JPH08286319A - 画像材料用支持体 - Google Patents

画像材料用支持体

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JPH08286319A
JPH08286319A JP7089420A JP8942095A JPH08286319A JP H08286319 A JPH08286319 A JP H08286319A JP 7089420 A JP7089420 A JP 7089420A JP 8942095 A JP8942095 A JP 8942095A JP H08286319 A JPH08286319 A JP H08286319A
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JP
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JP7089420A
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English (en)
Inventor
Toru Noda
徹 野田
Takuya Seri
卓也 世利
Nobushige Iketani
暢重 池谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂被覆時の成形加工性及び表樹脂層と基紙
との接着性が良好であり、かつ見た目の光沢感の高い画
像材料、特に見た目の光沢感の高い写真プリントを提供
出来る、なおかつ表樹脂層面にクレーター状の細孔の発
生が無く表面欠陥の無い、紙を基質とする優れた樹脂被
覆紙型画像材料用支持体を提供する事を目的とする。 【構成】 基紙の表面が樹脂層で被覆された画像材料用
支持体において、該樹脂層が、共重合成分としてシクロ
ヘキサンジメタノールを含む特定の共重合ポリエチレン
テレフタレート60〜99重量%と不飽和カルボン酸な
いしはその無水物でグラフトされた変性ポリオレフィン
1〜40重量%とからなるポリエステル樹脂組成物と低
密度ポリエチレン樹脂とから成る混合樹脂組成物を含有
する事を特徴とする画像材料用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天然パルプを主成分とす
る紙を基質として、その一方の画像形成層を設ける側の
紙基質(以下、基紙と略すことがある)面が樹脂層で被
覆された画像材料用支持体に関するものであり、詳しく
は画像材料、特に見た目の光沢感の高い写真プリントが
得られる、かつクレーター状の細孔の発生が無く表面欠
陥の無い、なおかつ高速生産出来る画像材料用支持体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、画像材料は画像材料用支持体と該
支持体上に設けられた画像形成層とから構成されてい
る。かかる画像形成層としては、ハロゲン化銀写真構成
層、ハロゲン化銀熱現像カラー写真構成層、インクジェ
ット受像層、昇華型熱転写記録受像層等及びそれらの補
助層から構成されてものであるが、特にハロゲン化銀写
真構成層としては、ハロゲン化銀写真乳剤層、保護層、
下引層、中間層あるいは色混り防止層、ハレーション防
止層、もしくはフィルター層、紫外線吸収層などおよび
それらの組み合わせから構成されたものである。例え
ば、単一なハロゲン化銀写真材料は、写真用支持体上に
ハロゲン化銀写真乳剤層とその保護層を設けたものであ
る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、写真用
支持体上に下引層、青感ハロゲン化銀写真乳剤層と中間
層、緑感ハロゲン化銀写真乳剤層と紫外線吸収層、赤感
ハロゲン化銀写真乳剤層と保護層などが順に設けられて
多層配置にされたものである。
【0003】従来、画像材料用支持体のための基紙面が
フィルム形成能ある樹脂で被覆された樹脂被覆紙型支持
体はよく知られている。例えば、特公昭55-12584号公報
には、基紙がフィルム形成能ある樹脂、好ましくはポリ
オレフィン樹脂で被覆された写真用支持体についての技
術が開示されている。米国特許第 3,501,298号公報には
基紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された写真用支
持体についての技術が開示されている。また、ハロゲン
化銀感光材料の迅速写真現像処理方式が適用されて以
来、基紙の両面がポリエチレン系樹脂で被覆された写真
用支持体が、写真印画紙用として主に実用化されてお
り、必要に応じてその一方の画像形成層を設ける側の樹
脂層中には鮮鋭度を付与するために、通常二酸化チタン
顔料を含有している。
【0004】また、米国特許第4,774,224 号公報には、
樹脂被覆の表面粗さが7. 5マイクロインチ−AA以下
である樹脂被覆紙、特に基紙の表面をポリエチレン樹脂
で被覆したポリエチレン樹脂被覆紙を支持体として有す
る熱転写記録受像要素が提案されている。また、特開昭
63-307979 号公報には、樹脂被覆紙を支持体として有す
るインクジェット記録用シ−トに関する技術が開示され
ている。
【0005】しかしながら、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層を設ける側の面をポリエチ
レン系樹脂で被覆した樹脂被覆紙型画像材料用支持体
は、依然としていくつかの点で重大な問題点を有してい
た。
【0006】即ち、第一に、基紙の画像形成層を設ける
側の面をポリエチレン系樹脂で被覆した画像材料用支持
体用途のためのポリエチレン系樹脂被覆紙は、通常走行
する基紙上にポリエチレン系樹脂を溶融押し出し機を用
いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆
し、加圧ロールと冷却ロールとの間で圧着し、冷却後ロ
ールから剥離されるという一連の工程で製造される。し
かし、元来鏡面ないしは光沢面もしくは特公昭62-19732
号公報に記載の微粗面を有する、グロッシー用途の画像
材料用樹脂被覆紙では、特に基紙に溶融樹脂を押し出し
コーティングする際に画像形成層を設ける側(以下、画
像形成層を設ける側を表側、表側に被覆される樹脂層を
表樹脂層、その反対側を裏側、裏側に被覆される樹脂層
を裏樹脂層と略することがある)の樹脂層の厚味が50
μm以下、特に40μm以下の場合には、基紙の影響の
他、押し出しコーティング時の冷却速度、プレス圧、製
造速度等の製造条件や樹脂それ自身の影響により、見た
目の光沢感の低い画像材料しか得られないという問題点
があった。
【0007】写真印画紙材料分野においては、見た目の
光沢感に優れた写真プリントを得ることが特に望まれて
いた。しかし、基紙、特に天然パルプを主成分とする基
紙の写真構成層を設ける側の面をポリオレフィン樹脂で
被覆した樹脂被覆紙には、該樹脂被覆紙を支持体とする
グロッシー面のハロゲン化銀印画紙を製造した場合に、
現像後のプリントの見た目の光沢感の高いものが得られ
ないという問題点があった。
【0008】第二に、グロッシー用途の画像材料用樹脂
被覆紙では、高度の平滑性が要求されるものの、基紙、
特に天然パルプを主成分とする基紙の表側に溶融ポリオ
レフィン樹脂を押し出しコーティングする際に、表樹脂
層の厚みが40μm以下の場合や樹脂被覆紙の製造速度
が速くなればなる程、特に150m/分以上の場合には、
画像材料用樹脂被覆紙の表樹脂層面にクレーター状の細
孔が発生することである。このクレーター状の細孔が発
生すると該樹脂被覆紙を支持体とする画像材料のグロッ
シー面の光沢が低下し、商品価値が著しく低下する。
【0009】樹脂被覆紙型画像材料用支持体のクレータ
ー状の細孔及び別種の欠点を排除、改良するために、特
開昭59-198451 号公報、特開昭61-132949 号公報、特開
平1-303435号公報等に共押し出しコーティング法及び逐
次押し出しコーティング法の二層押し出しコーティング
法の記載もしくは例示があるが、樹脂被覆紙型画像材料
用支持体の表側に発生するクレーター状の細孔の防止、
改良にはある程度有効であるものの、これらの技術を用
いても画像材料の高い見た目の光沢感を得ることについ
ては、極めて不十分であった。
【0010】特に、現像後のプリントの見た目の光沢感
と樹脂被覆紙型写真用支持体の要因については現時点で
明らかでないけれども、平滑な樹脂被覆紙型写真用支持
体に関するいくつかの技術提案がある。特開昭58-68037
号公報に、42メッシュスクリーン残留分が20重量%
以上45重量%以下のパルプ繊維から成る紙を基質とす
る平滑なポリエチレン樹脂被覆紙の提案がある。又、特
開昭63-291054 号公報には、パルプ濾水度及びJ/W比
の規定、ダンディロールの使用、表面サイズ及び熱カレ
ンダー処理により抄造される、全波長域での中心面平均
粗さが3μm以下である紙を基質とする平滑なポリエチ
レン樹脂被覆紙型写真用支持体の提案がある。更に、特
開昭64-20543号公報には、特定メッシュの節残分が特定
範囲であるパルプから成り、熱カレンダー処理した紙を
基質とする平滑なポリエチレン樹脂被覆紙型写真印画紙
用支持体の提案がある。しかしながら、これらの技術を
用いても樹脂被覆紙型支持体の表樹脂面に発生するクレ
ーター状の細孔の防止、改良には不十分であるばかりで
なく、画像材料の高い見た目の光沢感を得ることについ
ては、極めて不十分であった。
【0011】また、特開平5-127311号公報には、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂又はナイロン66樹脂で被覆
した、光沢性及び解像度が良好な樹脂被覆紙型写真印画
紙用支持体の技術が開示されているが、該樹脂組成物は
ドローダウン性、ネックイン等の成形加工性が悪くて極
めて製造適性が悪いものであり、更に樹脂層と基紙層と
の接着性が悪く、極めて問題点が多いものであった。ま
た、特開平5-127310号公報には、ポリエステル樹脂とポ
リオレフィン樹脂、好ましくはポリエチレン樹脂との混
合物で基紙を被覆することにより、ネックイン及びダイ
スウェルが良好でかつ光沢に優れた樹脂被覆紙型写真印
画紙用支持体を得る技術が開示されている。しかしなが
ら、単にポリエステル樹脂とポリエチレン樹脂を混合し
た樹脂組成物を用いても押し出し成形されるフィルムは
むらむらとした状態で筋っぽく、かつ樹脂ゲルと呼称さ
れる、不均一な小さな異物状の固まりが発生し、極めて
問題点が多いものであった。
【0012】以上のように、基紙、特に天然パルプを主
成分とする基紙の画像形成層が設けられる側(表側)の
面が樹脂層で被覆された樹脂被覆紙型画像材料用支持体
の、画像材料の見た目の光沢感に及ぼす要因は全く知ら
れていないし、従来公知の技術を用いて見た目の光沢感
の高い画像材料、特に現像後の見た目の光沢感が高いプ
リント、特にカラー写真プリントを提供出来る樹脂被覆
紙型画像材料用支持体を得ることは出来なかった。又、
樹脂被覆紙型画像材料用支持体の表側の樹脂層面に出現
するクレーター状の細孔の発生に関する要因はほとんど
知られていないし、従来公知の技術を用いてクレーター
状の細孔を顕著に改良することが出来なかった。更に、
樹脂被覆時の成形加工性が良好でそれ故に品質の安定性
が良く、かつ150m/分以上の製造速度で樹脂層が被覆
されても見た目の光沢感に優れた画像材料を提供出来、
なおかつクレーター状の細孔の発生が無い樹脂被覆紙型
画像材料用支持体は知られていなかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第一
の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、
その表側の基紙面が樹脂層で被覆された、見た目の光沢
感の高い画像材料、特に現像後の見た目の光沢感の高い
写真プリントを提供出来る、かつ表樹脂層面にクレータ
ー状の細孔の発生が無く表面欠陥の無い、優れた樹脂被
覆紙型画像材料用支持体を提供することである。本発明
の第二の目的は、樹脂被覆時の成形加工性が良好であ
り、それ故に品質の安定性が良く、かつ150m/分以上
の製造速度で被覆されて、それ故に生産性が良くて経済
的に優れ、なおかつ見た目の光沢感の高い画像材料、特
に現像後の見た目の光沢感の高い写真プリントを提供出
来る、更に表樹脂層面にクレーター状の細孔の発生が無
く表面欠陥の無い、優れた樹脂被覆紙型画像材料用支持
体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らが前述の問題
点を解決するために鋭意検討の結果、天然パルプを主成
分とする紙を基質として、その一方の画像形成層を設け
る側の紙基質面が樹脂層で被覆された画像材料用支持体
において、該樹脂層が、共重合ポリエチレンテレフタレ
ート60〜99重量%と不飽和カルボン酸ないしはその
無水物でグラフトされた変性ポリオレフィン1〜40重
量%とからなるポリエステル樹脂組成物(A)と低密度
ポリエチレン樹脂(B)とから成る混合樹脂組成物
(C)を含有し、かつポリエステル樹脂組成物(A)
は、共重合成分としてシクロヘキサンジメタノールを含
有し、その全ジオール成分に対する比率が3〜25モル
%の範囲である共重合ポリエチレンテレフタレート60
〜99重量%と、0. 2〜1. 0重量%の不飽和カルボ
ン酸またはその無水物でグラフト変性されたポリオレフ
ィン1〜40重量%とから成るポリエステル樹脂組成物
であることを特徴とする画像材料用支持体によって、本
発明の目的が達成される事を見い出した。
【0015】本発明の目的は、混合樹脂組成物(C)と
して、その混合比(重量%)がポリエステル樹脂組成物
(A)/低密度ポリエチレン樹脂(B)=80/20〜
20/80の範囲のものを用いることにより顕著に達成
される事を見い出した。又、本発明の目的は、混合樹脂
組成物(C)として、ポリエステル樹脂組成物(A)と
低密度ポリエチレン樹脂(B)とを予め溶融・混合して
調製したコンパウンド樹脂組成物であるものを用いる事
により、顕著に達成される事を見い出した。また、本発
明の目的は、基紙として、画像形成層を設ける側の触針
式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ値
0. 8mmの抄紙方向の中心面平均粗さ(SRa)が1.
5μm以下のものを用いる事により、極めて顕著に達成
される事を見い出した。更に、本発明の目的は、ポリエ
ステル樹脂組成物(A)として、共重合ポリエチレンテ
レフタレートまたはポリオレフィンが特定物性値である
ものを配合してなるポリエステル樹脂組成物を用いる事
により、顕著に達成される事を見い出し、本発明に到っ
たものである。
【0016】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)は、共重合ポリエチレンテレフタレート
60〜99重量%と不飽和カルボン酸ないしはその無水
物でグラフトされた変性ポリオレフィン1〜40重量%
とから成るものであるが、共重合ポリエチレンテレフタ
レートの比率として70〜98重量%のものが好まし
く、75〜97重量%のものが特に好ましく、また変性
ポリオレフィンの比率として2〜30重量%のものが好
ましく、3〜25重量%のものが特に好ましい。変性ポ
リオレフィンの比率が1重量%未満の場合には、ポリエ
ステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレン樹脂
(B)の混和性及び混合樹脂組成物(C)を含む樹脂層
の成形加工性が悪くなり、また樹脂ゲルと呼称される不
均一な樹脂の固りの発生が多くなって問題である。一
方、変性ポリオレフィンの比率が40重量%を越える
と、樹脂層の成形加工性が悪くなり、又樹脂層の熱安定
性が低下し、ひいては押し出し時間の経過と共に成形フ
ィルムの均一性が悪化し、樹脂ゲルの発生が多くなって
問題である。
【0017】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)の調製に用いられる共重合ポリエチレン
テレフタレートに関しては、シクロヘキサメチレンジメ
タノールが共重合されたポリエチレンテレフタレートで
あって、かつ全ジオール成分に対するシクロヘキサンジ
メタノール成分の比率が3〜25モル%、好ましくは5
〜20モル%、特に好ましくは7〜15モル%の範囲に
あるものである。シクロヘキサンジメタノール成分の比
率が3モル%未満の場合には、該ポリエステル樹脂組成
物(A)を含む樹脂層のフィルム均一性が悪く、画像材
料の見た目の光沢感の改良効果も不十分である。一方、
シクロヘキサンジメタノール成分の比率が25モル%を
越える場合には、該ポリエステル樹脂組成物(A)を含
む樹脂層の成形加工性が悪く、熱安定性も低下して好ま
しくない。
【0018】共重合成分として使用されるシクロヘキサ
ンジメタノールについては、1,2−シクロヘキサンジ
メタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、
1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが使用できる
が、これらのうち1,4−シクロヘキサンジメタノール
が好ましく使用される。さらに、そのシス体/トランス
体比については任意の比率でよいが、好ましくは60/
40〜0/100、より好ましくは50/50〜20/
80の範囲である。
【0019】また、本発明の実施に用いられるポリエス
テル樹脂組成物(A)の調製に用いられる共重合ポリエ
チレンテレフタレートは、本発明の構成要件を満足する
限り、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分、およびシ
クロヘキサンジメタノール、エチレングリコール以外の
ジオール成分、さらにはオキシ酸成分などが少量共重合
されていてもよい。このようなジカルボン酸成分として
は、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ビフェニルジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など、ジオー
ル成分としては、ジエチレングリコール、プロパンジオ
ール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなど、
オキシ酸成分としてはヒドロキシ安息香酸、グリコール
酸などを挙げることができる。これらシクロヘキサンジ
メタノール以外の共重合成分は、それらの共重合成分を
含む構成繰り返し単位の全繰り返し単位に対する割合が
通常10モル%以下、好ましくは5モル%以下となる範
囲において用いられる。特に、ジエチレングリコールの
共重合量に関しては、共重合ポリエチレンテレフタレー
トの熱安定性の面から、全ジオール成分に対する比率と
して5モル%以下、さらには4モル%以下であることが
望ましい。
【0020】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)の調製に用いられる共重合ポリエチレン
テレフタレートの熱特性としては、示差走査型熱量計
(以下、「DSC」という)にて測定した吸熱ピーク温
度が190〜245℃、さらには210〜230℃の範
囲にあることが望ましい。吸熱ピーク温度の測定は、窒
素雰囲気下130℃で2時間熱処理した試料を用い、D
SCにて試料5mgを室温から昇温速度20℃/分で30
0℃まで昇温して測定する。共重合ポリエチレンテレフ
タレートの吸熱ピーク温度が上記範囲にある場合には、
該ポリエステル樹脂組成物(A)を含む樹脂層の成形加
工性が一層良好である。
【0021】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)の調製に用いられる共重合ポリエチレン
テレフタレートの極限粘度については、フェノール/
1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比=1/
1)の混合溶媒中、30℃で測定した場合に0. 5〜
1. 5dl/g、好ましくは0. 6〜1. 0dl/gの範囲にあ
ることが望ましい。共重合ポリエチレンテレフタレート
の極限粘度がこの範囲にある場合には、該ポリエステル
樹脂組成物(A)を含む樹脂層の成形加工性がより良好
であり、画像材料の見た目の光沢感の改良効果が大きく
なるために好ましい。
【0022】一方、本発明の実施に用いられるポリエス
テル樹脂組成物(A)の調製に用いられる変性ポリオレ
フィンは、不飽和カルボン酸ないしはその無水物でグラ
フト変性されたポリオレフィンである。ポリオレフィン
に対する不飽和カルボン酸ないしはその無水物のグラフ
ト率は、通常0. 2〜1. 0重量%、好ましくは0.2
5〜0. 8重量%、さらに好ましくは0. 3〜0. 6重
量%の範囲にあることが望ましい。不飽和カルボン酸な
いしはその無水物の比率がこの範囲にある場合には、変
性ポリオレフィンの共重合ポリエチレンテレフタレート
への分散性が良く、得られるポリエステル樹脂組成物
(A)の低密度ポリエチレン樹脂(B)との混合性も良
くて好ましいが、グラフト率が高過ぎると該ポリエステ
ル樹脂組成物(A)を含む樹脂層の成形加工性が悪くな
り、樹脂ゲルやダイリップ汚れと呼称される、溶融押し
出し塗工中にダイリップの尖端に出現する汚れの発生も
多くなって好ましくない。また、変性ポリオレフィン
は、前記比率で全量変性して製造されたものであっても
よいし、一旦前記比率以上に変性したポリオレフィンに
未変性ポリオレフィンをブレンドして前記比率に調整さ
れたものであってもよい。さらには、これらの二種以上
をブレンドしたものであってもよい。これらの変性ポリ
オレフィンのうち、前記比率で全量変性されたものが共
重合ポリエチレンテレフタレートへの分散性が最もよ
く、好ましく用いられる。
【0023】変性ポリオレフィンの調製に用いられる不
飽和カルボン酸ないしはその無水物としては、アクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、ナジック酸、無水マレイ
ン酸、無水イタコン酸、無水ナジック酸などを挙げるこ
とができるが、これらのうち無水マレイン酸が最も好ま
しい。また、変性ポリオレフィンの調製に用いられる原
料のポリオレフィンとしては、高密度または低密度のポ
リエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体などの非極性ポリオレフィンや、さらには、
これら非極性ポリオレフィン中にビニルアルコール成分
や酢酸ビニル成分などの極性成分を共重合した、例え
ば、エチレン・ビニルアルコール共重合体やエチレン・
酢酸ビニル共重合体などの極性ポリオレフィンが挙げら
れる。なお、エチレン・α−オレフィン共重合体につい
ては、主要量のエチレンと炭素数3〜12程度のα−オ
レフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ド
デセン、4−メチル−1−ペンテンなどとの二元共重合
体ないしは三元以上の多元共重合体である。これらのポ
リオレフィンは、単独ないしは二種以上をブレンドし
て、変性ポリオレフィンの製造に用いられる。これらの
うち、好ましくは非極性ポリオレフィンであり、さらに
好ましくはエチレン・α−オレフィン共重合体であり、
中でも1−ブテン共重合ポリエチレンが最も好ましい。
【0024】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)の調製に用いられる変性ポリオレフィン
としては、JIS K 6760で規定されるメルトフ
ローレート(以下、JIS K 6760で規定される
メルトフローレートなる語を、単にMFRと略すことが
ある)が、0. 1〜100g/10分、好ましくは0. 3〜
50g/10分、さらに好ましくは0. 5〜20g/10分の範
囲にあることが好ましい。変性ポリオレフィンのMFR
がこの範囲にある場合には、該ポリエステル樹脂組成物
(A)を含む樹脂層の成形加工性が良好であり、又画像
材料の見た目の光沢感の改良効果が大きくなって好まし
い。
【0025】変性ポリオレフィンの熱特性については、
DSCにより測定した吸熱ピーク温度が50〜150
℃、好ましくは55〜130℃、さらに好ましくは60
〜100℃の範囲にあることが望ましい。変性ポリオレ
フィンの吸熱ピーク温度の測定は、測定前の熱処理を行
わない以外は、前記の本発明のポリエステル樹脂組成物
(A)の場合と同様である。変性ポリオレフィンの吸熱
ピーク温度がこの範囲にある場合には、該ポリエステル
樹脂組成物を含む樹脂層の成形加工性がより良好とな
る。
【0026】また、変性ポリオレフィンに含まれる金属
成分に関しては、触媒量程度の少量であることが望まし
い。ナトリウム、カリウム、リチウムなどの金属成分が
多量に含まれている場合には、ポリエステル樹脂組成物
(A)の熱安定性が低下し、ひいては該組成物を含有す
る樹脂層の熱安定性が悪化して問題である。
【0027】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)の製造方法としては、その製造に際し原
料となる共重合ポリエチレンテレフタレートおよび変性
ポリオレフィンについては、従来から公知の方法により
製造されたものを使用すればよい。公知の製造法として
は、共重合ポリエチレンテレフタレートについては、例
えば、溶融重合ないしはそれに引き続く固相重合などの
方法を挙げられる。固相重合により製造された共重合ポ
リエチレンテレフタレートを用いることで、アセトアル
デヒドの含有量のより少ないポリエステル樹脂組成物を
得ることができる。また、変性ポリオレフィンについて
は、例えば、高圧ラジカル重合や配位アニオン重合など
があげられ、水洗浄などの後処理を施してもよい。
【0028】本発明の実施に用いられるポリエステル樹
脂組成物(A)は、共重合ポリエチレンテレフタレート
と変性ポリオレフィンとを所望の重量比で予め溶融・混
練して調製するのが好ましい。溶融・混練することによ
り、共重合ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレ
フィンの混合もしくは分散をより均一なものとすること
が出来、また該ポリエステル樹脂組成物(A)を含む樹
脂層の成形加工性が一層良好なものとなる。溶融・混練
は、従来公知のいかなる方法を用いてもよいが、二軸混
練押し出し機、特開平6-110158号公報に記載もしくは例
示の混練押し出し機等により生産性よく行うことが出来
る。溶融・混練時の温度としては、通常200〜300
℃、好ましくは220〜280℃の範囲である。又、酸
化防止剤の共存下に溶融・混練を行うのが好ましい。
【0029】本発明の実施に用いられる低密度ポリエチ
レン樹脂(B)としては、エチレン成分の単独重合樹
脂、エチレンを主成分としてエチレンとプロピレン、ブ
チレン等のα−オレフィンとの共重合体、エチレンと酢
酸ビニルとの共重合体、エチレンを主成分としてエチレ
ンとアクリル酸、アクリル酸エステル等のアクリル系共
重合成分との共重合体等及びこれらの混合物であり、ま
たオートクレーブ法低密度ポリエチレン樹脂、チューブ
ラ法低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレ
ン樹脂、メタロセン触媒で製造した低密度ポリエチレン
樹脂及びこれらの混合物等の各種のものを使用出来る。
又、各種の密度、MFR、分子量、分子量分布のものを
使用できるが、通常密度0. 900〜0. 935g/c
m3 、好ましくは0. 918〜0. 926g/cm3 の範
囲、MFRが0. 1〜50g/10分、好ましくは0. 2〜
40g/10分、特に好ましくは1〜25g/10分の範囲のも
のを単独にあるいは混合して使用出来る。低密度ポリエ
チレン樹脂(B)のMFRが低過ぎると、該樹脂(B)
を含む樹脂層の成形加工性が悪くなり、また画像材料の
見た目の光沢感の改良効果が不十分となって好ましくな
く、一方MFRが高過ぎると、該樹脂層の成形加工性が
やはり悪くなり、フィルム膜がむらむらと不均一になり
好ましくない。
【0030】本発明の実施に用いられる混合樹脂組成物
(C)としては、ポリエステル樹脂組成物(A)と低密
度ポリエチレン樹脂(B)とから成るものであるが、そ
の構成比としては、ポリエステル樹脂組成物(A):低
密度ポリエチレン樹脂(B)=20〜80:80〜20
(重量%)の範囲が有用であるが、(A):(B)=2
5〜65:75〜35(重量%)の範囲が好ましく、
(A):(B)=30〜50:70〜50(重量%)の
範囲が特に好ましい。ポリエステル樹脂組成物(A)の
比率が高過ぎると該組成物を含む樹脂層の成形加工性が
悪い傾向となって好ましくないし、樹脂層と基紙との接
着性も悪くなって好ましくない。一方、ポリエステル樹
脂組成物(A)の比率が低過ぎると画像材料の見た目の
光沢感の改良効果が不十分となって好ましくない。ま
た、ポリエステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレ
ン樹脂(B)とから成る混合樹脂組成物(C)の溶融押
し出しコーティングに際しては、それぞれの樹脂、及び
必要に応じて後述する添加剤のマスターバッチをドライ
ブレンドして溶融・混合押し出しコーティングすること
が出来るが、混合樹脂層の成形加工性を一層均一に改良
する目的で、ポリエステル樹脂組成物(A)と低密度ポ
リエステル樹脂(B)とを予め溶融・混合して調製した
コンパウンド樹脂組成物として用いるのが好ましい。溶
融・混合は、バンバリーミキサー等の従来公知のいかな
る方法を用いてもよいが、二軸混練押し出し機、特開平
6-110158号公報に記載もしくは開示の混練押し出し機等
により生産性よく行うことが出来る。溶融・混合は酸化
防止剤の共存下に行うのが好ましく、溶融・混合時の温
度としては、通常200〜300℃、好ましくは220
〜280℃の範囲である。
【0031】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中には、必要に応じてその他のフィルム形成能ある樹
脂を含有せしめてもよい。それらのフィルム形成能ある
樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート
樹脂、その他のポリエステル樹脂の熱可塑性樹脂が好ま
しく、中でも溶融押し出しコーティング性の点からポリ
オレフィン樹脂が更に好ましく、本発明の実施に用いら
れる低密度ポリエチレン樹脂以外の中密度ポリエチレン
樹脂、高密度ポリエチレン樹脂が特に好ましい。それら
のポリエチレン樹脂としては、各種の密度、MFR、分
子量、分子量分布のものを使用出来るが、通常0. 93
5〜0. 970g/cm3 、MFRが1〜50g/10分、好ま
しくは2〜30g/10分の範囲のものを単独にあるいは混
合して使用出来る。
【0032】本発明における画像材料用支持体の基紙の
裏側の面は、フィルム形成能ある樹脂から成る樹脂層で
被覆される。それらのフィルム形成能ある樹脂として
は、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好
ましく、中でも溶融押し出しコーティング性の点から前
記したポリオレフィン樹脂が更に好ましく、ポリエチレ
ン系樹脂が特に好ましい。また、特公昭60-17104号公報
に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂から成る樹脂層で
被覆してもよい。
【0033】本発明における画像材料用支持体の表側の
樹脂層の被覆厚さとしては、4μm〜80μmの範囲が
有用であるが、8μm〜60μmの範囲が好ましく、1
0μm〜40μmの範囲が特に好ましい。また、画像材
料用支持体の基紙の裏側の面はフィルム形成能ある樹脂
から成る樹脂層で好ましくは被覆されるが、その被覆厚
さとしては表側の樹脂層と、特にカールバランスを取る
範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4μm〜80
μmの範囲が有用であるが、好ましくは6μm〜55μ
mの範囲である。
【0034】本発明における画像材料用支持体の基紙面
に樹脂層を被覆する方法としては、走行する基紙上に樹
脂組成物を溶融押し出し機を用いて、そのスリットダイ
からフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し
出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。そ
の際、溶融フィルムの温度は250℃乃至330℃であ
ることが好ましい。スリットダイとしては、T型ダイ、
L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好
ましく、スリット開口径は0. 1mm乃至2mmであること
が望ましい。また、樹脂組成物を基紙にコーティングす
る前に、基紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施すのが好ましい。また、特公昭61-42254号公報
に記載の如く、基紙に接する側の溶融樹脂組成物にオゾ
ン含有ガスを吹きつけた後に走行する基紙に樹脂層を被
覆するのが好ましい。また、表、裏の樹脂層は逐次、好
ましくは連続的に、押し出しコーティングされる、いわ
ゆるタンデム押し出しコーティング方式で基紙に被覆さ
れるのが好ましい。また、画像材料用支持体の画像形成
層を塗設する側の表樹脂層面は鏡面もしくは光沢面ある
いは特公昭62-19732号公報に記載の微粗面に加工するの
が好ましく、その反対側の裏樹脂層は通常無光沢面に加
工するのが好ましい。
【0035】本発明における画像材料用支持体の表・裏
の樹脂層は、必要に応じて二層以上の多層構成にする、
多層押し出しコーティング方式で被覆されてもよい。そ
の際、上層と下層の樹脂層は、その構成、MFRが異な
るものを併用してもよい。特に、表樹脂層を多層構成に
する場合、画像材料の見た目の光沢感の改良効果及び基
紙と樹脂層の接着性の観点から、最外層の樹脂層とし
て、ポリエステル樹脂組成物(A)の含有量の多いもの
を用い、基紙と接着する最下層としてポリエステル樹脂
組成物(A)の含有量の低いものを用いるのが好まし
い。
【0036】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層中及び必要に応じて裏樹脂層中には、各種の添加剤を
含有せしめることが出来る。支持体の白色度及び画像の
鮮鋭度を改良する目的で、特公昭60-3430 号公報、特公
昭63-11655号公報、特公平1-38291 号公報、特公平1-38
292 号公報、特開平 1-105245 号公報等に記載もしくは
例示の二酸化チタン顔料を含有せしめるのが好ましい。
また、二酸化チタン顔料の他に酸化亜鉛、タルク、炭酸
カルシウム等の白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキ
ジン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ス
テアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチ
ン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩、
特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のヒンダ−ド
フェノ−ル、ヒンダ−ドアミン、リン系、硫黄系等の各
種酸化防止剤、コバルトブル−、群青、セリアンブル
−、フタロシアニンブル−等のブル−系の顔料や染料、
コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガ
ンバイオレット等のマゼンタ系の顔料や染料、特開平2-
254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線
吸収剤等の各種の添加剤を適宜組み合わせて含有せしめ
ることが出来る。それらの添加剤は、樹脂のマスタ−バ
ッチあるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ま
しい。
【0037】本発明の実施に用いられる基紙は通常の天
然パルプを主成分とする天然パルプ紙である。また、天
然パルプを主成分として合成パルプ、合成繊維とからな
る混抄紙でもよい。それらの天然パルプとしては、特開
昭58-37642号公報、特開昭60-67940号公報、特開昭60-6
9649号公報、特開昭61-35442号公報等に記載もしくは例
示してあるような適切に選択された天然パルプを用いる
のが有利である。天然パルプは塩素、次亜塩素酸塩、二
酸化塩素漂白の通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もし
くはアルカリ処理および必要に応じて過酸化水素、酸素
などによる酸化漂白処理など、およびそれらの組み合わ
せ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広
葉樹混合パルプの木材パルプが有利に用いられ、また、
クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソ−ダパルプな
どの各種のものを用いることができる。
【0038】本発明の実施に用いられる天然パルプを主
成分とする基紙中には、紙料スラリ−調製時に各種の添
加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂
肪酸金属塩あるいは/及び脂肪酸、特公昭62-7534 号公
報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物
あるいは/及びエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニ
ルまたはアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体
等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あ
るいは/及び両性のポリアクリルアミド、ポリビニルア
ルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン
等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピ
クロルヒドリン樹脂等、填料として、クレ−、カオリ
ン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩
化アルミニウム、硫酸バン土等の水溶性アルミニウム塩
等、pH調節剤として、苛性ソ−ダ、炭酸ソ−ダ、硫酸
等、その他特開昭63-204251 号公報、特開平1-266537号
公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光
増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利であ
る。
【0039】また、本発明の実施に好ましく用いられる
天然パルプを主成分とする基紙中あるいは基紙上には、
各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドまたはラ
テックス、帯電防止剤、添加剤から成る組成物をサイズ
プレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗
工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは
塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親
水性コロイドとして、特開平1-266537号公報に記載もし
くは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポ
リマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、セルローズ系ポリマーなど、エマルジョン、ラ
テックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55-4
027 号公報、特開平1-180538号公報に記載もしくは例示
のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少な
くとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくは
ラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アク
リル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニ
ル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体及
びそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもし
くはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウ
ム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状
シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホ
ン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、
カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸
化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエ
ン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着
色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめるのが有利である。
【0040】本発明の実施に用いられる基紙の厚みに関
しては、特に制限はないが、その坪量は20〜200g/
m2のものが好ましい。
【0041】また、本発明の実施に用いられる天然パル
プを主成分とする基紙としては、画像材料の見た目の光
沢感を顕著に改良し、かつクレーター状の細孔の発生を
顕著に改良する観点で、基紙の表側の触針式3次元表面
粗さ計を用いて測定されるカットオフ値0. 8mmでの抄
紙方向の中心面平均粗さSRaが1. 5μm以下のもの
が有用であり、1. 45μm以下のものが好ましく、
1. 35μm以下のものが更に好ましく、1. 25μm
以下のものが特に好ましい。
【0042】本明細書で言う触針式3次元表面粗さ計を
用いて測定されるカットオフ値0.8mmでの中心面平均
粗さSRaとは、数1で規定されるものである。
【0043】
【数1】
【0044】数1において、Wxは試料面域のX軸方向
(抄紙方向)の長さを表わし、Wyは試料面域のY軸方
向(抄紙方向と垂直な方向)の長さを表わし、Saは試
料面域の面積を表わす。
【0045】具体的には、触針式3次元表面粗さ計及び
3次元粗さ解析装置として、小坂研究所(株)製SE−
3AK型機及びSPA−11型機を用い、カットオフ値
0.8mm、Wx=20mm、Wy=8mm、従ってSa=1
60mm2 の条件で求めることが出来る。なお、X軸方向
のデ−タ処理としてはサンプリングを500点行い、Y
軸方向の走査としては、17線以上行う。
【0046】中心面平均粗さSRaが1. 5μm以下で
ある基紙は、具体的には、以下の方法を用いることによ
り、好ましくは以下の方法を2つ以上、更に好ましくは
3つ以上組み合わせて用いることにより得られることが
本発明者らの検討により明かとなった。
【0047】(1)使用する天然パルプとしては、平滑
性の出やすいサルファイトパルプ、好ましくは広葉樹サ
ルファイトパルプを多く用いる。具体的には、特開昭60
-67940号公報に記載もしくは例示の広葉樹サルファイト
パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上用
いる。
【0048】(2)湿紙の乾燥途中に緊度プレスを用い
る。具体的には、例えば特開平3-29945 号公報に記載も
しくは例示のような多段の緊度プレスを湿紙に行う。
【0049】(3)基紙中あるいは基紙上に、各種の水
溶性ポリマー、親水性コロイドあるいはポリマーラテッ
クスを含有あるいは塗設せしめる。具体的には、基紙中
あるいは基紙上に各種の水溶性ポリマーもしくは親水性
コロイドあるいはポリマーラテックスをサイズプレスも
しくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアー
ナイフ塗工などの塗工によって固形塗布量として2. 2
g/m2以上含有あるいは塗設せしめるのが好ましい。
【0050】(4)基紙を抄造後マシンカレンダー、ス
ーパーカレンダー、熱カレンダー等を用いて少なくとも
2系列以上のカレンダー処理を基紙に行う。具体的に
は、例えば基紙に第1系列のカレンダー処理としてマシ
ンカレンダー処理あるいは/及び熱マシンカレンダー処
理を行い、その後第2系列以降のカレンダー処理として
必要に応じて更にマシンカレンダー処理を行った後特開
平4-110939号公報に記載もしくは例示の熱ソフトカレン
ダー処理を行うのが好ましい。
【0051】また、本発明の実施に用いられる基紙とし
ては、下記で規定される抄紙方向の膜厚むら指数Rpy
が250mV以下にしたものが好ましく、200mV以下に
したものが更に好ましく、150mV以下にしたものが最
も好ましい。ここで言う膜厚むら指数Rpyとは、2つ
の球状の触針の間に試料を走行させ、試料の厚み変動を
電子マイクロメーターを介し電気信号として測定するフ
ィルム厚み測定器を用い、電子マイクロメーターの感度
レンジが±15μm/±3Vの条件で、ゼロ点調整後試
料の抄紙方向に1. 5m/分の定速で走査することで試料
の抄紙方向の厚み変動を測定し、得られた測定信号値
を、FFTアナライザーを用いて、時間窓にハニングウ
ィンドウを使用して高速フーリエ変換して、128回の
積算の加算平均によるパワースペクトル(単位:mV2
を求め 、2Hz〜25Hzの周波数域のパワー値を総和し
て2/3を掛けた値を1/2乗することにより求められ
る値(単位:mV)である。
【0052】本発明の実施に好ましく用いられる、膜厚
むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造する方法と
しては、具体的には、短繊維で平滑性のでやすい広葉樹
パルプを30重量%以上、好ましくは50重量%以上用
い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように
叩解する。例えば、パルプの叩解は叩解後のパルプの加
重平均繊維長が、好ましくは0. 4〜0. 75mm、特に
好ましくは0. 45〜0. 65μmになるようにする。
ついで、内添薬品を添加した紙料スラリーに適切な抄紙
方法を採用して長網抄紙機により、均一な地合が得られ
るように基紙を抄造したものが好ましい。具体的には、
例えば、紙料スラリーに適切なタービュレンスを与え
る、特開昭61-284762 号公報に記載もしくは例示の様な
適切な上部脱水機構を有する長網抄紙機を用いる、ウエ
ットパートのプレスとしては、多段のウェットプレス、
好ましくは3段以上のウェットプレスを行い、プレスパ
ートの最終段にはスムージンクロールを設ける、等の適
切な抄紙方法を組み合わせて均一な地合が得られるよう
に抄造し、更に抄造後マシンカレンダー、スーパーカレ
ンダー、熱カレンダー等を用いてカレンダー処理を施
し、膜厚むら指数Rpyが250mV以下の基紙を製造す
ることが出来る。
【0053】本発明における画像材料用支持体の表樹脂
層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処
理を施した後、特開昭61-84643号公報、特開平1-92740
号公報、特開平1-102551号公報、特開平1-166035号公報
等に記載もしくは例示のような下引層を塗設することが
できる。また、本発明における画像材料用支持体の裏樹
脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化
処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコ−
ト層を塗設することができる。また、バックコ−ト層に
は、特公昭52-18020号公報、特公昭57-9059 号公報、特
公昭57-53940号公報、特公昭58-56859号公報、特開昭59
-214849 号公報、特開昭58-184144 号公報等に記載もし
くは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バ
インダ−、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を
適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0054】本発明における画像材料用支持体は、各種
の写真構成層が塗設されてカラ−写真印画紙用、白黒写
真印画紙用、写植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材
料用、銀塩拡散転写法ネガ用及びポジ用、印刷材料用等
各種の用途に用いることができる。例えば、塩化銀、臭
化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設ける
ことができる。ハロゲン化銀写真乳剤層にカラ−カプラ
−を含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラ−写真構成層
を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構
成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合
剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルアルコ−ル、多糖類の硫酸エステル化
合物などの親水性高分子物質を用いることができる。ま
た、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば、増感色素として、シアニン色
素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性
金化合物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安
定剤として、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合
物、メルカプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホル
マリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物な
ど、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸
塩、スルホコハク酸エステル塩など、汚染防止剤とし
て、ジアルキルハイドロキノン化合物など、そのほか蛍
光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、
カブらせ剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性
イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組み合わ
せて含有せしめることができる。
【0055】本発明に係る写真材料は、その写真材料に
合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本五
郎著、写真技術講座2)に記載されている様な露光、現
像、停止、定着、漂白、安定などの処理を行うことが出
来る。また、多層ハロゲン化銀カラー写真材料は、ベン
ジルアルコール、タリウム塩、フェニドンなどの現像促
進剤を含む現像液で処理してもよいし、ベンジルアルコ
ールを実質的に含まない現像液で処理することもでき
る。
【0056】本発明における画像材料用支持体は、各種
の熱転写記録受像層が塗設されて各種の熱転写記録受像
材料用支持体として用いることができる。それらの熱転
写記録受像層に用いられる合成樹脂としては、ポリエス
テル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール
樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアク
リレート樹脂等のエステル結合を有する樹脂、ポリウレ
タン樹脂等のウレタン結合を有する樹脂、ポリアミド樹
脂等のアミド結合を有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合
を有する樹脂、その他ポリカプロラクタム樹脂、スチレ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂等を挙げら
れる。これら樹脂に加えて、これらの混合物もしくは共
重合体等も使用できる。
【0057】本発明に係わる熱転写記録受像層中には、
上記合成樹脂の他に離型剤、顔料等を加えても良い。上
記離型剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワッ
クス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、弗素系、
リン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル類等が
挙げられる。これら離型剤の中でシリコーンオイルが最
も好ましい。上記シリコーンオイルとしては、油状のも
のも使用できるが、硬化型のものが好ましい。硬化型の
シリコーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触
媒硬化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオ
イルが特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとし
ては、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリ
コーンオイル等が挙げられる。上記反応性シリコーンオ
イルの添加量は、受像層中に0. 1〜20wt%が好まし
い。上記顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、酸化
チタン、酸化亜鉛等の体質顔料が好ましい。また、受像
層の厚さとしては、0. 5〜20μmが好ましく、2〜
10μmが更に好ましい。
【0058】本発明における画像材料用支持体は、各種
のインク受容層が塗設されて各種のインクジェット記録
材料用支持体として用いることができる。それらのイン
ク受容層中にはインクの乾燥性、画像の鮮鋭性等を向上
させる目的で各種のバインダーを含有せしめることがで
きる。それらのバインダーの具体例としては、石灰処理
ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、例えばフタール酸、マレイン酸、フマール酸
等の二塩基酸の無水物と反応したゼラチン等の各種のゼ
ラチン、各種ケン化度の通常のポリビニルアルコール、
カルボキシ変性、カチオン変性及び両性のポリビニルア
ルコール及びそれらの誘導体、酸化澱粉、カチオン化澱
粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ−ス誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジウムハ
ライド、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル
酸共重合体塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリビニルエーテル、アルキルビニルエ
ーテル・無水マレイン酸共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体及びそれらの塩、ポリエチレンイミン等
の合成ポリマー、スチレン・ブタジエン共重合体、メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体等の共役ジエン
系共重合体ラテックス、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・
マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸
エステル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等の
酢酸ビニル系重合体ラテックス、アクリル酸エステル重
合体、メタクリル酸エステル重合体、エチレン・アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン・アクリル酸エステル
共重合体等のアクリル系重合体または共重合体のラテッ
クス、塩化ビニリデン系共重合体ラテックス等或はこれ
らの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体
による官能基変性重合体ラテックス、メラミン樹脂、尿
素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性接着剤及びポリメ
チルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニルコーポリマー、ポ
リビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接
着剤、特公平3-24906 号公報、特開平3-281383号公報、
特願平4-240725号公報に記載もしくは例示のアルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機系バインダー等をあげることが
でき、これらを単独或は併用して含有せしめることがで
きる。
【0059】本発明に係わるインクジェット記録材料の
インク受容層中には、バインダーの他に各種の添加剤を
含有せしめることができる。例えば、界面活性剤とし
て、長鎖アルキルベンゼンスルフォン酸塩、長鎖、好ま
しくは分枝アルキルスルフォコハク酸エステル塩などの
アニオン系界面活性剤、長鎖、好ましくは分岐アルキル
基含有フェノールのポリアルキレンオキサイドエーテ
ル、長鎖アルキルアルコールのポリアルキレンオキサイ
ドエーテル等のノニオン系界面活性剤、特公昭47-9303
号公報、米国特許3,589,906 号明細書等に記載のフルオ
ロ化した界面活性剤など、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤、ポ
リマーの硬膜剤として、活性ハロゲン化合物、ビニルス
ルフォン化合物、アジリジン化合物、エポキシ化合物、
アクリロイル化合物、イソシアネート化合物等の硬膜
剤、防腐剤として、特開平1-102551号公報に記載もしく
は例示のP−ヒドロキシ安息香酸エステル化合物、ベン
ズイソチアゾロン化合物、イソチアゾロン化合物等、特
開昭63-204251 号公報、特開平1-266537号公報等に記載
もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤など、
黄変防止剤としてヒドロキシメタンスルフォン酸ソー
ダ、P−トルエンスルフィン酸ソーダ等、紫外線吸収剤
として、ヒドロキシ−ジ−アルキルフェニル基を2位に
有するベンゾトリアゾール化合物など、酸化防止剤とし
て、特開平1-105245号公報に記載もしくは例示のヒンダ
ードフェノール化合物など、鉛筆加筆剤として、澱粉
粒、硫酸バリウム、二酸化珪素等の有機または無機の粒
子径0. 2〜5μmの微粒子、特公平4-1337号公報等に
記載もしくは例示のオルガノポリシロキサン化合物、p
H調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸、塩
酸、リン酸、クエン酸など、オクチルアルコール、シリ
コン系消泡剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめることができる。
【0060】
【実施例】次に本発明をさらに具体的に説明するため
に、実施例を述べる。
【0061】実施例1 広葉樹漂白クラフトパルプ70重量%及び広葉樹漂白サ
ルファイトパルプ30重量%から成る混合パルプを叩解
後のパルプの繊維長(JAPAN TAPPI紙パルプ
試験方法 No,52−89「紙及びパルプ繊維長試験方
法」に準拠して測定した長さ加重平均繊維長で表示し
て)が0. 60mmになるように叩解後、パルプ100重
量部に対して、カチオン化澱粉3重量部、アニオン化ポ
リアクリルアミド0. 2重量部、アルキルケテンダイマ
ー乳化物(ケテンダイマー分として)0. 4重量部、ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂0. 4重量部及び適当
量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料ス
ラリーを調製した。その後、紙料スラリーを200m/分
で走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンス
を与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15〜10
0kg/cm の範囲で線圧が調節された3段のウェットプレ
スを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く
乾燥パートで30〜70kg/cm の範囲で線圧が調節され
た2段の緊度プレスを行った後、乾燥した。その後、乾
燥の途中で酢酸ビニル系共重合体ポリオレフィン樹脂水
性ディスパージョン(三井石油化学株式会社製、商品名
ケミパールV−300)4重量%(固形重量%とし
て)、蛍光増白剤0. 05重量%、青色染料0. 002
重量%、ポリスチレンスルフォン酸金属塩系帯電防止剤
0. 5重量%及び残重量%の水から成るサイズプレス液
を25g/m2サイズプレスし、最終的に得られる基紙水分
が絶乾水分で8重量%になるように乾燥し、線圧70kg
/cm でマシンカレンダー処理して、坪量170g/m2の中
心面平均粗さSRaが1.40μmである画像材料用支
持体の基紙を製造した。
【0062】次に、画像形成層を塗設する側とは反対側
の基紙面(裏面)をコロナ放電処理した後、該裏面に低
密度ポリエチレン樹脂(密度0. 924g/cm3 、MFR
=1g/10分)30重量部と高密度ポリエチレン樹脂(密
度0. 967g/cm3 、MFR=15g/10分)70重量部か
ら成るコンパウンド樹脂組成物を樹脂温度320℃で2
5μmの樹脂厚さに基紙の走行速度200m/分で溶融押
し出しコ−ティングした。この際、冷却ロールとして
は、該裏樹脂層面のJIS K 0601で規定される
中心線平均粗さRaが1. 0μmである粗面度となるも
のを用いた。尚使用した冷却ロールは液体ホーニング法
で粗面化された冷却ロールで、冷却水温度12℃で操業
した。
【0063】引き続き、画像形成層を設ける側の基紙面
(表面)をコロナ放電処理した後、該表面に下記の樹脂
組成物(1R)〜(13R)を表1に記載する樹脂温度
で31μmの厚さに基紙の走行速度200m/分で、溶融
押し出し塗布機を用いて、冷却ロールとプレスロールの
実効プレス圧30kg/cm2で溶融押し出しコーティングし
た。この際、冷却ロールとしては、クロムメッキが施さ
れた鏡面のものを用い、冷却水温度12℃で操業した。
また、表、裏の樹脂組成物の溶融押し出しコーティング
は、逐次押し出しコーティングが行われる、いわゆるタ
ンデム方式で行われた。
【0064】表樹脂層用の樹脂組成物の調製に用いた素
材は、以下のものである。
【0065】ポリエステル樹脂組成物(A)としては、
共重合ポリエチレンテレフタレートとして、ジカルボン
酸成分がすべてテレフタル酸からなり、ジオール成分が
エチレングリコール88モル%、シス体/トランス体比
が30/70の1,4−シクロヘキサンジメタノール1
0モル%、ジエチレングリコール2モル%からなる、極
限粘度が0. 71dl/g、吸熱ピーク温度が225℃であ
る共重合ポリエチレンテレフタレート80重量部を用
い、変性ポリオレフィンとして、メルトフローレートが
2. 0g/10分、密度が0. 88g/cm3 、吸熱ピーク温度
が74℃である、無水マレイン酸0. 4重量%でグラフ
ト処理された1−ブテン20モル%共重合ポリエチレン
20重量部を用い、それぞれ真空乾燥により十分乾燥し
た後、ペレットブレンドし、日本製鋼所製TEX30型
二軸混練押出機にて260℃で溶融混練してから造粒
し、ペレット化して製造された、ポリエステル樹脂組成
物を用いた。
【0066】低密度ポリエチレン樹脂(B)としては、
密度0. 926g/cm3 、MFR=3. 5g/10分のオート
クレーブ法低密度ポリエチレン樹脂を用いた。
【0067】また、二酸化チタン顔料は、そのマスター
バッチとして各表樹脂組成物中に含有せしめた。二酸化
チタン顔料マスターバッチは、各表樹脂組成物を構成す
る配合の樹脂47. 5重量%、含水酸化アルミニウム
(対二酸化チタンに対してAl 2 3 分として0. 75
重量%)で表面処理された二酸化チタン顔料50重量%
とステアリン酸亜鉛2. 5重量%とを、テトラキス[メ
チレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シ−フェニル)プロピオネート]メタン150ppm の存
在下に、バンバリーミキサーを用いてよく溶融・混練
し、その後混練押し出し機を用いて混練・押し出しし、
冷却、ペレット化して製造した。
【0068】樹脂組成物(1R)〜(13R)は、表1
に記載の樹脂組成物になる比率のポリエステル樹脂組成
物(A)と低密度ポリエチレン樹脂(B)及び必要に応
じて用いられるその他樹脂から成る混合物の合計量とし
て75重量部と上記二酸化チタン顔料マスターバッチ2
5重量部から成る。樹脂組成物(11R)は、ポリエス
テル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレン樹脂(B)
とを混練用押し出し機を用いて予め溶融・混合して調製
したコンパウンド樹脂組成物として用いた。また、その
他の樹脂として、樹脂組成物(7R)では、密度0. 9
67g/cm3 、MFR=6. 8g/10分の高密度ポリエチレ
ン樹脂を併用し、樹脂組成物(12R)では、密度0.
901g/cm3 、MFR=25g/10分のエチレン成分が7
モル%であるランダムポリプロピレン系樹脂を併用し、
樹脂組成物(13R)では、熱可塑性ポリエステル系樹
脂(イーストマン ケミカル ジャパン株式会社製商品
名:コダパック−PET 298LB)を併用した。
【0069】更に、樹脂被覆紙の裏樹脂層面にコロナ放
電処理後、下記のバックコ−ト塗液をオンマシン塗布し
た。乾燥重量分として、コロイド状シリカ:スチレン系
ラテックス=1:1から成り、更にポリスチレンスルフ
ォン酸ソーダ0. 021g/m2の他適量の塗布助剤等を含
むバックコ−ト塗液をラテックス分(固形重量計算で)
として0. 21g/m2になる塗布量で塗設して画像材料用
支持体を得た。
【0070】以上のようにして樹脂被覆紙型画像材料用
支持体を製造する時の表樹脂層用の樹脂組成物の成形加
工性及び得られた試料の画像材料用支持体としての性能
の評価方法としては、以下に記載の方法で評価した。
【0071】画像材料用支持体製造時の表樹脂層用の樹
脂組成物の成形加工性の評価方法としては、表面の樹脂
被覆部分の横方向の長さを測定してネックインの程度を
評価すると共に、樹脂ゲルの発生の程度、溶融樹脂膜の
筋の発生の程度、ドローダウン性の程度による膜切れの
発生の有無、サージングあるいはドローレゾナシスによ
る流動の不安定性等の成形加工性について総合的に評価
した。評価基準としては、◎;極めて良好、○;良好、
△;やや悪いが実用上問題がない程度、×;悪く実用上
問題がある程度、を表わす。
【0072】画像材料用支持体の基紙と表樹脂層との接
着性の評価方法としては、各試料を50℃、60%RH
の恒温恒湿槽に1日間保存した後、試料の基紙層と表面
の樹脂層とに剥離し、剥離した時の抵抗感及び基紙層の
樹脂層への付着程度により、基紙と表樹脂層との接着性
を評価した。評価基準としては、○;剥離した時の抵抗
感が強く、樹脂層に基紙層が多く付着し接着性が良好、
△;剥離した時の抵抗感がやや強く、基紙層の樹脂層へ
の付着程度はやや少ないが実用上問題がない程度、×;
剥離した時の抵抗感が弱く、基紙層の樹脂層への付着程
度が少なく接着性が実用上問題がある程度、を表わす。
【0073】画像材料用支持体の表樹脂層面でのクレー
ター状の細孔の発生程度の評価方法としては、本明細書
で規定する中心面平均粗さSRaの測定方法に準拠し
て、表面粗さ図をX−Yプロッターにて16線描かせ
て、得られた表面粗さ図(Z方向倍率:2000倍)よ
り、1μm以上の窪みをクレーター状の細孔として10
段階のグレード評価を行った。評価基準(グレード数値
の大きい程クレーター状の細孔の発生が少なく、グレー
ド数値の小さい程クレーター状の細孔の発生が多いこと
を表わす)としては、グレード10〜9;クレーター状
の細孔の発生が全くあるいはほとんど無い、グレード8
〜7;クレーター状の細孔の発生がわずかにある、グレ
ード6〜5;クレーター状の細孔の発生があるが、実用
上問題が無い程度、グレード4〜1;クレーター上の細
孔の発生が多く、実用上問題がある程度、を表わす。
【0074】画像材料の見た目の光沢感の評価方法とし
ては、以下のようにして行った。バックコート層を塗布
後引き続き、樹脂被覆紙を巻き取るまでの間に、該支持
体の表側の樹脂面にコロナ放電処理を施し、石灰処理ゼ
ラチン1. 5g、パラオキシ安息香酸ブチルの10重量
%メタノール溶液0. 3g、スルフォコハク酸−2−エ
チルヘキシルエステル塩のメタノールと水の5重量%混
合液0. 45g及び化1で示される両性界面活性剤の1
0重量%水溶液0. 36gを含み、全量を水で100g
に調製した配合の下引塗液をゼラチン塗布量0. 06g/
m2になるように均一にオンマシン塗布して下引層を有す
る画像材料用支持体を得た。
【0075】
【化1】
【0076】次いで画像材料用支持体の表側の下引層上
に多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を塗設してカラー
印画紙を製造した。多層ハロゲン化銀カラー写真構成層
は、画像材料用支持体の下引層に隣接して順に青感ハロ
ゲン化銀乳剤層、中間層、緑感ハロゲン化銀乳剤層、紫
外線吸収剤層、赤感ハロゲン化銀乳剤層及び保護層が位
置するように、多層塗布用Eバーから6層同時塗布され
た。
【0077】青感ハロゲン化銀乳剤層は、 適量のヘキ
サクロロイリジウム(III )酸カリウムの存在下に第1
熱成して製造したAgBr/AgCl=95/5なるハ
ロゲン組成を有する平均粒子径0. 8μmの最適感度に
硫黄増感した 〔1、0、0〕と〔1、1、1〕面の混
晶から成る中性法ハロゲン化銀乳剤を硝酸銀量で0.6g
/m2含み、更にゼラチン1. 5g/m2及びイエロー発色カ
プラーの他、適量の安定剤、青感用増感色素、塗布助
剤、硬膜剤、増粘剤等を含む。中間層は、ゼラチン1.
5g/m2の他に適量の色混り防止剤、塗布助剤、増粘剤、
硬膜剤 等を含む。
【0078】緑感ハロゲン化銀乳剤層は、 適量のヘキ
サクロロロジウム(III )酸カリウム及びヘキサクロロ
イリジウム(III )酸カリウムの存在下に第1熱成して
製造したAgBr/AgCl= 95/5なるハロゲン
組成を有する平均粒子径0.4μmの最適感度に硫黄増
感した実質的に〔1、0、0〕面から成る酸性法ハロゲ
ン化銀乳剤を硝酸銀量で0. 6g/m2含み、更にゼラチン
1. 5g/m2及びマゼンタ発色カプラーの他、適量の安定
剤、緑感用増感色素、鮮鋭度向上色素、塗布助剤、硬膜
剤、増粘剤等を含む。紫外線吸収層はゼラチン1. 5g/
m2の他に適量の紫外線吸収剤、塗布助剤、増粘剤、硬膜
剤等を含む。
【0079】赤感ハロゲン化銀乳剤層は、緑感ハロゲン
化銀乳剤と全く同様にして製造したハロゲン化銀乳剤を
硝酸銀量で0. 6g/m2で含み、更にゼラチン1. 5g/m2
及びシアン発色カプラーの他、適量の安定剤、赤感用増
感色素、鮮鋭度向上色素、塗布助剤、硬膜剤、増粘剤等
を含む。保護層はゼラチン1. 5g/m2の他に適量の塗布
助剤、増粘剤、硬膜剤等を含む。
【0080】塗布・乾燥した試料は40℃、常湿下に4
日間保存後グレー濃度D=0. 6になるように分解露光
し、発色現像、漂白定着、水洗、乾燥した後、プリント
の見た目の光沢感を視覚的に評価した。評価基準として
は、◎:、見た目の光沢感がかなり高い、○:見た目の
光沢感が高い、△:見た目の光沢感がやや低いが、実用
可能である程度、×:見た目の光沢感が低く、実用上問
題がある程度、を表わす。
【0081】得られた結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】なお、表1中の(注1)〜(注2)は、以
下の通りである。
【0084】(注1)○は本発明による試料No.を表
わす。
【0085】(注2)表樹脂層に含まれる全樹脂分に対
するポリエステル樹脂組成物(A)、低密度ポリエチレ
ン樹脂(B)及びその他の樹脂の組成比(重量%)を表
わす。
【0086】表1から明らかな如く、表樹脂層に共重合
ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフィンとか
ら成るポリエステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチ
レン樹脂(B)とから成る混合樹脂組成物(C)を含
む、本発明における画像材料用支持体(試料No.2〜
No.9及びNo.11〜No.12)は、表樹脂層の
成形加工性及び基紙と表樹脂層との接着性が良好であ
り、かつ表樹脂層面にクレーター状の細孔の発生が無く
表面欠陥の無い、なおかつ見た目の光沢感の高い画像材
料、特に現像後の見た目の光沢感の高い写真プリントを
提供出来る、優れた樹脂被覆紙型画像材料用支持体であ
ることがよくわかる。また、表樹脂層の成形加工性及び
画像材料用支持体の総合性能の観点から、ポリエステル
樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレン樹脂(B)の組
成比としては、ポリエステル樹脂(A):低密度ポリエ
チレン樹脂(B)=20:80〜80:20(重量%)
の範囲が有用であるが、(A):(B)=25〜65:
75〜35(重量%)の範囲が好ましく、(A):
(B)=30〜50:70〜50(重量%)の範囲が特
に好ましいことがよくわかる。また、混合樹脂組成物
(C)としては、表樹脂層の成形加工性の点からポリエ
ステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレン樹脂
(B)とを予め溶融・混合して調製したコンパウンド樹
脂組成物として用いるのが好ましいことがよくわかる
(試料No.11と試料No.6との比較)。
【0087】一方、本発明外の画像材料用支持体(試料
No.1、No.10及びNo.13)は、それぞれ問
題点を有していることがわかる。表樹脂組成物として低
密度ポリエチレン樹脂(B)のみを用いた場合(試料N
o.1)には、クレーター状の細孔の発生が多く平滑性
も悪く、又画像材料の見た目の光沢感も低くて問題があ
るし、また、表樹脂組成物としてポリエステル樹脂組成
物(A)のみを用いた場合(試料No.10)や本発明
外のポリエステル系樹脂を用いた場合(試料No.1
3)には、表樹脂層の成形加工性が悪く、又基紙と表樹
脂層との接着性が弱くて問題があることがよくわかる。
【0088】実施例2 実施例1で用いた混合パルプの代わりに、広葉樹漂白ク
ラフトパルプ85重量%と広葉樹漂白サルファイトパル
プ15重量%(基紙No.14B)、広葉樹漂白クラフ
トパルプ70重量%と広葉樹漂白サルファイトパルプ3
0重量%(基紙No.15B)、広葉樹漂白クラフトパ
ルプ30重量%と広葉樹漂白サルファイトパルプ70重
量%(基紙No.16B)または広葉樹漂白サルファイ
トパルプ100重量%(基紙No.17B)のパルプを
用いる以外は実施例1と同様にしてそれぞれ基紙(基紙
No.14B〜No.17B)を製造した。また、広葉
樹漂白クラフトパルプ85重量%と広葉樹漂白サルファ
イトパルプ15重量%から成る基紙(基紙No.14
B)について、温度100℃で線圧200kg/cm (基紙
No.18B)、温度150℃で線圧200kg/cm (基
紙No.19B)または温度200℃で線圧150Kg/c
m (基紙No.20B)の条件で熱カレンダー処理を更
に施した基紙(基紙No.18B〜No.20B)をそ
れぞれ製造した。その後、実施例1の試料No.2と同
様に実施した。また、比較のために試料No.16Bの
基紙を用いて、表樹脂用の組成物としてポリエチレン樹
脂組成物を用いる実施例1の試料No.1と同様に実施
した試料(試料No.21)も製造した。
【0089】得られた結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】なお、表2中の(注1)及び(注3)は、
以下の通りである。
【0092】(注1)○は本発明による試料No.を表
わす。
【0093】(注3)本文明細書に規定された方法で測
定した、基紙表面の中心面平均粗さSRa(μm)を表
わす。
【0094】表2から明らかな如く、表樹脂層に共重合
ポリエチレンテレフタレートと変性ポリオレフィンから
成るポリエステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレ
ン樹脂(B)から成る混合樹脂組成物(C)を含む、本
発明における画像材料用支持体(試料No.14〜N
o.20)は、基紙と表樹脂層の接着性が良好であり、
かつ表樹脂層面にクレーター状の細孔の発生が無く表面
欠陥の無い、なおかつ見た目の光沢感の高い画像材料、
特に現像後の見た目の光沢感の高い写真プリントを提供
出来る、優れた樹脂被覆紙型画像材料用支持体であるこ
とがよくわかる。また、画像材料用支持体の基紙として
は、クレーター状の細孔の改良効果及び画像材料の見た
目の光沢感の改良効果の観点から、基紙表面の中心面平
均粗さSRaが1. 45μm以下のものが好ましく、
1. 35μm以下のものが更に好ましく、1. 25μm
以下のものが特に好ましいことがよくわかる。一方、表
樹脂組成物として低密度ポリエチレン樹脂のみを用いた
本発明外の画像材料用支持体は、クレーター状の細孔の
発生が多く、また画像材料の見た目の光沢感が低くて問
題があることがよくわかる。
【0095】実施例3 実施例1の試料No.6で用いたポリエステル樹脂組成
物(A)の代りに、下記のポリエステル樹脂組成物(A
2〜A8)を用いる以外は、実施例1の試料No.6と
同様に実施した。
【0096】ポリエステル樹脂組成物(A2):共重合
ポリエチレンテレフタレートとして、実施例1の共重合
ポリエチレンテレフタレート88重量部を用い、変性ポ
リオレフィンとして、実施例1の共重合ポリエチレンを
12重量部用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレ
ット状のポリエステル樹脂組成物を得た。
【0097】ポリエステル樹脂組成物(A3):共重合
ポリエチレンテレフタレートとして、ジカルボン酸成分
がすべてテレフタル酸からなり、ジオール成分がエチレ
ングリコール80モル%、シス体/トランス体比が30
/70の1,4−シクロヘキサンジメタノール18モル
%、ジエチレングリコール2モル%からなる、極限粘度
が0. 68dl/g、吸熱ピーク温度が202℃である共重
合ポリエチレンテレフタレート88重量部を用い、変性
ポリオレフィンとして、メルトフローレートが2. 2g/
10分、密度が0. 92g/cm3 、吸熱ピーク温度が120
℃である、無水マレイン酸0. 25重量%でグラフト変
性された1−ブテン10モル%共重合ポリエチレン12
重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレッ
ト状のポリエステル樹脂組成物を得た。
【0098】ポリエステル樹脂組成物(A4):共重合
ポリエチレンテレフタレートとして、実施例1で用いた
共重合ポリエチレンテレフタレート88重量部を用い、
変性ポリオレフィンとして、メルトフローレートが2.
5g/10分、密度が0. 92g/cm3 、吸熱ピーク温度が9
5℃である、無水マレイン酸0. 25重量%でグラフト
変性されたエチレン・酢酸ビニル共重合体12重量部を
用いた以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポ
リエステル樹脂組成物を得た。
【0099】比較用ポリエステル樹脂組成物(A5):
共重合ポリエチレンテレフタレートとして、ジカルボン
酸成分がすべてテレフタル酸からなり、ジオール成分が
エチレングリコール97モル%、シス体/トランス体比
が30/70の1,4−シクロヘキサンジメタノール1
モル%、ジエチレングリコール2モル%からなる、極限
粘度が0. 70dl/g、吸熱ピーク温度が249℃である
共重合ポリエチレンテレフタレート88重量部を用い、
変性ポリオレフィンとして実施例1で用いた共重合ポリ
エチレン12重量部を用いた以外は、実施例1と同様に
して、ペレット状のポリエステル樹脂組成物を得た。
【0100】比較用ポリエステル樹脂組成物(A6):
共重合ポリエチレンテレフタレートとして、ジカルボン
酸成分がすべてテレフタル酸からなり、ジオール成分が
エチレングリコール67モル%、シス体/トランス体比
が30/70の1、 4−シクロヘキサンジメタノール3
0モル%、ジエチレングリコール3モル%からなる、極
限粘度が0. 72dl/gである共重合ポリエチレンテレフ
タレート88重量部を用い、変性ポリオレフィンとして
実施例1で用いた共重合ポリエチレン12重量部を用い
た以外は、実施例1と同様にして、ペレット状のポリエ
ステル樹脂組成物を得た。なお、ここで用いた共重合ポ
リエチレンテレフタレートのペレットは、130℃の熱
処理において激しく融着を起こし、さらにDSC測定で
は吸熱ピークも観測されなかった。
【0101】比較用ポリエステル樹脂組成物(A7):
共重合ポリエチレンテレフタレートとして、実施例1で
用いた共重合ポリエチレンテレフタレート88重量部を
用い、変性ポリオレフィンとして、メルトフローレート
が2. 2g/10分、密度が0.88g/cm3 、吸熱ピーク温
度が75℃である無水マレイン酸0. 1重量%でグラフ
ト変性された1−ブテン20モル%共重合ポリエチレン
12重量部を用いた以外は、実施例1と同様にして、ペ
レット状のポリエステル樹脂組成物を得た。
【0102】比較用ポリエステル樹脂組成物(A8):
変性ポリオレフィンを用いずに、実施例1で用いた共重
合ポリエチレンテレフタレートのみを用いたもの。
【0103】上記ポリエステル樹脂組成物(A2〜A
8)を用いて実施例1の試料No.6と同様に実施した
結果、本発明におけるポリエステル樹脂組成物(A2〜
A4)を用いた場合には、表樹脂層の成形加工性は良好
であり、また基紙と表樹脂層の接着性も良好で、かつク
レーター状の細孔の発生が無く、見た目の光沢感の高い
画像材料を提供出来る、優れた樹脂被覆紙型画像材料用
支持体が得られた。また、比較用ポリエステル樹脂組成
物(A5〜A7)を用いた場合には、クレーター状の細
孔の発生は少なく、また画像材料の見た目の光沢感があ
る程度高い支持体が得られるものの、表樹脂層の成形加
工性が不十分であった。一方、ポリエステル樹脂組成物
(A8)を用いた場合には、表樹脂層の成形加工性が極
めて不十分であった。
【0104】実施例4 実施例1の試料No.6において、多層カラーハロゲン
化銀写真構成層の代わりに下記のインクジェット受像層
を塗設してインクジェット記録用シートを製造した。そ
の結果、表樹脂層にクレーター状の細孔の発生が無く、
見た目の光沢感が高い優れたインクジェット記録用シー
トを得た。
【0105】インクジェット受像層は、石灰処理ゼラチ
ン6g/m2、メチルビニルエーテル・マレイン酸共重合体
のpH7. 0の5%水溶液80g及びスルフォコハク酸
−2−エチルヘキシルエステル塩のメタノールと水の5
重量%混合液1gを含み、全量を水で160gに調整し
た配合の塗液を塗布量160g/m2(湿分)でEバーで塗
布して設けた。
【0106】
【発明の効果】本発明により、天然パルプを主成分とす
る紙を基質とする、樹脂被覆時の成形加工性及び表樹脂
層と基紙との接着性が良好であり、かつ見た目の光沢感
の高い画像材料、特に、現像後の見た目の光沢感の高い
写真プリントを提供出来る、なおかつ表樹脂層面にクレ
ーター状の細孔の発生が無く表面欠陥の無い、優れた樹
脂被覆紙型画像材料用支持体を提供出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池谷 暢重 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱化学株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然パルプを主成分とする紙を基質とし
    て、その一方の画像形成層を設ける側の紙基質面が樹脂
    層で被覆された画像材料用支持体において、該樹脂層
    が、ポリエステル樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレ
    ン樹脂(B)とから成る混合樹脂組成物(C)を含有
    し、かつポリエステル樹脂組成物(A)は、共重合成分
    としてシクロヘキサンジメタノールを含有し、その全ジ
    オール成分に対する比率が3〜25モル%の範囲である
    共重合ポリエチレンテレフタレート60〜99重量%
    と、0. 2〜1. 0重量%の不飽和カルボン酸またはそ
    の無水物でグラフト変性されたポリオレフィン1〜40
    重量%とから成るポリエステル樹脂組成物であることを
    特徴とする画像材料用支持体。
  2. 【請求項2】 混合樹脂組成物(C)が、その混合比
    (重量%)としてポリエステル樹脂組成物(A)/低密
    度ポリエチレン樹脂(B)=80/20〜20/80の
    範囲のものである請求項1記載の画像材料用支持体。
  3. 【請求項3】 混合樹脂組成物(C)が、ポリエステル
    樹脂組成物(A)と低密度ポリエチレン樹脂(B)とを
    予め溶融・混合して調製したコンパウンド樹脂組成物で
    ある請求項1または2記載の画像材料用支持体。
  4. 【請求項4】 基質たる紙は、画像形成層を設ける側の
    触針式3次元表面粗さ計を用いて測定されるカットオフ
    値0. 8mmの抄紙方向の中心面平均粗さSRaが1. 5
    μm以下のものである請求項1、2または3記載の画像
    材料用支持体。
  5. 【請求項5】 共重合ポリエチレンテレフタレートが1
    90〜245℃の範囲の吸熱ピーク温度を有する共重合
    ポリエチレンテレフタレートである請求項1、2、3ま
    たは4記載の画像材料用支持体。
  6. 【請求項6】 共重合ポリエチレンテレフタレートが
    0. 5〜1. 5dl/gの範囲の極限粘度を有する共重合ポ
    リエチレンテレフタレートである請求項1、2、3、4
    または5記載の画像材料用支持体。
  7. 【請求項7】 シクロヘキサンジメタノールが1,4−
    シクロヘキサンジメタノールである請求項1、2、3、
    4、5または6記載の画像材料用支持体。
  8. 【請求項8】 ポリオレフィンが0. 2〜1. 0重量%
    の無水マレイン酸でグラフト変性されたエチレン・α−
    オレフィン共重合体である請求項1、2、3、4、5、
    6または7記載の画像材料用支持体。
  9. 【請求項9】 ポリオレフィンが0. 2〜1. 0重量%
    の無水マレイン酸でグラフト変性された1−ブテン共重
    合ポリエチレンである請求項1、2、3、4、5、6、
    7または8記載の画像材料用支持体。
  10. 【請求項10】 ポリオレフィンが0. 1〜100g/10分
    のメルトフローレートを有するポリオレフィンである請
    求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の画
    像材料用支持体。
  11. 【請求項11】 ポリオレフィンが50〜150℃の範囲
    の吸熱ピーク温度を有するポリオレフィンである請求項
    1、2、3、4、5、6、7、8、9または10記載の
    画像材料用支持体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

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