JPH0734081A - 潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油組成物

Info

Publication number
JPH0734081A
JPH0734081A JP18282493A JP18282493A JPH0734081A JP H0734081 A JPH0734081 A JP H0734081A JP 18282493 A JP18282493 A JP 18282493A JP 18282493 A JP18282493 A JP 18282493A JP H0734081 A JPH0734081 A JP H0734081A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
oil
ester
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18282493A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehisa Sato
剛久 佐藤
Satoru Ogano
哲 小鹿野
Toshiaki Kuribayashi
利明 栗林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP18282493A priority Critical patent/JPH0734081A/ja
Publication of JPH0734081A publication Critical patent/JPH0734081A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の潤滑油組成物は、40℃における粘
度範囲が10mm2/s 〜500mm2/s の潤滑油基油に、下
記一般式(1)〜一般式(3)の少なくとも一種の燐系
添加剤を添加したことを特徴とする。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、アルキル基、R3 はアルキル
基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基
でそれぞれ置換基を有していてもよく、nは0〜2の整
数である。) 【効果】 本発明の潤滑油組成物は、優れた耐摩耗性を
示し、特にアルミニウム材に対する耐摩耗性に優れ、ま
た無酸素条件下で優れた耐摩耗性を有するので、例えば
R134aを冷媒とする冷凍機油組成物やギア油として
適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空下、窒素雰囲気
下、冷媒雰囲気下等の無酸素系、密閉系で使用される潤
滑油組成物であって、耐摩耗性に優れた潤滑油組成物に
関し、特に冷凍機用として使用する場合、冷媒との相溶
性に優れた潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】冷凍機等においては、冷媒として従来R
11(CCl3F)、R12(CCl2F2)、R123(CF3CHC
l2)、R22(CHClF2)等の塩素含有冷媒が使用されて
いるが、代替フロンの開発が緊急化し、例えば1.1.1.2-
テトラフルオロエタン(R134a) 等の非塩素系弗素
含有冷媒が注目されはじめている。これら塩素含有冷媒
にあってはそれ自体が耐摩耗性を有することもあり、摩
耗防止性について格別の考慮を払う必要はなかったが、
非塩素系弗素含有冷媒を使用する場合には、従来、鉄を
摩耗部位に有する機器において使用されている、例えば
トリクレジルフォスフェート等の摩耗防止剤を使用して
も十分な添加効果が認められず、特に摩耗部位にアルミ
ニウム材を使用するものにあっては、摩耗防止性に優れ
た潤滑油組成物の提供が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、摩耗防止性
に優れると共に、特にアルミニウム材を摩耗部位に有す
る機器・装置での使用に適するもので、特定構造の化学
組成を有する燐系添加剤を配合した潤滑油組成物であっ
て、特に冷凍機用潤滑油、ビスカスカップリング用潤滑
油、ギア油、メカニカルブースターポンプ油、ショック
アブソーバー油、ターボ分子ポンプの軸受油、ベルトテ
ンショナー油等の無酸素雰囲気下で使用される耐摩耗性
に優れた潤滑油組成物の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑油組成物
は、40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜500mm2/
s の潤滑油基油に、下記一般式(1)〜一般式(3)で
示される少なくとも一種の燐系添加剤を添加したことを
特徴とする。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、R1 、R2 は、アルキル基、R3
はアルキル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ
アルキル基でそれぞれ置換基を有していてもよく、nは
0〜2の整数である。) 以下、本発明の潤滑油組成物について説明する。燐系添
加剤を示す一般式(1)〜一般式(3)において、
1 、R2 はアルキル基であるが、本発明の潤滑油組成
物を冷凍機油組成物とする場合には、アルキル基の炭素
数は8以下のものであり、アルキル基の炭素数が8を越
えると粘度が高くなり、好ましくない。好ましくは炭素
数が4以下のアルキル基であり、メチル基、エチル基、
n−,iso−プロピル基、n−,iso−,tert
−ブチル基等が挙げられ、特に好ましくはメチル基であ
る。
【0007】一般式(1)で示される化合物としては、
例えばトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
フォスフェート、トリ(2,6−ジ−メチルフェニル)
フォスフェート、トリ(2−tert−ブチルフェニ
ル)フォスフェート、トリ(2−メチルフェニル)フォ
スフェート等が挙げられ、特に好ましくはトリ(2,6
−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、トリ(2−メ
チルフェニル)フォスフェートである。
【0008】一般式(2)で示される化合物としては、
例えばトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)
フォスファイト、トリ(2,6−ジ−メチルフェニル)
フォスファイト、トリ(2−tert−ブチルフェニ
ル)フォスファイト、トリ(2−メチルフェニル)フォ
スファイト等が挙げられ、特に好ましくはトリ(2,6
−ジ−メチルフェニル)フォスファイト、トリ(2−メ
チルフェニル)フォスファイトである。
【0009】一般式(3)で示される化合物としては、
例えばジ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フ
ォスフォノプロピオン酸エチル、ジ(2,4−ジ−メチ
ルフェニル)フォスフォノプロピオン酸エチル、ジ(2
−メチルフェニル)フォスフォノプロピオン酸エチル等
が挙げられ、特に好ましくはジ(2,4−ジ−メチルフ
ェニル)フォスフォノプロピオン酸エチル、ジ(2−メ
チルフェニル)フォスフォノプロピオン酸エチルであ
る。
【0010】また、一般式(1)のフォスフェート類、
一般式(2)のフォスファイト類より、一般式(3)の
フォスフィネート類が好ましい。
【0011】これらの燐系添加剤は単独でも、また混合
して使用してもよく、後述する潤滑油基油に対して0.
05重量%〜10重量%、好ましくは0.1重量%〜5
重量%の割合で使用される。0.01重量%未満であれ
ば添加効果がなく、10重量%を越えると金属の腐食等
の問題が生じる。
【0012】本発明の潤滑油組成物には、好ましくはエ
ポキシ化合物が添加される。エポキシ化合物としては、
フェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニ
ルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエ
ーテル、またアルカノール、ビスフェノール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリアルキレ
ングリコール、グリセリン等のアルコール、ポリオール
とエピクロロヒドリンとの縮合物であるグリシジルエー
テル、脂肪酸とエピクロロヒドリンとの縮合物であるグ
リシジルエステル、安息香酸グリシジルエステル、スチ
レンオキシド等の二重結合に酸素を付加して形成される
エポキシ化合物等が例示でき、後述する潤滑油基油に対
して0.05重量%〜20重量%の割合で添加される。
【0013】本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油
について説明する。まず、潤滑油基油として鉱油及び/
又は合成油を挙げることができる。鉱油としては、溶剤
精製または水添精製による60ニュートラル油、100
ニュートラル油、150ニュートラル油、300ニュー
トラル油、500ニュートラル油等及びこれらの基油か
らワックス分を除くことにより低温流動性を改善した低
流動点基油等があり、これらを単独または適当な割合で
混合して用いることができる。
【0014】また、合成潤滑油としてはポリオールエス
テル、ポリオレフィン、ジアルキルベンゼン、ポリアル
キレングリコール類、アルキルジフェニルエーテル等が
挙げられる。ポリオールエステルとしては、下記の種類
の有機カルボン酸エステルが挙げられる。
【0015】(1)まず、脂肪族多価アルコールと直鎖
状又は分岐状の脂肪酸とのポリエステル類がある。
【0016】このポリエステル類を形成する脂肪族多価
アルコールとしては、トリメチロールプロパン、ジトリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメ
チロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール、トリペンタエリスリトール等があり、また
脂肪酸としては炭素数3〜12のものを使用することが
でき、好ましい脂肪酸はプロピオン酸、酪酸、吉草酸、
ヘキサン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカ
ン酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、2−メチル酪酸、
2−エチル酪酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘ
キサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン
酸、2,2’−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタ
ン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等である。
【0017】特に、ペンタエリスリトールの2−メチル
ヘキサン酸エステル、またはペンタエリスリトールの2
−エチルヘキサン酸エステルと3,5,5−トリメチル
ヘキサン酸エステルとの混合エステルは、体積抵抗率が
高く、安定性に優れるので好ましい。
【0018】又、脂肪族多価アルコールと直鎖状又は分
岐状の脂肪酸との部分エステル類も使用できる。この脂
肪族多価アルコールとしてはトリメチロールプロパン、
ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジ
トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペン
タエリスリトール、トリペンタエリスリトール等を使用
することができる。脂肪酸としては炭素数3〜9のもの
で、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタ
ン酸、オクタン酸、ノナン酸、2−メチルヘキサン酸、
2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン
酸、イソデカン酸、2,2’−ジメチルオクタン酸、2
−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン
酸等である。
【0019】これらの脂肪族多価アルコールと直鎖状又
は分岐状の脂肪酸とのエステル類として、特に好ましく
はペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ト
リペンタエリスリトールと炭素数5〜12、更に好まし
くは炭素数5〜7の脂肪酸、例えば吉草酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘ
キサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン
酸、2,2’−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタ
ン酸、又はその混合体からなるエステルが挙げられる。
【0020】これらの部分エステルは、脂肪族多価アル
コールと脂肪酸の反応モル数を適宜調節して反応させる
ことにより得られる。
【0021】(2)脂肪族多価アルコールとしてネオペ
ンチルグリコールと、炭素数6〜9の直鎖状又は分岐状
の脂肪酸、例えばヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン
酸、ノナン酸、2−エチル酪酸、2−メチルヘキサン
酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナ
ン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等とのジエス
テル類を使用することもできる。
【0022】(3)脂肪族多価アルコールと炭素数3〜
9の直鎖状又は分岐状の脂肪酸との部分エステル類と、
直鎖状又は分岐状の脂肪族二塩基酸又は芳香族二塩基酸
とのコンプレックスエステル類を使用することもでき
る。
【0023】このような脂肪族多価アルコールとして
は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、ジペンタエリスタトール等を使
用することができる。
【0024】炭素数3〜12の脂肪酸としては、プロピ
オン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタ
ン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、
2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオ
クタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2’−ジ
メチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5
−トリメチルヘキサン酸等を使用することができる。
【0025】このコンプレックスエステル類において
は、好ましくは炭素数5〜7のもの、更に好ましくは炭
素数5〜6の脂肪酸を使用するとよい。
【0026】このような脂肪酸としては、吉草酸、ヘキ
サン酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸
又はその混合体が使用され、炭素数5のものと炭素数6
のものを重量比で10:90〜90:10の割合で混合
した脂肪酸を好適に使用することができる。
【0027】また、この脂肪酸と共に多価アルコールと
のエステル化に使用される脂肪族二塩基酸としては、コ
ハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼラ
イン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、
トリデカン二酸、カルボキシオクタデカン酸、カルボキ
シメチルオクタデカン酸、ドコサン二酸等を使用すると
よく、又、芳香族二塩基酸としてはフタル酸、イソフタ
ル酸、芳香族三塩基酸としてはトリメリット酸、芳香族
四塩基酸としてはピロメリット酸等が挙げられる。
【0028】エステル化反応は、まず多価アルコールと
脂肪族二塩基酸又は芳香族二塩基酸等とを所定の割合で
反応させて部分エステル化し、ついでその部分エステル
化物と脂肪酸とを反応させてもよいし、また酸の反応順
序を逆にしてもよく、また酸を混合してエステル化に供
してもよい。
【0029】(4)又、直鎖状又は分岐状の脂肪族二塩
基酸のジアルキルエステル類(炭素数16〜22)を使
用してもよい。
【0030】脂肪族二塩基酸としてはコハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ト
リデカン二酸、カルボキシオクタデカン酸、カルボキシ
メチルオクタデカン酸、ドコサン二酸及びこれらと同等
の性状を有するものが挙げられる。好ましい脂肪族二塩
基酸はコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン
二酸、ドデカン二酸、カルボキシオクタデカン酸、カル
ボキシメチルオクタデカン酸等である。
【0031】アルコール成分としては、炭素数5〜8の
アルコールであり、具体的にはアミルアルコール、ヘキ
シルアルコール、ヘプチルアルコール及びオクチルアル
コール、並びにこれらの異性体であり、好ましくはイソ
アミルアルコール、イソヘキシルアルコール及びオクチ
ルアルコールである。
【0032】具体的には、ジオクチルアジペート、ジ−
イソヘプチルアジペート、ジヘキシルセバケート、コハ
ク酸ジヘプチル等が挙げられる。
【0033】(5)芳香族二塩基酸のジアルキルエステ
ル類(炭素数18〜26のもの)も使用することができ
る。
【0034】芳香族二塩基酸としてはフタル酸、イソフ
タル酸、これらと同等のものが挙げられ、またジアルキ
ルエステルにおけるアルコール成分としては、炭素数5
〜8のアルコールであり、アミルアルコール、ヘキシル
アルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコー
ル、及びこれらの異性体が使用される。好ましいアルコ
ールは、イソアミルアルコール、イソヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコールが挙げられる。芳香族ジエステ
ルはジオクチルフタレート、ジイソヘプチルフタレー
ト、ジイソアミノフタレート等が包含される。
【0035】(6)アルコール成分として、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール等、及びそ
れらの異性体から選ばれる1価アルコール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン等の3価アルコールと、例
えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、アミレンオキサイド等、及びそれらの
異性体から選ばれるアルキレンオキサイドの1モル〜1
0モル、好ましくは1〜6モル付加物を使用する。
【0036】有機カルボン酸エステルとしては、1価ア
ルコールのアルキレンオキサイド付加物をアジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ウンデカン二酸、ドデカン二酸、カルボキシオクタデカ
ン酸、カルボキシメチルオクタデカン酸、ドコサン二酸
等の脂肪族二塩基酸、又はフタル酸等の芳香族二塩基酸
によりエステル化して得られるジエステル類がある。
【0037】又、グリセリン、トリメチロールプロパン
等の多価アルコールのアルキレンオキサイドの1〜10
モル付加物を、炭素数3〜12の直鎖状又は分岐状の脂
肪酸、例えばプロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン
酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ド
デカン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン
酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、
2,2’−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸
等によりエステル化して得られるエステル類を使用する
ことができる。
【0038】上記有機カルボン酸エステルを構成する脂
肪酸としては、直鎖状又は分岐状の脂肪酸を使用するこ
とができるが、分岐状の脂肪酸を使用すると、より加水
分解安定性に優れるものである。
【0039】上記、有機カルボン酸エステルは単独で使
用してもよいが、上記各種用途に応じた粘度範囲に調節
するために、上記有機カルボン酸エステルを適宜組合せ
使用するとよい。
【0040】例えば、上記(3)のコンプレックスタイ
プの有機カルボン酸エステルであって、粘度が高い場合
には、脂肪族多価アルコールと炭素数3〜9の脂肪酸と
のエステル油で、100℃における粘度が6mm2/s 以下
のものを添加して用途に応じた粘度範囲に調整すること
ができる。また、粘度の低い場合には有機カルボン酸エ
ステル油にポリマー類を添加して、粘度を調整するとよ
い。ポリマーは100℃における粘度が10mm2/s 以上
のものが好ましい。
【0041】このようなポリマーとしては、ポリアルキ
ルメタクリレート(例えば、アルキル基が炭素数4〜8
のもの)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリプ
ロピレングリコール、又ポリエチレングリコール成分と
ポリプロピレングリコール成分からなる共重合体、ポリ
プロピレングリコール成分とポリテトラメチレングリコ
ール成分とからなる共重合体等)、ネオペンチルグリコ
ールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルで下記式で示さ
れるもの
【0042】
【化3】
【0043】等を挙げることができる。
【0044】ポリマーの添加量は、所望の粘度のエステ
ル油が得られるならば特に限定されるものではないが、
通常1重量%〜99重量%の範囲とすることができる。
【0045】その他のエステルとして、フマル酸エステ
ル重合体が挙げられる。フマル酸エステル重合体は、フ
マル酸エステルのホモ重合体またはフマル酸エステルと
不飽和脂肪族炭化水素との共重合体であり、下記式で示
さる。下記式における両末端は、重合反応に際して使用
される重合開始剤残基であり、式中においてはその記載
を省略している。
【0046】
【化4】
【0047】(式中、R1 、R2 は炭素数1〜9の直鎖
又は分枝状のアルキル基、アリル基または末端置換また
未置換ポリアルキレンオキサイド基であり、同一でも相
違していてもよく、R3 はアルキレン基、置換アルキレ
ン基またはアルキレンオキサイド基、mは0以上、nは
1以上、好ましくは1〜12の整数であって、R3 は全
体の50モル%以下である) 具体的には、ジエチルフマレートのエステルオリゴマ
ー、ジブチルフマレートのエステルオリゴマー等を挙げ
ることができる。
【0048】、また、下記構造式
【0049】
【化5】
【0050】で示される構造単位を1〜50モル%及び
下記一般式
【0051】
【化6】
【0052】(式中、Rはそれぞれ独立して、炭素原子
3〜8個を有する直鎖又は分岐状のアルキル基である)
で示される構造単位を50〜99モル%含むフマル酸ア
ルキルエステル共重合体を挙げることができる。
【0053】次に、炭酸エステル類としては、一般式
【0054】
【化7】
【0055】(式中、R1 は炭素原子2〜10個を有す
る直鎖又は分岐状のアルキル基、R2は炭素原子2〜1
0個を有するアルキレン基、またはシクロアルキレン
基、nは1〜4の整数である)で表される炭酸エステル
類、または、一般式
【0056】
【化8】
【0057】(式中、R1 は2〜6個の水酸基を有する
多価アルコール残基、R2 は炭素原子2〜10個を有す
る直鎖又は分岐状のアルキル基、nは2〜6の整数であ
る)で表される炭酸エステル類を使用することができ
る。上記の炭酸エステル類は、ジメチルカーボネートと
アルコール類とを塩基性触媒の存在下でのエステル交換
反応により製造される。
【0058】また、一般式
【0059】
【化9】
【0060】〔式中、R1 は炭素原子1〜10個を有す
る直鎖又は分岐状のアルキル基、Rは炭素原子2〜1
0個を有する直鎖又は分岐状のアルキル基、mは2〜1
0の整数、nは2〜100の整数であり、−AO−は−
CH−CH(CH3 )−O−が好ましく、また−C
2 −CH2 −O−でもよい。〕で表される炭酸エステ
ル類を使用することができる。この炭酸エステル類は、
例えば炭酸とアルキレンオキサイドとを反応させて得ら
れるものであるが、そのアルキレンオキサイド付加量は
2〜3モルのものが適当である。又、アルキレンオキサ
イドの付加形態は、エチレンオキサイド単独又はプロピ
レンオキサイド単独でもよく、また混合体でもよい。
【0061】次に、ヒドロキシビバリン酸エステル類と
しては、一般式
【0062】
【化10】
【0063】(式中R、R′は炭素原子2〜10個を有
する直鎖又は分岐状のアルキル基、nは1〜5の整数で
ある)で表されるものか挙げられる。
【0064】このようなエステル油において、ナトリウ
ム及び/又はカリウム濃度が0.1ppm 以下とすること
により、優れた冷凍機油とできることが見出された。
【0065】まず、上述したポリオールポリエステル類
は、一般にアルコール類と脂肪酸類とを酸触媒、例えば
燐酸の存在下エステル化反応させて得られるが、このよ
うな調製法によると全酸価が0.1〜0.5mg KOH /g
、灰分(ナトリウム分、カリウム分、鉄分、チタン
分、硅素分等)が5〜50ppm、水分が300〜100
0ppmのものが得られる。
【0066】冷凍機油において、酸価が高いと金属部分
に腐食等の問題が生じるため、冷凍機油には適さない。
このため、冷凍機油としての全酸価は0.1mg KOH /g
未満、好ましくは0.05mg KOH /g 以下とするとよ
い。
【0067】また、潤滑油の絶縁性は酸価や油中の不純
物によって変わると考えられていた。しかし、エステル
油においては、酸価が高くても絶縁性に与える影響は意
外にも小さく、またエステル油中の全ての灰分が絶縁性
と相関がないことが見出された。そこで、エステル油の
体積抵抗率を下げる要因物質について、本発明者等は特
にナトリウム、カリウム分に着目し、通常の分析レベル
より数オーダー微量分まで分析した結果、原材料中、ま
たは合成工程で使用される触媒、更には精製工程で使用
される中和剤等により混入すると考えられる灰分の中
で、鉄分、チタン分、硅素分等はその絶縁性に影響を与
えないが、油中におけるナトリウム分とカリウム分の総
量濃度が0.1ppm を越えると極端に絶縁性が低下する
ことが見出された。
【0068】そのため、本発明におけるポリオールエス
テル、フマル酸エステルオリゴマー、炭酸エステル、ヒ
ドロキシビバリン酸エステルを精製するに際して、絶縁
性に与える成分を含有しない精製手段を採用することが
好ましく、特にナトリウム分は精製により除去が困難で
あるので、ナトリウムを構成元素とする化合物の使用を
避ける方法を採用することにより、少ない精製工程で高
い絶縁性を示すエステルを得ることができる。ナトリウ
ム分を避ける方法としては、例えばエステル化反応後の
遊離脂肪酸の中和に水酸化カリウム、水酸化カルシウム
等を利用することが有用である。
【0069】また、冷媒安定性を高めるためには、パー
オキサイド価1meq./Kg 以下、アルデヒド価1mg KOH /
g 以下、臭素価指数10mg /100g以下とするとよい。
【0070】エステルの精製は、シリカゲル、活性アル
ミナ、活性炭、ゼオライト等と接触処理により行うとよ
い。この際の接触条件は各種状況に応じて適宜定めると
よく、温度は100℃以下で行うのが好ましい。他のエ
ステル精製方法としては、コストが高くなるが、イオン
交換樹脂或いは無機イオン交換体(東亜合成化学製)に
よる方法によってもよい。
【0071】次に、ポリオレフィン類としては、炭素数
2〜14、好ましくは4〜12の範囲の分岐を有する、
或いは有しないオレフィン炭化水素から選択された任意
の1種の単独重合体又は2種以上の共重合により得られ
るものであり、平均分子量100〜約2000、好まし
くは200〜約1000の生成物から選択されるが、特
に水素化によって不飽和結合を除去したものが好まし
い。
【0072】好ましいポリオレフィンとしては、例えば
ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー、エチレン・α
−オレフィンオリゴマー等である。ポリブテンとして
は、例えばイソブテンを主体とし、ブテン−1、及びブ
テン−2の単量体混合物を共重合させて得られるものが
好ましい。又、α−オレフィンオリゴマーとしては、炭
化水素の熱分解又は低級オレフィンの3量化〜6量化に
より得られる炭素数6〜12のα−オレフィン混合物、
例えばヘキセン−1が25重量%〜50重量%、オクテ
ン−1が30重量%〜40重量%及びデセン−1が25
重量%〜40重量%の混合物を共重合したものを使用す
ることができる。又、デセンのごとき単独モノマーから
得られるオリゴマーも好適である。更にエチレン・α−
オレフィンオリゴマーとしては、エチレンが40重量%
〜90重量%、α−オレフィン、例えばプロピレンが1
0重量%〜60重量%の割合の単量体を混合し重合した
ものを使用することができる。
【0073】これらのポリオレフィンは、塩化アルミニ
ウム、フッ化硼素等のフリーデルクラフト型触媒、チー
グラー触媒及び酸化クロム等の酸化物触媒等を使用して
製造することができる。またポリオレフィンの水素化は
反応生成物から触媒を除去した後、加温、加圧下におい
て、例えばニッケル−モリブデン/アルミナのような水
素化触媒と接触させることにより行うことができる。
【0074】アルキルベンゼンとしては、主としてアル
キルベンゼン型のものであり、ベンゼンやトルエンのよ
うな芳香族炭化水素をフリーデルクラフツ反応等でアル
キル化して、洗剤の原料を作る際に副生する、主として
ジアルキル化芳香族炭化水素を含む油である。アルキル
基としては直鎖及び/又は分岐のいずれのものもこれに
属する。
【0075】また、ポリアルキレングリコールとして
は、アルキレン基の炭素数が2〜5、好ましくは2〜3
の直鎖状又は分岐状アルキレンオキサイドの開環重合体
又は開環共重合体である。アルキレンオキサイドとして
は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド、或いはそれらの混合物、好ましくはプ
ロピレンオキサイドであり、好ましくはポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコールを挙げることがで
き、分子量範囲100〜2000のもの、好ましくは2
00〜1000のものである。
【0076】更に、アルキルジフェニルエーテルとして
は、ジフェニルエーテルをフリーデルクラフツ反応等を
利用してアルキル化して合成したモノアルキルジフェニ
ルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、トリアル
キルジフェニルエーテル等が挙げられ、アルキル基とし
ては直鎖及び/又は分岐のいずれのものでもよい。
【0077】シリコーン油としては、
【0078】
【化11】
【0079】(式中、Rは1〜18の炭素原子を有す
る、同じか又は異なる、場合によりハロゲン化された炭
化水素基を示し、nは1〜3000の整数である。)で
示されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
【0080】Rとしては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、及び
オクタデシル基のようなアルキル基、フェニル基、ナフ
チル基のようなアリ−ル基、ベンジル基、1−フェニル
エチル基、2−フェニルエチル基のようなアラルキル
基、o−、m−、 p−ジフェニル基のようなアルアリ
−ル基、o−、m−、p−クロルフェニル基、o−、m
−、p−ブロムフェニル基、3,3,3−トリフルオル
プロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオル
−2−プロピル基、ヘプタフルオルイソプロピル基及び
ヘプタフルオロ−n−プロピル基のようなハロゲン化炭
化水素基である。特に基Rとしては脂肪族不飽和基を除
く1〜8の炭素原子を有する弗素化炭化水素基が有利で
あり、またメチル基、フェニル基が有利である。またメ
チルポリシロキサン、フェニルポリシロキサンの混合物
を使用してもよい。
【0081】また、これらの潤滑油基油の粘度範囲は、
40℃において10〜50万mm2/sである。これらの潤
滑油基油は単独で使用してもよいが、混合して使用して
もよい。好ましくは合成油が使用され、特に好ましくは
ポリオールエステル、ポリアルキレングリコールであ
る。
【0082】特に、冷凍機用潤滑油として使用する場合
には、合成油としては100℃における粘度範囲が2mm
2/s 〜50mm2/s のエステル油、ポリアルキレングリコ
ールが挙げられ、特に好ましくはペンタエリスリトール
の2−メチルヘキサン酸エステル、またはジペンタエリ
スリトールの2−メチルヘキサン酸エステルを主成分と
するものが使用され、エステル油、ポリアルキレングリ
コール単独、またはエステル油、ポリアルキレングリコ
ールと鉱油の混合油、エステル油、ポリアルキレングリ
コールと他の合成潤滑油との混合油が挙げられる。混合
油にあってはエステル油、ポリアルキレングリコールの
割合は10重量%〜100重量%の範囲とするとよい。
エステル油の割合が低くなると、冷凍機油として使用す
る場合、冷媒との相溶性、特に高温での冷媒との相溶性
が悪化する。
【0083】本発明の潤滑油組成物には、更に酸化防止
剤を添加してもよい。この種の酸化防止剤としては、例
えばジ(アルキルフェニル)アミン(アルキル基は炭素
数4〜20)、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキ
ルジフェニルアミン(アルキル基は炭素数4〜20)、
N−ニトロソジフェニルアミン、フェノチアジン、N,
N’−ジナフチル−p−フェニレンジアミン、アクリジ
ン、N−メチルフェノチアジン、N−エチルフェノチア
ジン、ジピリジルアミン、ジフェニルアミン、フェノー
ルアミン、2,6−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミ
ノパラクレゾール等のアミン系酸化防止剤、2.6−ジ
−t−ブチルパラクレゾ−ル、4.4’−メチレンビス
(2.6−ジ−t−ブチルフェノ−ル)、2.6−ジ−
t−ブチル−4−N,N−ジメチルアミノメチルフェノ
ール、2.6−ジ−t−ブチルフェノ−ル等のフェノ−
ル系酸化防止剤、トリジ−t−ブチルフェニルフォスフ
ァイト、トリオクチルフォスファイト等のフォスファイ
ト類、また鉄オクトエ−ト、フェロセン、鉄ナフトエ−
ト等の有機鉄塩、セリウムナフトエ−ト、セリウムトル
エ−ト等の有機セリウム塩、ジリコニウムオクトエ−ト
等の有機ジリコニウム塩等の有機金属化合物系酸化防止
剤を使用するとよい。また上記の酸化防止剤は単独で使
用してもよいが、二種以上組み合わせて使用することも
できる。酸化防止剤の使用割合は、基油に対して0.0
01〜5重量%、好ましくは0.01〜2重量%を使用
するとよい。
【0084】更に、本発明の潤滑油組成物には、その用
途に応じて清浄分散剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活
性化剤、防錆剤等の各種添加剤が添加されてもよい。
【0085】例えば、冷凍機油として使用する場合に
は、腐食防止剤、摩耗防止剤、消泡剤、金属不活性化
剤、防錆剤等が添加されるとよく、またギヤ油として使
用する場合には、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、金属不
活性化剤、腐食防止剤等が添加されるとよい。
【0086】清浄分散剤としては、コハク酸イミド、ア
ルキルベンゼンスルフォネート等が挙げられる。
【0087】腐食防止剤としてはイソステアレート、n
−オクタデシルアンモニウムステアレート、デュオミン
T・デオレート、ナフテン酸鉛、ソルビタンオレート、
ペンタエリスリット・オレート、オレイルザルコシン、
アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びこれらの誘
導体等があり、添加割合は基油に対して0.001〜
1.0重量%、好ましくは0.01〜0.5重量%とす
るとよい。
【0088】消泡剤としては、シリコーンを添加すると
よく、添加割合は基油に対して0.0001〜0.00
3重量%、好ましくは0.0001〜0.001重量%
とするとよい。
【0089】金属不活性化剤としては、例えばベンゾト
リアゾール、ベンゾトリアゾール誘導体、チアジアゾー
ル、チアジアゾール誘導体、トリアゾール、トリアゾー
ル誘導体、ジチオカルバメート等を添加するとよく、添
加割合は、基油に対して0.01重量%〜10重量%、
好ましくは0.01重量%〜1.0重量%とするとよ
い。
【0090】防錆剤としては、例えばコハク酸、コハク
酸エステル、オレイン酸牛脂アミド、バリウムスルホネ
ート、カルシウムスルホネート等を添加するとよく、添
加割合は0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.
01重量%〜1.0重量%とするとよい。
【0091】次に、本発明の潤滑油組成物の粘度範囲に
ついて説明する。
【0092】本発明の潤滑油組成物の粘度範囲は、40
℃において10〜50万mm2/s である。まず、冷凍機
油、例えば冷蔵庫用としては100℃における粘度が2
mm2/s 〜9mm2/s 、好ましくは3mm2/s 〜7mm2/s のも
のであり、又、カーエアコンにおける冷凍機用潤滑油と
しては7mm2/s 〜35mm2/s のものを使用するとよく、
カーエアコンにおいてもレシプロタイプのコンプレッサ
ーにおいては7mm2/s 〜15mm2/s 、好ましくは8mm2/
s 〜11mm2/s 、ロータリータイプのコンプレッサーに
おいては15mm2/s 〜35mm2/s 、好ましくは20mm2/
s 〜30mm2/s の粘度範囲のエステル油が好適に使用さ
れる。粘度範囲が2mm2/s 未満であると高温での冷媒と
の相溶性は高いにしても粘度が低くすぎ、潤滑性、シー
ル特性が悪く使用できず、更に熱安定性も低いので好ま
しくなく、また35mm2/s を越えると冷媒との相溶性が
低下するので好ましくない。又、この範囲内であっても
上記のように使用機種によりその使用粘度範囲が相違
し、冷蔵庫用にあっては9mm2/sを越えると摺動部にお
ける摩擦損失が大となる問題がある。更に、レシプロタ
イプのカーエアコンにおいては7mm2/s 未満であると潤
滑性の問題があり15mm2/s を越えると摺動部における
摩擦損失が大きいという問題が生じ、又、ロータリータ
イプのエアコンにおいては15mm2/s 未満であるとシー
ル特性の問題があり、35mm2/s を越えると冷媒との相
溶性の問題がある。
【0093】また、本発明の潤滑油組成物をギヤ油に使
用する場合には、40℃で20mm2/s 〜460mm2/s の
粘度範囲に調製するとよい。
【0094】また、本発明の潤滑油組成物をビスカスカ
ップリング用として使用する場合には、40℃で20〜
50万mm2/s に調製するとよい。
【0095】本発明における「無酸素雰囲気下」とは、
密閉系であって、冷凍機油にあっては冷媒中で使用さ
れ、そのほかには窒素雰囲気下で使用される潤滑油、ま
た真空条件下で使用される潤滑油に適用されるものであ
り、この種の潤滑油は、通常、酸素分圧が初期値で10
-1 torr.以下、好ましくは10-2 torr.以下の条件で使
用されるものである。
【0096】
【作用及び発明の効果】本発明者等は、従来、使用して
いる燐系添加剤、例えばトリクレジルフォスフェート等
の耐摩耗剤としての作用が小さい理由を検討した結果、
摺動部材が酸化膜で覆われている大気中では、比較的良
好な潤滑性を示すものの、例えば冷凍機中等の酸素のな
い雰囲気下では、これらの燐系添加剤が摩擦部位での新
生面に対して、化学摩耗を進行させ、耐摩耗剤としての
作用を阻害することを見出し、また、その原因は、これ
らの燐系添加剤における化学構造上の問題、即ち、フェ
ニル基に結合する酸素原子の影響によるものと考えられ
ることを見出した。そのため、本発明は、従来の燐系摩
耗防止剤を、特定の化学構造のものとすることにより、
化学摩耗が進行することがなく、優れた耐摩耗性を示す
ことを見出したものである。
【0097】また、このような化学摩耗は、潤滑油組成
物が、例えば冷凍機油における冷媒雰囲気下等の無酸素
状態下で使用される場合に特に著しく、そのため本発明
の潤滑油組成物は、冷凍機油組成物として特に有用であ
り、また、冷凍機としてアルミニウム材を摩耗部位に有
し、基油としてポリオールエステル、ポリアルキレング
リコールを使用し、R134aを冷媒とする冷凍機用の
潤滑油組成物とする場合に優れるものである。以下、本
発明を実施例により説明する。
【0098】
【実施例1】ペンタエリスリトール1モルと3,5,5
−トリメチルヘキサン酸80重量%、2−エチルヘキサ
ン酸20重量%とからなる混合酸4モルとのエステル
(粘度105mm2/s 、40℃)に対して、下記式で示さ
れるトリ(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フ
ォスフェート、
【0099】
【化12】
【0100】を2重量%添加し、本発明の試料油1を調
製した。
【0101】また、この試料油1における燐系添加剤に
代えて、下記式で示されるトリ(2−メチルフェニル)
フォスファイト、
【0102】
【化13】
【0103】を2重量%添加し、本発明の試料油2を調
製した。
【0104】更に、上記の試料油1における燐系添加剤
に代えて、下記式で示されるジ(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)フォスフォノプロピオン酸エチル、
【0105】
【化14】
【0106】を2重量%添加し、本発明の試料油3を調
製した。
【0107】また、上記の試料油1における燐系添加剤
に代えて、下記式で示されるトリ(2,6−ジ−メチル
フェニル)フォスフェート、
【0108】
【化15】
【0109】を2重量%添加し、本発明の試料油4を調
製した。
【0110】更に、上記の試料油1における燐系添加剤
に代えて、下記式で示されるトリ(2−tert−ブチ
ルフェニル)フォスフェート、
【0111】
【化16】
【0112】を2重量%添加し、本発明の試料油5を調
製した。
【0113】また、上記の試料油1における燐系添加剤
に代えて、下記式で示されるジ(2−メチルフェニル)
フォスフォノプロピオ酸エチル、
【0114】
【化17】
【0115】を2重量%添加し、本発明の試料油6を調
製した。
【0116】
【実施例2】ポリプロピレングリコールジメチルエーテ
ル(40mm2/s 、40℃、水酸基価5mgKOH/g)
に対して、下記式で示されるトリ(2−メチルフェニ
ル)フォスフェート、
【0117】
【化18】
【0118】を2重量%添加し、本発明の試料油7を調
製した。
【0119】
【比較例1】上記の試料油1における燐系添加剤に代え
て、下記式で示されるトリクレジルフォスフェート、
【0120】
【化19】
【0121】を2重量%添加し、比較油1を調製した。
【0122】この各試料油、比較油について、Ball
on Disk型摩耗試験機を使用して、下記の条件
下で摩耗試験を実施した。
【0123】摩耗試験条件: 荷重:12.7N 摩擦速度:3mm/s Disk:アルミニウム板(A390)、鋳鉄板(FC
−25) Ball:SUS440C 1/4inchベアリング
ボール 雰囲気:大気中またはR134a中700mmHg 温度:室温(25℃) 試験後のアルミニウム板及び鋳鉄板の摩耗巾(mm)に
ついての結果を下記表に示す。
【0124】
【表1】
【0125】表からわかるように、本発明の潤滑油組成
物は、優れた耐摩耗性を示し、特にアルミニウム材に対
する耐摩耗性に優れ、また無酸素条件下で優れた耐摩耗
性を有するので、例えばR134aを冷媒とする冷凍機
油組成物に適することがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃における粘度範囲が10mm2/s 〜
    500mm2/s の潤滑油基油に、下記一般式(1)〜一般
    式(3)で示される少なくとも一種の燐系添加剤を添加
    したことを特徴とする潤滑油組成物。 【化1】 (式中、R1 、R2 は、アルキル基、R3 はアルキル
    基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基
    でそれぞれ置換基を有していてもよく、nは0〜2の整
    数である。)
JP18282493A 1993-07-23 1993-07-23 潤滑油組成物 Pending JPH0734081A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18282493A JPH0734081A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 潤滑油組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18282493A JPH0734081A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 潤滑油組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0734081A true JPH0734081A (ja) 1995-02-03

Family

ID=16125109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18282493A Pending JPH0734081A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 潤滑油組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0734081A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2861726A1 (fr) * 2003-11-04 2005-05-06 Rhodia Cons Spec Ltd Procede diastereoselectif de preparation d'olefines par la reaction d'horner-wadsworth-emmons mettant en oeuvre un phosphonate particulier qui ameliore la diastereoselectivite a toutes temperatures y compris a temperature ambiante
JP2008239818A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Nippon Oil Corp 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP2013543015A (ja) * 2010-08-31 2013-11-28 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 潤滑剤を備えた流体軸受を有する流体力学的ディスクドライブスピンドルモータ
WO2019230405A1 (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 出光興産株式会社 潤滑油組成物及びその製造方法、駆動系機器の潤滑方法並びに駆動系機器
CN114951543A (zh) * 2022-05-26 2022-08-30 共享新材料(山东)有限公司 一种脱模剂及制备方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2861726A1 (fr) * 2003-11-04 2005-05-06 Rhodia Cons Spec Ltd Procede diastereoselectif de preparation d'olefines par la reaction d'horner-wadsworth-emmons mettant en oeuvre un phosphonate particulier qui ameliore la diastereoselectivite a toutes temperatures y compris a temperature ambiante
WO2005044757A1 (fr) * 2003-11-04 2005-05-19 Rhodia Uk Limited Procede diastereoselectif de preparation d'olefines par la reaction d'horner-wadsworth-emmons mettant en oeuvre un phosphonate particulier qui ameliore la diastereoselectivite a toutes temperatures y compris a temperature ambiante
JP2008239818A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Nippon Oil Corp 冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
JP2013543015A (ja) * 2010-08-31 2013-11-28 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 潤滑剤を備えた流体軸受を有する流体力学的ディスクドライブスピンドルモータ
WO2019230405A1 (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 出光興産株式会社 潤滑油組成物及びその製造方法、駆動系機器の潤滑方法並びに駆動系機器
JP2019206671A (ja) * 2018-05-30 2019-12-05 出光興産株式会社 潤滑油組成物及びその製造方法、駆動系機器の潤滑方法並びに駆動系機器
CN114951543A (zh) * 2022-05-26 2022-08-30 共享新材料(山东)有限公司 一种脱模剂及制备方法
CN114951543B (zh) * 2022-05-26 2023-08-29 共享新材料(山东)有限公司 一种脱模剂及制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0449406B1 (en) Esters as lubricants for a haloalkane refrigerant
US5366646A (en) Lubricating oil composition
KR100751170B1 (ko) 이산화탄소 냉매용 냉동기유 조성물
JP3005310B2 (ja) 潤滑油組成物
US5804096A (en) Refrigerating machine oil
JPH0559388A (ja) 冷凍機油組成物
JPH05302093A (ja) 潤滑油組成物
JPH05171174A (ja) 潤滑油組成物
EP1192240B1 (en) Refrigerator lubricant composition comprising an aliphatic substituted naphthalene with carbon dioxide as refrigerant
JPH0734081A (ja) 潤滑油組成物
JPH06184575A (ja) 冷凍機油
JPH07188687A (ja) 冷凍機油
JPH0532985A (ja) 冷凍機油組成物
JP2977962B2 (ja) テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油
JPH06240282A (ja) 潤滑油組成物
JPH0586387A (ja) 潤滑油組成物
JPH059490A (ja) 摩耗防止剤及び摩耗防止剤を配合した潤滑油組成物
JP3439821B2 (ja) 冷凍機油組成物
JPH06330061A (ja) 冷凍機油
JPH07118681A (ja) 冷凍機油組成物の製造方法
JP2854132B2 (ja) ポリエステル系合成潤滑油
JPH06122888A (ja) 冷凍機用潤滑油
JPH06128577A (ja) 冷凍機油組成物
JP2553772B2 (ja) 水素含有弗化炭化水素冷媒用冷凍機油組成物
JPH07157787A (ja) 潤滑油組成物