JPH0959898A - 印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

印刷用樹脂被覆紙

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JPH0959898A
JPH0959898A JP20703495A JP20703495A JPH0959898A JP H0959898 A JPH0959898 A JP H0959898A JP 20703495 A JP20703495 A JP 20703495A JP 20703495 A JP20703495 A JP 20703495A JP H0959898 A JPH0959898 A JP H0959898A
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JP
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resin
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paper
coated
resin layer
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JP20703495A
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Toru Noda
徹 野田
Noriyuki Matsuda
伯志 松田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙を基質とする、印刷物の転写抜けの発生が
無い、かつオフセット印刷適性が良好で印刷インキの接
着性が良好な、なおかつ印刷物のさばき性が良好な、優
れた印刷用樹脂被覆紙を提供する事を目的とする。 【解決手段】 少なくとも紙基質面が樹脂層で被覆され
た印刷用樹脂被覆紙において、該樹脂層がポリエチレン
系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂又
はポリカーボネート系樹脂を主成分として含み、かつ該
樹脂層面が活性化処理された後、該樹脂層面に特定のエ
チレン・アクリレート・カチオン性アクリルアミド共重
合体エマルジョンを含む塗布層を設けたものである事を
特徴とする印刷用樹脂被覆紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その一方の紙基質(以下、基紙と
言うことがある)面が樹脂層で被覆された印刷用樹脂被
覆紙に関するものであり、特に印刷性が良好であり、か
つ印刷物のさばき性が良好である、印刷用樹脂被覆紙に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然パルプを主成分とする紙を基
質として、基紙面がフィルム形成能ある樹脂で被覆され
た写真用支持体のための樹脂被覆紙はよく知られてい
る。例えば、特公昭55-12584号公報には、基紙がフィル
ム形成能ある樹脂、好ましくはポリオレフィン樹脂で被
覆された写真用支持体についての技術が開示されてい
る。米国特許第3,501,298 号公報には基紙の両面がポリ
オレフィン樹脂で被覆された写真用支持体についての技
術が開示されている。また、ハロゲン化銀感光材料の迅
速写真現像処理方式が適用されて以来、基紙の両面がポ
リエチレン系樹脂で被覆された写真用支持体が、写真印
画紙用として主に実用化されており、必要に応じてその
一方の画像形成側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するため
に、通常二酸化チタン顔料を含有している。また 、特
開昭57-116339号公報には、二酸化チタン顔料15〜2
0重量%に付加してアルカリ土類金属の酸化物及び/又
は炭酸塩0.05〜 30重量%を含有するポリオレフィ
ン樹脂で基紙を被覆した写真用樹脂被覆紙が提案されて
いる。
【0003】しかし、これらの写真用途のための樹脂被
覆紙は、印刷用途に用いた場合には、印刷物の取り扱い
性および印刷適性の点から、極めて問題があるものであ
った。第一に、これらの写真用樹脂被覆紙は帯電しやす
いものであり、特に印刷後の印刷物は帯電しやすくな
り、そのために印刷物のさばき性が悪くなって取り扱い
性が悪いという問題点があった。第二に、樹脂被覆紙
は、印刷を行った場合には印刷部が白く抜ける印刷抜け
(以下、単に印刷抜けと略すことがある)の発生が多く
て、問題があるものであった。その理由として、樹脂被
覆紙は帯電しやすいために樹脂層にゴミ、粉塵が附着し
やすくなり、樹脂被覆紙を印刷する場合に樹脂層とイン
ク層との界面にゴミ、粉塵による空隙が生じ、それ故に
インクが印刷されず、ゴミ、粉塵を中心に広く印刷抜け
が生じるものと推察された。
【0004】また、特開平2-33399号公報には、無機充
填剤20〜80重量% を含有するポリプロピレン系樹
脂またはポリエチレン系樹脂で基紙を被覆した印刷用途
のための樹脂被覆紙が提案されている。しかし、該技術
を用いた印刷用樹脂被覆紙は、印刷品質が極めて悪いも
のであり、印刷を行った場合には印刷抜けと印刷部の濃
度むらの発生が極めて大きく、問題があるものであっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は天然パルプを主成分とする基紙の一方の面が樹脂で被
覆された、印刷部の転写抜けの発生が無く、かつ印刷物
の取り扱い性が良好な優れた印刷用樹脂被覆紙を提供す
ることである。本発明の他の目的は、以下の明細書の記
載から明かとなろう。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その一方の紙基質面が樹脂層
(A)で被覆された印刷用樹脂被覆紙において、樹脂層
(A)としてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂を
主成分として含有するものを用い、かつ樹脂層(A)面
を活性化処理した後、該樹脂層(A)面にエチレン構造
単位80〜98.5モル%、アクリレート構造単位0.5〜
10モル%及びカチオン性アクリルアミド構造単位2〜1
0モル%から成り、重量平均分子量1000〜50000
の共重合体エマルジョンを含む塗布量を設けることによ
り、本発明の目的が達成されることを見い出した。
【0007】本発明の目的は、活性化処理としてコロナ
放電処理を用いることにより、効果的に達成される事を
見い出した。また、本発明の目的は、本発明における特
定の共重合体エマルジョンを含む塗布層の下記で規定さ
れる接触角θを60°以上にすることにより、顕著に達
成される事を見い出し、本発明に到ったものである。
【0008】本明細書で言う塗布層面の接触角θとは、
25℃、65%RHの環境下で水平に保持した試料の塗
布層面に純水3.0μlの水滴を垂直に着滴させ 、着滴
1秒後に測定される接触角の値(単位:゜)である。
【0009】具体的には以下の如く求める。測定は、協
和界面化学株式会社製自動接触角計CA−Z機を用いて
行うことが出来る。注射筒の先にテフロン加工した28
ゲージ(外径0.35mmφ)の注射針を取り付け 、純水
を吸引して注入する(空気を入れない)。また、20
℃、65%RHの環境下で、試料を水平な上下可動の試料
台にセットし、その後注射針の先に3.0μlの水滴を
作成し 、その1秒後試料台を12.0m/分で上昇させる
。試料の塗布層面に水滴が着滴したところで試料台を
25mm/ 分で降下させ着滴から計測して1秒後の画像を
カメラで取り込みその接触角θ(単位:゜)を測定す
る。なお、着滴は図1のような変化監視域を設定し、こ
の白黒画像の白、黒の20%が変化したことにより、コ
ンピューターが着滴を認識するようにして行った。又、
接触角θ(゜)は図2のように取り込んだ画像の液滴の
r(液滴の底辺の1/2)とh(液滴の高さ)を測定す
ることにより数1から求められる。
【0010】
【数1】
【0011】本発明の実施に用いられるエチレン構造単
位とアクリレート構造単位とカチオン性アクリルアミド
構造単位から成る特定の共重合体(以下、単にEAA共
重合体と略すことがある)エマルジョンとしては 、エ
チレン構造単位が80〜98.5モル%、アクリレート構
造単位が0.5〜10モル% 、カチオン性構造単位が1〜
10モル%であり、かつ重量平均分子量が1000〜50
000の範囲のものであれば、各種のものを使用するこ
とが出来る。
【0012】本発明の実施に用いられるEAA共重合体
は、共重合体中のエチレン構造単位の割合として80〜
98.5モル%のものであるが 、85〜97モル%の範囲の
ものが好ましい。エチレン構造単位が80モル%未満の場
合には、塗布層に粘着性が出て問題であり 、一方98.
5モル%より多くなると塗布層の帯電防止性能が悪くなっ
て、本発明の効果が得られない。
【0013】本発明の実施に用いられるEAA共重合体
は、共重合体中のアクリレート構造単位の割合として
0.5〜10モル%のものであるが、1.5〜7モル%の範囲
のものが好ましい。アクリレート構造単位が0.5モル%
未満の場合には 、樹脂被覆紙の樹脂層と塗布層との接
着性が悪くなったり、塗布層と印刷インキの接着性が弱
くなったりして問題であり、一方10モル%より多い場合
には、塗布層に粘着性が出て問題であるし、耐摩耗性が
弱くなって印刷インキの保持性が悪くなって問題とな
る。アクリレート構造単位の具体例としては、メチルア
クリレート、エチルアクリレート、η−プロピルアクリ
レート、イソブチルアクリレートなどをあげることが出
来る。
【0014】本発明の実施に用いられるEAA共重合体
は、共重合体中のカチオン性アクリルアミド構造単位の
割合として1〜10モル%のものであるが、2〜8モル%の
範囲のものが好ましい。カチオン性アクリルアミド構造
単位が1モル%未満の場合には、帯電防止性能が悪くなっ
て本発明の効果が得られないし、一方10モル%より多い
場合には、樹脂被覆紙をオフセット印刷した場合には、
印刷インキの乗りが極めて悪化し、印刷適性の面で大き
な問題となる。
【0015】本発明の実施に用いられるEAA共重合体
中のカチオン性アクリルアミド構造単位の具体例として
は、化1で示されるものをあげることが出来る。
【0016】
【化1】
【0017】化1中のR1は炭素数2〜8のアルキレン基
を表わす。R1の具体例としては、エチレン基、プロピ
レン基、ヘキサメチレン基、ネオペンチル基などがあげ
られ、製造の容易性及び経済性の面からエチレン基また
はプロピレン基が好ましく、特にプロピレン基が好まし
い。又、化1中のR2及びR3はそれぞれ低級アルキル基
を表し、その具体例としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基などがあげられ、帯電防止性の点か
らメチル基又はエチル基が好ましい。又、化1中のR4
は、アルキル基、アリールアルキル基又は脂環アルキル
基を表す。R4の具体例としては、例えばメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウリル
基などのアルキル基、ベンジン基、P−メチルベンジル
基などのアリールアルキル基、シクロヘキシル基、メチ
ルシクロヘキシル基などの脂環アルキル基があげられ、
帯電防止性の点から低級アルキル基が好ましく、特にメ
チル基またはエチル基が好ましい。更に化1中のXはC
l、Brなどのハロゲン原子、CH3OSO3、C25
SO3などのアニオン構成分子を表す。
【0018】本発明の実施に用いられるEAA共重合体
は、その重量平均分子量が1000〜50000の範囲
のものであり、好ましくは3000〜30000の範囲
のものである。ここで言う重量平均分子量とは、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィーで測定した値であ
り、高分子論文集、第44巻、2号、139〜141頁
(1987年)に記載の方法に準じて測定することがで
きる。重量平均分子量が1000未満である場合には、
塗布層の被膜形成能が悪く、耐摩耗性や印刷インキの保
持性が悪くて問題となる。一方、重量平均分子量が50
000を越える場合には、エマルジョンの調製が出来に
くくなり、塗液粘度が高くなり過ぎて問題となる。ま
た、本発明の実施に用いられるEAA共重合体エマルジ
ョンの製造法としては、例えば特開平6-1921号公報に記
載の方法をあげることが出来る。
【0019】本発明における印刷用樹脂被覆紙は、特定
のEAA共重合体エマルジョンを含む塗布層を設けたも
のであるが、印刷適性、特にオフセット印刷適性を一層
良好なものにするために、塗布層面の本明細書で言う接
触角θが60°以上である塗布層を設けたものが好まし
い。特定のEAA共重合体を含む塗布層の接触角θを6
0°以上にする方法としては、具体的には、適切なE
AA共重合体エマルジョンを選択する。塗布層中に適
切な界面活性剤を含有せしめる。塗布層に適切な親水
性バインダー又は本発明外のポリマーラテックスを併用
して含有せしめる事等により調節することが出来る。
【0020】本発明における特定のEAA共重合体エマ
ルジョンの塗布量としては、共重合体の固形重量として
5mg/m2以上が好ましい 。塗布量が少な過ぎると帯電防
止性能が不足して本発明の効果が得られないし、多過ぎ
ると経済的に不利であるし、塗液の塗布性が悪くなった
りして 、特に好ましくは20〜500mg/m2の範囲であ
る。
【0021】本発明の実施に用いられる塗布層中には、
各種の添加剤を含有せしめることが出来る。エマルジョ
ン、ラテックス類として、エチレンとアクリル酸(又は
メタクリル酸)を少なくとも構成要素とするエマルジョ
ンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチ
レン−アクリル性、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン
−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系
共重合体及びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマル
ジョンもしくはラテックス等、水溶性ポリマーもしくは
親水性コロイドとして、澱粉系ポリマー、ポリビニルア
ルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、セルローズ
系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマーなど、エマ
ルジョンもしくはラテックスまたは水溶性ポリマーもし
くは親水性コロイドの硬膜剤として、活性ハロゲン化合
物、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物、エポ
キシ化合物、アクリロイル化合物、イソシアネート化合
物、クロム明ばん、硫酸クロム等、顔料として、クレ
ー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウ
ム、シリカ、酸化チタンなど、本発明におけるEAA共
重合体エマルジョンとは別種の帯電防止剤として、ポリ
スチレンスルフォン酸塩、水溶性カチオン性共重合体等
の有機帯電防止剤、コロイド状シリカ、コロイド状アル
ミナ、合成ヘクトライト粘土コロイド等のコロイド状金
属酸化物、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、塩化ナト
リウムなどの無機帯電防止剤、防腐剤として、特開平1-
102551号公報に記載もしくは例示のp−ヒドロキシ安息
香酸エステル化合物、ベンズイソチアゾロン化合物、イ
ソチアゾロン化合物等、界面活性剤として、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸塩、スルフォコハク酸エステル塩な
どのアニオン系界面活性剤、サポニン、アルキレンオキ
サイド系等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303号
公報、米国特許第3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤、特開平1-166035号公報記載のスル
フォベタイン型界面活性剤、アミノ酸類、アミノアルコ
ールのエステル類等の両性界面活性剤、蛍光増白剤、p
H調節剤などを適宜組み合わせて含有せしめることがで
きる。
【0022】本発明の実施にあたって、樹脂被覆紙の樹
脂層面に本発明の塗布層塗液を塗布する装置としてはエ
アナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブ
レードコーター、スライドホッパーコーター、グラビア
コーター、フレキソグラビアコーター、カーテンコータ
ー、エクストルージョンコーター及びそれらの組合せ等
が挙げられる。また、アプリケート部と計量部を分ける
場合のアプリケーターとしてはディップ方式、ロール方
式、エクストルージョン方式、ファウンテン方式等、各
種の方式から選ぶ事が出来る。
【0023】本発明に於ける塗布層塗液の乾燥装置とし
ては、直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアル
ープドライヤー、サインカーブエアフロートドライヤ
ー、等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイク
ロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置の中から選ぶ事
が出来る。熱風乾燥機を用いる場合は、塗液の塗布量、
製造速度及び乾燥装置の長さ等により異なるが、熱風温
度は50〜160℃、乾燥時間は0.5秒〜10分程度
、好ましくは2〜60秒が好ましい。又、必要であれ
ば、乾燥用熱風は除湿する事も出来る。
【0024】本発明において塗布層塗液の塗布は、基紙
面に樹脂層が設けられた後であればどの段階でも差し支
えがないが、走行する基紙面に樹脂層を被覆した後、巻
き取るまでの間に塗布層塗液を塗布・乾燥して塗布層を
設ける、いわゆるオンマシン法で行うのが好ましい。ま
た、樹脂被覆紙を巻き取ってから、必要に応じて巻取り
を貯蔵後、新ためて塗布層を設ける、いわゆるオフマシ
ン法で行うこともできる。
【0025】本発明においては、塗布層塗液の塗布に際
しては塗布に先立ち、樹脂面にコロナ放電処理、火炎処
理等の活性化処理を施しておくことが望ましい。樹脂面
に活性化処理を施さない場合には、印刷物から印刷イン
キが剥離しやすくなり、樹脂被覆紙との、いわゆる印刷
インキの接着性が悪くなって問題である。印刷インキの
接着性を一層改良し、本発明の効果を顕著に発揮させる
観点から、活性化処理としては、コロナ放電処理が特に
好ましい。
【0026】本発明の実施に用いられる基紙としては、
天然パルプを主成分とする紙であるが、必要に応じて天
然パルプ以外の合成パルプ、合成繊維を併用してもよ
い。
【0027】本発明の実施に用いられる基紙を構成する
パルプとしては、特開昭58-37642号公報、特開昭60-679
40号公報、特開昭60-69649号公報、特開昭61-35442号公
報等に記載もしくは例示してあるような適切に選択され
た天然パルプを用いるのが有利である。天然パルプは塩
素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並
びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必要に応
じて過酸化水素、酸素等による酸化漂白処理等、及びそ
れらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パ
ルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用
いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、
ソーダパルプ等の各種のものを用いることができる。
【0028】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特
公昭62-7534 号公報に記載もしくは例示のアルキルケテ
ンダイマー乳化物或はエポキシ化高級脂肪酸アミド、ア
ルケニル又はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘
導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン
性或は両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤
紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニ
ウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH調
節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を 、そ
の他特開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等
に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤
等を適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0029】また、本発明の実施に有利に用いられる基
紙中には、各種の水溶性ポリマー、帯電防止剤、添加剤
をサイズプレスもしくはタブサイズプレス等によって含
有せしめることができる。水溶性ポリマーとして、特開
平1-266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマ
ー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリ
マー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルローズ系ポ
リマー等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリ
ウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコ
ロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルフォン酸塩等の
有機帯電防止剤等、エマルジョン、ラテックス類とし
て、石油樹脂エマルジョン、エチレン―酢酸ビニル共重
合体、特開昭55-4027号公報 、特開平1-180538号公報に
記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタク
リル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマ
ルジョンもしくはラテックス等、顔料として、クレー、
カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン等、pH
調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダ
等、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤
等の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利で
ある。
【0030】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は20〜200g/
m2のものが好ましい。
【0031】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が350mV以下にしたものが好ましく、270mV以下の
したものが更に好ましく、200mV以下のものが最も好
ましい。ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、2つの球
状の触針の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子
マイクロメーターを介し電気信号として測定するフィル
ム厚み測定器を用い、電子マイクロメーターの感度レン
ジが±15μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整後試料の
抄紙方向に1.5m/分の定速で 走査することで試料の抄
紙方向の厚み変動を測定し、得られた測定信号値を、F
FTアナライザーを用いて、時間窓にハニングウィンド
ウを使用して高速フーリエ変換して、128回の積算の
加算平均によるパワースペクトル(単位:mV2)を求め
、2Hz〜25Hzの周波数域のパワー値を総和して2/
3を掛けた値を1/2乗することにより求められる値
(単位:mV)である。
【0032】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが350mV以下の原紙を製造する方法と
しては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉樹
パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上用
い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように
叩解する。例えば、パルプの叩解は叩解後のパルプの加
重平均繊維が0.4〜0.75mmになるようにすることが
好ましい。ついで、内添薬品を添加した紙料スラリーに
ついて、特開昭58-37642号公報、特開昭61-260240号公
報、特開昭61-284762号公報等に記載もしくは例示して
あるような適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機、丸網
抄紙機等通常用いられる抄紙機により均一な地合が得ら
れるように抄造し、更に抄造後マシンカレンダー、スー
パーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処
理を施し、膜厚むら指数Rpyが350mV以下の基紙を
製造することが出来る。
【0033】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙の
一方の面は樹脂層(A)で被覆される。樹脂層(A)と
しては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはそ
れらの混合物を主成分として含むものであるが、特に溶
融押し出しコーティング性およびフィルム形成性の点か
らポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはそ
れらの混合物を主成分とするものが好ましい。
【0034】本発明の実施に好ましく用いられるポリエ
チレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密
度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分としてプロ
ピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの共重合体、エ
チレンを主成分としてアクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル等
の共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、メ
ルトフローレート(以下、JIS K 6760で規定
されるメルトフローレートを単にMIと略す)、分子
量、分子量分布のものを使用できるが、通常密度0.9
0〜0.97g/cm3、MI0.1〜50g/10分、好ましく
はMI0.3〜35g/10分 、分子量2万〜25万の範囲
のものを単独にあるいは2種以上混合して使用できる。
【0035】本発明の実施に好ましく用いられるポリプ
ロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ラン
ダムポリプロピレン系樹脂、プロピレンを主成分として
エチレン成分を1〜10モル%共重合したランダムポリプ
ロピレン系樹脂及びこれらの混合物であり、各種の密
度、メルトフローレート(以下、JIS K 6758で
規定されるメルトフローレートを単にMFRと略す)、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常密度
0.88〜0.92g/cm3 、MFR10〜60g/10分、好
ましくはMFR15〜45g/10分の範囲のものを単独に
あるいは2種以上混合して使用出来る。また、ポリプロ
ピレン系樹脂の押し出しコーティング性を向上する目的
で、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを主
成分とするコンパウンド樹脂を用いることが出来る。
【0036】本発明の実施に用いられるポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性
樹脂等およびこれらの混合物であり、各種の密度、固有
粘度[η]のものを使用できる。具体的な代表例として
は、三菱化成株式会社製ポリエステル樹脂(商品名:ノ
バテックスHS004、密度1.33g/cm3、固有粘度
[η]0.7dl/g) をあげることができる。又、本発明
の実施に用いられるポリカーボネート系樹脂としては、
各種のグレードのものを使用できるが、具体的な代表例
としては、三菱化成株式会社製ポリカーボネート樹脂
(商品名:NOVAREX 7022A、低粘度タイ
プ)をあげることができる。
【0037】本発明の実施に用いられる樹脂の2種以上
の異なるグレードまたは種類を併用する場合、具体的に
は例えば、密度及びメルトフローレートの異なる2種以
上のポリエチレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂の
併用、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の併
用、ポリエチレン系樹脂とポリエチレンテレフタレート
系樹脂の併用等の場合には、それらの樹脂は予め溶融・
混合して調製したコンパウンド樹脂から成る樹脂組成物
として用いるのが好ましい。2種以上の異なるグレード
または種類の樹脂を予め溶融・混合してコンパウンド樹
脂を調製する方法としては、単純溶融混合法、多段溶融
混合法等を用いることができる。例えば、押し出し機、
二軸押し出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサ
ー、加圧ニーダー等を用いて、所定量の併用する樹脂、
更に必要に応じて酸化防止剤、滑剤等の各種の添加剤を
加えて溶融・混合した後、その混合物をペレット化する
方法が有利に用いられる。併用する樹脂をコンパウンド
樹脂として用いないで溶融押し出し機に単純混合のまま
の状態で直接添加して溶融押し出しコーティングした場
合には、基紙と樹脂層との接着性、樹脂相互の混合性、
成形加工性等の点で問題が発生することが多い。
【0038】本発明における印刷用樹脂被覆紙の樹脂層
(A)(以下、樹脂層(A)を表樹脂層、表樹脂層側を
表側、その反対側を裏側、裏側に被覆される樹脂層を裏
樹脂層と略することがある)面は、鏡面もしくは光沢
面、特公昭62-19732号公報に記載の微粗面、マット面あ
るいは絹目面等に加工することが出来る。
【0039】本発明における印刷用樹脂被覆紙は樹脂層
(A)で被覆されたものであるが、樹脂層(A)で被覆
される側とは反対側の基紙面は耐水性、印刷性等を付与
するためにフィルム形成能ある樹脂を主成分として含む
樹脂層(B)で被覆されたものが好ましい。それらのフ
ィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン系樹
脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも
総合的な見知から前記したポリエチレン系樹脂、ポリプ
ロピレン系樹脂またそれらの混合物を主成分とするもの
が好ましい。また、特公昭60-17104号公報に記載もしく
は例示の電子線硬化樹脂で被覆してもよい。
【0040】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表樹脂
層の被覆厚さとしては、4〜100μmの範囲が有用で
あるが、前記した如く10μm以上50μm以下の範囲
が好ましい。また、その反対側の基紙面は、フィルム形
成能ある樹脂を主成分として含む樹脂層(B)で被覆さ
れるのが好ましいが、その樹脂は表側のものと同じもの
が好ましく、その被覆厚さとしては表側の樹脂と、特に
カールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好まし
く、一般に4〜100μmの範囲が有用であるが、好ま
しくは6〜50μmの範囲である。
【0041】本発明における印刷用樹脂被覆紙は、樹脂
層を均一に被覆することによって製造することができ
る。基紙面に樹脂層を均一に被覆する方法としては、走
行する基紙上に樹脂組成物を溶融押し出し機を用いてそ
のスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、い
わゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するの
が好ましい。具体的には、バレル、ダイ等の温度制御
を行い、ダイオープニングから連続的な樹脂吐出が行わ
れるようにする。溶融フィルムの温度としては、27
0℃〜335℃にするのが好ましく、280℃〜320
℃にするのが更に好ましい。スリットダイとしては、
T型ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラット
ダイが好ましく、T型ダイが特に好ましい。スリット開
口径としては、0.1mm〜2mmにするのが好ましく 、オ
ートフレックスダイが特に好ましい。
【0042】本発明における印刷用樹脂被覆紙の製造に
際し、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙
にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すの
が好ましい。また、特公昭61-42254号公報に記載の如
く、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガス
を吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆しても良
い。また、裏側も樹脂層で被覆する場合には、表、裏の
樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーティ
ングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方
式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて表ま
たは裏の樹脂層を二層以上の多層構成にする、多層押し
出しコーティング方式で被覆しても良い。また、印刷用
樹脂被覆紙の裏樹脂層面は光沢面、特公昭62-19732号公
報に記載の微粗面またはマット面あるいは絹目面等に加
工してもよい。
【0043】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表、裏
の樹脂層中には、印刷画像のシャープ感乃至鮮鋭性の改
良、鉛筆加筆性の付与、印刷インクの受容性の改良等の
ために、白色顔料、好ましくは二酸化チタン顔料または
炭酸カルシウム顔料、更に好ましくはそれらを併用して
含有せしめるのが好ましい。それらの具体例としては、
二酸化チタン顔料としては 、特公昭60-3430号公報、特
公昭63-11655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-3
8292号公報、特開平1-105245号公報、特開昭57-116339
号公報等に記載もしくは例示の二酸化チタン顔料 、炭
酸カルシウム顔料としては、特開昭57-116339号公報、
特開平2-33399号公報等に記載もしくは例示の炭酸カル
シウム顔料をあげることが出来る。又、その他の白色顔
料としては、酸化亜鉛、タルク、カオリン等をあげるこ
とが出来る。
【0044】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表、裏
の樹脂層中には、白色顔料の他に各種の添加剤を含有せ
しめることが出来る。白色顔料の樹脂への分散性、樹脂
被覆紙製造時の剥離性等を改良する目的で、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜
鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂
肪酸金属塩、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド
等の脂肪酸アミド、特開平1-105245号公報に記載もしく
は例示のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リ
ン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群
青、セリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー
系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイ
オレット、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料
や染料、特開平2-254440号公報に記載もしくは例示の蛍
光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合
わせて含有せしめることが出来る。白色顔料及び各種の
添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンド
として含有せしめるのが好ましい。特に、本発明の実施
に用いられる表、裏樹脂層用の樹脂組成物中にこれらの
添加剤を含有せしめる方法としては、樹脂中に予め加え
るか、あるいは前記したコンパウンド樹脂の調製時に加
えるか、または樹脂に高濃度に添加したマスターバッチ
を予め作成し、このマスターバッチを溶融押し出し被覆
時に希釈樹脂に加えてもよい。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0046】実施例1〜7及び比較例1〜2 広葉樹漂白クラフトパルプ70重量%及び広葉樹漂白サ
ルファイトパルプ30重量%から成る混合パルプを叩解
後のパルプの繊維長(JAPAN TAPPI紙パルプ
試験方法No,52-89「紙及びパルプ繊維長試験方
法」に準拠して測定した長さ加重平均繊維長で表示し
て)が0.62mmになるように叩解後 、パルプ100重
量部に対して、カチオン化澱粉3重量部、アニオン化ポ
リアクリルアミド0.2重量部、アルキルケテンダイマ
ー乳化物(ケテンダイマー分とし て)0.4重量部、ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4重量部及び適当
量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料ス
ラリーを調製した。その後、紙料スラリーを200m/分
で走行している長網抄紙機にのせ、適切なタービュレン
スを与えつつ紙匹を形成し 、ウェットパートで15〜
100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェット
プレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き
続く乾燥パートで30〜70kg/cm の範囲で線圧が調節
された2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。その
後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール
4重量部、蛍光増白剤0.05重量部、青色染料0.00
2重量部、塩化ナトリウム4重量部及び水92重量部か
ら成るサイズプレス液を25g/m2サイズプレスし、最終
的に得られる基紙水分が絶乾水分で8重量%になるよう
に乾燥し、線圧70kg/cmでマシンカレンダー処理し
て、印刷用樹脂被覆紙の坪量170g/m2の本明細書で言
う膜厚むら指数Rpyが170mVである基紙を製造し
た。
【0047】次に、基紙の裏面をコロナ放電処理した
後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.926g/cm3、M
FR=2g/10分)35重量部と高密度ポリエチレン樹脂
(密度0.967g/cm3、MFR=20g/10分)65重量
部から成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温320℃で
26μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し
出しコーティングした。
【0048】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、該表面に低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92
2g/cm3 、MI=6.0g/10分)20重量%とエチレン
成分が7モル%であるランダムポリプロピレン系樹脂
(密度0.900g/cm3、MFR=28g/10分)80重量
%を二軸混練押し出し機を用いて混練押し出し後冷却
し、ペレット化して製造したコンパウンド樹脂組成物
(密度0.904g/cm3、MFR=21g/10分)89.5
重量部と含水酸化アルミニウム (対二酸化チタンに対
してAl23分として0.75重量%) で表面処理した
二酸化チタン顔料10重量部とステアリン酸亜鉛0.5
重量部をバンバリーミキサーで混練し 、冷却、ペレッ
ト化して製造した、二酸化チタン顔料を含むコンパウン
ド樹脂組成物を樹脂温度320℃で25μmの厚さに基
紙の走行速度200m/分で溶融押し出しコーティングし
た。その際、冷却ロールとしては、クロムメッキが施さ
れた鏡面のものを用い、冷却水温度12℃で操業した。
また、表、裏の樹脂組成物の溶融押し出しコーティング
は、逐次押し出しコーティングが行われる、いわゆるタ
ンデム方式で行われた。
【0049】更に、樹脂被覆紙の表または裏の樹脂層面
に表1に記載の組み合わせで表1に記載の塗布液をオン
マシン塗布して印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0050】その後、樹脂被覆紙の顔料を含む側にオフ
セット印刷試験機によって印刷試験を行い、以下に記載
の方法で評価した。
【0051】樹脂被覆紙の印刷部の印刷抜けの評価方法
としては、印刷インキとして、東洋インキ(株) 製T
SP−300の青インキでシアン濃度が0.85になる
ようにベタ印刷し、印刷部の印刷抜けの程度を目視で判
定して評価した。
【0052】印刷部の印刷抜けの評価基準としては、以
下の通りである。 ○:印刷抜けが全くあるいはほとんどない。 △:印刷抜けが少し認められるが、実用可能である。 ×:印刷抜けが認められ、実用上問題がある。
【0053】印刷物のさばき性の評価方法としては、温
度25℃、相対湿度25%の環境条件の下で、印刷イン
キとして、東洋インキ(株)製TSP−400のイエロ
−、マゼンタ、シアン及びブラックの各インキで画像を
500枚印刷し、さばき性を判定して評価した。
【0054】印刷物のさばき性の評価基準としては、以
下の通りである。 ○:さばき性が良好である。 △:さばくのにやや抵抗があるが、実用可能である。 ×:数枚が一緒にくっついてしまい、実用上問題があ
る。
【0055】また、表1に記載の表面抵抗率(単位:
Ω)とは、JIS K 6911に準拠する計算式で算出
されるものであり、具体的には、横河・ヒューレット・
パッカード株式会社製の4329A型絶縁抵抗計 (HIG
H RESISTANCE METER)と16008A型電極(RESITIVI
TY CELL)を用いて 、充電時間30秒で取扱説明書に準
じて測定、算出して求めた。
【0056】樹脂層との印刷インキの接着性の評価方法
としては、さばき性の評価のために印刷した印刷物の画
像上にニチバン株式会社製セロハン粘着テープ(商品名
セロテープ)を張り付けて一気に剥離して、印刷インキ
の剥離程度を判定して評価した。
【0057】印刷インキの接着性の評価基準としては、
以下の通りである。 ○:印刷インキが全く剥離せず、印刷インキの接着性が
極めて良好である。 △:印刷インキがわずか剥離するが、実用可能である。 ×:印刷インキがかなりまたは全面に剥離し、印刷イン
キの接着性が悪くて実用上問題がある。
【0058】得られた結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】なお、表1中の配合(A)〜(D)は、下
記の通りである。
【0061】配合(A):エチレン構造単位93モル%、
エチルアクリレート構造単位3モル%及び化2で示される
構造単位4モル%から成り、重量平均分子量約2万の共重
合体エマルジョン(以下、単にエマルジョン(E)と略
す)を主成分とし、適量の塗布助剤を含む塗布層(乾燥
塗布量0.1g/m2 、本明細書で規定される塗布層面の接
触角79°)。
【0062】
【化2】
【0063】配合(B):乾燥重量分として、エマルジ
ョン(E):コロイド状シリカ(日産化学株式会社製
商品名 スノーテックスC)=1:1から成る組成物を
主成分とし、適量の塗布助剤を含む塗布層(乾燥塗布量
0.1g/m2 、本明細書で規定される塗布層の接触角82
°)。
【0064】配合(C):乾燥重量分として、エマルジ
ョン(E):合成ヘクトライト粘土コロイド(英国ラポ
ート工業株式会社製 商品名 ラポナイトS)=1:1か
ら成る組成物を主成分とし 、適量の塗布助剤を含む塗
布層(乾燥塗布量0.1g/m2、本明細書で規定される塗
布層の接触角78°)。
【0065】配合(D):乾燥重量分として、上記コロ
イド状シリカ:スチレン・アクリル酸エステル共重合体
系ラテックス=1:3から成る組成物を主成分とし、更
にポリスチレンスルフォン酸ソーダ0.021g/m2 の他
適量の塗布助剤を含む塗布層(乾燥塗布量0.4g/
m2)。
【0066】表1から明らかな如く、特定のEAA共重
合体エマルジョンを含む塗布層を設けた本発明における
印刷用樹脂被覆紙(実施例1〜7)は、印刷抜けの発生
が無く、かつさばき性及び印刷インキの接着性が良好な
優れたものであることがよくわかる。特に、印刷インキ
の接着性の点から塗布層を設ける前に樹脂層をコロナ放
電処理するのが好ましく、印刷抜け及びさばき性の改良
効果の点から塗布層にEAA共重合体エマルジョンとコ
ロイド状無機帯電防止剤を併用するのが好ましいことが
わかる。
【0067】一方、本発明外のもの(比較例1〜2)
は、印刷抜けの発生が多く、またさばき性が悪くて問題
があることがわかる。
【0068】実施例8〜10及び比較例3〜7 実施例3で用いたEAA共重合体エマルジョンの代わり
に、下記の水溶性共重合体又は共重合体エマルジョンを
用いる以外は、実施例3と同様に実施した。
【0069】共重合体エマルジョン(F):共重合体エ
マルジョン(E)と同一のもの。 共重合体エマルジョン(G):エチレン構造単位93モル
%、エチルアクリレート3モル%及び化3で示される構造
単位4モル%から成り 、重量平均分子量約1.6万の共重
合体エマルジョン。
【0070】
【化3】
【0071】共重合体エマルジョン(H):エチレン構
造単位88モル%、エチルアクリレート3モル%及び化2で
示される構造単位9モル%とから成り 、重量平均分子量
1.8万の共重合体エマルジョン。 共重合体エマルジョン(I):エチレン構造単位91モル
%と化2で示される構造単位9モル%から成り、重量平均
分子量4千の共重合体エマルジョン。 共重合体エマルジョン(J):エチレン構造単位65モル
%、プロピルアクリレート構造単位5モル%及び化2で示
される構造単位30モル%から成り、重量平均分子量約
1.4万の共重合体エマルジョン。 共重合体エマルジョン(K):エチレン構造単位82モル
%ブチルアクリレート構造単位5モル%及び化3で示され
る構造単位13モル%から成り、重量平均分子量約1万の
共重合体エマルジョン。 水溶性ポリマー(L):三菱油化株式会社製帯電防止
剤、商品名サフトマーST−3000。 共重合体エマルジョン(M):スチレン・アクリル系共
重合体エマルジョン(三井東圧化学株式会社製、商品名
ボンロンS−224)。
【0072】得られた結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】なお、表2中の(注1)〜(注2)は以下
の通りである。
【0075】(注1)本文明細書に記載された方法で測
定した、塗布層の接触角(°)を表す。
【0076】(注2)給水着肉性の評価方法としては
、明(AKIRA)製作所株式会社製印刷適性試験機(RI
−1型)を用いて試料片の水を付着させた後、前記印刷
インキで印刷し、着肉程度を目視で判定した。給水着肉
性の評価基準としては、以下の通りである。 ○:給水着肉性が良く、オフセット印刷適性が良好であ
る。 △:給水着肉性がやや不十分であるが、実用可能であ
る。 ×:給水着肉性が悪く、オフセット印刷適性に実用上問
題がある。
【0077】表2から明らかな如く、本発明における印
刷用樹脂被覆紙(実施例8〜10)は、印刷抜けの発生
が無く、かつさばき性及び印刷インキの接着性が良好で
あり、更にオフセット印刷適性が良好な優れたものであ
ることがわかる。特に、給水着肉性の点から塗布層の接
触角としては、60°以上が好ましいが、65°より大
きい接触角が特に好ましいことがわかる。一方、本発明
外のもの(比較例3〜7)は、それぞれ問題点を有して
いることがわかる。
【0078】実施例11 実施例3で用いた樹脂組成物の代りに、三菱化成(株)
製ポリエステル樹脂(商品名:ノバテックスHS00
4)68.5重量% 、ルチル型二酸化チタン顔料(デュ
ポン株式会社製、商品名R−101)30重量%及びス
テアリン酸亜鉛1.5重量%から成る二酸化チタン顔料
マスタ−バッチ33.4重量部と上記ポリエステル樹脂
66.6重量部とを二軸混練押し出し機を用いて混練押
し出し後 、冷却し、ペレット化して製造した二酸化チ
タン顔料を含むコンパウンド樹脂組成物を被覆する以外
は実施例3と同様にして、印刷抜けの発生が無く、かつ
さばき性の良好な、優れた印刷用ポリエステル系樹脂被
覆紙を得た。
【0079】実施例12 実施例3で用いた二酸化チタン顔料を含むコンパウンド
樹脂組成物の代りに、下記の二酸化チタン顔料と炭酸カ
ルシウム顔料を併用して含むコンパウンド樹脂組成物を
用いる以外は実施例3と同様にして実施し、印刷抜けの
発生が無く、かつ印刷インキの接着性が良好な、なおか
つオフセット印刷適性及びさばき性が特に優れた印刷用
樹脂被覆紙を得た。
【0080】低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g
/cm3、MI=8.5g/10分)47.5重量%、前記アナタ
ーゼ型二酸化チタン顔料50重量%とステアリン酸亜鉛
2.5重量%から成る二酸化チタン顔料のマスターバッ
チ10重量部 、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92
4g/cm3、MI=8.5g/10分)47.5重量%、重質炭
酸カルシウム50重量%とステアリン酸亜鉛2. 5重量
%から成る炭酸カルシウム顔料のマスターバッチ20重
量部及びホモタイプポリプロピレン系樹脂(密度0.9
05g/cm3、MFR=42g/10分)70重量部から成る
コンパウンド樹脂組成物。
【0081】
【発明の結果】本発明により、紙を基質とする印刷物の
品質及び取り扱い性に優れた印刷用樹脂被覆紙、特に印
刷物の転写抜けの発生が無い、かつオフセット印刷適性
が良好で印刷インキの接着性が良好な、なおかつ印刷物
のさばき性が良好な、優れた印刷用樹脂被覆紙を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変化監視域の概念図
【図2】着滴の接触角θの定義図
【符号の説明】
1 注射針 2 液滴 3 変化監視域 4 着滴 θ 接触角 h 着滴の高さ r 着滴の底辺の1/2

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の紙基質面が樹脂層(A)で被覆された印
    刷用樹脂被覆紙において、樹脂層(A)がポリエチレン
    系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂又
    はポリカーボネート系樹脂を主成分として含み、かつ樹
    脂層(A)面が活性化処理された後、該樹脂層(A)面
    にエチレン構造単位80〜98.5モル% 、アクリレート
    構造単位0.5〜10モル%及びカチオン性アクリルアミ
    ド構造単位1〜10モル %から成り、重量平均分子量1
    000〜50000の共重合体エマルジョンを含む塗布
    層が設けられたものであることを特徴とする印刷用樹脂
    被覆紙。
  2. 【請求項2】 活性化処理がコロナ放電処理である請求
    項1記載の印刷用樹脂被覆紙。
  3. 【請求項3】 塗布層面の下記で規定される接触角θが
    60°以上であることを特徴とする印刷用樹脂被覆紙。 接触角θ:25℃、65%RHの環境下で水平に保持し
    た試料の塗布層面に純水3.0μlの水滴を垂直に着滴
    させ 、着滴1秒後の接触角値を塗布層面の接触角θ
    (単位:°)と規定する。
  4. 【請求項4】 樹脂層(A)が顔料を含むものである請
    求項1、2または3記載の印刷用樹脂被覆紙。
  5. 【請求項5】 顔料が二酸化チタン顔料または炭酸カル
    シウム顔料である請求項4記載の印刷用樹脂被覆紙。
  6. 【請求項6】 樹脂層(A)で被覆される側とは反対側
    の紙基質面が樹脂層(B)で被覆され、かつ樹脂層
    (B)がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、
    ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系樹脂を主成
    分として含むものであることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載の印刷用樹脂被覆紙。
  7. 【請求項7】 樹脂層(B)が顔料を含むものである請
    求項6記載の印刷用樹脂被覆紙。
  8. 【請求項8】 顔料が二酸化チタン顔料または炭酸カル
    シウム顔料である請求項7記載の印刷用樹脂被覆紙。
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