JP2553772B2 - 水素含有弗化炭化水素冷媒用冷凍機油組成物 - Google Patents

水素含有弗化炭化水素冷媒用冷凍機油組成物

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JP2553772B2
JP2553772B2 JP2515088A JP51508890A JP2553772B2 JP 2553772 B2 JP2553772 B2 JP 2553772B2 JP 2515088 A JP2515088 A JP 2515088A JP 51508890 A JP51508890 A JP 51508890A JP 2553772 B2 JP2553772 B2 JP 2553772B2
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啓通 清木
正人 金子
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は水素含有フロン冷媒用冷凍機油組成物に関
し、詳しくは環境汚染で問題となっている冷媒のジクロ
ロジフルオロメタン(以下、フロン12と称す)等の弗素
化炭化水素(フロン化合物)の代替となりうる1,1,1,2
−テトラフルオロエタン(以下、フロン134aと称す)等
の水素含有弗化炭化水素(水素含有弗化アルカン等)
(以下、水素含有フロン化合物という)との相溶性が良
好で、かつ耐摩耗性および潤滑性能に優れた冷凍機油組
成物に関するものである。
背景技術 近年、環境汚染のおそれのないフロン134a等の水素含
有フロン冷媒を用いる冷凍機の潤滑油として、ポリオキ
シアルキレングリコール誘導体が、上記水素含有フロン
冷媒との相溶性が高い点で有効であることが報告されて
いる(米国特許第4,755,316号明細書)。
しかしながら、これらのポリオキシアルキレングリコ
ール誘導体は、上記の冷媒雰囲気下では、耐摩耗性に劣
り、特に冷凍機のアルミニウム材と鋼材との間の摩耗を
増大させ、実用上大きな問題がある。このアルミニウム
材と鋼材の摩擦部分は、レシプロタイプの圧縮機では、
ピストンとピストンシュー部分など、ロータリータイプ
の圧縮機では、ベーンとハウジング部分などに使用され
ており、潤滑上重要な要素である。
一方、冷凍機油等に使用されている従来の極圧剤は、
水素含有フロン冷媒下では、安定性を害するとともに、
耐摩耗効果が充分でなく、実用に耐えるものではなかっ
た。
発明の開示 本発明者らは、フロン134a等の水素含有フロン冷媒と
の相溶性にすぐれるとともに、潤滑性能にすぐれ、しか
も耐摩耗性、特にアルミニウム材と鋼材との間の耐摩耗
性向上に有効な冷凍機油(潤滑油)を開発すべく鋭意研
究を重ねた。その結果、ポリオキシアルキレングリコー
ル誘導体及び/又は特定のポリエステル化合物に、
(a)多価アルコール部分脂肪酸エステル及び(b)ホ
スフェート化合物及び/又はホスファイト化合物を配合
することによって、上記目的を達成できることを見出し
た。本発明はかかる知見に基いて完成したものである。
すなわち本発明は、(A)ポリオキシアルキレングリ
コール誘導体及び(B)40℃における動粘度が5〜1000
cStでありかつエステル結合を二個以上有するポリエス
テル化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物に、
(a)多価アルコール部分脂肪酸エステル及び(b)ホ
スフェート化合物及びホスファイト化合物から選ばれた
少なくとも1種の化合物を配合したことを特徴とする水
素含有フロン冷媒用冷凍機油組成物を提供するものであ
る。
また、本発明は上記冷凍機油組成物を用いて、冷媒と
して水素含有フロン化合物を使用する圧縮型冷凍機の潤
滑を行うことを特徴とする潤滑方法を提供し、更に本発
明は、コンプレッサー,冷媒としての水素含有フロン化
合物及び潤滑油としての上記冷凍機油組成物からなる圧
縮型冷凍システムを提供するものである。
発明を実施するための最良の形態 本発明の冷凍機油組成物の主成分は、(A)ポリオキ
シアルキレングリコール誘導体,(B)40℃における動
粘度が5〜1000cStであってエステル結合を二個以上有
するポリエステル化合物あるいはこれら(A),(B)
の混合物である。
ここで(A)成分であるポリオキシアルキレングリコ
ール誘導体としては、各種のものがあり、用途等に応じ
て適宜選定すればよい。その好適なものとしては、 一般式 R1−O−(R2O)−R3 ・・・(I) あるいは一般式 (式中、R1,R3,R5,R7及びR9は、それぞれ水素,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数2〜20のアルケニル基,炭
素数2〜20のアルキニル基,炭素数1〜20のアシル基,
炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアラルキル
基又は炭素数4〜20のシクロアルキル基を示し、R2,R4,
R6及びR8は、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を示
す。mは3〜100の数を示し、n,p及びrは、式3≦n+
p+r≦100を満たす正の数である。) で表わされる化合物があげられ、これらを単独で又は二
種以上混合して用いればよい。式中のR1,R3,R5,R7及びR
9は前述した如く、水素のほか、炭素数1〜20のアルキ
ル基(メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基
等),炭素数2〜20のアルケニル基(ビニル基,アリル
基,ブテニル基等),炭素数2〜20のアルキニル基(エ
チニル基,プロピニル基等),炭素数6〜20のアリール
基(フェニル基,トリル基,キシリル基,ノニルフェニ
ル基,ドデシルフェニル基等),炭素数7〜20のアラル
キル基(ベンジル基,フェネチル基等)又は炭素数4〜
20のシクロアルキル基(シクロヘキシル基,シクロプチ
ル基,メチルシクロヘキシル基,ノニルシクロヘキシル
基等)を示す。そのうち水素,炭素数1〜10のアルキル
基が好ましい。とりわけ、一般式(I)のR1およびR3
共に、メチル基であるものが最適である。
また、R2,R4,R6及びR8は、それぞれ炭素数2〜4のア
ルキレン基(つまり、エチレン基,プロピレン基,ブチ
レン基)を示す。さらに、一般式(I)のmは3〜10
0、好ましくは6〜60の数を示し、また、一般式(II)
中のn,p及びrは、式3≦n+p+r≦100、好ましくは
式6≦n+p+r≦60を満たす正の数である。
上記一般式(I)あるいは(II)で表わされる化合物
の動粘度は、一般に2〜250cSt(100℃)の範囲が好適
である。特に、一般式(I)で表わされる化合物の動粘
度は、好ましくは5〜50cSt(100℃)、更に好ましくは
6cSt(式中のm=12)〜50cSt(100℃)、一層好ましく
は7cSt(式中のm=14)〜50cSt(100℃)、最も好まし
くは9cSt(式中のm=19)〜50cSt(100℃)である。
また、一般式(I)および(II)において、R2O,R4O,
R6OおよびR8Oは、エチレンオキサイド単位の含量が30重
量%以下の共重合物(例えば、エチレンオキサイド単位
とプロピレンオキサイド単位の共重合物)であることが
好ましい。
本発明で使用するポリオキシアルキレングリコール誘
導体は、上記のほか、例えば一般式 (式中、R10は炭素数1〜10の一価の炭化水素基、R11
R15はそれぞれ水素あるいは炭素数1〜10の一価の炭化
水素基を示す。) で表わされる構成単位を少なくとも1つ含有するポリオ
キシアルキレングリコール誘導体などをあげることもで
きる。
一方、本発明の冷凍機油組成物では、主成分として上
記(A)ポリオキシアルキレングリコール誘導体に代え
て、(B)40℃における動粘度が5〜1000cSt、好まし
くは10〜500cStであって、エステル結合を二個以上有す
るポリエステル化合物を用いることができる。このポリ
エステル化合物としては、各種のものがあり、用途等に
応じて適宜選定すればよい。その好適なものとしては、
下記の(IV)〜(VIII)の反応生成物をあげることがで
きる。
(IV)多価カルボン酸あるいはその誘導体,多価ア
ルコールあるいはその誘導体および一価脂肪酸あるい
はその誘導体の反応生成物 (V)多価カルボン酸あるいはその誘導体,多価ア
ルコールあるいはその誘導体および一価脂肪族アルコ
ールあるいはその誘導体の反応生成物 (VI)多価アルコールあるいはその誘導体および一
価脂肪酸あるいはその誘導体の反応生成物(好ましくは
当量反応生成物) (VII)一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体お
よび多価カルボン酸あるいはその誘導体の反応生成物 (VIII)多価カルボン酸あるいはその誘導体および
多価アルコールあるいはその誘導体の反応生成物 ここで多価カルボン酸は、各種のものがあるが、好
ましくは炭素数2〜12の脂肪族飽和ジカルボン酸(シュ
ウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,
ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸,
ドデカン−2酸など)、炭素数4〜14の脂肪族不飽和ジ
カルボン酸(マレイン酸,フマル酸,アルケニルコハク
酸など)、炭素数8の芳香族ジカルボン酸(フタル酸,
イソフタル酸,テレフタル酸など)、その他、エポキシ
ヘキサヒドロフタル酸等のエポキシ化物などのジカルボ
ン酸および三価以上のカルボン酸、具体的にはクエン
酸,トリメリット酸,ピロメリット酸などをあげること
ができる。またその誘導体としては、これら多価カルボ
ン酸のモノエステル,ジエステル,金属塩,無水物,酸
塩化物等がある。
多価アルコールとしては、グリコール類(エチレン
グリコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリ
コール;テトラエチレングリコール;ポリエチレングリ
コール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコー
ル;ポリプロピレングリコール;1,2−ブチレングリコー
ル;1,3−ブチレングリコール;1,4−ブチレングリコー
ル;2,3−ブチレングリコール;ポリブチレングリコー
ル;2−メチル−2,4−ペンタンジオール;2−エチル−1,3
−ヘキサンジオールなど)をはじめ、グリセリン,ヒン
ダードアルコール(ネオペンチルグリコール,トリメチ
ロールプロパン,ペンタエリスリトール,ジペンタエリ
スリトールなど),ソルビトール,ソルビタンがある。
また、その誘導体としては、例えば塩化物,金属塩等を
あげることができる。
さらに、一価脂肪酸としては、各種のもの(一級,
二級,三級を含む)があるが、炭素数1〜20のアルキル
基、特に炭素数3〜18の分岐アルキル基、とりわけ炭素
数4〜12の分岐アルキル基を有するものが、冷媒である
フロンとの溶解性が良い(つまり、高温溶解温度が高
い)ため好ましい。具体的には酢酸;プロピオン酸;酪
酸;イソ酪酸;ピバル酸;n−バレイル酸;iso−バレイン
酸;カプロン酸;2−エチル酪酸;n−カプロン酸;2−メチ
ルカプロン酸;n−ヘプチル酸;n−オクタン酸;2−エチル
ヘキサン酸;3,5,5−トリメチルヘキサン酸;ノナン酸;t
ert−ノナン酸;ドデカン酸;tert−ドデカン酸;ラウリ
ン酸等をあげることができる。また、その誘導体として
は、エステル,金属塩,酸塩化物,無水物などがある。
一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体として
は、各種のものがあるが、炭素数1〜20のアルキル基、
特に炭素数3〜18の分岐アルキル基、とりわけ炭素数4
〜12の分岐アルキル基を有するものが、冷媒であるフロ
ンとの溶解性が良い(つまり、高温溶解温度が高い)た
め好ましい。具体的にはメチルアルコール,エチルアル
コール,n−プロピルアルコール,iso−プロピルアルコー
ル,n−ブチルアルコール,iso−ブチルアルコール,sec−
ブチルアルコール,tert−ブチルアルコール,n−アミル
アルコール,iso−アミルアルコール,tert−アミルアル
コール,ジエチルカルビノール,n−ヘキシルアルコー
ル,メチルアミルアルコール,エチルブチルアルコー
ル,ヘプチルアルコール,メチルアミルカルビノール,
ジメチルペンチルアルコール,n−オクチルアルコール,s
ec−オクチルアルコール,2−エチルヘキシルアルコー
ル,iso−オクチルアルコール,n−ノニルアルコール,ジ
イソブチルカルビノール,n−デシルアルコール,iso−デ
シルアルコール等をあげることができる。また、その誘
導体としては、例えば塩化物,金属塩等をあげることが
できる。
本発明のポリエステル化合物は、所定の動粘度を有す
るとともに、上記(IV)〜(VIII)の反応生成物である
ことが好ましい。ここで、反応生成物(IV)は、前述し
た,およびの化合物を反応させて得られるもので
ある。この反応生成物(IV)の構造は、必ずしも明確で
はないが、通常は多価カルボン酸の二つのカルボキシ
ル基(その誘導体にあっては、カルボキシル基から誘導
される基、以下同じ)それぞれが、多価アルコールの
一つのヒドロキシル基(その誘導体にあっては、ヒドロ
キシル基から誘導される基、以下同じ)と反応して結合
し、更にこの多価アルコールの他の一つのヒドロキシ
ル基が、一価脂肪酸のカルボキシル基と反応して結合
したものとなっている。なお、多価カルボン酸の残り
のカルボキシル基および多価アルコールの残りのヒド
ロキシル基は、そのままカルボキシル基およびヒドロキ
シル基として存在しても、また他の官能基と反応したも
のとなっていてもよい。
反応生成物(V)は、前述した,およびの化合
物を反応させて得られるものである。この反応生成物
(V)の構造は、必ずしも明確ではないが、通常は多
価アルコールの二つのヒドロキシル基が、それぞれ多
価カルボン酸の一つのカルボキシル基と反応して結合
し、更にこの多価カルボン酸の残りのカルボキシル基
が、一価脂肪族アルコールのヒドロキシル基と反応し
て結合したものとなっている。なお、多価カルボン酸
の残りのカルボキシル基および多価アルコールの残り
のヒドロキシル基は、そのままカルボキシル基およびヒ
ドロキシル基として存在しても、また他の官能基と反応
したものとなっていてもよい。
また、本発明の冷凍機油組成物の主成分(即ち潤滑油
基油)として、上記(A)成分と(B)成分の混合物を
用いることも有効である。この際、(A)成分と(B)
成分の混合割合は、特に制限はなく、様々な割合とする
ことができるが、好ましくは(A)成分/(B)成分=
5〜95/95〜5(重量比)、特に好ましくは10〜90/90〜
10(重量比)である。
なお、本発明の冷凍機油組成物の主成分(即ち潤滑油
基油)として、鉱油を用いたり、上記(A)ポリオキシ
アルキレングリコール誘導体や上記(B)ポリエステル
化合物以外の合成油を用いると、フロン134a等の水素含
有フロン冷媒との相溶性が不充分なものとなる。
次に、本発明では、上記(A)ポリオキシアルキレン
グリコール誘導体及び/又は上記(B)ポリエステル化
合物に、(a)多価アルコール部分脂肪酸エステル及び
(b)ホスフェート化合物及び/又はホスファイト化合
物を配合することが必要である。
ここで(a)多価アルコール部分脂肪酸エステルと
は、グリコール,グリセリン,トリメチロールプロパ
ン,ペンタエリスリトール,ソルビタン,ソルビトール
等の多価アルコールと炭素数1〜24の直鎖又は分岐状の
飽和又は不飽和の脂肪酸との部分エステルである。好ま
しくはグリセリン,ソルビタン,ソルビトールと炭素数
8〜22の脂肪酸との部分エステルであり、特にモノ脂肪
酸エステルが最適である。
本発明の冷凍機油組成物において、この(a)多価ア
ルコール部分脂肪酸エステルの配合量は、特に制限はな
く、状況により適宜選定すればよいが、好ましくは組成
物全体に対して0.1〜10重量%、特に好ましくは0.5〜5
重量%である。
一方、(b)成分としては、ホスフェート化合物及び
ホスファイト化合物のいずれか一方あるいは両者を用い
る。ここで、ホスフェート化合物は、アルキルホスフェ
ート化合物とアリールホスフェート化合物に大別するこ
とができる。このホスフェート化合物の好適なものとし
ては、一般式 (R16O3P=O ・・・(IX) (式中、R16は総炭素数15以上の炭化水素基又は塩素化
炭化水素基,特に炭素数8〜20のアルキル基(直鎖,分
岐,飽和,不飽和),フェニル基,炭素数1〜12のアル
キル基置換フェニル基,塩素化フェニル基,塩素化アル
キルフェニル基を示し、また各R16は同じでも異なって
もよい。) で表わされる化合物があげられる。具体的には、トリク
レジルホスフェート(TCP),トリフェニルホスフェー
ト,トリーイソプロピルフェニルホスフェート,トリオ
クチルホスフェート,トリラウリルホスフェート,トリ
ステアリルホスフェート,トリオレイルホスフェート,
ジフェニルオクチルホスフェート,o−,m−,p−モノクロ
ロフェニルホスフェート,ジクロロフェニルホスフェー
ト,モノクロロトリルホスフェート,ジクロロトリルホ
スフェートなどが挙げられるが、特にトリクレジルホス
フェートを用いることが好ましい。
次に(b)成分として用いるホスファイト化合物は、
様々なものがあり、アルキルホスファイト化合物とアリ
ールホスファイト化合物に大別することができる。この
ホスファイト化合物の好適なものとしては、 一般式 (R17O3P ・・・(X) (式中、R17は水素又は総炭素数15以上の炭化水素基、
特に炭素数8〜20のアルキル基(直鎖,分岐,飽和,不
飽和),フェニル基,炭素数1〜12のアルキル基置換フ
ェニル基を示し、また各R17は同じでも異なってもよ
い。但し、R17の2つ以上が水素である場合を除く。) で表わされる化合物があげられる。具体的には、トリオ
クチルホスファイト,トリラウリルホスファイト,トリ
ステアリルホスファイト,トリオレイルホスファイト,
トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイ
ト,トリル(ノニルフェニル)ホスファイト,ジフェニ
ルデシルホスファイト,ジオクチルハイドロゲンホスフ
ァイト,ジラウリルハイドロゲンホスファイト,ジオレ
イルハイドロゲンホスファイト,ジ(ノニルフェニル)
ハイドロゲンホスファイトなどが挙げられる。
本発明では、上記(b)成分として、ホスフェート化
合物とホスファイト化合物のいずれか一方あるいは両方
を使用する。この(b)成分の配合量は特に制限はない
が、通常は調製すべき組成物全体の0.1〜5重量%、好
ましくは0.3〜3重量%の範囲で適宜選定する。
本発明の組成物は、(A)ポリオキシアルキレングリ
コール誘導体及び/又は(B)ポリエステル化合物を主
成分とし、これに、(a)多価アルコール部分脂肪酸エ
ステル及び(b)ホスフェート化合物及び/又はホスフ
ァイト化合物を配合したものであるが、さらに必要に応
じて従来の潤滑油に使用されている各種添加剤、例えば
耐荷重添加剤(極圧剤,油性剤,耐摩耗添加剤など),
塩素捕捉剤,酸化防止剤,金属不活性化剤,消泡剤,清
浄分散剤,粘度指数向上剤,防錆剤,腐食防止剤,流動
点降下剤などを配合することができる。
さらにまた基油として、上記(A)ポリオキシアルキ
レングリコール誘導体や(B)ポリエステル化合物とと
もに、一般に潤滑油基油として用いられる鉱油や合成油
を所望に応じて添加することができる。
上記耐荷重添加剤としては、モノスルフィド類,ポリ
スルフィド類,スルホキシド類,スルホン類,チオスル
フィネート類,硫化油脂,チオカーボネイト類,チオフ
ェン類,チアゾール類,メタンスルホン酸エステル類な
どの有機硫黄化合物系のもの、リン酸モノエステル類,
リン酸ジエステル類,リン酸トリエステル類(但し、一
般式(IX)の構造のものを除く。)などのリン酸エステ
ル系のもの、亜リン酸モノエステル類,亜リン酸ジエス
テル類,亜リン酸トリエステル類などの亜リン酸エステ
ル系(但し、一般式(X)の構造のものを除く。)のも
の、チオリン酸トリエステル類などのチオリン酸エステ
ル系のもの、高級脂肪酸,ヒドロキシアリール脂肪酸
類,含カルボン酸多価アルコールエステル類,金属セッ
ケンなどの脂肪酸系のもの、多価アルコールエステル
類,アクリル酸エステル類などの脂肪酸エステル系のも
の、塩素化炭化水素類,塩素化カルボン酸誘導体などの
有機塩素系のもの、フッ素化脂肪族カルボン酸類,フッ
素化エチレン樹脂,フッ素化アルキルポリシロキサン
類,フッ素化黒鉛などの有機フッ素系のもの、高級アル
コールなどのアルコール系のもの、ナフテン酸塩類(ナ
フテン酸鉛),脂肪酸塩類(脂肪酸鉛),チオリン酸塩
類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛),チオカルバミン酸
塩類,有機モリブテン化合物,有機スズ化合物,有機ゲ
ルマニウム化合物,ホウ酸エステル類などの金属化合物
系のものがある。塩素捕捉剤としては、グリシジルエー
テル基含有化合物,エポキシ化脂肪酸モノエステル類,
エポキシ化油脂,エポキシシクロアルキル基含有化合物
などがある。酸化防止剤としては、フェノール類(2,6
−ジタ−シャリ−ブチル−p−クレゾール),芳香族ア
ミン類(α−ナフチルアミン)などがある。金属不活性
化剤としては、ベンゾトリアゾール誘導体などがある。
消泡剤としては、シリコーンオイル(ジメチルポリシロ
キサン),ポリメタクリレート類などがある。清浄分散
剤としては、スリホネート類,フェネート類,コハク酸
イミド類などがある。粘度指数向上剤としては、ポリメ
タクリレート,ポリイソブチレン,エチレン−プロピレ
ン共重合体,スチレン−ジエン水素化共重合体などがあ
る。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によって何ら限定されるもので
はない。
実施例1〜18及び比較例1〜4 第1表に示すように各種のポリオキシアルキレングリ
コール誘導体に、各種の添加剤を配合したものを試料油
として、下記の試験方法で、アルミニウム剤と鋼材間の
耐摩耗性,安定性及び高温臨界溶解温度を測定した。結
果を第1表に示す。
(1)耐摩耗性 ファレックス耐摩耗試験で、ブロックをアルミニウム
(A4032)、ピンを鋼(SUJ−2)として評価した。フロ
ン134aの吹込み量を10/時間、荷重を500ポンド、時
間を1時間として摩耗量を測定した。
(2)安定性 シールドチューブ試験により評価を行った。
試料油と冷媒(フロン134a)との2:1混合物を鉄,
銅,アルミニウムの触媒とともにガラス管に封入し、17
5℃において720時間加熱した後、油と触媒の外観を観察
し、スラッジの有無を調べた。
(3)高温臨界溶解温度 内容積約10mlのガラス製耐圧容器に、試料油と冷媒
(フロン134a)を1:9の比率(重量)で封入し、均一に
溶解した状態から徐々に温度を上昇させて行き、試料油
と冷媒が分離し始める温度を測定し、高温臨界溶解温度
とした。
実施例19〜33及び比較例5〜8 第2表に示すように各種のポリエステル化合物に、各
種の添加剤を配合したものを試料油として、下記の試験
方法で、アルミニウム材と鋼材間の耐摩耗性,安定性及
び高温臨界溶解温度を測定した。結果を第2表に示す。
(1)耐摩耗性 ファレックス耐摩耗試験で、ブロックをアルミニウム
(A4032)、ピンを鋼(SUJ−2)として評価した。フロ
ン134aの吹込み量を10/時間、荷重を400ポンド、時
間を1時間,回転数を1200rpm,油温80℃として摩耗量を
測定した。
(2)安定性 シールドチューブ試験により評価を行った。
試料油と冷媒(フロン134a)との2:1混合物を鉄,
銅,アルミニウムの触媒とともにガラス管に封入し、17
5℃において720時間加熱した後、油と触媒の外観を観察
し、スラッジの有無を調べた。
(3)高温臨界溶解温度 内容積約10mlのガラス製耐圧容器に、試料油と冷媒
(フロン134a)を1:9の比率(重量)で封入し、均一に
溶解した状態から徐々に温度を上昇させて行き、試料油
と冷媒が分離し始める温度を測定し、高温臨界溶解温度
とした。
(4)飽和水分量 試料油と水を、各々20ml混合撹拌し、静置後油層を分
離して、その油層の水分量を測定した。
産業上の利用可能性 本発明の冷凍機油組成物は、フロン134a等の水素含有
フロン冷媒範囲気下で、安定性,該冷媒との相溶性およ
び潤滑性能に優れるとともに、特にアルミニウム材と鋼
材間の耐摩耗性向上に極めて有効に作用する。更に水分
の吸湿性も小さいという利点がある。したがって、本発
明の冷凍機油組成物は、圧縮型冷凍機をはじめ、水素含
有フロン冷媒を用いる各種の冷凍機の潤滑油として利用
される。特に、フロン134a等の水素含有フロン化合物
(水素含有弗化アルカン)(具体的には、上記フロン13
4a以外に、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(フロン−1
34);1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(フ
ロン−123);1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(フロ
ン−142b);1,1−ジフルオロエタン(フロン−152a);
クロロフルオロメタン(フロン−22)あるいはトリフル
オロメタン(フロン−23)など)との相溶性が良好であ
る。
したがって、本発明の冷凍機油組成物は、各種の水素
含有フロン化合物を冷媒として用いる冷凍機,電気冷蔵
庫,クーラー(特にカーエアコン),ヒートポンプ等の
潤滑油として有効な利用が期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:30

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリオキシアルキレングリコール誘
    導体及び(B)40℃における動粘度が5〜1000cStであ
    りかつエステル結合を二個以上有するポリエステル化合
    物から選ばれた少なくとも1種の化合物に、(a)多価
    アルコール部分脂肪酸エステル及び(b)ホスフェート
    化合物及びホスファイト化合物から選ばれた少なくとも
    1種の化合物を配合したことを特徴とする水素含有弗化
    炭化水素冷媒用冷凍機油組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリオキシアルキレングリコール誘
    導体が、一般式 R1−O−(R2O)−R3 ・・・(I) 及び/又は一般式 (式中、R1,R3,R5,R7及びR9は、それぞれ水素,炭素数
    1〜20のアルキル基,炭素数2〜20のアルケニル基,炭
    素数2〜20のアルキニル基,炭素数1〜20のアシル基,
    炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアラルキル
    基又は炭素数4〜20のシクロアルキル基を示し、R2,R4,
    R6及びR8は、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を示
    す。mは3〜100の数を示し、n,p及びrは、式3≦n+
    p+r≦100を満たす正の数である。) で表わされるものである請求項1記載の冷凍機油組成
    物。
  3. 【請求項3】(B)ポリエステル化合物が、多価カル
    ボン酸あるいはその誘導体,多価アルコールあるいは
    その誘導体および一価脂肪酸あるいはその誘導体の反
    応生成物である請求項1記載の冷凍機油組成物。
  4. 【請求項4】(B)ポリエステル化合物が、多価カル
    ボン酸あるいはその誘導体,多価アルコールあるいは
    その誘導体および一価脂肪族アルコールあるいはその
    誘導体の反応生成物である請求項1記載の冷凍機油組成
    物。
  5. 【請求項5】(B)ポリエステル化合物が、多価アル
    コールあるいはその誘導体および一価脂肪酸あるいは
    その誘導体の反応生成物である請求項1記載の冷凍機油
    組成物。
  6. 【請求項6】(B)ポリエステル化合物が、一価脂肪
    族アルコールあるいはその誘導体および多価カルボン
    酸あるいはその誘導体の反応生成物である請求項1記載
    の冷凍機油組成物。
  7. 【請求項7】(a)多価アルコール部分脂肪酸エステル
    0.1〜10重量%及び(b)ホスフェート化合物及びホス
    ファイト化合物から選ばれた少なくとも1種の化合物0.
    1〜5重量%の割合で含有する請求項1記載の冷凍機油
    組成物。
  8. 【請求項8】一価脂肪酸あるいはその誘導体が、炭素
    数3〜18の分岐アルキル基を有するものを含むものであ
    る請求項3または5記載の冷凍機油組成物。
  9. 【請求項9】一価脂肪族アルコールあるいはその誘導
    体が、炭素数3〜18の分岐アルキル基を有するものを含
    むものである請求項4または6記載の冷凍機油組成物。
  10. 【請求項10】請求項1記載の冷凍機油組成物からなる
    潤滑油を用いて、冷媒として水素含有弗化炭化水素を使
    用する圧縮型冷凍機の潤滑を行うことを特徴とする潤滑
    方法。
  11. 【請求項11】コンプレッサー,冷媒としての水素含有
    弗化炭化水素及び潤滑油としての請求項1記載の冷凍機
    油組成物からなる圧縮型冷凍システム。
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