JPH0734275A - m−ヒドロキシベンジルアルコールの製造法 - Google Patents

m−ヒドロキシベンジルアルコールの製造法

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JPH0734275A
JPH0734275A JP5179714A JP17971493A JPH0734275A JP H0734275 A JPH0734275 A JP H0734275A JP 5179714 A JP5179714 A JP 5179714A JP 17971493 A JP17971493 A JP 17971493A JP H0734275 A JPH0734275 A JP H0734275A
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Japan
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hba
hboh
separated
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acid
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Pending
Application number
JP5179714A
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English (en)
Inventor
Kazunari Nitta
一成 新田
Hiroaki Matsuno
博明 松野
Chitoshi Shimakawa
千年 島川
Hironori Gamachi
宏典 蒲地
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 m−ヒドロキシ安息香酸を陽・陰極を隔離し
た電解槽の陰極室で酸性水溶液中、電解還元反応してm
−ヒドロキシベンジルアルコールを製造するに際し、未
反応m−ヒドロキシ安息香酸を含む混合液をpH6〜8
に調整してm−ヒドロキシベンジルアルコールとm−ヒ
ドロキシ安息香酸のアルカリ塩とを分離し、さらに分離
したm−ヒドロキシ安息香酸溶液を酸析、再結晶させ、
再使用するm−ヒドロキシベンジルアルコールの製造
法。 【効果】 電解還元反応に再使用し、高収率でm−ヒド
ロキシベンジルアルコールを製造できるため、工業的に
極めて有利である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はm−ヒドロキシベンジル
アルコール(以下、m−HBOHと略記する)の製造法
に関する。更に詳しくはm−HBOHとm−ヒドロキシ
安息香酸(以下、m−HBAと略記する)を分離し、分
離したm−HBA溶液からm−HBAを再結晶し、再使
用する方法に関するものである。
【0002】m−HBOHは工薬、あるいは農薬の中間
体として有用な化合物であるが、現状では安価な製造方
法による工業的供給には至っていない。
【0003】
【従来の技術】m−HBOHの合成法としては、m−ク
レゾールを原料とする発酵法、m−ヒドロキシベンズア
ルデヒドのナトリウムアマルガム、NaBH4、LiA
lH4等による還元及び水素添加反応等があるが、収率
的に不十分であったりして、実用化には至っていない。
また、水素添加反応は高温高圧下の反応であり、工業的
製造方法としては種々問題がある。また、m−HBA
を原料とする方法についてはナトリウムアマルガム及び
電解還元法 (Beilstein 38−1752)
が提案されているが、収率的にも低く工業的方法にはな
り得なかった。
【0004】本発明者らは、先にm−HBOHの製造方
法について検討し、m−HBA の電解還元を水溶液、
あるいは水溶性有機溶媒中で行う方法(特開昭60−2
34987)、更に、陰極液中に支持電解質を添加する
方法(特開昭60−243293)、高電流効率を維持
している期間通電後、未反応m−HBAを含む混合液を
pH6〜8に調整し、m−HBOHとm−HBAを分離
する方法(特開平4−116188)でm−HBOHを
高収率で得る方法をすでに見出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の電解還元反応
は通常、陽・陰両極を分離した電解槽を用い、陰極側で
反応を行う。m−HBAの電解還元反応の理論通電量は
4Fr/molであるが、実際の電解による通電量と反
応の転化率および電流効率の関係は図1に示すごとくで
ある。
【0006】即ち、通電量2Fr/molでは転化率5
0%、電流効率 100%であるが、通電量4Fr/m
olでは転化率70%まで高められるが、電流効率は7
0%に低下する。更に7Fr/mol通電すると転化率
は90%に達するが、電流効率は50%になる。
【0007】この様に通電量と転化率と電流効率の関係
が明らかとなり、電流効率をを向上させるには転化率を
下げることが必須であることが判った。このように、本
電解還元反応を完結するには基質濃度の減少する後半の
電流効率が低下するため、理論通電量(4Fr/mol
e)のおよそ3倍の通電量が必要となる。
【0008】即ち、本電解反応をより効果的に実施する
ためには電流効率の良好な前半で電解を止めることによ
って電解通電量を低減する必要がある。
【0009】しかしながら、通電量を低減すると原料の
m−HBAは完全に反応せず、未反応m−HBAと生成
物のm−HBOHを分離しなければならないが、分離し
たm−HBA溶液から酸析したm−HBAを未精製のま
ま次回の電解還元反応に用いたところ、反応性の低下と
タール化(不明分)率の増加が確認された。
【0010】したがって、本発明の課題は、電流効率の
高い低通電領域で電解還元反応を行うに当り、未反応m
−HBAを次回の電解還元反応に使用しても反応率の低
下やタール化(不明分)率の増加を招かず、原料のm−
HBAを効率よく使用する方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討を行った。原料のm−HBA
と生成物のm−HBOHの反応混合液をpH調整するこ
とによりm−HBAを塩としてm−HBOHと分離、回
収することで電解通電量の低減が可能であり、更にm−
HBA溶液を酸析、再結晶することで次回の電解還元反
応にて高収率でm−HBOHの製造が可能となり、回収
m−HBAが使用できることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0012】即ち、本発明はm−HBAを陽・陰極を分
離した電解槽の陰極室において酸性水溶液中で電解還元
反応し、m−HBOHを製造するに際し、高電流効率を
維持している期間通電後、未反応m−HBAを含む混合
液をアルカリでpH6〜8に調整しm−HBOHとm−
HBAのアルカリ塩を含有する水層を分離し、分離した
m−HBA溶液を酸析し、再結晶させ再使用することを
特徴とするm−HBOHの製造法である。
【0013】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
方法において使用する酸性水溶液としては陰極での電解
還元反応に不活性な酸性物質であれば、特に限定するも
のではないが、コスト的に通常鉱酸を用いるのが望まし
く、特に材質及び収率の点から硫酸が好ましい鉱酸であ
り、通常5〜30重量%の硫酸水溶液が用いられる。
【0014】m−HBAの酸性水溶液中の濃度は通常5
〜20重量%である。電解還元反応は20〜70℃、好
ましくは40〜60℃の温度範囲で実施する。又、電解
還元反応に用いる電極のうち陰極材料は水素過電圧の高
いもの、具体的には亜鉛、鉛、カドミウム、水銀が用い
られる。対する陽極については通常の電極であれば特に
限定はないが、例えば鉛、カーボン、白金、DSE(D
imensionally stable Elect
rode) 等が用いられる。
【0015】電解槽は陽極室、陰極室を隔離することが
必要である。隔離する隔膜の材質としては、例えばイオ
ン交換膜、アスベスト、セラミックス、シンタードグラ
ス等が挙げられるが、好ましくはイオン交換膜が使用さ
れる。
【0016】本発明の電解還元反応において、電流密度
は5〜30A/dm2、好ましくは10〜20A/dm2
である。即ち、本発明方法はm−HBAを陽・陰極を分
離した電解槽を用いて、陰極室で酸性水溶液中電解還元
するに際し、高電流効率を維持している間、具体的には
電流効率50%以上、好ましくは70%以上を達成する
のに相当する電気量を通電後、未反応m−HBAを含む
混合液をpH調整によりm−HBOHとm−HBAを分
離し、更に分離したm−HBA溶液を酸析し、再結晶さ
せ再利用するm−HBOHの製造法である。
【0017】本発明の具体的な実施態様は次のとおりで
ある。陽・陰両極を隔離した電解槽を用い、両極に所定
濃度の硫酸水溶液を装入する。電解槽を所定の温度に加
熱し、直流の定電流を通電する。原料のm−HBAは陰
極室中に一括、分割又は連続的に添加する。所定時間通
電し、電解還元反応を行う。所定時間通電後、陰極室の
未反応m−HBAとm−HBOHを含む酸性の混合液に
例えば、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のア
ルカリを添加しpH6〜8、好ましくはpH6.5〜
7.0に調整する。図2に示したm−HBA 、m−H
BOHのpH曲線からも明らかなように、反応混合液の
pHを6未満とするとm−HBA 、m−HBOHの水
と有機溶媒の分配比が小となり抽出が困難となる。
【0018】また、pHが8を越えるとm−HBA と
共にm−HBOHも塩を形成し水層に溶解し分離が困難
となり好ましくない。未反応m−HBAは金属塩として
水層に溶解しm−HBOHはフリーの状態になる。有機
溶媒で生成物のm−HBOHを抽出する。その結果、m
−HBOHは有機相に、m−HBAの塩は水層に分離で
きる。有機相は有機溶媒を留去してm−HBOHを得る
ことができる。水層は再度酸性にすることでm−HBA
が析出するが、再結晶することで純度アップを計り、次
回の電解還元反応に使用する。さらに、濾液は若干のm
−HBAおよびm−HBOHを含んでいるため、再度p
H調整することで効率よくm−HBAおよびm−HBO
Hを回収できる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明の方法を更に詳し
く説明する。 実施例1 両極とも300mlの溶量を有し、隔膜としてセレミオ
ン(旭硝子(株)製)CMVで隔離されたH型のセルを
使用して、両極室に10%の硫酸水溶液を 200ml
づつ仕込む。陰極として25cm2の鉛板、陽極として
25cm2の白金板を用いた。電解セルを60℃に保ち
つつ、4Aの直流定電流を通電し、m−HBA25gを
マイクロフィーダーを用いて6.4g/Hrの割合で陰
極中に添加し、3.9時間でm−HBAを全量添加し
た。この後さらに電解を1時間継続した(4.0Fr/
mole)。電解終了後、陰極液は抜き取り98%Na
OH18.3gを加えてpH=7に調整した。つぎに酢
酸エチルで抽出し、酢酸エチル相は留去後、15.90
gのm−HBOHの結晶を得た。HPLC分析の結果、
純度98.0%、収率98.5%であった。また、水層
は98%硫酸で酸析し、更にメタノールにて再結晶、乾
燥して7.38gのm−HBAを得た。HPLC分析の
結果、純度99.8%、転化率69.4%であった。回
収したm−HBAは、m−HBAの総量が25gとなる
ように新品のm−HBAを加え、更に上記同様の電解還
元反応を行った。その結果、酢酸エチル層より15.8
6gのm−HBOHの結晶(純度97.8%、収率9
8.1%)を得た。また、水層からは7.43gのm−
HBA(純度99.6%、転化率69.0%)を酸析、
再結晶し、回収した。
【0020】比較例1 実施例1と同様の条件で電解還元反応を行い、酢酸エチ
ル層より15.91gのm−HBOHの結晶(純度9
7.8%、収率98.7%)を得た。水層は、98%硫
酸で酸析し、湿ケーキ9.32gを得た。HPLC分析
の結果、純度79.3%、転化率69.3%であった。
湿ケーキにm−HBAの総量が25gとなるように新品
のm−HBAを加え、更に電解還元反応を行った。その
結果、酢酸エチル層より13.51gのm−HBOHの
結晶(純度96.4%、収率87.9%)を得た。ま
た、水層からは9.55gのm−HBA(純度77.5
%、転化率58.0%)を酸析し、回収した。
【0021】
【発明の効果】m−HBAを酸性水溶液中で電解還元し
てm−HBOHを得る場合、理論通電量に対して過大な
通電量が必要であり、電流効率の低下を招き問題であ
る。本発明の方法では高電流効率の期間内通電後、未反
応原料と電解生成物の混合液のpHを調整することによ
り簡単にm−HBA塩水溶液とm−HBOHを分離し、
分離したm−HBA塩水溶液を酸析し、更に再結晶する
ことにより次回の電解還元反応に再使用できるため、工
業的に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】m−HBAの通電量に対する転化率及び電流効
率を示す図である。
【図2】m−HBAとm−HBOHのpH曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蒲地 宏典 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 m−ヒドロキシ安息香酸を陽・陰極を隔
    離した電解槽の陰極室で酸性水溶液中、電解還元反応し
    てm−ヒドロキシベンジルアルコールを製造するに際
    し、高電流効率を維持している期間通電後、未反応m−
    ヒドロキシ安息香酸を含む混合液をアルカリでpH6〜
    8に調整してm−ヒドロキシベンジルアルコールとm−
    ヒドロキシ安息香酸のアルカリ塩を含有する水層とを分
    離し、さらに分離したm−ヒドロキシ安息香酸溶液を酸
    析、再結晶させ、再使用することを特徴とするm−ヒド
    ロキシベンジルアルコールの製造法。
JP5179714A 1993-07-21 1993-07-21 m−ヒドロキシベンジルアルコールの製造法 Pending JPH0734275A (ja)

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