℃で基紙の走行速度
200m/分で、三層共押し出し機を用いて、鏡面の冷却
ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで三層同時押し
出しコーティングして表樹脂層を被覆すること及びカレ
ンダー処理を施さないこと、あるいは表2に記載のプレ
ス温度、プレス線圧並びに系列数の条件で、熱ソフトカ
レンダー処理を施すこと以外は、比較例1と同様にして
画像材料用支持体を得た。
【0075】実施例1〜2 比較例9で用いたカレンダー処理の代わりに、表2に記
載のプレス温度、プレス線圧及び系列数の条件での熱ソ
フトカレンダー処理を施すこと以外は、比較例9と同様
に実施して画像材料用支持体を得た。
【0076】実施例3 比較例15において用いた、厚さ10μmの中間層用及
び厚さ5μmの最上層用の樹脂組成物の代わりに、下記
のものをそれぞれ用いること及び表2に記載のプレス温
度、プレス線圧並びに系列数の条件での熱ソフトカレン
ダー処理を施すこと以外は、比較例15と同様にして画
像材料用支持体を得た。厚さ10μmの中間層用の樹脂
組成物として、マスターバッチ(MB−1)25重量
部、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE−1)30重量
部及び下記のポリエステル樹脂(PETR−1、融点2
24℃)45重量部とから成るコンパウンド樹脂組成物
を用いた。
【0077】ポリエステル樹脂(PETR−1)は、共
重合ポリエチレンテレフタレート(ジカルボン酸成分が
すべてテレフタール酸から成り、ジオール成分がエチレ
ングリコール88モル%、1.4シクロヘキサンジメタノ
ール10モル%、ジエチレングリコール2モル%から成
る、金属原子含有量が0.005重量%、極限粘度[η]
0.71dl/gであるもの)80重量部と無水マレイン酸
0.4重量%でグラフト変性された共重合ポリエチレン樹
脂(密度0.88g/cm3、MFR=2g/10分、融点74
℃)20重量部とから成り、それぞれを充分乾燥した
後、ペレットブレンドし、二軸混練押し出し機にて溶融
混練し、冷却、ペレット化して製造された。
【0078】厚さ5μmの最上層用の樹脂組成物とし
て、下記のマスターバッチ(MB−2)25重量部とポ
リエステル樹脂(PETR−2、密度1.33g/cm3、極
限粘度[η]0.7dl/g、融点224℃)75重量部とか
ら成るコンパウンド樹脂組成物を用いた。マスターバッ
チ(MB−2)は、マスターバッチ(MB−1)の調製
に用いた低密度ポリエチレン樹脂(LDPE−1)の代
わりに、ポリエステル樹脂(PETR−2)の同重量部
を用いる以外は、マスターバッチ(MB−1)と同様に
して調製した。
【0079】実施例4 比較例7において用いた上層用の樹脂組成物の代わり
に、下記のマスターバッチ(MB−3)25重量部とポ
リカーボネート樹脂(PC−1、三菱化成株式会社製、
低粘度タイプ、軟化点190℃)75重量部とから成る
コンパウンド樹脂組成物を用いること及び表2に記載の
プレス温度、プレス線圧並びに系列数の条件での熱ソフ
トカレンダー処理を施すこと以外は、比較例7と同様に
して画像材料用支持体を得た。マスターバッチ(MB−
3)は、マスターバッチ(MB−1)の調製に用いた低
密度ポリエチレン樹脂(LDPE−1)の代わりに、ポ
リカーボネート樹脂(PC−1)の同重量部を用いる以
外は、マスターバッチ(MB−1)と同様にして調製し
た。
【0080】上記の各実施例及び各比較例で得られた画
像材料用支持体の表側の鏡面の表面状態を斜光で観察
し、剥離むらの発生の程度を10人のモニターにより視
覚的に判定して、10段階のグレード評価を行った。評
価基準(グレード数値の大きい程、剥離むらの発生が少
ないこと、グレード数値の小さい程、剥離むらの発生が
多いことを表す)としては、以下の通りである。
【0081】 グレード10〜9:剥離むらの発生が極めてまたはかな
り少なく、極めて良好である。 グレード 8〜7:剥離むらの発生が少なく良好であ
る。 グレード 6〜5:剥離むらの発生がややあるが、実用
可能である。 グレード 4〜1:剥離むらの発生が多く、実用上問題
がある。
【0082】次に、画像材料用支持体を有する写真プリ
ントの見た目の光沢感の評価方法としては、以下に記載
の方法で評価した。
【0083】画像材料用支持体の下引層上に隣接して順
に、黄色発色カプラーを含む青感乳剤層、色混り防止剤
を含む中間層、マゼンタ発色カプラーを含む緑感乳剤
層、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色カプ
ラーを含む赤感乳剤層及び保護層を多層塗布用Eバーに
より塗設してゼラチンの総量が7g/m2であるカラー印画
紙を作成した。各色感乳剤層は硝酸銀で0.6g/m2に相
当する塩臭化銀を含み、更にハロゲン化銀の生成、分散
及び成膜に必要なゼラチンの他、適量のカブリ防止剤、
増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤及び適量のフィル
ター染料などを含む。
【0084】次に、作成したカラー印画紙を35℃、常
湿下に5日間保存後、集合写真を焼き付け、現像、漂白
・定着、安定の現像処理をした後乾燥し、写真プリント
を作成した。又、別途白べた(未露光)及び黒べた(黒
色発色)の焼き見本も作成した。なお、露光、現像、乾
燥の一連の処理は、自動プリンター及び自動現像機によ
り行った。なお、発色現像処理は、発色現像(45秒)
→漂白・定着(45秒)→安定(1分30秒)→乾燥の
手順で行われた。
【0085】得られた集合写真、白べた及び黒べたの写
真プリントについて、10人のモニターにより視覚的に
写真プリントの見た目の光沢感を総合的に判定して、1
0段階のグレード評価を行った。評価基準(グレード数
値の大きい程、見た目の光沢感が高いこと、グレード数
値の小さい程、見た目の光沢感が低いことを表す)とし
ては、以下のとおりである。
【0086】 グレード10〜9:見た目の光沢感が極めてまたはかな
り高い。 グレード 8〜6:見た目の光沢感が高い。 グレード 5〜4:見た目の光沢感がやや低いが、実用
可能である。 グレード 3〜1:見た目の光沢感が低く、実用上問題
がある。
【0087】表樹脂層中の熱可塑性樹脂の融点及び含有
割合を表1に示す。なお、表1中の熱可塑性樹脂の含有
割合(注1)は、各樹脂層中の全熱可塑性樹脂成分に対
する各熱可塑性樹脂の含有割合を重量%(wt%)で表示し
てある。
【0088】
【表1】
【0089】得られた結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】表2の結果から、天然パルプを主成分とす
る基紙の表側が熱可塑性樹脂(a)を最も多く含む上層
(A)と、熱可塑性樹脂(b)を最も多く含む下層
(B)とから成る少なくとも2層の樹脂層で被覆された
画像材料用支持体であって、熱可塑性樹脂(a)は、そ
の融点が熱可塑性樹脂(b)の融点より高いものであ
り、かつ少なくとも2層の樹脂層を被覆した後に該画像
材料用支持体が、少なくとも2層の樹脂層側に熱を保持
する状態で圧接された、本発明における画像材料用支持
体(実施例1〜4)は、見た目の光沢感の高い写真プリ
ントが得られる、かつ剥離むらの発生がない、優れた画
像材料用支持体であることがよくわかる。また、写真プ
リントの見た目の光沢感の改良効果の点から、熱を保持
する状態での圧接(熱ソフトカレンダー処理)は、2系
列以上で行われるのが好ましいことがよくわかる。さら
に、プレス線圧との関連で検討すると、プレス線圧は3
〜45kgf/cmで行われるのが好ましく、4〜35kgf/cm
で行われるのが一層好ましく、5〜25kgf/cmで行われ
るのが特に好ましいことがよくわかる。一方、熱を保持
する状態での圧接が施されない場合(比較例1、3、
5、8〜11及び14)や、上層及び下層共が比較的高
融点の熱可塑性樹脂を最も多く含み、かつ上層中及び下
層中の主成分樹脂の融点が本発明の要件を満たさない場
合(比較例12及び13)及び表樹脂層が比較的高融点
の熱可塑性樹脂を最も多く含み、かつ単層である場合
(比較例4)の本発明外の画像材料用支持体は、写真プ
リントの見た目の光沢感が低くて、問題があることがよ
くわかる。また、上層及び下層共が比較的低融点の熱可
塑性樹脂を最も多く含み、かつ上層中及び下層中の主成
分樹脂の融点が本発明の要件を満たさない場合(比較例
6、7、15及び16)及び表樹脂層が比較的低融点の
熱可塑性樹脂を最も多く含み、かつ単層である場合(比
較例2)の本発明外の画像材料支持体は、たとえプレス
温度、プレス線圧、系列数などの条件を変動させても、
写真プリントの見た目の光沢感が低く、また熱ソフトカ
レンダー処理でロールにブロッキングする傾向があり、
トータルとしての剥離むらの発生も悪く、問題があるこ
とがよくわかる。
【0092】実施例5〜7及び比較例17〜18 実施例1において、下層用の樹脂組成物として、実施例
1の下層用と同じ樹脂組成物を用い、上層用の樹脂組成
物として、マスターバッチ(MB−1)25重量%と表
3に記載の配合量(重量%、wt%と表示する)の高密度ポ
リエチレン樹脂(HDPE−1)と残重量%の低密度ポ
リエチレン樹脂(LDPE−1)からなる樹脂組成物を
用いることは以外は、実施例1と同様に実施した。な
お、熱ソフトカレンダー処理の処理条件も実施例1と同
じく、プレス温度80℃、プレス線圧10kgf/cm、系列
数2系列とした。また、表3中の高密度ポリエチレン樹
脂の含有割合(注2)は、上層中の全熱可塑性樹脂成分
に対する高密度ポリエチレン樹脂の含有割合を重量%(w
t%)で表示してある。
【0093】得られた結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】表3の結果から、本発明における画像材料
用支持体(実施例5〜7)は、見た目の光沢感の高い写
真プリントが得られる、かつ剥離むらの発生が少ない、
優れた画像材料支持体であることがよくわかる。また、
下層樹脂層中に最も多く含有する熱可塑性樹脂(b)よ
り融点が高く、かつ上層樹脂層中に最も多く含有する熱
可塑性樹脂(a)の含有割合は、見た目の光沢感及び剥
離むらの改良効果の点から、上層樹脂層中の全熱可塑性
樹脂成分に対して50重量%以上が好ましく、60重量%
以上がさらに好ましく、70重量%以上が特に好ましい
ことがよくわかる。一方、上層中の熱可塑性樹脂(a)
が本発明の要件を満たさない本発明外の画像材料用支持
体(比較例17〜18)は、写真プリントの見た目の光
沢感が低く、剥離むらの発生も悪くて、問題があること
がよくわかる。
【0096】実施例8〜12 段落0065〈基紙の製造〉において、表4に記載の繊
維長になるように叩解したパルプを用いること及びマシ
ンカレンダーの線圧を適宜調節すること以外は、段落0
065と同様にして表4に記載の中心面平均粗さSRa
を有する基紙を製造した。これらの基紙を実施例1で用
いた基紙の代わりに用いること及びプレス温度80℃、
表4に記載のプレス線圧並びに系列数の条件での熱ソフ
トカレンダー処理を施すこと以外は、実施例1と同様に
実施した。
【0097】得られた結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】表4の結果から、本発明における画像材料
用支持体(実施例8〜12)は、見た目の光沢感の高い
写真プリントが得られる、かつ剥離むらの発生が無い、
優れた画像材料支持体であることがよくわかる。また、
本発明の実施に用いられる基紙としては、その中心面平
均粗さSRaが、1.5μm以下のものが好ましく、1.
4μm以下のものが一層好ましく、1.3μm以下のもの
がなお一層好ましく、1.2μm以下のものが特に好まし
いことがよくわかる。また、熱ソフトカレンダー処理の
系列数は、1系列より2系列の方が遥かに優れているこ
とがわかる。
【0100】実施例13〜21 実施例1において実施した表樹脂層の樹脂被覆の代わり
に、基紙の表面をコロナ放電処理後、表樹脂層として、
該表面に下層用の樹脂組成物として、被覆厚さ15μm
の下記に記載の樹脂組成物(R1)〜(R3)、上層用
の樹脂組成物として、被覆厚さ15μmの下記に記載の
樹脂組成物(R4)〜(R5)を、表5に記載の組み合
わせで、かつ表5に記載の樹脂組成物の温度で基紙の走
行速度300m/分で、下層、その後に上層の順に別個の
ステーションで溶融押し出し機を用いて、それぞれ鏡面
ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで逐次溶融押し
出しコーティングして表樹脂層を被覆すること、かつ熱
ソフトカレンダー処理条件をプレス温度80℃、プレス
線圧20kgf/cm、系列数2系列とすること以外は、実施
例1と同様に実施した。
【0101】下層用樹脂組成物(R1):実施例1で用
いたものと同じ下層用樹脂組成物。
【0102】下層用樹脂組成物(R2):低密度ポリエ
チレン樹脂(LDPE−1)である樹脂組成物。
【0103】下層用樹脂組成物(R3):密度0.92
4g/cm3、MFR4.0g/10分、融点110℃のチュー
ブラ法低密度ポリエチレン樹脂である樹脂組成物。
【0104】上層用樹脂組成物(R4):実施例1で用
いたものと同じ上層用樹脂組成物。
【0105】上層用樹脂組成物(R5):マスターバッ
チ(MB−1)30重量部と低密度ポリエチレン樹脂
(LDPE−1)18.6重量部と高密度ポリエチレン
樹脂(HDPE−1)51.4重量部から成る樹脂組成
物。
【0106】得られた結果を表5に示す。
【0107】
【表5】
【0108】表5の結果から、本発明における画像材料
用支持体(実施例13〜21)は、見た目の光沢感の高
い写真プリントが得られる、かつ剥離むらの発生が無
い、優れた画像材料用支持体であることがよくわかる。
また、本発明においては、写真プリントの見た目の光沢
感及び剥離むらの改良効果の点から、多層構成である表
樹脂層用の樹脂組成物を溶融押し出しコーティングする
に際して、最上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側
の樹脂層を構成する樹脂組成物の温度より低くすること
が好ましいことがよくわかる。また、最上層より下側の
樹脂層中の二酸化チタン顔料、着色顔料、離型剤、酸化
防止剤などの添加剤の含有割合を、最上層中の添加剤の
含有割合より低くしても、本発明の効果に全く問題な
く、経済的に有利であることがよくわかる。
【0109】実施例22〜24 実施例1において、基紙の走行速度を表6に記載の走行
速度にすること、かつ下層用の樹脂組成物として、被覆
厚さ15μmの実施例17で用いたものと同じ下層用樹
脂組成物(R2)、上層用の樹脂組成物として、被覆厚
さ15μmの実施例17で用いたものと同じ上層用樹脂
組成物(R5)を用いること、なおかつ熱ソフトカレン
ダー処理条件をプレス温度80℃、プレス線圧20kgf/
cm、系列数2系列とすること以外は実施例1と同様に実
施した。なお、二層の表樹脂層用樹脂組成物の溶融押し
出しコーティングは、実施例1と同様に共押し出し方式
で実施した。
【0110】得られた結果を表6に示す。
【0111】実施例25〜32 実施例17において、基紙の走行速度を表6に記載の走
行速度にすること及び表樹脂層の上層と下層の被覆厚さ
を表6に記載の被覆厚さにすること以外は、実施例17
と同様に実施した。なお、熱ソフトカレンダー処理の処
理条件も実施例17と同じく、プレス温度80℃、プレ
ス線圧20kgf/cm,系列数2系列とした。また、2層の
表樹脂層用樹脂組成物の溶融押し出しコーティングは、
実施例17と同様に逐次溶融押し出しコーティング方式
(表6中では、逐次方式と略す)で実施した。
【0112】得られた結果を表6に示す。
【0113】
【表6】
【0114】表6の結果から、本発明における画像材料
支持体の中でも、写真プリントの見た目の光沢感及び剥
離むらの改良効果の点から、少なくとも最下層からなる
樹脂層の厚さが、全樹脂厚さの25%以上の厚さが好ま
しく、40%以上の厚さが一層好ましく、50%以上の厚
さが特に好ましいことがよくわかる。また、実施例22
と実施例25(各々基紙の走行速度200m/分)、実施
例23と実施例26(各々基紙の走行速度250m/分)
及び実施例24と実施例30(各々基紙の走行速度30
0m/分)の結果の比較から、基紙の走行速度(即ち、画
像材料用支持体の製造速度)が速くなればなる程、即ち
基紙の走行速度が、200m/分以上、更には250m/分
以上、特に300m/分以上である場合には、写真プリン
トの見た目の光沢感及び剥離むらの改良効果の点から、
本発明における画像材料用支持体の中でも逐次溶融押し
出しコーティング方式で表樹脂層が多層構成にされた画
像材料用支持体が、特に好ましいことがよくわかる。更
に、該画像材料支持体は、見た目の光沢感の高い画像材
料及びそのプリントが得られる、かつ剥離むらの発生が
ない、なおかつ高速かつ安定生産出来る、特に優れた画
像材料支持体であることがよくわかる。
【0115】実施例33及び比較例19 実施例17及び比較例1で用いた画像材料用支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真構成層の代わりに、下記のイン
ク受像層を塗設してインクジェット記録材料を作成し
た。その結果、本発明における画像材料用支持体(実施
例17のもの)を有するインクジェット記録材料(該支
持体に対応して実施例33)は、見た目の光沢感が高く
良好なものであったが、一方本発明外の画像材料用支持
体(比較例1のもの)を有するインクジェット記録材料
(該支持体に対応して比較例19)は、見た目の光沢感
が劣って問題があるものであった。
【0116】インク受像層は、分子量7万のアルカリ処
理ゼラチンの10重量%ゼラチン水溶液30g、ソジウム
カルボキシメチルセルローズ(エーテル化度0.7〜0.
8、B型粘度計での2重量%水溶液の粘度が5cp以下の
もの)の8重量%水溶液37.5g、エポキシ化合物(長
瀬産業株式会社製NER−010)の5重量%メタノー
ル溶液0.3g、スルフォコハク酸−2−エチルヘキシル
エステル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.5g及
び純水31.7gからなる塗液を固形分量7g/m2分塗設し
て形成された。
【0117】実施例34及び比較例20 実施例17及び比較例1で用いた画像材料用支持体上に
ハロゲン化銀カラー写真構成層の代わりに、下記の熱移
行型熱転写記録受像層を塗設して熱移行型熱転写記録受
像材料を作成した。その結果、本発明における画像材料
用支持体(実施例17のもの)を有する熱移行型熱転写
記録受像材料(該支持体に対応して実施例34)は、見
た目の光沢感が高いものであったが、一方本発明外の画
像材料用支持体(比較例1のもの)を有する熱移行型熱
転写記録受像材料(該支持体に対応して比較例20)
は、見た目の光沢感が劣って問題があるものであった。
【0118】熱移行型熱転写記録受像層は、飽和ポリエ
ステル樹脂(TP−220:日本合成株式会社製)10
重量部、アミノ変性シリコーン(KF−393:信越化
学株式会社製)0.5重量部及び溶剤(キシレン/メチ
ルエチルケトン=1/1)30重量部から成る塗布組成
物をワイヤーバーを用いて固形分量5g/m2分塗設して形
成された。
【0119】
【発明の効果】本発明により、見た目の光沢感の高い画
像材料及びそのプリントが得られる、かつ剥離むらの発
生のない、なおかつ高速かつ安定生産出来る、紙を基質
とする優れた樹脂被覆紙型の画像材料用支持体を提供で
きる。

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、紙基質の画像形成層を設ける側が熱可塑性樹脂
    (a)を最も多く含む上層(A)と熱可塑性樹脂(b)
    を最も多く含む下層(B)とから成る少なくとも2層の
    樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、熱可塑
    性樹脂(a)は、その融点が熱可塑性樹脂(b)の融点
    より高いものであり、かつ少なくとも2層の樹脂層を被
    覆した後に該画像材料支持体が、少なくとも2層の樹脂
    層側に熱を保持する状態で圧接された事を特徴とする画
    像材料用支持体。
  2. 【請求項2】 熱を保持する状態での圧接が、熱カレン
    ダー処理である請求項1記載の画像材料用支持体。
  3. 【請求項3】 熱カレンダー処理が熱ソフトカレンダー
    処理である請求項2記載の画像材料用支持体。
  4. 【請求項4】 熱を保持する状態での圧接が、表面温度
    50℃〜150℃の金属ロールを少なくとも1本含む2
    本以上のロール間での圧接である請求項1、2または3
    記載の画像材料用支持体。
  5. 【請求項5】 熱を保持する状態での圧接が、2系列以
    上で行われるものである請求項1、2、3または4記載
    の画像材料用支持体。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂(a)が、高密度ポリエチ
    レン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系
    樹脂またはそれらの混合物である請求項1、2、3、4
    または5記載の画像材料用支持体。
  7. 【請求項7】 熱可塑性樹脂(a)が、高密度ポリエチ
    レン系樹脂である請求項6記載の画像材料用支持体。
  8. 【請求項8】 上層中の熱可塑性樹脂(a)の含有割合
    が、上層中の全熱可塑性樹脂成分に対して50重量%以
    上である請求項1、2、3、4、5、6または7記載の
    画像材料用支持体。
  9. 【請求項9】 上層中の熱可塑性樹脂(a)の含有割合
    が、上層中の全熱可塑性樹脂成分に対して60重量%以
    上である請求項8記載の画像材料支持体。
  10. 【請求項10】 上層中の熱可塑性樹脂(a)の含有割
    合が、上層中の全熱可塑性樹脂成分に対して70重量%
    以上である請求項9記載の画像材料支持体。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂(b)が、低密度ポリエ
    チレン系樹脂である請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9または10記載の画像材料用支持体。
  12. 【請求項12】 上層(A)が二酸化チタン顔料を7重
    量%以上(上層の重量に対する割合として)含有するも
    のである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、
    10または11記載の画像材料用支持体。
  13. 【請求項13】 基質たる紙は、画像形成層を設ける側
    の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオ
    フ値0.8mmの抄紙方向の中心面平均粗さが1.5μm以
    下のものである請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9、10、11または12記載の画像材料用支持
    体。
  14. 【請求項14】 該中心面平均粗さが1.4μm以下であ
    る請求項13記載の画像材料用支持体。
  15. 【請求項15】 該中心面平均粗さが1.3μm以下であ
    る請求項14記載の画像材料用支持体。
  16. 【請求項16】 該中心面平均粗さが1.2μm以下であ
    る請求項15記載の画像材料用支持体。
  17. 【請求項17】 該少なくとも2層の樹脂層は、少なく
    とも最下層から成る樹脂層と少なくとも最上層から成る
    樹脂層が逐次に溶融押し出しコーティングされる、逐次
    押し出しコーティング方式により被覆されたものである
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15または16記載の画像材料
    用支持体。
  18. 【請求項18】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さの25%以上の厚さである請求項
    17記載の画像材料支持体。
  19. 【請求項19】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さの40%以上の厚さである請求項
    18記載の画像材料用支持体。
  20. 【請求項20】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さの50%以上の厚さである請求項
    19記載の画像材料用支持体。
  21. 【請求項21】 最上層用の樹脂組成物の温度が、それ
    より下側の樹脂層を構成する樹脂組成物の温度より低い
    条件で、溶融押し出しコーティング方式により、該少な
    くとも2層の樹脂層が被覆されたものである請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、
    13、14、15、16、17、18、19または20
    記載の画像材料用支持体。
  22. 【請求項22】 最上層中の添加剤の含有割合が、それ
    より下側の樹脂層中の添加剤の含有割合より高いもので
    ある請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
    0、11、12、13、14、15、16、17、1
    8、19、20または21記載の画像材料用支持体。
  23. 【請求項23】 添加剤が白色顔料、着色顔料、着色染
    料、蛍光増白剤、酸化防止剤または離型剤である請求項
    22記載の画像材料用支持体。
  24. 【請求項24】 白色顔料が二酸化チタン顔料である請
    求項23記載の画像材料用支持体。
  25. 【請求項25】 二酸化チタン顔料の最上層中の含有割
    合(最上層の重量に対する割合として)が12重量%以
    上である請求項24記載の画像材料用支持体。
  26. 【請求項26】 二酸化チタン顔料の最上層中の含有割
    合(最上層の重量に対する割合として)が15重量%以
    上である請求項25記載の画像材料用支持体。
  27. 【請求項27】 該少なくとも2層の樹脂層を紙基質に
    被覆する際の紙基質の走行速度が200m/分以上である
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17、18、1
    9、20、21、22、23、24、25または26記
    載の画像材料用支持体。
  28. 【請求項28】 紙基質の走行速度が250m/分以上で
    ある請求項27記載の画像材料用支持体。
  29. 【請求項29】 紙基質の走行速度が300m/分以上で
    ある請求項28記載の画像材料用支持体。
JP1023997A 1996-09-10 1997-01-23 画像材料用支持体 Pending JPH10239796A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1023997A JPH10239796A (ja) 1996-09-10 1997-01-23 画像材料用支持体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23884996 1996-09-10
JP8-238849 1996-12-25
JP8-345576 1996-12-25
JP34557696 1996-12-25
JP1023997A JPH10239796A (ja) 1996-09-10 1997-01-23 画像材料用支持体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10239796A true JPH10239796A (ja) 1998-09-11

Family

ID=27278891

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1023997A Pending JPH10239796A (ja) 1996-09-10 1997-01-23 画像材料用支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10239796A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6841109B2 (en) Support for imaging material
US5372884A (en) Ink jet recording sheet
US6190781B1 (en) Support for imaging material
JP3453717B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3529518B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3866296B2 (ja) 画像材料用支持体
JP4014368B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3343274B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2000019684A (ja) 画像材料用支持体
JPH10239796A (ja) 画像材料用支持体
JP3350565B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3343834B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH1130837A (ja) 画像材料用支持体
JP3244958B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3490116B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH10293378A (ja) 画像材料用支持体
JP3490119B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH1115107A (ja) 画像材料用支持体
JP3989117B2 (ja) 画像材料用支持体およびその製造方法
JPH10260499A (ja) 画像材料用支持体
JP3707819B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH1138554A (ja) 画像材料用支持体
JPH10221810A (ja) 画像材料用支持体
JPH08286319A (ja) 画像材料用支持体
JPH0736147A (ja) 画像材料用支持体