JP2622115B2 - ベンジルアルコール類の製造方法 - Google Patents

ベンジルアルコール類の製造方法

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業の利用分野) 本発明は芳香族カルボン酸類を出発原料にして相当す
るベンジルアルコール類を製造する方法に関するもので
ある。
ベンジルアルコール類の中には農・医薬の中間体ある
いは香料などとして有用な化合物が多いが、現状ではそ
れらの安価な製造方法による工業的供給には至っていな
い。
(従来の技術) 酸性水溶液中で芳香族がカルボン酸を電解還元する方
法は良く知られている。例えばナトリウムアマルガム及
び15%硫酸の存在下70℃で電解還元する方法も提案〔ベ
ルヒテ(Bericht)38,1752(1905)〕されているもの
の、収率が低く工業的方法にはなり得なかった。
又、本発明は先にm−ハイドロオキシ安息香酸、叉は
そのエステル等を水溶液、水可溶性有機溶媒中でpH4以
下にて電解還元する方法も提案した(特開昭60−23498
7)。
更にその電解反応時、隔膜として陽イオン交換膜を用
い支持電解質として、第4級アンモニウム塩類を添加し
て電解還元する方法も提案した(特開昭60−243293)。
(発明が解決しようとする問題点) 従来の種々の方法では電解時の電流効率に関しては不
十分で、工業的には不利であり、本発明者は更にp−ヒ
ドロキシメチル安息香酸、叉はそのエステルを、隔膜で
分離した電解槽中で、水及び/叉は水可溶性有機溶媒
中、酸性で電解還元するp−キシリレングリコールの工
業的製法も提案した(特開昭61−139210)。
しかし、この方法とて電流効率に関しては充分とは言
えなかった。
すなわち、モノカルボン酸から相当するベンジルアル
コールを製造するためには理論的には4Fr/molの電気量
を通電すれば反応は完結するはずだが、実際には副反応
として水の電気分解が起こり、それによって電力が消費
されるため理論量以上の通電が必要である。
例えば、m−ヒドロキシ安息香酸の電解還元によるm
−ヒドロキシベンジルアルコールの製造においては、反
応を完結させるためには理論量の約2倍の通電量が必要
であった。
通電量が多くなれば、それだけ電力コストが上がるた
め、本反応を経済的に有利に行うためには、できるだけ
理論電気量に近い少ない通電量で反応を完結させる方法
の開発が望まれていた。
本発明の目的は、芳香族カルボン酸類の電解還元にお
いて、簡便にかつより高い電流効率で反応を行う、工業
的に有利なベンジルアルコール類の製造方法を提供する
ことである。
(問題を解決するための手段) 本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討
し、反応系中にアルコールを少量添加することで陰極で
の水素発生が抑えられ、電流効率が向上することを見出
し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、安息香酸、アミノ安息香酸、ア
ルコキシ安息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、及びイ
ソフタル酸から選ばれる1種又は2種以上の化合物を酸
性水溶液中、酸性水溶液に対して0.1重量%以上の炭素
数4〜20のアルコールを添加し、電解還元することを特
徴とするベンジルアルコール類の製造方法である。以下
本発明を詳しく説明する。
本発明の原料としては安息香酸、アミノ安息香酸、ア
ルコキシ安息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、及びイ
ソフタル酸から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使
用する。
本発明の方法において、酸性水溶液としては、陰極で
の電解反応に不活性な酸性物質であれば特に限定するも
のではないが、コスト的に通常鉱酸を用いるのが望まし
く、特に材質の点から硫酸あるいは塩酸が好ましい鉱酸
であり、その最適濃度は出発物質の芳香族カルボン酸の
種類により異なるが、通常1〜30重量%の酸性水溶液が
用いられる。
本発明の方法では添加するアルコールとしては炭素数
が4から20であるアルコールが好ましい。炭素数が3以
下の低級アルコールでは電流効率の向上はみられない。
その添加量は溶媒である酸性水溶液に対して0.1重量
%以上、好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。
添加量が0.1重量%未満では電流効率の確実な向上は
みられない。又10重量%をこえても特に反応に対する悪
影響はないが、電流効率は向上しない。
本発明方法において、電解還元反応は、出発原料の芳
香族カルボン酸に応じて20〜70℃の温度範囲で実施す
る。又電解に用いる電極のうち、特に陰極材料は水素過
電圧の高いもの、具体的には亜鉛、鉛、カドミウム、水
銀、あるいはそれらの合金を用いる。対する陽極につい
ては、通常の電極材料であれば得に限定しない。
また、出発原料や生成物の溶解度を上げるために、溶
媒の酸性水溶液にメタノール、エタノール、プロパノー
ル等の低級アルコール、あるいはN,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン(DM
i)、アセトニトリルジメチルスルホキシド(DMSO)等
の非プロトン性極性溶媒を共存させたり、あるいは第4
級アンモニウム塩を添加することも好ましい方法であ
る。
又、陽イオン交換膜により、陽極室、陰極室を隔離す
ることが好ましい。イオン交換膜以外に隔膜の材質とし
ては、アスベスト、セラミックス、シンタードグラス等
も使用できる。
(作用及び効果) 本発明方法は、芳香族カルボン酸類を酸性水溶液中で
電解還元反応を行い、相当するベンジルアルコールを製
造する際に、酸性水溶液中に炭素数4〜20のアルコール
を少量添加することにより、電流効率が向上し、従来よ
り短時間かつ少ない電流量で電解還元反応が実施できる
工業的に極めて価値ある発明である。
実施例 以下、実施例により本発明の方法を詳しく説明する。
実施例1 両極室とも300mlの容量を有し、隔膜としてセレミオ
ンCMV(旭硝子(株)の商品名の陽イオン交換膜)で隔
離されたH型の電解セルを使用して、両極室に10%の硫
酸水溶液を200mlづつ仕込んだ。さらに陰極室には安息
香酸10g、及び2−エチル−1−ヘキサノール2gを加え
た。陰極として25cm2の鉛板、陽極として25cm2の白金板
を用いた。電解セルを60℃に保ちつつ5Aの直流定電流で
4Fr/mol通電した。反応終了後、陰極液を液体クロマト
グラフィー(HLC)で分析した。安息香酸の転化率85
%、ベンジルアルコールの収率は83%であった(電流効
率85%)。
実施例2 実施例1と同様の電解セルと電極を使用して、両極室
に5%の塩酸水溶液を200mlづつ仕込んだ。さらに陰極
室には3,4,5−トリメトキシ安息香酸5g及び1−ヘプタ
ノール5gを加えた。電解セルを30℃に保ちつつ3Aの直流
定電流で4Fr/mol通電した。反応終了後、陰極液をHLCで
分析した。3,4,5−トリメトキシ安息香酸の転化率75
%、3,4,5−トリメトキシ安息香酸の転化率75%、3,4,5
−トリメトキシベンジルアルコールの収率は70%であっ
た(電流効率75%)。
実施例3 実施例1と同様の電解セルに、陰極としては10cm3
水銀を入れリード線でとし出し、陽極としては25cm3
白金板を用いた。陽極室には10%の硫酸水溶液を200ml
仕込み、陰極室には20%に硫酸水溶液150mlとアセトニ
トリル50mlを仕込んだ。さらに陰極室にはm−メトキシ
安息香酸10g及び1−ヘキサノール5gを加えた。電解セ
ルを40℃に保ちつつ5Aの直流定電流で4Fr/mol通電し
た。反応終了後、陰極液をHLCで分析した。m−メトキ
シ安息香酸の転化率87%、m−メトキシベンジルアルコ
ールの収率は84%であった(電流効率87%)。
実施例4 実施例4で、陰極液にm−ヒドロキシ安息香酸の替わ
りにm−ヒドロキシメチル安息香酸10gを加える以外
は、全く同様に通電し、分析を行った。
m−ヒドロキシメチル安息香酸の転化率81%、m−キ
シリレングリコールの収率は79%であった(電流効率81
%)。
比較例1 2−メチル−1−ヘキサノールを添加しないこと以外
は実施例1と同様の反応を行った。反応終了後、陰極液
はHLCで分析した。安息香酸の転化率59%、ベンジルア
ルコールの収率は53%であった(電流効率59%)。
比較例2 1−ヘプタノールを添加しないこと以外は実施例2と
同様の反応を行った。反応終了後、陰極液はHLCで分析
した。3,4,5−トリメトキシ安息香酸の転化率は40%、
3,4,5−トリメトキシベンジルアルコールの収率は31%
であった(電流効率40%)。
比較例3 1−ヘキサノールを添加しないこと以外は実施例3と
同様の反応を行った。反応終了後、陰極液をHLCで分析
した。m−メトキシ安息香酸の転化率は60%、m−メト
キシベンジルアルコールの収率は56%であった(電流効
率60%)。
比較例4 実施例4で陰極室に2−エチル−1−ヘキサノールを
加えない以外は全く同様に通電し、その後分析を行っ
た。
m−ヒドロキシ安息香酸の転化率65%、m−ヒドロキ
シベンジルアルコールの収率は62%であった(電流効率
65%)。
比較例5 実施例5で陰極室に2−エチル−1−ヘキサノールを
加えない以外は全く同様に通電し、その後分析した。
p−ヒドロキシ安息香酸の転化率59%、p−キシリレ
ングリコールの収率は57%であった(電流効率59%)。
比較例6 実施例1で2−エチル−1−ヘキサノールに変えて、
エタノールを10g添加して同様の電解還元反応を行っ
た。反応終了後、陰極液はHLCで分析した。安息香酸の
転化率59%、ベンジルアルコールの収率は55%であった
(電流効率59%)。
(発明の効果) 実施例、比較例より明らかな通り、酸性水溶液中で芳
香族カルボン酸類の電解還元を行い、相当するベンジル
アルコールを製造する方法において、炭素数4〜20のア
ルコールを少量添加することで電流効率が大幅に向上し
た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】安息香酸、アミノ安息香酸、アルコキシ安
    息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、及びイソフタル酸
    から選ばれる1種又は2種以上の化合物を、酸性水溶液
    中、酸性水溶液に対して0.1重量%以上のアルコールを
    添加し、電解還元することを特徴とするベンジルアルコ
    ール類の製造方法。
  2. 【請求項2】アルコールがCnH2n+1OH(nは4〜20の整
    数である。)のアルコールである特許請求の範囲第1項
    記載の方法。
  3. 【請求項3】アルコールの添加量が使用する酸性水溶液
    に対して0.1重量%以上、10重量%以下である特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
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