JP2002055414A - 画像材料用支持体およびその製造方法 - Google Patents

画像材料用支持体およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002055414A
JP2002055414A JP2000240517A JP2000240517A JP2002055414A JP 2002055414 A JP2002055414 A JP 2002055414A JP 2000240517 A JP2000240517 A JP 2000240517A JP 2000240517 A JP2000240517 A JP 2000240517A JP 2002055414 A JP2002055414 A JP 2002055414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base paper
support
image material
resin
roll
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000240517A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Sato
佐藤  達也
Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP2000240517A priority Critical patent/JP2002055414A/ja
Publication of JP2002055414A publication Critical patent/JP2002055414A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】面質が極めて優れ、かつ、嵩高で剛度(こわ
さ)に優れた画像材料用支持体およびその製造方法を提
供する。 【解決手段】基紙を、加熱された金属ロールとシューロ
ールから成るロングニップカレンダー処理装置を用いて
平滑化処理すること、さらに、ロングニップカレンダー
処理装置と金属ロールと金属ロールから成るハードニッ
プカレンダー処理装置を組み合わせて平滑化処理するこ
とで、面質に優れながら、かつ、嵩高で剛度(こわさ)
にも優れた画像材料用支持体が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像材料用支持体
およびその製造方法に関するものである。更に詳しく
は、基紙の両面に耐水性被覆層を設けた画像材料用支持
体に画像形成層を設けた画像材料、例えば印画紙の面質
を著しく向上させ、嵩高で剛度(こわさ)の高い画像材
料用支持体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】画像材料用支持体、殊に代表的な画像材
料用支持体である写真材料用支持体を用いた多層ハロゲ
ン化銀カラー写真材料(単に、印画紙と呼称することが
ある)のプリント画像において、均一な光沢性を有して
美しく見え、かつ、剛度が高く取り扱いの際に十分な質
感を感じ取られる支持体程ユーザーを満足させるものは
ない。近年、印画紙の需要が高まるにつれて、この要望
は益々盛んになり、メーカーもこの対応に注力している
のが現状である。
【0003】プリント画像の出来映えに最も大きく影響
を与える因子の一つとして、画像材料用支持体の面質が
挙げられる。勿論メーカーは、従来から画像材料用支持
体の面質向上に努力してきてはいるが、最近の厳しい価
格低下に対応すべく、生産性の向上とコストダウン、更
に加えて環境問題への配慮などから、面質に悪影響を及
ぼすことは解っていながらも、生産性を高めるため増速
対応を採らざるを得ず、また、コストダウンについては
基紙の低坪量化、更に環境問題に対しては耐水性被覆層
の減量化など、いずれも面質の悪化する状況の下で、従
来に勝る面質向上を得るという課題に注力せざるを得な
いのが実状である。
【0004】これまでに、面質向上の課題は、画像材料
用支持体基紙の内添薬品処方やサイズプレスで代表され
る表面処理などによる各種の改良方法が多数開示されて
いるが、装置的な改良としては、例えば、特開昭61−
284762号公報は、長網抄紙機の紙匹を形成するワ
イヤーと、その上から紙匹を挟むように無端の上部ワイ
ヤーを設けた2枚ワイヤー抄紙機、いわゆるハイブリッ
ドフォーマータイプの抄紙機での写真材料用支持体の製
造方法を開示している。該公報に開示の技術を用いるこ
とで、ワイヤー上での湿紙の脱水性は、従来の長網抄紙
機に較べて良化し増速が可能となった。また、地合も長
網抄紙機に較べて良化するものの、その改良効果は充分
ではなかった。
【0005】一方、「面質」といった課題に加えて、印
画紙に関しては、一連の写真処理工程を経た後、印画紙
を複数枚に束ねたり、仕分けたりするといった加工適
性、更には手で持った時の風合いといった観点から、適
度な剛度(こわさ)やコシが必要とされる。
【0006】最近になって、上記のように抄紙機の改良
や紙匹を形成するワイヤー上での面質向上の他に、ウエ
ットパート以降での面質改良を目的とした技術が、例え
ば、特許第2645887号公報に開示されている。そ
れによると、原紙の両面をポリオレフィンにより被覆し
た写真材料用支持体において、金属ロールと合成樹脂ロ
ールから成るカレンダー処理装置で平滑化処理を行った
後、更に金属ロールと金属ロールから成るハードニップ
カレンダーで平滑化処理を行った原紙を使用した写真材
料用支持体は、平滑性が優れている旨、記載されてい
る。しかしながら、この方法では、写真材料用支持体ひ
いては乳剤塗布後の印画紙の面質を十分満足させる程に
平滑性を付与させると、印画紙の適度な剛度が失われて
しまう好ましくない問題が増大する。
【0007】また、特許第2983594号公報には、
原紙の両面にポリオレフィン樹脂層を設けてなる写真印
画紙用支持体の製法において、前記原紙に、加熱された
金属ロールと弾性ロールとから成るソフトカレンダー処
理装置における金属ロールの温度が150℃〜250
℃、線圧が80〜250Kg/cmの条件下でカレンダ
ー処理することによって、平滑度が良好で、剛度の低下
もなく、嵩の高い写真印画紙用支持体が得られる旨、開
示されている。しかしながら、この方法によっても、加
熱された金属ロールと弾性ロールとから成るソフトカレ
ンダー処理であるが故に、適度な剛度を維持しつつ、十
分満足すべき面質を具備した写真材料用支持体は得られ
ない。
【0008】上記のとおり、画像材料用支持体、殊に代
表的な画像材料用支持体である写真材料用支持体に用い
られる基紙の面質と適度な剛度(こわさ)やコシといっ
た相反する二つの特性を総合的に改良したものはなかっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基紙
の両面に熱可塑性被覆層を設けた画像材料用支持体、殊
に写真材料用支持体において、基紙の面質ひいては印画
紙の面質を著しく向上させ、かつ、嵩高で剛度(こわ
さ)やコシの高い画像材料用支持体およびその製造方法
を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の欠
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の画像材料用
支持体およびその製造方法を発明するに至った。すなわ
ち、
【0011】1.本発明は、基紙の両面を熱可塑性樹脂
により被覆した画像材料用支持体の製造方法において、
該基紙を加熱された金属ロールとシューロールから成る
ロングニップカレンダー処理装置により平滑化処理をす
ることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法の発明
である。
【0012】2.上記の発明1において、該基紙を加熱
された金属ロールとシューロールから成るロングニップ
カレンダー処理装置により平滑化処理を施すとともに、
基紙の密度を0.75〜0.95g/cm3 に調節する
ことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法の発明で
ある。
【0013】3.上記の発明1および2において、該基
紙を金属ロールと金属ロールから成るハードニップカレ
ンダー処理装置と、加熱された金属ロールとシューロー
ルから成るロングニップカレンダー処理装置を組み合わ
せて平滑化処理することを特徴とする画像材料用支持体
の製造方法の発明である。
【0014】4.上記の発明1、2および3において、
該基紙を金属ロールと金属ロールから成るハードニップ
カレンダー処理装置で平滑化処理を施した後、加熱され
た金属ロールとシューロールから成るロングニップカレ
ンダー処理装置で平滑化処理を施すことを特徴とする画
像材料用支持体の製造方法の発明である。
【0015】5.上記の発明1、2、3および4におい
て、基紙のオモテ面に加熱された金属ロールが接触して
平滑化処理されることを特徴とする画像材料用支持体の
製造方法の発明である。
【0016】6.本発明は、上記の1〜5に記載された
製造方法によって製造されたことを特徴とする画像材料
用支持体の発明である。
【0017】7.本発明は、基紙の両面を熱可塑性樹脂
により被覆した画像材料用支持体であって、該基紙の密
度が0.75〜0.95g/cm3 で、かつ、熱可塑性
樹脂により被覆された熱可塑性樹脂被覆紙の表面の表面
粗さが0.14μm以下であることを特徴とする6に記
載の画像材料用支持体の発明である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像材料用支持体
およびその製造方法について、詳細に説明する。
【0019】本発明者らは、画像材料用支持体、殊に代
表的な画像材料用支持体である写真材料用支持体におい
て、その面質を著しく向上させ、かつ、嵩高で剛度(こ
わさ)やコシのある画像材料用支持体およびその製造方
法を提供することに成功したものである。
【0020】通常、代表的な画像材料用支持体である写
真材料用支持体は、基紙の画像形成層を設ける側(オモ
テ側)およびその反対側(ウラ側)が、耐水性被覆層、
例えば熱可塑性樹脂を含む樹脂層で被覆される。その
後、画像形成層を設ける側には多層ハロゲン化銀カラー
写真乳剤などが塗布されて印画紙が得られ、一連の写真
処理工程を経てプリントが得られる。したがって、プリ
ント画像の出来映えに最も影響を与える面質は、画像材
料用支持体の面質であり、さらに高品位なプリント画像
を得るためには、基紙の面質まで遡って改良されねばな
らない。基紙の面質が悪いと、当然画像材料用支持体の
面質は悪化し、必然的に印画紙の面質も悪くなり、プリ
ント画像の出来映えは、甚だ不満足なものしか得られな
いことになる。
【0021】本発明者らは、まず、従来の装置的な面で
の基紙に対する面質向上対策として、効果的であると考
えられている金属ロール(加熱、加圧条件を付加する)
と弾性ロール(合成樹脂ロール)とからなるソフトカレ
ンダー処理について熟慮した結果、本発明に到ったもの
である。すなわち、この従来技術における最大の難点
は、満足すべき面質を得ようとすればする程、他の重要
特性の一つである嵩高でコシのある画像材料用支持体が
得られなくなることである。
【0022】この問題点を解決する為に鋭意検討した結
果、本発明者らは、カレンダー処理に用いられる金属ロ
ールと共に使用されるこれまでの弾性ロールに限界があ
ることをつきとめた。即ち、従来の金属ロールと弾性ロ
ールとからなるソフトカレンダー処理におけるニップ幅
は、使用するロール径や弾性ロール被覆材料の硬度と被
覆厚み、機械的強度の制約などにより、現実的にはせい
ぜい10mm程度であって、満足すべき面質を得ようと
すれば、どうしても嵩高さや剛度(こわさ)やコシとい
った重要特性を犠牲にせざるを得ない。
【0023】そこで、従来の弾性ロールに代えて、長い
ニップ幅が実現可能なシューロールを用いてカレンダー
処理を行ったところ、従来のカレンダー処理では同時に
満足することができなかった平滑性、嵩高さ、剛度(こ
わさ)やコシをすべて満足する基紙を得ることを見出し
本発明に至った。
【0024】本発明に用いられる、加熱された金属ロー
ルとシューロールとからなるロングニップカレンダー処
理を図1に基づいて説明すると、基紙5は加熱された金
属ロール1とシューロール4との加圧状態の間を通過し
てカレンダー処理されるのであるが、シューロール4に
は、ロール外面に、走行する基紙5とともに併走する樹
脂ベルト2がある。この樹脂ベルト2の内側には、シュ
ー3を有しており、シュー3は本体中心軸に固定された
加圧シリンダー7により加圧される。また、シュー3の
中央部分から潤滑オイル6が圧入され、シュー3と該樹
脂ベルト2との間で潤滑皮膜を形成して機械的摩擦を軽
減する。このシュー3が該樹脂ベルト2を押し上げるこ
とで、対向する金属ロールとの間でシュー3の形状に従
ったロングニップ部分ならびニップ圧力勾配を形成し、
基紙5をカレンダー処理することとなる。
【0025】本発明の加熱された金属ロールとシューロ
ールとから成るロングニップカレンダー装置を用いるカ
レンダー処理方法が、特に有効な理由として以下が考え
られる。
【0026】本発明の方法によれば、通常のハードニッ
プカレンダー装置や図2に示したソフトカレンダー装置
に比べ、格段にニップ幅を広くできるためニップ滞在時
間が著しく延長される。これにより、加熱された金属ロ
ールと接触する基紙の受熱量が格段に高まる事となり、
加熱ロールを有する通常のカレンダー装置を使用した場
合を大きく上回って基紙が塑性変形を受けやすい状態が
得られる。加えて、広いニップ幅のため低いニップ面圧
でのカレンダー処理となるため、通常では避け得ない基
紙の密度上昇が回避可能であり、特に熱と加圧力の影響
を受けやすい基紙表面近傍が優先的に平滑化されるた
め、満足すべき面質と嵩高で剛度(こわさ)が高く、コ
シのある画像材料用支持体というこれまで相反する特性
が両立できる。シューロールは、加熱された金属ロール
とシューロールとからなるロングニップカレンダー処理
において、ニップ幅が広くとれるシューロールであれば
特に限定しないが、例えばオプティドウェルカレンダー
の「SymBeltロール」(バルメット社製)は、ニ
ップ幅を最大270mmまで拡大させて使用可能なこと
から好適に用いられる。本発明に用いられる金属ロール
は、加熱可能なものであれば材質は特に限定しないが、
鉄にクロムメッキなどを施した汎用の金属ロールを用い
ても差し支えない。
【0027】本発明の態様によれば、金属ロールとシュ
ーロールとから成るロングニップカレンダー装置におけ
るニップ幅は、シューロールの構造によるものの、通常
約70mm程度、最大で270mmまでも拡大させるこ
とができる。この際、本発明においては、金属ロールは
加熱されていることが必須条件であり、加熱温度は要求
される画像材料用支持体によって一概には決められない
が、通常120〜230℃、好ましくは150〜200
℃である。
【0028】また、加熱された金属ロールとシューロー
ルとから成るロングニップカレンダー処理後の基紙の密
度は、0.75〜0.95g/cm3 であることが好ま
しい。密度が0.75未満であると、満足すべき面質は
得にくく、また、密度が0.95を超えると、満足でき
る面質が得られるものの、嵩高で剛度(こわさ)やコシ
のある画像材料用支持体は得にくい。
【0029】また、本発明においては、基紙が金属ロー
ルと金属ロールから成るハードニップカレンダー処理装
置と、加熱された金属ロールとシューロールから成るロ
ングニップカレンダー処理装置を組み合わせて平滑化処
理されることが好ましく、基紙が金属ロールと金属ロー
ルから成るハードニップカレンダー処理装置で平滑化処
理を施した後、加熱された金属ロールとシューロールか
ら成るロングニップカレンダー処理装置で平滑化処理を
施すことが更に好ましく、基紙が加熱された金属ロール
とシューロールから成るロングニップカレンダー処理装
置で平滑化処理がされる際に、基紙のオモテ面が金属ロ
ールに接触して製造することが最も好ましい。
【0030】本発明においては、基紙の両面を熱可塑性
樹脂により被覆した画像材料用支持体であって、該基紙
の密度が0.75〜0.95g/cm3 で、かつ、熱可
塑性樹脂により被覆された熱可塑性樹脂被覆紙の表面の
表面粗さが0.14μm以下である画像材料用支持体
は、特に写真印画紙用支持体として好適に用いられる。
【0031】また、上記基紙の両面に熱可塑性樹脂被覆
層を設けてなる画像材料用支持体の画像形成層塗布面の
中心面平均粗さ(SRa)値が0.14μm以下である
ことが好ましい。上記SRa値は画像材料用支持体の表
面の、光沢に影響する微細な凹凸を表す指標であり、こ
の値が0.14μmを超えると画像形成層塗布面の凹凸
が大きいため、目的とする高品質感を与える光沢がえら
れず好ましくはない。なおこのSRa値は具体的には小
坂研究所製三次元表面粗さ計を使用し、下記の条件で測
定されたものである。カットオフ値0.8mm、X測定長さ
20.8mm、Y送りピッチ 0.5mm、測定本数 16本。
【0032】本発明のロングニップカレンダー処理を行
う前の基紙密度は、基紙を構成する原料パルプの選定や
混合比率、その叩解処理の程度、また抄紙製造条件など
により変化するものの、通常0.70〜0.72g/c
3 に抄紙された後、密度を調節しながらカレンダー処
理される。
【0033】本発明の平滑化処理において、ロングニッ
プカレンダー処理すべき位置は、抄紙機のサイズプレス
前後いずれでも、また、その両方でも良いが、サイズプ
レス後のアフタードライヤーを通過した後に設置された
方が、サイズプレス塗布液の吸収による基紙の再膨潤に
よって生じる面質変化についても矯正が可能となるため
より好ましい。また通常、アフタードライヤー後には、
ハードニップカレンダーから成るマシンカレンダーや弾
性ロールから成るソフトカレンダーが設置され、画像材
料用支持体の基紙が処理され巻取られるが、これらをロ
ングニップカレンダー設備に替えることが好ましく、ま
た、該ロングニップカレンダーとハードニップカレンダ
ーやソフトカレンダーとを組み合わせて平滑化処理をし
てもよい。また、抄紙機で巻取られた基紙をオフマシン
で処理してもよい。更に樹脂被覆する工程において、溶
融押出塗工直前でカレンダー処理すると、処理後の時間
経過に伴うもどりが少なくより効果的である。本発明に
おける加熱された金属ロールは、画像形成層が塗布され
る側の面(通常オモテ面)に当てられる方法が好まし
い。なお、本発明の平滑化処理方法は、必要により複数
段処理としても良い。また必要によっては、本発明の特
性を損なわない範囲であれば、加熱された金属ロールの
代わりに加熱された弾性ロールとシューロールを組み合
わせても良い。本発明において、平滑化処理される基紙
の水分は画像形成層の塗布などに障害のでない範囲で、
かつ、紙として品質が安定し得る最終水分を有すればよ
く、12%以下、好ましくは10%以下、更に好ましく
は9%以下である。基紙の坪量は、要求される画像材料
用支持体によって一概には決められないが、80〜20
0g/m2が一般的である。
【0035】本発明の実施に用いられる基紙は、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプを主成分として合成パルプ、合成繊維と
からなる混抄紙でもよい。それらの天然パルプとして
は、特開昭58−37642号公報、特開昭60−67
940号公報、特開昭60−69649号公報、特開昭
61−35442号公報等に記載もしくは例示してある
ような適切に選択された天然パルプを用いるのが有利で
ある。天然パルプは、クラフトパルプ、サルファイトパ
ルプ、ソーダパルプなどの各種の蒸解方法によるものを
用いることができる。また、さらに、塩素、次亜塩素酸
塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽
出もしくはアルカリ処理、および必要に応じて過酸化水
素、酸素、オゾンなどによる酸化漂白処理など、および
それらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹
パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に
用いられ、特に画像材料支持体の基紙としては高い白色
度を有するパルプが好適に用いられる。
【0036】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙中には、紙料スラリ−調製時に各種の添
加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂
肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62−7534号公
報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物
あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニルまた
はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾
燥紙力増強剤として、各種の澱粉類、アニオン性、カチ
オン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニル
アルコール、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強
剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹
脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、
硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤と
して、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等、その他特開昭
63−204251号公報、特開平1−266537号
公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光
増白剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができ
る。
【0037】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、各種の水
溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテック
ス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズプレス
もしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エア
ーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せし
めることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロ
イドとして、特開平1−266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラ
テックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55
−4027号公報、特開平1−108538号公報に記
載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリ
ル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマル
ジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、
スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチ
レン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレー
ト系共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエ
マルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、
塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩
化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、
コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチ
レンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料とし
て、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸
バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、
リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した
着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組
み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0038】本発明における画像材料用支持体の基紙の
画像形成層を設ける側(通常オモテ側)は、熱可塑性樹
脂を含む樹脂層で被覆される。また、基紙のウラ側は、
熱可塑性樹脂樹脂を含む樹脂層で被覆されるのが好まし
い。それらの熱可塑性樹脂脂としては、ポリオレフィン
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド樹脂及びそれらの混合物などの樹脂が好ましく、
中でも、溶融押し出しコーティング性の点から、前記し
たポリオレフィン樹脂あるいは/およびポリエステル樹
脂が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂が特に好まし
い。
【0039】本発明の実施に好ましく用いられる表樹脂
層用および裏樹脂層用のポリエチレン系樹脂としては、
低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、高
密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、超低密度ポリエチレン樹脂、エチレンとプロピレ
ン、ブチレン等のα―オレフィンとの共重合体、エチレ
ンとアクリル酸、アクリル酸エチルエステル、無水マイ
レン酸等の共重合体またはグラフト共重合体である、い
わゆるカルボキシ変性ポリエチレン樹脂等、またオート
クレーブ型反応器、チューブラー型反応器等を用いた高
圧ラジカル重合法によるポリエチレン系樹脂、メタロセ
ン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂、
チーグラー法、フィリップス法等を用いた、メタロセン
以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹
脂およびこれらの混合物をあげることが出来る。それら
のポリエチレン系樹脂及び混合物としては、各種の密
度、メルトフローレート(以下、JIS K 6760
で規定されるメルトフローレートのことで単にMFRと
略す)、分子量、分子量分布のものを単独にあるいは混
合して使用できる。
【0040】本発明の実施に表樹脂層用及び裏樹脂層用
に特に好ましく用いられるメタロセン重合触媒を用いて
重合製造したポリエチレン系樹脂としては、特表平3−
502710号公報、特開昭60−35006号公報、
特表昭63−501369号公報、特開平3−2347
17号公報、特開平3−234718号公報などに記載
もしくは開示されている如く、ジルコニウム系またはハ
フニウム系などのメタロセンと、好ましくはメチルアル
ミノキサンなどとを組み合わせて触媒活性を高めたもの
を重合触媒として用いて重合製造されたものである。
【0041】また、メタロセン重合触媒以外の金属重合
触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂として
は、例えばチーグラー法、フィリップス法などを用いて
重合製造した各種のポリエチレン系樹脂を挙げることが
できる。
【0042】本発明の実施に用いられる裏樹脂層用のポ
リエチレン系樹脂としては、予め溶融・混合して調製し
たコンパウンド樹脂が好ましい。低密度ポリエチレン樹
脂あるいは中密度ポリエチレン樹脂と高密度ポリエチレ
ン樹脂とを予め溶融・混合してコンパウンド樹脂を調製
する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融混合法等
を用いることができる。例えば、押し出し機、二軸押し
出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサー、加圧
ニーダー等を用いて、所定量の低密度あるいは中密度ポ
リエチレン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂、更に必要に
応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添加剤を加えて溶融
・混合した後、その混合物をペレット化する方法が有利
に用いられる。
【0043】本発明における画像材料用支持体に用いら
れる表樹脂層中および裏樹脂層中の熱可塑性樹脂として
は、好ましくはポリオレフィン樹脂、特に好ましくはポ
リエチレン系樹脂であって、この場合には、表樹脂層用
及び裏樹脂層用の樹脂組成物を溶融押し出し機に使用し
て、走行する基紙上にそのスリットダイからフィルム状
に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティン
グ方式によって製造される。通常は、走行する基紙上に
溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイから溶融し
た樹脂組成物をフィルム状に押し出し、流延して被覆
し、加圧ロールと冷却ロールとの間で圧着し、冷却ロー
ルから剥離されるという一連の工程で生産される。溶融
押し出しコーティングの際、スリットダイとしてはT型
ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダ
イが好ましく、スリット開口径は、0.1mm〜2mm
であることが望ましい。
【0044】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60−3430号公
報、特公昭63−11655号公報、特公平1−382
91号公報、特公平1−38292号公報、特開平1−
105245号公報等に記載もしくは例示の二酸化チタ
ン顔料を含有せしめるのが好ましい。また、二酸化チタ
ンの他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム等の白色顔
料、離型剤として、ステアリン酸アミド、アラキジン酸
アミド等の脂肪酸アミド、顔料の分散剤及び離型剤とし
て、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パ
ルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カル
シウム等の脂肪酸金属塩、特開平1−105245号公
報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール、ヒンダ
ードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバ
ルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブ
ルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレッ
ト、ファストバイオレット、マンガンバイオレット等の
マゼンタ系の顔料や染料、特開平2−254440号公
報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の
各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出
来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるい
はコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。ま
た、プリントの鮮鋭度または白色度あるいは画像材料用
支持体の耐熱性、耐光性または離型性の効果的な向上等
の点から、酸化チタン等の白色顔料及び蛍光増白剤、着
色顔料や着色染料あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤ま
たは離型剤等その他の添加剤を下側樹脂層中より最上層
中に高濃度に含有せしめるのが好ましい。特に、二酸化
チタン顔料の最上層中の含有割合(最上層中の重量に対
する割合として)を、9重量%以上、更に12重量%以
上、なお更に15重量%以上、特に17重量%以上にす
ることが好ましい。
【0045】本発明の実施に当り、表・裏の樹脂組成物
を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。ま
た、特公昭61−42254号公報に記載の如く、基紙
に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつ
けた後に走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。ま
た、表、裏の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し
出しコーティングされる、いわゆるタンデム押し出しコ
ーティング方式で基紙に被覆させても良く、必要に応じ
て裏の樹脂層も二層以上の多層構成で被覆しても良い。
また、画像材料用支持体の表樹脂層面は光沢面、特公昭
62−19732号公報に記載の微粗面、マット面ある
いは絹目面等に加工することが出来、裏樹脂層は通常無
光沢面に加工するのが好ましい。
【0046】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層の被覆厚さとしては、8〜100μmの範囲が有用で
あるが、特に基紙の平滑性に優れる本発明の製造方法に
よれば樹脂層の被覆厚さを減ずることが可能となり、1
2〜60μmの範囲が好ましく、18〜40μmの範囲が
特に好ましい。また、本発明における特に好ましい画像
材料用支持体である、樹脂層が少なくとも最下層から成
る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹脂層を逐次に溶
融押し出しコーティングして被覆された多層構成の場
合、少なくとも最下層から成る樹脂層の厚さとしては、
画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感を改良する
効果の観点から、表側の全樹脂層厚さの25%以上とな
る厚さが好ましく、39%以上の厚さが一層好ましく、
50%以上の厚さが特に好ましいが、特に制限されるも
のではない。また、裏側の基紙面は、フィルム形成能あ
る樹脂を主成分とする裏樹脂層で好ましくは被覆される
が、その樹脂はポリエチレン系樹脂が好ましく、その被
覆厚さとしては表側の樹脂層と、特にカールバランスを
取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に8〜10
0μmの範囲が有用であるが、好ましくは12〜60μm
の範囲である。
【0047】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61−84643号公報、特開平
1−92740号公報、特開平1−102551号公
報、特開平1−166035号公報等に記載もしくは例
示のような下引層を塗設することができる。また、本発
明における画像材料用支持体の裏樹脂層面上には、コロ
ナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施した後、帯
電防止等のために各種のバックコート層を塗設すること
ができる。また、バックコート層には、特公昭52−1
8020号公報、特公昭57−9059号公報、特公昭
57−53940号公報、特公昭58−56859号公
報、特開昭59−214849号公報、特開昭58−1
84144号公報等に記載もしくは例示の無機帯電防止
剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、
硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せ
しめることができる。
【0048】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。
【0049】また、本発明における画像材料用支持体
は、各種の熱移行型熱転写記録受像層が塗設されて各種
の熱移行型熱転写記録受像材料用支持体として用いるこ
とができる。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用い
られる合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアク
リル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸
ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアク
リレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエ
ステル結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタ
ン結合を有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を
有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その
他ポリカプロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポ
リアクリロニトリル樹脂等を挙げられる。これら樹脂に
加えて、これらの混合物もしくは共重合体等も使用でき
る。
【0050】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形
ワックス類、弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シ
リコーンオイル類等が挙げられる。これら離型剤の中で
シリコーンオイルが最も好ましい。上記シリコーンオイ
ルとしては、油状の物も使用できるが、硬化型のものが
好ましい。硬化型のシリコーンオイルとしては、反応硬
化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬
化型のシリコーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シ
リコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ変性シリコーンオイル等が挙げられる。上
記反応性シリコーンオイルの添加量は、受像層中に0.
1〜20重量%が好ましい。上記顔料としては、シリ
カ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔
料が好ましい。また、受像層の厚さとしては、0.5〜
20μmが好ましく、2〜10μmが更に好ましい。
【0051】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等あるいは
これらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及び
ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマ
ー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤、特公平3−24906号公報、特開平3−
281383号公報、特願平4−240725号公報に
記載もしくは例示のアルミナゾル、シリカゾル等の無機
系バインダー等をあげることができ、これらを単独ある
いは併用して含有せしめることができる。
【0052】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、長鎖、好まし
くは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などのア
ニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル基
含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテル、
長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイドエ
ーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47−930
3号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載
のフルオロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリン
グ剤、ポリマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、
ビニルスルホン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化
合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の
硬膜剤、防腐剤として、特開平1−102551号公報
に記載もしくは例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル
化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン
化合物等、特開昭63−204251号公報、特開平1
−266537号公報等に記載もしくは例示の着色顔
料、着色染料、蛍光増白剤など、黄変防止剤としてヒド
ロキシメタンスルホン酸ソーダ、P−トルエンスルフィ
ン酸ソーダ等、紫外線吸収剤として、ヒドロキシ−ジ−
アルキルフェニル基を2位に有するベンゾトリアゾール
化合物など、酸化防止剤として、特開平1−10524
5号公報に記載もしくは例示のポリヒンダードフェノー
ル化合物など、鉛筆加筆剤として、澱粉粒、硫酸バリウ
ム、二酸化珪素等の有機または無機の粒子径0.2〜5
μmの微粒子、特公平4−1337号公報等に記載もし
くは例示のオルガノポリシロキサン化合物、pH調節剤
として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩酸、リン
酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリコン系消
泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめ
ることができる。
【0053】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、実施例において示す「部」および「%」は、
特に明示しない限り、重量部および重量%を示す。
【0054】実施例1〜15および比較例1〜6 <基紙の製造>広葉樹漂白クラフトパルプ85重量部及
び広葉樹漂白サルファイトパルプ15重量部から成る混
合パルプを、叩解後のパルプの重量平均繊維長(JAP
ANTAPPI 紙パルプ試験方法No.52−89「紙
及びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した)が、
0.55mmとなるように叩解し、窒素含有量が0.3
0重量%のカチオン化澱粉(日本食品加工株式会社製
商品名「ネオタック#130」)を0.50重量部添加
した。さらに、アニオン化ポリアクリルアミド0.20
重量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマ
ー分として)0.40重量部、ポリアミンポリアミドエ
ピクロルヒドリン樹脂0.40重量部および適当量の蛍
光増白剤、青色染料、赤色染料を添加してパルプスラリ
ーを調製した。これを、0.5重量%のパルプスラリー
とした後、抄幅5000mm、抄紙速度200m/分で
長網抄紙機を用いて製造した。以上の条件で製造した基
紙をポリビニルアルコール(PVA117:クラレ社
製)3部および水97部からなるサイズプレス液を用い
て25g/m2 含浸した後、ドライヤーを通過せしめ
て、基紙の坪量170g/m2 、水分が8%となるよう
に乾燥し密度0.71g/cm3の基紙とした後、以下
の条件(表1参照)によりカレンダー処理し、実施例1
〜15および比較例1〜6の画像材料用支持体に用いら
れる基紙を製造した。
【0055】実施例1〜3では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの180℃に加熱された金属ロールと、硬
度91ShAの樹脂ベルトを外層とし、内部に70mm
幅のシューを有するシューロール(バルメット社製 商
品名「SymBelt」ロール)からなるロングニップ
カレンダーを用いて、表1記載のカレンダー加圧条件で
カレンダー処理した。なお、表1記載のカレンダー加圧
条件は、カレンダー処理される基紙の単位幅(1m)あ
たりに加えられる加重(kN)としてkN/mの単位で
記載されている。上記のカレンダー処理後、ロングニッ
プカレンダーの加熱された金属ロール面に接した面をオ
モテ面として、実施例1〜3の画像材料用支持体に用い
られる基紙とした。
【0056】また実施例4〜8では、実施例1または実
施例2と同様のロングニップカレンダーによるカレンダ
ー処理した後、続けて、硬度Hs84度で表面粗さ0.
3Sの金属ロールと同様の金属ロールからなるハードニ
ップカレンダーによるカレンダー処理を追加して行っ
た。このときのカレンダー加圧条件は表1記載の通りで
ある。カレンダー処理後、ロングニップカレンダーの加
熱された金属ロール面に接した面をオモテ面として、実
施例4〜8の画像材料用支持体に用いられる基紙とし
た。
【0057】さらに実施例9〜13では、まず硬度Hs
84度で表面粗さ0.3Sの金属ロールと同様の金属ロ
ールからなるハードニップカレンダーによるカレンダー
処理を実施した後、続けて、実施例1または実施例2と
同様のロングニップカレンダーによるカレンダー処理を
実施した。このときのカレンダー加圧条件は、表1記載
の通りである。カレンダー処理後、ロングニップカレン
ダーの加熱された金属ロール面に接した面をオモテ面と
して、実施例9〜13の画像材料用支持体に用いられる
基紙とした。
【0058】また実施例14では、実施例2と同様のロ
ングニップカレンダーによるカレンダー処理を実施し、
ロングニップカレンダーの加熱された金属ロール面に接
した面をウラ面として実施例14の画像材料用支持体に
用いられる基紙とした。
【0059】さらに実施例15では、実施例13と同様
のハードニップカレンダーとロングニップカレンダーを
組み合わせたカレンダー処理を実施した後、ロングニッ
プカレンダーの加熱された金属ロール面に接した面をウ
ラ面として、実施例15の画像材料用支持体に用いられ
る基紙とした。
【0060】比較例1〜4では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの金属ロールと同様の金属ロールからなる
ハードニップカレンダーによるカレンダー処理を、表1
記載のカレンダー加圧条件により実施した。カレンダー
処理後、比較例1〜4の画像材料用支持体に用いられる
基紙とした。
【0061】また比較例5では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの180℃に加熱された金属ロールと硬度
90ShDの弾性ロール(エラグラス製)からなるソフ
トカレンダーによるカレンダー処理を、表1記載のカレ
ンダー加圧条件で行い、加熱された金属ロール面に接し
た面をオモテ面として比較例5の画像材料用支持体に用
いられる基紙とした。
【0062】比較例6では、硬度Hs84度で表面粗さ
0.3Sの金属ロールと同様の金属ロールからなるハー
ドニップカレンダーによるカレンダー処理を行った後、
さらに硬度Hs84度で表面粗さ0.3Sの180℃に
加熱された金属ロールと硬度90ShDの弾性ロール
(エラグラス製)からなるソフトニップカレンダーによ
るカレンダー処理を表1記載のカレンダー加圧条件で行
って、加熱された金属ロール面に接した面を表面とし
て、比較例6の画像材料用支持体に用いられる基紙とし
た。
【0063】<ウラ面樹脂層の形成>次に、画像形成層
を塗設する側とは反対側の紙面(ウラ面)をコロナ放電
処理した後、該ウラ面に低密度ポリエチレン樹脂(密度
=0.924g/cm3、MFR=1g/10分)30重
量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度=0.967g/
cm3、MFR=15g/10分)70重量部から成る
コンパウンド樹脂組成物を樹脂温度320℃で25μm
の樹脂厚さに紙の走行速度200m/分で溶融押出コー
ティングした。この際、冷却ロールは、液体ホーニング
法で粗面化されたもの使用し、下記バック層を塗設し
た。
【0064】バック層は、ウラ面樹脂層にコロナ放電処
理後、以下のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾
燥重量分として、コロイダルシリカ:スチレン系ラテッ
クス=1:1から成り、さらにポリスチレンスルホン酸
ソーダ0.021g/m2の他、適量の塗布助剤などを含
むバック層用塗液をラテックス分(固形重量計算で)と
して0.21g/m2になる塗布量で塗設した。
【0065】<オモテ面樹脂層の形成>引き続き、基紙
のオモテ面をコロナ放電処理した後、該オモテ面に低密
度ポリエチレン樹脂47.5重量%、含水酸化アルミニ
ウム(対二酸化チタンに対してAl23分として0.7
5重量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン顔
料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%からなる
二酸化チタン顔料のマスターバッチ20重量部、低密度
ポリエチレン樹脂55重量部と高密度ポリエチレン樹脂
25重量部からなる樹脂組成物を樹脂温度325℃で2
0μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し
出しコーティングした。その際、該樹脂被覆紙の二酸化
チタン顔料を含む樹脂層のオモテ面は鏡面に、ウラ面樹
脂層の面質は紙の如きマット面に加工した。
【0066】このようにして得られた、実施例1〜15
の本発明の画像材料用支持体、および比較例1〜6の本
発明外の画像材料用支持体の各試料について、下記の各
試験方法により、嵩高さ(密度)、クレーター状細孔、
面質感、表面粗さおよびこわさ(剛度)を測定した。
【0067】評価項目 <密度(嵩高さ)>カレンダー処理後の画像材料用支持
体の基紙について、JIS P8118に準じて厚さと
密度を測定、算出した。なお、基紙一枚の嵩(比容積)
は密度が低いほど高くなり、一般に同一基紙を複数枚重
ね合わせて測定した場合でも、低密度な基紙ほど嵩高な
様態を示す。
【0068】<クレーター状細孔>樹脂被覆された画像
材料用支持体の表面の2cm四方を、光学顕微鏡(10
倍)により拡大観察し、直径10μm以上のクレーター
状細孔(ピンホール)について単位面積当たりの発生個
数をカウントした。その個数によりグレード分けを行
い、クレーター状細孔(ピンホール)が確認できない良
好なものを6、ピンホールが著しく多いものを1として
6段階にグレード分けした。画像材料用支持体のクレー
ター状細孔(ピンホール)が多いと、光沢など外観上の
品質低下や、記録画像再現性の低下など多くの支障をき
たす事となる。そのため画像材料用支持体としてはグレ
ード3以上が必要であり、高品質な画像材料用支持体と
して好ましくはグレード4以上が必要である。
【0069】<面質感>樹脂被覆された画像材料用支持
体に、主にゼラチンからなる画像記録材料を塗布してオ
モテ面の面質感を評価した。評価は目視官能評価により
行い、高光沢性があり均質性に優れ、高い面質感を与え
るものをグレード6に、光沢性が低くまた均質性に劣
り、低品位な面質感を与えるものをグレード1として6
段階のグレード分けを行った。画像材料用支持体として
はグレード3以上が必要であり、高品質な画像材料用支
持体として好ましくはグレード4以上が必要である。
【0070】<表面粗さ(SRa)>小坂研究所製3次
元表面粗さ計により、カットオフ0.8mm、X測定長さ
20.8mm、Y送りピッチ0.5mm、測定本数16
の条件で、樹脂被覆された画像材料用支持体のオモテ面
(画像記録材料の塗布面)を測定した。この際の中心面
平均粗さ(SRa)値が、0.14μm以下であること
が好ましい。上記のSRa値は、画像材料用支持体の表
面の光沢に影響する微細な凹凸を表す指標であり、この
値が0.14μmを超えると記録画像材料塗布面の凹凸
が大きくなり光沢感が得られず、記録画像の品位が低下
してしまう。
【0071】<テーバー剛度(こわさ)>樹脂被覆され
た画像材料用支持体の剛度を、JIS P8125に従
って、こわさ試験方法(テーバー剛度)により測定し
た。この値が1.72mN・m以下では実用上問題が生
じる。
【0072】このようにして得られた各試験方法による
試験結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】<評価>実施例1〜3では、ロングニップ
カレンダーを使用することにより密度上昇を抑えて嵩と
剛度(こわさ)を維持しながら、面質感に優れ、クレー
ター状細孔についても実用上問題のない画像材料用支持
体が得られた。
【0075】また、実施例4〜8ならびに実施例9〜1
3はロングニップカレンダーとハードニップカレンダー
を併用した場合の結果であり、ハードニップカレンダー
の使用により実施例1〜3に比べて若干の密度上昇と剛
度低下となるものの、クレーター状細孔が少なく、高い
面質感で平滑性に優れる結果となった。特に、支持体基
紙密度が本発明範囲の0.75〜0.95g/cm3
ある場合、画像支持体用基紙として望まれる剛度(こわ
さ)を充分に維持しつつ、かつ高品位な画像材料用支持
体として望ましい面質を両立したものとなった。
【0076】一方、比較例1〜4に示した従来のハード
ニップカレンダーのみによるカレンダー処理では、画像
材料用支持体の基紙に必要な面質感や平滑性を得ようと
した場合、大きな密度上昇による嵩の低下と剛度の低下
が避けられず、高い面質感と高い剛度を同時に両立する
ことは難しい結果となった。
【0077】また、比較例5のソフトカレンダーによる
処理や、比較例6に示したハードニップカレンダーとソ
フトカレンダーを併用したカレンダー処理では、ソフト
カレンダーの効果によって、比較例1〜4のハードニッ
プカレンダーのみの場合に比べて密度の上昇と剛度(こ
わさ)の低下は抑えられているが、本発明のロングニッ
プカレンダーを用いる方法に比べて密度上昇と剛度の低
下が大きく、高い剛度で充分な質感を持った画像材料用
支持体が得られているとは言い難い。これは何れの場合
も、良好な面質を得るためには高い加圧条件でカレンダ
ー処理せざるを得ず、またロングニップカレンダーに比
べニップ長さが著しく短いためニップ部のニップ面圧が
非常に高くなり、基紙への加重が増大した状態でカレン
ダー処理が行われるためと考えられる。従って高い面質
感や平滑性を得ようと加圧条件を厳しくした場合、平滑
性や面質感の向上と同時に密度上昇による嵩や剛度の低
下が避けられない。さらに、ソフトカレンダーの場合、
対向する加熱された金属ロールの持つ熱によるカレンダ
ー効果は、ニップ滞留時間の短さが原因で、ロングニッ
プカレンダーほど有効には働かないものと思われ、その
ため画像材料用支持体の基紙として充分な質感を持った
ものが得られにくい結果となっている。
【0078】また、本発明の方法によるハードニップカ
レンダーとロングニップカレンダー処理順序(カレンダ
ーシーケンス)に関しては、実施例4〜8と実施例9〜
13を比べてわかるように、ハードニップカレンダーに
よるカレンダー処理を先に行ったシーケンスの方が、ク
レーター状細孔、面質感、表面粗さのいずれもが優れる
結果が得られている。これは、多少の密度上昇は伴う
が、まず前段のハードニップカレンダーによって、カレ
ンダー処理前の基紙にある大きな凹凸が有る程度優先的
に平坦化される。続く後段のロングニップカレンダーで
は、低いニップ面圧ながら高い温度と長いニップ滞留時
間の効果によって、基紙層の表層部分の方が内部に比べ
て優先的に圧縮変形されやすくなるため、基紙の表層付
近が密度上昇を担いつつ平滑性を向上する一方、基紙内
部では密度上昇が充分抑えられるため、基紙全体として
は密度を犠牲にすることなく良好な面質感や平滑性が達
成されるものと思われる。これに対し、前段をロングニ
ップカレンダー、続く後段をハードカレンダーとしたシ
ーケンスの場合、ロングニップカレンダーに特徴的な低
いニップ面圧では基紙の大きな凹凸を優先的に解消する
ほどには至らず、また、基紙の表層付近が既に密度上昇
した状態で後段のハードニップカレンダーに投入される
ためハードニップカレンダーによる平滑化の効果が減ず
るものと考えられる。
【0079】実施例14ならびに実施例15は、それぞ
れ実施例2または実施例13と同様のカレンダー加圧条
件による実施例であるが、何れも、ロングニップカレン
ダーのシューロールの樹脂ベルトに接した面を画像材料
用支持体基紙のオモテ面(加熱された金属ロールに接し
た面をウラ面)として、画像記録材料を塗布したもので
ある。ここで、シューロールを構成する樹脂ベルトは、
著しいニップ長さを達成する目的で、主たる素材として
柔軟な弾性体である樹脂を使用しており、その表面性は
金属ロール表面程の高い平滑性を有していない。また、
カレンダーニップ部では、ニップ部で起こる転写効果に
より、樹脂ベルト自体の表面性が直接に画像材料用支持
体基紙の平面性に影響する。そのため、シューロールの
樹脂ベルトに接した面をオモテ面として画像記録材料を
塗布した場合、クレーター状細孔や面質感、表面粗さな
どの点から画像材料用支持体として劣る結果となってい
る。
【0080】
【発明の効果】本発明の加熱された金属ロールとシュー
ロールとから成るロングニップカレンダー装置を用いる
カレンダー処理方法が、特に有効な理由として以下が考
えられる。まず、通常のハードニップカレンダー装置や
ソフトカレンダー装置に比べ格段にニップ幅を広くでき
るため、ニップ滞在時間が著しく延長され、これにより
加熱された金属ロールと接触する基紙の受熱量が著しく
高まる事となり、加熱ロールを有する通常のカレンダー
装置を大きく上回って基紙が塑性変形を受けやすい状態
が得られる。加えて、著しく長いニップ長さのため低い
ニップ面圧によるカレンダー処理となり、熱とニップ圧
力の影響を受けやすい基紙の表面近傍が優先的に圧縮、
平滑化されるため、通常では避け得ない基紙の密度上昇
を回避しつつ満足すべき高い面質と剛度(こわさ)の両
面に優れた画像材料用支持体というこれまで相反してい
た特性が高いレベルで両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロングニップカレンダー装置の概略図
【図2】ソフトカレンダー装置の概略図
【符号の説明】
1 加熱された金属ロール 2 樹脂ベルト 3 シュー 4 シューロール 5 基紙 6 潤滑用オイル 7 加圧シリンダー 8 加熱された金属ロール 9 ソフトカレンダーロール 10 ロールカバー樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D21H 25/04 D21H 27/30 C 27/30 B41M 5/26 101H Fターム(参考) 2H023 FA03 FA04 FA12 FA13 2H086 BA21 BA24 BA41 BA44 2H111 CA02 CA05 CA12 CA23 CA30 CA46 DA00 4F100 AA21H AK01B AK01C AK05 AK06 AL05 BA03 BA06 BA10B BA10C BA13 CA13 DD07B DG10A EJ55 GB90 JA13A JB16B JB16C JK01 JK15 JL01 YY00A YY00B 4L055 AA03 AC06 AC08 AG64 AH13 AJ01 AJ02 AJ03 BE02 BE13 CG12 CH02 CH03 EA06 EA08 FA11 FA16 GA32

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基紙の両面を熱可塑性樹脂により被覆し
    た画像材料用支持体の製造方法において、該基紙を加熱
    された金属ロールとシューロールから成るロングニップ
    カレンダー処理装置により平滑化処理をすることを特徴
    とする画像材料用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 基紙の両面を熱可塑性樹脂により被覆し
    た画像材料用支持体の製造方法において、該基紙を加熱
    された金属ロールとシューロールから成るロングニップ
    カレンダー処理装置により平滑化処理をするとともに、
    基紙の密度を0.75〜0.95g/cm3 に調節する
    ことを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】 該基紙を金属ロールと金属ロールから成
    るハードニップカレンダー処理装置と、加熱された金属
    ロールとシューロールから成るロングニップカレンダー
    処理装置を組み合わせて平滑化処理することを特徴とす
    る請求項1または2記載の画像材料用支持体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 該基紙を金属ロールと金属ロールから成
    るハードニップカレンダー処理装置で平滑化処理をした
    後、加熱された金属ロールとシューロールから成るロン
    グニップカレンダー処理装置で平滑化処理をすることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の画像材料用支持
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 基紙のオモテ面に加熱された金属ロール
    が接触してなすことを特徴とする請求項1、2、3また
    は4記載の画像材料用支持体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載された製造方法によ
    って製造されたことを特徴とする画像材料用支持体。
  7. 【請求項7】 基紙の両面を熱可塑性樹脂により被覆し
    た画像材料用支持体であって、該基紙の密度が0.75
    〜0.95g/cm3 で、かつ、熱可塑性樹脂により被
    覆された熱可塑性樹脂被覆紙のオモテ面の表面粗さが
    0.14μm以下であることを特徴とする請求項6記載
    の画像材料用支持体。
JP2000240517A 2000-08-09 2000-08-09 画像材料用支持体およびその製造方法 Pending JP2002055414A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240517A JP2002055414A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 画像材料用支持体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000240517A JP2002055414A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 画像材料用支持体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002055414A true JP2002055414A (ja) 2002-02-20

Family

ID=18731858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000240517A Pending JP2002055414A (ja) 2000-08-09 2000-08-09 画像材料用支持体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002055414A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507420A (ja) * 2002-11-26 2006-03-02 インターナショナル ペイパー カンパニー 超高バルク軽量コーテッド・ペーパーの製造方法
WO2006062228A1 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Fujifilm Corporation Inkjet recording medium and process for manufacturing the same
JP2006283208A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Nippon Paper Industries Co Ltd 情報記録用紙及びその製造方法
JP2008088582A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Mitsubishi Paper Mills Ltd 低密度印刷用紙
JP2010247525A (ja) * 2009-03-26 2010-11-04 Fujifilm Corp インクジェット記録媒体及びその製造方法、並びに、記録媒体用支持体及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006507420A (ja) * 2002-11-26 2006-03-02 インターナショナル ペイパー カンパニー 超高バルク軽量コーテッド・ペーパーの製造方法
WO2006062228A1 (en) * 2004-12-09 2006-06-15 Fujifilm Corporation Inkjet recording medium and process for manufacturing the same
JP2006283208A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Nippon Paper Industries Co Ltd 情報記録用紙及びその製造方法
JP2008088582A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Mitsubishi Paper Mills Ltd 低密度印刷用紙
JP2010247525A (ja) * 2009-03-26 2010-11-04 Fujifilm Corp インクジェット記録媒体及びその製造方法、並びに、記録媒体用支持体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5372884A (en) Ink jet recording sheet
JPH11271927A (ja) 画像材料用支持体
JP2002055414A (ja) 画像材料用支持体およびその製造方法
JP3463839B2 (ja) 写真印画紙用支持体およびその製造方法
JP3453717B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3529518B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3485670B2 (ja) インクジェット記録用シート
JP2000019684A (ja) 画像材料用支持体
JP3484650B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3343834B2 (ja) 画像材料用支持体
JPH09158086A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JP2002294599A (ja) 画像材料用支持体
JP3490119B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3841385B2 (ja) 写真用支持体用中紙の製造方法
JP3244958B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2003103944A (ja) 熱転写受像用支持体
JPH09188999A (ja) グラビア印刷用樹脂被覆紙
JPH10221810A (ja) 画像材料用支持体
JP3707819B2 (ja) 画像材料用支持体
JP2001083660A (ja) 画像材料用支持体の製造方法
JP2002155490A (ja) Ocr用紙およびその製造方法
JPH08179462A (ja) 画像材料用支持体
JPH10239796A (ja) 画像材料用支持体
JPH10293378A (ja) 画像材料用支持体
JP2003136847A (ja) 熱転写受像用支持体