JP2002155490A - Ocr用紙およびその製造方法 - Google Patents

Ocr用紙およびその製造方法

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JP2002155490A
JP2002155490A JP2000348362A JP2000348362A JP2002155490A JP 2002155490 A JP2002155490 A JP 2002155490A JP 2000348362 A JP2000348362 A JP 2000348362A JP 2000348362 A JP2000348362 A JP 2000348362A JP 2002155490 A JP2002155490 A JP 2002155490A
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paper
ocr
roll
nip
metal roll
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JP2000348362A
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Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
Tatsuya Sato
佐藤  達也
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】面質を著しく向上させ、印刷適性に優れ、且つ
嵩高で剛度(こわさ)の高いOCR用紙およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】紙基体を、加熱された金属ロール/シュー
ロールから成るロングニップカレンダー処理装置を用い
て平滑化処理することで、さらに、ロングニップカレン
ダー処理装置と金属ロール/金属ロールから成るハード
ニップカレンダー処理装置とを組み合わせて平滑化処理
したOCR用紙およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、OCR用紙および
その製造方法に関するものである。更に詳しくは、面質
を著しく向上させ、印刷適性に優れ、嵩高で剛度(こわ
さ)の高いOCR用紙およびその製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】最近になってOCR用紙は、印刷や手書
きによる文字・図形等を光学的に読み取りコンピュータ
ーにインプットすることのできるOCRシステムの進歩
に伴い、幅広い分野に応用されつつある。かかるOCR
システムに使用されている従来技術によるOCR用紙
は、セルロースパルプに炭酸カルシウム、クレー、タル
ク等の填料や内添サイズ剤、および必要に応じて紙力増
強剤や耐水化剤等の添加薬品を配合せしめて抄紙された
紙が使用されており、これにより下記の要求特性を一応
満足していた。 (1)特定の光に対する反射によってOCR用紙に形成
されている文字・図形等の記録を読み取るため、光の反
射特性に影響を与える汚点やシワがなく、均一な不透明
度を有し、ピンホールが無いこと。 (2)カールがなく、適度のこわさと静摩擦係数を有
し、印刷機や光学読み取り機での搬送性がよいこと。 (3)適度の平滑度と表面強さや引裂強さを有し、筆記
特性や、オフセット印刷並びにNIP印刷適性等の印刷
特性が良いこと。
【0003】印刷部の出来映えに最も大きく影響を与え
る因子の一つとして、OCR用紙の面質が挙げられる。
勿論メーカーは、従来からOCR用紙の面質向上に努力
してきてはいるが、最近の厳しい価格低下に対応すべ
く、生産性の向上とコストダウンへの配慮などから、面
質に悪影響を及ぼすことは解っていながらも、増速対応
を採らざるを得ず、また、コストダウンについては基紙
の低坪量化など、いずれも面質の悪化する状況の下で、
従来に勝る面質向上を得るという課題に注力せざるを得
ないのが実状である。
【0004】これまでに、面質向上の課題は、内添やサ
イズプレスで代表される表面処理などによる各種の改良
方法が多数開示されている。装置的な改良としては、例
えば、長網抄紙機の紙匹を形成するワイヤーと、その上
から紙匹を挟むように無端の上部ワイヤーを設けた2枚
ワイヤー抄紙機、いわゆるハイブリッドフォーマータイ
プの抄紙機での上質紙の製造方法が開示されている。該
開示技術を用いることで、ワイヤー上での湿紙の脱水性
は、従来の長網抄紙機に較べて良化し増速が可能となっ
た。また、地合も長網抄紙機に較べて良化するものの、
その改良効果はOCR用紙では充分ではなかった。
【0005】一方、「面質」といった課題に加えて、O
CR用紙に関しては、ダブルフィード、ミスフィード、
ジャム、位置ズレなどの搬送適性、更には加工適性とい
った観点からも、適度な剛度(こわさ、コシ)が必要と
される。
【0006】最近になって、上記のように抄紙機の改良
や紙匹を形成するワイヤー上での面質向上の他に、ウエ
ットパート以降での面質改良を目的とした技術が、開示
されている。それによると、金属ロール/合成樹脂ロー
ルから成るカレンダー処理装置でカレンダー処理を行っ
た後、更に金属ロール/金属ロールから成るハードニッ
プカレンダーでカレンダー処理を行った上質紙は、平滑
性が優れている旨、記載されている。しかしながら、こ
の方法では、OCR用紙の面質を十分満足させる程に平
滑性を付与させると、OCR用紙の適度な剛度が失われ
て好ましくない。
【0007】また、上質紙の製法において、原紙に、加
熱された金属ロールと弾性ロールとから成るソフトカレ
ンダー処理装置における金属ロールの温度が150〜2
50℃、線圧が80〜250kg/cmの条件下でカレ
ンダー処理することによって、平滑度が良好で、剛度の
低下もなく、嵩の高い用紙が得られる旨、開示されてい
る。しかしながら、この方法によっても、加熱された金
属ロールと弾性ロールとから成るソフトカレンダー処理
であるが故に、適度な剛度を維持しつつ、十分満足すべ
き面質を具備したOCR用紙は得られない。
【0008】上記のとおり、上質紙、殊に用紙のOCR
面質と適度な剛度(こわさ、コシ)といった相反する二
つの特性を総合的に改良したものはなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上質
紙、殊にOCR用紙において、面質を著しく向上させ、
印刷適性に優れ、且つ嵩高で剛度の高いOCR用紙およ
びその製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の欠
点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明のOCR用紙
およびその製造方法を発明するに至った。すなわち、
【0011】1.本発明は、OCR用紙の製造方法にお
いて、紙基体を加熱された金属ロール/シューロールか
ら成るロングニップカレンダー処理装置により平滑化処
理をすることを特徴とするOCR用紙の製造方法の発明
である。
【0012】2.上記の発明1において、紙基体を加熱
された金属ロール/シューロールから成るロングニップ
カレンダー処理装置により平滑化処理を施すとともに、
OCR用紙の密度を0.75〜0.85g/cm3に調節
することを特徴とするOCR用紙の製造方法の発明であ
る。
【0013】3.上記の発明1または2において、紙基
体を金属ロール/金属ロールから成るハードニップカレ
ンダー処理装置と、加熱された金属ロール/シューロー
ルから成るロングニップカレンダー処理装置を組み合わ
せて平滑化処理することを特徴とするOCR用紙の製造
方法の発明である。
【0014】4.上記の発明1、2または3において、
紙基体を金属ロール/金属ロールから成るハードニップ
カレンダー処理装置で平滑化処理を施した後、加熱され
た金属ロール/シューロールから成るロングニップカレ
ンダー処理装置で平滑化処理を施すことを特徴とするO
CR用紙の製造方法の発明である。
【0015】5.上記の発明1、2、3または4におい
て、紙基体のオモテ面に加熱された金属ロールが接触し
てなすことを特徴とするOCR用紙の製造方法の発明で
ある。
【0016】6.上記発明の1〜5のいずれか1つに記
載されたOCR用紙の製造方法によって製造されたもの
であることを特徴とするOCR用紙の発明である。
【0017】7.上記発明6において、OCR用紙の密
度が0.75〜0.85g/cm3で、且つOCR用紙の
両面のベック平滑度が40秒以上であることを特徴とす
るOCR用紙の発明である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明のOCR用紙および
その製造方法について、詳細に説明する。
【0019】本発明者らは、上質紙、殊にOCR用紙の
面質を著しく向上させ、印刷適性に優れ、且つ嵩高で剛
度の高いOCR用紙およびその製造方法を提供すること
に成功したものである。
【0020】本発明者らは、まず、従来の装置的な面で
の紙基体に対する面質向上対策として、効果的であると
考えられている金属ロール(加熱、加圧条件を付加す
る)と弾性ロール(合成樹脂ロール)とから成るソフト
カレンダー処理装置での限界について熟慮した結果、本
発明に到ったものである。すなわち、この従来技術にお
ける最大の難点は、満足すべき面質を得ようとすればす
る程、他の重要特性の一つである嵩高でコシのあるOC
R用紙が得られなくなることである。
【0021】この問題点を解決する為に、鋭意検討した
結果、本発明者らは、カレンダー処理に用いられる金属
ロールと共に使用されるこれまでの弾性ロールに限界が
あることをつきとめた。即ち、従来の金属ロールと弾性
ロールとから成るソフトカレンダー処理におけるニップ
幅は、ロール径や弾性ロール被覆材料の硬度と被覆厚
み、機械的強度の制約などにより、現実的にはせいぜい
10mm程度であって、満足すべき面質を得ようとすれ
ば、どうしても嵩高さやコシといった重要特性を犠牲に
せざるを得ない。
【0022】そこで、従来の弾性ロールに代えて、長い
ニップ幅を実現可能なシューロールを用いてカレンダー
処理を行ったところ、従来のカレンダー処理では同時に
満足することができなかった平滑性、嵩高さ、コシをす
べて満足する紙基体を得ることを見出し本発明に至っ
た。
【0023】本発明に用いられる加熱された金属ロール
/シューロールとからなるロングニップカレンダー処理
について図1のロングニップカレンダー装置の概略図に
基づいて説明すると、紙基体5は加熱された金属ロール
1とシューロール4との加圧状態の間を通過してカレン
ダー処理されるのであるが、シューロール4には、ロー
ル外面に、走行する紙基体5とともに併走する樹脂ベル
ト2がある。この樹脂ベルト2の内側には、シュー3を
有しており、シューロール4の本体中心軸に固定された
加圧シリンダー7により加圧される。また、シュー3の
中央部分から潤滑オイル6が圧入されると共に、シュー
3と該樹脂ベルト2との間でシューロール3の内壁に沿
った潤滑皮膜8を形成して機械的摩擦を軽減する。この
シュー3が該樹脂ベルト2を押し上げることで、対向す
る金属ロール1との間でシュー3の形状に従ったロング
ニップならびニップ圧力勾配を形成し、紙基体5はカレ
ンダー処理されることとなる。
【0024】本発明の加熱された金属ロール/シューロ
ールとから成るロングニップカレンダー装置を用いるカ
レンダー処理方法が、特に有効な理由としては以下のよ
うに考えられる。
【0025】本発明の方法によれば、通常のハードカレ
ンダー装置や図2に示したソフトカレンダー装置に比
べ、格段にニップ幅を広くできるためニップ滞在時間が
著しく延長される。これにより、加熱された金属ロール
と接触する紙基体の受熱量が格段に高まる事となり、加
熱ロールを有する通常のカレンダー装置を使用した場合
を大きく上回って紙基体が塑性変形を受けやすい状態が
得られる。加えて、広いニップ幅のため低い面圧でのカ
レンダー処理となるため、通常では避け得ない紙基体の
密度上昇が回避可能であり、特に熱と加圧力の影響を受
けやすい紙基体表面近傍が優先的に平滑化されるため、
満足すべき面質と嵩高でコシのあるOCR用紙というこ
れまで相反する特性が両立できる。
【0026】シューロールは、金属ロール/シューロー
ルとからなるロングニップカレンダー処理装置における
ニップ幅が、広くとれるシューロールであればよいが、
例えばオプティドウェルカレンダー装置のSymBel
tロール(バルメット社製)は、ニップ幅を最大270
mmまで拡大させて使用可能なことから好適に用いられ
る。
【0027】本発明に用いられる金属ロールは、加熱可
能なものであれば材質は特に限定はないが、鉄にクロム
メッキなどを施した汎用の金属ロールを用いても差し支
えない。
【0028】本発明の態様によれば、金属ロール/シュ
ーロールとから成るロングニップカレンダー処理装置に
おけるニップ幅は、シューロールの構造によるものの、
通常約70mm程度、最大で270mmまでも拡大させ
ることができる。この際、本発明においては、金属ロー
ルは加熱されていることが必須条件であり、加熱温度は
要求されるOCR用紙によって一概には決められない
が、通常120〜230℃、好ましくは150〜200
℃である。
【0029】本発明における加熱された金属ロール/シ
ューロールとから成るロングニップカレンダー処理装置
の加圧範囲は、通常30〜550kN/mに設計されて
いる。実際に適用する加圧条件は、要求されるOCR用
紙の平滑度と密度によって一概には決められないが、通
常150〜550kN/m、好ましくは150〜350
kN/mの範囲で使用される。
【0030】また、加熱された金属ロール/シューロー
ルとから成るロングニップカレンダー処理後の紙基体の
密度は、0.75〜0.85g/cm3であることが必須
条件である。密度が0.75g/cm3未満であると、満
足すべき面質は得られず、また、密度が0.85g/c
3を超えると、満足できる面質が得られるものの、嵩
高でコシのあるOCR用紙は得られない。
【0031】また、本発明においては、紙基体が金属ロ
ール/金属ロールから成るハードニップカレンダー処理
装置と、加熱された金属ロール/シューロールから成る
ロングニップカレンダー処理装置を組み合わせて平滑化
処理されることが好ましく、紙基紙が金属ロール/金属
ロールから成るハードニップカレンダー処理装置で平滑
化処理を施された後、加熱された金属ロール/シューロ
ールから成るロングニップカレンダー処理装置で平滑化
処理を施されることが更に好ましく、紙基体が加熱され
た金属ロール/シューロールから成るロングニップカレ
ンダー処理装置で平滑化処理が施される際に、紙基体の
オモテ面が金属ロールに接触して製造することが最も好
ましい。
【0032】本発明においては、OCR用紙の密度が
0.75〜0.85g/cm3で、且つ、紙基体の表面の
ベック平滑度が40秒以上であるOCR用紙が、好適に
用いられる。
【0033】また、上記OCR用紙のベック平滑度が4
0秒以上であることが好ましく、上記ベック平滑度はO
CR用紙の表面の、印刷適性に影響する微細な凹凸を表
す指標であり、この値が40秒を下回ると印刷面の凹凸
が大きいため、目的とする高品質感を与える印刷適性が
得られず好ましくはない。なお、このベック平滑度の測
定は、JIS P 8119に準拠した条件で測定され
たものである。
【0034】本発明のロングニップカレンダー処理を行
う前の紙基体密度は、紙基体を構成する原料パルプなど
の選定や混合の比率、その叩解処理の程度、また抄紙製
造条件などにより変化するものの、通常0.70〜0.
72g/cm3に抄紙された後、密度を調節しながらカレ
ンダー処理される。
【0035】本発明の平滑化処理において、ロングニッ
プカレンダー処理すべき位置は、抄紙機のサイズプレス
前後いずれでも、また、その両方でも良いが、好ましく
は、サイズプレス後のアフタードライヤーを通過した後
に設置することである。通常アフタードライヤー後に
は、ハードニップカレンダー処理装置から成るマシンカ
レンダー処理装置や弾性ロールから成るソフトカレンダ
ー処理装置が設置され、OCR用紙が巻取られるが、該
カレンダー設備に代えて行っても良いし、カレンダー設
備の前、かつ/また後に連結してもよい。
【0036】また、抄紙機で巻取られた紙基体をオフマ
シンで処理してもよい。なお、本発明の平滑化処理方法
は、必要により複数段処理としても良い。また、必要に
より加熱された金属ロールの他に、本発明の特性を損な
わない範囲で加熱された弾性ロールと組み合わせても良
い。本発明において、平滑化処理される紙基体の水分は
画像形成に障害の起こらない範囲で、かつ、紙として品
質が安定し得る最終水分を有すればよく、6〜7%の範
囲に入ることが好ましい。紙基体の坪量は、要求される
OCR用紙によって一概には決められないが、64〜1
57g/m2が一般的である。
【0037】本発明の実施に当たって用いられる紙基体
は、セルロースパルプを主成分するものであり、その製
造方法は特に限定されるものではない。例えば、湿式抄
紙法により製造される紙が適宜用いられる。具体的に
は、セルロースパルプとして、針葉樹、広葉樹を単独も
しくは適宜配合して作製されるクラフトパルプ、サルフ
ァイトパルプ、セミケミカルパルプ等の木材パルプが使
用され、鮮明な印刷を得るために晒パルプが好ましい。
また、故紙パルプやバガス、ケナフ、綿、麻、エスパル
ト、竹、ワラ等の非木材パルプを使用することもでき
る。また、さらに、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂
白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはアルカ
リ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素、オゾンな
どによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ
処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉
樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、特にOC
R用紙としては読みとり性能を向上させる目的で高い白
色度を有するパルプが好適に用いられる。
【0038】本発明の実施に当たって用いられる天然パ
ルプを主成分とする紙基体中には、紙料スラリー調製時
に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤
として、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62−7
534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイ
マー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アル
ケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘
導体等、乾燥紙力増強剤として、各種の澱粉類、アニオ
ン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、
ポリビニルアルコール、植物性ガラクトマンナン等、湿
潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロル
ヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸
カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミ
ニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH
調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等、その
他特開昭63−204251号公報、特開平1−266
537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染
料、蛍光増白剤などを適宜組み合わせて含有せしめるこ
とができる。
【0039】また、本発明の実施に当たって用いられる
天然パルプを主成分とする紙基体中あるいは紙基体上に
は、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまた
はラテックス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサ
イズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード
塗工、エアーナイフ塗工などの塗工方法によって含有あ
るいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもし
くは親水性コロイドとして、特開平1−266537号
公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニル
アルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアク
リルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エ
マルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョ
ン、特開昭55−4027号公報、特開平1−1085
38号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸
(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共
重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−
ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−ア
クリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチ
ルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ変
性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電
防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアル
カリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカ
リ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸
化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤な
ど、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、
タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤と
して、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、その
他前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加
剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0040】また、本発明におけるOCR用紙は、各種
の熱移行型熱転写記録受像層が塗設された各種の熱移行
型熱転写記録受像材料用支持体としても用いることがで
きる。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用いられる
合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸
エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアクリレー
ト樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエステル
結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合
を有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する
樹脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリ
カプロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル
樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアク
リロニトリル樹脂等を挙げられる。これら樹脂に加え
て、これらの混合物もしくは共重合体等も使用できる。
【0041】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形
ワックス類、弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シ
リコーンオイル類等が挙げられる。これら離型剤の中で
シリコーンオイルが最も好ましい。上記シリコーンオイ
ルとしては、油状の物も使用できるが、硬化型のものが
好ましい。硬化型のシリコーンオイルとしては、反応硬
化型、光硬化型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬
化型のシリコーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シ
リコーンオイルとしては、アミノ変性シリコーンオイ
ル、エポキシ変性シリコーンオイル等が挙げられる。上
記反応性シリコーンオイルの添加量は、受像層中に0.
1〜20重量%が好ましい。上記顔料としては、シリ
カ、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔
料が好ましい。また、受像層の厚さとしては、0.5〜
20μmが好ましく、2〜10μmが更に好ましい。
【0042】本発明におけるOCR用紙は、各種のイン
ク受理層が塗設された各種のインクジェット記録材料用
支持体としても用いることができる。それらのインク受
理層中には、インクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上さ
せる目的で各種のバインダーを含有せしめることができ
る。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理ゼ
ラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン
誘導体、例えば、フタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等あるいは
これらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単
量体による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹
脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及び
ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマ
ー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤、特公平3−24906号公報、特開平3−
281383号公報、特願平4−240725号公報に
記載もしくは例示のアルミナゾル、シリカゾル等の無機
系バインダー等を挙げることができ、これらを単独ある
いは併用して含有せしめることができる。
【0043】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47−9
303号公報、米国特許3,589,906号明細書等に
記載のフルオロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップ
リング剤、ポリマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合
物、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物、エポ
キシ化合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合
物等の硬膜剤、防腐剤として、特開平1−102551
号公報に記載もしくは例示のP−ヒドロキシ安息香酸エ
ステル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イソチア
ゾロン化合物等、特開昭63−204251号公報、特
開平1−266537号公報等に記載もしくは例示の着
色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、黄変防止剤として
ヒドロキシメタンスルフォン酸ソーダ、p−トルエンス
ルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤として、ヒドロキシ
−ジ−アルキルフェニル基を2位に有するベンゾトリア
ゾール化合物など、酸化防止剤として、特開平1−10
5245号公報に記載もしくは例示のポリヒンダードフ
ェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱粉粒、硫酸
バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の粒子径0.
2〜5μmの微粒子、特公平4−1337号公報等に記
載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、pH
調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩酸、
リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリコン
系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せ
しめることができる。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。また、実施例において示す「部」および「%」は、
特に明示しない限り、重量部および重量%を示す。
【0045】実施例1〜13および比較例1〜5 NBKP20重量%、LBKP80重量%より成るパル
プ原料を叩解機により叩解度560mlc.s.fに調製
し、内添薬品をパルプに対して下記の配合で添加したパ
ルプスラリーを調製した。これを、0.5重量%のパル
プスラリーとした後、抄幅5000mm、抄紙速度20
0m/分で長網抄紙機により抄紙した。その後、下記水
性樹脂塗液をサイズプレスにて絶乾パルプに対して1.
0g/m2の乾燥塗布量にて塗布、ドライヤーを通過せし
めて、紙基体の坪量104.7g/m2、水分が6.5%
となるように乾燥した後、以下の条件(表1参照)によ
りカレンダー処理し、実施例1〜13および比較例1〜
5のOCR用紙を製造した。
【0046】 (内添薬品) 填料:TP−121(奥多摩工業製 ) 8.2重量% 紙力増強剤:WS−525(日本PMC製) 0.1重量% 内添サイズ剤:AS−263(日本PMC製) 0.11重量% カチオン澱粉:Cato308(日本NSC製) 0.5重量% 染料:カヤフェクトイエローY(日本化薬製) 0.0164重量% 顔料:イエローPP−5G(住化カラー製) 0.0033重量% 歩留まり向上剤:HH301(栗田工業製) 0.02重量%
【0047】 (水性樹脂塗液) 酸化デンプン:MS3800(日本食品加工製) 6.0重量% 表面紙力剤:ポリマセット(荒川化学製) 5.0重量% 無機導電剤:NaCl 0.5重量% 水 88.5重量%
【0048】実施例1〜3では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの180℃に加熱された金属ロールと樹脂
ベルト硬度91ShAを外層とし、内部に70mm幅の
シューを有するシューカレンダーロール(バルメット社
製 商品名 SymBeltロール)からなるロングニ
ップカレンダー処理装置を用いて、表1記載のカレンダ
ー加圧条件でカレンダー処理した。なお、表1記載のカ
レンダー加圧条件は、カレンダー処理される紙基体の単
位幅(1m)当たりに加えられる加重(kN)としてk
N/mの単位で記載した。上記のカレンダー処理後、ロ
ングニップカレンダー処理装置の加熱された金属ロール
面に接した面を紙基体のオモテ面として、実施例1〜3
のOCR用紙とした。
【0049】また、実施例4〜7では、実施例1または
実施例2と同様のロングニップカレンダー処理装置によ
るカレンダー処理した後、硬度Hs84度で表面粗さ
0.3Sの金属ロールと同様の金属ロールからなるハー
ドニップカレンダー処理装置によるカレンダー処理を追
加して行った。このときのカレンダー加圧条件は表1記
載の通りである。カレンダー処理後、ロングニップカレ
ンダー処理装置の加熱された金属ロール面に接した面を
オモテ面として、実施例4〜7のOCR用紙とした。
【0050】さらに実施例8〜11では、硬度Hs84
度で表面粗さ0.3Sの金属ロールと同様の金属ロール
から成るハードニップカレンダー処理装置によりカレン
ダー処理を実施した後、実施例1または実施例2と同様
のロングニップカレンダー処理装置によるカレンダー処
理を実施した。このときのカレンダー加圧条件は、表1
記載の通りである。カレンダー処理後、このロングニッ
プカレンダー処理装置の加熱された金属ロール面に接し
た面を紙基体のオモテ面として、実施例8〜11のOC
R用紙とした。
【0051】また実施例12では、実施例2と同様のロ
ングニップカレンダー処理装置によるカレンダー処理を
実施し、ロングニップカレンダー処理装置の加熱された
金属ロール面に接した面をウラ面として実施例12のO
CR用紙とした。
【0052】さらに実施例13では、実施例11と同様
のハードニップカレンダー処理装置とロングニップカレ
ンダー処理装置を組み合わせたカレンダー処理を実施し
た後、ロングニップカレンダー処理装置の加熱された金
属ロール面に接した面をウラ面として、実施例13のO
CR用紙とした。
【0053】比較例1〜3では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの金属ロールと同様の金属ロールから成る
ハードニップカレンダー処理装置によるカレンダー処理
を、表1記載のカレンダー加圧条件により実施した。カ
レンダー処理後、比較例1〜3のOCR用紙とした。
【0054】また比較例4では、硬度Hs84度で表面
粗さ0.3Sの180℃に加熱された金属ロールと硬度
90ShDの弾性ロール(エラグラス製)から成るソフ
トカレンダー処理装置によるカレンダー処理を、表1記
載のカレンダー加圧条件で行い、金属ロール面に接した
面を紙基体のオモテ面として比較例4のOCR用紙とし
た。
【0055】比較例5では、硬度Hs84度で表面粗さ
0.3Sの金属ロールと同様の金属ロールから成るハー
ドニップカレンダー処理装置によるカレンダー処理を行
った後、さらに硬度Hs84度で表面粗さ0.3Sの1
80℃に加熱された金属ロールと硬度90ShDの弾性
ロール(エラグラス製)から成るソフトカレンダー処理
装置によるカレンダー処理を表1記載のカレンダー加圧
条件で行って、比較例5のOCR用紙とした。
【0056】このようにして得られた、実施例1〜13
の本発明のOCR用紙および比較例1〜5の本発明外の
OCR用紙の各試料について、下記の各試験方法によ
り、印刷適性、こわさ(剛度)およびベック平滑度を測
定した。
【0057】評価項目; <ピンホール>OCR用紙の表面の2cm四方を、光学
顕微鏡(10倍)により拡大観察し、直径10μm以上
のピンホールについて単位面積当たりの発生個数をカウ
ントした。その個数によりグレード分けを行い、ピンホ
ールが確認できない良好なものを6、ピンホールが著し
く多いものを1として6段階にグレード分けした。OC
R用紙のピンホールが多いと、トナー定着性低下や光学
読み取り適性の低下など多くの支障をきたす事となる。
そのため、OCR用紙としてはグレード3以上が必要で
あり、高品質なOCR用紙として好ましくはグレード4
以上が必要である。
【0058】<光学読み取り適性>光学読み取り適性
は、IBM社製NIP印刷機「IBM−3800」によ
り、バーコードを印刷した試料について、DATAMA
X社製のバーコード読みとり検証機「LASERCHE
K−II」を用いてPCS値(相対反射率)及びMRD値
(最小反射率差)を測定した。評価は以下の基準で4段
階評価を行った。 「4」:読み取り適性性良好。 「3」:読み取り適性ほぼ良好。 「2」:読み取り適性やや不良。 「1」:読み取り適性不良。 OCR用紙としてはグレード3以上が必要であり、高品
質なOCR用紙として好ましくはグレード4以上が必要
である。
【0059】<こわさ(ガーレー法)>OCR用紙の剛
度を、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.40に準
拠した、こわさ試験方法(ガーレー法)により測定し
た。104.7g/m2を標準坪量とするOCR用紙では
実用上この値が、MD(Machine Direction)では2.
94mN以上、CD(Cross Direction)では1.67
mN以上が必要とされている。
【0060】<ベック平滑度>OCR用紙のベック平滑
度を、JIS P 8119に基づく、平滑度試験方法
により測定した。104.7g/m2を標準坪量とするO
CR用紙ではこの際のベック平滑度値が、20秒以上で
あることが好ましいとされている。本発明ではさらに4
0秒以上が好ましい。上記のベック平滑度値は、OCR
用紙の印刷適性に影響する微細な凹凸を表す指標であ
り、この値が20秒以下であると印刷面へのインキが十
分に乗らなかったり、印刷部の光学読み取り適性が低下
し、記録画像の品位が悪化してしまう。
【0061】このようにして得られた各試験方法による
試験結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】<評価>実施例1〜3では、ロングニップ
カレンダー処理装置を使用することにより密度上昇を抑
え、剛度(こわさ)を維持しながら、印刷適性に優れ、
加工適性も実用上問題のないOCR用紙が得られた。
【0064】また、実施例4〜7ならびに実施例8〜1
1はロングニップカレンダー処理装置とハードニップカ
レンダー処理装置を併用した場合の結果であり、ハード
ニップカレンダー処理装置の使用により実施例1〜3に
比べて若干剛度は低下するものの、高い光学読み取り適
性で平滑性に優れる結果となった。特に、紙基体密度が
本発明範囲の0.75〜0.85g/cm3にある場合、
OCR用紙として望まれる剛度(こわさ)を充分に維持
しつつ、かつ高品位なOCR用紙として望ましい面質を
両立したものとなった。
【0065】一方、比較例1〜3に示した従来のハード
ニップカレンダー処理装置のみによるカレンダー処理で
は、OCR用紙に必要な光学読み取り適性や平滑性を得
ようとした場合、大きな密度上昇が避けられず、高い光
学読み取り適性と高い剛度を同時に両立することは難し
い結果となった。
【0066】また、比較例4のソフトカレンダー処理装
置による処理や、比較例5に示したハードニップカレン
ダー処理装置とソフトカレンダー処理装置を併用したカ
レンダー処理では、ソフトカレンダー処理装置の効果に
よって、比較例1〜3のハードニップカレンダー処理装
置のみの場合に比べて剛度(こわさ)の低下は抑えられ
ているが、本発明の方法によるロングニップカレンダー
処理装置に比べるとその密度上昇は大きく、高い剛度で
充分な質感を持ったOCR用紙が得られているとは言い
難い。これは何れの場合も、良好な面質を得るために高
い加圧条件でカレンダー処理せざるをえず、またロング
ニップカレンダー処理装置に比べニップ幅が著しく短い
ためニップ部の面圧が非常に高くなり、紙基体への加重
が増大した状態でカレンダー処理が行われるためと考え
られる。従って、高い光学読み取り適性や平滑性を得よ
うとした場合、同時に密度上昇による剛度の低下が避け
られない。さらには、ソフトカレンダー処理装置の場
合、対向する加熱された金属ロールによる熱の効果が、
ニップ滞留時間の短さから、ロングニップカレンダー処
理装置ほど有効には働かないものと思われ、結果的にO
CR用紙として充分な質感を持ったものが得られにくい
結果となっている。
【0067】また、本発明の方法によるハードニップカ
レンダー処理装置とロングニップカレンダー処理装置に
よるカレンダー処理装置処理順序に関しては、実施例4
〜7と実施例8〜11を比べてわかるように、ハードニ
ップカレンダー処理装置によるカレンダー処理を先に行
った場合の方が、光学読み取り適性、ベック平滑度のい
ずれもが優れる結果が得られている。これは、多少の密
度上昇は伴うが、まず前段のハードニップカレンダー処
理装置によって、カレンダー処理前の紙基体に存在する
大きな凹凸をある程度優先的に平坦化される。さらに後
段のロングニップカレンダー処理装置では、低いニップ
面圧ながら高い温度と長いニップ滞留時間の効果によっ
て、紙基体層の内部より表層部分の方が優先的に圧縮変
形されやすくなり、紙基体の表層付近が密度上昇を担い
つつ平滑性を向上し、一方では基紙内部の密度上昇が抑
えられるため、紙基体全体としては密度を犠牲にするこ
となく良好な光学読み取り適性や平滑性が達成されるも
のと思われる。これに対して、前段をロングニップカレ
ンダー処理装置とした場合、その特徴的な低いニップ面
圧では、紙基体の大きな凹凸を優先的に解消するほどに
は至らないこと、また、紙基体の表層付近が既に密度上
昇した状態では、後段のハードニップカレンダー処理装
置処理による平滑化の効果も若干受けにくくなるためと
考えられる。
【0068】次に、実施例12ならびに実施例13は、
それぞれ実施例2または実施例11と同様のカレンダー
処理条件であるが、ロングニップカレンダー処理装置の
シューカレンダーロールの樹脂ベルトに接した面を、紙
基体のオモテ面としたものである。ここで、シューカレ
ンダーロールを構成する樹脂ベルトは、長いニップ幅を
達成する目的で、柔軟な弾性体である樹脂を使用してお
り、その表面性は金属ロール表面程の高い平滑性を有し
ていない。また、カレンダーニップ部ではその転写効果
により、樹脂ベルト自体の表面性がそのままOCR用紙
の平面性に影響する。そのため、シューカレンダーロー
ルの樹脂ベルトに接した面を紙基体のオモテ面とした場
合、光学読み取り適性などの点からOCR用紙として劣
る結果となっている。
【0069】
【発明の効果】本発明の加熱された金属ロール/シュー
ロールとから成るロングニップカレンダー処理装置を用
いるカレンダー処理方法が、特に有効な理由として以下
が考えられる。まず、通常のハードニップカレンダー装
置やソフトカレンダー処理装置に比べ、格段にニップ幅
を広くできるためニップ滞在時間が著しく延長され、こ
れにより加熱された金属ロールと接触する紙基体の受熱
量が著しく高まる事となり、加熱ロールを有する通常の
カレンダー装置を大きく上回って紙基体が塑性変形を受
けやすい状態が得られる。また加えて、著しく広いニッ
プ幅のため低いニップ面圧でのカレンダー処理となるた
め、通常では避け得ない紙基体の密度上昇が回避可能で
あり、特に熱と加圧力の影響を受けやすい紙基体の表面
近傍が優先的に平滑化されるため、満足すべき高い面質
かつ剛度(こわさ)に優れたOCR用紙というこれまで
相反していた特性が高いレベルで両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるロングニップカレンダー処理装
置の概略図
【図2】従来のソフトカレンダー処理装置の概略図
【符号の説明】
1、9 加熱された金属ロール 2 樹脂ベルト 3 シュー 4 シューロール 5 OCR用紙 6 潤滑用オイル 7 加圧シリンダー 8 潤滑用オイル皮膜 10 ソフトカレンダーロール 11 ソフトカレンダーロール・カバー樹脂

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 OCR用紙の製造方法において、紙基体
    を加熱された金属ロール/シューロールから成るロング
    ニップカレンダー処理装置により平滑化処理をすること
    を特徴とするOCR用紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 OCR用紙の製造方法において、紙基体
    を加熱された金属ロール/シューロールから成るロング
    ニップカレンダー処理装置により平滑化処理を施すとと
    もに、OCR用紙の密度を0.75〜0.85g/cm3
    調節することを特徴とするOCR用紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 紙基体を金属ロール/金属ロールから成
    るハードニップカレンダー処理装置と、加熱された金属
    ロール/シューロールから成るロングニップカレンダー
    処理装置を組み合わせて平滑化処理することを特徴とす
    る請求項1または2記載のOCR用紙の製造方法。
  4. 【請求項4】 紙基体を金属ロール/金属ロールから成
    るハードニップカレンダー処理装置で平滑化処理を施し
    た後、加熱された金属ロール/シューロールから成るロ
    ングニップカレンダー処理装置で平滑化処理を施すこと
    を特徴とする請求項1、2または3記載のOCR用紙の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 紙基体のオモテ面に加熱された金属ロー
    ルが接触してなすことを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4記載のOCR用紙の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記請求項1〜5のいずれか1項に記載
    されたOCR用紙の製造方法によって製造されたもので
    あることを特徴とするOCR用紙。
  7. 【請求項7】 OCR用紙の密度が0.75〜0.85
    g/cm3、且つOCR用紙の両面のベック平滑度が40
    秒以上であることを特徴とする請求項6記載のOCR用
    紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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