JPH07173794A - 印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

印刷用樹脂被覆紙

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JPH07173794A
JPH07173794A JP5293378A JP29337893A JPH07173794A JP H07173794 A JPH07173794 A JP H07173794A JP 5293378 A JP5293378 A JP 5293378A JP 29337893 A JP29337893 A JP 29337893A JP H07173794 A JPH07173794 A JP H07173794A
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resin
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coated
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JP5293378A
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Toru Noda
徹 野田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙を基質とする、印刷物の転写抜けと濃度む
らの発生が無い、かつ印刷物の取り扱い性が良好な、な
おかつ見た目の光沢感が高い印刷物が得られる優れた印
刷用樹脂被覆紙を提供することを目的とする。 【構成】 少なくとも一方の紙基質面が樹脂で被覆され
た印刷用樹脂被覆紙において、基質たる紙はフィルム厚
み測定器を用いて測定される膜厚むら指数が特定値以下
であり、かつ表面抵抗率が1010Ω以下であるものであ
り、なおかつ樹脂がポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系
樹脂であることを特徴とする印刷用樹脂被覆紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その一方の紙基質(以下、基紙と
言うことがある)面が樹脂で被覆された印刷用樹脂被覆
紙に関するものであり、特に印刷部の印刷抜けや印刷濃
度むらの発生が無く、かつ印刷物のさばき性が良好であ
る、印刷用樹脂被覆紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然パルプを主成分とする紙を基
質とする樹脂被覆紙について、いくつかの技術提案があ
る。特開平2-33399 号公報には、無機充填剤20〜80
重量%を含有するポリプロピレン系樹脂またはポリエチ
レン系樹脂で基紙を被覆した印刷用途のための樹脂被覆
紙が提案されている。しかし、該技術を用いた印刷用樹
脂被覆紙は、印刷品質が極めて悪いものであり、印刷を
行った場合には印刷部が白く抜ける印刷抜けと印刷濃度
むら(以下、単に印刷抜けと濃度むらと略することがあ
る)の発生が極めて大きく、問題があるものであった。
【0003】一方、写真用支持体のための基紙面がフィ
ルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型支持体は
よく知られている。例えば、特公昭55-12584号公報に
は、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポリオ
レフィン樹脂で被覆された写真用支持体についての技術
が開示されている。米国特許第3,501,298 号公報には基
紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真用支持
体についての技術が開示されている。また、ハロゲン化
銀感光材料の迅速写真現像処理方式が適用されて以来、
基紙の両面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真用支
持体が、写真印画紙用として主に実用化されており、必
要に応じてその一方の画像形成側の樹脂層中には鮮鋭度
を付与するために、通常二酸化チタン顔料を含有してい
る。また、特開昭57-116339 号公報には、二酸化チタン
顔料15〜20重量%に付加してアルカリ土類金属の酸
化物及び/又は炭酸塩 0.05〜30重量%を含有する
ポリオレフィン樹脂で基紙を被覆した写真用樹脂被覆紙
が提案されている。
【0004】しかし、これらの写真用途のための樹脂被
覆紙は、印刷用途に用いた場合には、印刷物の品質及び
取り扱い性の点から、極めて問題があるものであった。
即ち、第一に、これらの写真用樹脂被覆紙は平滑性が悪
いものであり、印刷を行った場合には印刷物の印刷抜け
と印刷濃度むらの発生が極めて大きいという問題点があ
った。第二に、樹脂被覆紙は帯電しやすく、特に印刷後
の印刷物は帯電しやすくなり、そのために印刷物のさば
き性が悪くなって取り扱い性が悪いという問題点があっ
た。
【0005】更に、特開平3-200139号公報には、厚さむ
らが特定値以下である基紙にポリオレフィン樹脂を被覆
した写真用樹脂被覆紙が提案されているが、該技術を用
いた樹脂被覆紙は、印刷用途に用いた場合には、印刷部
の濃度むらについて少し軽減されるものの、依然として
印刷部の印刷抜けと取り扱い性に問題があるものであっ
た。特に、印刷部の印刷抜けについては、顕著な改善が
認められず、その理由として、樹脂被覆紙は帯電しやす
く、そのために樹脂層にゴミ、粉塵が附着しやすくな
り、樹脂被覆紙を印刷する場合に樹脂層とインク層との
界面にゴミ、粉塵による空隙が生じ、それ故にインクが
印刷されず、ゴミ、粉塵を中心に広く印刷抜けが生じる
ものと推察された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は天然パルプを主成分とする基紙の一方の面が樹脂で被
覆された、印刷部の転写抜けと濃度むらの発生が無く、
かつ印刷物の取り扱い性が良好な優れた印刷用樹脂被覆
紙を提供することである。本発明の他の目的は、以下の
明細書の記載から明かとなろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、その一方の紙基質面が樹脂(A)
で被覆された印刷用樹脂被覆紙において、基質たる紙と
して、下記で規定される抄紙方向(machine directio
n)の膜厚むら指数Rpyが350mV以下であり、かつ
表面抵抗率が101 0Ω以下であるものを用い、なおかつ
樹脂(A) としてポリエチレン系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリエステル系樹脂又はポリカーボネート系
樹脂を主成分とするものを用いることにより、本発明の
目的が達成されることを見い出した。本明細書で言う膜
厚むら指数Rpyとは、2つの球状の触針の間に試料を
走行させ、試料の厚み変動を電子マイクロメーターを介
し電気信号として測定するフィルム厚み測定器を用い、
電子マイクロメーターの感度レンジが±15μm/±3
Vの条件で、ゼロ点調整後試料の抄紙方向に1.5m/分
の定速で 走査することで試料の抄紙方向の厚み変動を
測定し、得られた測定信号値を、FFTアナライザーを
用いて、時間窓にハニングウィンドウを使用して高速フ
ーリエ変換して、128回の積算の加算平均によるパワ
ースペクトル(単位:mV2 )を求め、2Hz〜25Hzの周
波数域のパワー値を総和して2/3を掛けた値を1/2
乗することにより求められる値(単位:mV)である。
【0008】具体的には以下の如く求める。測定圧力が
約30g/ストロークである2つの球状の直径約5mmの触
針の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイク
ロメーターを介し電気信号として測定するアンリツ
(株)社製のフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロ
メーターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、
ゼロ点調製後試料の抄紙方向に1.5m/ 分の定速で走査
することで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られ
た測定値を、小野測器(株)製FFTアナライザーCF
−300型機(入力信号AC ±10mV、サンプリング
512点)を用いて、時間窓をハニングウィンドウ、周
波数レンジを50Hzにした処理条件で高速フーリエ変換
(FFT)して、128回の積算の加算平均によるリニ
アースケールでのパワースペクトル(単位:mV)を求
め、2Hz〜25Hzの周波数域のリニアースケールでの各
パワー値の自乗を総和して得た値に2/3を掛けて1/
2乗することによって求めることが出来る。なお、その
他の処理条件は、CF−300型機の初期設定条件で行
う。
【0009】本発明の目的は、基紙として本明細書でい
う膜厚むら指数Rpyが270mV以下のものを用いるこ
とにより、顕著に達成される事を見い出した。また、本
発明の目的は、樹脂(A)としてポリエチレン系樹脂ま
たはポリプロピレン系樹脂を主成分とするものを用いる
ことにより、効果的に達成される事を見い出した。ま
た、本発明の目的は、樹脂(A)層面の触針式3次元表
面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0.8mmで
の抄紙方向の中心面平均粗さSRaを0.4μm未満の
範囲にする事により顕著に達成される事を見い出し、本
発明に到ったものである。
【0010】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙としては、本明細書で規定される膜厚む
ら指数Rpyが350mV以下のものであるが、270mV
以下のものが好ましく、200mV以下のものが更に好ま
しい。膜厚むら指数Rpyが350mV以下である基紙
は、具体的には以下の方法を用いることにより、好まし
くは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは3つ以上、
最も好ましくは4つ以上組み合わせて用いることにより
得られることが本発明者の検討により明らかとなった。
【0011】(1)使用する天然パルプとしては、短繊
維で平滑性の出やすい広葉樹パルプを多く用いる。具体
的には、例えば特開昭60-69649号公報に記載もしくは例
示の広葉樹パルプを60重量%以上、好ましくは75重
量%以上用いる。
【0012】(2)パルプの叩解条件としては、叩解機
により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解する。
具体的には、例えばパルプの叩解は、JAPAN TA
PPI紙パルプ試験方法No.52−89 「紙及びパルプ
の繊維長試験方法」に準拠して測定される長さ加重平均
繊維長を0.4mm〜0.75mm 、好ましくは0.45mm〜
0.7mm、更に好ましくは0.45mm〜0.65mm 、繊維
長1mm以下の累積重量が70%以上、濾水度200〜3
30CSFになるようにする。
【0013】(3)内添薬品を添加した紙料スラリーに
適切な抄紙方法を採用して長網抄紙機により均一な地合
が得られるように基紙を抄造する。具体的には、例えば
紙料スラリーに適切なタービュレンスを与える。特
開昭61-284762 号公報に記載もしくは例示の様な適切な
上部脱水機構を有する長網抄紙機を用いる。ウェット
パートのプレスとしては、多段のウェットプレス、好ま
しくは3段以上のウェットプレスを行い、プレスパート
の最終段にはスムージングロールを設ける。
【0014】(4)湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用い
る。具体的には、例えば特開平3-29945号公報に記載も
しくは例示の様な多段の緊度プレスを湿紙に行う。
【0015】(5)基紙を抄紙後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー
処理を行う。具体的には、例えば特開昭60-126397 号公
報に記載もしくは例示の熱カレンダー処理を行うのが好
ましい。
【0016】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙としては、表面抵抗率が1010Ω
以下のものであるが、109Ω以下のものが好ましく、
108Ω以下のものが更に好ましい。ここで、表面抵抗
率(単位:Ω)は、JIS K6911に準拠する計算
式で算出されるものであり、具体的には、横河・ヒュー
レット・パッカード株式会社製の4329A型絶縁抵抗
計(HIGH RESISTANCE METER)と16008A型電極(R
ESITIVITY CELL)を用いて、充電時間30秒で取扱説明
書に準じて測定、算出して求めることが出来る。
【0017】表面抵抗率が1010Ω以下である基紙は、
以下の方法により得ることが出来る。具体的には、基
紙中に導電性添加剤を内添により含有させる。基紙中
又は基紙上に導電性添加剤をサイズプレスもしくはタブ
サイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工
などの塗工によって含有あるいは塗設せしめる。基紙
中の水分を乾燥ゾーンで調整し、基紙の水分含率を6重
量%以上、好ましくは10重量%未満に調整する。
【0018】本発明の実施に好ましく用いられる導電性
添加剤としては、無機帯電防止剤として、例えば塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸ソーダ等
のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等の
アルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ、コロイド状ア
ルミナ等のコロイド状金属酸化物、酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の導電性微粒子金属酸化物等、有機帯電
防止剤として、ポリエチレンスルフォン酸ソーダ、スチ
レン・無水マレイン酸ソーダ、ポリ(2−アクリルアミ
ド−2−メチルスルフォン酸ソーダ)、ポリビニルベン
ジルトリメチルアンモニウムクラロイド、スルファミン
酸ソーダ等の有機塩類等をあげることができる。基紙中
へのこれらの電導性化合物の含有量または塗設量として
は、基紙を構成するパルプ、基紙の厚味、他の添加剤の
種類や含有量、その他基紙の性質等によって適宜調整さ
れ、特に制限されるものではないが、一般的には0.0
1 〜6g/m2の範囲が有用であり、0.1〜4g/m2の範囲
が好ましい。
【0019】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、手触り感、腰等を考慮に入
れると20〜250μmが好ましく、本発明の効果が顕
著に発揮される点で40〜180μmが更に好ましい。
【0020】本発明の実施に用いられる基紙を構成する
パルプとしては、前記したような適切に選択された天然
パルプを用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次
亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにア
ルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必要に応じて過
酸化水素、酸素、オゾンなどによる酸化漂白処理など、
およびそれらの組み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、
広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが
用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパル
プ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができ
る。
【0021】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは/及び
脂肪酸、特公昭62-7534 号公報に記載もしくは例示のア
ルキルケテンダイマー乳化物あるいは/及びエポキシ化
高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸
無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤とし
て、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植
物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリ
アミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料とし
て、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン
等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の
水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソー
ダ、炭酸ソーダ、硫酸等、前記した導電性添加剤、その
他特開昭63-204251号公報、特開平1-266537 号公報等に
記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤な
どを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0022】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、前記した導電性添加剤の他、各種の
水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテック
ス、添加剤から成る組成物をサイズプレスもしくはタブ
サイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工
などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることがで
きる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、
特開平1-266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリ
マー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポ
リマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルローズ系
ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石
油樹脂エマルジョン、特開昭55-4027 号公報、特開平1-
180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル
酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする
共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン
−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−
アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メ
チルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ
変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、顔
料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タル
ク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤とし
て、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほ
か前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加
剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0023】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙の
一方の面は樹脂(A)で被覆される。樹脂(A)として
は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはそれら
の混合物を主成分とするものであるが、特に溶融押し出
しコーティング性およびフィルム形成性の点からポリエ
チレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またはそれらの混
合物を主成分とするものが好ましい。
【0024】本発明の実施に好ましく用いられるポリエ
チレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、中密
度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状
低密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分としてプロ
ピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの共重合体、エ
チレンを主成分としてアクリル酸、メタクリル酸、アク
リル酸メチルエステル、メタクリル酸メチルエステル等
の共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、メ
ルトフローレート(以下、JIS K 6760で規定
されるメルトフローレートを単にMIと略す)、分子
量、分子量分布のものを使用できるが、通常密度0.9
0〜0.97g/cm3、MI0.1〜50g/10分、好ましく
は密度0.90 〜0.94g/cm3 、MI0.3〜35g/10
分、分子量2万〜25万の範囲のものを 単独にあるい
は2種以上混合して使用できる。
【0025】本発明の実施に好ましく用いられるポリプ
ロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ラン
ダムポリプロピレン系樹脂、プロピレンを主成分として
エチレン成分を1〜10モル%共重合したランダムポリプ
ロピレン系樹脂及びこれらの混合物であり、各種の密
度、メルトフローレート(以下、JIS K 6758で
規定されるメルトフローレートを単にMFRと略す)、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常密度
0.88〜0.91g/cm3 、MFR10〜45g/10分、好
ましくはMFR15〜25g/10分の範囲のものを単独に
あるいは2種以上混合して使用出来る。また、ポリプロ
ピレン系樹脂の押し出しコーティング性を向上する目的
で、ポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂とを主
成分とするコンパウンド樹脂が好ましい。該コンパウン
ド樹脂としては、ポリエチレン系樹脂:ポリプロピレン
系樹脂の重量比率が1:99〜35:65の範囲のもの
が、特に好ましい。
【0026】本発明の実施に用いられるポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性
樹脂等およびこれらの混合物であり、各種の密度、メル
トフローレートのものを使用できる。具体的な代表例と
しては、三菱化成株式会社製ポリエステル樹脂(商品
名:AP−270L、密度0.91g/cm3、メルトフロー
レート=4g/10分)をあげることができる。又、本発明
の実施に用いられるポリカーボネート系樹脂としては、
各種のグレードのものを使用できるが、具体的な代表例
としては、三菱化成株式会社製ポリカーボネート樹脂
(商品名:NOVAREX 7022A、低粘度タイ
プ)をあげることができる。
【0027】本発明の実施に用いられる樹脂の2種以上
の異なるグレードまたは種類を併用する場合、具体的に
は例えば、密度及びメルトフローレートの異なる2種以
上のポリエチレン系樹脂の併用、ポリエチレン系樹脂と
ポリプロピレン系樹脂の併用、ポリエチレン系樹脂とポ
リエチレンテレフタレート系樹脂の併用等の場合には、
それらの樹脂は予め溶融・混合して調製したコンパウン
ド樹脂から成る樹脂組成物として用いるのが好ましい。
2種以上の異なるグレードまたは種類の樹脂を予め溶融
・混合してコンパウンド樹脂を調製する方法としては、
単純溶融混合法、多段溶融混合法等を用いることができ
る。例えば、押し出し機、二軸押し出し機、加熱ロール
練り機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用い
て、所定量の併用する樹脂、更に必要に応じて酸化防止
剤、滑剤等の各種の添加剤を加えて溶融・混合した後、
その混合物をペレット化する方法が有利に用いられる。
併用する樹脂をコンパウンド樹脂として用いないで溶融
押し出し機に単純混合のままの状態で直接添加して溶融
押し出しコーティングした場合には、基紙と樹脂層との
接着性、樹脂相互の混合性、成形加工性等の点で問題が
発生することが多い。
【0028】本発明における印刷用樹脂被覆紙の樹脂
(A)を含む樹脂層(以下、樹脂(A)を含む樹脂層を
表樹脂層、表樹脂層側を表側、その反対側を裏側、裏側
に被覆される樹脂層を裏樹脂層と略することがある)面
は、鏡面もしくは光沢面、特公昭62-19732号公報に記載
の微粗面、マット面あるいは絹目面等に加工することが
出来るが、印刷部の高い印刷光沢、ひいてはデラックス
感のある印刷物が得られるという観点から、表樹脂層面
の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定される全波長域
での抄紙方向の中心面平均粗さSRaが0.4 μm未満
にするのが好ましい。
【0029】本明細書で言う、触針式3次元表面粗さ計
を用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面
平均粗さSRaとは、数1で規定されるものである。
【0030】
【数1】
【0031】数1において、Wxは試料面域のX軸方向
(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸方
向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは試
料面域の面積を表わす。
【0032】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってSa=1
60mm2 の条件で求めることが出来る。なお、X軸方向
のデ−タ処理としてはサンプリングを500点行い、Y
軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0033】表樹脂層の中心面平均粗さSRaが0.4
μm 未満である、本発明での好ましい印刷用樹脂被覆
紙は、具体的には以下の方法を用いることにより、好ま
しくは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは3つ以上
用いることにより得られることが本発明者の検討により
明らかとなった。
【0034】(1)使用する基紙としては、本明細書で
言う抄紙方向の中心面平均粗さSRaが1.5μm 以
下、好ましくは1.2μm以下、更に好ましくは0.9μ
m以下、最も好ましくは0.6μm以下であるものを用
いる。中心面平均粗さSRaが1.5μm以下である基
紙は、具体的には以下の方法を用いることにより、好ま
しくは以下の方法を2つ以上用いることにより製造する
ことが出来る。具体的には、 基紙を構成するパルプとしては、前記した適切に選択
されたパルプを用いるが、特に繊維長が短く、かつ軟ら
かいパルプを用いる。基紙としては、前記したカレン
ダー処理、好ましくは熱カレンダー処理した基紙を用い
る。基紙中あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーも
しくは親水性コロイドあるいはポリマーラテックスをサ
イズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード
塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量
として2.2g/m2 以上含有あるいは塗設せしめる。
【0035】(2)樹脂被覆紙の製造に際し、冷却ロー
ルとしては鏡面もしくは光沢面のものを用い、かつ冷却
ロールからの剥離性を良好に保つ。具体的には、冷却
ロールの温度を均一に保ち、かつ冷却ロールの温度を2
0℃以下、好ましくは15℃以下、更に好ましくは10
℃以下に保つ。表樹脂層中に適切な離型剤、例えばス
テアリン酸亜鉛、オルガノポリシロキサン等を含有せし
める。表樹脂層中の樹脂としては、低分子量成分の含
有量が少ないもの、例えば特願平5-68305 号明細書に記
載のものを用いる。
【0036】(3)表樹脂層中の樹脂としては、実際に
中心面平均粗さSRaが良いものを選択する。樹脂物性
が、樹脂被覆紙の中心面平均粗さSRaに及ぼす影響は
良く解明されていないが、一般にメルトフローレートが
低く、密度が高いものが中心面平均粗さSRaが低くな
る傾向がある。
【0037】(4)表樹脂層の被覆厚さとしては、10
μm以上、好ましくは17μm以上、更に好ましくは2
5μm、特に好ましくは30μm以上にする。
【0038】本発明における印刷用樹脂被覆紙は樹脂
(A)で被覆されたものであるが、樹脂(A)で被覆さ
れる側とは反対側の基紙面は耐水性、印刷性等を付与す
るためにフィルム形成能ある樹脂(B)で被覆されたも
のが好ましい。それらのフィルム形成能ある樹脂(B)
としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などの熱
可塑性樹脂が好ましく、中でも総合的な見知から前記し
たポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂またそれ
らの混合物を主成分とするものが好ましい。また、特公
昭60-17104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂
で被覆してもよい。
【0039】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表樹脂
層の被覆厚さとしては、4〜100μmの範囲が有用で
あるが、前記した如く10μm以上50μm以下の範囲
が好ましい。また、その反対側の基紙面は、フィルム形
成能ある樹脂(B)で被覆されるのが好ましいが、その
樹脂は表側のものと同じものが好ましく、その被覆厚さ
としては表側の樹脂と、特にカールバランスを取る範囲
で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜100μmの
範囲が有用であるが、好ましくは6〜50μmの範囲で
ある。
【0040】本発明における印刷用樹脂被覆紙として
は、本明細書で言う膜厚むら指数Rpyが400mV以下
のものが好ましい。膜厚むら指数Rpyが400mVより
大きいと、平滑性が悪くなって印刷部の印刷抜けや濃度
むらが発生しやすくなって好ましくない。そのため、本
発明における印刷用樹脂被覆紙としては、膜厚むら指数
Rpyが320mV以下のものが更に好ましく、230mV
以下のものがなお一層好ましい。膜厚むら指数Rpyが
400mV以下である印刷用樹脂被覆紙は、前記した如く
膜厚むら指数Rpyが小さい適切な基紙及び前記した如
く適切に選択乃至設計された樹脂、好ましくはポリエチ
レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂又はそれらの混合物
を用い、かつ以下に記載され如き混練回数を経た樹脂を
用い、更に均一樹脂被覆を行うことによって製造するこ
とができる。
【0041】本発明の実施に用いられる樹脂(A)とし
ては、少なくとも混練回数1回以上のものを用いるのが
好ましい。具体的には、特開昭62-198945 号に記載もし
くは例示の様な少なくとも混練回数1回以上のポリエチ
レン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂を、樹脂層を構
成する全樹脂に対する該樹脂の割合として、50重量%
以上用いるのが好ましい。
【0042】本発明の実施に好ましく用いられる混練回
数を経た樹脂を製造するには、通常混練機として使用さ
れている例えばバンバリーミキサーで行ってもよいし、
混練押し出し機、例えば二軸混練用押し出し機を用いて
もよい。更にこれらの混練機を併用してもよい。混練温
度は樹脂の劣化を防ぐために140〜230℃の樹脂温
度、好ましくは200℃以下の温度で行うことが好まし
く、また、酸化防止剤の存在下に行う事も好ましい。酸
化防止剤としては特に制限はないが、特開平1-105245
号公報に記載もしくは例示のもの、例えば3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、テトラキス
〔メチレン(3,5−ジ−tert −ブチル−4−ヒドロキ
シ−ヒドロシンナメート〕メタン、2,6−ジ−tert −
ブチル−4−メチル−フェノール等があげられる。混練
回数は熱劣化を起こさない範囲で多い方が望ましいが、
要求される品質及びコスト面を考慮して混練回数を決め
る必要がある。
【0043】本発明における印刷用樹脂被覆紙は、樹脂
を均一に被覆することによって製造することができる。
基紙面に樹脂を均一に被覆する方法としては、走行する
基紙上に樹脂組成物を溶融押し出し機を用いてそのスリ
ットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる
溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ま
しい。具体的には、バレル、ダイ等の温度制御を行
い、ダイオープニングから連続的な樹脂吐出が行われる
ようにする。溶融フィルムの温度としては、280℃
〜335℃にするのが好ましく、290℃〜320℃に
するのが更に好ましい。スリットダイとしては、T型
ダイ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイ
が好ましく、T型ダイが特に好ましい。スリット開口径
としては、0.1mm〜2mmにするのが好ましく、オート
フレックスダイが特に好ましい。
【0044】本発明における印刷用樹脂被覆紙の製造に
際し、樹脂組成物を基紙にコーティングする前に、基紙
にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すの
が好ましい。また、特公昭61-42254号公報に記載の如
く、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガス
を吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被覆しても良
い。また、裏側も樹脂層で被覆する場合には、表、裏の
樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーティ
ングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング方
式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて表ま
たは裏の樹脂層を二層以上の多層構成にする、多層押し
出しコーティング方式で被覆しても良い。また、印刷用
樹脂被覆紙の裏樹脂層面は本明細書で言う中心面平均粗
さSRaが0.4μm未満の光沢面、特公昭62-19732 号
公報に記載の微粗面または中心面平均粗さSRaが0.
4μm 以上、好ましくは3μm以下のマット面あるい
は絹目面等に加工してもよい。
【0045】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表、裏
の樹脂層中には、印刷画像のシャープ感乃至鮮鋭性の改
良、鉛筆加筆性の付与、印刷インクの受容性の改良等の
ために、白色顔料、好ましくは二酸化チタン顔料または
炭酸カルシウム顔料、更に好ましくはそれらを併用して
含有せしめるのが好ましい。それらの具体例としては、
二酸化チタン顔料としては、特公昭60-3430号公報、特
公昭63-11655 号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-
38292号公報、特開平1-105245号公報、特開昭57-116339
号公報等に記載もしくは例示の二酸化チタン顔料、炭
酸カルシウム顔料としては、特開昭57-116339号公報、
特開平2-33399号公報等に記載もしくは例示の炭酸カル
シウム顔料をあげることが出来る。又、その他の白色顔
料としては、酸化亜鉛、タルク、カオリン等をあげるこ
とが出来る。
【0046】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表、裏
の樹脂層中には、白色顔料の他に各種の添加剤を含有せ
しめることが出来る。白色顔料の樹脂への分散性、樹脂
被覆紙製造時の剥離性等を改良する目的で、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミ
ニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜
鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂
肪酸金属塩、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド
等の脂肪酸アミド、特開平1-105245号公報に記載もしく
は例示のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リ
ン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群
青、セリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー
系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイ
オレット、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料
や染料、特開平2-254440号公報に記載もしくは例示の蛍
光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合
わせて含有せしめることが出来る。白色顔料及び各種の
添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンド
として含有せしめるのが好ましい。特に、本発明の実施
に用いられる表、裏樹脂層用の樹脂組成物中にこれらの
添加剤を含有せしめる方法としては、樹脂中に予め加え
るか、あるいは前記したコンパウンド樹脂の調製時に加
えるか、または樹脂に高濃度に添加したマスターバッチ
を予め作成し、このマスターバッチを溶融押し出し被覆
時に希釈樹脂に加えてもよい。
【0047】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表、裏
の樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活
性化処理を施した後、印刷性、帯電防止性等のために各
種の塗布層を塗設することができる。また、塗布層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144 号公報等に記載もし
くは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バ
インダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を
適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0049】実施例1 広葉樹漂白クラフトパルプ50重量%、広葉樹漂白サル
ファイトパルプ35重量%及び針葉樹漂白サルファイト
パルプ15重量%から成る混合パルプを表1に記載の繊
維長になるように叩解後、パルプ100重量部に対し
て、カチオン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリル
アミド0.2 重量部、アルキルケテンダイマー乳化物
(ケテンダイマー分として)0.4 重量部、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂0.4 重量部及び適当量の蛍光
増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを
調製した。その後、紙料スラリーを200m/分で走行し
ている長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつ
つ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜100Kg/cm
の範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行っ
た後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パー
トで30〜70Kg/Cm の範囲で線圧が調節された2段の
緊度プレスを行った後、乾燥した。その後、乾燥の途中
でカルボキシ変性ポリビニルアルコール4重量%、蛍光
増白剤0.05 重量%、青色染料0.002 重量%、表
1に記載の含有量になる量の塩化ナトリウム及び残重量
%の水から成るサイズプレス液を25g/m2サイズプレス
し、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で7.4 重量
%になるように乾燥し、表1に記載の条件でマシンカレ
ンダー処理した後引き続き温度150℃、線圧200 K
g/cmの条件で熱カレンダー処理して坪量140g/m2の表
1に記載される膜厚むら指数Rpy及び表面抵抗率を有
する印刷用樹脂被覆紙の基紙を製造した。
【0050】次に、基紙の裏面をコロナ放電処理した
後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、M
I=2g/10分)35重量部と高密度ポリエチレン樹脂
(密度0.967g/cm3、MI=20g/10分)65重量部
から成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温320℃で2
3μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出
しコーティングした。この際、冷却ロールとしては、該
裏樹脂層面の中心面平均粗さSRaが1.4 μmとなる
ものを用いた。尚使用した冷却ロールは液体ホーニング
法で粗面化された冷却ロールで、この冷却ロールを用い
て冷却水温度12℃で操業した。
【0051】引き続き、基紙の表面をコロナ放電処理し
た後、該表面に低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92
4g/cm3、MI=8.5g/10分)47.5重量%、含水酸
化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl23
として0.75重量%)で表面処理したアナターゼ型二
酸化チタン顔料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5 重
量%から成る二酸化チタン顔料のマスターバッチ20重
量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3
MI=8.5g/10分)47.5重量%、重質炭酸カルシウ
ム顔料50重量%とステアリン酸亜鉛2.5 重量%から
成る炭酸カルシウム顔料のマスタ−バッチ40重量部及
び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3 、M
I=4.5g/10分)62.5重量%と高密度ポリエチレン
樹脂(密度0.967g/cm3 、MI=7.0g/10分)3
7.5重量%から成るコンパウンド樹脂40重量部から
構成される樹脂組成物を樹脂温度320℃で25μmの
厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押し出しコーテ
ィングした。その際、冷却ロールとしては、クロムメッ
キが施された鏡面のものを用い、冷却水温度12℃で操
業した。また、表、裏のポリエチレン樹脂組成物の溶融
押し出しコーティングは、逐次押し出しコーティングが
行われる、いわゆるタンデム方式で行われ、該樹脂被覆
紙の両面はコロナ放電処理された。
【0052】更に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面に下記のバ
ックコート塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量分とし
て、コロイド状シリカ:スチレン・アクリル酸エステル
共重合体系ラテックス=1:3から成り、更にポリスチ
レンスルフォン酸ソーダ 0.021g/m2の他適量の塗布
助剤等を含むバックコート塗液をラテックス分(固形重
量計算で)として0.42g/m2 になる塗布量で塗設して
印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0053】その後、樹脂被覆紙の顔料を含む表樹脂層
面にオフセット印刷試験機によって印刷試験を行った。
樹脂被覆紙の印刷部の印刷抜けと濃度むら及び印刷物の
さばき性の評価方法としては、以下に記載の方法で評価
した。
【0054】樹脂被覆紙の印刷部の印刷抜けと濃度むら
の評価方法としては、印刷インキとして、東洋インキ
(株)製TSP−300の青インキでシアン濃度が 0.
85になるようにベタ印刷し、印刷部の印刷抜けと濃度
むらの程度を目視で判定して評価した。
【0055】印刷部の印刷抜けと濃度むらの評価基準と
しては、以下の通りである。 ◎:印刷抜けと濃度むらが全くあるいはほとんどない。 ○:印刷抜けと濃度むらが少し認められる。 △:ある程度の印刷抜けと濃度むらが認められるが、実
用可能である。 ×:印刷抜けまたは濃度むらが認められ、実用上問題が
ある。
【0056】印刷物のさばき性の評価方法としては、温
度25℃、相対湿度25%の環境条件の下で、印刷イン
キとして、東洋インキ(株)製TSP−400のイエロ
−、マゼンタ、シアン及びブラックの各インキで画像を
500枚印刷し、さばき性を判定して評価した。
【0057】印刷物のさばき性の評価基準としては、以
下の通りである。 ○:さばき性が良好である。 △:さばくのにやや抵抗があるが、実用可能である。 ×:数枚が一緒にくっついてしまい、実用上問題があ
る。
【0058】得られた結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】なお、表1中の(注1)〜(注4)は、以
下の通りである。
【0061】(注1)○は本発明による試料No.を表
す。
【0062】(注2)叩解後のパルプについてJAPA
N TAPPI 紙パルプ試験方法No. 52−89
「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した長
さ加重平均繊維長(mm)を表す。測定はカヤーニ社製F
S−100型機で行う。
【0063】(注3)本文明細書に規定された方法で測
定した膜厚むら指数Rpy(mV)を表す。
【0064】(注4)本文明細書に記載された方法で測
定した表面抵抗率(Ω)を表わす。
【0065】表1から明らかな如く、膜厚むら指数Rp
yが350mV以下であり、かつ表面抵抗率が1010Ω以
下である紙を基質として該基紙面がポリエチレン系樹脂
組成物で被覆された、本発明における印刷用樹脂被覆紙
(試料No.2、No.4〜No.11、No.13〜N
o.14及びN o.16〜No.20)は、印刷抜けと濃
度むらの発生が無くて印刷品質が良好であり、かつ印刷
物のさばき性が良好である優れたものであることがわか
る。また、本発明の実施に用いられる基紙としては、印
刷部の印刷抜けと濃度むらの改良効果の点から、その膜
厚むらRpyが350mV以下のものが有用であるが、2
70mV以下のものが好ましく、200mV以下のものが更
に好ましいことがわかる。また、本発明の実施に用いら
れる基紙としては、印刷部の印刷抜けと濃度むら及び印
刷物のさばき性の改良効果の点から、表面抵抗率が10
10Ω以下のものが有用であるが、109 Ω以下のものが
好ましく、108 Ω以下のものが更に好ましいことがわ
かる。更に、本発明における印刷用樹脂被覆紙として
は、その膜厚むら指数Rpyが400mV以下のものが好
ましく、320mV以下のものが更に好ましく、230mV
以下のものが一層好ましいことがわかる。
【0066】一方、本発明外の試料はそれぞれ問題点を
有していることがわかる。基紙の膜厚むら指数Rpyが
350mV より大きい場合(試料No.21)には、印刷
抜けと濃度むらの発生が大きくて問題である。また、基
紙の表面抵抗率が1010Ωより高い場合(試料No.
1、No.3、No.12及びNo.15)には、印刷抜
けと濃度むらの発生が大きく、また印刷物のさばき性が
悪くて問題があることがわかる。
【0067】実施例2 実施例1の試料No. 6と同様に実施して、本明細書で
言う膜厚むらRpyが166mVであり、かつ表面抵抗率
が108.5 Ωであり、なおかつ本明細書で言う中心面平
均粗さSRaが1.45 μmである、印刷用樹脂被覆紙
の基紙を製造した。その後、顔料を含む表樹脂層の厚さ
及びその反対側の裏樹脂層の厚さを表2に記載の厚さに
する以外は実施例1の試料No. 6と同様にして印刷用
樹脂被覆紙を得た。
【0068】得られた結果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】なお、表2中の(注3)、(注5)〜(注
6)は、以下の通りである。
【0071】(注3)表1中の(注3)と同意義であ
る。
【0072】(注5)本文明細書に規定された方法で測
定した中心面平均粗さSRa(μm)を表わす。
【0073】(注6)印刷後の印刷物の見た目の光沢感
を目視で判定して評価した。評価基準としては、以下の
通りである。 ◎:見た目の光沢感が極めて高く、デラックス感がかな
りある。 ○:見た目の光沢感が高く、デラックス感がある。 △:見た目の光沢感はあるもののやや劣る。 ×:見た目の光沢感が低く、デラックス感に劣る。
【0074】表2から明らかな如く、本発明における印
刷用樹脂被覆紙としては、印刷抜けと濃度むらの発生の
程度及び印刷物の見た目の光沢感の向上の観点から、そ
の印刷面の表樹脂層の中心面平均粗さSRaは、0.4
μm未満のものが好ましく、0.25μm以下のものが
更に好ましく、0.15μm以下のものが特に好ましい
ことがわかる。
【0075】実施例3 実施例1の試料No.2、No.4〜No.11、No.1
3〜No.14、No.16〜No.20及び実施例2の
試料No.22〜No.27 において、顔料を含まない
裏樹脂層の代りに各試料の顔料を含む表樹脂層で被覆
し、またバックコート層を設けない以外は、実施例1及
び実施例2のそれぞれの試料No. のものと同様にして
実施し、両面印刷用の樹脂被覆紙を得た。実施例1と同
様にして両面印刷試験を行った所、それぞれ印刷抜けと
濃度むらの発生が無くて、見た目の光沢感が高い、かつ
さばき性の良好な優れた印刷用樹脂被覆紙であった。
【0076】実施例4 実施例1の試料No. 10において、顔料を含む表樹脂
層用の樹脂組成物の代りに下記に記載したものを用いる
以外は実施例1の試料No. 10と同様に実施した。
【0077】表樹脂層用の樹脂組成物として下記のもの
(C)〜(I)を用いた。
【0078】(C)低密度ポリエチレン樹脂(密度0.
924g/cm3 、MI=8.5g/10分)47.5重量%、含
水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl23
分として0.75重量% )で表面処理したアナターゼ
型二酸化チタン顔料50重量%とステアリン酸亜鉛2.
5重量% から成る二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ
20重量部、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g
/cm3 、MI=8.5g/10分)47.5重量%、重質炭酸
カルシウム50重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%
から成る炭酸カルシウム顔料のマスタ−バッチ40重量
部及び低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3
MI=4.5g/10分)62.5重量%と高密度ポリエチレ
ン樹脂(密度0.967g/cm3、MI=7.0g/10分)3
7.5重量%から成るコンパウンド樹脂組成物40重量
部とを乾式混合したもの(実施例1の試料No.10 で
用いたものと同一の樹脂組成物であって、本明細書で言
う混練回数が1回である樹脂の樹脂層中の全樹脂に対す
る割合が100重量%のもの)。
【0079】(D)樹脂組成物(C)で用いた、二酸化
チタン顔料のマスタ−バッチ20重量部、炭酸カルシウ
ム顔料のマスタ−バッチ40重量部及び低密度ポリエチ
レン樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とから成るコンパウ
ンド樹脂組成物40重量部をバンバリーミキサーで混練
し、冷却、ペレット化して製造した、二酸化チタン顔料
と炭酸カルシウム顔料を含有するコンパウンド樹脂組成
物(本明細書で言う混練回数が2回である樹脂の樹脂層
中の全樹脂に対する割合が100重量%のもの)。
【0080】(E)低密度ポリエチレン樹脂(密度0.
924g/cm3 、MI=8.5g/10分)68.5重量% 、
樹脂組成物(C)で用いたアナターゼ型二酸化チタン顔
料30重量%とステアリン酸亜鉛1.5重量% から成る
二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ33.4重量部 、上
記の炭酸カルシウム顔料のマスタ−バッチ40重量部、
低密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3 、MI
=4.5g/10分)及び高密度ポリエチレン樹脂(密度0.
967g/cm3 、MI=7.0g/10分)を乾式混合したも
の(本明細書で言う混練回数が1回である樹脂の樹脂層
中の全樹脂に対する割合が61重量%であるもの)。
【0081】(F)低密度ポリエチレン樹脂(密度0.
924g/cm3 、MI=8.5g/10分)41.6重量部、低
密度ポリエチレン樹脂(密度0.924g/cm3、MI=
4.5g/10分)36.5重量部及び高密度ポリエチレン樹
脂(密度0.967g/cm3 、MI=7.0g/10分)21.
9重量部を単に乾式混合したもの(本明細書で言う混練
回数が0回である樹脂の樹脂層中の全樹脂に対する割合
が100重量%のもの)。
【0082】(G)低密度ポリエチレン樹脂(密度0.
922g/cm3 、MI=6.0g/10分)20重量%とエチ
レン成分が7モル%であるランダムポリプロピレン系樹
脂(密度0.900g/cm3、MFR=28g/10分)80重
量%を二軸混練押し出し機を用いて混練押し出し後冷却
し、ペレット化して製造したコンパウンド樹脂組成物
(密度0.904g/cm3 、MFR=21g/10分)89.5
重量部と樹脂組成物(C)で用いた二酸化チタン顔料1
0重量部とステアリン酸亜鉛0.5重量部 をバンバリー
ミキサーで混練し、冷却、ペレット化して製造した、二
酸化チタン顔料を含むコンパウンド樹脂組成物(本明細
書で言う混練回数が2回である樹脂の樹脂層中の全樹脂
に対する割合が100重量%のもの)。
【0083】(H)樹脂組成物(G)で用いた低密度ポ
リエチレン樹脂47.5重量% と上記した二酸化チタン
顔料50重量%及びステアリン酸亜鉛2.5重量% から
成る二酸化チタン顔料のマスタ−バッチ20重量部と上
記低密度ポリエチレン樹脂 8.4重量部及び上記エチ
レン成分が7モル%であるランダムポリプロピレン系樹
脂71.6重量部 を乾式混合したもの(本明細書で言
う混練回数が1回である樹脂の樹脂層中の全樹脂に対す
る割合が10.6重量%のもの)。
【0084】(I)樹脂組成物(G)で用いたエチレン
成分が7モル%であるランダムポリプロピレン系樹脂の
代りにホモポリプロピレン樹脂(密度0.900g/cm3
MFR=30g/10分)を用いて、樹脂組成物(G)と同
様にして製造したコンパウンド樹脂組成物。
【0085】得られた結果を表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】なお、表3中の(注3)及び(注7)〜
(注9)は、以下の通りである。
【0088】(注3)は、表1中のそれと同意義であ
る。
【0089】(注7)印刷物のシャープ感及至鮮鋭性が
かなり不十分であった。
【0090】(注8)成形フィルム中にゲルが多く、樹
脂の均一被覆性が悪くて成形加工性が悪かった。
【0091】(注9)ネックインが大きくて、成形加工
性が悪かった。
【0092】表3から明らかな如く、本発明の実施に用
いられる樹脂としては、印刷抜けと濃度むらの改良効果
及び成形加工性の点から、混練回数を経た樹脂が好まし
く、又、ポリプロピレン系樹脂としては、エチレン成分
を共重合したランダムポリプロピレン系樹脂が好ましい
ことがよくわかる。また、印刷物の鮮鋭性の点から印刷
側の樹脂層中には顔料を含有せしめるのが好ましいこと
がよくわかる。
【0093】実施例5 実施例1の試料No.10で用いた基紙の両面に、実施
例1の試料No.10で用いた樹脂組成物の代りに、三
菱化成(株)製ポリエステル樹脂(商品名:AP−27
0L)68.5重量% 、ルチル型二酸化チタン顔料(デ
ュポン株式会社製、商 品名R−101)30重量%及
びステアリン酸亜鉛1.5重量%から成る二酸化 チタン
顔料マスタ−バッチ33.4重量部 と上記ポリエステル
樹脂66.6重量部とを二軸混練押し出し機を用いて混
練押し出し後、冷却し、ペレット化して製造した二酸化
チタン顔料を含むコンパウンド樹脂組成物を被覆して、
印刷抜けと濃度むらの発生が無くて印刷品質が良好な、
かつさばき性の良好な、優れた印刷用ポリエステル系樹
脂被覆紙を得た。
【0094】実施例6 実施例1の試料No.6 で用いた基紙の代りに、下記の
基紙を用いて実施例1の試料No.6と同様に実施し
た。
【0095】基紙J:実施例1の試料No.6で用いた
ものと同じ基紙。
【0096】基紙K:基紙Jを更にスーパーカレンダー
処理(線圧150kg/cm )したもの。
【0097】基紙L:同上スーパーカレンダー処理の代
りに熱ソフトカレンダー処理(温度150℃、線圧15
0kg/cm)したもの。
【0098】基紙M:基紙Jの上にカオリン:軽質炭酸
カルシウム:カルボキシ変性スチレン・ブタジエンラテ
ックス:酸化澱粉:ポリスチレンスルフォン酸ソーダ=
70:30:10:5:1(重量部)から成る塗被組成
物を7.5g/m2 (乾燥重量)ブレード塗工後、乾燥しス
ーパーカレンダー処理(線圧150kg/cm )したもの。
【0099】基紙N:基紙Mを更に熱ソフトカレンダー
処理(温度150℃、線圧150kg/cm)したもの。
【0100】得られた結果を表4に示す。
【0101】
【表4】
【0102】なお、表4中の(注3)及び(注4)は、
表1中のそれらと同意義であり、表4中の(注5)は、
表2中のそれと同意義である。
【0103】表4から明らかな如く、本発明における印
刷用樹脂被覆紙としては、印刷物の見た目の光沢感の観
点から、その印刷面の表樹脂層の中心面平均粗さSRa
は0.15μm 以下のものが特に好ましいことがわか
る。又、表樹脂層の中心面平均粗さSRaの改良効果の
点から、熱ソフトカレンダー処理した紙、あるいはバイ
ンダーを含む塗被組成物を塗被した紙を基質とする印刷
用樹脂被覆紙が特に好ましいことがわかる。
【0104】実施例7 実施例1の試料No.6 で用いた基紙の代りに、下記の
基紙を用いて実施例1の試料No.6 と同様に実施し、
印刷抜けと濃度むらの発生が無くて、見た目の光沢感が
高い、かつさばき性の良好な、優れた印刷用樹脂被覆紙
を得た。
【0105】基紙O:実施例1の試料No.6 で用いた
塩化ナトリウムの代りに同量の塩化カルシウムを用いる
以外は実施例1の試料No.6 と同様にして製造した、
膜厚むら指数Rpyが166mV、表面抵抗率が8.7×
109Ωである基紙。
【0106】基紙P:実施例1の試料No.6 で用いた
サイズプレス液のカルボキシ変性ポリビニルアルコール
の代りに同量のリン酸エステル化澱粉を用い、塩化ナト
リウムの代りに同量の硫酸ソーダを用いる以外は実施例
1の試料No.6 と同様にして製造した、膜厚むら指数
Rpyが168mV、表面抵抗率が8.8×109Ωである
基紙。
【0107】基紙Q:実施例1の試料No.6 で用いた
サイズプレス液のカルボキシ変性ポリビニルアルコール
の使用量を1/4に減量し、塩化ナトリウムの代りに乾
燥重量で同量のコロイド状シリカ(日産化学株式会社
製、商品名スノーテックスC)を用いる以外は実施例1
の試料No.6 と同様にして製造した、膜厚むら指数R
pyが166mV、表面抵抗率が8.6×109Ωである基
紙。
【0108】
【発明の結果】本発明により、紙を基質とする印刷物の
品質及び取り扱い性に優れた印刷用樹脂被覆紙、特に印
刷物の転写抜けと濃度むらの発生が無い、かつ印刷物の
さばき性が良好な、なおかつ見た目の光沢感が高い印刷
物が得られる、優れた印刷用樹脂被覆紙を提供できる。
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】具体的には以下の如く求める。測定圧力が
約30g/ストロークである2つの球状の直径約5mmの触
針の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を電子マイク
ロメーターを介し電気信号として測定するアンリツ
(株)社製のフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロ
メーターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、
ゼロ点調製後試料の抄紙方向に1.5m/ 分の定速で走査
することで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られ
た測定値を、小野測器(株)製FFTアナライザーCF
−300型機(入力信号AC ±1V、サンプリング5
12点)を用いて、時間窓をハニングウィンドウ、周波
数レンジを50Hzにした処理条件で高速フーリエ変換
(FFT)して、128回の積算の加算平均によるリニ
アースケールでのパワースペクトル(単位:mV)を求
め、2Hz〜25Hzの周波数域のリニアースケールでの各
パワー値の自乗を総和して得た値に2/3を掛けて1/
2乗することによって求めることが出来る。なお、その
他の処理条件は、CF−300型機の初期設定条件で行
う。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年11月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】本発明の実施に用いられるポリエステル系
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル系生分解性
樹脂等およびこれらの混合物であり、各種の密度、固有
粘度[η]のものを使用できる。具体的な代表例として
は、三菱化成株式会社製ポリエステル樹脂(商品名:
バテックスHS004、密度1.33g/cm3、固有粘度
[η]0.7dl/g)をあげることができる。又、本
発明の実施に用いられるポリカーボネート系樹脂として
は、各種のグレードのものを使用できるが、具体的な代
表例としては、三菱化成株式会社製ポリカーボネート樹
脂(商品名:NOVAREX 7022A、低粘度タイ
プ)をあげることができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0093
【補正方法】変更
【補正内容】
【0093】実施例5 実施例1の試料No.10で用いた基紙の両面に、実施
例1の試料No.10で用いた樹脂組成物の代りに、三
菱化成(株)製ポリエステル樹脂(商品名:ノバテック
スHS004)68.5重量% 、ルチル型二酸化チタン
顔料(デュポン株式会社製、商 品名R−101)30
重量%及びステアリン酸亜鉛1.5重量%から成る二酸
化 チタン顔料マスタ−バッチ33.4重量部 と上記ポ
リエステル樹脂66.6重量部とを二軸混練押し出し機
を用いて混練押し出し後、冷却し、ペレット化して製造
した二酸化チタン顔料を含むコンパウンド樹脂組成物を
被覆して、印刷抜けと濃度むらの発生が無くて印刷品質
が良好な、かつさばき性の良好な、優れた印刷用ポリエ
ステル系樹脂被覆紙を得た。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の紙基質面が樹脂(A)で被覆された印刷
    用樹脂被覆紙において、基質たる紙は、下記で規定され
    る抄紙方向(machine direction)の膜厚むら指数Rp
    yが350mV 以下であり、かつ表面抵抗率が1010Ω
    以下であるものであり、なおかつ樹脂(A)がポリエチ
    レン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹
    脂又はポリカーボネート系樹脂を主成分とするものであ
    ることを特徴とする印刷用樹脂被覆紙。膜厚むら指数R
    py:2つの球状の触針の間に試料を走行させ、試料の
    厚み変動を電子マイクロメーターを介し電気信号として
    測定するフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメー
    ターの感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼロ
    点調整後試料の抄紙方向に1.5m/ 分の定速で走査する
    ことで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られた測
    定信号値を、FFTアナライザーを用いて、時間窓にハ
    ニングウィンドウを使用して高速フーリエ変換して、1
    28回の積算の加算平均によるパワースペクトル(単
    位:mV2 )を求め、2Hz〜25Hzの周波数域のパワー値
    を総和して2/3を掛けた値を1/2乗することにより
    求められる値を膜厚むら指数Rpy(単位:mV)と規定
    する。
  2. 【請求項2】 基質たる紙の抄紙方向の膜厚むら指数R
    pyが270mV以下のものである請求項1記載の印刷用
    樹脂被覆紙。
  3. 【請求項3】 樹脂(A)がポリエチレン系樹脂または
    ポリプロピレン系樹脂を主成分とするものである請求項
    1または2記載の印刷用樹脂被覆紙。
  4. 【請求項4】 樹脂層面の触針式3次元表面粗さ計を用
    いて測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の
    中心面平均粗さSRaが0.4μm未満のものである請
    求項1 、2または3記載の印刷用樹脂被覆紙。
  5. 【請求項5】 樹脂(A)が顔料を含むものである請求
    項1、2、3または4記載の印刷用樹脂被覆紙。
  6. 【請求項6】 顔料が二酸化チタン顔料または炭酸カル
    シウム顔料である請求項5記載の印刷用樹脂被覆紙。
  7. 【請求項7】 樹脂(A)で被覆される側とは反対側の
    紙基質面がフィルム形成能ある樹脂(B)で被覆された
    ものである請求項1、2、3、4、5または6記載の印
    刷用樹脂被覆紙。
  8. 【請求項8】 フィルム形成能ある樹脂(B)がポリエ
    チレン系樹脂またはポリプロピレン系樹脂である請求項
    7記載の印刷用樹脂被覆紙。
  9. 【請求項9】 フィルム形成能ある樹脂(B)が顔料を
    含むものである請求項7または8記載の印刷用樹脂被覆
    紙。
  10. 【請求項10】 顔料が二酸化チタン顔料または炭酸カ
    ルシウム顔料である請求項9記載の印刷用樹脂被覆紙。
JP5293378A 1993-10-25 1993-11-24 印刷用樹脂被覆紙 Pending JPH07173794A (ja)

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