JPH10221810A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

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JPH10221810A
JPH10221810A JP3366297A JP3366297A JPH10221810A JP H10221810 A JPH10221810 A JP H10221810A JP 3366297 A JP3366297 A JP 3366297A JP 3366297 A JP3366297 A JP 3366297A JP H10221810 A JPH10221810 A JP H10221810A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見た目の光沢感が高い、かつ光沢むらが無い画
像材料及びそのプリントを提供出来る、しかも支持体製
造時の冷却ロールからの剥離性が良好である、樹脂被覆
紙型画像材料用支持体を提供することが課題である。 【解決手段】天然パルプを主成分とする基紙の一方が樹
脂層で被覆された画像材料用支持体であって、基紙が、
ドライパルプまたは絶乾水分率が50重量%未満である
パルプにすることなく、叩解された広葉樹漂白クラフト
パルプを含有することにより、課題は解決される。広葉
樹漂白クラフトパルプが特定範囲の繊維長に叩解される
こと、または樹脂層が多層構成にされることにより、顕
著に課題は解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、その一方の画像形成層を設け
る側の紙基質(以下、基紙と略することがある)がフィ
ルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された画像材料
用支持体に関するものであり、見た目の光沢感が高い画
像材料及びそのプリント、特にハロゲン化銀写真印画紙
及びそのプリント(ハロゲン化銀写真印画紙プリントの
ことを、以下単に写真プリントと略すことがある)を提
供出来る、画像材料用支持体に関するものである。更
に、本発明は、見た目の光沢感が顕著に高い、かつ光沢
むらが無い画像材料及びそのプリント、特にハロゲン化
銀写真印画紙及び写真プリントを提供出来る、なおかつ
支持体製造時の冷却ロールからの剥離性が改良されて剥
離むらの発生が無い、しかも高速かつ安定生産出来る画
像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料は、画像材料用支持体上にそれ
ぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行型
熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の画
像形成層及び必要に応じて下引層、保護層等が塗設され
たものである。特に、ハロゲン化銀写真構成層として
は、ハロゲン化銀写真乳剤層、保護層、下引層、中間層
あるいは色混り防止層、ハレーション防止層、もしくは
フィルター層、紫外線吸収層等及びそれらの組み合わせ
から構成されたものである。例えば、単一なハロゲン化
銀写真材料は、写真材料用支持体上にハロゲン化銀写真
乳剤層とその保護層を設けたものである。また、多層ハ
ロゲン化銀カラー写真材料は、写真材料用支持体上に下
引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハロ
ゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化銀
写真乳剤層と保護層等のハロゲン化銀カラー写真構成層
が順に設けられて多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
フィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支
持体はよく知られている。ハロゲン化銀写真材料用途の
ための写真材料用支持体としては、例えば、特公昭55-1
2584号明細書には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好
ましくはポリオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支
持体についての技術が開示されている。米国特許第3,50
1,298号明細書には基紙の両面がポリオレフィン樹脂で
被覆された写真材料用支持体についての技術が開示され
ている。また、ハロゲン化銀写真材料の迅速写真現像処
理方式が適用されて以来、基紙の両面がポリエチレン系
樹脂で被覆された写真材料用支持体が、写真印画紙用と
して主に実用化されており、必要に応じてその一方の画
像形成層を設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するた
めに、通常二酸化チタン顔料を含有している。
【0004】また、米国特許第4,774,224号明細書に
は、樹脂被覆の表面粗さが7.5マイクロインチ−AA
以下である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン
樹脂で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として
有する熱転写記録受像要素が提案されている。また、特
開昭63-307979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として
有するインクジェット記録用シートに関する技術が開示
されている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】第一に、基紙の画像形成層を設ける側(以
下、画像形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹
脂層を表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される
樹脂層を裏樹脂層と略すことがある)の面を少なくとも
フィルム形成能ある樹脂、特にポリエチレン系樹脂を含
む樹脂層で被覆した画像材料用支持体用途のための樹脂
被覆紙は、通常走行する基紙上にポリエチレン系樹脂組
成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから
フィルム状に流延して被覆し、加圧ロールと冷却ロール
との間で圧着し、冷却後ロールから剥離されるという一
連の工程で製造される。その際、グロッシー用途の画像
材料用樹脂被覆紙を製造する場合には、冷却ロールとし
て、鏡面ないしは光沢面または特公昭62-19732号公報に
記載の微粗面を有する平滑性の極めて良い冷却ロールが
用いられる。かくして樹脂被覆紙の表樹脂層は、その溶
融状態で平滑性の極めて良い冷却ロールに圧接されるた
め平滑性の良い面に加工され、従って該樹脂被覆紙を支
持体とする画像材料及びそのプリントでは、見た目の光
沢感の高いものが得られるはずである。しかしながら、
実際に製造した樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
そのプリントでは、十分に見た目の光沢感の高いものを
得る事は出来なかった。特に、樹脂被覆紙を支持体とす
る写真印画紙では、十分に見た目の光沢感の高い写真印
画紙及び写真プリントを得る事は出来なかった。
【0007】そのため、本発明者は画像材料及びそのプ
リントの見た目の光沢感の要因について種々検討した結
果、見た目の光沢感に及ぼす要因としては、支持体であ
る樹脂被覆紙、画像形成層、現像処理などの画像形成方
法等の各種要因があるが、画像材料及びそのプリントの
見た目の光沢感は、支持体たる樹脂被覆紙の要因によっ
ても大きく影響されることが判明した。そこで、更に本
発明者は、見た目の光沢感に及ぼす樹脂被覆紙の要因に
ついて種々検討した結果、画像材料及びそのプリントの
見た目の光沢感は、樹脂層の要因に依存すると共に天然
パルプを主成分とする基紙の種類や性質等の要因、例え
ば天然パルプの種類、繊維長、紙料スラリーに含有せし
められる紙用添加剤等の紙料スラリー条件、抄紙速度、
緊度プレス、マシンカレンダー条件等の抄紙条件、サイ
ズプレス、タブサイズプレス等の後処理条件、ひいては
基紙の表面粗さ等の様々な要因に依存している事が判明
した。また、樹脂被覆紙の表樹脂層の厚味が薄くなれば
なる程、特に31μm以下の場合には、該樹脂被覆紙を
支持体とする画像材料及びそのプリントの見た目の光沢
感が、顕著に低下する事が判明した。特に、グロッシー
用途の写真材料では、写真プリントにした場合に高度の
見た目の光沢感が要求されており、写真プリントの見た
目の光沢感の劣る写真材料は、グロッシー用途のものと
しては全く不適当で商品価値の無いものになるという問
題があった。
【0008】第二に、グロッシー用途の画像材料用樹脂
被覆紙は、高度の平滑性が要求されるものの、特に基紙
に溶融樹脂を押し出しコーティングする際に表樹脂層の
厚味が厚くなればなる程、特に20μm以上の場合や樹
脂被覆紙の製造速度が速くなればなる程、特に200m/
分以上の場合には、冷却ロールからの樹脂被覆紙の剥離
性が悪化し、樹脂被覆紙面上に剥離むらと呼称される幅
方向の横段状のむらが発生する事である。この剥離むら
が発生すると該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
プリントにも光沢むらが発生し、見た目の光沢感が益々
低下し、商品価値が著しく低下するという問題があっ
た。
【0009】従来、樹脂被覆紙型の画像材料用支持体の
上記した問題点及び別種の欠点を排除、改良するための
いくつかの技術提案がある。特開昭59-198451号公報、
特開平1-303435号公報等に共押し出しコーティング法及
び逐次押し出しコーティング法の二層押し出しコーティ
ング法により、樹脂被覆紙型の写真用支持体の表樹脂層
面に発生する傾向があるクレーター状の細孔を防止、改
良し、表面欠陥のない平滑性に優れた写真用支持体を提
供する技術の記載もしくは例示があるが、前記した問題
点の解決には不十分であり、特に樹脂被覆紙を支持体と
する画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感を向
上、改良するには極めて不十分であった。
【0010】一方、樹脂被覆紙の平滑性を改良する目的
で、特開昭58-68037号公報に記載の特定の繊維長分布を
有するパルプ、特開昭60-69649号公報に記載の特定の繊
維長、幅、厚みのパルプ、特開昭61-35442号公報に記載
の針葉樹パルプ、特開昭63-173045号公報に記載の低粘
度パルプ等の特定パルプの使用、特開昭58-37642号公報
に記載のベック平滑度が特定値以上である基紙、特開昭
63-291054号公報に記載の表面粗さが特定値以下である
基紙等の特定物性値である基紙の使用、特開昭60-12639
7号公報に記載の基紙の熱カレンダー処理、特開昭61-28
4762号公報に記載の上部脱水機構を有する抄紙機による
抄紙、特開昭63-204250号公報に記載の長網二層抄紙機
による抄紙、特開昭64-20541号公報に記載の湿紙の緊度
プレス処理等の特定の抄紙方法の使用等の技術が開示さ
れているが、前記した問題点の解決には不十分であり、
特に樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリン
トの見た目の光沢感を向上、改良するには極めて不十分
であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、
その一方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィルム形
成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された樹脂被覆紙であ
って、該樹脂被覆紙を支持体とする、見た目の光沢感が
高い画像材料及びそのプリント、特にハロゲン化銀写真
印画紙及び写真プリントを提供出来る、優れた樹脂被覆
紙型の画像材料用支持体を提供することである。本発明
の第二の目的は、200m/分以上、特に300m/分以上
の製造速度で樹脂層が被覆されて、それ故に生産性及び
経済性に優れ、かつ支持体製造時の冷却ロールからの剥
離性が改良されて剥離むらの発生が無く、それ故に高速
かつ安定生産出来る、なおかつ該樹脂被覆紙を支持体と
する、見た目の光沢感が顕著に高い、しかも光沢むらが
ない画像材料用及びそのプリント、特にハロゲン化銀写
真印画紙及び写真プリントを提供出来る、優れた樹脂被
覆紙型の画像材料用支持体を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを主成分とす
る紙を基質として、その一方の画像形成層を設ける側の
紙基質がフィルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆さ
れた画像材料用支持体において、紙基質は、広葉樹漂白
クラフトパルプを製造後ドライパルプまたは絶乾水分率
が50重量%未満であるウェットパルプにすることな
く、叩解工程に送られ、叩解された広葉樹漂白クラフト
パルプを少なくとも含むものであることを特徴とする画
像材料用支持体により、本発明の目的が達成されること
を見い出した。
【0013】本発明の目的は、紙基質中の該広葉樹漂白
クラフトパルプの含有率を、絶乾重量%で20重量%以
上、更に40重量%以上、なお更に60重量%以上、特に
80重量%以上にすることにより、顕著に達成されるこ
とを見い出した。また、叩解工程に送られる前の該広葉
樹クラフトパルプとして、絶乾水分率が75重量%以上
のもの、特にパルプ濃度が絶乾重量%で10重量%以下の
スラリー形態のものを用いることにより、一層顕著に達
成されることを見い出した。
【0014】また、本発明の目的は、叩解後の広葉樹漂
白クラフトパルプの下記で規定される繊維長を0.45m
m〜0.65mm、更に0.47mm〜0.62mm、特に0.4
9mm〜0.59mmにすることにより、顕著に達成される
ことを見い出した。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについて,JAPAN
TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及びパ
ルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平均
繊維長(mm)で表示したもの。
【0015】また、本発明の目的は、表樹脂層を最下層
と最上層の少なくとも2層で構成することにより、効果
的に達成されることを見い出した。特に、本発明の目的
は、該少なくとも2層の樹脂層として、少なくとも最下
層から成る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹脂層が
逐次に溶融押し出しコーティングされる、逐次押し出し
コーティング方式により被覆されたものを用いることに
より、顕著にかつ相乗的に達成されることを見い出し
た。また、少なくとも最下層から成る樹脂層の厚さを、
全樹脂層の厚さの25%以上、更に40%以上、特に50
%以上の厚さにすることにより、極めて、顕著にかつ相
乗的に達成されることを見い出した。
【0016】また、本発明の目的は、最上層用の樹脂組
成物の温度が、それより下側の樹脂層を構成する樹脂組
成物の温度より低い条件で、溶融押し出しコーティング
方式により、該少なくとも2層の樹脂層を被覆すること
により、極めて、顕著にかつ相乗的に達成することを見
い出した。
【0017】また、本発明の目的は、最上層中の添加剤
の含有割合を、それより下側の樹脂層中の添加剤の含有
割合より高くすること、特に添加剤として、白色顔料、
着色顔料、着色染料、蛍光増白剤、酸化防止剤または離
型剤を用いることにより、効果的に達成されることを見
い出した。また、本発明の目的は、白色顔料として、二
酸化チタン顔料を用いること、更に二酸化チタン顔料の
最上層中の含有割合(最上層の重量に対する割合とし
て)を12重量%以上、特に15重量%以上にすることに
より、一層効果的に達成されることを見い出した。
【0018】更に、本発明の目的は、該少なくとも2層
の樹脂層を基紙に被覆する際の基紙の走行速度を200
m/分以上、更に250m/分以上、特に300m/分以上に
することにより、極めて、顕著にかつ相乗的に達成され
ることを見い出し、本発明に到ったものである。
【0019】
【発明の実施形態】本発明の実施に用いられる広葉樹漂
白クラフトパルプは、その製造後ドライパルプまたは絶
乾水分率が50重量%未満であるウェットパルプにする
ことなく、叩解工程に送られ、叩解されたものである。
ここで、ドライパルプまたは絶乾水分率が50重量%未
満であるウェットパルプにすることがない広葉樹漂白ク
ラフトパルプとは、パルプの蒸解工程、漂白工程等を経
てパルプスラリーの形態または湿潤形態(本発明では5
0重量%以上の絶乾水分率を含有する形態を言う)のま
ま叩解工程に送られる広葉樹漂白クラフトパルプのこと
を言う〔パルプの蒸解工程、漂白工程等を経てパルプス
ラリーの形態または湿潤形態のまま叩解工程に送られる
広葉樹クラフトパルプのことを、合わせて、以下単にノ
ンドライ(NoneDry)広葉樹漂白クラフトパルプと呼称す
ることがある〕。また、本明細書で言うノンドライ広葉
樹漂白クラフトパルプには、ノンドライ広葉樹針葉樹混
合漂白クラフトパルプも包含する。
【0020】本発明の実施に用いられる基紙は、その一
部または全部がノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプで
構成されたものであるが、ノンドライ広葉樹漂白クラフ
トパルプに併用して必要に応じてそれ以外の天然パル
プ、合成繊維もしくは合成パルプで構成されたものでよ
い。ノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプと併用される
パルプとしては、天然パルプが好ましく、絶乾水分率が
50重量%未満の広葉樹漂白クラフトパルプ(ドライパ
ルプまたはウェットパルプ)、広葉樹漂白サルトファイ
トパルプ、針葉樹漂白クラフトパルプ、針葉樹漂白サル
ファイトパルプ、広葉樹針葉樹混合漂白サルファイトパ
ルプの木材パルプが好ましい。また、非木材パルプ、ソ
ーダパルプ、溶解パルプ等の他再生パルプ(故紙パル
プ)等の各種のものを用いることができる。本発明の実
施に用いられるノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプの
基紙中の含有量としては、本発明の効果、特に見た目の
光沢感の改良効果の点から、基紙を構成する全パルプに
対して絶乾重量%で20重量%以上が好ましく、40重量%
以上が一層好ましく、60重量%以上がなお一層好まし
く、80重量%以上が特に好ましい。
【0021】本発明の実施に用いられるノンドライ広葉
樹漂白クラフトパルプとしては、木材チップが水酸化ナ
トリウムと硫化ナトリウムを化学成分として含む混液、
いわゆる蒸解液で加圧蒸煮、いわゆる蒸解されて、リグ
ニンが除去され、その後消泡剤あるいは抑泡剤の存在下
にパルプ繊維と蒸解残液、所謂黒液とに分離洗浄された
後酸素脱リグニン処理され、その後漂白処理されて製造
されたものが有利に用いられる。蒸解液中の化学成分と
して、水酸化ナトリウム、硫化ナトリウムの他に、更に
炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、消石灰、炭酸カルシ
ウムなどの塩類、水素化ホウ素ナトリウム、アントラキ
ノン化合物などの蒸解助剤などを含有していてもよい。
また、ポリサルファイド蒸解、バッチ式蒸解、連続式蒸
解など各種の蒸解方式で製造されたものでもよく、各種
の硫化度、カッパー価で製造されたものでもよい。ま
た、蒸解処理条件としては、紙パルプ技術協会編「クラ
フトパルプ・非木材パルプ」(昭和42年3月10日発
行)、特開昭60-67940号公報、特開昭60-69649号公報に
記載の条件など各種の条件で行うことが出来る。
【0022】本発明の実施に用いられるノンドライ広葉
樹漂白クラフトパルプとしては、その蒸解後洗浄処理さ
れ、その後酸素脱リグニン処理された後、好ましくは更
に洗浄処理され、その後漂白処理されたものが有利に用
いられる。酸素脱リグニンの処理条件としては、酸素脱
リグニン段階での脱リグニン度が20%〜70%、好まし
くは40%〜50%になるように設定するのが好ましい。
また、酸素脱リグニン処理は少なくとも酸素及びアルカ
リ、好ましくは更にパルプの重合度低下防止剤の存存下
に行われる。酸素脱リグニン処理に用いられる酸素とし
ては、酸素ボンベから供給されるもの、酸素富化膜によ
り空気から製造される酸素を主成分とするものなどが有
利に用いられる。また、酸素脱リグニン処理には、酸素
単独でもよいし、過酸化水素等の酸素系酸化剤の併用使
用やオゾン、窒素酸化物等も使用出来る。酸素脱リグニ
ン処理に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、酸化白液、酸化緑液等のアルカリ
液が使用出来るが、酸化白液を使用するのが好ましい。
また、酸素脱リグニン処理に好ましく用いられるパルプ
の重合度低下防止剤としては、炭酸マグネシウム、硫酸
マグネシウム、塩化カルシウム等をあげることが出来
る。酸素脱リグニン処理の具体的な条件としては、各種
の処理条件で行うことが出来る。例えば、具体的には、
パルプ濃度としては、未晒パルプの絶乾重量として5wt
〜35wt%の範囲、好ましくは10wt%〜20wt%の範
囲、酸素の添加量としては、未晒パルプの絶乾重量当り
0.2wt%〜4wt%の範囲、好ましくは0.5wt%〜2wt%の
範囲、アルカリの添加量としては、未晒パルプの絶乾重
量当り苛性ソーダ換算で0.2wt%〜7wt%の範囲、好ま
しくは0.5wt%〜3wt%の範囲である。また、酸素脱リ
グニン処理の処理温度としては、50℃〜150℃の範
囲、処理時間としては、10分〜180分の範囲が好ま
しい。また、必要に応じて用いられるパルプの重合度低
下防止剤の添加量としては、未晒パルプの絶乾重量当り
0.05wt%〜1wt%の範囲が好ましい。
【0023】本発明の実施に用いられるノンドライ広葉
樹漂白クラフトパルプは、その蒸解、洗浄、必要に応じ
て行われる酸素脱リグニン、洗浄後の段階で漂白処理が
施されたものである。該漂白処理としては、必要に応じ
て行われる酸素脱リグニン処理後、前段漂白処理と後段
漂白処理が有利に行われる。なお、本明細書で言う漂白
処理とは、前段漂白処理以降の漂白処理のことである。
前段漂白処理としては、塩素を用いる塩素処理、塩素を
用いないでその代わりに酸性下でのオゾン処理、酸性乃
至中性下での過酸化水素処理、酸性下での二酸化塩素処
理またはそれらの2つ以上の併用処理の所請非塩素処理
(Elementary Chlorine Free;所請ECF処理)あるいは
塩素化合物を全く用いないでその代わりにの酸化物とし
て、例えば酸性下でのオゾン処理、酸性乃至アルカリ性
下での過酸化水素処理、その他の過酸化物での処理また
はそれらの2つ以上の併用処理の所請全非塩素処理(Tot
al Chlorine Free;所請TCF処理)を包含する。後段
漂白処理としては、アルカリ抽出、次亜塩素酸塩漂白処
理、一段または二段以上の二酸化塩素漂白処理、アルカ
リ性下での過酸化水素漂白処理の組み合わせ処理あるい
はTCF処理の場合には、アルカリ抽出、酸性乃至アルカ
リ性下での過酸化物漂白処理、酸性下での一段または二
段以上のオゾン漂白処理(酸素を補助的に使用する場合
もある)、必要に応じて更に還元漂白処理の組み合わせ
処理が好ましい。
【0024】本発明の実施に有利に用いられるノンドラ
イ広葉樹漂白クラフトパルプの好ましい多段漂白処理方
式としては、前段漂白処理として、塩素処理(以下記号
Cと略す)あるいはECF処理(以下記号Fと略す)が施
され、後段漂白処理として、アルカリ処理もしくは抽出
(以下記号Eと略す)が施され、更に次亜塩素酸塩漂白
処理(以下記号Hと略す)あるいは二酸化塩素漂白処理
(以下記号Dと略す)が施される方式であり、アルカリ
性での過酸化物漂白処理(以下記号Pと略す)が、必要
に応じて施される方式が有利である。例えば、「CEH
DED」、「FEHDED]、「CEHDPD」、「C
EHDEDP」、[FEHDEDP」、「CEHE
D」、「CEHPD」、「CEHEDP」、[FEHE
DP]、「CEHEH」、「CEHEHP」、「FEH
EHP」、「CEHPHP」、「CEDED」、[FE
HDED」、「CEDEDP」などの方式が有用であ
る。
【0025】本発明の実施に有利に用いられるノンドラ
イ広葉樹漂白クラフトパルプの漂白処理薬品としては、
塩素漂白には塩素ガスまたは塩素水が用いられる。ま
た、二酸化塩素を併用してもよい。アルカリ処理もしく
は抽出には苛性ソーダを用いるのが有利であるが、水酸
化カルシウム、アンモニアなど及びそれらの混合物を用
いることができる。次亜塩素酸塩漂白には、固体紛状の
消石灰に塩素を作用させて作った晒粉、特に工業的には
塩素を石灰乳あるいは希薄苛性ソーダ溶液に吹込んで調
製された次亜塩素酸晒液、いわゆるカルシウム−ハイポ
晒液、ナトリウム−ハイポ晒液が有利に用いられる。二
酸化塩素漂白には、マチソン法、新マチソン法、エルス
ト法、C.I.P法などの亜硫酸方式、ケスティング
法、日曹法、ソルベー法などの塩酸方式で調製された二
酸化塩素が有利に用いられる。また、アルカリ性での過
酸化物漂白には、過酸化物としては、過酸化水素、過酸
化ナトリウム、過酸化物晒液(過酸化水素、苛性ソー
ダ、珪酸ソーダ及び必要に応じて加えた硫酸マグネシウ
ムから成る混合水溶液)、過酢酸、t−ブチルヒドロペ
ルオキシドなどの無機または有機過酸化物及びこれらの
混合物が有利に用いられ、またアルカリとしては、苛性
ソーダ、水酸化カリウム、アンモニア水、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ水酸化物また
はアルカリ土類水酸化物及びこれらの混合物が有利に用
いられる。オゾンは、オゾン発生機より調製したものが
有利に用いられる。また、漂白処理条件としては、紙・
パルプ技術協会編「パルプ処理及び漂白」(昭和43年
1月27日発行)、特公昭58-43732号公報に記載の条件
など各種の条件で行うことが出来る。
【0026】本発明においては、漂白処理されたパルプ
を精選工程に送り、パルプをクリーナー、好ましくは液
体サイクロン方式のクリーナーを用いてクリーンにする
のが好ましい。クリーナーでの最終リジェクト率として
は、絶乾パルプ当たり、0.02重量%以上、好ましくは
0.05重量%以上にするのがよい。また、本発明におい
ては、精選工程で精選されたパルプは、スラリー形態、
具体的には絶乾パルプ濃度として、通常2重量%〜10
重量%、好ましくは、3重量%〜6重量%のスラリー形態
で叩解工程に送られるのが好ましい。また、場合によっ
ては、適切な脱水装置によりパルプを濃縮し、絶乾パル
プ濃度として、50重量%未満のパルプ濃縮物または湿
潤形態のパルプ(従って、それらの絶乾含水率は50重
量%以上である)として、適切な移送手段、例えばベル
トコンベアー等により、叩解工程に送ってもよい。
【0027】本発明の実施に用いられるノンドライ広葉
樹漂白クラフトパルプとしては、紙用薬品が添加される
前の叩解後のパルプについて測定された、パルプの繊維
長が特定範囲になるように叩解、調製されたものを用い
ることにより、本発明による効果、特に画像材料及びそ
のプリントの見た目の光沢感を顕著に改良できることを
見い出した。その観点から、本発明の実施に用いられる
ノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプとしては、その繊
維長が0.42mm〜0.70mmの範囲に叩解されたものが
有用であるが、0.45mm〜0.65mmの範囲に叩解され
るのが好ましく、0.47mm〜0.62mmの範囲に叩解さ
れるのが更に好ましく、0.49mm〜0.59mmの範囲に
叩解されたものが特に好ましい。パルプの繊維長が短過
ぎると基紙の内部結合強度が弱くなり、剛度が低くなっ
たりするし、一方パルプの繊維長が長過ぎると本発明の
効果が発揮されにくい。また、本発明においては、パル
プの濾水度が250ml〜360mlの範囲に叩解されるの
が好ましく、280ml〜330mlの範囲に叩解されるの
が一層好ましい。パルプの濾水度が低過ぎると抄紙適性
が不十分になったり、基紙の剛度が低くなったりする
し、パルプの濾水度が高過ぎると基紙の地合が悪くなる
傾向がある。本明細書で言うパルプの濾水度とは、叩解
後のパルプについて、TAPPI スタンダード パル
プ試験法No.T227m−58「パルプのフリーネス
(濾水度)」に準拠して測定した濾水度(ml)を言う。
【0028】本発明において、パルプの繊維長及び濾水
度を好ましい範囲にするパルプの叩解条件として、カッ
ティング叩解と粘状叩解とのバランスを最適化すること
により、好ましく調製することが出来る。具体的には、
カッティング叩解と粘状叩解の比率、叩解時間、パルプ
濃度、叩解動力等の叩解条件について、一連の組み合わ
せの実験条件下で叩解し、採取したパルプスラリーにつ
いてパルプの繊維長とパルプの濾水度を測定することに
より最適化することが出来る。
【0029】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは脂肪
酸、特公昭62-7534号公報に記載もしくは例示のアルキ
ルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸
アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化
物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン
性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポ
リビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクト
マンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリア
ミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤とし
て、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニ
ウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸等、その他特開昭63-204251号公報、特開平1-2
66537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染
料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが
有利である。
【0030】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水
性コロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤から
成る組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあ
るいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によ
って含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポ
リマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1-266537
号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニ
ルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリア
クリルアミド系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、
エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジ
ョン、特開昭55-4027号公報、特開平1-180538号公報に
記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタ
クリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエ
マルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体
のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤とし
て、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属
塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金
属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポ
リスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料
として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、
硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩
酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記
した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適
宜組み合わせて含有あるいは塗設せしめるのが有利であ
る。
【0031】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が250mV以下のものが好ましく、200mV以下のもの
が更に好ましく、150mV以下のものが最も好ましい。
ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、2つの球状の触針
の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイクロ
メーターを介し電気信号として測定するフィルム厚み測
定器を用い、電子マイクロメーターの感度レンジが±1
5μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向に
1.5m/分の定速で走査することで試料の抄紙方向の厚
み変動を測定し、得られた測定信号値を、FFTアナラ
イザーを用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用し
て高速フーリエ変換して、128回の積算の加算平均に
よるパワースペクトル(単位:mV2)を求め、2Hz〜2
5Hzの周波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた値
を1/2乗することにより求められる値(単位:mV)で
ある。
【0032】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造する方法と
しては、具体的には、適切に叩解した広葉樹パルプを3
0重量%以上、好ましくは50重量%以上用いる。具体的
には、例えば、基紙を構成する全パルプとして、叩解後
のパルプの繊維長が、好ましくは0.45mm〜0.65m
m、更に好ましくは0.47mm〜0.62mm、特に好まし
くは0.49mm〜0.59mmに叩解した広葉樹クラフトパ
ルプを用いる。内添薬品を添加した紙料スラリーに適切
な抄紙方法を採用して長網抄紙機により、均一な地合が
得られるように基紙を抄造したものが好ましい。具体的
には、例えば、紙料スラリーに適切なタービュレンスを
与える、特開昭61-284762号公報に記載もしくは例示の
様な適切な上部脱水機構を有する長網抄紙機を用いる、
ウエットパートのプレスとしては、多段のウェットプレ
ス、好ましくは3段以上のウェットプレスを行い、プレ
スパートの最終段にはスムージンクロールを設ける、等
の適切な抄紙方法を組み合わせて均一な地合が得られる
ように抄造し、更に抄造後マシンカレンダー、スーパー
カレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処理を
施し、膜厚むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造
することが出来る。
【0033】本発明の実施に用いられる基紙としては、
基紙の表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定され
るカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さ
SRa(以下、基紙の表側の触針式3次元表面粗さ計を
用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の
中心面平均粗さSRaなる術語を、単に中心面平均粗さ
SRaと略すことがある)が1.50μm以下のものが有
用であり、1.40μm以下のものが好ましく、1.35
μm以下のものが更に好ましく、1.25μm以下のもの
が特に好ましい。本明細書で言う触針式3次元表面粗さ
計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面
平均粗さSRaとは、数式1で規定されるものである。
【0034】
【数1】
【0035】数式1において、Wxは試料面域のX軸方
向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸
方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは
試料面域の面積を表す。
【0036】本発明の実施に好ましく用いられる、中心
面平均粗さSRaが1.50μm以下の基紙を製造する方
法としては、具体的には、前記(段落0027)したよ
うに適切な繊維長及び炉水度になるように叩解されたパ
ルプを用い、また湿紙の乾燥途中で多段の緊度プレスを
行い、更に基紙を抄造後マシンカレンダー、スーパーカ
レンダー、熱カレンダー等を用いて少なくとも2系列以
上のカレンダー処理、例えば基紙に第1系列のカレンダ
ー処理としてマシンカレンダー処理あるいは/及び熱マ
シンカレンダー処理を行い、その後第2系列以降のカレ
ンダー処理として必要に応じて更にマシンカレンダー処
理を行った後特開平4-110939号公報に記載もしくは例示
の熱ソフトカレンダー処理を行って、中心面平均粗さS
Raが1.50μm以下の基紙を製造することが出来る。
また、基紙中あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーも
しくは親水性コロイドあるいはポリマーラテックスをサ
イズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード
塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量
として1.0g/m2以上、特に2.2g/m2以上含有あるいは
塗設せしめるのが好ましい。
【0037】本発明の実施に用いられる基紙の密度とし
ては、灰分を除いて計算して0.80g/cm3〜1.15g/c
m3の範囲が好ましく、0.85g/cm3〜1.05g/cm3の範
囲が更に好ましいが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。また、本発明の実施に用いられる基紙の厚
味に関しては、特に期限はないが、その坪量は40g/m2
〜250g/m2のものが有用であり、70g/m2〜220g/
m2のものが好ましい。
【0038】本発明における画像材料用支持体の基紙の
画像形成層を設ける側(表側)は、フィルム形成能ある
樹脂を含む樹脂層で被覆される。また、基紙の裏側は、
フィルム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆されるのが
好ましい。それらのフィルム形成能ある樹脂としてはポ
リオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂及びそれらの混合物などの熱可
塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出しコーティング
性の点から前記したポリオレフィン樹脂あるいは/及び
ポリエステル樹脂が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂
が特に好ましい。また、特公昭60-17104号公報に記載も
しくは例示の電子線硬化樹脂から成る樹脂層で被覆して
もよい。
【0039】本発明の実施に好ましく用いられる表樹脂
層用及び裏樹脂層用のポリエチレン系樹脂としては、低
密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密
度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、
超低密度ポリエチレン樹脂、エチレンとプロビレン、ブ
チレン等のα―オレフィンとの共重合体、エチレンとア
クリル酸、アクリル酸エチルエステル、無水マイレン酸
等の共重合体またはグラフト共重合体である、所謂カル
ボキシ変性ポリエチレン樹脂等、またオートクレープ型
反応器、チューブラー型反応器等を用いた高圧ラジカル
重合法によるポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒
を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂、チーグラー
法、フィリップス法等を用いた、メタロセン以外の金属
触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂及びこれ
らの混合物をあげることが出来る。それらのポリエチレ
ン系樹脂及び混合物としては、各種の密度、メルトフロ
ーレート(以下、JIS K 6760で規定されるメ
ルトフローレートのことを単にMFRと略す)、分子
量、分子量分布のものを使用できるが、通常、樹脂層を
構成する樹脂成分(混合物である場合には混合物とし
て)の密度が0.90〜0.97g/cm3の範囲、MFRが
0.1g/10分〜50g/10分、好ましくは、MFRが0.3
g/10分〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは混合
して有利に使用できる。
【0040】本発明の実施に表樹脂層用に好ましく用い
られる高圧法により重合製造したポリエチレン系樹脂と
しては、オートクレーブ型反応器、チューブラー型反応
器などを用いた高圧製造法による長鎖分枝を有する各種
のポリエチレン系樹脂である。それらの高圧法により重
合製造したポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエ
チレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成
分とするプロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンと
の共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂など及び
これらの混合物であり、各種の密度、MFR、分子量、
分子量分布のものを使用できるが、通常、密度が0.9
0〜0.95g/cm3の範囲、MFRが0.1〜50g/10
分、好ましくはMFRが0.4〜50g/10分の範囲の
ものを単独にあるいは二種以上混合して使用できる。
【0041】本発明の実施に表樹脂層用に特に好ましく
用いられるメタロセン重合触媒を用いて重合製造したポ
リエチレン系樹脂としては、特表平3-502710号公報、特
開昭60-35006号公報、特表昭63-501369号公報、特開平3
-234717号公報、特開平3-234718号公報などに記載もし
くは開示されている如く、ジルコニウム系またはハフニ
ウム系などのメタロセンと、好ましくはメチルアルミノ
キサンなどとを組み合わせて触媒活性を高めたものを重
合触媒として用いて重合製造されたものである。それら
のメタロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレ
ン系樹脂としては、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度
ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポ
リエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチ
レンを主成分とするプロピレン、ブチレンなどのα−オ
レフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹
脂など及びこれらの混合物であり、各種の密度、MF
R、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、
密度が0.87〜0.97g/cm3の範囲、MFRが0.05
〜500g/10分、好ましくは0.08〜300g/10
分の範囲のものを単独にあるいは二種以上混合して使用
できる。
【0042】本発明の実施に表樹脂層用に特に好ましく
用いられるメタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用
いて重合製造したポリエチレン系樹脂としては、例えば
チーグラー法、フィリップス法などを用いて重合製造し
た各種のポリエチレン系樹脂を挙げることができる。そ
れらの金属メタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用
いて重合製造したポリエチレン系樹脂としては、超低密
度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度
ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低
密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分とするプロピ
レン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合体、あ
るいはカルボキシ変性ポリエチレン樹脂など及びこれら
の混合物であり、各種の密度、MFR、分子量、分子量
分布のものを使用できるが、通常、密度が0.87〜0.
97g/cm3の範囲、MFRが0.05〜500g/10分、
好ましくは0.08〜300g/10分の範囲のものを単
独に或いは二種以上混合して使用できる。
【0043】本発明の実施に用いられるポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性
樹脂及びこれらの混合物またはそれらとポリエチレン系
樹脂との混合物であり、各種の密度、極限粘度[η]のも
のを使用できる。具体的な代表例としては、三菱化成株
式会社製ポリエステル樹脂(商品名:NOVAPEX
HS004、融点235℃、密度1.33g/cm3、極限粘
度[η]0.73dl/g)を挙げることができる。また、ポ
リエステル樹脂とポリエチレン系樹脂との混合物を有利
に用いることができる。例えば、共重合ポリエチレンテ
レフタレート樹脂とマレイン酸でグラフト変性された共
重合ポリエチレン樹脂(融点74℃)との混合物(三菱
化成株式会社製、融点224℃)を挙げることができ
る。また、本発明の実施に用いられるポリカーボネート
系樹脂としては、各種のグレードのものを使用できる
が、具体的な代表例としては、三菱化成株式会社製ポリ
カーボネート系樹脂(商品名:NOVAREX 702
2A、密度1.20g/cm3、MFR12〜16g/10分、
軟化点160℃〜190℃)を挙げることができる。
【0044】本発明の実施に有利に用いられる裏樹脂層
用のポリエチレン樹脂としては、MFRが10g/10分〜
40g/10分、好ましくは10g/10分〜30g/10分、密度
が0.960g/cm3以上である高密度ポリエチレン系樹脂
90重量部〜65重量部とMFRが0.2g/10分〜3g/1
0分、好ましくは、0.2g/10分〜1.5g/10分、密度が
0.935g/cm3以下である低密度ポリエチレン樹脂また
は中密度ポリエチレン樹脂10重量部〜35重量部とを
予め溶融・混合したコンパウンド樹脂組成物が好まし
い。また、低密度ポリエチレン樹脂または中密度ポリエ
チレン樹脂の分子量分布としては、分子量50万以上の
分率が10重量%以上のものが好ましく、12重量%以上
のものが特に好ましい。該樹脂の分子量50万以上の分
率が10重量%より少ないと成形加工性、特にネックイ
ンが大きくなって好ましくない。ここで、分子量の測定
はウォーターズ社製150−C(カラム:東ソー社製G
MH−XL HT 8mmφ×30cm×3本、溶媒:1,
2,4−トリクロロベンゼン、温度:135℃、流量:
1ml/min)を用いるGPC法により行った。
【0045】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のポ
リエチレン系樹脂としては、予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂が好ましい。低密度ポリエチレン樹
脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレ
ン樹脂とを予め溶融・混合してコンパウンド樹脂を調製
する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等
を用いることができる。例えば、押し出し機、二軸押し
出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー等を用いて、所定量の低密度あるいは中密度ポ
リエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂、更に必要に
応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添加剤を加えて溶融
・混合した後、その混合物をペレット化する方法が有利
に用いられる。
【0046】本発明における画像材料用支持体は、表樹
脂層中及び裏樹脂層中のフィルム形成能ある樹脂が熱可
塑性樹脂、好ましくはポリオレフィン樹脂、特に好まし
くはポリエチレン系樹脂の場合には、表樹脂層用及び裏
樹脂層用の樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、走行
する基紙上にそのスリットダイからフィルム状に流延し
て被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング方式に
よって製造される。通常は、走行する基紙上に溶融押し
出し機を用いて、そのスリットダイから溶融した樹脂組
成物をフィルム状に押し出し、流延して被覆し、加圧ロ
ールと冷却ロールとの間で圧着し、冷却ロールから剥離
されるという一連の工程で生産される。
【0047】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層としては、2層構成あるいはそれ以上の多層構成にす
ることによって、ノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプ
を含む基紙との併用による相乗効果によって、本発明の
効果が極めて顕著に発揮されることを見い出した。即
ち、本発明における画像材料用支持体の表樹脂層を2層
構成あるいはそれ以上の多層構成にすることによって、
該支持体を有する画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感を極めて顕著に改良出来ること、かつ支持体製造
時の冷却ロールからの剥離性を顕著に改良出来ること、
従って剥離むらの発生を無くすことが出来ること、それ
故に画像材料用支持体を高速かつ安定生産できることを
見い出した。
【0048】本発明における特に好ましい画像材料用支
持体は、表樹脂層が2層あるいはそれ以上の多層構成の
ものであるが、2層構成のものが本発明の目的を効率的
に達成する上で好ましい。また、表樹脂層が2層あるい
はそれ以上の多層構成である画像材料用支持体として
は、溶融押し出しコーティング方式によって製造される
ものが好ましい。その製造に際し、2層あるいはそれ以
上の多層の樹脂層が多層同時に押し出しコーティングさ
れる、所謂共押し出しコーティング方式を用いてもよい
し、少なくとも最下層から成る樹脂層、その後に少なく
とも最上層から成る樹脂層が、順に別個のステーション
で逐次に溶融押し出しコーティングされる、所謂逐次押
し出しコーティング方式を用いてもよい。本発明におい
ては、逐次押し出しコーティング方式を用いて製造され
る画像材料用支持体が特に好ましい。
【0049】また、溶融押し出しコーティングの際、ス
リットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテ
イル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径
は0.1mm及至2mmであることが望ましい。また、多層
共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタ
イプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイ
プ等のいずれタイプでもよい。また、溶融フィルムの温
度は、280℃及至340℃であることが好ましく、そ
の際最上層用の樹脂組成物とそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度差をつけてもよい。例えば、最
上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度より5〜10℃低くして、樹脂
層の冷却ロールからの剥離性の向上を図ることが出来
る。
【0050】表樹脂層が多層構成である、本発明におけ
る特に好ましい画像材料用支持体の樹脂層としては、最
上層の樹脂層(以下、単に最上層と略することがある)
とそれより下側の樹脂層(以下、単に下側樹脂層と略す
ることがある)とは、同じ物性、組成であってもよい
し、異なっていてもよい。最上層及び下側樹脂層に好ま
しく用いられるポリエチレン系樹脂としては、前記した
ような各種の密度、MFR、分子量、分子量分布等のも
のを単独にまたは混合して使用出来るし、それらの物性
が同じものであってもよいし、異なっていてもよい。
【0051】例えば、最上層中のポリエチレン系樹脂と
して、そのMFR(二種以上含有している場合には、混
合物としてのMFR、以下同意義である)が下側樹脂層
中のポリエチレン系樹脂のMFR(二種以上含有してい
る場合には、混合物としてのMFR、以下同意義であ
る)より高いもの、低いものあるいは同じものを使用す
ることが出来る。例えば、最上層中のポリエチレン系樹
脂のとして、MFRが5g/10分〜20g/10分のも
の、下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂として、MFR
が2g/10分〜10g/10分のものを使用出来るし、一
方最上層中のポリエチレン系樹脂として、MFRが2g/
10分〜10g/10分のもの、下側樹脂層中のポリエチ
レン系樹脂として、MFRが5g/10分〜20g/10分
のものを使用出来るし、また、MFRが同じであるもの
を使用出来る。
【0052】また、最上層中のポリエチレン系樹脂とし
て、その密度(二種以上含有している場合には、混合物
としての密度、以下同意義である)が下側樹脂層中のポ
リエチレン系樹脂の密度(二種以上含有している場合に
は、混合物としての密度、以下同意義である)より高い
もの、低いものあるいは同じものを使用することが出来
る。例えば、最上層中のポリエチレン系樹脂として、密
度が0.925g/cm3〜0.970g/cm3のもの、下側樹脂
層中のポリエチレン系樹脂として、密度が0.870g/c
m3〜0.925g/cm3のものを使用出来るし、一方最上層
中のポリエチレン系樹脂として、密度が0.870g/cm3
〜0.925g/cm3のもの、下側樹脂層中のポリエチレン
系樹脂として、密度が0.925g/cm3〜0.970g/cm3
のものを使用出来るし、また密度が同じであるものを使
用出来る。
【0053】また、最上層中のポリエチレン系樹脂とし
て、その融点が下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂の融
点より高いもの、低いものあるいは同じものを少なくと
も1種使用出来る。例えば、最上層中のポリエチレン系
樹脂として、融点が115℃以上のもの、下側樹脂層中
のポリエチレン系樹脂として、融点が115℃未満のも
のを使用出来るし、一方最上層中のポリエチレン系樹脂
として、融点が115℃未満のもの、下側樹脂層中のポ
リエチレン系樹脂として、融点が115℃以上のものと
使用出来るし、また、融点が同じであるものを使用出来
る。
【0054】本発明における画像材料用支持体の特に好
ましい多層構成の樹脂層としては、本発明の効果、即ち
該支持体を有する画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感の改良効果及び剥離性の改良効果を極めて顕著に
発揮出来るという観点から、最上層中のポリエチレン系
樹脂としては、その密度が、下側樹脂層中のポリエチレ
ン系樹脂の密度より高いものを少なくとも1種使用する
か、または融点が、下側樹脂層中のポリエチレン系樹脂
の融点より高いものを少なくとも1種使用するか、ある
いは密度、融点共が下側樹脂層中のポリエチレン樹脂の
それらより高いものを少なくとも1種使用している多層
構成の樹脂層が特に好ましい。
【0055】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60-3430号公報、特公
昭63-11655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-382
92号公報、特開平1-105245号公報等に記載もしくは例示
の二酸化チタン顔料を含有せしめるのが好ましい。ま
た、二酸化チタンの他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシ
ウム等の白色顔料、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、顔料の分散
剤及び離型剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、特開平1-10
5245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防
止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロ
シアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバ
イオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレ
ット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-254440号公
報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の
各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出
来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるい
はコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。ま
た、プリントの鮮鋭度または白色度あるいは画像材料用
支持体の耐熱性、耐光性または離型性の効果的な向上等
の点から、酸化チタン等の白色顔料及び蛍光増白剤、着
色顔料や着色染料あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤ま
たは離型剤等その他の添加剤を下側樹脂層中より最上層
中に高濃度に含有せしめるのが好ましい。特に、二酸化
チタン顔料の最上層中の含有割合(最上層中の重量に対
する割合として)を、7重量%以上、更に9重量%以上、
なお更に12重量%以上、特に15重量%以上にすること
が好ましい。
【0056】本発明の実施に当り、表・裏の樹脂組成物
を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。ま
た、特公昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に接する
側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に
走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。また、表、裏
の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーテ
ィングされる、所謂タンデム押し出しコーティング方式
で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて裏の樹
脂層も二層以上の多層構成で被覆しても良い。また、画
像材料用支持体の表樹脂層面は光沢面、特公昭62-19732
号公報に記載の微粗面、マット面あるいは絹目面等に加
工することが出来、裏樹脂層は通常無光沢面に加工する
のが好ましい。
【0057】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層の被覆厚さとしては、8〜100μmの範囲が有用で
あるが、12〜60μmの範囲が好ましく、18〜40
μmの範囲が特に好ましい。また、本発明における特に
好ましい画像材料用支持体である、樹脂層が少なくとも
最下層から成る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹脂
層を逐次に溶融押し出しコーティングして被覆された多
層構成の場合、少なくとも最下層から成る樹脂層の厚さ
としては、画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感
の改良効果の観点から、表側の全樹脂層厚さの25%以
上の厚さが好ましく、39%以上の厚さが一層好まし
く、50%以上の厚さが特に好ましいが、特に制限され
るものではない。また、裏側の基紙面は、フィルム形成
能ある樹脂を主成分とする裏樹脂層で好ましくは被覆さ
れるが、その樹脂はポリエチレン系樹脂が好ましく、そ
の被覆厚さとしては表側の樹脂層と、特にカールバラン
スを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に8〜
100μmの範囲が有用であるが、好ましくは12〜6
0μmの範囲である。
【0058】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしく
は例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイ
ンダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0059】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0060】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0061】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱移行型熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱移行
型熱転写記録受像材料用支持体として用いることができ
る。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用いられる合
成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアクリレート
樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエステル結
合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合を
有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する樹
脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリカ
プロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等を挙げられる。これら樹脂に加えて、
これらの混合物もしくは共重合体等も使用できる。
【0062】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、
弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイ
ル類等が挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオ
イルが最も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、
油状の物も使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変
性シリコーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコ
ーンオイルの添加量は、受像層中に0.1〜20wt%が好
ましい。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、
酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、
受像層の厚さとしては、0.5〜20μmが好ましく、2
〜10μmが更に好ましい。
【0063】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等あるいは
これらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及び
ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマ
ー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤、特公平3-24906号公報、特開平3-281383号
公報、特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアル
ミナゾル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげる
ことができ、これらを単独あるいは併用して含有せしめ
ることができる。
【0064】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0.2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等に
記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、p
H調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0066】実施例1〜6及び比較例1〜5 本発明における広葉樹漂白クラフトパルプの製造工程に
おいては、特開昭60-69649号公報に記載の条件で蒸解
後、未晒クラフトパルプを第一段階の洗浄工程で洗浄処
理し、その後酸素脱リグニン処理(処理条件:パルプ濃
度が未晒パルプ絶乾重量として15重量%、苛性ソーダ
及び酸素の添加量が未晒パルプ絶乾重量当たりそれぞれ
1.5重量%及び1.0重量%、処理温度及び処理時間がそ
れぞれ110℃及び45分であった)し、酸素脱リグン
ニン処理後第2段階の洗浄工程で洗浄処理し、以後の工
程で特開昭60-69649号公報に記載の条件で「CEHDE
DP]の方式で漂白処理した。漂白処理された広葉樹漂
白クラフトパルプは、精選工程で液体サイクロン方式の
クリーナー等を用いて精選し、パルプ濃度が絶乾重量と
して4重量%の濃度で叩解工程に送り、パルプ繊維長が
表1の記載のものになるように叩解した。一方、比較用
の広葉樹漂白クラフトパルプの製造工程においては、精
選後シートマシーンに送り、絶乾水分率が15重量%で
あるパルプシートに抄造した。抄造したパルプシートは
叩解工程に搬送し、パルプ繊維長が表1の記載のものに
なるように叩解した。
【0067】叩解後、パルプ100重量部に対して、カ
チオン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリルアミド
0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.4重量部、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン樹脂0.4重量部及び適当量の蛍光増白剤、
青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製し
た。その後、紙料スラリーを200m/分で走行している
長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹
を形成し、ウェットパートで15〜100kgf/cmの範囲
で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、
スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで3
0〜70kgf/cmの範囲で線圧が調節された2段の緊度プ
レスを行った後、乾燥した。その後、乾燥の途中でカル
ボキシ変性ポリビニルアルコール4重量部、蛍光増白剤
0.05重量部、青色染料0.002重量部、塩化ナトリ
ウム4重量部及び水92重量部から成るサイズプレス液
を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分
が絶乾水分率で8重量%になるように乾燥し、線圧70k
gf/cmでマシンカレンダー処理して、坪量170g/m
2の、密度が1.04g/cm3、膜厚むら脂数Rpyが18
0mVである画像材料用支持体の基紙を製造した。
【0068】次に、画像形成層を設ける側とは反対側の
基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に下記
の樹脂組成物(R1)を樹脂温度315℃で20μmの
樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出しコ
ーティングした。この際、冷却ロールとしては、下記バ
ック層を塗設後の該バック層面の中心面平均粗さSRa
が1.15μmになる粗面度のものを用いた。なお、使用
した冷却ロールは液体ホーニング法で粗面化された冷却
ロールで、冷却水温度12℃で操業した。
【0069】樹脂組成物(R1):高密度ポリエチレン
樹脂(密度0.967g/cm3、MFR=15g/10分)70
重量部と低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/c
m3、MFR=0.6g/10分)30重量部とを溶融押し出
し機を用いて予め溶融・混合して調製したコンパウンド
樹脂組成物であり、そのペレットとして使用した。
【0070】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、表樹脂層(1)として、該表面にチューブラ法低密
度ポリエチレン樹脂[密度0.918g/cm3、MFR=8.
5g/10分、融点108℃、以下、低密度ポリエチレン
樹脂(R2)と略す]47.5重量%、含水酸化アルミニ
ウム(対二酸化チタンに対してAl23分として0.5
0重量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン顔
料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%および酸化
防止剤、テトラキス〔メチレン−3(3、5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタン150ppmから成る二酸化チタン顔料マスターバ
ッチ[以下、マスターバッチ(MB−1)と略す]17重
量部、低密度ポリエチレン樹脂(R2)46.25重量
%、上記二酸化チタン顔料50重量%、群青(第一化成工
業株式会社製、#2000)1.25重量%とステリアン
酸亜鉛2.5重量%、上記酸化防止剤150ppmから成る
二酸化チタン顔料マスターバッチ[以下、マスターバッ
チ(MB−2)と略す]8重量部、オートクレーブ法低
密度ポリエチレン樹脂[密度0.920g/cm3、MFR=
4.5g/10分、融点109℃、以下、低密度ポリエチ
レン樹脂(R3)と略す]57.6重量部とフィリップス
法高密度ポリエチレン樹脂[密度0.967g/cm3、MF
R=7.0g/10分、融点130℃、以下、高密度ポリ
エチレン樹脂(R4)と略す]17.4重量部から成る樹
脂組成物を樹脂温度315℃で28μmの厚さに基紙の
走行速度200m/分で溶融押し出し機を用いて、鏡面の
冷却ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで溶融押し
出しコーティングした。なお、表、裏のポリエチレン樹
脂の溶融押し出しコーティングは、逐次溶融押し出しコ
ーティングが行われる、いわゆるタンデム方式で行われ
た。その際、該樹脂被覆紙の二酸化チタン顔料を含む樹
脂層の表面は、グロッシー面に加工した。
【0071】別途、基紙の表面をコロナ放電処理後、表
樹脂層(2)として、該表面に下層の樹脂層として、厚さ
14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物、上層の樹脂層
として、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物を
それぞれの樹脂温度315℃で基紙の走行速度200m/
分で、二層共押し出し機を用いて、鏡面の冷却ロールと
プレスロールの線圧40kgf/cmで二層同時押し出しコー
ティングする以外は、表樹脂層(1)を被覆する場合と同
様にして樹脂被覆を行った。
【0072】また別途、基紙の表面をコロナ放電処理
後、表樹脂層(3)として、該表面に下層の樹脂層とし
て、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂組成物、上層
の樹脂層として、厚さ14μmの表樹脂層(1)と同じ樹脂
組成物をそれぞれの樹脂温315℃で基紙の走行速度2
00m/分で、下層、その後に上層の順に別個のステーシ
ョンで溶融押し出し機を用いて、鏡面の冷却ロールとプ
レスロールの線圧40kgf/cmで逐次溶融押し出しコーテ
ィングする以外は、表樹脂層(1)を被覆する場合と同様
にして樹脂被覆を行った。
【0073】更に、表、裏樹脂層を加工後巻き取るまで
の間に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放電処理後、
下記のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量
分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテックス=
1:1から成り、更にポリスチレンスルフォン酸ソーダ
0.021g/m2の他適量の塗布助剤等を含むバック層用
塗液をラテックス分(固形重量計算で)として0.21g
/m2になる塗布量で塗設した。
【0074】バック層を塗設後、樹脂被覆紙を巻き取る
までの間に、表側の樹脂面にコロナ放電処理を施し、石
灰処理ゼラチン1.2g、低分子量ゼラチン(新田ゼラチ
ン株式会社製、P−3226)0.3g、パラオキシ安息
香酸ブチルの10重量%メタノール溶液0.3g及びスル
フォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩のメタノ
ールと水の5重量%混合液0.45gを含み、全量を水で
100gに調製した配合の下引塗液をゼラチン塗布量0.
06g/m2になるように均一にオンマシン塗布して画像材
料用支持体を得た。
【0075】各々の画像材料用紙支持体を製造するとき
の表樹脂層の冷却ロールからの剥離性の評価方法として
は、支持体製造時の全体的な剥離の不規則性を目視で観
察すると共に得られた画像材料用支持体の表側の表面状
態を斜光で観察し、剥離むらの発生の程度を視覚的に判
定して、10段階のグレード評価を行った。評価基準
(グレード数値の大きいほど剥離性が良好であり、グレ
ード数値の小さいほど剥離性が悪いことを表す)として
は、以下の通りである。
【0076】グレード10〜9:冷却ロールからの剥離
は不規則性が全くなく、剥離むらの発生が全くあるいは
ほとんどなく、剥離性が極めて良好。 グレード 8〜7:冷却ロールからの剥離は不規則性が
ほとんどなく、剥離むらの発生が軽微で、剥離性が良
好。 グレード 6〜5:冷却ロールからの剥離はわずかな不
規則性を示し、剥離むらの発生がややあるが、実用上問
題ない程度。 グレード 4〜1:冷却ロールからの剥離は不規則性を
示し、剥離むらの発生が多く、実用上問題である。
【0077】次に、画像材料用支持体を有する写真プリ
ントの見た目の光沢感の評価方法としては、以下に記載
の方法で評価した。
【0078】画像材料用支持体の下引層上に隣接して順
に、黄色発色カプラーを含む青感乳剤層、色混り防止剤
を含む中間層、マゼンタ発色カプラーを含む緑感乳剤
層、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色カプ
ラーを含む赤感乳剤層及び保護層を多層塗布用Eバーに
より塗設してゼラチンの総量が7g/m2であるカラー印画
紙を作成した。各色感乳剤層は硝酸銀で0.6g/m2に相
当する塩臭化銀を含み、更にハロゲン化銀の生成、分散
及び成膜に必要なゼラチンの他、適量のカブリ防止剤、
増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤及び適量のフィル
ター染料などを含む。
【0079】次に、作成したカラー印画紙を35℃、常
湿下に5日間保存後、集合写真を焼き付け、現像、漂白
・定着、安定の現像処理をした後乾燥し、写真プリント
を作成した。又、別途白べた(未露光)及び黒べた(黒
色発色)の焼き見本も作成した。なお、露光、現像、乾
燥の一連の処理は、自動プリンター及び自動現像機によ
り行った。なお、発色現像処理は、発色現像(45秒)
→漂白・定着(45秒)→安定(90秒)→乾燥の手順
で行われた。
【0080】得られた集合写真、白べた及び黒べたの写
真プリントについて、10人のモニターにより視覚的に
写真プリントの見た目の光沢感を総合的に評価した。
【0081】写真プリントの見た目の光沢感の評価基準
としては、以下の通りである。 ◎:見た目の光沢感が極めて高い。 ◎〜○:見た目の光沢感がかなり高い。 ○ :見た目の光沢感が一層高い。 ○〜□:見た目の光沢感が高い。 □ :見た目の光沢感がやや高い。 △ :見た目の光沢感がやや低いが、実用可能である。 × :見た目の光沢感が低く、実用上問題がある。
【0082】得られた結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】表1の結果から、広葉樹漂白クラフトパル
プを製造後ドライパルプにすることなく、叩解工程に送
られ、叩解された広葉樹漂白クラフトパルプを含む紙を
基質とする、本発明における画像材料用支持体(実施例
1〜6)は、写真プリントの見た目の光沢感が高く、か
つ剥離性が良好で剥離むらの発生が無い、優れた画像材
料用支持体であることがよくわかる。
【0085】特に、写真プリントの見た目の光沢感の改
良効果の点から、繊維長が0.45mm〜0.65mmの範囲
であるパルプを用いた画像材料用支持体が好ましいこと
がよくわかる(実施例1と4、実施例2と5、実施例3
と6の比較)。また、特に写真プリントの見た目の光沢
感及び剥離性の改良効果の点から、表樹脂が多層構成で
ある画像材料用支持体が好ましいことがよくわかる(実
施例1と実施例2または3及び実施例4と実施例5また
は6の比較)。更に、写真プリントの見た目の光沢感及
び剥離性の改良効果の点から、逐次方式(逐次溶融押し
出しコーティング方式と同意義である)で表樹脂層が多
層構成にされた画像材料用支持体(実施例3と6)が更
に好ましく、繊維長が0.45mm〜0.65mmの範囲であ
るパルプを用い、かつ逐次方式で表樹脂層が多層構成に
された画像材料用支持体(実施例3)が、最も好ましい
ことがよくわかる。
【0086】一方、絶乾水分率が50%未満であるドラ
イパルプを用いた紙を基質とする、本発明外の画像材料
用支持体(比較例1〜5)は、写真プリントの見た目の
光沢感が低くて問題があることがよくわかる。逐次方式
で表樹脂層を多層構成にした場合(比較例3)でも、見
た目の光沢感の改良効果は十分でなく、本発明の有効性
が明らかであることがよくわかる(実施例3と比較例3
の比較)。
【0087】実施例7〜12及び比較例6 実施例3で用いたパルプの代わりに、表2に記載の構成
のパルプを用いる以外は実施例3と同様にして実施し
た。
【0088】得られた結果を表2に示す。
【0089】
【表2】
【0090】なお、表2中、(P1)は実施例3で用い
たパルプであり、(P2)は比較例3で用いたパルプで
ある。また、パルプは別叩解または共叩解を行い、構成
されたパルプの繊維長が0.55mmになるように叩解し
た。
【0091】表2の結果から、本発明の実施に用いられ
るノンドライ広葉樹漂白クラフトの基紙中の含有量とし
ては、写真プリントの見た目の光沢感の改良効果の点か
ら、基紙を構成する全パルプに対して、絶乾重量%で2
0重量%以上が有用であり、40重量%以上が好ましく、
60重量%以上が一層好ましく、80重量%以上が特に好
ましいことがよくわかる。
【0092】実施例13〜15及び比較例7〜8 実施例2で用いたパルプの代わりに、下記のパルプ(P
1)〜(P5)を用いる以外は実施例2と同様に実施し
た。 パルプ(P1):実施例2で用いたパルプ、絶乾重量%
でパルプ濃度が4重量%のスラリー形態であるパルプ。 パルプ(P2):比較例2で用いたパルプ、絶乾水分率
が15重量%であるドライパルプ。 パルプ(P3):パルプ(P2)と同様に製造され、絶
乾水分率が45重量%であるウェットパルプ。 パルプ(P4):パルプを漂白、精選後フィルター及び
プレス(ロールプレス及びスクリュウープレス)で圧搾
された絶乾水分率60重量%であるパルプ濃縮物。 パルプ(P5):パルプ(P4)と同様に製造された、
絶乾水分率が75重量%であるパルプ濃縮物。
【0093】得られた結果を表3に示す。
【0094】
【表3】
【0095】表3の結果から、広葉樹漂白クラフトパル
プを製造後ドライパルプまたは絶乾水分率が50重量%
未満であるウェットパルプにすることなく、叩解工程に
送られ、叩解された広葉樹漂白クラフトパルプを含む紙
を基質とする、本発明における画像材料用支持体(実施
例13〜15)は、写真プリントの見た目の光沢感が高
い、優れた画像材料用支持体であることがよくわかる。
また、本発明の実施に用いるパルプとしては、絶乾水分
率が50重量%以上のものが有用であるが、75重量%以
上のものが好ましく、パルプ濃度が、絶乾重量%で10
重量%以下のスラリー形態のものが特に好ましいことが
よくわかる。
【0096】実施例16〜18及び比較例9〜10 実施例3で用いたパルプに代わり、実施例13〜15及
び比較例7〜8で用いたパルプ(P1)〜(P5)を用
いる以外は実施例3と同様に実施した。
【0097】得られた結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】表4の結果から、広葉樹漂白クラフトパル
プを製造後ドライパルプまたは絶乾水分率が50%重量%
未満であるウェットパルプにすることなく、叩解工程に
送られ、叩解された広葉樹漂白クラフトパルプを含む紙
を基質とする、本発明における画像材料用支持体(実施
例16〜18)は、写真プリントの見た目の光沢感が高
い、かつ剥離性が良好で剥離むらの発生が無い、優れた
画像材料用支持体であることがよくわかる。また、本発
明の実施に用いるパルプとしては、絶乾水分率が50重
量%以上のものが有用であるが、75重量%以上のものが
好ましく、パルプ濃度が、絶乾重量%で10重量%以下の
スラリー形態のものが特に好ましいことがよくわかる。
【0100】また、表3と表4の比較から、本発明にお
いては、写真プリントの見た目の光沢感の改良効果及び
剥離性の改良効果の点から、逐次方式で表樹脂層が多層
構成にされた画像材料用支持体(実施例16〜18)
が、最も好ましいことがよくわかる。
【0101】実施例19〜27 パルプの種類としては、実施例2と同じパルプ(P1)
を用いるが、パルプの繊維長が表5に記載のものになる
ように叩解したパルプを用いる以外は実施例2と同様に
実施した。
【0102】得られた結果を表5に示す。
【0103】
【表5】
【0104】なお、画像材料の腰の強さの評価方法とし
ては、13cm×18cmのカラー写真プリントについて、
10人のモニターによりカラー写真プリントの端を持っ
て上下に振り、手触り感による腰の強さを評価した。評
価基準としては、○:腰が極めてまたはかなり強い、○
〜□:腰が強い、□:腰がやや強い、△:腰がやや弱い
が、実用可能である程度、×:腰が弱く、実用上問題が
ある程度を表す。
【0105】表5の結果から、本発明の実施に用いられ
るノンドライ広葉樹漂白クラフトパルプとしては、写真
プリントの見た目の光沢感及び画像材料の腰の強さの観
点から、繊維長が0.45mm〜0.65mmの範囲のものが
好ましく、0.47mm〜0.62mmの範囲のものが更に好
ましく、0.49mm〜0.59mmの範囲のものが特に好ま
しいことがよくわかる。
【0106】実施例28〜34 実施例3で用いた表樹脂層(3)の上層用または下層用
の樹脂組成物の代わりに、下記の樹脂組成物(3UA)
〜(3UD)または(3LE)〜(3LG)を、表8の
組み合わせで用いること及び基紙の走行速度を300m/
分にすること以外は実施例3と同様に実施した。
【0107】(上層用樹脂組成物):(3UA)〜(3
UD) 樹脂組成物(3UA):実施例3で用いたマスターバッ
チ(MB−1)17重量部と実施例3で用いたマスター
バッチ(MB−2)8重量部と実施例3で用いた低密度
ポリエチレン樹脂(R3)75重量部から成る樹脂組成
物。
【0108】樹脂組成物(3UB):実施例3で用いた
ものと同じ上層用樹脂組成物(上層中の全樹脂成分に対
する高密度ポリエチレン樹脂の含有率、20.1重量
%)。
【0109】樹脂組成物(3UC):マスターバッチ
(MB−1)17重量部とマスターバッチ(MB−2)
8重量部と低密度ポリエチレン樹脂(R3)40.2重
量部と高密度ポリエチレン樹脂(R4)34.8重量部
(上層中の全樹脂成分に対する高密度ポリエチレン樹脂
の含有率、40.1重量%)から成る樹脂組成物。
【0110】樹脂組成物(3UD):マスターバッチ
(MB−1)21重量部とマスターバッチ(MB−2)
9重量部と低密度ポリエチレン樹脂(R3)53.1重
量部と高密度ポリエチレン樹脂(R4)16.9重量部
(上層中の全樹脂成分に対する高密度ポリエチレン樹脂
の含有率、20.1重量%)から成る樹脂組成物。
【0111】(下層用樹脂組成物):(3LE)〜(3
LG) 樹脂組成物(3LE):実施例3で用いたものと同じ下
層用樹脂組成物。
【0112】樹脂組成物(3LF):密度0.924g/c
m3、MFR4.5g/10分、融点111℃のオートクレ
ーブ法低密度ポリエチレン樹脂。
【0113】樹脂組成物(3LG):密度0.924g/c
m3、MFR3.0g/10分、融点111℃のチューブラ
法低密度ポリエチレン樹脂。
【0114】得られた結果を表6に示す。
【0115】
【表6】
【0116】表6の結果より、本発明において好ましい
画像材料用支持体である、表樹脂層が多層構成にされた
画像材料用支持体の中でも、写真プリントの見た目の光
沢感及び剥離性の改良効果の点から、最上層中に、それ
より下側の樹脂層中の樹脂よりも密度または融点の高い
樹脂を少なくとも1種含有せしめるのが好ましいことが
よくわかる。また、最上層より下側の樹脂層中の二酸化
チタン顔料、着色顔料、離型剤、酸化防止剤などの添加
剤の含有割合を、最上層中の添加剤の含有割合より低く
しても、本発明の効果に全く問題なく、経済的に有利で
あることがよくわかる。
【0117】実施例35〜38 実施例32において、表樹脂層を逐次溶融押し出しコー
ティングする際に、上層及び下層用樹脂組成物の樹脂温
度として、表7に記載の樹脂温度にする以外は実施例3
と同様に実施した。
【0118】得られた結果を表7に示す。
【0119】
【表7】
【0120】表7の結果から、本発明においては、剥離
性の改良効果の点から、多層構成である表樹脂層用の樹
脂組成物を溶融押し出しコーティングするに際して、最
上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度より低くすることが好ましいこ
とがよくわかる。
【0121】実施例39〜43 実施例32において、表樹脂層の上層及び下層の被覆厚
さとして表8に記載の被覆厚さにする以外は実施例32
と同様に実施した。
【0122】得られた結果を表8に示す。
【0123】
【表8】
【0124】表8の結果から、本発明において好ましい
画像材料用支持体である、表樹脂層が多層構成にされた
画像材料用支持体の中でも、写真プリントの見た目の光
沢感及び剥離性の改良効果の点から、少なくとも最下層
から成る樹脂層の厚さが、全樹脂層厚さの25%以上の
厚さが好ましく、39%以上の厚さが一層好ましく、5
0%以上の厚さが特に好ましいことがよくわかる。
【0125】実施例44〜46 実施例2で用いた表樹脂層(2)の上層用並びに下層用
の樹脂組成物の代わりに、上層用の樹脂組成物として樹
脂組成物(3UD)を用いること並びに下層用の樹脂組
成物として樹脂組成物(3LF)を用いること及び基紙
の走行速度を表9に記載の走行速度にすること以外は実
施例2と同様に実施した。
【0126】得られた結果を表9に示す。
【0127】実施例47〜49 実施例32において、基紙の走行速度を表9に記載の走
行速度にすること以外は実施例32と同様に実施した。
【0128】得られた結果を表9に示す。
【0129】
【表9】
【0130】表9の結果、即ち実施例44と実施例47
(各々基紙の走行速度200m/分)、実施例45と実施
例48(各々基紙の走行速度250m/分)及び実施例4
6と実施例49(各々基紙の走行速度300m/分)の結
果の比較から、基紙の走行速度(即ち、画像材料用支持
体の製造速度)が速くなればなる程、即ち基紙の走行速
度が、200m/分以上、更には250m/分以上、特に3
00m/分以上である場合には、写真プリントの見た目の
光沢感及び剥離むらの改良効果の点から、本発明におけ
る画像材料用支持体の中でも逐次溶融押し出しコーティ
ング方式で表樹脂層が多層構成にされた画像材料用支持
体が、特に好ましいことがよくわかる。更に、該画像材
料支持体は、見た目の光沢感の高い画像材料及びそのプ
リントが得られる、かつ剥離むらの発生がない、なおか
つ高速かつ安定生産出来る、特に優れた画像材料支持体
であることがよくわかる。
【0131】実施例50 実施例3の画像材料用支持体上に多層ハロゲン化銀カラ
ー写真構成層の代わりに、下記のインク受像層を塗設し
てインクジェット記録材料を作成した。その結果、該イ
ンクジェット記録材料は見た目の光沢感が高くかつ、光
沢むらが無く、該画像材料用支持体は優れたものであっ
た。
【0132】インク受像層は、分子量7万のアルカリ処
理ゼラチンの10重量%ゼラチン水溶液30g、ソジウム
カルボキシメチルローズ(エーテル化度0.7〜0.8、
B型粘度計での2重量%水溶液の粘度が5cp以下のも
の)の8重量%水溶液37.5g、エポキシ化合物(長瀬
産業株式会社製NER−010)の5重量%メタノール
溶液0.3g、スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエ
ステル塩のメタノールと水の5重量%混合液0.5g及び
純水31.7gから成る塗液を固形分量で7g/cm2分塗設
されて形成された。
【0133】
【発明の効果】本発明により、見た目の光沢感が高い、
かつ光沢むらがない画像材料及びそのプリントを提供で
きる、しかも支持体製造時の冷却ロールからの剥離性が
良好であり、それ故高速かつ安定生産できる、紙を基質
とする優れた樹脂被覆紙型の画像材料用支持体を提供で
きる。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の画像形成層を設ける側の紙基質がフィル
    ム形成能ある樹脂を含む樹脂層で被覆された画像材料用
    支持体であって、紙基質は、広葉樹漂白クラフトパルプ
    を製造後ドライパルプまたは絶乾水分率が50重量%未
    満であるウェットパルプにすることなく、叩解工程に送
    られ、叩解された広葉樹漂白クラフトパルプを少なくと
    も含むものであることを特徴とする画像材料用支持体。
  2. 【請求項2】 紙基質中の該広葉樹漂白クラフトパルプ
    の含有率が、絶乾重量%で20重量%以上である請求項1
    記載の画像材料用支持体。
  3. 【請求項3】 紙基質中の該広葉樹漂白クラフトパルプ
    の含有率が、絶乾重量%で40重量%以上である請求項2
    記載の画像材料用支持体。
  4. 【請求項4】 紙基質中の該広葉樹漂白クラフトパルプ
    の含有率が、絶乾重量%で60重量%以上である請求項3
    記載の画像材料用支持体。
  5. 【請求項5】 紙基質中の該広葉樹漂白クラフトパルプ
    の含有率が、絶乾重量%で80重量%以上である請求項4
    記載の画像材料用支持体。
  6. 【請求項6】 叩解工程に送られる前の該広葉樹漂白ク
    ラフトパルプは、絶乾水分率が75重量%以上のもので
    ある請求項1、2、3、4または5記載の画像材料用支
    持体。
  7. 【請求項7】 叩解工程に送られる前の該広葉樹クラフ
    トパルプは、パルプ濃度が、絶乾重量%で10重量%以下
    のスラリー形態のものである請求項1、2、3、4また
    は5記載の画像材料用支持体。
  8. 【請求項8】 叩解後の該広葉樹漂白クラフトパルプの
    下記で規定される繊維長が、0.45mm〜0.65mmであ
    る請求項1、2、3、4、5、6または7記載の画像材
    料用支持体。 パルプの繊維長:叩解後のパルプについて,JAPAN
    TAPPI紙パルプ試験方法No.52-89「紙及びパ
    ルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平均
    繊維長(mm)で表示したもの。
  9. 【請求項9】 叩解後の該広葉樹漂白クラフトパルプの
    該繊維長が、0.47mm〜0.62mmである請求項8記載
    の画像材料用支持体。
  10. 【請求項10】 叩解後の該広葉樹漂白クラフトパルプ
    の該繊維長が、0.49mm〜0.59mmである請求項9記
    載の画像材料支持体。
  11. 【請求項11】 樹脂層が、最下層と最上層の少なくと
    も2層から成るものである請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9または10記載の画像材料用支持体。
  12. 【請求項12】 該樹脂層は、少なくとも最下層から成
    る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹脂層が逐次に溶
    融押し出しコーティングされる、逐次押し出しコーティ
    ング方式により被覆されたものである請求項11記載の
    画像材料用支持体。
  13. 【請求項13】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さの25%以上である請求項12記
    載の画像材料用支持体。
  14. 【請求項14】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さが39%以上である請求項13記
    載の画像材料用支持体。
  15. 【請求項15】 少なくとも最下層から成る樹脂層の厚
    さが、全樹脂層の厚さの50%以上である請求項14記
    載の画像材料用支持体。
  16. 【請求項16】 最上層用の樹脂組成物の温度が、それ
    より下側の樹脂層を構成する樹脂組成物の温度より低い
    条件で、溶融押し出しコーティング方式により、樹脂層
    が被覆されたものである請求項11、12、13、14
    または15記載の画像材料用支持体。
  17. 【請求項17】 最上層中に、それより下側の樹脂層中
    に含有する少なくとも1種の樹脂よりも密度または融点
    の高い樹脂を少なくとも1種含有するものである請求項
    11、12、13、14、15または16記載の画像材
    料用支持体。
  18. 【請求項18】 最上層中の添加剤の含有割合が、それ
    より下側の樹脂層中の添加剤の含有割合より高いもので
    ある請求項11、12、13、14、15、16または
    17記載の画像材料用支持体。
  19. 【請求項19】 添加剤が白色顔料、着色顔料、着色染
    料、蛍光増白剤、酸化防止剤または離型剤である請求項
    18記載の画像材料用支持体。
  20. 【請求項20】 白色顔料が二酸化チタン顔料である請
    求項19記載の画像材料用支持体。
  21. 【請求項21】 二酸化チタン顔料の最上層中の含有割
    合(最上層の重量に対する割合として)が12重量%以
    上である請求項20記載の画像材料用支持体。
  22. 【請求項22】 二酸化チタン顔料の最上層中の含有割
    合(最上層の重量に対する割合として)が15重量%以
    上である請求項21記載の画像材料用支持体。
  23. 【請求項23】 該少なくとも2層の樹脂層を紙基質に
    被覆する際の紙基質の走行速度が200m/分以上である
    請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15、16、17、18、1
    9、20、21または22記載の画像材料用支持体。
  24. 【請求項24】 紙基質の走行速度が250m/分以上で
    ある請求項23記載の画像材料用支持体。
  25. 【請求項25】 紙基質の走行速度が300m/分以上で
    ある請求項24記載の画像材料用支持体。
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JP2011063899A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Daio Paper Corp 塗工紙

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