JPH09158086A - 印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

印刷用樹脂被覆紙

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JPH09158086A
JPH09158086A JP32285095A JP32285095A JPH09158086A JP H09158086 A JPH09158086 A JP H09158086A JP 32285095 A JP32285095 A JP 32285095A JP 32285095 A JP32285095 A JP 32285095A JP H09158086 A JPH09158086 A JP H09158086A
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JP
Japan
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coated
paper
resin
printing
colloidal silica
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JP32285095A
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English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Noriyuki Matsuda
伯志 松田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速かつ安定生産できる生産性に優れ、印刷
時のピック強度が高く、印刷上がり、ピック剥離性に優
れ、重送性の問題のない印刷用樹脂被覆紙を提供する。 【解決手段】 紙基体の両面がポリオレフィン樹脂によ
り被覆された印刷用樹脂被覆紙において、ポリオレフィ
ン樹脂組成物層上に、コロイド状シリカと接着剤含有層
を塗設してなるものである。さらに、該ポリオレフィン
樹脂組成物中に帯電防止剤を含有させてなるものであ
る。好ましくはコロイド状シリカが6g/m2以下であ
り、カチオン化コロイド状シリカである。また、ポリオ
レフィン樹脂としてポリプロピレン系樹脂が好ましい。
また、紙基体にコロイド状シリカを塗設すれば好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙基体(以下、基紙と
言うことがある)の少なくとも片面がポリオレフィン樹
脂で被覆された印刷用樹脂被覆紙に関するものであり、
詳しくは印刷インクとの接着性に優れており、印刷時の
ピック強度が高く、印刷時の剥離の無い、印刷時の重送
性の問題も無い、印刷性の優れた印刷用樹脂被覆紙に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基紙面がポリオレフィン樹脂で被
覆された樹脂被覆紙型支持体は写真用支持体などで公知
である。写真用支持体は、特公昭55−12584号公
報には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された技術が開示されている。
米国特許第3,501,298号明細書には基紙の両面
がポリオレフィン樹脂で被覆された写真用支持体につい
ての技術が開示されている。また、ハロゲン化銀感光材
料の迅速写真現像処理方式が適用されて以来、基紙の両
面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真用支持体が、
写真印画紙用として主に実用化されており、必要に応じ
てその一方の画像形成側の樹脂層中には鮮鋭度を付与す
るために、通常二酸化チタン顔料を含有している。
【0003】また、基紙面がポリオレフィン樹脂で被覆
された樹脂被覆型印刷材料について、特開平2−333
99号公報には、基紙上に無機充填剤を高充填した合成
樹脂層を設けた印刷用紙が開示されている。特開平3−
64598号公報および同3−64599号公報には、
変性ポリオレフィン樹脂やアクリル酸エステル系樹脂と
ポリオレフィン樹脂との共用によるインキ接着性改良が
開示されている。
【0004】これら樹脂被覆型印刷材料は、通常ポリエ
チレンなどのポリオレフィン樹脂を高温にて溶融し、基
紙の表面に流延する、いわゆる押出コーティング法にて
生産される。その際、ポリオレフィン系樹脂で印刷用途
に必要な特性であるひっかきにより表面に傷がつきにく
い、いわゆる耐ひっかき性の良好な樹脂は、概して基紙
と樹脂との接着性が弱く、印刷の際にピック剥離が発生
する場合がある。押出コーティング前に予め基紙表面を
コロナ処理などで活性化するが、それでも基紙と樹脂層
の接着力の低下が起こり、特に高速での押出コーティン
グでは印刷用樹脂被覆紙としての品質が損なわれるとい
う問題点を有していた。
【0005】また、樹脂被覆型印刷材料は、連続的に樹
脂被覆紙に印刷する場合、シートが2枚以上重なって給
送され、紙詰まりなどのトラブルが発生しやすい。この
問題に対しては樹脂層に帯電防止剤を含有させるか、樹
脂層表面に帯電防止剤含有の層を塗設する対策が取られ
るが、後者の場合、工程が増え、コストアップを伴う
他、樹脂層の表面平滑性の劣る帯電防止剤含有層を設け
るよりも樹脂層に帯電防止剤を含有する方法が取られる
場合が多い。
【0006】しかしながら、樹脂層に帯電防止剤を含有
すれば基紙との接着力の低下が起こり、印刷時に表面の
一部が基紙と樹脂層の間で剥がれるピック剥離が発生し
やすくなる他印刷インクとの接着性が劣る。
【0007】この問題に関連して、ポリオレフィン樹脂
被覆紙の基紙表面に、いわゆるプライマーと呼ばれる様
々な物質を塗布して基紙と樹脂層との接着性を改良した
写真用支持体に関する技術が提案されている。例えば、
特公昭51−25337号公報には、紙の表面に少なく
ともエチレンおよびアクリル酸(またはメタアクリル
酸)の塩を構成要素とする共重合体が適用されたポリオ
レフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体に関する技術
が提案されている。特開昭54−56422号公報に
は、紙の表面にポリビニルアルコールとイソシアネート
系化合物とを含む液を塗布したポリオレフィン樹脂被覆
紙からなる写真用支持体に関する技術が提案されてい
る。特開昭54−111331号公報には、紙の表面に
少なくともエチレンと不飽和ジカルボン酸もしくはその
誘導体を構成要素とする共重合体が塗布されたポリオレ
フィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体についての開示
がある。
【0008】特開昭55−4027号公報には、紙の表
面にアイオノマーが塗布されたポリオレフィン樹脂被覆
紙からなる写真用支持体についての開示がある。特公昭
59−12167号公報には、微分散性酸化アルミニウ
ムを含む層を紙の上に設けたポリオレフィン樹脂被覆紙
からなる写真用支持体についての開示がある。特開昭6
1−230142号公報および特開平1−180538
号公報には、エチレン/アクリル酸コーポリマーを含む
水分散液を基紙上に塗布したポリオレフィン樹脂被覆紙
からなる写真用支持体についての開示がある。
【0009】また、特開平4−149431号公報に
は、イソブチレン、N−フェニルマレインイミドおよび
マレイン酸塩からなる共重合ポリマーを原紙の表面に有
するポリオレフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体に
ついての開示がある。さらに、特開平4−149432
号公報には、シランカップリング剤を表面に有するポリ
オレフィン樹脂被覆紙からなる写真用支持体についての
開示がある。
【0010】しかしながら、これらの先行技術に開示さ
れた物質を基紙に塗布しても、特に耐ひっかき性の良好
なポリオレフィン樹脂や帯電防止剤を含有した樹脂組成
物を被覆した場合では、印刷時のピック剥離性の向上に
は全く効果が無いか、効果があっても不十分であり、印
刷時のピック剥離性は写真用での基紙と樹脂層との接着
性評価とは異なった特性と予想される。
【0011】フィルム又はラミネート紙上への塗布層の
塗設技術の開示としては実公昭51−15552号公報
にラミネート紙上に顔料、バインダー、撥水剤、界面活
性剤を含有した層を設ける海図、地図用紙、特公昭55
−29200号公報にはポリオレフィンラミネート層上
にコロイド状シリカ及び重硫酸アンモニウム含有層を設
ける紙の製造方法、特開昭62−53345号公報には
インク接着性改良目的で延伸フィルム上にラテックスと
無機粉末の層を塗設する合成紙の開示がある。
【0012】しかしながら、これらの先行技術に開示さ
れた層(表面層)をラミネート紙、フィルム上に塗設し
ても、インク接着性向上効果は少なく、効果を上げるた
めに塗設量を増す必要が生じるが、塗設量を増すとラミ
ネート紙やフィルム本来の高平滑性、光沢性が低下す
る。又、ラミネート紙やフィルムと表面層との接着性が
劣る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、印刷適性のあるポリオレフィン樹脂組成物を押出コ
ーティングする際でも高速でかつ安定生産でき、基紙の
少なくとも片面がポリオレフィン樹脂層で被覆され、印
刷インクとの接着性が優れており、印刷時のピック剥離
性が良好で、重送性の問題を起さない印刷用樹脂被覆紙
を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らが前述の問題
点を解決するために、鋭意検討の結果、紙基体の少なく
とも片面がポリオレフィン樹脂層で被覆された印刷用樹
脂被覆紙において、該ポリオレフィン樹脂組成物層上に
コロイド状シリカと接着剤含有する層を塗設することに
より、及び、該紙基体が、コロイド状シリカを塗設した
ものであることによって、本発明の目的が達成されるこ
とが判明した。
【0015】即ち、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、紙基
体の少なくとも片面がポリオレフィン樹脂と顔料を含有
するポリオレフィン樹脂組成物により被覆された印刷用
樹脂被覆紙において、ポリオレフィン樹脂組成物層上に
コロイド状シリカと接着剤を含有する層が塗設されてい
ることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の印刷用樹脂被覆紙におい
て、紙基体の少なくとも片面がポリオレフィン樹脂と顔
料を含有するポリオレフィン樹脂組成物により被覆され
た印刷用樹脂被覆紙において、ポリオレフィン樹脂組成
物層上にコロイド状シリカと接着剤を含有する層が塗設
され、かつ該ポリオレフィン樹脂組成物中に帯電防止剤
を含有してなることを特徴とするものである。
【0017】さらに、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、紙
基体の少なくとも片面がポリオレフィン樹脂と顔料を含
有するポリオレフィン樹脂組成物により被覆された印刷
用樹脂被覆紙において、コロイド状シリカが塗設された
該基体であり、ポリオレフィン樹脂組成物層上にコロイ
ド状シリカと接着剤を含有する層が塗設されていること
を特徴とするものである。
【0018】また、本発明の印刷用樹脂被覆紙におい
て、紙基体の少なくとも片面がポリオレフィン樹脂と顔
料を含有するポリオレフィン樹脂組成物により被覆され
た印刷用樹脂被覆紙において、コロイド状シリカと接着
剤を含有する層が塗設された該紙基体であり、ポリオレ
フィン樹脂組成物層上にコロイド状シリカが塗設され、
かつ該ポリオレフィン樹脂組成物中に帯電防止剤を含有
してなることを特徴とするものである。
【0019】ポリオレフィン樹脂組成物被覆層上に塗設
するコロイド状シリカと接着剤を含有する層のコロイド
状シリカの比率は、全乾燥固形分に対して30〜80重
量%であることが好ましい。
【0020】本発明において、好ましくはポリオレフィ
ン樹脂組成物上に塗設するコロイド状シリカの乾燥固形
分が、6.0g/m2以下である。
【0021】さらに好ましくは、コロイド状シリカの乾
燥固形分が、2.0g/m2以下である。
【0022】ポリオレフィン樹脂組成物上に塗設するコ
ロイド状シリカとしては、カチオン化コロイド状シリカ
であることが好ましい。
【0023】また、ポリオレフィン樹脂としては、ポリ
プロピレン系樹脂であることが好ましい。
【0024】コロイド状シリカとしては、カチオン性コ
ロイド状シリカであることが好ましい。
【0025】以下、本発明の印刷用樹脂被覆紙につい
て、詳細に説明する。本発明の実施に当って、用いられ
るコロイド状シリカとは、主として水を分散媒として高
分子量無水ケイ酸(Si23)の1〜100mμm程度
の超微粒子を水中に安定に分散せしめたコロイド溶液で
ある。特に、表面がカチオン化されたカチオン化コロイ
ド状シリカのカチオン化は、アルミナ、ジルコニウム、
スズなどにより行われる。分散媒は一般に水であるが、
メタノールなどを用いる場合もある。また、コロイド溶
液中に、コロイド安定剤などの目的で、アルカリ成分、
例えば、Na2Oなどを含む場合もある。
【0026】コロイド状シリカの粒径があまりに小さい
場合には、液がゲル化しやすく、一方、あまりに大きい
場合には、性能が不十分となる。コロイド状シリカの具
体例としては、スノーテックス−AK、スノーテックス
BK、スノーテックス20、スノーテックスCなど、日
産化学製の製品やルドックスHS、ルドックスASな
ど、デュポン製の製品が挙げられる。
【0027】本発明の基紙に塗設するコロイド状シリカ
の溶液には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロ
イドまたはラテックス、帯電防止剤、添加剤などを混合
することができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロ
イドとして、特開平1−266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラ
テックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55
−4027号公報、特開平1−180538号公報に記
載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(またはメタク
リル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマ
ルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン
系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、
エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリ
レート系共重合体およびそれらのカルボキシ変性共重合
体のエマルジョンもしくはラテックスなど、帯電防止剤
として、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカリ
金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウムなどのアルカリ
土類金属塩、コロイド状シリカなどのコロイド状金属酸
化物、ポリスチレンスルホン酸塩などの有機帯電防止剤
など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節
剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、
その他、特開昭63−204251号公報、 特開平1
−266537号公報などに記載もしくは例示の着色顔
料、着色 染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合
せて混合することができる。
【0028】これらコロイド状シリカを含む液による基
紙への処理は、サイズプレスもしくはタブサイズプレス
あるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工、ワイヤーバ
ー塗工、ゲートロール塗工などにより基紙に塗設する。
また、基紙の抄造の際にパルプスラリー中に添加して基
紙中に含有させてもよい。
【0029】コロイド状シリカを基紙へ塗設する量とし
ては、基紙に乾燥固形分として6.0g/m2以下である
ことが経済的に有利であり、基紙と樹脂との接着性がさ
らに一段と良好になるために好ましく、特に2g/m2
下である場合がさらに好ましい。
【0030】コロイド状シリカとしてはカチオン化コロ
イド状シリカが基紙とポリオレフィン樹脂組成物との接
着性からは好ましい。
【0031】本発明の実施に用いられる基紙は、通常の
天然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプと合成パルプ、合成繊維とからなる混抄
紙でもよい。それらの天然パルプとしては、特開昭58
−37642号公報、特開昭60−67940号公報、
特開昭60−69649号公報、特開昭61−3544
2号公報などに記載もしくは例示してあるような適切に
選択された天然パルプを用いるのが有利である。
【0032】天然パルプは、塩素、次亜塩素酸塩、二酸
化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしく
はアルカリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素な
どによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わせ
処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉
樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、ク
ラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなど
の各種のものを用いることができる。
【0033】本発明の実施に好ましく用いられる天然パ
ルプを主成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に
各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤と
して、脂肪酸金属塩あるいは脂肪酸、特公昭62−75
34号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマ
ー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケ
ニルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導
体など、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン
性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアル
コール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナンな
ど、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂など、填料として、クレ、ーカオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタンなど、定着剤として、
塩化アルミニウム、硫酸バン土などの水溶性アルミニウ
ム塩など、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソー
ダ、硫酸など、その他前記した着色顔料、着色染料、蛍
光増白剤など、帯電防止剤として塩化ナトリウム、塩化
マグネシウム、各種アミン系やグリセリン系帯電防止剤
などを適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0034】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は20〜200g
/m2のものが好ましい。
【0035】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が250mV以下にしたものが好ましく、200mV以
下のしたものがさらに好ましく、150mV以下のもの
が最も好ましい。ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、
2つの球状の触針の間に試料を走行させ、試料の厚み変
動を電子マイクロメーターを介し電気信号として測定す
るフィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメーターの
感度レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整
後試料の抄紙方向に1.5m/分の定速で 走査するこ
とで試料の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られた測定
信号値を、FFTアナライザーを用いて、時間窓にハニ
ングウィンドウを使用して高速フーリエ変換して、12
8回の積算の加算平均によるパワースペクトル(単位:
mV2)を求め、 2〜25Hzの周波数域のパワー値を
総和して2/3を掛けた値を1/2乗することにより求
められる値(単位:mV)である。
【0036】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが250mV以下の原紙を製造する方法
としては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉
樹パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上
用い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるよう
に叩解する。例えば、パルプの叩解は、叩解後のパルプ
の加重平均繊維長が0.4〜0.75mmになるように
することが好ましい。次いで、内添薬品を添加した紙料
スラリーについて、特開昭58−37642号公報、特
開昭61−260240号公報、特開昭61−2847
62号公報などに記載もしくは例示してあるような適切
な抄紙方法を採用して、長網抄紙機、丸網抄紙機など通
常用いられる抄紙機により均一な地合が得られるように
抄造し、さらに抄造後マシンカレンダー、スーパーカレ
ンダー、熱カレンダーなどを用いてカレンダー処理を施
し、膜厚むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造
することができる。
【0037】本発明の実施に用いられるポリオレフィン
樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブ
テン、ポリペンテンなどのホモポリマー、エチレン−ブ
チレン共重合体などのα−オレフィンの2つ以上からな
る共重合体およびこれらの混合物である。特に、耐ひっ
かき性ではポリプロピレン系樹脂が良好で、高密度ポリ
エチレン系樹脂がこれに続く。
【0038】溶融押出しコーティング性および印刷時の
ピック剥離性の点からは、ポリエチレン系樹脂が好まし
く、それらのポリエチレン系樹脂としては、例えば、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンとプロピ
レン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合体、カ
ルボキシ変性ポリエチレンなどおよびこれらの混合物が
挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、各種の密
度、メルトフローレート(以下単にMFRと略す)、分
子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度
0.90〜0.97g/cm3の範囲、MFR0.1〜4
0g/10分、好ましくは、MFR0.3〜30g/1
0分、分子量2万〜25万の範囲のものを単独にあるい
は混合して有利に使用できる。
【0039】また、樹脂が多層構成の場合、最外層の樹
脂として、耐ひっかき性、印刷性の良好なポリプロピレ
ン系樹脂や高密度ポリエチレン系樹脂を用い、基紙側は
基紙とのピック剥離性の良好な低密度ポリエチレン系樹
脂を用いることもできる。また、ピック剥離性に影響す
る帯電防止剤や無機顔料などの添加剤を上層のみに含有
させることもできる。
【0040】樹脂層に使用する顔料としては、二酸化チ
タン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、シ
リカ、カオリン、酸化亜鉛、酸化珪素、ポリスチレン、
ポリ尿素などが挙げられる。二酸化チタンとしては、ル
チル型やアナターゼ型が使用され、電子顕微鏡による定
方向での平均粒子サイズが0.08〜0.5μmである
ことが好ましい。アルミナやシリカによる表面処理品が
好ましく使用できる。炭酸カルシウムとしては、重質炭
酸カルシウム、軽質合成炭酸カルシウムで平均粒子サイ
ズが0.15〜5μm程度が好ましい。
【0041】また、無機顔料の樹脂層中への分散性向上
のために、脂肪酸塩、ワックスなどを添加して表面処理
することもできる。一般的には、顔料はポリオレフィン
樹脂層の5〜60重量%である。ここで、5重量%より
少ない場合はインキ接着性向上効果、鉛筆筆記性向上効
果が劣り、また、60重量%より多いと樹脂被覆層の平
滑性、印刷上がりに劣るようになる。
【0042】樹脂層に使用する帯電防止剤としては、耐
熱性の点から非イオン系が主として使用される。例え
ば、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オ
キシエチレン)(アルキルカルボニルオキシエチレ
ン)、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミド、ポリ
(オキシエチレン)(アルキルカルボニルオキシエチレ
ン)アルキルアミド、ポリ(オキシエチレン)アルキル
エーテル、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエ
ーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステルなどが挙げられる。具体的には、ステアリルジ
エタノールアミンモノステアレート、ステアリルジエタ
ノールアミン、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタデ
シル酸モノグリセリドなどが使用できる。
【0043】樹脂層に使用する帯電防止剤の量は、樹脂
層の0.02〜5重量%である。好ましくは0.05〜
2重量%である。0.02重量%より少ないと帯電防止
効果が得られないし、5重量%より多いとラミネート時
の発煙が多くなる他、基紙やコロイド状シリカ層との接
着性の低下などの問題が有る。
【0044】本発明におけるポリオレフィン樹脂層中に
は、各種の添加剤を含有せしめることができる。特公昭
60−3430号、特公昭63−11655号、特公平
1−38291号、特公平1−38292号、特開平1
−105245号などの各公報に記載もしくは例示の酸
化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白
色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなど
の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグ
ネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パル
ミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、特開平1−1
05245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェ
ノール、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系などの各種
酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、
フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コ
バルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン
バイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平2
−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白
剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせ
て含有せしめることができる。それらの添加剤はマスタ
ーバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが
好ましい。
【0045】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙面
にポリオレフィン樹脂を被覆する方法としては、走行す
る基紙上に熱可塑性樹脂組成物を溶融押し出し機を用い
て、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆す
る、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆
する。その際、溶融フィルムの温度は260〜340℃
であることが好ましい。スリットダイとしては、T型ダ
イ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが
好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであること
が望ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングす
る前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−4225
4号公報に記載の如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成
物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹
脂層を被覆しても良い。また、表、裏の樹脂層は逐次、
好ましくは連続的に、押し出しコーティングされる、い
わゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆
されるのが好ましく、必要に応じて表または裏の樹脂層
を二層以上の多層構成にする、多層押し出しコーティン
グ方式で被覆しても良い。また、印刷用材料の画像形成
層を塗設する側の表樹脂層面は光沢面、特公昭62−1
9732号公報に記載の微粗面、マット面あるいは絹目
面などに加工することができる。表裏の樹脂層の厚さと
しては、特に制限はないが、一般に7〜60μmの範
囲、好ましくは10〜45μmの範囲の厚さのものが有
利である。
【0046】本発明における印刷用樹脂被覆紙の樹脂層
面上にコロド状シリカと接着剤を含有する層(以下、コ
ロイド状シリカー接着剤層と記す)を塗設するには、樹
脂層表面をコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理
を施した後、塗設することができる。
【0047】本発明のコロイド状シリカー接着剤層のコ
ロイド状シリカとしては本発明の基紙に塗設するコロイ
ド状シリカと同様のものを用いることが出来、接着剤と
しては各種の水溶性ポリマー、親水性コロイド、エマル
ジョンまたはラテックス、などを単独又は混合すること
ができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとし
て、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示
の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、
ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、
セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス
類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−402
7号公報、特開平1−180538号公報に記載もしく
は例示のエチレンとアクリル酸(またはメタクリル酸)
とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョン
もしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル系、
酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブ
タジエン−メチルメタクリレート系共重合体およびそれ
らのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラ
テックスなどが挙げられる。
【0048】コロイド状シリカー接着剤層には帯電防止
剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどのアルカ
リ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウムなどのアルカ
リ土類金属塩、コロイド状シリカなどのコロイド状金属
酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩などの有機帯電防止
剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節
剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、
その他、特開昭63−204251号公報、特開平1−
266537号公報などに記載もしくは例示の着色顔
料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合せ
て混合することができる。又、界面活性剤としてアルキ
ルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ましくは分枝アル
キルスルフォコハク酸エステル塩などのアニオン系界面
活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル基含有フェノー
ルのポリアルキレンオキサイドエーテル、長鎖アルキル
アルコールのポリアルキレンオキサイドエーテルなどの
ノニオン系界面活性剤、特公昭47−9303号公報、
米国特許3,589,906号明細書などに記載のフル
オロ化した界面活性剤など、ポリマーの硬膜剤として、
活性ハロゲン化合物、ビニルスルフォン化合物、アジリ
ジン化合物、エポキシ化合物、アクリロイル化合物、イ
ソシアネート化合物などの硬膜剤が挙げられる。
【0049】コロイド状シリカー接着剤層のコロイド状
シリカの比率は30〜80重量%が好ましい。30重量
%より少ないとポリオレフィン樹脂組成物層との接着性
や印刷インクとの接着性が低下する。80重量%より多
いと印刷時等の粉落ちの発生やオフセット印刷時の吸水
ピック強度が低下する。
【0050】コロイド状シリカをポリオレフィン樹脂組
成物層へ塗設する量としては、乾燥固形分として6.0
g/m2以下であることが経済的に有利であり、樹脂との
接着性がさらに一段と良好になるために好ましく、特に
2g/m2以下である場合がさらに好ましい。
【0051】コロイド状シリカとしてはポリオレフィン
樹脂組成物層との接着性の点からカチオン化コロイド状
シリカが好ましい。
【0052】本発明の印刷用樹脂被覆紙への印刷には、
オフセット、グラビア、フレキソ、凸版など各種の印刷
インキが使用される。インキはポリオレフィン樹脂フィ
ルムや合成紙用のインキを使用するのが好ましいが、上
質紙やアート紙、コート紙等の塗工紙で使用される紙用
のインキでも印刷可能である。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。な
お、実施例中の部および%は、それぞれ重量部および重
量%を示す。
【0054】実施例1〜12 広葉樹漂白クラフトパルプ70%および広葉樹漂白サル
ファイトパルプ30%からなる混合パルプを叩解後のパ
ルプの繊維長(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方
法No.52−89「紙およびパルプ繊維長試験方法」
に準拠して測定した長さ加重平均繊維長で表示して)が
0.62mmになるように叩解後、パルプ100部に対
して、カチオン化澱粉3部、アニオン化ポリアクリルア
ミド0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテン
ダイマー分として)0.4部、ポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂0.4部および適当量の蛍光増白剤、青色染
料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
【0055】上記により得た紙料スラリーを用い、20
0m/分で走行している長網抄紙機にのせ、適切なター
ビュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで
15〜100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段
のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処
理し、引き続く乾燥パートで30〜70kg/cmの範
囲で線圧が調節された2段の緊度プレスを行った後、乾
燥した。
【0056】さらに、乾燥の途中で表1に記載の物質4
部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.002部、塩
化ナトリウム4部および水92部からなるサイズプレス
液を表1に記載の乾燥固形分(塗設量)になるようにサ
イズプレスし、最終的に得られる基紙水分が絶乾水分で
8%になるように乾燥し、線圧70kg/cmでマシン
カレンダー処理して、坪量170g/m2の膜厚むら指数
Rpyが約150mVである印刷用樹脂被覆紙の基紙を
製造した。
【0057】ポリオレフィン樹脂組成物として、ポリプ
ロピレン(密度0.920g/cm3、MFR20g/1
0分)80部を溶融状態にして炭酸カルシウム(平均粒
子サイズ2μmの重質炭酸カルシウム)13部と二酸化
チタン(アナターゼ型、平均粒子サイズ0.2μm)5
部%、ステアリン酸亜鉛2部を添加混合してペレットを
作製した。そのペレットにより基紙の表面にコロナ処理
後、塗布量30g/m2になるように速度200m/分、
280℃で溶融押出しコーティング、加圧ロールとの線
圧30kg/cmで冷却水温度が15℃の冷却処理をし
て基紙の表面にポリオレフィン樹脂層を設けた。同様に
して、基紙の裏面にもポリオレフィン樹脂層を設けた。
【0058】表面のポリオレフィン樹脂組成物上にコロ
ナ処理後、表1に記載の物質、及び接着剤としてスチレ
ン−無水マレイン酸共重合体(荒川化学製、マロンKS
1570)を用い、表1に記載のコロイド状シリカその
他の接着剤以外の物質と塗設層全体との比率で調液を行
い、コロイド状シリカその他の物質の乾燥固形分として
表1に記載の塗設量をエアーナイフコーターで塗設、乾
燥後カレンダー処理をして実施例1〜11の印刷用樹脂
被覆紙を得た。
【0059】実施例2で表面のポリオレフィン樹脂組成
物上にコロナ処理後、カチオン化コロイド状シリカと接
着剤としてスチレン−無水マレイン酸共重合体の代わり
にリン酸エステル化デンプン(日本食品社製、MS46
00)を用いた溶液を塗設、乾燥した以外は同様にして
実施例12の印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0060】比較例1〜7 実施例1に記載した基紙の作製方法と同様にして作製
し、サイズプレスのみ表1に記載の物質と乾燥固形分
(塗設量)を塗設した。ただし、比較例1は塗設しなか
った。その後、実施例1と同様にカレンダー処理して、
坪量170g/m2の膜厚むら指数Rpyが約150mV
である印刷用樹脂被覆紙の基紙を製造した。比較例7
は、ポリオレフィン樹脂組成物上の塗設層として、コロ
イド状シリカ30部、クレー5部、重硫酸アンモニウム
2部、及び、接着剤としてポリビニルアルコール10
部、ライススターチ5部、界面活性剤0.5部の配合で
固形分3g/m2を塗設した。
【0061】次いで、この基紙を用いて、その後は実施
例1と全く同様に樹脂被覆を行うことで比較例1〜7の
印刷用樹脂被覆紙を製造した。
【0062】以上のようにして製造した実施例1〜11
および比較例1〜7の印刷用樹脂被覆紙について、下記
の評価方法により評価し、その結果を下記表2に示し
た。
【0063】なお、実施例で使用したコロイド状シリ
カ、比較例の合成シリカは以下のものを用いた。 カチオン化コロイド状シリカ:日産化学製、スノーテッ
クスAK コロイド状シリカ:日産化学製、スノーテックスC 合成シリカ:水沢化学製、ミズカシルP527
【0064】<ピック剥離性>印刷時のピック剥離性
は、次のようにして評価した。各試料を50℃、60%
RHの恒温恒湿槽に1日間保存した後、RIテスト印刷
機で印刷速度を50m/分、タック値の異なるインク
(IPIインキ、#5〜#8)を用いてピック剥離性を
評価した。◎;IPIインキ#8でも印刷面の剥がれ無
く良好、○;印刷面の剥がれは高タックインク(#8)
で若干剥がれ傾向があるが、#7インクで剥がれが無
い、△;印刷面の剥がれは#7インクで発生するが#6
で発生無し。実用上の下限、×;印刷面の剥がれは低タ
ックインク(#5)でも発生し、実用上問題がある、を
表わす。
【0065】<印刷上がり>印刷上がりは、RIテスト
印刷機で合成紙用インク(東洋インキ製)を用い、印刷
後の印刷サンプルを目視で評価した。○;良好、△;や
や鮮鋭性に劣るが実用可能、×;鮮鋭性悪く実用性に向
かない。
【0066】<インキ接着性>インキ接着性は、RIテ
スト印刷機で合成紙用インク(東洋インキ製))を用
い、50℃で1週間放置した試料を印刷し、室温放置し
て乾燥後セロテープを貼りつけた後素早く剥す。セロテ
ープへのインクの付き具合を目視で評価する。○;セロ
テープへのインク付き無し、△;インク付きやや有り、
×;インク付き多い。
【0067】<印刷重送性>印刷重送性は、印刷用樹脂
被覆紙作製後、常温経時1週間後に軽オフセット印刷機
(東京航空計器社製)を用い、A4サイズで500枚/
時間で通紙した。200枚での停機トラブルの発生回数
で程度を評価した。○:0回、△:1〜3回、×:4回
以上。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】評価:表2の結果から、ポリオレフィン樹
脂組成物層の上にコロイド状シリカと接着剤含有層を塗
設した本発明における印刷用樹脂被覆紙は、印刷時ピッ
ク強度が良好で印刷上がりが良好である優れた印刷用樹
脂被覆紙であることがよくわかる。また、そのコロイド
状シリカと接着剤含有層の塗設量が、コロイド状シリカ
の乾燥固形分で6.0g/m2以下、特に2.0g/m2
下であると印刷上がり、インキ接着性が良好であり、優
れた印刷用樹脂被覆紙であることがよくわかる。更に、
コロイド状シリカを塗布又は含浸せしめた基紙を用いた
場合には特にピック剥離性にも優れた印刷用樹脂被覆紙
が得られる。尚、比較例7は特公昭55−29200号
公報の実施例に準じて行った結果であるが、特に印刷上
がりとインキ接着性に劣るものであった。
【0071】実施例13〜24 実施例1で、ポリオレフィン樹脂組成物に、帯電防止剤
としてステアリルジエタノールアミンモノステアレート
とステアリン酸モノグリセリドを対樹脂0.2部ずつで
径0.4部を添加混合した以外は同様にしてペレットを
作製した。そのペレットにより実施例1〜12で用いた
基紙の表面にコロナ処理後、ポリオレフィン樹脂組成物
層を設け、更に実施例1〜12と同様にして表3に記載
のコロイド状シリカを記載の量を塗設して実施例1と同
様にしてそれぞれ実施例13〜24の印刷用樹脂被覆紙
を得た。
【0072】実施例25 実施例14でポリオレフィン樹脂組成物として高密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.960g/cm3、MFR=
7.0g/10分)を用い、溶融押出し温度を310℃
にした以外は同様にしてそれぞれ実施例25の印刷用樹
脂被覆紙を得た。
【0073】実施例26 実施例14でポリオレフィン樹脂組成物として低密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.922g/cm3、MFR=
3.0g/10分)を用い、溶融押出し温度を310℃
にした以外は同様にして実施例26の印刷用樹脂被覆紙
を得た。
【0074】比較例8〜13 比較例1〜6で用いたもので、坪量170g/m2の膜厚
むら指数Rpyが約150mVである印刷用樹脂被覆紙
の基紙を用い、その後は実施例14と全く同様に樹脂被
覆を行い、その後、比較例1〜6と同様にして表3に記
載の物質を記載量塗設して比較例8〜13の印刷用樹脂
被覆紙を製造した。
【0075】以上のようにして製造した実施例13〜2
6および比較例8〜13の印刷用樹脂被覆紙について、
上記と同様の評価方法により評価し、その結果を下記表
4に示した。
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】評価:表4の結果から、ポリオレフィン樹
脂組成物中に帯電防止剤を添加し、更にコロイド状シリ
カと接着剤を含有した層を塗設した本発明における印刷
用樹脂被覆紙は、印刷時ピック強度が良好で印刷時重送
性も良好な優れた印刷用樹脂被覆紙であることがよくわ
かる。また、そのコロイド状シリカと接着剤含有層の塗
設量が、コロイド状シリカの乾燥固形分として6.0g
/m2以下、特に2.0g/m2以下であると印刷上がり、
インキ接着性が良好であり、優れた印刷用樹脂被覆紙で
あることがよくわかる。更にコロイド状シリカを塗布又
は含浸せしめた基紙を用いた場合には特にピック剥離性
にも優れた印刷用樹脂被覆紙が得られる。なお、実施例
25の印刷用樹脂被覆紙は、鉛筆での引っかきで表面に
傷がつきやすい傾向であり、実施例26の印刷用樹脂被
覆紙ではさらに弱いので用途が限られる。
【0079】
【発明の効果】本発明の印刷用樹脂被覆紙は、印刷時の
ピック強度が高く、印刷上がり、印刷時のピック剥離性
が良好であり、印刷時の重送性の問題を起さず、印刷性
の優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/10 B32B 27/10 27/18 27/18 D 27/20 27/20 A 27/32 27/32 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基体の少なくとも片面がポリオレフィ
    ン樹脂と顔料を含有するポリオレフィン樹脂組成物によ
    り被覆された印刷用樹脂被覆紙において、該ポリオレフ
    ィン樹脂被覆層上にコロイド状シリカと接着剤を含有す
    る層が塗設されたことを特徴とする印刷用樹脂被覆紙。
  2. 【請求項2】 紙基体の少なくとも片面がポリオレフィ
    ン樹脂と顔料を含有するポリオレフィン樹脂組成物によ
    り被覆された印刷用樹脂被覆紙において、該ポリオレフ
    ィン樹脂組成物上にコロイド状シリカと接着剤を含有す
    る層が塗設されており、かつ該ポリオレフィン樹脂組成
    物中に帯電防止剤を含有してなることを特徴とする印刷
    用樹脂被覆紙。
  3. 【請求項3】 紙基体の少なくとも片面がポリオレフィ
    ン樹脂と顔料を含有するポリオレフィン樹脂組成物によ
    り被覆された印刷用樹脂被覆紙において、コロイド状シ
    リカが塗設された該基紙上に該ポリオレフィン樹脂被覆
    層を塗設し、更にコロイド状シリカと接着剤を含有する
    層が塗設されたことを特徴とする印刷用樹脂被覆紙。
  4. 【請求項4】 紙基体の少なくとも片面がポリオレフィ
    ン樹脂と顔料を含有するポリオレフィン樹脂組成物によ
    り被覆された印刷用樹脂被覆紙において、コロイド状シ
    リカが塗設された該基紙上に該ポリオレフィン樹脂組成
    物が塗設され、更にコロイド状シリカと接着剤を含有す
    る層が塗設されており、かつ該ポリオレフィン樹脂組成
    物中に帯電防止剤を含有してなることを特徴とする印刷
    用樹脂被覆紙。
  5. 【請求項5】 ポリオレフィン樹脂組成物被覆層上に塗
    設するコロイド状シリカと接着剤を含有する層のコロイ
    ド状シリカの比率が全乾燥固形分に対して30〜80重
    量%であることを特徴とする請求項1〜4に記載の印刷
    用樹脂被覆紙。
  6. 【請求項6】 ポリオレフィン樹脂組成物被覆層上に塗
    設するコロイド状シリカの乾燥固形分が、6.0g/m2
    以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の印刷
    用樹脂被覆紙。
  7. 【請求項7】 ポリオレフィン樹脂組成物被覆層上に塗
    設するコロイド状シリカの乾燥固形分が、2.0g/m2
    以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の印刷
    用樹脂被覆紙。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィン樹脂組成物被覆層上に塗
    設するコロイド状シリカが、カチオン性コロイド状シリ
    カであることを特徴とする請求項1〜4に記載の印刷用
    樹脂被覆紙。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィン樹脂が、ポリプロピレン
    系樹脂であることを特徴とする請求項1〜4に記載の印
    刷用樹脂被覆紙。
  10. 【請求項10】 基紙上に塗設されるコロイド状シリカ
    がカチオン化コロイド状シリカであることを特徴とする
    請求項3、又は4記載の印刷用樹脂被覆紙。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002129489A (ja) * 2000-10-19 2002-05-09 Nippon Paper Industries Co Ltd 紙用表面処理剤及びオフセット印刷用紙
JP2012512073A (ja) * 2008-12-15 2012-05-31 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 画像形成可能な物
JP2012132133A (ja) * 2010-12-24 2012-07-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 印刷用紙
JP2015193966A (ja) * 2014-03-27 2015-11-05 日本製紙パピリア株式会社 印刷用紙

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