JPH0725715B2 - 3−ヒドロキシベンジルアルコールの製造方法 - Google Patents

3−ヒドロキシベンジルアルコールの製造方法

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JPH0725715B2
JPH0725715B2 JP61254703A JP25470386A JPH0725715B2 JP H0725715 B2 JPH0725715 B2 JP H0725715B2 JP 61254703 A JP61254703 A JP 61254703A JP 25470386 A JP25470386 A JP 25470386A JP H0725715 B2 JPH0725715 B2 JP H0725715B2
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hboh
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慎司 竹中
龍 大井
千年 島川
靖 下河
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三井東圧化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、m−ヒドロキシベンジルアルコール(以下、
m−HBOHと略記する)の製造方法に関するものである。
m−HBOHは工薬、あるいは農薬の中間体として有用な化
合物であるが、現状ではこれの安価な製造方法による工
業的供給には至っていない。
従来の技術 m−HBOHの合成法として、m−クレゾールを原料とする
発酵法、m−ビドロキシベンズアルデヒドを原料とする
ナトリウム・アマルガム・NaBH4、 LiAlH4等による還元及び水素添加反応等があが、収率的
に不十分であったりして、実用化には至っていない。ま
た水素添加反応は高温、高圧下の反応であり工業的製造
法には種々問題がある。
また、m−ヒドロキシ安息香酸(以下m−HBAと略記す
る)を原料とする方法については、ナトリウム・アマル
ガムによる還元法及び電解還元法(Berichte 38 1752
(1905))が提案されているが収率的にも低く工業的方
法にはなり得なかった。
本発明者らは、先にm−HBOHの製造方法について検討
し、m−HBAの電解還元を水溶液、あるいは水可溶性有
機溶媒中で行う方法、更に陰極液中に支持電解質を添加
する方法で高収率でm−HBOHをうる方法も既に見出して
いる(特開昭60−234987、特開昭60−243293)。
発明が解決しようとする問題点 本発明者らは、更にm−HBOHの工業的製法について、鋭
意検討を行い、m−HBAを酸性水溶液中で電解還元を行
い高収率で高純度のm−HBOHを得る方法を先に提案した
(特願昭60−263858、特願昭60−272467)。
しかし、本電解反応によつて生成したm−HBOHは溶媒の
水に溶けやすく、抽出によってm−HBOHを単離する際の
効率が著しく悪く、多量の抽出溶媒を用いても十分な抽
出率が得られなかった。
また、m−HBOHは酸性溶液中で分解しやすい物質であ
り、酸性下で抽出を行い、微量の酸が有機層中に残った
場合m−HBOHの単離における溶媒の留去の際に濃縮され
て、m−HBOHの分解による純度低下の原因となる。その
ため抽出後の有機層は十分水洗して酸成分を除いてから
でないと濃縮工程には送れない。
しかしながら、その水洗によりさらにm−HBOHのロスが
生じる問題もある。
本電解反応を工業的に実施するためには、電解反応後、
反応マスより効率良くm−HBOHを単離することが重要で
ある。
本発明の課題は、m−HBAを酸性水溶液中で電解還元を
行い高収率で高純度のm−HBOHを得る方法においてでき
るだけ少量の抽出溶媒で効率よくm−HBOHを抽出単離す
るための改善された製造方法を提供することである。
問題点を解決するための手段 本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した
結果、電解反応終了後、反応マスを無機塩で飽和させて
から抽出すれば無機塩の塩析効果で、m−HBOHの抽出率
が飛躍的に向上することを見出した。
更に、反応マスを抽出前にアルカリ性物質で中和させて
おくことで無機塩が生成し、飽和させる際、加える無機
塩の量が節約できると同時に、抽出後、有機酸をそのま
ま濃縮してもm−HBOHの分解は起こらず、高純度のm−
HBOHが得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は3−ヒドロキシ安息香酸を酸性水溶液
中、20〜70℃で電解還元するに際して、電解反応終了
後、電解液を中和剤を用いて中和してpHを2〜9の範囲
とし、さらに無機塩を飽和溶解させた後、酢酸エステル
を用いて3−ヒドロキシベンジルアルコールを抽出して
単離することを特徴とする3−ヒドロキシベンジルアル
コールの製造方法である。
本発明において、酸性水溶液としては、陰極での電解反
応に不活性な酸性物質であれば、特に限定するものでは
ないが、コスト的に通常鉱酸を用いるのが望ましく、特
に材質及び収率の点から硫酸が好ましい鉱酸であり、通
常5〜30重量%の硫酸水溶液が用いられる。
3−ヒドロキシ安息香酸の硫酸水溶液中の濃度は通常5
〜20重量%である。
本発明方法で用いる中和剤としては、アンモニア、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸
塩で、具体的には、アンモニア、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム及び
これらの炭酸塩等が挙げられる。
本発明方法においては、中和後のpHは2〜9の範囲、好
ましくは3〜7の範囲であり、その後抽出操作を行うの
が有効である。
pHが9を越える強アルカリ側では抽出効率が低下し、
又、pHが2未満では溶媒留去の際にm−HBOHの分解が起
こり、m−HBOHの純度が低下する。
本発明方法において用いる無機塩としては、水に十分の
溶解度を持ち、塩析効果の大きいもの、具体的には硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウムの
ようなアンモニウム塩、また、塩化ナトリウム、硫酸ナ
トリウム、塩化カリウム、硫酸カリウムのようなアルカ
リ金属塩、あるいは塩化マグネシウム、硫酸マグネシウ
ムのようなアルカリ土類金属塩が有効である。
抽出溶媒としては、m−HBOHを良く溶解し水と分離が容
易な有機溶媒が好ましく、酢酸エチル、酢酸プロピル、
酢酸ブチル等のC4〜C12の酢酸エステル類があげられ
る。
その使用量は抽出が効率的に行われるように適宜に決め
ればよく、バッチ式抽出法に於いては数回に分けて使用
してもよい。
本発明方法において、電解還元反応は20〜70℃の温度範
囲で実施する。又、電解に用いる電極のうち特に陰極材
料は水素過電圧の高いもの、具体的には亜鉛、鉛、カド
ミウム、水銀を用いる。対する陽極については、通常の
電極材料であれば特に限定しない。
陽イオン交換隔膜により、陽極室、陰極室を隔離するこ
とが好ましい。隔膜の材質としては、アスベスト、セラ
ミックス、インタードグラス等も使用できる。
本発明の電解還元において、電流密度は好ましくは5〜
30A/dm2である。理論的には4電子還元であり、4Fr/mol
eの通電量であるが、電流効率は50〜70%であるので、
反応を完結させるには5〜8Fr/mole電気量を通す必要が
ある。
作用および効果 本発明方法は、m−HBAを硫酸水溶液中で電解還元反応
を行いm−HBOHを製造した後の抽出法でありm−HBOHを
単離する際に、反応マス中にアルカリ性の中和剤を加え
て中和し、さらに無機塩を加えて飽和した後、酢酸エス
テル溶媒で抽出することにより、効率よくm−HBOHの抽
出が可能で高純度のm−HBOHが得られる工業的に極めて
価値ある発明である。
実施例 以下、実施例にて本発明を詳しく説明する。
以下「%」は重量%を示す。
実施例1 両極室とも300mlの容量を有し、隔膜としてセレミオンC
MV(旭硝子(株)の商品名の陽イオン交換膜)で隔離さ
れたH型の電解セルを使用して、両極室に10%の硫酸水
溶液を200mlづつ仕込む。陰極として50cm2の鉛板、陽極
として50cm2の白金板を用いた。
電解セルを30℃に保ちつつ、6Aの直流定電流を通電しつ
つ、m−HBA25gをマイクロフィーダーを用いて6g/時間
の割合で陰極液中に添加して、2.4時間でm−HBAを全量
添加した。この後更に電解を0.8時間継続した。(6.2Fr
/mol) 電解終了後、陰極液は抜き取り、温度を20〜30℃に保ち
ながら、水酸化ナトリウム(純度95%品)を約17.2g加
えて、pHを5とした。さらに塩化ナトリウムを加えて飽
和させた後、中和マス中の液は酢酸エチル(100g/3回、
計300g)で抽出した。
酢酸エチル層、および水層をそれぞれ液体クロマトグラ
フィー(HLC)で分析した結果、酢酸エチル層のm−HBO
H92.4%、水層のm−HBOH0.7%(いずれも仕込みm−HB
A基準)であった。m−HBOHの反応マスからの抽出率99.
2%。さらに酢酸エチル層は減圧下に酢酸エチルを留去
して、m−HBOHの結晶21.1gを得た。(m−HBOH純度98.
1%、m−HBOHの単離収率92.1%)。
実施例2 実施例1と同様の反応を行い、反応マス中の液は水酸化
カリウムを加えてpH3に中和した。さらに硫酸ナトリム
ウを加えて飽和させた後、中和マスは酢酸ブチル(70g
×3回、計210g)で抽出した。実施例1と同様の分析を
行ったところ、m−HBOHの反応マスからの抽出率98.9
%。さらに酢酸ブチルを留去してm−HBOHの結晶20.3g
を得た(m−HBOH純度98.0%、m−HBOHの単離収率88.6
%)。
比較例1 実施例1と同様の反応を行い、反応マスは中和せずに酢
酸エチル(100g×3回、計300g)で抽出した。実施例1
と同様の分析を行ったところ、m−HBOHの反応マスから
の抽出率61.1%、さらに酢酸エチルを留去してm−HBOH
の結晶12.3gを得た(m−HBOH純度75.1%、m−HBOHの
単離収率41.1%)。
比較例2 抽出溶媒の酢酸エチルを600g(200g×3回)用いて抽出
を行った以外は比較例1と同様の実験、抽出、分析を行
った。m−HBOHの反応マスからの抽出率77.3%。さらに
酢酸エチルを留去してm−HBOHの結晶15.6gを得た(m
−HBOH純度76.2%、m−HBOHの単離収率52.9%)。
比較例3〜4 実施例1と同様の実験を行い反応後の液は水酸化ナトリ
ウムを加えて中和を行った。中和後の液に塩化ナトリウ
ムを加えて飽和し、酢酸ブチル(100g×3回、計300g)
で抽出した。それぞれのpHでのm−HBOHの抽出率、単離
収率、及び純度を表−1に示す。
発明の効果 実施例と比較例の結果からあきらかな通り、m−HBAの
電解還元によるm−HBOHの製造において、m−HBOHを抽
出、単離する際、中和しないで抽出を行う比較例の方法
に比べて、中和して無機塩を飽和させて抽出した場合に
は効率よくm−HBOHが抽出でき、単離されたm−HBOH純
度も高い。
即ち、本抽出法は電解反応の工業化において、高収率、
高純度でm−HBOHを単離できる極めて有効な発明であ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ヒドロキシ安息香酸を酸性水溶液中20
    〜70℃で電解還元するに際して、電解反応終了後、電解
    液を中和剤で中和してpHを2〜9の範囲とし、さらに無
    機塩を飽和溶解させた後、酢酸エステルで3−ヒドロキ
    シベンジルアルコールを抽出して単離することを特徴と
    する3−ヒドロキシベンジルアルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】中和剤が、アンモニア、アルカリ金属また
    はアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩である特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】無機塩がアンモニウム、アルカリ金属また
    はアルカリ土類金属の塩である特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  4. 【請求項4】酢酸エステルがC4〜C12の酢酸エステルで
    ある特許請求の範囲第1項記載の方法。
JP61254703A 1986-10-28 1986-10-28 3−ヒドロキシベンジルアルコールの製造方法 Expired - Lifetime JPH0725715B2 (ja)

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