JP3027875B2 - 塗被紙の製造方法 - Google Patents

塗被紙の製造方法

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JP3027875B2
JP3027875B2 JP4006165A JP616592A JP3027875B2 JP 3027875 B2 JP3027875 B2 JP 3027875B2 JP 4006165 A JP4006165 A JP 4006165A JP 616592 A JP616592 A JP 616592A JP 3027875 B2 JP3027875 B2 JP 3027875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗被紙の製造方法に関
し、特にパルプ繊維を用いて抄紙した原紙上にアルカリ
性の塗被組成物を塗布した塗被紙の、経時褪色と印刷ピ
ッキングを改良する塗被紙の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に塗被紙と呼ばれる紙は、原紙表面
に塗被組成物を塗布して製造され、その製造方法や品質
特性により、キャストコート紙・アート紙・コート紙・
微塗工紙等の印刷紙用塗被紙や感熱記録紙・感圧記録紙
・静電記録紙・インクジェット用紙・タック紙等の特殊
紙用塗被紙に分類されている。印刷用塗被紙は、パンフ
レット・カレンダー・雑誌・書籍・包装用紙・ラベル・
ワッペン等に使用され、特殊紙用塗被紙はそれぞれの用
途に、例えば記録用紙は各種の情報記録用紙に、タック
紙はラベル・ワッペン等として利用されている。
【0003】近年、印刷物の急増に伴い高級多色印刷用
のための印刷用塗被紙やOA機器の発展により情報記録
用等の特殊紙用塗被紙の需要が著しく伸びている。そし
て、印刷物や記録物の美観の点から塗被紙の白さや色相
等に対してより厳しい目が向けられている。印刷用塗被
紙も特殊紙用塗被紙も同様に塗被紙の白さや色相が重要
な品質項目となっており、その経時褪色の安定性が強く
要望されている。一方、各種の印刷方式に適応する印刷
適性の要望も重要視されている。
【0004】印刷用塗被紙は、一般にパルプ繊維を配合
し抄紙して得た原紙上に、コーターで塗被組成物を塗料
に調製して塗布し、ドライヤーで乾燥した後、スーパー
キャレンダー等による加圧平滑化仕上げが行われる。
又、キャストコート紙はウェットキャスト・リウェット
キャスト・ゲル化キャスト等の方法で仕上げが行われ
る。そして、特殊紙用塗被紙も略同様の製造工程で製造
される。
【0005】そして、これらの製造工程において、特に
アルカリ性の塗被組成物を塗布した塗被紙は、ドライヤ
ーによる乾燥の熱や熱スーパーキャレンダー等の熱処理
によって、塗被紙の白さや色相の色戻り現象が助長され
るので問題となっている。
【0006】さらに、経時によっても色戻り現象があ
り、製造直後のものと比較すると、長期間保存した後は
白色度が低下する。特に、アルカリ性成分による色戻り
現象は紙を黄色化させるので、印刷物や記録物等の経時
褪色変化が大きくなり問題となっている。
【0007】印刷用塗被紙は印刷適性が重要なことは当
然であるが、情報記録用等の特殊紙用塗被紙も最近は印
刷を施すことが多くなっており、印刷用塗被紙と同じ様
に白さや色相の経時褪色と、同時に印刷適性が極めて重
要な品質項目として要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は原紙上にアル
カリ性の塗被組成物を塗布した塗被紙の製造方法に関
し、特に塗被紙の熱或いは光等による白色度や色相等の
経時褪色安定性を改良し、且つ印刷適性のピッキング強
度を改良する塗被紙の製造方法を提供しようとするもの
である。
【0009】
【課題を解決する為の手段】本発明は、パルプ繊維を抄
紙した原紙上にアルカリ性塗被組成物を塗布した塗被紙
の製造方法において、該パルプ繊維が含有する有機塩素
化合物に係る塩素の量を400ppm以下とし、且つ原
紙の層間強度(TAPPI−RC308)を50×10
-3ft・lb/in2 以上とする塗被紙の製造方法であ
る。
【0010】
【作用】一般に、塗被紙の基材として使用する原紙は目
的とする品質に応じて各種のパルプ繊維、例えばLBK
P・NBKP・LBSP・NBSP等のケミカルパルプ
を主として、さらにその他のメカニカルパルプ・ケミメ
カニカルパルプ・古紙再生パルプ等が適宜配合される。
また、各種填料・サイズ剤・歩留向上剤・濾水性向上剤
・紙力増強剤・染料・その他の抄紙用内添助剤が必要に
応じて適宜添加され調成される。そして、調成原料は長
網抄紙機・ツインワイヤー抄紙機・丸網抄紙機・ヤンキ
ー抄紙機等によって抄紙してシートが形成された後乾燥
され、マシンサイズプレス、マシンキャレンダー等の工
程を経て原紙となる。
【0011】塗被紙は原紙上に塗料として調製した塗被
組成物を各種のコーターで塗布して塗被層が形成され乾
燥されて得られる。又、各種の仕上げ工程を経て塗被紙
製品となる。
【0012】塗被紙製品の品質特性は用途目的の品質が
それぞれの塗被紙に要求されることは勿論であるが、塗
被紙に共通の品質問題として白さの良いこと、それが褪
色しないことが大きな課題となっている。高級塗被紙は
白さが一つの品質ランク基準となっているため、全ての
原材料が高白色度のものを選択して使用され、パルプ繊
維としても高度に漂白されたパルプが好ましく使用され
ている。また、特にアルカリ性塗被組成物を塗布した塗
被紙は白さの経時褪色変化が問題である。それは、塗被
組成物中のアルカリ性成分に起因する熱または光による
白色度や色相の経時褪色変化が大きく関係しているため
である。
【0013】本発明者等は上記の課題問題の改善を目的
として鋭意研究を重ねた。その結果、塗被紙の白色度や
色相等の経時褪色は、使用するパルプ繊維中の有機塩素
化合物に係る塩素の量に左右されることが判明した。即
ち、パルプ繊維中の有機塩素化合物に係る塩素の量が多
いと塗被紙の褪色が大きく変化するため問題となり、こ
の塩素の量が少ないと塗被紙の褪色が小さく熱或いは光
等による塗被紙の白色度や色相等の経時褪色変化の問題
が改善される。
【0014】本発明で使用するパルプ繊維中の有機塩素
化合物に係る塩素の量はパルプ繊維を燃焼して得られる
ガスを活性炭に吸着させた後、この活性炭をAOX(A
dsorbable organic halogen
s)分析装置を用いて分析して得られる全塩素量から、
パルプ繊維を熱水抽出し、抽出液をイオンクロマトグラ
フで分析して得られる塩素量を差し引いたものとする。
【0015】このパルプ繊維中の有機塩素化合物に係る
塩素の生成は広葉樹、針葉樹等の木材やケナフ、竹、
麻、ミツマタ等の非木材からパルプを製造する過程にお
いて、塩素系薬品を使用すると木材や非木材中のリグニ
ンや樹脂等と反応して、種々の有機塩素化合物を生成す
る。通常、KPやSPでの漂白方法は塩素(C)−苛性
ソーダ(E)−次亜塩素酸ソーダ(H)−二酸化塩素
(D)、C−E−D−E−D等の塩素系薬品の多段処理
であり、得られたパルプ繊維中の有機塩素化合物に係る
塩素の量は500〜1000ppm存在する。
【0016】本発明では、塗被紙の白色度や色相等の経
時変化褪色を改善するために、使用するパルプ繊維中の
有機塩素化合物に係る塩素の量を400ppm以下、好
ましくは200ppm以下にする。因みに、パルプ繊維
中の有機塩素化合物に係る塩素の量が400ppmを越
えると熱や光等を受けることによって、原紙層に浸透し
ている塗液中のアルカリ性成分により有機塩素化合物が
変色したり、アルカリ性成分とパルプ繊維中に残存する
カルボニル基等の反応を助長して変色したりして、塗被
紙の色相や白色度の経時褪色の安定性を悪くする。この
塩素の量が400ppm以下であれば、熱褪色性および
光褪色性の評価試験の結果が白色度と色差の変化が少な
く、塗被紙の経時褪色の安定性を望ましく保持すること
ができる。さらに、200ppm以下にできればより好
ましい結果が得られる。
【0017】パルプ繊維中の有機塩素化合物と結合して
いる塩素の量を400ppm以下にするためには、化学
パルプ化法では蒸解後酸素系の漂白剤(酸素・オゾン・
過酸化水素等)により、一段或いは多段処理された後、
塩素・二酸化塩素・次亜塩素酸ソーダ・苛性ソーダ・酸
素・オゾン・過酸化水素等の薬品を適宜組み合わせ、多
段処理して得る。漂白薬品の組み合わせ、処理段数は、
所望のパルプ白色度により適宜選択すれば良く、例え
ば、O−CD −EO −H−D、O−D−EO −D−P、
O−Z−EO −D−P等が挙げられるが、特に限定する
ものではない。尚、上記O;酸素処理、CD ;塩素と二
酸化塩素の混合処理、EO ;酸化的アルカリ処理、H;
ハイポ処理、D;二酸化塩素処理、P;過酸化水素処
理、Z;オゾン処理である。
【0018】そして、有機塩素化合物に係る塩素の量が
400ppm以下のパルプ繊維から構成された古紙を原
料とし、再生パルプ化工程で酸素系薬品を使用した再生
パルプも挙げられる。これらのパルプは所望する品質に
応じて、適宜選択配合して使用することが可能である。
【0019】しかしながら、パルプ繊維中の有機塩素化
合物に係る塩素の量を400ppm以下にするために、
塩素系薬品から酸素系薬品に変更し、このパルプで抄紙
して得た原紙にアルカリ性塗被組成物を塗布して得た塗
被紙は塗被紙の白色度や色相等の経時変化褪色を改良す
るが、印刷時にピッキングを起こす問題が発生し、製品
価値が低下した。
【0020】このため、本発明者等は、印刷時にピッキ
ングを起こす原因について検討した。その結果、印刷時
のピッキングは原紙層の層間強度に左右されることが判
明した。印刷時のピッキングは顕微鏡観察によると原紙
層から起こっており、原紙層の層間強度に左右され、即
ち、層間強度が弱いと印刷時にピッキングを起こしやす
く、層間強度が強いと印刷時にピッキングを起こさな
い。この主因として、酸素系薬品よるパルプ繊維へのア
タックが強く、パルプ繊維が脆くなっているものと推測
される。
【0021】本発明では、原紙の層間強度(TAPPI
STANDARDS ROUTINE CONTRO
L METHOD RC308)が50×10-3ft・
lb/in2 以上、より好ましくは80×10-3ft・
lb/in2 以上にして、印刷時のピッキングを防止す
る。因みに、原紙の層間強度が50×10-3ft・lb
/in2 未満では印刷時に原紙層からピッキングを起こ
す問題が発生する。
【0022】本発明の原紙の層間強度を得る方法として
は、抄紙に際して、紙力増強剤等を内添又は/及び表面
加工の種類及びその使用量を調節することによって得る
ことができる。この場合の紙力増強剤としては、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂・メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂・ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂
・ポリアクリルアミド樹脂・エチレンイミン・グリオキ
ザール・ポリビニルアルコール・マレイン酸系コポリマ
ー・アクリル酸系コポリマー・スチレン系コポリマー・
スルホン酸系コポリマー・澱粉・酸化澱粉・変性澱粉・
セルロース誘導体等が挙げられる。これらは所望する製
品品質に応じて適宜選択すればよく、特に限定するもの
でない。
【0023】本発明における抄紙方法は所謂酸性抄紙、
中性抄紙と限定することなく全ての抄紙方法が対象とな
り得るが、特に、アルカリ性填料である炭酸カルシウム
を主成分とする填料を含んだ抄紙 pHが約6の弱酸性か
ら約9の弱アルカリ性で行う中性抄紙法で得られる原紙
を用いた時に、より顕著な効果が得られる。尚、抄紙に
際して、填料・サイズ剤・歩留向上剤・消泡剤・染料・
蛍光増白剤・紫外線吸収剤・PH調節剤・ピッチコント
ロール剤・スライムコントロール剤等を適宜添加するこ
とができる。
【0024】次に、本発明の方法によって、塗被紙を得
る方法について印刷用塗被紙を例にして述べるが、これ
に限定するものでなく、各種特殊紙用塗被紙の製造方法
としても本発明の効果が得られる。
【0025】本発明の塗被紙は、印刷用塗被紙の例を挙
げれば、前述のようにして得られた原紙上に、顔料及び
接着剤を主成分とするアルカリ性の塗被組成物を塗料に
調製し塗布して製造されるものであるが、その塗被組成
物は品質設計に応じて、顔料及び接着剤が適宜配合され
て調製される。尚、アルカリ性顔料としては、その水性
スラリーの10重量%濃度における pHが8以上の顔料を
指すもので、例えば水酸化アルミニウム・サチンホワイ
ト・重質炭酸カルシウム・沈降性炭酸カルシウム・炭酸
マグネシウム・水酸化マグネシウム・水酸化カルシウム
・水酸化亜鉛等のアルカリ性顔料の中から、塗被紙の品
質目標に応じて一種又は二種以上の顔料を適宜組み合わ
せて配合することができる。
【0026】勿論、これらの他に、通常塗被紙の製造分
野で一般的に用いられている顔料、例えば、カオリン・
硫酸バリウム・タルク・二酸化チタン・焼成カオリン・
シリカ・酸化亜鉛・酸化マグネシウム・珪酸マグネシウ
ム・硫酸マグネシウム・アルミノ珪酸塩・ベントナイト
等の鉱物質顔料やポリスチレン樹脂微粒子・尿素ホルマ
リン樹脂微粒子及び熱膨張性微小中空粒子或いは非熱膨
張性微小中空粒子やその他の有機系顔料等の中から、必
要に応じて一種又は二種以上の顔料を適宜選択して併用
することもできる。
【0027】また、アルカリ性の塗被組成物の塗料調製
は顔料 100重量部に対して2重量部以上のアルカリ性顔
料が配合されており、その塗料のpHが8以上であるア
ルカリ性の塗被組成物の場合に所望とする改善効果がよ
り顕著に得られる。更に、付言すると、アルカリ性顔料
としてサチンホワイト等の如き高アルカリ性顔料が配合
されているアルカリ性塗被組成物の場合に、より顕著な
改善効果が確認されている。
【0028】接着剤としては、例えば従来公知のカゼイ
ン・大豆蛋白・スチレン−ブタジエン共重合体・メチル
メタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系
重合体ラテックス・アクリル酸エステル及び/又はメタ
クリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系
重合体ラテックス・エチレン−酢酸ビニル共重合体等の
ビニル系重合体ラテックス・或いはこれらの各種重合体
をカルボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基
変性したアルカリ溶解性或いはアルカリ非溶解性の重合
体ラテックス、玉蜀黍・馬鈴薯・タピオカ・小麦等の原
料から得られる各種澱粉及びそれらの変成物、例えばカ
チオン性澱粉・酸化澱粉・エステル化澱粉等の澱粉類、
ポリビニルアルコール・オレフィン−無水マレイン酸樹
脂・メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、カルボキシメ
チルセルロース・ヒドロキシエチルセルロース等のセル
ロース誘導体等、一般の塗被紙用として知られている接
着剤の一種或いは二種以上が併用して用いられる。
【0029】なお、接着剤の使用量は顔料100 重量部に
対し、2〜50重量部、通常は5〜30重量部の範囲で使用
される。また、必要に応じて各種助剤が本発明の所望の
効果を損なわない範囲で添加されるが、助剤としては、
例えば消泡剤・着色剤・離型剤・流動変性剤・分散剤等
が挙げられる。
【0030】更に、上記の如き材料を用いて構成される
塗被組成物は一般に固形分濃度が20〜75重量%程度の塗
料に調製され、原紙の片面又は両面に乾燥後の重量が2
〜50g/m2 程度になるように塗被、乾燥後、スーパー
キャレンダー等に通紙して加圧仕上げが行われる。又、
ウェットキャスト・リウェットキャスト・ゲル化キャス
ト等の方法で仕上げが行われる。
【0031】原紙上に塗被層を形成するにあたっては、
該塗被組成物の一度塗りの層とするか、或いは、下塗り
層及び上塗り層に分けて多層構造にするかは特に限定す
るものではない。また、多層構造の場合下塗り層と上塗
り層の塗被組成物が同一である必要はなく、要求される
品質レベルに応じて適宜調製することが可能である。下
塗り層と上塗り層の塗被組成物について、両者が共にア
ルカリ性の塗被組成物である必要はないが、下塗り層と
上塗り層が共にアルカリ性の塗被組成物である場合にお
いては、より顕著な改良効果が得られるものである。
【0032】また、塗被層を形成する方法としては、一
般に公知公用の塗被装置、例えばブレードコーター・エ
アーナイフコーター・ロールコーター・ブラシコーター
・チャンプレックスコーター・バーコーター・グラビヤ
コーター・ゲートロールサイズプレス・ビルプレードサ
イズプレス・ブレードメータリングサイズプレス等の装
置が適宜用いられる。これらの装置はオンマシンコータ
ー或いはオフマシンコーターの形として慣用の方法で用
いられるものであって、特に限定するものではない。
【0033】本発明の塗被紙を製造するためには、これ
らの複数の塗被装置とキャレンダー装置等を配備した高
速のオンマシンコーター等を用いると、極めて効率良く
且つ高品質の塗被紙を得ることができる。
【0034】かくの如き方法で得られる塗被紙は、あら
ゆる等級及び種類の紙製品に応用できる。例えばパンフ
レット・カレンダー・雑誌・書籍・包装用紙等として利
用されているキャストコート紙・アート紙・コート紙・
微塗工紙等の印刷紙等は勿論のこと、感熱記録紙・感熱
転写記録紙・感圧記録紙・静電記録紙・インクジェット
記録用紙等の情報記録用紙やタック紙等の特殊紙用塗被
紙等にも適用可能である。そして、これらの塗被紙の中
でも、特にアルカリ性の塗被組成物を塗布してなる塗被
紙において、極めて顕著に所望の効果が得られる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、勿論これらに限定されるものではない。な
お、例中の部及び%は、特に断らない限り、それぞれ固
形分重量部及び固形分重量%を示す。
【0036】実施例1 〔原紙の調製〕O−CD −EO −H−Dの漂白シーケン
スで漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:350ppm、フリーネス450ml) 75部とO
−CD −EO −H−Dの漂白シーケンスで漂白されたN
BKP(有機塩素化合物に係る塩素の量:380pp
m、フリーネス480ml)25部を配合したパルプス
ラリーに、填料として軽質炭酸カルシウム(TP121
−6S:奥多摩工業社製)20部を攪拌しながら添加
し、硫酸バンド0.5部、カチオン性澱粉(BMB:日
産エカノーベル社製)0.7部及びアルキルケテンダイ
マー(SPK−902:荒川化学社製)0.1部を攪拌
しながら添加した。ついでこのパルプスラリーを白水で
希釈した後、コロイダルシリカ(BMA:日産エカノー
ベル社製)0.2部をよく撹拌しながら添加して pH
8.0、濃度0.7%の紙料を調製した。この紙料を長
網抄紙機を用いて抄紙し、オンマシンサイズプレスで、
予め濃度28%、95℃、30分間蒸煮して得た酸化澱
粉(エースA:王子コーンスターチ社製)の水溶液を希
釈して得た5%濃度の澱粉水溶液を、乾燥重量で2.5
g/m2 となるように両面サイズプレスを行い、マシン
キャレンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙を得
た。この得られた原紙の層間強度(TAPPI−RC3
08)は160×10-3ft・lb/in2 であった。
【0037】〔塗被紙の調製〕カオリン(UW−90:
EMC社製)65部、重質炭酸カルシウム(ソフトン−
2200:備北粉化工業社製)20部、軽質炭酸カルシ
ウム(TP−123CS:奥多摩工業社製)10部及び
サチンホワイト(SW−B:白石工業社製)5部とポリ
アクリル酸ソーダ0.5部及び苛性ソーダ0.2部を一
緒にコーレス分散機を使用して水分散し、濃度68%の
顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに接着剤と
して予め95℃、28%濃度で30分間蒸煮して得た酸
化澱粉(エースA)3部及びスチレン・ブタジエン共重
合体ラテックス(SN−307:住友ノーガタック社
製)10部を添加し、さらにシリコン系消泡剤0.05
部、ステアリン酸カルシウム0.2部及び水を添加し、
攪拌混合して濃度60%の塗料を得た。この塗料のpH
は11.7であった。
【0038】上記の塗料を前記の原紙に乾燥重量で片面
当たり20g/m2 となるようにブレードコーターを使
用して両面塗布を行い、紙水分が6%となるように乾燥
した。このようにして得た両面塗被紙をスーパーキャレ
ンダー処理を行ってオフセット枚葉印刷用塗被紙として
仕上げた。また、塗被紙の保存安定性を評価するための
熱褪色性試験や光褪色性試験及び塗被紙のピッキング強
度について、それぞれ以下の方法によって測定及び評価
を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0039】(熱褪色性の評価試験)恒温恒湿器を用い
て、60℃,RH90%の条件下で24時間の熱処理を
した後、白色度及び色差を下記の方法で測定し、熱褪色
性を評価した。
【0040】(白色度の測定)JIS P8123に準
じて、熱処理前後の白色度を測定し、その白色度の差
(ΔW)を下記の式によって求めた。数値の小さい程、
熱褪色性に優れる。ΔW(%) =熱処理前の白色度−熱処
理後の白色度
【0041】(色差の測定)JIS Z8722に準じ
てマクベスカラーアイMS−2020プラス(マクベス
社製)を用いて熱処理前後の色相を測定した。色差(Δ
* ab)はJIS Z8730に基づき、下記のL*
* * 表色系による色差式により求めた。数値の小さい
程熱褪色性に優れる。 ΔE* ab=〔( ΔL* 2 +( Δa* 2 +( Δb* )2 ]1/2
【0042】(光褪色性の評価試験)ウェザーメーター
(東洋理化工業社製、2灯) で紫外線を4時間照射した
後、白色度及び色差を熱褪色性の評価試験の項と同様の
方法で測定し、光褪色性を評価した。
【0043】(印刷適性ピッキング強度の評価)RI印
刷適性試験機(明製作所製)を用いて印刷をして下記の
評価基準で目視評価した。◎:ピックの発生がなく極め
て良好。○:ピックの発生が殆どなく良好。×:ピック
が多数発生して劣る。
【0044】実施例2 〔原紙の調製〕O−CD −EO −H−Dの漂白シーケン
スで漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:350ppm、フリーネス450ml) 75部とO
−CD −EO −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたN
BKP(有機塩素化合物に係る塩素の量:380pp
m、フリーネス480ml) 25部を配合したパルプス
ラリーに、填料として:焼成カオリン(アンシレック
ス:エンゲル・ハルド社製)20部を攪拌しながら添加
し、硫酸バンド0.5部、両性の澱粉(CAT0−13
0:王子ナショナルスターチス社製)0.4部及びアル
キルケテンダイマー(SPK−902:荒川化学社製)
0.1部を攪拌しながら、添加した。ついでこのパルプ
スラリーを白水で希釈した後、ポリアクリルアミド樹脂
(KW−504:荒川化学社製)0.05部をよく撹拌
しながら添加して pH8.0、濃度0.7%の紙料を調
製した。このようにして得た紙料を長網抄紙機を用いて
抄紙し、次に、実施例1と同様にして乾燥重量で2.5
g/m2 となるようにサイズプレスを行い、マシンキャ
レンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙を得た。
この得られた原紙の層間強度は75×10-3ft・lb
/in2 であった。
【0045】〔塗被紙の調製〕前記の原紙に実施例1と
同様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に
測定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0046】実施例3 〔原紙の調製〕O−CD −EO −H−Dの漂白シーケン
スで漂白されたLBKP(有機塩素化合物係る塩素の
量:350ppm、フリーネス450ml) 75部とO
−CD −EO −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたN
BKP(有機塩素化合物に係る塩素の量:380pp
m、フリーネス480ml) 25部を配合したパルプス
ラリーに、填料として:タルク(NK−80:中央カオ
リン社製)20部を攪拌しながら添加し、硫酸バンド3
部及びロジンサイズ(SPE:荒川化学社製)1部を攪
拌しながら、添加した。ついでこのパルプスラリーを白
水で希釈して pH4.0、濃度0.7%の紙料を調製し
た。このようにして得た紙料を長網抄紙機を用いて抄紙
し、以下実施例1と同様にしてサイズプレスを行い、マ
シンキャレンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙
を得た。この得られた原紙の層間強度は200×10-3
ft・lb/in2 であった。
【0047】〔塗被紙の調製〕カオリン(HTクレー:
EMC社製)60部と実施例1で使用した重質炭酸カル
シウム40部からなる混合顔料をポリアクリル酸ソーダ
0.4部と一緒にコーレス分散機を使用して水分散し、
濃度68%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリ
ーに、接着剤として実施例1で使用した酸化澱粉12部及
びスチレン・ブタジエン共重合体ラテックス4部を添加
し、さらにシリコン系消泡剤0.05部及び水を添加
し、攪拌混合して濃度55%の下塗り用塗料を得た。こ
の塗料のpHは9.2であった。
【0048】別に、実施例1で使用したカオリン75
部、重質炭酸カルシウム15部及びサチンホワイト10
部とポリアクリル酸ソーダ0.5部及び苛性ソーダ0.
2部を一緒にコーレス分散機を使用して水分散し、濃度
68%の顔料スラリーを調製した。この顔料スラリーに
接着剤として実施例1で使用した酸化澱粉4部及びスチ
レン・ブタジエン共重合体ラテックス15部を添加し、
さらにシリコン系消泡剤0.05部、ステアリン酸カル
シウム0.2部及び水を添加し、攪拌混合して濃度60
%の上塗り用塗料を得た。この塗料のpHは12.1で
あった。
【0049】次に、上記二種の塗料を用いて、前記原紙
にロールコーター及びブレードコーターによってダブル
コーティングを行った。即ち、ロールコーターで下塗り
用塗料を乾燥後の重量でフェルト側7g/m2 、ワイヤ
ー側7g/m2 となるように塗布され、さらに乾燥パー
トを通過した後、キャレンダースタックに導かれる。塗
被面が平滑化された後、直ちにブレードコーターで上塗
り用塗料が乾燥後の重量でフェルト側9g/m2 、ワイ
ヤー側9g/m2 となるように塗布、乾燥された後に、
キャレンダーに導かれ巻き取られた。この巻き取りはス
ーパーキャレンダー処理され、オフセット輪転印刷用塗
被紙に仕上げられた。また、実施例1と同様に測定及び
評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0050】実施例4 〔原紙の調製〕O−D−EO −D−Pの漂白シーケンス
で漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:170ppm、フリーネス450ml) 75部とO
−D−E O −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたNB
KP(有機塩素化合物に係る塩素の量:180ppm、
フリーネス480ml) 25部を配合したパルプスラリ
ーに、填料として:重質炭酸カルシウム(ソフトン−1
200:備北粉化工業社製)10部とタルク10部を攪
拌しながら添加し、硫酸バンド0.5部、両性の澱粉
(CAT0−130:王子ナショナルスターチス社製)
0.4部及びアルキルケテンダイマー(SPK−90
2:荒川化学社製)0.1部を攪拌しながら、添加し
た。ついでこのパルプスラリーを白水で希釈した後、ポ
リアクリルアミド樹脂(KW−504:荒川化学社製)
0.02部をよく撹拌しながら添加して pH8.0、濃
度0.7%の紙料を調製した。このようにして得た紙料
を長網抄紙機を用いて抄紙し、次に実施例1と同様にし
て乾燥重量で2.5g/m2 となるようにサイズプレス
を行い、マシンキャレンダーに通紙し、米坪が90g/
2 の原紙を得た。この得られた原紙の層間強度は75
×10-3ft・lb/in2 であった。
【0051】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に測
定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0052】実施例5 〔原紙の調製〕O−Z−EO −D−Pの漂白シーケンス
で漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:90ppm、フリーネス450ml)75部とO−
Z−EO D−Pの漂白シーケンスで漂白されたNBKP
(有機塩素化合物に係る塩素の量:95ppm、フリー
ネス480ml)25部を配合したパルプスラリーに、
填料として:軽質炭酸カルシウム(TP121−6S:
奥多摩工業社製)20部を攪拌しながら添加し、硫酸バ
ンド0.5部、カチオン性澱粉(BMB:日産エカノー
ベル社製)0.7部及びアルキルケテンダイマー(SP
K−902:荒川化学社製)0.1部を攪拌しながら、
添加した。ついでこのパルプスラリーを白水で希釈した
後、コロイダルシリカ(BMA:日産エカノーベル社
製)0.2部をよく撹拌しながら添加して pH8.0、
濃度0.7%の紙料を調製した。このようにして得た紙
料を長網抄紙機を用いて抄紙し、次に実施例1と同様に
してサイズプレスを行いマシンキャレンダーに通紙し、
米坪が90g/m2 の原紙を得た。この原紙の層間強度
は83×10-3ft・lb/in2 であった。
【0053】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に測
定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0054】実施例6 〔原紙の調製〕O−Z−EO −D−Pの漂白シーケンス
で漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:90ppm、フリーネス450ml) 75部とO−
Z−EO −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたNBK
P(有機塩素化合物に係る塩素の量:95ppm、フリ
ーネス480ml) 25部を配合したパルプスラリー
に、填料として:軽質炭酸カルシウム(TP121−6
S:奥多摩工業社製)20部を攪拌しながら添加し、硫
酸バンド0.5部、カチオン性澱粉(BMB:日産エカ
ノーベル社製)0.7部及びアルキルケテンダイマー
(SPK−902:荒川化学社製)0.1部を攪拌しな
がら、添加した。ついでこのパルプスラリーを白水で希
釈した後、コロイダルシリカ(BMA:日産エカノーベ
ル社製)0.2部をよく撹拌しながら添加して pH8.
0、濃度0.7%の紙料を調製した。このようにして得
た紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、乾燥し、マシンキ
ャレンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙を得
た。この得られた原紙の層間強度は55×10-3ft・
lb/in2 であった。
【0055】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に測
定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0056】実施例7 〔原紙の調製〕O−Z−EO −D−Pの漂白シーケンス
で漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:90ppm、フリーネス450ml)75部とO−
Z−EO −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたNBK
P(有機塩素化合物に係る塩素の量:95ppm、フリ
ーネス480ml)25部を配合したパルプスラリー
に、填料として:重質炭酸カルシウム(ソフトン−12
00:備北粉化工業社製)5部とタルク5部を攪拌しな
がら添加し、硫酸バンド0.5部、両性の澱粉(CAT
O−130:王子ナショナルスターチス社製)1部及び
アルキルケテンダイマー(SPK−902:荒川化学社
製)0.1部を攪拌しながら、添加した。ついでこのパ
ルプスラリーを白水で希釈した後、ポリアクリルアミド
樹脂(KW−667:荒川化学社製)1部をよく撹拌し
ながら添加して pH8.0、濃度0.7%の紙料を調製
した。このようにして得た紙料を長網抄紙機を用いて抄
紙し、次に、サイズプレスにより予め濃度28%、95
℃、30分間蒸煮して得た酸化澱粉(エースA:王子コ
ーンスターチ社製)の水溶液を希釈して得た5%濃度の
澱粉水溶液を乾燥重量で2.5g/m2 となるようにサ
イズプレスを行い、マシンキャレンダーに通紙し、米坪
が90g/m2 の原紙を得た。この得られた原紙の層間
強度は150×10-3ft・lb/in2 であった。
【0057】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被し、塗被紙を調製した。また、実施例1と
同様に測定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示
した。
【0058】比較例1 〔原紙の調製〕C−E−H−D−Dの漂白シーケンスで
漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の量:
850ppm、フリーネス450ml) 75部とC−E
−H−D−Dの漂白シーケンスで漂白されたNBKP
(有機塩素化合物に係る塩素の量:950ppm、フリ
ーネス480ml) 25部を配合したパルプスラリー
に、填料として:タルク(NK−80:中央カオリン社
製)20部を攪拌しながら添加し、硫酸バンド3部及び
ロジンサイズ(SPE:荒川化学社製)1部を攪拌しな
がら、添加した。ついでこのパルプスラリーを白水で希
釈して pH4.0、濃度0.7%の紙料を調製した。こ
のようにして得た紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、次
に、予め濃度28%、95℃、30分間蒸煮して得た酸
化澱粉(エースA:王子コーンスターチ社製)の水溶液
を希釈して得た5%濃度の澱粉水溶液をサイズプレス装
置を用いて、先に調製した乾燥シートに乾燥重量で2.
5g/m 2 となるようにサイズプレスを行い、マシンキ
ャレンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙を得
た。この得られた原紙の層間強度は210×10-3ft
・lb/in2 であった。
【0059】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被し、塗被紙を調製した。また、実施例1と
同様に測定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示
した。
【0060】比較例2 〔原紙の調製〕C−E−H−D−Dの漂白シーケンスで
漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の量:
850ppm、フリーネス450ml) 75部とC−E
−H−D−Dの漂白シーケンスで漂白されたNBKP
(有機塩素化合物に係る塩素の量:950ppm、フリ
ーネス480ml) 25部を配合したパルプスラリー
に、填料として:焼成カオリン(アンシレックス:エン
ゲル・ハルド社製)20部を攪拌しながら添加し、硫酸
バンド0.5部、両性の澱粉(CAT0−130:王子
ナショナルスターチス社製)0.4部及びアルキルケテ
ンダイマー(SPK−902:荒川化学社製)0.1部
を攪拌しながら、添加した。ついでこのパルプスラリー
を白水で希釈した後、ポリアクリルアミド樹脂(KW−
504:荒川化学社製)0.05部をよく撹拌しながら
添加して pH8.0、濃度0.7%の紙料を調製した。
このようにして得た紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、
乾燥し、マシンキャレンダーに通紙し、米坪が90g/
2 の原紙を得た。この得られた原紙の層間強度は40
×10-3ft・lb/in2 であった。
【0061】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に測
定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0062】比較例3 〔原紙の調製〕O−Z−EO −D−Pの漂白シーケンス
で漂白されたLBKP(有機塩素化合物に係る塩素の
量:90ppm、フリーネス450ml)75部とO−
Z−EO −D−Pの漂白シーケンスで漂白されたNBK
P(有機塩素化合物に係る塩素の量:95ppm、フリ
ーネス480ml)25部を配合したパルプスラリー
に、填料として:軽質炭酸カルシウム(TP121−6
S:奥多摩工業社製)20部を攪拌しながら添加し、硫
酸バンド0.5部、カチオン性澱粉(BMB:日産エカ
ノーベル社製)0.3部及びアルキルケテンダイマー
(SPK−902:荒川化学社製)0.1部を攪拌しな
がら、添加した。ついでこのパルプスラリーを白水で希
釈した後、コロイダルシリカ(BMA:日産エカノーベ
ル社製)0.2部をよく撹拌しながら添加して pH8.
0、濃度0.7%の紙料を調製した。このようにして得
た紙料を長網抄紙機を用いて抄紙し、乾燥し、マシンキ
ャレンダーに通紙し、米坪が90g/m2 の原紙を得
た。この得られた原紙の層間強度は45×10-3ft・
lb/in2 であった。
【0063】〔塗被紙の調製〕前記原紙に実施例1と同
様にして塗被紙を調製した。また、実施例1と同様に測
定及び評価を行い、得られた結果を表−1に示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】実施例の結果から明らかなように、本発
明の塗被紙の製造方法で得られた塗被紙は、いずれも白
色度や色相の熱や光に対する経時褪色性が安定して優
れ、しかも、塗被紙の印刷ピッキング強度も優れてい
た。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/72,17/67

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルプ繊維を抄紙した原紙上にアルカリ性
    塗被組成物を塗布した塗被紙の製造方法において、該パ
    ルプ繊維が含有する有機塩素化合物に係る塩素の量を4
    00ppm以下とし、且つ原紙の層間強度(TAPPI
    −RC308)を50×10-3ft・lb/in2 以上
    とする塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】有機塩素化合物に係る塩素の量を200p
    pm以下とする請求項1記載の塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】層間強度を80×10-3ft・lb/in
    2 以上とする請求項1又は2記載の塗被紙の製造方法。
  4. 【請求項4】アルカリ性塗被組成物の塗料pHが8以上
    である請求項1〜3記載の塗被紙の製造方法。
  5. 【請求項5】原紙にアルカリ性填料を主成分とする填料
    を含有させる請求項1〜4記載の塗被紙の製造方法。
  6. 【請求項6】アルカリ性填料が炭酸カルシウムである請
    求項5記載の塗被紙の製造方法。
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