JPH09188999A - グラビア印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

グラビア印刷用樹脂被覆紙

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JPH09188999A
JPH09188999A JP7796A JP7796A JPH09188999A JP H09188999 A JPH09188999 A JP H09188999A JP 7796 A JP7796 A JP 7796A JP 7796 A JP7796 A JP 7796A JP H09188999 A JPH09188999 A JP H09188999A
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JP
Japan
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resin
coated paper
paper
polyolefin resin
gravure printing
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Application number
JP7796A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Noriyuki Matsuda
伯志 松田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速かつ安定生産できる生産性に優れ、イン
ク接着性、ピック剥離性、重送性の問題のない印刷上が
りの良好な、ミッシングドットの良好なグラビア印刷用
樹脂被覆紙を提供する。 【解決手段】 紙基体の少なくとも片面にポリオレフィ
ン樹脂と顔料及び帯電防止剤を含有した層が被覆された
グラビア印刷用樹脂被覆紙において、顔料がポリオレフ
ィン樹脂に対して5〜30重量%、好ましくは5〜18
重量%であり、帯電防止剤が3重量%以下、好ましくは
0.05〜0.6重量%含有し、SRaが1.3μm以
下、好ましくは1μm以下であり、膜厚むら指数Rpy
が500mV以下、好ましくは300mV以下である。
好ましくは炭酸カルシウム、二酸化チタンの少なくとも
1種類を使用する。特にポリプロピレン系樹脂が好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙基体(以下、基紙と
言うことがある)の少なくとも片面がポリオレフィン樹
脂で被覆された印刷用樹脂被覆紙に関するものであり、
詳しくは耐水性が良好で、印刷上がり、インキ接着性が
良好で、印刷時の重送性の問題の無い、グラビア印刷時
のミッシングドットにも優れたグラビア印刷用樹脂被覆
紙に関するものである。特に、特定の紙基紙を使用する
ことによりオフセット印刷などにも汎用出来るグラビア
印刷用樹脂被覆紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基紙面がポリオレフィン樹脂で被
覆された樹脂被覆紙型支持体は写真用支持体などで公知
である。写真用支持体は、特公昭55−12584号公
報には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された技術が開示されている。
米国特許第3,501,298号明細書には、基紙の両
面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真用支持体につ
いての技術が開示されている。また、ハロゲン化銀感光
材料の迅速写真現像処理方式が適用されて以来、基紙の
両面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真用支持体
が、写真印画紙用として主に実用化されており、必要に
応じてその一方の画像形成側の樹脂層中には鮮鋭度を付
与するために、通常二酸化チタン顔料を含有している。
【0003】また、基紙面がポリオレフィン樹脂で被覆
された樹脂被覆型印刷材料について、特開平2−333
99号公報には、基紙上に無機充填剤を高充填した合成
樹脂層を設けた印刷用紙が開示されている。特開平3−
64598号公報および同3−64599号公報には、
変性ポリオレフィン樹脂やアクリル酸エステル系樹脂と
ポリオレフィン樹脂との共用によるインキ接着性改良が
開示されている。
【0004】これら樹脂被覆型印刷材料は、通常ポリエ
チレンなどのポリオレフィン樹脂を高温にて溶融し、基
紙の表面に流延する、いわゆる押出コーティング法にて
生産される。その際、ポリオレフィン系樹脂で印刷用途
に必要な特性であるひっかきにより表面に傷がつきにく
い、いわゆる耐ひっかき性の良好な樹脂は、概して基紙
と樹脂との接着性が弱く、印刷の際にピック剥離が発生
する場合がある。押出コーティング前に予め基紙表面を
コロナ処理などで活性化するが、それでも基紙と樹脂層
の接着力の低下が起こり、特に高速での押出コーティン
グでは印刷用樹脂被覆紙としての品質が損なわれるとい
う問題点を有していた。
【0005】また、特開平7−109697号公報で印
刷物の品質及び鑑賞性に優れた見やすい印刷物を提供す
る提案がなされている。その中には、基紙の膜厚むら指
数を特定とし、中心面平均粗さSRaが特定であり、好
ましくは樹脂被覆紙の膜厚むら指数が特定で、樹脂が二
酸化チタンまたは炭酸カルシウムを含有する印刷用樹脂
被覆紙が開示されている。
【0006】また、樹脂被覆型印刷材料は、連続的に樹
脂被覆紙に印刷する場合、シートが2枚以上重なって給
送され、紙詰まりなどのトラブルが発生しやすい。この
問題に対しては樹脂層に帯電防止剤を含有させるか、樹
脂層表面に帯電防止剤含有の層を塗設する対策が取られ
るが、後者の場合、工程が増え、コストアップを伴う
他、樹脂層の表面平滑性の劣る帯電防止剤含有層を設け
るよりも樹脂層に帯電防止剤を含有する方法が取られる
場合が多い。
【0007】しかしながら、樹脂層に帯電防止剤を含有
すれば基紙との接着力の低下が起こり、印刷時に表面の
一部が基紙と樹脂層の間で剥がれるピック剥離が発生し
やすくなる他、印刷インキとの接着性に劣るようにな
る。
【0008】この問題に関連して、ポリオレフィン樹脂
被覆紙の基紙表面に、いわゆるプライマーと呼ばれる様
々な物質を塗布して基紙と樹脂層との接着性を改良した
写真用支持体に関する技術が提案されている。例えば、
特公昭51−25337号公報には、紙の表面に少なく
ともエチレンおよびアクリル酸(またはメタアクリル
酸)の塩を構成要素とする共重合体が適用されたポリオ
レフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体に関する技術
が提案されている。特開昭54−56422号公報に
は、紙の表面にポリビニルアルコールとイソシアネート
系化合物とを含む液を塗布したポリオレフィン樹脂被覆
紙からなる写真用支持体に関する技術が提案されてい
る。特開昭54−111331号公報には、紙の表面に
少なくともエチレンと不飽和ジカルボン酸もしくはその
誘導体を構成要素とする共重合体が塗布されたポリオレ
フィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体についての開示
がある。
【0009】特開昭55−4027号公報には、紙の表
面にアイオノマーが塗布されたポリオレフィン樹脂被覆
紙からなる写真用支持体についての開示がある。特公昭
59−12167号公報には、微分散性酸化アルミニウ
ムを含む層を紙の上に設けたポリオレフィン樹脂被覆紙
からなる写真用支持体についての開示がある。特開昭6
1−230142号公報および特開平1−180538
号公報には、エチレン/アクリル酸コーポリマーを含む
水分散液を基紙上に塗布したポリオレフィン樹脂被覆紙
からなる写真用支持体についての開示がある。
【0010】また、特開平4−149431号公報に
は、イソブチレン、N−フェニルマレインイミドおよび
マレイン酸塩からなる共重合ポリマーを原紙の表面に有
するポリオレフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体に
ついての開示がある。さらに、特開平4−149432
号公報には、シランカップリング剤を表面に有するポリ
オレフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体についての
開示がある。
【0011】しかしながら、これらの先行技術に開示さ
れた物質を基紙に塗布しても、特に耐ひっかき性の良好
なポリオレフィン樹脂や帯電防止剤を含有した樹脂組成
物を被覆した場合では、印刷時のピック剥離性の向上に
は全く効果が無いか、効果があっても不十分であり、印
刷時のピック剥離性は写真用での基紙と樹脂層との接着
性評価とは異なった特性と予想される。
【0012】グラビア印刷の場合は、オフセット印刷ほ
ど基紙と樹脂被覆層との剥離強度が要求されないが、オ
フセット印刷などと比較すると表面性が悪いとミッシン
グドットと呼ばれる白抜けが多発する。特に、印刷用樹
脂被覆紙に高級感を持たせる為に樹脂被覆層表面をマッ
ト化処理をした場合には、グラビア印刷ではさらにミッ
シングドットが発生しやすい。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、基紙の少なくとも片面が帯電防止剤と顔料を含有す
るポリオレフィン樹脂層で被覆され、グラビア印刷適性
のあるポリオレフィン樹脂組成物を押出コーティングす
る際でも高速でかつ安定生産出来、耐水性、印刷上が
り、ミッシングドット、インキ接着性、ピック剥離性も
良好な、印刷時の重送性の問題も起こさない、優れたグ
ラビア印刷用樹脂被覆紙を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らが前述の問題
点を解決するために、鋭意検討の結果、紙基体の少なく
とも片面がポリオレフィン樹脂と顔料含有層で被覆され
たグラビア印刷用樹脂被覆紙において、該ポリオレフィ
ン樹脂組成物の顔料比率、帯電防止剤比率が特定の範囲
であり、膜厚むら指数Rpyと触針表面粗さでのSRa
を特定値以下にすることによって、本発明の目的が達成
されることが判明した。
【0015】即ち、本発明の印刷用樹脂被覆紙の少なく
とも片面がポリオレフィン樹脂と顔料及び帯電防止剤を
含有する少なくとも1層のポリオレフィン樹脂組成物に
より被覆されたグラビア印刷用樹脂被覆紙において、少
なくとも最外層の該ポリオレフィン樹脂組成物が帯電防
止剤をポリオレフィン樹脂に対して3重量%以下含有
し、最外層の該ポリオレフィン樹脂に対する顔料の比率
が5〜30重量%であり、該樹脂被覆紙の抄紙方向の膜
厚むら指数Rpyが500mV以下であり、かつ触針式
3次元表面粗さ計を用いて測定される波長0.8mm以
上カットオフでの抄紙方向の中心面平均粗さSRaが
1.3μm以下であることを特徴とするものである。
【0016】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙は、好
ましくは最外層のポリオレフィン樹脂に対する顔料の比
率が5〜18重量%である。
【0017】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙は、好
ましくは触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される波
長0.8mm以上カットオフでの抄紙方向の中心面平均
粗さSRaが1.0μm以下である。
【0018】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙は、好
ましくは膜厚むら指数Rpyが300mV以下である。
【0019】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙の帯電
防止剤が含有されるポリオレフィン樹脂組成物の帯電防
止剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して0.05〜
0.6重量%であることが好ましい。
【0020】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙の最外
層のポリオレフィン樹脂組成物の顔料は、炭酸カルシウ
ムと二酸化チタンの少なくとも1種類であることが好ま
しい。
【0021】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙のポリ
オレフィン樹脂組成物の炭酸カルシウムとしては、平均
粒径が0.1〜3.0μmであることが好ましい。
【0022】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙のポリ
オレフィン樹脂組成物の二酸化チタンとしては、平均粒
径が0.1〜1μmであることが好ましい。
【0023】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙のポリ
オレフィン樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂である
ことが好ましい。
【0024】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙の紙基
体には、コロイド状シリカが塗設されていることが好ま
しい。
【0025】また、本発明の最外層のポリオレフィン樹
脂組成物被覆層は、マット化処理されており、樹脂被覆
紙の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される波長
0.8mm以上カットオフでの抄紙方向の中心面平均粗
さSRaが0.4〜1.3μmであることが好ましい。
【0026】以下、本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙
について、詳細に説明する。
【0027】本発明の実施に用いられる基紙は、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプと合成パルプ、合成繊維とからなる混抄
紙でもよい。それらの天然パルプとしては、特開昭58
−37642号公報、特開昭60−67940号公報、
特開昭60−69649号公報、特開昭61−3544
2号公報などに記載もしくは例示してあるような適切に
選択された天然パルプを用いるのが有利である。
【0028】天然パルプは、塩素、次亜塩素酸塩、二酸
化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしく
はアルカリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素な
どによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ
処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉
樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、ク
ラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなど
の各種のものを用いることができる。
【0029】本発明の実施に好ましく用いられる天然パ
ルプを主成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に
各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤と
して、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62−75
34号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマ
ー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケ
ニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導
体など、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン
性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアル
コール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンな
ど、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂など、填料として、クレ、ーカオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタンなど、定着剤として、
塩化アルミニウム、硫酸バン土などの水溶性アルミニウ
ム塩など、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸など、その他前記した着色顔料、着色染料、蛍
光増白剤など、帯電防止剤として塩化ナトリウム、塩化
マグネシウム、各種アミン系やグリセリン系帯電防止剤
などを適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0030】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は20〜250g
/m2のものが好ましい。
【0031】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、抄紙方向の膜厚むら指数Rpyが500mV以下
にしたものが好ましく、300mV以下のしたものがさ
らに好ましく、150mV以下のものが樹脂被覆紙の膜
厚むら指数を下げやすくする。しかしながら、グラビア
印刷の場合には必ずしも、基紙の膜厚むら指数が特定値
以下にする必要は無く、樹脂被覆紙の膜厚むら指数が5
00mV以下であることが必要である。ここで言う膜厚
むら指数Rpyとは、2つの球状の触針の間に試料を走
行させ、試料の厚み変動を電子マイクロメーターを介し
電気信号として測定するフィルム厚み測定器を用い、電
子マイクロメーターの感度レンジが±15μm/±3V
の条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向に1.5m/分
の定速で走査することで試料の抄紙 方向の厚み変動を
測定し、得られた測定信号値を、FFTアナライザーを
用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用して高速フ
ーリエ変換して、128回の積算の加算平均によるパワ
ースペクトル(単位:mV2)を求め、 2〜25Hzの周
波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた値を1/2
乗することにより求められる値(単位:mV)である。
【0032】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが500mV以下の基紙を製造する方法
としては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉
樹パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上
用い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるよう
に叩解する。例えば、パルプの叩解は、叩解後のパルプ
の加重平均繊維長が0.4〜0.75mmになるように
することが好ましい。次いで、内添薬品を添加した紙料
スラリーについて、特開昭58−37642号公報、特
開昭61−260240号公報、特開昭61−2847
62号公報などに記載もしくは例示してあるような適切
な抄紙方法を採用して、長網抄紙機、丸網抄紙機など通
常用いられる抄紙機により均一な地合が得られるように
抄造し、さらに抄造後マシンカレンダー、スーパーカレ
ンダー、熱カレンダーなどを用いてカレンダー処理を施
し、膜厚むら指数Rpyが500mV以下、好ましくは
300mV以下の基紙を製造することができる。
【0033】本発明の実施に当って、基紙に塗設される
コロイド状シリカとは、主として水を分散媒として高分
子量無水ケイ酸(Si23)の1〜100mμm程度の
超微粒子を水中に安定に分散せしめたコロイド溶液であ
る。特に、表面がカチオン化されたカチオン化コロイド
状シリカのカチオン化は、アルミナ、ジルコニウム、ス
ズなどにより行われる。分散媒は一般に水であるが、メ
タノールなどを用いる場合もある。また、コロイド溶液
中に、コロイド安定剤などの目的で、アルカリ成分、例
えば、Na2Oなどを含む場合もある。
【0034】コロイド状シリカの粒径があまりに小さい
場合には、液がゲル化しやすく、一方、あまりに大きい
場合には、性能が不十分となる。コロイド状シリカの具
体例としては、スノーテックス−AK、スノーテックス
BK、スノーテックス20、スノーテックスCなど、日
産化学製の製品が挙げられる。
【0035】本発明の実施に用いられるコロイド状シリ
カの溶液には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コ
ロイドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤などを混
合することができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コ
ロイドとして、特開平1−266537号公報に記載も
しくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系
ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系
ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、
ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭5
5−4027号公報、特開平1−180538号公報に
記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタ
クリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエ
マルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体およびそれらのカルボキシ変性共重合
体のエマルジョンもしくはラテックスなど、帯電防止剤
として、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ
金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウムなどのアルカリ
土類金属塩、コロイド状シリカなどのコロイド状金属酸
化物、ポリスチレンスルホン酸塩などの有機帯電防止剤
など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節
剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、
その他、特開昭63−204251号公報、 特開平1
−266537号公報などに記載もしくは例示の着色顔
料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合せ
て混合することができる。
【0036】これらコロイド状シリカを含む液による基
紙への処理は、サイズプレスもしくはタブサイズプレス
あるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工、ワイヤーバ
ー塗工、ゲートロール塗工などにより基紙に塗設する。
また、基紙の抄造の際にパルプスラリー中に添加して基
紙中に含有させてもよい。
【0037】コロイド状シリカを基紙へ塗設する量とし
ては、基紙に乾燥固形分として6.0g/m2以下である
ことが経済的に有利であり、基紙と樹脂との接着性がさ
らに一段と良好になるために好ましく、特に2g/m2
下である場合がさらに好ましい。
【0038】本発明の実施に用いられるポリオレフィン
樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブ
テン、ポリペンテンなどのホモポリマー、エチレン−ブ
チレン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上からな
る共重合体およびこれらの混合物である。特に、耐ひっ
かき性ではポリプロピレン系樹脂が良好で、高密度ポリ
エチレン系樹脂がこれに続く。
【0039】溶融押出しコーティング性および印刷時の
ピック剥離性の点からは、ポリエチレン系樹脂が好まし
く、それらのポリエチレン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンとプロピ
レン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合体、カ
ルボキシ変性ポリエチレンなどおよびこれらの混合物が
挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、各種の密
度、メルトフローレート(以下、単にMFRと略す)、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度
0.90〜0.97g/cm3の範囲、190℃でのMF
Rが0.1〜40g/10分、好ましくは0.3〜30
g/10分、分子量2万〜25万の範囲のものを単独に
あるいは混合して有利に使用できる。
【0040】本発明のポリプロピレン系樹脂は好ましく
は230℃でのMFRが10〜50g/10分であり、
耐引っかき性からはホモポリプロピレン樹脂が好まし
い。
【0041】また、樹脂が多層構成の場合、最外層の樹
脂として、耐ひっかき性、印刷性の良好な高密度ポリエ
チレン系樹脂、好ましくはポリプロピレン系樹脂を用
い、基紙側は基紙とのピック剥離性の良好な低密度ポリ
エチレン系樹脂を用いることもできる。また、ピック剥
離性に影響する帯電防止剤や無機顔料などの添加剤を上
層のみに含有させることが好ましい。
【0042】樹脂層に使用する顔料としては、二酸化チ
タン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シ
リカ、カオリン、酸化亜鉛、酸化珪素、ポリスチレン、
ポリ尿素などが挙げられる。
【0043】また、無機顔料の樹脂層中への分散性向上
のために、脂肪酸塩、ワックスなどを添加して表面処理
することも出来る。顔料はポリオレフィン樹脂層の5〜
30重量%である。ここで、5重量%より少ない場合は
インキ接着性向上効果、鉛筆筆記性向上効果が劣り、ま
た、30重量%より多いとオフセット印刷などの印刷上
がりやグラビア印刷時のミッシングドットが低下するよ
うになる。好ましくは5〜18重量%である。
【0044】樹脂層中の顔料としては不透明度の良好な
二酸化チタンが好ましいが、二酸化チタンとしては、ル
チル型やアナターゼ型が使用され、電子顕微鏡による定
方向での平均粒子サイズが0.1〜1.0μmであるこ
とが好ましく、アルミナやシリカによる表面処理品がよ
り好ましく使用できる。1μmより大きいとポリオレフ
ィン樹脂中の分散性が劣り、樹脂被覆紙の膜厚むら指数
Rpy、SRaが悪化する。
【0045】樹脂層中の顔料としては白色度や分散性か
ら炭酸カルシウムが好ましいが、炭酸カルシウムとして
は、重質炭酸カルシウム、軽質合成炭酸カルシウムで電
子顕微鏡による平均粒子径が0.1〜3.0μmが好ま
しい。3μmより大きいとポリオレフィン樹脂中の分散
性が劣り、樹脂被覆紙の膜厚むら指数Rpy、SRaが
悪化する。
【0046】樹脂層に使用する帯電防止剤としては、耐
熱性の点から非イオン系が主として使用される。例え
ば、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オ
キシエチレン)(アルキルカルボニルオキシエチレ
ン)、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド、ポリ
(オキシエチレン)(アルキルカルボニルオキシエチレ
ン)アルキルアミド、ポリ(オキシエチレン)アルキル
エーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエ
ーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステルなどが挙げられる。具体的には、ステアリルジ
エタノールアミンモノステアレート、ステアリルジエタ
ノールアミン、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタデ
シル酸モノグリセリドなどが使用できる。
【0047】樹脂層に使用する帯電防止剤の量は、好ま
しくは樹脂層の3重量%以下である。より好ましくは
0.05〜0.6重量%である。0.05重量%より少
ないと帯電防止効果が小さく、3重量%より多いと樹脂
被覆紙のRpyが低下傾向になる他、紙基紙と樹脂被覆
層間の強度、インキ接着性の低下や、経時での帯電防止
剤のブリードアウトによるオフセット印刷でのインキの
乗りの低下や汚れ、グラビア印刷などでの汚れなどの問
題が発生する。
【0048】本発明におけるポリオレフィン樹脂層中に
は、各種の添加剤を含有せしめることができる。特公昭
60−3430号、特公昭63−11655号、特公平
1−38291号、特公平1−38292号、特開平1
−105245号などの各公報に記載もしくは例示の酸
化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白
色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなど
の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パル
ミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、特開平1−1
05245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系などの各種
酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、
フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コ
バルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン
バイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平2
−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白
剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。それらの添加剤はマスタ
ーバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが
好ましい。
【0049】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙面
にポリオレフィン樹脂を被覆する方法としては、走行す
る基紙上に熱可塑性樹脂組成物を溶融押し出し機を用い
て、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆す
る、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆
する。その際、溶融フィルムの温度は260〜340℃
であることが好ましい。スリットダイとしては、T型ダ
イ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが
好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであること
が望ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングす
る前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−4225
4号公報に記載の如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成
物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹
脂層を被覆しても良い。また、表、裏の樹脂層は逐次、
好ましくは連続的に、押し出しコーティングされる、い
わゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆
されるのが好ましく、必要に応じて表または裏の樹脂層
を二層以上の多層構成にする、多層押し出しコーティン
グ方式で被覆しても良い。また、印刷用樹脂被覆紙の表
樹脂層面は光沢面、特公昭62−19732号公報に記
載の微粗面、マット面あるいは絹目面などに加工するこ
とができる。特に高級感を得るためにマット面でSRa
が0.4〜1.3μmに処理する場合には特にグラビア
印刷で本発明の効果が明確に得られる。
【0050】表裏の樹脂層の厚さとしては、特に制限は
ないが、一般に一層または多層で7〜60μmの範囲、
好ましくは10〜45μmの範囲の厚さのものが有利で
ある。
【0051】本発明における印刷用樹脂被覆紙の樹脂層
面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理
を施した後、インキ接着性の向上などを目的としてイン
キ受理層を塗設することができる。インキ受理層には、
カオリン、クレー、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、
ポリスチレン、などの無機、有機顔料、デンプン、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、カルボキシルメチルセル
ロースおよびそれらの誘導体などの親水性バインダー、
スチレン−ブタジエン系、アクリル系などのラテック
ス、硬化剤、界面活性剤、帯電防止剤が使用される。例
えば、界面活性剤として、長鎖アルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩、長鎖、好ましくは分枝アルキルスルフォコハ
ク酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、長鎖、好
ましくは分岐アルキル基含有フェノールのポリアルキレ
ンオキサイドエーテル、長鎖アルキルアルコールのポリ
アルキレンオキサイドエーテルなどのノニオン系界面活
性剤、特公昭47−9303号公報、米国特許3,58
9,906号明細書などに記載のフルオロ化した界面活
性剤など、ポリマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合
物、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物、エポ
キシ化合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合
物などの硬膜剤が挙げられる。
【0052】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙の抄紙
方向の膜厚むら指数は500mV以下、好ましくは30
0mV以下であるが、500mVより大きいと印刷上が
りが悪化し、特に中心面平均粗さSRaが1.3μmよ
り大きい場合には特に顕著に悪化する。
【0053】本発明の触針式3次元表面粗さ計を用いて
測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面平均粗さ
SRaとは、下記数1で規定されるものである。
【0054】
【数1】
【0055】上記数1において、Wxは試料面域のX軸
方向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY
軸方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Sa
は試料面域の面積を表わす。
【0056】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従って、
Sa=160mm2 の条件で求めることができる。な
お、X軸方向のデータ処理としては、サンプリングを5
00点行い、Y軸方向の走査としては、17線以上行
う。
【0057】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙への印
刷方式はグラビア印刷方式であるが、高いピック剥離性
が必要でない場合や、紙基体にコロイド状シリカを塗設
する場合にはオフセット印刷、凸版方式、フレキソ方
式、などへの汎用も可能である。
【0058】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙では、
特に最近の環境の点で伸びの大きい水性インキでも十分
に良好な印刷上がりが得られる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、実施例中の部および%は、それぞれ重量部および重
量%を示す。
【0060】実施例1〜21 広葉樹漂白クラフトパルプ70%および広葉樹漂白サル
ファイトパルプ30%からなる混合パルプを叩解後のパ
ルプの繊維長(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方
法No.52−89「紙およびパルプ繊維長試験方法」
に準拠して測定した長さ加重平均繊維長で表示して)が
0.62mmになるように叩解後、パルプ100部に対
して、カチオン化澱粉3部、アニオン化ポリアクリルア
ミド0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.4部、ポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂0.4部および適当量の蛍光増白剤、青色染
料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
【0061】上記により得た紙料スラリーを用い、20
0m/分で走行している長網抄紙機にのせ、適切なター
ビュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで
15〜100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段
のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処
理し、引き続く乾燥パートで30〜70kg/cmの範
囲で線圧が調節された2段の緊度プレスを行った後、乾
燥した。
【0062】さらに、実施例1〜12では乾燥の途中で
カチオン化コロイド状シリカ(日産化学製、スノーテッ
クスAK)4部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.
002部、塩化ナトリウム4部および水92部からなる
サイズプレス液を2g/m2の乾燥固形分になるようにサ
イズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で
8%になるように乾燥し、線圧30〜80kg/cmで
マシンカレンダー処理して、坪量170g/m2の膜厚む
ら指数Rpyが約200mVであるグラビア印刷用樹脂
被覆紙の基紙を製造した。
【0063】実施例13〜21では実施例1でサイズプ
レスを無くした以外は同様にしてグラビア印刷用樹脂被
覆紙の基紙を製造した。
【0064】但し、実施例16〜18で使用した基紙は
実施例1の広葉樹漂白サルファイトパルプを抜いて広葉
樹漂白クラフトパルプ100%からなるパルプを叩解後
のパルプの繊維長(JAPAN TAPPI紙パルプ試
験方法No.52−89「紙およびパルプ繊維長試験方
法」に準拠して測定した長さ加重平均繊維長で表示し
て)が0.62mmになるように叩解後、抄造以降は実
施例1と同様にして坪量170g/m2の膜厚むら指数R
pyが450mVであるグラビア印刷用樹脂被覆紙の基
紙を製造した。
【0065】実施例1ではポリオレフィン樹脂組成物と
して、ポリプロピレン(密度0.920g/cm3、MF
R20g/10分)100部を溶融状態にして炭酸カル
シウム(平均粒子サイズ2μmの重質炭酸カルシウム)
13部と二酸化チタン(アナターゼ型、平均粒子サイズ
0.2μm)5部%、ステアリン酸亜鉛2部、帯電防止
剤としてステアリルジエタノールアミンモノステアレー
トを対ポリオレフィン樹脂に対して0.4重量%の量を
添加混合してペレットを作製した(帯電防止剤を帯防剤
と記し、数値はホ゜リオレフィン樹脂との比率を重量%で表
す)。そのペレットにより基紙の表面にコロナ処理後、
塗布量30g/m2になるように速度200m/分、28
0℃で溶融押出しコーティング、加圧ロールとの線圧3
0kg/cmで冷却水温度が15℃の冷却ロールで処理
をして基紙の表面にポリオレフィン樹脂層を設けた。同
様にして、基紙の裏面にもポリオレフィン樹脂層を設け
た。実施例2〜20ではポリオレフィン樹脂組成物とし
て表1に記載した配合にした以外は実施例1と同様にし
て実施例2〜20のグラビア印刷用樹脂被覆紙を得た。
表1には基紙のRpyの値を示す。(単位:mV)
【0066】実施例21 実施例1でオレフィン樹脂組成物の顔料として二酸化チ
タン、炭酸カルシウムの代わりにカオリナイトクレー
(平均粒径:1.8μm、)18部を用いた以外は同様
にして実施例21のグラビア印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0067】表面形状は冷却ロールの表面形状を示し、
鏡面と粗面(マット面)に区別する。
【0068】比較例1〜9 比較例1〜5では実施例1と同様にして基紙を作製し
た。比較例6〜9ではサイズプレスをしなかった以外は
実施例1と同様にして基紙を作製した。比較例2、7、
8で使用した基紙は実施例1の広葉樹漂白サルファイト
パルプを抜いて広葉樹漂白クラフトパルプ100%から
なるパルプを叩解後のパルプの繊維長(JAPAN T
APPI紙パルプ試験方法No.52−89「紙および
パルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長さ加重平
均繊維長で表示して)が0.62mmになるように叩解
後、抄造以降は実施例1と同様にして坪量170g/m2
の膜厚むら指数Rpyが450mVであるグラビア印刷
用樹脂被覆紙の基紙を製造した。
【0069】なお、比較例4は実施例1で広葉樹漂白サ
ルファイトパルプを50%にした以外は同様にして膜厚
むら指数150mVである基紙を使用した。
【0070】次いで、この基紙を用いて、その後は比較
例1では実施例1のポリオレフィン樹脂組成物で帯電防
止剤を抜き、比較例2〜9では実施例1と全く同様に樹
脂被覆を行うことで比較例1〜9のグラビア印刷用樹脂
被覆紙を製造した。
【0071】比較例10 樹脂被覆層の顔料として二酸化チタンのみを用い、樹脂
に対して3重量%にした以外は実施例1と同様にして比
較例10のグラビア印刷用樹脂被覆紙を製造した。
【0072】実施例でのポリエチレン樹脂Aは高密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.960g/cm3、MFR=
7.0g/10分)、ポリエチレン樹脂Bは低密度ポリ
エチレン樹脂(密度0.922g/cm3、MFR=3.
0g/10分)を使用した。
【0073】なお、以下で用いる記号でPPはポリプロ
ピレンを示し、PEはポリエチレンを示す。
【0074】実施例、比較例で使用した二酸化チタン、
炭酸カルシウム、カオリンの種類は以下の記号で表す。 Ti:二酸化チタン、平均粒径0.15μm Ti:二酸化チタン、平均粒径0.3μm Ti:二酸化チタン、平均粒径1.0μm Ti:二酸化チタン、平均粒径1.4μm Ca:軽質炭酸カルシウム、平均粒径0.15μm Ca:重質炭酸カルシウム、平均粒径1.5μm Ca:重質炭酸カルシウム、平均粒径3.0μm Ca:重質炭酸カルシウム、平均粒径3.6μm Kao:カオリナイトクレー、平均粒径1.8μm
【0075】以上のようにして製造した実施例1〜21
および比較例1〜10のグラビア印刷用樹脂被覆紙につ
いて、下記の評価方法により評価し、その結果を下記表
3、表4に示した。
【0076】<ピック剥離性>印刷時のピック剥離性
は、ピック剥離の起きやすい次の条件で評価した。各試
料を50℃、60%RHの恒温恒湿槽に1日間保存した
後、RIテスト印刷機で印刷速度を50m/分、タック
値の異なるインク(IPIインキ、#5〜#8)を用い
てピック剥離性を評価した。◎;IPIインキ#8でも
印刷面の剥がれ無く良好、○;印刷面の剥がれは高タッ
クインク(#8)で若干剥がれ傾向があるが、#7イン
クで剥がれが無い、△;印刷面の剥がれは#7インクで
発生するが#6で発生無し。実用上の下限、×;印刷面
の剥がれは低タックインク(#5)でも発生し、グラビ
ア用でも実用上問題がある、を表わす。
【0077】<印刷上がり>印刷上がりは、RIテスト
印刷機でオフセット用インキ(東洋インキ製、合成紙用
インキ)を用い、テストグラビア印刷機(熊谷理機製)
で溶剤系グラビア用インク(東洋インキ製)を用い、印
刷後の印刷サンプルを目視で評価した。RIテスト印刷
評価:○;良好、△;やや鮮鋭性に劣るが実用可能、
×;鮮鋭性悪く実用性に向かない。グラビア印刷評価:
○;ミッシングドット良好、△;ミッシングドットやや
有り、×;ミッシングドット多発し実用性に向かない。
【0078】<印刷重送性>印刷重送性は、印刷用樹脂
被覆紙作製後、常温経時1週間後に軽オフセット印刷機
(東京航空計器社製)を用い、A4サイズで500枚/
時間で通紙した。200枚での停機トラブルの発生回数
で程度を評価した。○:0回、△:1〜3回、×:4回
以上。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】評価:表3、表4の結果から、本発明にお
けるグラビア印刷用樹脂被覆紙は、ミッシングドットが
良好で印刷上がりに優れ、印刷重送性も良好である優れ
た印刷用樹脂被覆紙であることが明確である。コロイド
状シリカを塗設すればピック剥離性も良好であり、オフ
セット印刷などとの汎用性も優れた印刷用樹脂被覆紙で
あることが良くわかる。
【0084】なお、樹脂組成物中の顔料を3重量%にし
た比較例10は、インキセット性、グラビア印刷上がり
が実施例3と比較して悪い。顔料は実施例1と比較して
カオリナイトクレーを用いた実施例21は白色度、グラ
ビア印刷上がりが若干劣る。
【0085】実施例22〜31 実施例1で、ポリオレフィン樹脂組成物に、帯電防止剤
としてステアリルジエタノールアミンモノステアレート
を表5に記載の量で変化した以外は同様にしてペレット
を作製した。(帯電防止剤を帯防剤と記し、数値はポリ
オレフィン樹脂との比率を重量%で表す)そのペレット
により基紙の表面にコロナ処理後、塗布量同様にしてそ
れぞれ実施例22〜30のグラビア印刷用樹脂被覆紙を
得た。
【0086】なお、実施例で基紙の膜厚むら指数450
mVのものは実施例16〜18と同様にして作製した。
【0087】実施例31 実施例1でポリオレフィン樹脂組成物の顔料を抜き、ポ
リエチレン樹脂Bだけを15g/m2溶融押出コーティン
グ後、実施例22のポリプロピレン樹脂組成物を15g
/m2溶融押出コーティングした後、実施例22と同様に
して実施例31のグラビア印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0088】比較例11〜13 比較例1で、ポリオレフィン樹脂組成物に、帯電防止剤
としてステアリルジエタノールアミンモノステアレート
を表6に記載の量を添加混合した以外は同様にしてペレ
ットを作製した。そのペレットにより基紙の表面にコロ
ナ処理後、塗布量同様にしてそれぞれ比較例11〜13
のグラビア印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0089】なお、比較例で基紙の膜厚むら指数450
mVのものは比較例2と同じ基紙を使用した。
【0090】以上のようにして製造した実施例22〜3
1および比較例11〜13のグラビア印刷用樹脂被覆紙
について、上記と同様の評価方法により評価し、その結
果を下記表7、表8に示した。
【0091】なお、実施例22〜31、比較例11〜1
3で用いた基紙は全てコロイド状シリカを塗設してグラ
ビア印刷用樹脂被覆紙を作製した。ピック剥離性は、比
較例11〜13が△〜×のレベル以外は実用下限の△レ
ベル以上であった。
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】
【0094】
【表7】
【0095】
【表8】
【0096】評価:表7、表8の結果から、紙基体にコ
ロイド状シリカを塗設した、ポリオレフィン樹脂組成物
中に対ポリオレフィン樹脂で3重量%以下の帯電防止剤
を添加した本発明におけるグラビア用樹脂被覆紙は、グ
ラビア印刷でのミッシングドットが良好で、印刷上がり
に優れ、印刷時重送性も良好な優れたオフセット印刷に
も汎用が可能なグラビア用印刷樹脂被覆紙であることが
よくわかる。
【0097】なお、実施例19および27の印刷用樹脂
被覆紙は、鉛筆での引っかきで表面に傷がつきやすい傾
向であり、実施例20および28の印刷用樹脂被覆紙で
はさらに弱いので用途が限られる。
【0098】
【発明の効果】本発明のグラビア印刷用樹脂被覆紙は、
ミッシングドットが良好で、印刷上がりに優れ、印刷時
の重送性の問題を起さず、印刷性の優れたものである。
特にコロイド状シリカを塗設した基紙を用いることでピ
ック剥離性も優れ、他の印刷方式との汎用性に優れたも
のになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 B32B 27/32 Z D21H 19/38 C09K 3/16 102 17/67 D21H 1/22 B // C09K 3/16 102 3/78

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体の少なくとも片面がポリオレフィ
    ン樹脂と顔料及び帯電防止剤を含有する少なくとも1層
    のポリオレフィン樹脂組成物により被覆されたグラビア
    印刷用樹脂被覆紙において、少なくとも最外層の該ポリ
    オレフィン樹脂組成物が帯電防止剤をポリオレフィン樹
    脂に対して3重量%以下含有し、最外層の該ポリオレフ
    ィン樹脂に対する顔料の比率が5〜30重量%であり、
    該樹脂被覆紙の下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指
    数Rpyが500mV以下であり、かつ触針式3次元表
    面粗さ計を用いて測定される波長0.8mm以上カット
    オフでの抄紙方向の中心面平均粗さSRaが1.3μm
    以下であることを特徴とするグラビア印刷用樹脂被覆
    紙。 接触式膜厚むら指数Rpy:2つの球状の触針の間に試
    料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイクロメーター
    を介し電気信号として測定するフィルム厚み測定器を用
    い、電子マイクロメーターの感度レンジが±15μm/
    ±3Vの条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向に1.5
    m/分の定速で走査することで試料の抄紙方向の厚み変
    動を測定し、得られた測定信号値を、FFTアナライザ
    ーを用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用して高
    速フーリエ変換して、128回の積算の加算平均による
    パワースペクトル(単位:mV2)を求め、 2〜25Hz
    の周波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた値を1
    /2乗することにより求められる値(単位:mV)であ
    る。
  2. 【請求項2】 最外層のポリオレフィン樹脂に対する顔
    料の比率が5〜18重量%であることを特徴とする請求
    項1記載のグラビア印刷用樹脂被覆紙。
  3. 【請求項3】 触針式3次元表面粗さ計を用いて測定さ
    れる波長0.8mm以上カットオフでの抄紙方向の中心
    面平均粗さSRaが1.0μm以下であることを特徴と
    する請求項1または2記載のグラビア印刷用樹脂被覆
    紙。
  4. 【請求項4】 膜厚むら指数Rpyが300mV以下で
    ある請求項1〜3記載のグラビア印刷用樹脂被覆紙。
  5. 【請求項5】 少なくとも最外層のポリオレフィン樹脂
    組成物に含有される帯電防止剤がポリオレフィン樹脂に
    対して0.05〜0.6重量%であることを特徴とする
    請求項2〜4記載のグラビア印刷用樹脂被覆紙。
  6. 【請求項6】 最外層のポリオレフィン樹脂組成物の顔
    料が炭酸カルシウムと二酸化チタンの少なくとも1種類
    であることを特徴とする請求項1〜5記載のグラビア印
    刷用樹脂被覆紙。
  7. 【請求項7】 炭酸カルシウムの平均粒径が0.1〜
    3.0μmであることを特徴とする請求項6記載のグラ
    ビア印刷用樹脂被覆紙。
  8. 【請求項8】 二酸化チタンの平均粒径が0.1〜1.
    0μmであることを特徴とする請求項6または7記載の
    グラビア印刷用樹脂被覆紙。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン樹脂がポリプロピレン系
    樹脂であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか記
    載のグラビア印刷用樹脂被覆紙。
  10. 【請求項10】 紙基体にコロイド状シリカが塗設され
    ていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の
    グラビア用樹脂被覆紙。
  11. 【請求項11】 最外層のポリオレフィン樹脂組成物被
    覆層がマット化処理されており、樹脂被覆紙の触針式3
    次元表面粗さ計を用いて測定される波長0.8mm以上
    カットオフでの抄紙方向の中心面平均粗さSRaが0.
    4〜1.3μmであることを特徴とする請求項1〜10
    のいずれか記載のグラビア用樹脂被覆紙。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006240186A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Fuji Photo Film Co Ltd 画像記録材料用支持体及びその製造方法、並びに画像記録材料
JP2008240186A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Hokuetsu Paper Mills Ltd グラビア印刷用塗被紙
JP2012512073A (ja) * 2008-12-15 2012-05-31 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 画像形成可能な物

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