JPH08128000A - 印刷用樹脂被覆紙 - Google Patents

印刷用樹脂被覆紙

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JPH08128000A
JPH08128000A JP6267035A JP26703594A JPH08128000A JP H08128000 A JPH08128000 A JP H08128000A JP 6267035 A JP6267035 A JP 6267035A JP 26703594 A JP26703594 A JP 26703594A JP H08128000 A JPH08128000 A JP H08128000A
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JP
Japan
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resin
paper
pulp
printing
coated
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JP6267035A
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English (en)
Inventor
Kengo Yamane
憲吾 山根
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基紙に再生パルプを含有した印刷用樹脂被覆
紙を提供する。 【構成】 紙を基質として、その一方の紙基質面がポリ
オレフィン樹脂で被覆され、その反対側の紙基質面がフ
ィルム形成能ある樹脂で被覆された印刷用樹脂被覆紙に
おいて、ポリオレフィン樹脂層中に無機顔料を10〜8
0重量%含有し、基質たる紙が全パルプ組成中に古紙を
原料とする再生パルプを10重量%以上含有し、且つ該
再生パルプの白色度が70%以上であることを特徴とす
る印刷用樹脂被覆紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙を基質として、その
一方の紙基質(以下、基紙と言う)面がポリオレフィン
樹脂で被覆され、その反対側の基紙面がフィルム形成能
ある樹脂で被覆された印刷用樹脂被覆紙に関するもので
あり、特に印刷部の印刷抜けや濃度むらの発生がない印
刷用樹脂被覆紙に関するものであり、更に印刷後の見た
目の光沢感に優れた光沢調の印刷用樹脂被覆紙に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然パルプを主成分とする紙を基
質としたポリプロピレン系樹脂被覆紙についていくつか
の技術提案がある。米国特許第4,999,335号に
は、ポリエチレン樹脂とポリプロピレン樹脂とのブレン
ドから成り、ポリエチレン樹脂:ポリプロピレン系樹脂
の重量比率が4:1〜1:99である樹脂で基紙を被覆
した樹脂被覆紙を支持体とする熱転写記録受像要素が提
案されている。しかし、該技術による樹脂被覆紙は、平
滑性が悪く、特にポリプロピレン樹脂の全樹脂に対する
重量比率が70重量%以上になると平滑性が極めて悪く
なるものであり、該樹脂被覆紙を支持体とする熱転写記
録受像材料は、印字部の転写抜けと濃度むらの発生が大
きく、問題があるものであった。
【0003】また、特開平2−33399号公報には、
無機充填剤20〜80重量%を含有するポリプロピレン
系樹脂で基紙を被覆した印刷用途のための樹脂被覆紙が
提案されている。しかし、該技術を用いた樹脂被覆紙は
印刷性が極めて悪いものであり、印刷を行った場合には
印刷部が白く抜ける印刷抜けと印刷濃度むら(以下、単
に印刷抜けと濃度むらと言う)の発生が極めて大きく、
問題があるものであった。
【0004】また、特開昭57−116339号公報に
は、二酸化チタン顔料15〜20重量%に付加してアル
カリ土類金属の酸化物及び/又は炭酸塩0.05〜30
重量%を含有するポリオレフィン樹脂で基紙を被覆した
写真用樹脂被覆紙が提案されているが、該技術を用いた
ポリエチレン樹脂被覆紙又はポリプロピレン樹脂被覆紙
は、やはり極めて印刷抜けと濃度むらが悪いものであっ
た。
【0005】さらに、基紙、特に天然パルプを主成分と
する基紙の印刷部を設ける側の面をポリオレフィン樹脂
で被覆した印刷用樹脂被覆紙には、印刷後の見た目の光
沢感の高いものが得られないという問題点があった。印
刷後の見た目の光沢感と樹脂被覆紙の要因については現
時点で全く明らかでないけれども、特開昭58−680
37号公報に、42メッシュスクリーン残留分が20〜
45重量%のパルプ繊維からなる紙を基質とする平滑な
ポリエチレン樹脂被覆紙の提案がある。しかしながら、
該技術を用いても印刷後の高い見た目の光沢感を得るこ
とについては、極めて不十分であった。
【0006】また、近年、資源保護とともに都市ごみに
含まれる紙類が、特にクローズアップされている。そし
て、一般家庭やオフィスから出される紙は都市ごみ量の
増加に拍車をかけている。そのため、こうしたごみとし
て出される紙を回収し、原料として使用することが望ま
れている。また、再生パルプは古紙からの再生であり、
本来のパルプ製造工程が殆ど不要となり、エネルギーの
節約ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、印刷用樹脂被覆紙を製造した場合に、印刷抜
けや濃度むらの発生がない基紙に再生パルプを含有した
印刷用樹脂被覆紙を提供することである。また、発明の
第二の目的は、印刷後の高い見た目の光沢感を与える光
沢調の印刷用樹脂被覆紙を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決するために鋭意検討の結果、本発明の印刷用樹脂
被覆紙を発明するに至った。
【0009】即ち、本発明の印刷用樹脂被覆紙は、紙を
基質として、その一方の紙基質面がポリオレフィン樹脂
で被覆され、その反対側の紙基質面がフィルム形成能あ
る樹脂で被覆された印刷用樹脂被覆紙において、該ポリ
オレフィン樹脂層中に無機顔料10〜80重量%含有
し、基質たる紙が全パルプ組成中に古紙を原料とする再
生パルプを10重量%以上含有し、且つ該再生パルプの
白色度が70%以上とすることによって達成された。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明の印刷用樹脂被覆紙の基紙は、再生
パルプを全パルプ組成中に特定量含有する紙である。再
生パルプは、回収された古紙から脱墨、除塵、洗浄、漂
白等の工程を経て得られるものであり、所謂バージンパ
ルプに比べて繊維間結合形成能力が低いものである。こ
のことは、紙の引張り強さの低下を引起こしているが、
抄紙した紙の平滑性を良化し、印刷用樹脂被覆紙には好
ましいものとなる。
【0012】しかしながら、通常の古紙を原料とする再
生パルプを混入した基紙を用いた場合には、印刷後の白
地を着色させ商品価値を損ねてしまうことが多い。これ
に対しては、本発明の如く、白色度が70%以上の再生
パルプを混入した再生紙を用いることによって、著しく
改良され、印刷用樹脂被覆紙としての機能を充分発揮で
きる。
【0013】高白色度の再生パルプを得るための処理設
備のフローとしては、例えば、次の2つがある。
【0014】フロー1:原料新聞古紙の離解を行い、離
解を終了したのちに希釈し、フローテーションを行い、
離解で剥離したインキを分離する。次に、剥離している
残留インキを更に洗浄によって分離したのち、脱水濃縮
を行い、30%前後の濃度に濃縮後、アルカリを加えて
ニーディング(攪拌を兼ねている)を行い、未剥離のイ
ンキを剥離する。ニーディング、攪拌を終了したのち、
所定の時間滞留し熟成をなす。熟成を終了したのちに1
%程に希釈し、フローテーションを行い、ニーディン
グ、熟成で剥離したインキを分離する。フローテーショ
ンを終了したパルプからスクリーン、クリーナー等で異
物を分離する。更に、フローテーションで分離できなか
った剥離インキは再洗浄によって除去する。再洗浄を終
了したパルプは、30%前後に濃縮し、再びニーディン
グを行う。このときも先のニーディングと同様にニーデ
ィングに先だって漂白薬品を添加し、ニーディングと共
に薬品の攪拌効果を得るようにする。再ニーディングを
終了したパルプは、再び2時間程の漂白反応を行う。再
漂白を終了したパルプを最終洗浄することによって全工
程は終了する。[紙パ技協紙、1990/9、p21〜
36、上質系古紙より広葉樹漂白クラフトパルプに代替
できる脱墨パルプの製造]
【0015】フロー2:原料古紙の離解を行い、次に剥
離してきたインキを洗浄によって分離したのち、10%
濃度に濃縮後、パルプを反応塔に2時間滞留し熟成反応
をなす。その後、更に脱水濃縮を行い、30%程に濃縮
し、脱墨剤を加えてニーディングを行い、未剥離のイン
キを剥離する。ニーディングを終了したのちに1%前後
に希釈し、フローテーションを行い、熟成、ニーディン
グで剥離したインキを分離する。フローテーションを終
了したパルプからスクリーン、クリーナー等で異物を分
離する。更に、フローテーションで分離できなかった剥
離インキは再洗浄によって除去する。再洗浄を終了した
パルプは、10%に濃縮脱水し、漂白薬品を添加後攪拌
を行い、パルプを反応塔に2時間前後滞留し漂白反応を
行う。漂白を終了したパルプを最終洗浄することによっ
て全工程は終了する。[アルファ、1990/7、p1
2〜18、上質紙系への古紙利用上の若干の留意点]
【0016】本発明においては、紙を構成するパルプの
うちの10重量%以上を再生パルプとし、特に20重量
%以上、更には30重量%以上を再生パルプとするのが
好ましい。再生パルプ以外に使用する、所謂バージンパ
ルプとしては木材パルプを用いるのが好ましく、特に化
学パルプを用いるのが好ましい。再生パルプの配合によ
って、化学パルプ100%からなる紙に比較して微細繊
維(ファイン)が多量に存在し、平滑度が向上するもの
と推定される。故に、再生パルプ10重量%未満では充
分な改良効果が期待できない。
【0017】本発明の実施に用いられる基紙中には、紙
料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることが
できる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩または脂肪酸、
特公昭62−7534号公報に記載もしくは例示のアル
キルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪
酸アミド、アルケニルまたはアルキルコハク酸無水物乳
化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオ
ン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、
ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラク
トマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリ
アミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレ
ー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤
として、塩化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アル
ミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソ
ーダ、硫酸等を、その他特開昭63−204251号公
報、特開平1−266537号公報等に記載もしくは例
示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合
せて含有せしめるのが有利である。
【0018】また、本発明の実施に用いられる基紙中あ
るいは基紙上には、各種の水溶性ポリマー、帯電防止
剤、添加剤から成る組成物をサイズプレスもしくはタブ
サイズプレスあるいはブレード塗工、エアナイフ塗工な
どの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができ
る。水溶性ポリマーとして、特開平1−266537号
公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニル
アルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアク
リルアミド系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、帯
電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のア
ルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアル
カリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属
酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤
など、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エ
マルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−
180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとア
クリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素
とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、ス
チレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビ
ニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエ
ン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれらのカル
ボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス
等、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、
タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤と
して、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、その
ほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添
加剤を適宜組み合わせて含有せしめるのが有利である。
【0019】本発明の実施に用いられる基紙は、一般に
長網抄紙機を用いて抄造される。また、基紙の厚みは特
に制限するものではないが、手触り感等を考慮に入れる
と20〜250μmが好ましく、30〜200μmが更
に好ましい。
【0020】また、紙には、平滑度の向上を目的とし
て、抄紙機でのオンマシンカレンダーまたは抄紙後のス
ーパーカレンダー、特開昭60−126397号公報に
記載の熱カレンダー、あるいは特開平4−110939
号公報に記載の熱ソフトカレンダーのようなカレンダー
処理を実施することが好ましい。
【0021】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙の
印刷を設ける側(以下、表面と略す)の面はポリオレフ
ィン樹脂で被覆される。それらのポリオレフィン樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、
ポリペンテン等のホモポリマー、エチレン−ブチレン共
重合体などのα−オレフィンの2つ以上から成る共重合
体及びこれらの混合物であるが、特に溶融押し出しコー
ティング性および基紙との接着性の点からポリエチレン
系樹脂が特に好ましい。それらのポリエチレン系樹脂と
しては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレ
ンとプロピレン、ブチレン等のα−オレフィンとの共重
合体、カルボキシ変性ポリエチレン等又はこれらの混合
物であり、各種の密度、メルトフローレート(以下、単
にMFRと略す)、分子量、分子量分布のものを使用で
きるが、通常、密度0.90〜0.97g/cm3の範囲、
MFR0.1〜50g/10分、好ましくは、MFR
0.3〜40g/10分の範囲のものを単独にあるいは
混合して有利に使用できる。また、樹脂が多層構成の場
合、最外層の樹脂として、例えば、MFR5〜20g/
10分のもの、下層の樹脂として、例えば、MFR2〜
10g/10分のものを使用するなど別の性質、構成の
樹脂を使用することもできる。
【0022】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙の
印刷を設ける側とは反対側(以下、裏側と略す)の面
は、フィルム形成能ある樹脂で被覆される。それらのフ
ィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出
しコーティング性の点から前記したポリオレフィン樹脂
が更に好ましく、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。
また、特公昭60−17104号公報に記載もしくは例
示の電子線硬化樹脂で被覆してもよい。
【0023】本発明における印刷用樹脂被覆紙の基紙面
にコンパウンド樹脂組成物を均一に被覆する方法として
は、走行する基紙上に樹脂組成物を溶融押し出し機を用
いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆
する、所謂溶融押し出しコーティング法によって被覆す
るのが好ましい。具体的には、バレル、ダイ等の温度制
御を行い、ダイオープニングから連続的な樹脂吐出が行
われるようにする。溶融フィルムの温度としては、28
0〜335℃にするのが好ましく、290〜320℃に
するのが更に好ましい。スリットダイとしては、T型ダ
イ、L型ダイ、フィシュテイル型ダイのフラットダイが
好ましく、T型ダイが特に好ましい。スリット開口径と
しては、0.1〜2mmにするのが好ましく、オートフ
レックスダイが特に好ましい。
【0024】また、樹脂組成物を基紙にコーティングす
る前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−4225
4号公報に記載の如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成
物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹
脂層を被覆するのが好ましい。また、表、裏の樹脂層は
逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーティングされ
る、所謂タンデム押し出しコーティング方式で基紙に被
覆されるのが好ましい。また、樹脂層は多層構成にして
もよい。また、樹脂被覆紙の樹脂層面は光沢面、特公昭
62−19732号公報に記載の微粗面、マット面ある
いは絹目面等に加工することができる。
【0025】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表側の
樹脂の被覆厚さとしては、4〜45μmの範囲が有用で
あるが、6〜35μmの範囲が好ましい。樹脂の被覆厚
さが薄過ぎる場合には、樹脂の均一被覆性や樹脂と基紙
の接着性が悪くなったり、印刷用樹脂被覆紙の平滑性が
悪くなる傾向になり、一方、樹脂の厚さが厚過ぎる場合
には、手触り感、紙に近い質感等が損なわれる傾向にな
る。また、印刷用樹脂被覆紙の基紙の裏側の面はフィル
ム形成能ある樹脂で好ましくは被覆されるが、その被覆
厚さとしては表側の樹脂層と、特にカールバランスを取
る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜45μ
mの範囲が有用である。
【0026】本発明における印刷用樹脂被覆紙の表・裏
の樹脂層中には、各種の添加剤を含有せしめることが出
来る。特公昭60−3430号公報、特公昭63−11
655号公報、特公平1−38291号公報、特公平1
−38292号公報、特開平1−105245号公報等
に記載もしくは例示の酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、
炭酸カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、ア
ラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミ
リスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金
属塩、特開平1−105245号公報に記載もしくは例
示のヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、リン
系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブルー、群
青、セリアンブルー、フタロシアニンブルー等のブルー
系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイ
オレット、マンガンバイオレット等のマゼンタ系の顔料
や染料、特開平2−25440号公報に記載もしくは例
示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の添加剤を適宜
組み合わせて含有せしめることが出来る。それらの添加
剤は、樹脂のコンパウンドとして含有せしめるのが好ま
しい。
【0027】本発明における印刷用樹脂被覆紙の裏樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、印刷性、帯電防止性等のために各種の塗
布層を塗設することができる。また、塗布層には、特公
昭52−18020号公報、特公昭57−9059号公
報、特公昭57−53940号公報、特公昭58−56
859号公報、特開昭59−214849号公報、特開
昭58−184144号公報等に記載もしくは例示の無
機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラ
テックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限定されるものではない。
【0029】実施例1及び比較例1針葉樹漂白クラフト
パルプ(LBKP)、広葉樹漂白サルファイトパルプ
(NBSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(LBS
P)、並びに模造を原料とした下記表1に記載した白色
度を有する再生パルプを表1に記載の割合で混合したパ
ルプ組成のものを叩解し、更にパルプ100重量部に対
して、カオチン化澱粉3重量部、アニオン化ポリアクリ
ルアミド0.2重量部、アルキルケテンダイマー乳化剤
(ケテンダイマー分として)0.4重量部、ポリアミノ
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4重量部を添加
し、その後、走行している長網抄紙機にパルプスラリー
をのせ、適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成
し、坪量140g/m2の紙を抄造し、乾燥した。その後、
乾燥の途中で、カルボキシ変性ポリビニルアルコール4
重量部、塩化ナトリウム4重量部、適量の蛍光増白剤と
青色染料、並びに水92重量部からなるサイズプレス液
を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分
が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、マシンカレ
ンダー処理後、更にスーパーカレンダー処理して、印刷
用樹脂被覆紙の基紙を製造した。
【0030】次に、基紙の両面をコロナ放電処理した
後、低密度ポリエチレン樹脂(密度0.92g/cm3、M
I=8.5g/10分)47.5重量%、含水酸化アル
ミニウム(対二酸化チタンに対してAl23分として
0.75重量%)で表面処理したアナタ−ゼ型二酸化チ
タン50重量%とステアリン酸亜鉛2.5重量%からな
る二酸化チタンのマスタ−バッチ20重量部、低密度ポ
リエチレン樹脂(密度0.92g/cm3、MI=6.0g
/10分)47.5重量%、炭酸カルシウム50重量%
とステアリン酸亜鉛2.5重量%からなる炭酸カルシウ
ムのマスタ−バッチ30重量部、低密度ポリエチレン樹
脂(密度0.92g/cm3、MI=4.5g/10分)3
5重量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.97g/c
m3、MI=7.0g/10分)15重量部からなる樹脂
組成物を、樹脂温320℃で25μmの厚さに基紙の両
面を溶融押し出しコーティングした。基紙両面の溶融押
し出しコ−ティングは、逐次押し出しコ−ティングが行
われる、所謂タンデム方式で行われた。また、基紙に接
する側の溶融樹脂組成物面にオゾン含有ガスを吹きつけ
た後に基紙に樹脂層が被覆された。また、該印刷用樹脂
被覆紙の樹脂層面は粗面に加工され、その両面をコロナ
放電処理した。
【0031】その後、コロナ処理した印刷用樹脂被覆紙
について、オフセット印刷試験機によって印刷試験を行
った。印刷インキとして、東洋インキ(株)製TPS3
00の青インキでシアン濃度が0.85になるようにベ
タ印刷し、視覚的に印刷抜けと濃度むらを検定した。得
られた結果を下記表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】なお、表1中の(注1)は以下の通りであ
る。(注1)評価基準としては、以下の通りである。
◎:印刷抜けと濃度むらが全くあるいはほとんどない。
○:印刷抜けと濃度むらが少し認められる。△:ある程
度の印刷抜けと濃度むらが認められるが、実用可能であ
る。×:印刷抜けと濃度むらが認められ、実用上問題が
ある。
【0034】上記表1から明らかなように、全パルプ組
成中に古紙を原料とする再生パルプを10重量%以上含
有し、且つ該再生パルプの白色度が70%以上である紙
を基質とする両側をポリエチレンでコーティングした本
発明における印刷用樹脂被覆紙は、印刷抜けと濃度むら
の問題がない優れたものであることがわかる。また、本
発明における基紙としては、印刷抜けと濃度むらの観点
から白色度が80以上で、全パルプ組成中に古紙を原料
とする再生パルプを20重量%以上含有するものが好ま
しく、30重量%以上のものが更に好ましいことがわか
る。
【0035】実施例2及び比較例2実施例1において、
模造を原料とした再生パルプにかえて色上を原料とした
再生パルプを用いること以外は実施例1と同様に実施し
た。得られた結果を下記表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】なお、表2中の(注1)は上記表1中のそ
れらと同意義である。
【0038】上記表2から明らかな如く実施例1の結果
と同様に、全パルプ組成中に古紙を原料とする再生パル
プを10重量%以上含有し、且つ該再生パルプの白色度
が70%以上である紙を基質とする両側をポリエチレン
でコーティングした本発明における印刷用樹脂被覆紙
は、印刷抜けと濃度むらの問題がない優れたものである
ことがわかる。また、本発明における基紙としては、印
刷抜けと濃度むらの観点から、再生パルプの白色度が8
0%以上で、全パルプ組成中に古紙を原料とする再生パ
ルプを20重量%以上含有するものが好ましく、30重
量%以上のものが更に好ましいことがわかる。
【0039】実施例3実施例1において、印刷用樹脂被
覆紙の樹脂層面を光沢面に加工すること以外は実施例1
と同様に実施し、視覚的に印刷抜けと濃度むら、見た目
の光沢感を検定した。得られた結果を下記表3に示し
た。
【0040】
【表3】
【0041】なお、表3中の(注1)は上記表1中のそ
れらと同意義であり、上記表3中の(注2)は以下の通
りである。(注2)評価基準としては、以下の通りであ
る。◎:見た目の光沢感がかなり高い。○:見た目の光
沢感が高い。△:見た目の光沢感がやや低いが、実用可
能である。×:見た目の光沢感が低く、実用上問題があ
る。
【0042】上記表3から明らかな如く、全パルプ組成
中に古紙を原料とする再生パルプを10重量%以上含有
し、且つ該再生パルプの白色度が70%以上である紙を
基質とする両側をポリエチレンでコーティングした本発
明における光沢調印刷用樹脂被覆紙は、印刷抜けと濃度
むらの問題がなく、印刷後の見た目の光沢感に優れたも
のであることがわかる。また、本発明における基紙とし
ては、印刷抜けと濃度むら及び印刷後の見た目の光沢感
の観点から、再生パルプの白色度が80%以上で、全パ
ルプ組成中に古紙を原料とする再生パルプを20重量%
以上含有するものが好ましく、30重量%以上のものが
更に好ましいことがわかる。
【0043】実施例4及び比較例4実施例1において、
使用した低密度ポリエチレン樹脂及び高密度ポリエチレ
ン樹脂の代わりにポリプロピレン樹脂(密度0.90g
/cm3、MI=20.0g/10分)を使用して樹脂温
290℃で溶融押し出しコ−ティングすること以外は実
施例1と同様に実施した。得られた結果を下記表4に示
した。
【0044】
【表4】
【0045】なお、表4中の(注1)は上記表1中のそ
れらと同意義である。
【0046】上記表4から明らかなように、全パルプ組
成中に古紙を原料とする再生パルプを10重量%以上含
有し、且つ該再生パルプの白色度が70%以上である紙
を基質とする両側をポリプロピレンでコーティングした
本発明における印刷用樹脂被覆紙は、印刷抜けと濃度む
らの問題がない優れたものであることがわかる。また、
本発明における基紙としては、印刷抜けと濃度むらの観
点から白色度が80%以上で、全パルプ組成中に古紙を
原料とする再生パルプを20重量%以上含有するものが
好ましく、30重量%以上のものが更に好ましいことが
わかる。
【0047】
【発明の効果】本発明により、印刷後の高い見た目の光
沢感を与え、印刷抜けと濃度むらの発生がない、印刷用
途の優れた基紙に再生パルプを含有した印刷用樹脂被覆
紙を提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41M 5/40 D21H 19/36 D21H 1/22 Z

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を基質として、その一方の紙基質面が
    ポリオレフィン樹脂で被覆され、その反対側の紙基質面
    がフィルム形成能ある樹脂で被覆された印刷用樹脂被覆
    紙において、該ポリオレフィン樹脂層中に無機顔料を1
    0〜80重量%含有し、基質たる紙が全パルプ組成中に
    古紙を原料とする再生パルプを10重量%以上含有し、
    且つ該再生パルプの白色度が70%以上であることを特
    徴とする印刷用樹脂被覆紙。
JP6267035A 1994-10-31 1994-10-31 印刷用樹脂被覆紙 Pending JPH08128000A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257623A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Nippon Paper Industries Co Ltd 積層シート
JP2012512073A (ja) * 2008-12-15 2012-05-31 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 画像形成可能な物

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JP2006257623A (ja) * 2005-02-18 2006-09-28 Nippon Paper Industries Co Ltd 積層シート
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