JPH08260399A - 印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

印刷用樹脂被覆紙

Info

Publication number
JPH08260399A
JPH08260399A JP6082695A JP6082695A JPH08260399A JP H08260399 A JPH08260399 A JP H08260399A JP 6082695 A JP6082695 A JP 6082695A JP 6082695 A JP6082695 A JP 6082695A JP H08260399 A JPH08260399 A JP H08260399A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
printing
coated paper
formula
polyolefin resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6082695A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruyoshi Funae
晴芳 船江
Noriyuki Matsuda
伯志 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP6082695A priority Critical patent/JPH08260399A/ja
Publication of JPH08260399A publication Critical patent/JPH08260399A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インキ接着性、印刷適性が良好な印刷用樹脂
被覆紙を提供する。 【構成】 天然パルプを主成分とする紙を基紙として、
それに少なくとも1層のポリオレフィン樹脂と顔料を含
有するポリオレフィン樹脂組成物を被覆した印刷用樹脂
被覆紙であって、基紙とポリオレフィン樹脂組成物に帯
電防止剤を含有させ、好ましくは、ポリオレフィン樹脂
組成物には特定の化合物を含有するものである。特に、
顔料が二酸化チタン又は炭酸カルシウムであり、少なく
とも最外層のポリオレフィン樹脂がポリプロピレン系樹
脂の場合が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐水性、印刷適性、イ
ンキ接着性に優れた印刷用樹脂被覆紙に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真印画紙用支持体として、
原紙の両面を主として白色顔料とポリオレフィン樹脂か
らなる樹脂組成物で被覆されたものは良く知られてい
る。該支持体は、現像処理液を吸収しにくいために処理
後の水洗及び乾燥が大幅に短縮される他、寸法安定性に
も優れた特徴がある。
【0003】しかし、印刷用樹脂被覆紙の用途では、印
刷適性、耐引っかき性、鉛筆筆記性に加えて、帯電防止
性も必要になる。即ち、連続的に樹脂被覆紙を印刷する
場合に被覆紙間の静電気により2枚以上を重ねたまま給
送して紙詰まり等のトラブルの原因となる。その対策と
して、少なくとも最外層の合成樹脂層に無機充填剤を2
0〜80重量%含有させる提案(特開平2−33399
号公報)少なくとも最外層にエチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体等の特定ポリエチレン共重合体とポリオレフ
ィンを含有させる提案他(特開平3−64599号公
報、特開平3−64598号公報)が記載されている。
【0004】しかし、それらの提案でも十分な帯電防止
性が得られず、又、その対策により表面の平滑性が劣り
印刷仕上がりの悪化する場合や、耐引っかき性に劣り、
表面に傷がつきやすくなる。
【0005】又、従来、ポリオレフィンフィルムで利用
されている帯電防止方法は、ポリオレフィン樹脂に常用
の帯電防止剤を添加して、一軸延伸、二軸延伸、Tダイ
法、インフレーション法によりフィルムが成形される。
しかしながら、印刷用樹脂被覆紙に応用する場合は帯電
防止剤が表面にブリードアウトする事によると思われる
印刷適性の悪化が有り、インキ接着性に劣り、印刷後に
インキが樹脂被覆層から簡単に剥離するようになる。
【0006】又、樹脂被覆面の耐引っかき性は、ポリオ
レフィン樹脂の中でもポリプロピレンが良好であるが、
インキ接着性がポリエチレン等より劣り、帯電防止性と
印刷適性の改良が特に要望されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、印刷適性、
インキ接着性が良好で、耐引っかき性、鉛筆筆記性が良
好な印刷用樹脂被覆紙を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明の印刷用樹脂
被覆紙を発明するに至った。
【0009】即ち、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、天然
パルプを主成分とする紙を基紙として、それに少なくと
も1層のポリオレフィン樹脂と顔料を含有するポリオレ
フィン樹脂組成物を被覆した印刷用樹脂被覆紙であっ
て、基紙とポリオレフィン樹脂組成物とに帯電防止剤を
含有する事を特徴とするものである。
【0010】又、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、ポリオ
レフィン樹脂組成物に下記化5(一般式1)又は化6
(一般式2)で表される化合物を少なくとも1種類含有
する事を特徴とするものである。
【0011】
【化5】 式中R1は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
し、R2は炭素原子数が7から22のアルキル基を表
す。mとnは自然数を表し、mとnの和は2から20の
範囲である。
【0012】
【化6】 式中R3 は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
し、pとqは自然数を表し、pとqの和は2から20の
範囲である。
【0013】又、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、ポリオ
レフィン樹脂組成物の顔料として二酸化チタン又は炭酸
カルシウムの少なくとも1種類を含有する事を特徴とす
るものである。
【0014】又、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、ポリオ
レフィン樹脂組成物の少なくとも最外層に、上記一般式
1及び一般式2で表される化合物を少なくとも1種類づ
つ併用して含有する事を特徴とするものである。
【0015】又、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、少なく
とも最外層のポリオレフィン樹脂がポリプロピレン系樹
脂である事を特徴とするものである。
【0016】以下、本発明の印刷用樹脂被覆紙及びその
製造方法について、詳細に説明する。
【0017】本発明のポリオレフィン樹脂としては、例
えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポ
リ−1−ブテン系樹脂、ポリ−4−メチル−1−ペンテ
ン系樹脂等、及び1−オレフィン相互共重合体、カルボ
キシル変性ポリエチレン、カルボクシル変性ポリプロピ
レン等の変性ポリオレフィンが挙げられる。
【0018】また、本発明の天然パルプを主成分とする
基紙としては、表面抵抗率が1012Ω以下のものが好ま
しく、109 Ω以下のものが更に好ましい。ここで、表
面抵抗率(単位:Ω)は、JIS K6911に準拠す
る計算式で算出されるものであり、具体的には、横河・
ヒューレット・パッカード株式会社製の4329A型絶
縁抵抗計(HIGH RESISTANCE METER)と16008A型
電極(RESITIVITY CELL)を用いて、充電時間30秒で
取扱説明書に準じて測定、算出して求めることが出来
る。
【0019】表面抵抗率が1012Ω以下である基紙は、
以下の方法により得ることが出来る。具体的には、基
紙中に帯電防止剤を内添により含有させる。基紙中又
は基紙上に導電性添加剤をサイズプレスもしくはタブサ
イズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工な
どの塗工によって含有あるいは塗設せしめる。基紙中
の水分を乾燥ゾーンで調整し、基紙の水分含率を6重量
%以上、好ましくは10重量%未満に調整する。
【0020】本発明の実施に好ましく用いられる帯電防
止剤としては、無機帯電防止剤として、例えば、塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、硫酸ソーダ等
のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等の
アルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ、コロイド状ア
ルミナ等のコロイド状金属酸化物、酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の導電性微粒子金属酸化物等、また有機
帯電防止剤として、上記一般式1及び一般式2の化合物
の他に、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルクルアミド、グリセリン脂肪酸エステル
や、ポリエチレンスルフォン酸ソーダ、スチレン・無水
マレイン酸ソーダ、ポリ(2−アクリルアミド−2−メ
チルスルフォン酸ソーダ)、ポリビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクラロイド、スルファミン酸ソーダ等
の有機塩類等を挙げることができる。基紙中へのこれら
の帯電防止剤の含有量または塗設量としては、基紙を構
成するパルプ、基紙の厚味、他の添加剤の種類や含有
量、その他基紙の性質等によって適宜調整され、特に制
限されるものではないが、一般的には0.01〜 6g/m2
の範囲が有用であり、0.1〜4g/m2の範囲が好まし
い。
【0021】本発明の一般式1で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明を制限するものではない。
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】
【化13】
【0029】
【化14】
【0030】
【化15】
【0031】
【化16】
【0032】
【化17】
【0033】
【化18】
【0034】
【化19】
【0035】
【化20】
【0036】
【化21】
【0037】
【化22】
【0038】
【化23】
【0039】
【化24】
【0040】
【化25】
【0041】
【化26】
【0042】
【化27】
【0043】
【化28】
【0044】
【化29】
【0045】
【化30】
【0046】
【化31】
【0047】
【化32】
【0048】
【化33】
【0049】
【化34】
【0050】本発明の一般式2で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明を制限するものではない。
【0051】
【化35】
【0052】
【化36】
【0053】
【化37】
【0054】
【化38】
【0055】
【化39】
【0056】
【化40】
【0057】
【化41】
【0058】
【化42】
【0059】
【化43】
【0060】
【化44】
【0061】
【化45】
【0062】
【化46】
【0063】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、手触り感、腰等を考慮に入
れると20〜300μmが好ましく、本発明の効果が顕
著に発揮される点で40〜200μmが更に好ましい。
【0064】本発明の実施に用いられる基紙を構成する
天然パルプとしては、短繊維で平滑性の出やすい広葉樹
パルプを多く用いる。具体的には、例えば、特開昭60-6
9649号公報に記載もしくは例示の広葉樹パルプを60重
量%以上、好ましくは75重量%以上用いる。天然パル
プは塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白
処理並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理および必
要に応じて過酸化水素、酸素、オゾンなどによる酸化漂
白処理など、及びそれらの組み合わせ処理を施した針葉
樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木
材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サルファ
イトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いるこ
とができる。
【0065】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩あるいは/及び
脂肪酸、特公昭62-7534号公報に記載もしくは例示のア
ルキルケテンダイマー乳化物あるいは/及びエポキシ化
高級脂肪酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸
無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤とし
て、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植
物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリ
アミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料とし
て、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン
等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の
水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソー
ダ、炭酸ソーダ、硫酸等、前記した導電性添加剤、その
他特開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に
記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤な
どを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0066】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、前記した帯電防止剤の他、各種の水
溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテック
ス、添加剤から成る組成物をサイズプレスもしくはタブ
サイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工
などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることがで
きる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、
特開平1-266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリ
マー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポ
リマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルローズ系
ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石
油樹脂エマルジョン、特開昭55-4027号 公報、特開平1-
180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル
酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする
共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン
−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−
アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メ
チルメタクリレート系共重合体及びそれらのカルボキシ
変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、顔
料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タル
ク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤とし
て、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほ
か前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加
剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0067】ポリオレフィン樹脂組成物に含有する帯電
防止剤は、前述の各種の帯電防止剤が用いられるが、ラ
ミネート時のダイリップ汚れ、製膜性等の問題から有機
帯電防止剤が好ましく使用され、特に上記一般式1又は
一般式2の化合物が好ましく使用される。
【0068】本発明のポリオレフィン樹脂組成物に含有
する帯電防止剤の添加量は添加する層のポリオレフィン
樹脂100重量部に対して0.05〜4重量部であるの
が好ましい。より好ましくは0.05〜2重量部であ
る。0.05重量部より少ないと帯電防止効果が少な
く、4重量部より多いとポリオレフィン樹脂組成物のラ
ミネート時に発煙が大きくなり、インキ接着性も低下す
るようになる。
【0069】本発明の印刷用樹脂被覆紙は、基紙とポリ
オレフィン樹脂組成物に帯電防止剤を含有含するもので
ある。帯電防止剤を含有させた基紙を使用する事によ
り、ポリオレフィン樹脂組成物だけに添加するよりも相
乗的に帯電防止性が得られる為、ポリオレフィン樹脂組
成物に含有させる特定の帯電防止剤の量を大幅に減らせ
る事が出来る。ポリオレフィン樹脂組成物に多量の帯電
防止剤を添加すれば発煙の問題や、ラミネートリップ口
の汚れ、被覆紙のインキ接着性の低下の問題が発生する
為、ポリオレフィン樹脂組成物中の帯電防止剤添加量を
減らせる本発明のメリットは大きい。
【0070】本発明における印刷用樹脂被覆紙の樹脂層
中には、印刷画像のシャープ感乃至鮮鋭性の改良、鉛筆
加筆性の付与、印刷インクの受容性の改良等のために、
白色顔料、好ましくは二酸化チタン顔料または炭酸カル
シウム顔料、更に好ましくはそれらを併用して含有せし
めるのが好ましい。それらの具体例としては、二酸化チ
タン顔料としては、特公昭60-3430号公報、特公昭63-11
655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-38292号公
報、特開平1-105245号公報、特開昭57-116339号公報等
に記載もしくは例示の二酸化チタン顔料、炭酸カルシウ
ム顔料としては、特開昭57-116339号公報、特開平2-333
99号公報等に記載もしくは例示の炭酸カルシウム顔料を
あげることが出来る。
【0071】具体的には、二酸化チタンとしてはルチル
型やアナターゼ型が使用され、電子顕微鏡による定方向
測定での平均粒子サイズが0.08〜0.5μmである
ことが好ましい。アルミナやシリカによる表面処理、脂
肪酸金属塩等の有機物による表面処理品が好ましく使用
出来る。炭酸カルシウムとしては重質炭酸カルシウム、
軽質合成炭酸カルシウムで平均粒子サイズが0.15〜
5μmが好ましい。他の無機顔料としてはタルク、クレ
ー、カオリン、酸化亜鉛、酸化珪素、シリカ等が挙げら
れる。又、無機顔料の樹脂中への分散性向上の為に脂肪
酸塩、ワックス等を添加か表面処理することも出来る。
一般的には、無機顔料は含有されるポリオレフィン樹脂
層の5〜50重量%である。好ましくは10〜20重量
%である。ここで、5重量%未満では、インキ接着性向
上効果、鉛筆筆記性、印刷画像のシャープ性が劣り、
又、50重量%を超えて多いと樹脂被覆層の平滑性、印
刷上がりに劣るようになる。
【0072】本発明におけるポリオレフィン樹脂組成物
に含まれる樹脂としては、各種のポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブチレン以外にポリエチレンテレフタレ
ート等及びそれらの共重合体を本発明の効果を損なわな
いかぎりで使用出来る。又、ポリオレフィン樹脂組成物
中には、各種の添加剤を含有することが出来る。例え
ば、無機顔料以外に、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、
ポリオルガノシロキサン等の有機シリコン化合物等、酸
化防止剤として、ヒンダードフェノール化合物等、着色
顔料として、コバルトブルー、群青等、蛍光増白剤等を
適宜含有することが出来る。
【0073】本発明におけるポリオレフィン樹脂層は、
ポリオレフィン樹脂組成物をスリットダイからフィルム
状に溶融押出塗工して製造される。その際の溶融押出温
度は、180〜350℃の範囲でポリオレフィン樹脂組
成物により適宜選択される。スリットダイとしては、T
ダイ、Lダイ、フィシュティル型ダイ等が好ましく用い
られる。樹脂組成物を基紙に塗工する前に、基紙にコロ
ナ放電、オゾン処理、火炎処理等の活性化処理を施すの
が好ましい。ポリオレフィン樹脂層の厚さは特に制限は
無いが、10〜50μm程度が一般的である。ポリオレ
フィン樹脂層を2層以上にする事も可能である。
【0074】本発明では、一般的に、基紙にポリオレフ
ィン樹脂組成物を溶融押出で塗工した直後に、表面が5
〜25℃程度の冷却ロールと加圧ロール間を10〜50
kg/cm程度の加圧で通し、樹脂面を冷却ロール表面
に密着させることにより、樹脂層表面を冷却して樹脂層
表面の平滑性、樹脂層と原紙との密着性を向上させる。
【0075】本発明の印刷用樹脂被覆紙の表面にインキ
接着性向上の目的でコロナ処理を行う事も可能である。
コロナ処理としては例えば誘電体ロールとして金属ロー
ル表面に絶縁性被覆層を有するロール電極、又はアース
ロールを用いたコロナ放電処理による。通常は放電電極
とアースロールの間に樹脂被覆紙を搬送し、数千Hz以
上の高周波、数千V以上の高電圧の発生装置により放電
電極よりアースロールに向けて放電させてコロナ処理す
るのが一般的である。放電電極と樹脂被覆紙表面との間
隔は15mm以下が好ましい。
【0076】印刷用樹脂被覆紙の表面抵抗値が1×10
12Ω以下であれば印刷時の紙の重送問題等の帯電による
問題が回避され、好ましい。
【0077】本発明の印刷用樹脂被覆紙の印刷にはオフ
セット、グラビア、凸版等各種の印刷インキが使用され
るが、ポリオレフィン樹脂フィルムや合成紙用のインキ
を使用するのが好ましい。
【0078】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の部及び%は、それぞれ重量部及び重量
%を示す。なお、実施例6で使用した化合物Aは、ステ
アリン酸モノグリセライドである。
【0079】実施例1 広葉樹漂白サルファイトパルプ70%、広葉樹漂白クラ
フトパルプ30%から成る混合パルプ(密度0.74g
/cm3)をJISP−8121によるカナダ式ろ水度
を300mlになるように叩解後、パルプ100部に対
して、カチオン澱粉を3部、アニオン化ポリアクリルア
ミドを0.2部、アルキルケテンダイマー乳化物を樹脂
分として0.4部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂
を0.4部、及び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色
染料を添加した紙料スラリーを調整した。それを用いて
抄紙機で適当なタービュレンスを与えながら紙匹を形成
し、ウエットプレスを行った後、スムージングロールで
処理し、乾燥パートで緊度プレスを行った後乾燥した。
その後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコ
ール4部、蛍光増白剤0.05部、青色染料0.002
部、塩化ナトリウム4部及び水91.948部より成る
サイズプレス液をサイズプレスして最終的に得られる基
紙中の塩化ナトリウム量が基紙の1.2重量%であり、
水分が絶乾水分で8%になるように乾燥した。その後マ
シンカレンダー処理した後、温度150℃での熱カレン
ダー処理により、坪量180g/m2、密度1.05g
/cm3の基紙を得た。20℃、65%RHでの表面抵
抗値は7×109Ωであった。
【0080】次に、基紙の裏面にコロナ処理後、高密度
ポリエチレン(密度:0.962g/cm3)と低密度ポリ
エチレン(密度:0.926g/cm3)の比が50:50
の混合物を塗布量30g/m2になるように速度200
m/分、300℃で溶融押出コーティングした。更にポ
リオレフィン樹脂組成物としてポリプロピレン(密度
0.920g/cm3、メルトインデックス20g/1
0分、メルトテンション0.5g)80重量%を溶融状
態にして炭酸カルシウム(平均粒子サイズ2μmの重質
炭酸カルシウム)13重量%と二酸化チタン(平均粒子
サイズ0.2μm)5重量%、および一般式1として化
12の化合物を0.6重量%と一般式2として化35の
化合物を0.6重量%添加混合し、ペレットを作成し
た。そのペレットにより基紙の表面にコロナ処理後、塗
布量30g/m2になるように速度200m/分、28
0℃で溶融押出コーティング、加圧ロールとの線圧30
kg/cmで冷却水温度が15℃の冷却ロ−ル処理をし
て、基紙の表面にポリオレフィン樹脂被覆層を設け、本
発明の印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0081】実施例2 実施例1で表面のポリオレフィン樹脂組成物として化1
2の化合物を0.4重量%、化35の化合物を0.2重
量%、ポリプロピレン樹脂を84.2重量%、二酸化チ
タンを15重量%とし、炭酸カルシウムを抜いた以外は
同様にして印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0082】実施例3 実施例1で表面のポリオレフィン樹脂組成物として、化
12の化合物を2重量%、化35の化合物を抜き、ポリ
プロピレン樹脂を80重量%、二酸化チタンを5重量
%、炭酸カルシウムを13重量%とした以外は同様にし
て印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0083】実施例4 実施例1の基紙の表面のポリオレフィン樹脂組成物のポ
リプロピレンに代えて高密度ポリエチレン(密度0.9
55g/cm3、メルトインデックス8g/10分、メ
ルトテンション1.2g)を用いた以外は同様にして印
刷用樹脂被覆紙を得た。
【0084】実施例5 実施例1で表面のポリオレフィン樹脂組成物として一般
式1の化12の化合物を化25の化合物に、一般式2の
化35の化合物を化38の化合物に代えた以外は同様に
して印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0085】実施例6 実施例1でポリオレフィン樹脂組成物の化12の化合物
を抜き、化35の化合物を1.0重量%とした以外は同
様にして印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0086】実施例7 実施例1で基紙を作成時にサイズプレス液の組成として
塩化ナトリウム4部に代えてコロイド状シリカ(日産化
学株式会社製、商品名スノーテックスC)を用いた以外
は同様にして基紙を得、印刷用樹脂被覆紙を得た。基紙
の表面抵抗値は8×109Ωであった。
【0087】実施例8 実施例1でポリオレフィン樹脂組成物の化12の化合
物、化35の化合物を抜き、化合物A(ステアリン酸モ
ノグリセライド)を1.0重量%用いた以外は同様にし
て印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0088】実施例9 実施例1でポリオレフィン樹脂組成物の炭酸カルシウム
と二酸化チタンを抜き、タルク(平均粒子サイズ2μ
m)を18重量%にした以外は同様にして印刷用樹脂被
覆紙を得た。
【0089】比較例1 実施例1でポリオレフィン樹脂組成物の化12の化合物
と化35の化合物を除いた以外は同様にして印刷用樹脂
被覆紙を得た。
【0090】比較例2 実施例1で基紙作成時のサイズプレス液の塩化ナトリウ
ムを抜いた以外は同様にして印刷用樹脂被覆紙を得た。
【0091】比較例3 実施例1で基紙の作成時のサイズプレス液の塩化ナトリ
ウムを抜き、ポリオレフィン樹脂組成物の化12の化合
物を2重量%、化35の化合物を2重量%、炭酸カルシ
ウムを13重量%、二酸化チタンを5重量%、ポリプロ
ピレンを78重量%とした以外は同様にして印刷用樹脂
組成物を得た。
【0092】以上、実施例1〜9、比較例1〜3で得ら
れた印刷用樹脂被覆紙の表面抵抗値、インキ接着性及び
印刷適性を以下の方法で評価した。表1に基紙、及びポ
リオレフィン樹脂組成物の主要な組成を示し、表2には
評価結果を示す。表中の塩化Naは塩化ナトリウム、炭
酸Caは炭酸カルシウム、TiOは二酸化チタン、シリ
カはコロイダルシリカを示す。尚、2Hの鉛筆での引っ
かき性は実施例4の樹脂被覆紙が若干劣り、実使用下限
の他は良好であった。
【0093】〈表面抵抗値〉JIS K6911に準拠
する計算式で算出されるものであり、具体的には、横河
・ヒューレット・パッカード株式会社製の4329A型
絶縁抵抗計(HIGH RESISTANCE METER)と16008A
型電極(RESITIVITY CELL)を用いて、作成後常温で1
週間経時後の樹脂被覆紙を20℃、65%RHの雰囲気
で測定、算出して求めた。
【0094】〈インキ接着性〉印刷用樹脂被覆紙の表面
に合成紙用オフセットインキ(東洋インキ(株)製、T
SP−400)によりRC印刷機で印刷し、20℃、6
5%RHで24時間放置後、セロテープを印刷面に強く
はりつけ、一気に剥した。インキの剥がれ方を目視で評
価した。○:インキ剥離無し。△:インキ剥離有り。×
インキが抵抗無く剥離する。
【0095】〈印刷適性〉ローランドオフセット印刷機
でA3を8000枚印刷時に重送で停機した回数。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】表2より明らかなように、本発明の実施例
1〜9の印刷用樹脂被覆紙は、インキ接着性、印刷適性
に優れていた。一方、比較例1〜3の印刷用樹脂被覆紙
は、インキ接着性か印刷適性に劣った。特に比較例1は
両者が劣った。
【0099】
【発明の効果】本発明の印刷用樹脂被覆紙は、インキ接
着性、印刷適性及び引っかき性に優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基紙とし
    て、それに少なくとも1層のポリオレフィン樹脂と顔料
    を含有するポリオレフィン樹脂組成物を被覆した印刷用
    樹脂被覆紙において、基紙とポリオレフィン樹脂組成物
    に帯電防止剤を含有する事を特徴とする印刷用樹脂被覆
    紙。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂組成物の帯電防止剤
    として、下記化1(一般式1)又は化2(一般式2)で
    表される化合物を少なくとも1種類含有する事を特徴と
    する請求項1記載の印刷用樹脂被覆紙。 【化1】 式中R1は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
    し、R2は炭素原子数が7から22のアルキル基を表
    す。mとnは自然数を表し、mとnの和は2から20の
    範囲である。 【化2】 式中R3は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
    し、pとqは自然数を表し、pとqの和は2から20の
    範囲である。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン樹脂組成物の顔料が、二
    酸化チタン又は炭酸カルシウムの少なくとも一種類であ
    る事を特徴とする請求項1又は2記載の印刷用樹脂被覆
    紙。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン樹脂組成物に、下記化3
    (一般式1)と化4(一般式2)で表される化合物を少
    なくとも一種類づつ併用して含有する事を特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項記載の印刷用樹脂被覆紙。 【化3】 式中R1は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
    し、R2は炭素原子数が7から22のアルキル基を表
    す。mとnは自然数を表し、mとnの和は2から20の
    範囲である。 【化4】 式中R3は炭素原子数が8から22のアルキル基を表
    し、 pとqは自然数を表し、pとqの和は2から20
    の範囲である。
  5. 【請求項5】 少なくとも最外層のポリオレフィン樹脂
    が、ポリプロピレン系樹脂である事を特徴とする請求項
    1〜4のいずれか1項記載の印刷用樹脂被覆紙。
JP6082695A 1995-03-20 1995-03-20 印刷用樹脂被覆紙 Pending JPH08260399A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082695A JPH08260399A (ja) 1995-03-20 1995-03-20 印刷用樹脂被覆紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6082695A JPH08260399A (ja) 1995-03-20 1995-03-20 印刷用樹脂被覆紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08260399A true JPH08260399A (ja) 1996-10-08

Family

ID=13153554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6082695A Pending JPH08260399A (ja) 1995-03-20 1995-03-20 印刷用樹脂被覆紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08260399A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5328749A (en) Resin-coated paper
JP2008522052A (ja) インクジェット画像支持媒体のためのシステム及び方法
US20150140237A1 (en) Receiving Layer for Digital Printing Methods Having Nanofibrillated Cellulose
CA2642924C (en) Support material for recording layer
JPH08260399A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JP2004149952A (ja) 記録材料用支持体
JPH09158086A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH09188999A (ja) グラビア印刷用樹脂被覆紙
JPH0527364A (ja) 紙粉などの発生のない写真印画紙用支持体
JPH0959898A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH08218297A (ja) 印刷用樹脂被覆紙及びその製造方法
US20030232180A1 (en) Support for image recording material
JP2899147B2 (ja) 写真用支持体の製造方法
JPH08128000A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH07189187A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH01267090A (ja) 熱転写受容シート
JPH07189186A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JPH09109339A (ja) 印刷用樹脂被覆紙
JP2005017843A (ja) 電子写真用受像紙
JP2006336158A (ja) キャスト塗被紙
JP3707819B2 (ja) 画像材料用支持体
JP3573870B2 (ja) 写真材料
JPH08252986A (ja) 刷版材料
JPH0258043A (ja) 写真印画紙用支持体
JP2004294920A (ja) 樹脂被覆型画像記録用支持体