JPH1115107A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

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JPH1115107A
JPH1115107A JP16437597A JP16437597A JPH1115107A JP H1115107 A JPH1115107 A JP H1115107A JP 16437597 A JP16437597 A JP 16437597A JP 16437597 A JP16437597 A JP 16437597A JP H1115107 A JPH1115107 A JP H1115107A
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JP16437597A
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Masayuki Tsubaki
正行 椿
Toru Noda
徹 野田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見た目の光沢感の高い、かつカール物性が良好
である、なおかつ腰が強い画像材料及びそのプリントが
得られる、しかも高速生産出来る、優れた樹脂被覆紙型
の画像材料用支持体を提供すること。 【解決手段】天然パルプを主成分とする紙基質の画像形
成層を設ける側がポリエチレン系樹脂(a)を50重量
%以上含む上層とポリエチレン系樹脂(b)を最も多く
含む下層とから成る少なくとも2層の樹脂層で被覆され
た画像材料用支持体において、樹脂(a)と樹脂(b)
は、それらの密度が特定範囲のものであり、なおかつ上
層の厚さは、少なくとも2層から成る全樹脂層厚さの5
0%以下であり、更に紙基質は、長さ加重平均繊維長が
特定範囲にある天然パルプを主成分として構成されたも
のであることを特徴とする画像材料用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、紙基質(以下、基紙と略する
ことがある)の画像形成層を設ける側がポリエチレン系
樹脂を含む樹脂層で被覆された画像材料用支持体に関す
るものであり、見た目の光沢感が高い画像材料及びその
プリント、特にハロゲン化銀写真印画紙及びそのプリン
ト(ハロゲン化銀写真印画紙プリントのことを、以下単
に写真プリントと略すことがある)を提供出来る、かつ
カール物性が良好である、なおかつ腰が強い画像材料及
びそのプリントを提供出来る、しかも高速生産出来る画
像材料用支持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は、画像材料用支持体と
該支持体上に設けられた画像形成層とから構成されたも
のである。例えば、ハロゲン化銀写真材料、インクジェ
ット記録材料、熱移行型熱転写記録受像材料、感熱記録
材料、感光感熱記録材料は、画像材料用支持体上にそれ
ぞれハロゲン化銀写真構成層、インク受像層、熱移行型
熱転写記録受像層、感熱発色層、感光感熱発色層等の画
像形成層及び必要に応じて下引層、保護層等が塗設され
たものである。特に、ハロゲン化銀写真構成層として
は、ハロゲン化銀写真乳剤層、保護層、下引層、中間層
あるいは色混り防止層、ハレーション防止層、もしくは
フィルター層、紫外線吸収層等及びそれらの組み合わせ
から構成されたものである。例えば、単一なハロゲン化
銀写真材料は、写真材料用支持体上にハロゲン化銀写真
乳剤層とその保護層を設けたものである。また、多層ハ
ロゲン化銀カラー写真材料は、写真材料用支持体上に下
引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間層、緑感ハロ
ゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感ハロゲン化銀
写真乳剤層と保護層等のハロゲン化銀カラー写真構成層
が順に設けられて多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
熱可塑性樹脂で被覆された樹脂被覆紙型の支持体はよく
知られている。ハロゲン化銀写真材料用途のための写真
材料用支持体としては、例えば、特公昭55-12584号明細
書には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポ
リオレフィン樹脂で被覆された写真材料用支持体につい
ての技術が開示されている。米国特許第3,501,298号明
細書には基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された
写真材料用支持体についての技術が開示されている。ま
た、ハロゲン化銀写真材料の迅速写真現像処理方式が適
用されて以来、基紙の両面がポリエチレン系樹脂で被覆
された写真材料用支持体が、写真印画紙用として主に実
用化されており、必要に応じてその一方の画像形成層を
設ける側の樹脂層中には鮮鋭度を付与するために、通常
二酸化チタン顔料を含有している。
【0004】また、米国特許第4,774,224号明細書に
は、樹脂被覆の表面粗さが7.5マイクロインチ−AA
以下である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン
樹脂で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として
有する熱転写記録受像要素が提案されている。また、特
開昭63-307979号公報には、樹脂被覆紙を支持体として
有するインクジェット記録用シートに関する技術が開示
されている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面を樹脂層で
被覆した樹脂被覆紙型の画像材料用支持体は、依然とし
ていくつかの重大な問題点を有しており、未だ満足すべ
き成果が得られていないのが実情である。
【0006】通常、少なくとも基紙の画像形成層を設け
る側(以下、画像形成層を設ける側を表側、表側に被覆
される樹脂層を表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被
覆される樹脂層を裏樹脂層と略すことがある)をポリエ
チレン系樹脂を含む樹脂層で被覆した画像材料用支持体
用途のための樹脂被覆紙は、走行する基紙上にポリエチ
レン系樹脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリ
ットダイからフィルム状に流延して被覆し、加圧ロール
と冷却ロールとの間で圧着し、冷却後ロールから剥離さ
れるという一連の工程で製造される。その際、グロッシ
ー用途の画像材料用樹脂被覆紙を製造する場合には、冷
却ロールとして、鏡面ないしは光沢面または特公昭62-1
9732号公報に記載の微粗面を有する平滑性の極めて良い
冷却ロールが用いられる。かくして樹脂被覆紙の表樹脂
層は、その溶融状態で平滑性の極めて良い冷却ロールに
圧接されるため平滑性の良い面に加工され、従って該樹
脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそのプリントで
は、見た目の光沢感の高いものが得られるはずである。
しかしながら、実際に製造した樹脂被覆紙を支持体とす
る画像材料及びそのプリントでは、十分に見た目の光沢
感の高いものを得る事は出来なかった。特に、樹脂被覆
紙を支持体とする写真印画紙では、十分に見た目の光沢
感の高い写真印画紙及び写真プリントを得る事は出来な
かった。
【0007】そのため、本発明者らは画像材料及びその
プリントの見た目の光沢感の要因について種々検討した
結果、見た目の光沢感に及ぼす要因としては、支持体で
ある樹脂被覆紙、画像形成層、現像処理などの画像形成
方法等の各種要因があるが、画像材料及びそのプリント
の見た目の光沢感は、支持体たる樹脂被覆紙の要因によ
っても大きく影響されることが判明した。そこで、更に
本発明者らは、見た目の光沢感に及ぼす樹脂被覆紙の要
因について種々検討した結果、画像材料及びそのプリン
トの見た目の光沢感は、樹脂層の要因に依存すると共に
天然パルプを主成分とする基紙の種類や性質等の要因、
例えば天然パルプの種類、繊維長、紙料スラリーに含有
せしめられる紙用添加剤等の紙料スラリー条件、抄紙速
度、緊度プレス、マシンカレンダー条件等の抄紙条件、
サイズプレス、タブサイズプレス等の後処理条件、ひい
ては基紙の表面粗さ等の様々な要因に依存している事が
判明した。また、樹脂被覆紙の表樹脂層の厚味が薄くな
ればなる程、特に31μm以下の場合には、該樹脂被覆
紙を支持体とする画像材料及びそのプリントの見た目の
光沢感が、顕著に低下する事が判明した。特に、グロッ
シー用途の写真材料では、写真プリントにした場合に高
度の見た目の光沢感が要求されており、写真プリントの
見た目の光沢感の劣る写真材料は、グロッシー用途のも
のとしては全く不適当で商品価値の無いものになるとい
う問題があった。
【0008】一般に、グロッシー用途の画像材料樹脂被
覆紙の平滑性を改良するための最も簡便な方法は、表樹
脂層の厚味を厚くすることである。しかし、表樹脂層の
厚味を厚くすればする程、特に31μmより厚い厚味に
した場合には、樹脂被覆紙及び該樹脂被覆紙を支持体と
する画像材料並びにそのプリントは、画像形成層側にカ
ールしてその取り扱い性が著しく不便になるという問
題、所謂カール物性が悪くなるという問題が発生した。
【0009】また、樹脂被覆紙の基紙として、平滑性の
良いものを用いることによって樹脂被覆紙の平滑性を改
良することが行われるが、しばしば、該樹脂被覆紙を支
持体とする画像材料及びそのプリントの腰が弱くなると
いう問題が随伴した。画像材料、特に写真材料の腰が弱
いと、現像処理性、ことに自動現像処理性が悪くなると
いう問題が発生することがあった。また、プリントは、
通常人が手に取って鑑賞するものであり、特に横に長い
パノラマ写真のプリントの腰が弱いと鑑賞しにくく問題
となる。従って、画像材料及びそのプリントには腰の強
いことが要求されるが、本発明者らが検討の結果、画像
材料及びそのプリントの腰は、支持体たる樹脂被覆紙の
腰の強さに大きく依存し、そして樹脂被覆紙の腰は、基
紙の腰の強さに大きく依存することが判明した。ところ
が、基紙の腰の問題は、しばしば基紙の平滑性と相反す
る関係にあり、平滑性が良いと腰が弱くなり、腰が強い
と平滑性が悪く、ひいては樹脂被覆紙を支持体とする画
像材料及びそのプリントの腰が弱くなるか、あるいはプ
リント、特に写真プリントの見た目の光沢感が悪くなる
という矛盾する問題があることが判明した。
【0010】従来、樹脂被覆紙型の画像材料用支持体の
上記した問題点及び別種の欠点を排除、改良するための
いくつかの技術提案がある。特開昭61-132949号公報に
は、第一被覆層が低密度ポリエチレン樹脂を主成分とし
て形成され、第二被覆層が高い剛性モジュラスを有する
重合体で形成された写真用原紙により、剛性が強い、ま
た高い光沢度の樹脂被覆紙型の写真用支持体を提供する
技術の記載もしくは開示があり、更に高い剛性モジュラ
スを有する重合体としてHDPE、PP、PC、線状低
密度ポリエチレン(LLDPE)、ナイロン11、ナイ
ロン6、ナイロン66等のポリアミド類、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレー
ト(PBT)等のポリエステル類が例示されている。し
かし、該技術を用いても樹脂被覆紙を支持体とする画像
材料及びそのプリントの見た目の光沢感を向上、改良す
るには極めて不十分であったし、更に、カール物性が悪
くなる問題が発生した。即ち、第二被覆層中の重合体と
して、密度の高い重合体を用いた場合、特にその密度が
高ければ高い程、また被覆層中の該重合体の含有割合が
多ければ多い程、樹脂被覆紙及び該樹脂被覆紙を支持体
とする画像材料並びにそのプリントは、カール物性が悪
くなるという問題が発生した。
【0011】また、特開平7-120868号公報には、耐水性
樹脂被覆層を少なくとも2層以上にし、かつ基紙より最
も遠い層の耐水性樹脂の密度を他層の耐水性樹脂の密度
より大きくすることにより、また、特開平7-168308号公
報には、耐水性樹脂被覆層を少なくとも2層以上にし、
かつ最外層の耐水性樹脂として特定の曲げ弾性率のもの
を使用することにより、基紙と耐水性樹脂層との接着性
及び冷却ロールからの剥離性が改良された、樹脂被覆紙
型の写真印画紙用支持体の技術が開示されているが、該
技術を用いても樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及び
そのプリントの見た目の光沢感を向上、改良するには、
また極めて不十分であった。また、これらの技術を用い
た樹脂被覆紙及び該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料
は、カール物性が悪くなるという問題が発生した。即
ち、被覆層中の耐水性樹脂として、密度の高い耐水性樹
脂を用いた場合、特にその密度が高ければ高い程、また
被覆層中の該耐水性樹脂の含有割合が多ければ多い程、
樹脂被覆紙及び該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料並
びにそのプリントは、カール物性が悪くなるという問題
が発生した。
【0012】一方、樹脂被覆紙の平滑性を改良する目的
で、特開昭58-68037号公報に記載の特定の繊維長分布を
有するパルプ、特開昭60-69649号公報に記載の特定の繊
維長、幅、厚みのパルプ、特開昭61-35442号公報に記載
の針葉樹パルプ、特開昭63-173045号公報に記載の低粘
度パルプ等の特定パルプの使用、特開昭58-37642号公報
に記載のベック平滑度が特定値以上である基紙、特開昭
63-291054号公報に記載の表面粗さが特定値以下である
基紙等の特定物性値である基紙の使用、特開昭60-12639
7号公報に記載の基紙の熱カレンダー処理、特開昭61-28
4762号公報に記載の上部脱水機構を有する抄紙機による
抄紙、特開昭63-204250号公報に記載の長網二層抄紙機
による抄紙、特開昭64-20541号公報に記載の湿紙の緊度
プレス処理等の特定の抄紙方法の使用等の技術が開示さ
れているが、樹脂被覆紙を支持体とする画像材料及びそ
のプリントの見た目の光沢感を向上、改良するには極め
て不十分であったし、また、腰が弱くなるという問題が
随伴した。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、紙基質
の画像形成層を設ける側がポリエチレン系樹脂を含む樹
脂層で被覆された樹脂被覆紙であって、該樹脂被覆紙を
支持体とする、見た目の光沢感が高い画像材料及びその
プリントが得られる、かつカール物性が良好である、な
おかつ腰が強い画像材料及びそのプリントが得られる、
優れた樹脂被覆紙型の画像材料用支持体を提供すること
である。特に、本発明の目的は、見た目の光沢感が高
い、かつカール物性が良好である、なおかつ腰が強い写
真材料及び写真プリントが得られる、優れた樹脂被覆型
の画像材料用支持体を提供することである。更に、本発
明の別の目的は、高速生産できる、優れた画像材料用支
持体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、天然パルプを主成分と
する紙を基質として、紙基質の画像形成層を設ける側が
ポリエチレン系樹脂(a)を50重量%以上(上層中に
含まれる全樹脂成分に対する割合として)含む上層
(A)とポリエチレン系樹脂(b)を最も多く(下層中
に含まれる全樹脂成分に対する割合として)含む下層
(B)とから成る少なくとも2層の樹脂層で被覆された
画像材料用支持体であって、ポリエチレン系樹脂(a)
は、その密度が0.940g/cm3以上のものであり、かつ
ポリエチレン系樹脂(b)は、その密度が0.940g/c
m3未満のものであり、なおかつ上層(A)の厚さは、少
なくとも2層から成る全樹脂層厚さの50%以下であ
り、更に紙基質は、下記で規定されるパルプの繊維長が
0.45mm〜0.65mmの範囲にある天然パルプを主成分
として構成されたものである事を特徴とする画像材料用
支持体により、本発明の目的が達成されることを見い出
した。ここで、パルプの繊維長は、下記で規定される。 パルプの繊維長:紙用薬品を添加する前の叩解後のパル
プについて,JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法
No.52-89「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠
して測定した長さ加重平均繊維長(mm)で表示したも
の。
【0015】本発明の目的は、上層(A)として、上層
(A)中の全ポリエチレン系樹脂成分のトータルとして
の密度(計算密度)が、0.940g/cm3以上、更に0.
945g/cm3以上、特に0.950g/cm3以上であるもの
を用いることにより、極めて顕著に達成されることを見
い出した。また、本発明の目的は、下層(B)として、
下層(B)中の全ポリエチレン系樹脂成分のトータルと
しての密度(計算密度)が0.928g/cm3以下、更に
0.924g/cm3以下、特に0.921g/cm3以下であるも
のを用いることにより、極めて顕著に達成されることを
見い出した。ここで、上層中または下層中の全ポリエチ
レン系樹脂成分のトータルとしての密度(計算密度)と
は、樹脂被覆紙に加工する前の上層または下層を構成す
る全ポリエチレン系樹脂について、計算で求められるト
ータルとしての密度のことを言う。
【0016】また、本発明の目的は、上層(A)の厚さ
を少なくとも2層から成る全樹脂層厚さの35%以下、
特に20%以下にすることにより、極めて顕著に達成さ
れることを見い出した。
【0017】また、本発明の目的は、天然パルプとし
て、広葉樹漂白クラフトパルプを用いることにより、効
果的に達成されることを見い出した。また、本発明の目
的は、天然パルプとして、その繊維長が0.48mm〜0.
62mmのもの、更に0.50mm〜0.59mmのもの、特に
0.53mm〜0.59mmものを用いることにより、顕著に
かつ相乗的に達成されることを見い出した。
【0018】また、本発明の目的は、少なくとも2層の
樹脂層として、最上層、中間層及び最下層から成るもの
を用いることにより、顕著に達成されることを見い出し
た。
【0019】また、本発明の目的は、少なくとも2層の
樹脂層として、少なくとも最下層から成る樹脂層と少な
くとも最上層から成る樹脂層が逐次に溶融押し出しコー
ティングされる、逐次押し出しコーティング方式により
被覆されたものを用いることにより、極めて顕著に達成
されることを見い出した。更に、本発明の目的は、逐次
押し出し方式により被覆されるに際し、画像材料用支持
体の製造速度(紙基質の走行速度)を250m/分以上に
することにより、極めて顕著に、かつ相乗的に達成され
ることを見い出し、本発明に到ったものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の画像材料用支持体
について、詳細に説明する。
【0021】本発明の実施に用いられる、上層(A)中
に50重量%以上(上層中に含まれる全樹脂成分に対す
る割合として)含有せしめられるポリエチレン系樹脂と
しては、その密度が0.940g/cm3以上のものであれ
ば、各種のポリエチレン系樹脂が使用でき、また種々の
密度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のもの
を単独にあるいは混合して使用できる。また、上層
(A)中に含有せしめられる密度0.940g/cm3以上の
ポリエチレン樹脂の含有割合(上層中に含まれる全樹脂
成分に対する割合として)としては、画像材料及びその
プリントの見た目の光沢感の改良効果の点から、50重
量%以上が有用であるが、60重量%以上が好ましく、7
0重量%以上が特に好ましい。また、上層用の樹脂組成
物としては、画像材料及びそのプリントの見た目の光沢
感の改良効果の点から、上層中の全ポリエチレン系樹脂
成分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.94
0g/cm3以上であるものが好ましく、0.945g/cm3
上であるものが更に好ましく、0.950g/cm3以上であ
るものが特に好ましい。
【0022】本発明の実施に用いられる、上層(A)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3以上であるポ
リエチレン系樹脂としては、メタロセン重合触媒を用い
て重合製造したポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触
媒以外の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系
樹脂及びこれらの混合物などをあげることができる。
【0023】本発明の実施に用いられる、上層(A)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3以上であるメ
タロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系
樹脂としては、特表平3-502710号公報、特開昭60-356号
公報、特表昭63-501369号公報、特開平3-234717号公
報、特開平3-234718号公報などに記載もしくは開示され
ている如く、ジルコニウム系またはハフニウム系などの
メタロセンと、好ましくはメチルアルミノキサンなどと
を組み合わせて触媒活性を高めたものを重合触媒として
用いて重合製造されたものである。それらのメタロセン
重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂とし
ては、中密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹
脂、エチレンを主成分とするプロピレン、ブチレンなど
のα−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン樹脂など及びこれらの混合物であり、各種の密
度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを
使用できるが、通常、密度が0.94〜0.97g/cm3
範囲、好ましくは0.950〜0.970g/cm3の範囲、
特に好ましくは密度が0.960〜0.970g/cm3の範
囲、メルトフローレートが0.05〜500g/10分、好
ましくは0.08〜300g/10分の範囲のものを単独に
あるいは二種以上混合して使用できる。なお、ポリエチ
レン系樹脂のメルトフローレートは、JIS K 676
0「ポリエチレン試験法」に準拠して規定されるもので
ある。
【0024】本発明の実施に用いられる、上層(A)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3以上であるメ
タロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用いて重合製造
したポリエチレン系樹脂としては、例えばチーグラー
法、フィリップス法などを用いて重合製造した各種のポ
リエチレン系樹脂を挙げることができる。それらの金属
メタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用いて重合製
造したポリエチレン系樹脂としては、中密度ポリエチレ
ン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分と
するプロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共
重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂など及びこれ
らの混合物であり、各種の密度、メルトフローレート、
分子量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度
が0.94〜0.97g/cm3の範囲、好ましくは密度が0.
950〜0.970g/cm3の範囲、特に好ましくは密度が
0.960〜0.970g/cm3の範囲、メルトフローレー
トが0.05〜500g/10分、好ましくは0.08〜30
0g/10分の範囲のものを単独にあるいは二種以上混合し
て使用できる。
【0025】本発明において、画像材料及びそのプリン
トのカール物性及び上層(A)用の樹脂組成物の成形加
工性を向上する観点から、密度が0.940g/cm3以上の
ポリエチレン系樹脂と後記する密度が0.940g/cm3
満、好ましくは0.928g/cm3以下、更に好ましくは、
0.924g/cm3以下、特に好ましくは0.918g/cm3
下のポリエチレン系樹脂と併用するのが良い。本明細書
で言う成形加工性とは、ネックインの程度、ドローダウ
ン性の程度による膜切れの有、無、サージングあるいは
ドローレゾナンスによる流動の不安定性、溶融樹脂膜の
筋の発生程度、ダイリップ汚れの発生程度等の総合的な
成形加工性のことを言う。
【0026】本発明の実施に用いられる、下層(B)中
に最も多く(下層中に含まれる全樹脂成分に対する割合
として)含有せしめられるポリエチレン系樹脂として
は、その密度が0.940g/cm3未満のものであれば、各
種のポリエチレン系樹脂が使用でき、また種々の密度、
メルトフローレート、分子量、分子量分布のものを単独
にあるいは混合して併用できる。また、下層用の樹脂組
成物としては、本発明の効果、特に画像材料及びそのプ
リントのカール物性の改良効果の点から、下層中の全ポ
リエチレン系樹脂成分のトータルとしての密度(計算密
度)が、0.928g/cm3以下であるものが好ましく、
0.924g/cm3以下であるものが更に好ましく、0.9
21g/cm3以下であるものが特に好ましい。
【0027】本発明の実施に用いられる、下層(B)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3未満であるポ
リエチレン系樹脂としては、高圧法により重合製造した
ポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒を用いて重合
製造したポリエチレン系樹脂、メタロセン重合触媒以外
の金属触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂及
びこれらの混合物などをあげることができる。
【0028】本発明の実施に用いられる、下層(B)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3未満である高
圧法により重合製造したポリエチレン系樹脂としては、
オートクレーブ型反応器、チューブラー型反応器などを
用いた高圧製造法による長鎖分枝を有する各種のポリエ
チレン系樹脂である。それらの高圧法により重合製造し
たポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹
脂、中密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主成分とする
プロピレン、ブチレンなどのα−オレフィンとの共重合
体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂など及びこれらの
混合物であり、各種の密度、メルトフローレート、分子
量、分子量分布のものを使用できるが、通常、密度が
0.90〜0.94g/cm3未満の範囲、好ましくは密度が
0.90〜0.928g/cm3の範囲、更に好ましくは密度
が0.90〜0.924g/cm3の範囲、特に好ましくは密
度が0.90〜0.921g/cm3の範囲、メルトフローレ
ートが0.1〜50g/10分、好ましくはメルトフローレ
ートが0.4〜50g/10分の範囲のものを単独にあるい
は二種以上混合して使用できる。
【0029】本発明の実施に用いられる、下層(B)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3未満であるメ
タロセン重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系
樹脂としては、特表平3-502710号公報、特開昭60-356号
公報、特表昭63-501369号公報、特開平3-234717号公
報、特開平3-234718号公報などに記載もしくは開示され
ている如く、ジルコニウム系またはハフニウム系などの
メタロセンと、好ましくはメチルアルミノキサンなどと
を組み合わせて触媒活性を高めたものを重合触媒として
用いて重合製造されたものである。それらのメタロセン
重合触媒を用いて重合製造したポリエチレン系樹脂とし
ては、超低密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン
樹脂、中密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチ
レン樹脂、エチレンを主成分とするプロピレン、ブチレ
ンなどのα−オレフィンとの共重合体、カルボキシ変性
ポリエチレン樹脂など及びこれらの混合物であり、各種
の密度、メルトフローレート、分子量、分子量分布のも
のを使用できるが、通常、密度が0.87〜0.94g/cm
3未満の範囲、好ましくは0.870〜0.928g/cm3
範囲、更に好ましくは密度が0.870〜0.924g/cm
3の範囲、特に好ましくは密度が0.870〜0.921g
/cm3の範囲、メルトフローレートが0.05〜500g/1
0分、好ましくは0.08〜300g/10分の範囲のものを
単独にあるいは二種以上混合して使用できる。
【0030】本発明の実施に用いられる、下層(B)中
に含有せしめられる密度が0.940g/cm3未満であるメ
タロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用いて重合製造
したポリエチレン系樹脂としては、例えばチーグラー
法、フィリップス法などを用いて重合製造した各種のポ
リエチレン系樹脂を挙げることができる。それらの金属
メタロセン重合触媒以外の金属重合触媒を用いて重合製
造したポリエチレン系樹脂としては、超低密度ポリエチ
レン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレ
ン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、エチレンを主
成分とするプロピレン、ブチレンなどのα−オレフィン
との共重合体、カルボキシ変性ポリエチレン樹脂など及
びこれらの混合物であり、各種の密度、メルトフローレ
ート、分子量、分子量分布のものを使用できるが、通
常、密度が0.87〜0.94g/cm3未満の範囲、好まし
くは密度が0.870〜0.928g/cm3の範囲、更に好
ましくは密度が0.870〜0.924g/cm3の範囲、特
に好ましくは密度が0.870〜0.921g/cm3の範
囲、メルトフローレートが0.05〜500g/10分、好
ましくは0.08〜300g/10分の範囲のものを単独に
或いは二種以上混合して使用できる。
【0031】本発明の実施に用いられる上層用(A)用
または下層(B)用のポリエチレン系樹脂としては、特
にメルトフローレートの異なる二種以上のポリエチレン
系樹脂を併用する場合には、併用する二種以上のポリエ
チレン系樹脂を予め溶融・混合して調製したコンパウン
ド樹脂組成物として用いるのが良い。例えば、メルトフ
ローレートが5〜40g/10分であるポリエチレン系樹脂
と、メルトフローレートが0.2〜4.5g/10分であるポ
リエチレン系樹脂を併用する場合には、予め溶融・混合
して調製したコンパウンド樹脂組成物として用いるのが
好ましい。このように調製したコンパウンド樹脂組成物
を用いると、成形加工性やフィルムの均一性の点及び樹
脂ゲルと呼称される不均一な樹脂の固まりを防止する点
で好ましい。コンパウンド樹脂組成物を調製する方法と
しては、各種の方法で行うことができる。例えば、混練
用押し出し機、加熱ロール練り機、バンバリーミキサ
ー、加圧ニーダーなどを用いて二種類以上のポリエチレ
ン系樹脂、更に必要に応じてその他の熱可塑性樹脂、酸
化防止剤、離型剤などの各種の添加剤を加えて溶融・混
合した後、その混合物をペレット化する方法が有利に用
いられる。
【0032】本発明の実施に用いられる、上層用(A)
用または下層(B)用の樹脂組成物中のポリエチレン系
樹脂成分のトータルとしてのメルトフローレートとして
は、特に制限されるものではないが、該樹脂組成物の溶
融押し出しコーティング性、成形加工性及び見た目の光
沢感の改良効果の点から、メルトフローレートが2〜2
0g/10分の範囲が好ましく、3〜15g/10分の範囲が更
に好ましい。
【0033】本発明における画像材料用支持体の基紙の
裏側の面は、フィルム形成能ある樹脂(c)を含む樹脂
層(C)で被覆されるのが好ましい。それらのフィルム
形成能ある樹脂(c)としては、ポリオレフィン樹脂、
ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂等の熱可塑性樹脂が好ましく、中でも溶融押し出し
コーティング性の点からポリオレフィン樹脂が更に好ま
しく、ポリエチレン系樹脂が特に好ましい。また、特公
昭60-17104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂
で被覆してもよい。
【0034】本発明の実施に好ましく用いられる裏樹脂
層用のポリエチレン系樹脂としては、メルトフローレー
トが10g/10分〜40g/10分、密度が0.960g/cm3
上である高密度ポリエチレン系樹脂90重量部〜65重
量部とメルトフローレートが0.2g/10分〜3g/10分、
密度が0.935g/cm3以下である低密度ポリエチレン系
樹脂または中密度ポリエチレン系樹脂10重量部〜35
重量部とを予め溶融・混合したコンパウンド樹脂組成物
が好ましい。
【0035】本発明の実施に用いられる樹脂層構成とし
ては、ポリエチレン系樹脂(a)を50重量%以上含む
上層樹脂層(A)とポリエチレン系樹脂(b)を最も多
く含む下層樹脂層(B)より成る少なくとも2層構成で
ある。
【0036】本発明で言う上層(A)が基紙に遠い側、
下層(B)が基紙に近い側という相対的位置関係を示す
ものである。また、本発明においては、本発明の効果の
点から、上層(A)が最上層であり、かつ下層(B)が
最下層である構成が好ましく、下層(B)が中間層と最
下層である構成が最も好ましい。
【0037】また、上層(A)または下層(B)の樹脂
層中には、本発明の効果を損なわずに本発明の要件を満
たす範囲で、ポリエチレン系樹脂(a)、ポリエチレン
系樹脂(b)以外のその他の樹脂、例えば、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリブテン、ポリペンテンなどのホモポリマ
ー、エチレン−ブチレン共重合体などのα−オレフィン
の2つ以上からなる共重合体、ポリエステル系樹脂など
を含有させてもよい。
【0038】本発明における画像材料用支持体の表側の
樹脂層としては、2層あるいはそれ以上の多層構成であ
ってもよいが、2層構成または3層構成が本発明の目的
を効率的に達成する上で好ましく、最上層、中間層及び
最下層から成る3層構成が特に好ましい。また、本発明
における画像材料用支持体は、走行する基紙上に加熱溶
融した樹脂組成物を流延して被覆する、いわゆる溶融押
し出しコーティング方式によって製造される。その際、
画像材料用支持体の表側の2層あるいはそれ以上の多層
の樹脂層が多層同時に押し出しコーティングされる、い
わゆる共押し出しコーティング方式を用いてもよいし、
少なくとも最下層から成る樹脂層、その後に少なくとも
最上層から成る樹脂層が順に別個のステーションで逐次
に溶融押し出しコーティングされる、いわゆる逐次押し
出しコーティング方式を用いてもよい。本発明において
は、画像材料及びそのプリントの見た目の光沢感の改良
効果の観点から、少なくとも2層の樹脂層が、3層構成
以上である場合には、少なくとも最下層から成る樹脂層
を溶融押し出しコーティングし、その後に該樹脂層上
に、中間層と最上層から成る樹脂層を別の二層共押し出
し機を用いて二層同時押し出しコーティングして逐次に
樹脂層が被覆される、逐次押し出しコーティング方式を
用いて製造される画像材料用支持体が特に好ましい。ま
た、逐次押し出しコーティングする際に、少なくとも最
下層から成る樹脂層にコロナ放電処理などの活性化処理
を施してもよいし、施さなくてもよい。
【0039】また、溶融押し出しコーティングの際、ス
リットダイとしてはT型ダイ、L型ダイ、フィッシュテ
イル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径
は0.1mm及至2mmであることが望ましい。また、多層
共押し出しダイのタイプとしては、フィードブロックタ
イプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイ
プ等のいずれタイプでもよい。また、溶融フィルムの温
度は、270℃及至340℃であることが好ましく、そ
の際最上層用の樹脂組成物とそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度差をつけてもよい。例えば、最
上層用の樹脂組成物の温度をそれより下側の樹脂層を構
成する樹脂組成物の温度より5〜20℃低くして、樹脂
層の冷却ロールからの剥離性の向上を図ることが出来
る。
【0040】本発明における画像材料用支持体の少なく
とも2層から成る表樹脂層の合計厚さとしては、8〜1
00μmの範囲が有用であるが、12〜60μmの範囲が
好ましく、18〜40μmの範囲が特に好ましい。ま
た、上層(A)の樹脂層厚さとしては、画像材料及びそ
のプリントの見た目の光沢感及びカール物性の改良効果
の観点から、表側の全樹脂層厚さの35%以下の厚さが
好ましく、20%以下の厚さが特に好ましいが、特に制
限されるものではない。また、裏側の基紙面は、フィル
ム形成能ある樹脂(c)を主成分とする裏樹脂層(C)
で好ましくは被覆されるが、その樹脂はポリエチレン系
樹脂が好ましく、その厚さとしては表側の樹脂層と、特
にカールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好まし
く、一般に8〜100μmの範囲が有用であるが、好ま
しくは12〜60μmの範囲である。
【0041】本発明の実施に当たり、表・裏の樹脂組成
物を基紙にコーティングする前に、基紙にコロナ放電処
理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。ま
た、特公昭61-42254号公報に記載の如く、基紙に接する
側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に
走行する基紙に樹脂層を被覆しても良い。また、表、裏
の樹脂層は逐次、好ましくは連続的に、押し出しコーテ
ィングされる、いわゆるタンデム押し出しコーティング
方式で基紙に被覆されるのが好ましく、必要に応じて裏
の樹脂層も二層以上の多層構成で被覆しても良い。ま
た、画像材料用支持体の表樹脂層面は、鏡面ないしは光
沢面または特公昭62-19732号公報に記載の微粗面に加工
することが好ましく、裏樹脂層面は通常無光沢面に加工
するのが好ましい。
【0042】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60-3430号公報、特公
昭63-11655号公報、特公平1-38291号公報、特公平1-382
92号公報、特開平1-105245号公報等に記載もしくは例示
の二酸化チタン顔料を含有せしめるのが好ましい。ま
た、二酸化チタンの他に酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシ
ウム等の白色顔料、離型剤として、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド等の脂肪酸アミド、顔料の分散
剤及び離型剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、
パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、特開平1-10
5245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノー
ル、ヒンダードアミン、リン系、硫黄系等の各種酸化防
止剤、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロ
シアニンブルー等のブルー系の顔料や染料、コバルトバ
イオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレ
ット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-254440号公
報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の
各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出
来る。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるい
はコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。ま
た、プリントの鮮鋭度または白色度あるいは画像材料用
支持体の耐熱性、耐光性または離型性の効果的な向上等
の点から、酸化チタン等の白色顔料及び蛍光増白剤、着
色顔料や着色染料あるいは酸化防止剤、紫外線吸収剤ま
たは離型剤等その他の添加剤を上層中に、それより下側
の樹脂層中より高濃度に含有せしめるのが好ましい。ま
た、二酸化チタン顔料の表樹脂層中の含有割合(表樹脂
層の重量に対する割合として)としては、写真プリント
の鮮鋭度を向上する観点で、9重量%以上、更に12重
量%以上、なお更に15重量%以上、特に20重量%以上
35重量%以下が好ましい。
【0043】本発明の実施に用いられる天然パルプとし
ては、紙用薬品を添加する前の叩解後のパルプについて
測定された繊維長が0.45mm〜0.65mmの範囲にある
ものであるが、画像材料並びにそのプリントの見た目の
光沢感及び腰の強さの改良効果の点から、0.48mm〜
0.62mmの範囲であるものが好ましく、0.50mm〜
0.59mmの範囲であるものが更に好ましく、0.53mm
〜0.59mmの範囲であるものが特に好ましい。繊維長
が上記範囲にある天然パルプを調整するには、具体的に
は、適切なパルプ種類を選択し、適切な構造の叩解機を
使用して、叩解時間、パルプ濃度、叩解動力等の叩解条
件について、一連の組み合わせ実験条件下で叩解し、採
取したパルプスラリーについてパルプの繊維長を測定す
ることにより調整することが出来る。また、パルプの叩
解条件としては、カッティング叩解と粘状叩解のバラン
スを最適化するのが好ましく、叩解後のパルプの濾水度
は200ml〜400mlの範囲が好ましく、230ml〜3
70mlの範囲が更に好ましく、260ml〜340mlの範
囲が特に好ましい。
【0044】本発明の実施に用いられる基紙は通常の天
然パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましい。ま
た、天然パルプを主成分として合成パルプ、合成繊維と
からなる混抄紙でもよい。それらの天然パルプとして
は、特開昭58-37642号公報、特開昭60-67940号公報、特
開昭60-69649号公報、特開昭61-35442号公報等に記載も
しくは例示してあるような適切に選択された天然パルプ
を用いるのが有利である。天然パルプは塩素、次亜塩素
酸塩、二酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ
抽出もしくはアルカリ処理及び必要に応じて過酸化水
素、酸素などによる酸化漂白処理など、及びそれらの組
み合わせ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針
葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、
また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパ
ルプなどの各種のものを用いることができるが、広葉樹
漂白クラフトが特に有利に用いられる。
【0045】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙中には、紙料スラリー調製時に各種の添
加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂
肪酸金属塩あるいは/及び脂肪酸、特公昭62-7534号公
報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物
あるいは/及びエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニ
ルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体
等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あ
るいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤
紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カ
ルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニ
ウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩等、pH調
節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等、その他
特開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記
載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など
を適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
【0046】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、各種の水
溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラテック
ス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレス
もしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エア
ーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せし
めることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロ
イドとして、特開平1-266537号公報に記載もしくは例示
の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、
ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、
セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス
類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55-4027号公
報、特開平1-180538号公報に記載もしくは例示のエチレ
ンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構
成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテック
ス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、
酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブ
タジエン−メチルメタクリレート系共重合体及びそれら
のカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテ
ックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カ
リウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリ
ウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコ
ロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有
機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭
酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンな
ど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性
ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍
光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含有せしめる
のが有利である。
【0047】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は30μm〜25
0μmのものが好ましいが、写真プリント用途の支持体
用の基紙の厚みとしては、70μm〜220μmのものが
更に好ましく、150μm〜200μmのものが特に好ま
しい。
【0048】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙としては、画像材料及びそのプリ
ントの見た目の光沢感を顕著に改良する観点で、基紙の
表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカッ
トオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面平均粗さSRa
(以下、基紙の表側の触針式3次元表面粗さ計を用いて
測定されるカットオフ値0.8mmでの抄紙方向の中心面
平均粗さSRaなる術語を、単に中心面平均粗さSRa
と略することがある)が1.5μm以下のものが好まし
く、1.4μm以下のものが更に好ましく、1.3μm以下
のものが特に好ましい。
【0049】本明細書で言う触針式3次元表面粗さ計を
用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面平均
粗さSRaとは、数式1で規定されるものである。
【0050】
【数1】
【0051】数式1において、Wxは試料面域のX軸方
向(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸
方向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは
試料面域の面積を表す。
【0052】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってSa=1
60mm2の条件で求めることが出来る。なお、X軸方向
のデータ処理としてはサンプリングを500点行い、Y
軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0053】中心面平均粗さSRaが1.5μm以下であ
る基紙は、具体的には、以下の方法を用いることによ
り、好ましくは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは
3つ以上組み合わせて用いることにより得られることが
本発明者らの検討により明らかとなった。
【0054】(1)使用する天然パルプとしては、広葉
樹漂白クラフトパルプまたは広葉樹漂白クラフトパルプ
と広葉樹漂白サルファイトパルプの併用が好ましい。ま
た、前記(段落0043)した様に最適な繊維長及び濾
水度を有する様に適切に叩解された天然パルプを用い
る。
【0055】(2)湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用い
る。具体的には、例えば特開平3-29945号公報に記載も
しくは例示のような多段の緊度プレスを湿紙に行う。
【0056】(3)基紙の画像形成層を設ける側に、バ
インダ、好ましくは各種の水溶性ポリマー、親水性コロ
イドあるいはポリマーラテックスを含む塗被組成物から
成る塗被層を塗被する。具体的には、画像形成層を設け
る側の基紙上に各種の水溶性ポリマー、親水性コロイド
あるいはポリマーラテックスを含む塗被組成物をサイズ
プレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗
工、エアーナイフ塗工などの塗工によって、画像形成層
を設ける側の固形塗被量として2g/m2以上、好ましくは
5g/m2以上塗被するのが好ましい。また、塗被層には、
その平滑性を一層向上する観点で、各種の無機または有
機顔料を含有せしめるのが好ましい。
【0057】(4)基紙を抄造後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いて少なくとも
2系列以上のカレンダー処理を基紙に行う。具体的に
は、例えば基紙に第1系列のカレンダー処理としてマシ
ンカレンダー処理あるいは/及び熱マシンカレンダー処
理を行い、その後第2系列以降のカレンダー処理として
更にカレンダー処理、熱カレンダー処理、特開平4-1109
39号公報に記載もしくは例示の熱ソフトカレンダー処理
をあるいは、特にそれらの併用処理を行うのが好まし
い。また、第2系列以降のカレンダー処理も基紙の抄造
後オンマシンで行われるのが好ましい。
【0058】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコー
ト層を塗設することができる。また、バックコート層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849号公報、特開昭58-184144号公報等に記載もしく
は例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バイ
ンダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適
宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0059】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラ
ーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0060】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0061】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱移行型熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱移行
型熱転写記録受像材料用支持体として用いることができ
る。それらの熱移行型熱転写記録受像層に用いられる合
成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、スチレンアクリレート
樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等のエステル結
合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等のウレタン結合を
有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミド結合を有する樹
脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹脂、その他ポリカ
プロラクタム樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアクリ
ロニトリル樹脂等が挙げられる。これら樹脂に加えて、
これらの混合物もしくは共重合体等も使用できる。
【0062】本発明に係わる熱移行型熱転写記録受像層
中には、上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても
良い。上記離型剤としては、ポリエチレンワックス、ア
ミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、
弗素系、リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイ
ル類等が挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオ
イルが最も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、
油状の物も使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬
化型のシリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化
型、触媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコ
ーンオイルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイ
ルとしては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変
性シリコーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコ
ーンオイルの添加量は、受像層中に0.1〜20wt%が好
ましい。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、
酸化チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、
受像層の厚さとしては、0.5〜20μmが好ましく、2
〜10μmが更に好ましい。
【0063】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受像層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受像層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906号公報、特開平3-281383号公報、
特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげることが
でき、これらを単独或は併用して含有せしめることがで
きる。
【0064】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受像層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のポリヒ
ンダードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱
粉粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の
粒子径0.2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等に
記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、p
H調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0066】実施例1〜6及び比較例1〜4 広葉樹漂白クラフトパルプを叩解後のパルプの繊維長
(JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法No.52−
89「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠して測定した
長さ加重平均繊維長で表示して)が0.56mm、0.62
mmまたは0.68mmになるように叩解後、パルプ100
重量部に対して、カチオン化澱粉3重量部、アニオン化
ポリアクリルアミド0.2重量部、アルキルケテンダイ
マー乳化物(ケテンダイマー分として)0.4重量部、
ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4重量部、両性
ポリアクリルアミド(分子量100万)1.5重量部及
び適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して
紙料スラリーを調製した。その後、紙料スラリーを20
0m/分で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュ
レンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15
〜100kgf/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェッ
トプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引
き続く乾燥パートで30〜70kgf/cmの範囲で線圧が調
節された2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。その
後、乾燥の途中でカルボキシ変性ポリビニルアルコール
4重量部、蛍光増白剤0.05重量部、青色染料0.00
2重量部、塩化ナトリウム4重量部及び水92重量部か
ら成るサイズプレス液を25g/m2サイズプレスし、最終
的に得られる基紙水分が絶乾水分率で8重量%になるよ
うに乾燥し、線圧70〜100kgf/cmでマシンカレンダ
ー処理して、坪量が170g/m2である画像材料用支持体
の基紙を製造した。なお、繊維長が0.56mmであるパ
ルプを用いた基紙は、密度が1.08g/cm3、中心面平均
粗さSRaが1.20μmであり、繊維長が0.62mmで
あるパルプを用いた基紙は、密度が1.05g/cm3、中心
面平均粗さが1.37μm、繊維長が0.68mmであるパ
ルプを用いた基紙は、密度が1.02g/cm3、中心面平均
粗さSRaが1.55μmであった。
【0067】次に、画像形成層を塗設する側とは反対側
の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に低
密度ポリエチレン樹脂[密度0.924g/cm3、メルトフ
ローレート(以下、ポリエチレン系樹脂のメルトフロー
レートのことをMFRと略す)=1g/10分]30重量部
と高密度ポリエチレン樹脂(密度0.967g/cm3、MF
R=15g/10分)70重量部から成るコンパウンド樹脂
組成物を樹脂温度320℃で25μmの樹脂厚さに基紙
の走行速度200m/分で、溶融押し出し塗布機を用い
て、冷却ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで溶融
押し出しコーティングした。この際、冷却ロールとして
は、液体ホーニング法で粗面化された冷却ロールを用
い、冷却水温度12℃で操業した。引き続き、下記のよ
うにして表樹脂層を被覆して、樹脂被覆紙を製造した。
【0068】ハロゲン化銀写真構成層を設ける側の基紙
面(表面)をコロナ放電処理した後、該表面に下層用の
樹脂組成物として、厚さ21μmの下記の配合組成物
(BL−1)または配合組成物(BL−3)、上層用の
樹脂組成物として、厚さ5μm下記の配合組成物(BL
−1)、配合組成物(BL−2)、配合組成物(BL−
3)、配合組成物(BL−4)または配合組成物(BL
−5)を表1に記載の組み合わせで、樹脂温度315℃
で基紙の走行速度200m/分で二層共押し出し機を用い
て、冷却ロールとプレスロールの線圧40kgf/cmで二層
同時押し出しコーティングした。この際、冷却ロールと
しては、クロムメッキが施された微粗面のものを用い、
冷却水温度12℃で操業した。また、表、裏の樹脂組成
物の溶融押し出しコーティングは、逐次押し出しコーテ
ィングが行われる、いわゆるタンデム方式で行われた。
【0069】配合組成物(BL−1):二酸化チタン顔
料を含む下記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料及び群青を含む下記マス
ターバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と下記低
密度ポリエチレン樹脂(R−1)のペレット75重量部
をよく単純混合(ドライブレンド)した配合組成物。
【0070】マスターバッチ(MB−1W):二酸化チ
タン粒子表面が含水酸化アルミニウム(二酸化チタン当
たりAl23分として0.5重量%)で表面処理され、ス
チームミル粉砕された、電子顕微鏡による個数平均径で
0.120μmのアナターゼ型二酸化チタン顔料50重量
%、下記低密度ポリエチレン樹脂(R−2)47.5重量
%及びステアリン酸亜鉛2.5重量%とを、酸化防止剤と
して240ppmの1、3、5−トリス(4−tert−ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2、6−ジメチル−ベンジル)シ
アヌレートの存在下に、バンバリーミキサーを用いて1
50℃でよく混練し、冷却、ペレット化して製造したマ
スターバッチ。
【0071】マスターバッチ(MB−1B):上記二酸
化チタン顔料50重量%、下記低密度ポリエチレン樹脂
(R−2)46.25重量%、群青(第一化成工業株式会
社製、#2000)1.25重量%及びステアリン配合亜
鉛2.5重量%とを、上記酸化防止剤240ppmの存在下
に、バンバリーミキサーを用いて150℃でよく混練
し、冷却、ペレット化して製造したマスターバッチ。
【0072】低密度ポリエチレン樹脂(R−1):密度
が0.918g/cm3、MFRが4.0g/10分であるオート
クレーブ法の高圧法低密度ポリエリチレン樹脂。
【0073】低密度ポリエチレン樹脂(R−2):密度
が0.918g/cm3、MFRが9.1g/10分であるチュー
ブラー法の高圧法低密度ポリエリチレン樹脂。
【0074】配合組成物(BL−2):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と前記低密
度ポリエチレン樹脂(R−1)のペレット43.8重量
部と下記高密度ポリエチレン樹脂(R−3)のペレット
31.2重量部をよく単純混合(ドライブレンド)した
配合組成物。
【0075】高密度ポリエチレン樹脂(R−3):密度
0.967g/cm3、MFRが6.8g/10分であるチーグラ
ー法高密度ポリエチレン樹脂。
【0076】配合組成物(BL−3):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と前記低密
度ポリエチレン樹脂(R−1)のペレット31.6重量
部と前記高密度ポリエチレン樹脂(R−3)のペレット
43.4重量部をよく単純混合(ドライブレンド)した
配合組成物。
【0077】配合組成物(BL−4):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と前記低密
度ポリエチレン樹脂(R−1)のペレット22.9重量
部と前記高密度ポリエチレン樹脂(R−3)のペレット
52.1重量部をよく単純混合(ドライブレンド)した
配合組成物。
【0078】配合組成物(BL−5):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と前記低密
度ポリエチレン樹脂(R−1)のペレット14.3重量
部と前記高密度ポリエチレン樹脂(R−3)のペレット
60.7重量部をよく単純混合(ドライブレンド)した
配合組成物。
【0079】更に、表、裏樹脂層を加工後巻き取るまで
の間に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放電処理後、
下記のバック層用塗液をオンマシン塗布した。乾燥重量
分として、コロイド状シリカ:スチレン系ラテックス=
1:1から成り、更にポリスチレンスルフォン酸ソーダ
0.021g/m2の他適量の塗布助剤等を含むバック層用
塗液をラテックス分(固形重量計算で)として0.21g
/m2になる塗布量で塗設した。
【0080】バック層を塗設後、樹脂被覆紙を巻き取る
までの間に、表側の樹脂面にコロナ放電処理を施し、石
灰処理ゼラチン1.2g、低分子量ゼラチン(新田ゼラチ
ン株式会社製、P−3226)0.3g、パラオキシ安息
香酸ブチルの10重量%メタノール溶液0.3g及びスル
フォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩のメタノ
ールと水の5重量%混合液0.45gを含み、全量を水で
100gに調整した配合の下引塗液をゼラチン塗布量0.
06g/m2になるように均一にオンマシン塗布して画像材
料用支持体を得た。
【0081】得られた試料の画像材料用支持体としての
性能の評価方法としては、以下に記載の方法で評価し
た。
【0082】画像材料用支持体を有する写真プリントの
見た目の光沢感の評価方法としては、以下に記載の方法
で評価した。
【0083】画像材料用支持体の下引層上に隣接して順
に、黄色発色カプラーを含む青感乳剤層、色混り防止剤
を含む中間層、マゼンタ発色カプラーを含む緑感乳剤
層、紫外線吸収剤を含む紫外線吸収層、シアン発色カプ
ラーを含む赤感乳剤層及び保護層を多層塗布用Eバーに
より塗設してゼラチンの総量が7g/m2であるカラー印画
紙を作成した。各色感乳剤層は硝酸銀で0.6g/m2に相
当する塩臭化銀を含み、更にハロゲン化銀の生成、分散
及び成膜に必要なゼラチンの他、適量のカブリ防止剤、
増感色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤及び適量のフィル
ター染料などを含む。
【0084】次に、作成したカラー印画紙を35℃、常
湿下に5日間保存後、集合写真を焼き付け、現像、漂白
・定着、安定の現像処理をした後乾燥し、写真プリント
を作成した。また、別途白べた(未露光)及び黒べた
(黒色発色)の焼き見本も作成した。なお、露光、現
像、乾燥の一連の処理は、自動プリンター及び自動現像
機により行った。なお、発色現像処理は、発色現像(4
5秒)→漂白・定着(45秒)→安定(1分30秒)→
乾燥の手順で行われた。
【0085】得られた集合写真、白べた及び黒べたの写
真プリントについて、10人のモニターにより視覚的に
写真プリントの見た目の光沢感を総合的に判定して、1
0段階のグレード評価を行った。評価基準(グレード数
値の大きい程、見た目の光沢感が高いこと、グレード数
値の小さい程、見た目の光沢感が低いことを表す)とし
ては、以下の通りである。
【0086】 グレード10〜9:見た目の光沢感が極めてまたはかな
り高い。 グレード 8〜6:見た目の光沢感が高い。 グレード 5〜4:見た目の光沢感がやや低いが、実用
可能である。 グレード 3〜1:見た目の光沢感が低く、実用上問題
がある。
【0087】また、画像材料用支持体のカール物性の評
価方法としては、以下のようにして行った。8.2cm×
11.7cmの大きさの写真プリントの20℃、40%RH
におけるカールの状態を、10人のモニターにより視覚
的に評価して判定し、10段階のグレード評価を行っ
た。カール物性の評価基準(グレード数値の高い程、カ
ール物性が良いこと、グレード数値の低い程、カール物
性が悪いことを表わす)としては、以下の通りである。
【0088】 グレード10〜9:ややマイナスカール(バック層側へ
のカール)乃至平坦であり、カール物性が極めて良好。 グレード 8〜7:ややプラスカール(画像形成層側へ
のカール)があるが、カール物性が良好。 グレード 6〜4:プラスカールがあるが、実用上問題
がない程度。 グレード 3〜1:プラスカールが大きく、実用上問題
である。
【0089】得られた結果を表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】なお、表1の(注1)〜(注2)は、以下
の通りである。
【0092】(注1)基紙を構成する天然パルプについ
て測定された、本明細書で規定されたパルプの繊維長
(mm)を表す。 (注2)下層の樹脂層又は上層の樹脂層中の全ポリエチ
レン系樹脂成分のトータルとしての計算密度(g/cm3
を表す。
【0093】表1の結果から、天然パルプを主成分とす
る基紙の一方の画像形成層を設ける側がポリエチレン系
樹脂(a)を50重量%以上(上層中に含まれる全樹脂
成分に対する割合として)含む上層(A)とポリエチレ
ン系樹脂(b)を最も多く(下層中に含まれる全樹脂成
分に対する割合として)含む下層(B)とから成る少な
くとも2層の樹脂層で被覆された画像材料用支持体であ
って、ポリエチレン系樹脂(a)は、その密度が0.9
40g/cm3以上のものであり、かつポリエチレン系樹脂
(b)は、その密度が0.940g/cm3未満のものであ
り、なおかつ上層(A)の厚さは、少なくとも2層から
成る全樹脂層厚さの50%以下であり、更に基紙は、パ
ルプの繊維長が0.45mm〜0.65mmの範囲にある天然
パルプを主成分として構成されたものである、本発明に
おける画像材料用支持体(実施例1〜6)は、見た目の
光沢感の高い、かつカール物性が良好である写真プリン
トが得られる、優れた画像材料用支持体であることがよ
くわかる。また、本発明における画像材料用支持体の中
でも、見た目の光沢感の改良効果の点から、基紙を構成
する天然パルプの繊維長が、0.48mm〜0.62mmの範
囲であるものが好ましく、0.50mm〜0.59mmの範囲
であるものが更に好ましいことがよくわかる。また、写
真プリントの見た目の光沢感の改良効果の点から、上層
(A)中の全ポリエチレン系樹脂成分のトータルとして
の密度が、0.940g/cm3以上のものが好ましく、0.
945g/cm3以上のものが更に好ましく、0.950g/cm
3以上のものが特に好ましいことがよくわかる。
【0094】一方、上層が本発明の要件を満たさない場
合(比較例2〜3)または下層が本発明の要件を満たさ
ない場合(比較例4)や基紙を構成する天然パルプの繊
維長が本発明の要件を満たさない場合(比較例1)の本
発明外の画像材料用支持体は、見た目の光沢感の高い写
真プリントが得られなかったり、カール物性が悪かった
りして問題があることがよくわかる。
【0095】実施例7〜10 実施例5で用いた下層用の樹脂組成物として、配合組成
物(BL−1)または下記の配合組成物(BL−6)〜
(BL−8)を用いる以外は、実施例5と同様に実施し
た。
【0096】配合組成物(BL−6):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−1W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−1B)のペレット8重量部と下記低密
度ポリエチレン樹脂(R−4)のペレット75重量部を
よく単純混合(ドライブレンド)した配合組成物。
【0097】低密度ポリエチレン樹脂(R−4):密度
が0.924g/cm3、MFRが4.0g/10分であるオート
クレーブ法の高圧法低密度ポリエチレン樹脂。
【0098】配合組成物(BL−7):二酸化チタン顔
料を含む下記マスターバッチ(MB−2W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む下記マスタ
ーバッチ(MB−2B)のペレット8重量部と下記低密
度ポリエチレン樹脂(R−5)のペレット75重量部を
よく単純混合(ドライブレンド)した配合組成物。
【0099】マスターバッチ(MB−2W):マスター
バッチ(MB−1W)の調製に用いた低密度ポリエチレ
ン樹脂(R−2)の代わりに、下記低密度ポリエチレン
樹脂(R−6)を用いること以外はマスターバッチ(M
B−1W)と全く同様にして調製したマスターバッチ。
【0100】マスターバッチ(MB−2B):マスター
バッチ(MB−1B)の調製に用いた低密度ポリエチレ
ン樹脂(R−2)の代わりに、下記低密度ポリエチレン
樹脂(R−6)を用いること以外はマスターバッチ(M
B−1B)と全く同様にして調製したマスターバッチ。
【0101】低密度ポリエチレン樹脂(R−5):密度
が0.925g/cm3、MFRが4.0g/10分であるオート
クレーブ法の高圧法低密度ポリエチレン樹脂。
【0102】低密度ポリエチレン樹脂(R−6):密度
が0.925g/cm3、MFRが7.5g/10分であるオート
クレーブ法の高圧法低密度ポリエチレン樹脂。
【0103】配合組成物(BL−8):二酸化チタン顔
料を含む前記マスターバッチ(MB−2W)のペレット
17重量部と二酸化チタン顔料と群青を含む前記マスタ
ーバッチ(MB−2B)のペレット8重量部と前記低密
度ポリエチレン樹脂(R−5)のペレット66.4重量
部と前記高密度ポリエチレン樹脂(R−3)8.6重量
部をよく単純混合(ドライブレンド)した配合組成物。
【0104】得られた結果を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】なお、表2中の(注2)は、表1中のそれ
と同意義である。
【0107】表2の結果から、本発明における画像材料
用支持体(実施例7〜10)は、見た目の光沢感の高
い、かつカール物性が良好である写真プリントが得られ
る、優れた画像材料支持体であることがよくわかる。中
でも、カール物性の観点から、下層中の全ポリエチレン
系樹脂成分のトータルとしての密度(計算密度)が0.
928g/cm3以下であるものが更に好ましく、0.921
g/cm3以下であるものが特に好ましいことがよくわか
る。
【0108】実施例11〜14及び比較例5 実施例5において、下層の厚さ及び上層の厚さがそれぞ
れ表3の記載の厚さになるように、下層用の樹脂組成物
(BL−1)及び上層用の樹脂組成物(BL−4)を二
層同時押し出しコーティングすること以外は、実施例5
と同様にして実施した。
【0109】得られた結果を表3に示す。
【0110】
【表3】
【0111】なお、表3中の(注3)は、表側の全樹脂
層厚さに対する上層の厚さの割合(%)を示す。
【0112】表3の結果から、基紙の表側が少なくとも
2層の樹脂層で被覆され、上層の厚さが、少なくとも2
層から成る全樹脂層厚さの50%以下である、本発明に
おける画像材料用支持体(実施例11〜14)は、見た
目の光沢感の高い、かつカール物性が良好である写真プ
リントが得られる、優れた画像材料用支持体であること
がよくわかる。中でも、カール物性の観点から、上層の
厚さが、少なくとも2層から成る全樹脂層厚さの35%
以下であるものが好ましく、少なくとも2層から成る全
樹脂層厚さの20%以下であるものが特に好ましいとこ
とがよくわかる。一方、上層の厚さが少なくとも2層か
ら成る全樹脂層厚さの50%より厚い、本発明外の画像
材料用支持体(比較例5)は、カール物性が悪くて問題
があることがよくわかる。
【0113】実施例15〜22及び比較例6〜7 実施例5の基紙の製造(段落0066)において、表4
に記載の繊維長になるように叩解したパルプを用いるこ
と及びマシンカレンダーの線圧を適宜調節すること以外
は、実施例5と同様にして表4に記載の中心面平均粗さ
SRaを有する基紙を製造した。なお、各基紙の密度
は、1.02g/cm3〜1.10g/cm3の範囲であった。これ
らの基紙を実施例5で用いた基紙の代わりに用いること
以外は実施例5と同様に実施した。
【0114】得られた結果を表4に示す。
【0115】
【表4】
【0116】なお、画像材料支持体の腰の強さの評価方
法としては、以下のようにして行った。実施例1と同様
にして作成した13cm×18cmのカラー写真プリントに
ついて、10人のモニターによりカラー写真プリントの
端を持って上下に振り、手触り感による腰の強さを判定
して、10段階のグレード評価を行った。腰の強さの評
価基準(グレード数値の高い程、腰が強いこと、グレー
ド数値の低い程、腰が弱いことを表す)としては、以下
の通りである。
【0117】 グレード10〜9:腰が強い。 グレード 8〜7:腰がやや強い。 グレード 6〜4:腰がやや弱いが、実用可能である程
度。 グレード 3〜1:腰が弱く、実用上問題である。
【0118】また、表4中の(注1)は、表1中のそれ
と同意義である。
【0119】表4の結果から、本発明における画像材料
用支持体(実施例15〜22)は、見た目の光沢感の高
い、かつカール物性が良好であり、なおかつ腰の強い写
真プリントが得られる、優れた画像材料用支持体である
ことがよくわかる。中でも、写真プリントの見た目の光
沢感と腰の強さの改良効果の点から、基紙を構成する天
然パルプの繊維長が、0.48mm〜0.62mmの範囲であ
るものが好ましく、0.50mm〜0.59mmの範囲のもの
が更に好ましく、0.53mm〜0.59mmの範囲のものが
特に好ましいことがよくわかる。また、本発明の実施に
用いられる基紙としては、その中心面平均粗さが1.5
μm以下のものが好ましく、1.4μm以下のものが更に
好ましく、1.3μm以下のものが特に好ましいことがよ
くわかる。
【0120】一方、本発明外の画像材料用支持体(比較
例6〜7)は、腰の強い写真プリントが得られなかった
り、見た目の光沢感の高い写真プリントが得られなかっ
たりして、問題があることがよくわかる。
【0121】実施例23〜25 実施例5において、基紙の走行速度を表5に記載の走行
速度にすること以外は、実施例5と同様にして実施し
た。
【0122】実施例26 実施例5において実施した表樹脂層の樹脂被覆の代わり
に、基紙の表面をコロナ放電処理後、該表面に基紙の走
行速度200m/分で、最下層、その後に中間層と最上層
(これらは同時に)の順に別個のステーションで溶融押
し出し機を用いて、それぞれ微粗面ロールとプレスロー
ルの線圧40kgf/cmで逐次溶融押し出しコーティングし
て表樹脂層を被覆すること以外は、実施例5と同様に実
施した。その際、逐次溶融押し出しコーティングとして
は、まず最下層用の樹脂組成物として、厚さ16μmの
配合組成物(BL−1)を樹脂温度315℃で溶融押し
出し機を用いて溶融押し出しコーティングし、その後に
最下層の樹脂層上に、中間層用の樹脂組成物として、厚
さ9μmの配合組成物(BL−1)と最上層用の樹脂組
成物として、厚さ5μmの配合組成物(BL−4)と
を、それぞれの樹脂温度310℃で二層共押し出し機を
用いて二層同時押し出しコーティングした。なお、本実
施例では、最上層が本明細書で言う上層として機能し、
中間層と最下層が、合わせて本明細書で言う下層として
機能する樹脂層の構成である。
【0123】実施例27〜28 実施例26において、基紙の走行速度を表5に記載の走
行速度にすること以外は、実施例26と同様に実施し
た。
【0124】実施例23から28について得られた結果
を表5に示す。
【0125】
【表5】
【0126】表5の実施例24と実施例27(各々基紙
の走行速度250m/分)及び実施例25と実施例28
(各々基紙の走行速度300m/分)の結果の比較から、
基紙の走行速度(即ち、画像材料用支持体の製造速度)
が速くなればなる程、即ち基紙の走行速度が、250m/
分以上、特に300m/分以上である場合には、写真プリ
ントの見た目の光沢感の改良効果の点から、本発明にお
ける画像材料用支持体の中でも、少なくとも2層から成
る表樹脂層は、少なくとも最下層から成る樹脂層と少な
くとも最上層から成る樹脂層が逐次に溶融押し出しコー
ティングされる、逐次押し出しコーティング方式により
被覆された画像材料用支持体が、特に好ましいことがよ
くわかる。更に、該画像材料支持体は、見た目の光沢感
の高い、かつカール物性が良好である画像材料及びその
プリントが得られる、なおかつ高速生産出来る、特に優
れた画像材料支持体であることがよくわかる。
【0127】
【発明の効果】本発明により、見た目の光沢感の高い画
像材料及びそのプリントが得られる、かつカール物性が
良好である、なおかつ腰が強い画像材料及びそのプリン
トが得られる、しかも高速生産出来る、優れた樹脂被覆
紙型の画像材料用支持体を提供できる。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、紙基質の画像形成層を設ける側がポリエチレン系樹
    脂(a)を50重量%以上(上層中に含まれる全樹脂成
    分に対する割合として)含む上層(A)とポリエチレン
    系樹脂(b)を最も多く(下層中に含まれる全樹脂成分
    に対する割合として)含む下層(B)とから成る少なく
    とも2層の樹脂層で被覆された画像材料用支持体であっ
    て、ポリエチレン系樹脂(a)は、その密度が0.94
    0g/cm3以上のものであり、かつポリエチレン系樹脂
    (b)は、その密度が0.940g/cm3未満のものであ
    り、なおかつ上層(A)の厚さは、少なくとも2層から
    成る全樹脂層厚さの50%以下であり、更に紙基質は、
    下記で規定されるパルプの繊維長が0.45mm〜0.65
    mmの範囲にある天然パルプを主成分として構成されたも
    のである事を特徴とする画像材料用支持体。ここで、パ
    ルプの繊維長は、下記で規定される。 パルプの繊維長:紙用薬品を添加する前の叩解後のパル
    プについて,JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法
    No.52-89「紙及びパルプ繊維長試験方法」に準拠
    して測定した長さ加重平均繊維長(mm)で表示したも
    の。
  2. 【請求項2】 画像形成層を設ける側とは反対側の紙基
    質が、フィルム形成能ある樹脂(c)を含む樹脂層
    (C)で被覆されたものである請求項1記載の画像材料
    用支持体。
  3. 【請求項3】 該フィルム形成能ある樹脂(c)が、ポ
    リエチレン系樹脂である請求項2記載の画像材料用支持
    体。
  4. 【請求項4】 上層(A)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.940g
    /cm3以上である請求項1、2または3記載の画像材料用
    支持体。
  5. 【請求項5】 上層(A)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.945g
    /cm3以上である請求項4記載の画像材料用支持体。
  6. 【請求項6】 上層(A)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.950g
    /cm3以上である請求項5記載の画像材料用支持体。
  7. 【請求項7】 下層(B)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.928g
    /cm3以下である請求項1、2、3、4、5または6記載
    の画像材料用支持体。
  8. 【請求項8】 下層(B)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.924g
    /cm3以下である請求項7記載の画像材料用支持体。
  9. 【請求項9】 下層(B)中の全ポリエチレン系樹脂成
    分のトータルとしての密度(計算密度)が、0.921g
    /cm3以下である請求項8記載の画像材料用支持体。
  10. 【請求項10】 上層(A)の厚さは、少なくとも2層
    から成る全樹脂層厚さの35%以下である請求項1、
    2、3、4、5、6、7、8または9記載の画像材料用
    支持体。
  11. 【請求項11】 上層(A)の厚さは、少なくとも2層
    から成る全樹脂層厚さの20%以下である請求項10記
    載の画像材料用支持体。
  12. 【請求項12】 天然パルプが、広葉樹漂白クラフトパ
    ルプである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、
    9、10または11記載の画像材料支持体。
  13. 【請求項13】 天然パルプは、その繊維長が0.48m
    m〜0.62mmのものである請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9、10、11または12記載の画像材料
    用支持体。
  14. 【請求項14】 天然パルプは、その繊維長が0.50m
    m〜0.59mmのものである請求項13記載の画像材料支
    持体。
  15. 【請求項15】 天然パルプは、その繊維長が0.53m
    m〜0.59mmのものである請求項14記載の画像材料支
    持体。
  16. 【請求項16】 少なくとも2層の樹脂層が、最上層、
    中間層及び最下層から成るものである請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、1
    3、14または15記載の画像材料支持体。
  17. 【請求項17】 少なくとも2層の樹脂層は、少なくと
    も最下層から成る樹脂層と少なくとも最上層から成る樹
    脂層が逐次に溶融押し出しコーティングされる、逐次押
    し出しコーティング方式により被覆されたものである請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、1
    1、12、13、14、15または16記載の画像材料
    支持体。
  18. 【請求項18】 画像材料用支持体の製造速度(紙基質
    の走行速度)が、250m/分以上のものである請求項1
    7記載の画像材料用支持体。
JP16437597A 1997-02-20 1997-06-20 画像材料用支持体 Pending JPH1115107A (ja)

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US09/034,139 US6335102B1 (en) 1997-02-20 1998-02-22 Support for imaging material
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