JP2977962B2 - テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油 - Google Patents
テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テトラフルオロエタン
冷媒冷凍機用潤滑油に関し、詳しくは1,1,1,2−
テトラフルオロエタン(R−134a)等の代替フロン
系冷媒と共に用いられる冷凍機用潤滑油で、耐摩耗性,
電気絶縁性,加水分解安定性,非吸水性等の性能が優れ
ると同時に、特に、圧縮式冷凍サイクルにおいて油戻り
性(冷凍サイクルに入った潤滑油が圧縮機に帰ってくる
性質)の優れた冷凍機用潤滑油に関する。
冷媒冷凍機用潤滑油に関し、詳しくは1,1,1,2−
テトラフルオロエタン(R−134a)等の代替フロン
系冷媒と共に用いられる冷凍機用潤滑油で、耐摩耗性,
電気絶縁性,加水分解安定性,非吸水性等の性能が優れ
ると同時に、特に、圧縮式冷凍サイクルにおいて油戻り
性(冷凍サイクルに入った潤滑油が圧縮機に帰ってくる
性質)の優れた冷凍機用潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
圧縮機,凝縮器,膨張弁及び蒸発器からなる圧縮式冷凍
サイクルには、冷媒としてジクロロジフルオロメタン
(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−22)等
の弗化炭化水素系のフロン化合物が用いられており、ま
た、それと併用して問題のない潤滑剤が多数製造され、
使用されてきた。しかるに、従来、冷媒として使用され
てきたこれらのフロン化合物は、大気中に放出されたと
きに、オゾン層を破壊し、環境汚染問題を惹起する恐れ
があると懸念されている。近時、その環境汚染対策の面
から、その代替となりうる1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(R−134a)等の弗化炭化水素(あるい
は塩化弗化炭化水素)の開発が進められ、既に、R−1
34aをはじめ、1,1,2,2−テトラフルオロエタ
ン(R−134)等、環境汚染の恐れが少なく、上記要
求特性を満足しうる各種の所謂代替フロンが市場に出廻
るようになって来ている。この新らしい代替フロン系の
冷媒は、従来のフロン系冷媒とは性質を異にし、それと
併用される潤滑油としては、グリコール化合物,エステ
ル化合物等が提案(米国特許第4,755,316号明細
書,特開平3−33193号公報等)されており、いず
れも代替フロン系の冷媒と潤滑油とを完全に溶解させる
ことを目的とし、それによって油戻り性を確保せんとし
ている。しかし、このような冷媒と潤滑油とを完全に溶
解させた状態で冷凍サイクルを循環させる方針を貫け
ば、R−134a等の代替フロン系の冷媒の化学的性質
上、油剤として使用できる化合物は極めて限定され、潤
滑油としての性能を犠牲にせざるを得ない。すなわち、
現在、R−134aと溶解することが知られている化合
物であるポリアルキレングリコール化合物及びエステル
化合物は、いずれも耐摩耗性が不十分で、電気絶縁性に
も欠点を有する。更に、前者は吸水性が大きく、後者は
加水分解安定性が悪い欠点を有する。したがって、共に
実用上問題点を有する。
圧縮機,凝縮器,膨張弁及び蒸発器からなる圧縮式冷凍
サイクルには、冷媒としてジクロロジフルオロメタン
(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−22)等
の弗化炭化水素系のフロン化合物が用いられており、ま
た、それと併用して問題のない潤滑剤が多数製造され、
使用されてきた。しかるに、従来、冷媒として使用され
てきたこれらのフロン化合物は、大気中に放出されたと
きに、オゾン層を破壊し、環境汚染問題を惹起する恐れ
があると懸念されている。近時、その環境汚染対策の面
から、その代替となりうる1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(R−134a)等の弗化炭化水素(あるい
は塩化弗化炭化水素)の開発が進められ、既に、R−1
34aをはじめ、1,1,2,2−テトラフルオロエタ
ン(R−134)等、環境汚染の恐れが少なく、上記要
求特性を満足しうる各種の所謂代替フロンが市場に出廻
るようになって来ている。この新らしい代替フロン系の
冷媒は、従来のフロン系冷媒とは性質を異にし、それと
併用される潤滑油としては、グリコール化合物,エステ
ル化合物等が提案(米国特許第4,755,316号明細
書,特開平3−33193号公報等)されており、いず
れも代替フロン系の冷媒と潤滑油とを完全に溶解させる
ことを目的とし、それによって油戻り性を確保せんとし
ている。しかし、このような冷媒と潤滑油とを完全に溶
解させた状態で冷凍サイクルを循環させる方針を貫け
ば、R−134a等の代替フロン系の冷媒の化学的性質
上、油剤として使用できる化合物は極めて限定され、潤
滑油としての性能を犠牲にせざるを得ない。すなわち、
現在、R−134aと溶解することが知られている化合
物であるポリアルキレングリコール化合物及びエステル
化合物は、いずれも耐摩耗性が不十分で、電気絶縁性に
も欠点を有する。更に、前者は吸水性が大きく、後者は
加水分解安定性が悪い欠点を有する。したがって、共に
実用上問題点を有する。
【0003】本発明は、かかる問題を解消するために前
記の常識とは全く逆の発想に基づいて完成されたもので
ある。つまり、圧縮式冷凍サイクルにおいて、油剤自体
としては耐摩耗性,絶縁抵抗性等に優れた物質を用い、
これに冷媒(R134a等)の存在下で油剤の流動性を
改良する流動性改良剤を配合して油戻りを確保すること
によって、新冷媒冷凍機油であっても優れた耐摩耗性,
電気絶縁性,加水分解安定性等を具備し、しかも、油戻
り性をも確保した全ての要求性能を満たす冷凍機用潤滑
油を見出した。本発明はこのような知見に基いて完成し
たものである。
記の常識とは全く逆の発想に基づいて完成されたもので
ある。つまり、圧縮式冷凍サイクルにおいて、油剤自体
としては耐摩耗性,絶縁抵抗性等に優れた物質を用い、
これに冷媒(R134a等)の存在下で油剤の流動性を
改良する流動性改良剤を配合して油戻りを確保すること
によって、新冷媒冷凍機油であっても優れた耐摩耗性,
電気絶縁性,加水分解安定性等を具備し、しかも、油戻
り性をも確保した全ての要求性能を満たす冷凍機用潤滑
油を見出した。本発明はこのような知見に基いて完成し
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、圧
縮機,凝縮器,膨張弁及び蒸発器からなる圧縮式冷凍サ
イクルで、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は
1,1,2,2−テトラフルオロエタンを冷媒とした冷
凍機用潤滑油において、炭化水素系化合物70〜95重
量%及び流動性改良剤5〜30重量%からなる基油を主
成分とするテトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油を
提供するものである。
縮機,凝縮器,膨張弁及び蒸発器からなる圧縮式冷凍サ
イクルで、1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は
1,1,2,2−テトラフルオロエタンを冷媒とした冷
凍機用潤滑油において、炭化水素系化合物70〜95重
量%及び流動性改良剤5〜30重量%からなる基油を主
成分とするテトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油を
提供するものである。
【0005】先ず、本発明における炭化水素系化合物と
しては、様々な化合物があり、通常は40℃における動
粘度が5〜500cSt であるあらゆる炭化水素化合物を
使用することができる。特に、好ましいものは、40℃
における動粘度が10〜350cSt で、流動点が−20
℃以下のものである。その代表例としては、鉱物性潤滑
油としてパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油を、また合
成潤滑油としてアルキルベンゼン,アルキルナフタレ
ン,オレフィン(共)重合体等を挙げることができる。
しては、様々な化合物があり、通常は40℃における動
粘度が5〜500cSt であるあらゆる炭化水素化合物を
使用することができる。特に、好ましいものは、40℃
における動粘度が10〜350cSt で、流動点が−20
℃以下のものである。その代表例としては、鉱物性潤滑
油としてパラフィン系鉱油,ナフテン系鉱油を、また合
成潤滑油としてアルキルベンゼン,アルキルナフタレ
ン,オレフィン(共)重合体等を挙げることができる。
【0006】一方、流動性改良剤は、R−134a等の
代替フロン系の冷媒が少量存在するときに、炭化水素系
化合物の低温時(蒸発器温度)における流動性を向上さ
せるもので、冷凍サイクルでの油戻りを改善する作用を
有するものである。その流動性改良剤の動粘度について
は、特に制限はないが、通常は40℃における動粘度が
2〜100cSt のもの、好ましくは3〜50cSt のもの
である。その代表例として、エステル結合を二個以上有
するエステル化合物を用いることができる。このエステ
ル化合物としては、各種のものがあり、用途等に応じて
適宜選定すればよい。その好適なものとしては、下記の
(I)〜(V)の反応生成物をあげることができる。 (I)多価カルボン酸あるいはその誘導体,多価ア
ルコールあるいはその誘導体および一価脂肪酸あるい
はその誘導体の反応生成物 (II)多価カルボン酸あるいはその誘導体, 多価
アルコールあるいはその誘導体および一価脂肪族アル
コールあるいはその誘導体の反応生成物 (III) 多価アルコールあるいはその誘導体および
一価脂肪酸あるいはその誘導体の反応生成物(好ましく
は当量反応生成物) (IV)一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体およ
び多価カルボン酸あるいはその誘導体の反応生成物 (V)多価カルボン酸あるいはその誘導体および多
価アルコールあるいはその誘導体の反応生成物
代替フロン系の冷媒が少量存在するときに、炭化水素系
化合物の低温時(蒸発器温度)における流動性を向上さ
せるもので、冷凍サイクルでの油戻りを改善する作用を
有するものである。その流動性改良剤の動粘度について
は、特に制限はないが、通常は40℃における動粘度が
2〜100cSt のもの、好ましくは3〜50cSt のもの
である。その代表例として、エステル結合を二個以上有
するエステル化合物を用いることができる。このエステ
ル化合物としては、各種のものがあり、用途等に応じて
適宜選定すればよい。その好適なものとしては、下記の
(I)〜(V)の反応生成物をあげることができる。 (I)多価カルボン酸あるいはその誘導体,多価ア
ルコールあるいはその誘導体および一価脂肪酸あるい
はその誘導体の反応生成物 (II)多価カルボン酸あるいはその誘導体, 多価
アルコールあるいはその誘導体および一価脂肪族アル
コールあるいはその誘導体の反応生成物 (III) 多価アルコールあるいはその誘導体および
一価脂肪酸あるいはその誘導体の反応生成物(好ましく
は当量反応生成物) (IV)一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体およ
び多価カルボン酸あるいはその誘導体の反応生成物 (V)多価カルボン酸あるいはその誘導体および多
価アルコールあるいはその誘導体の反応生成物
【0007】ここで,多価カルボン酸は、各種のもの
があるが、好ましくは炭素数2〜12の脂肪族飽和ジカ
ルボン酸(シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン
酸,セバシン酸,ドデカン−2酸など)、炭素数4〜1
4の脂肪族不飽和ジカルボン酸(マレイン酸,フマル
酸,アルケニルコハク酸など)、炭素数8の芳香族ジカ
ルボン酸(フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸な
ど)、その他、エポキシヘキサヒドロフタル酸等のエポ
キシ化物などのジカルボン酸および三価以上のカルボン
酸、具体的にはクエン酸,トリメリット酸,ピロメリッ
ト酸などをあげることができる。またその誘導体として
は、これら多価カルボン酸のモノエステル,ジエステ
ル,金属塩,無水物,酸塩化物等がある。 多価アルコールとしては、グリコール類(エチレング
リコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;ポリエチレングリコ
ール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコー
ル;ポリプロピレングリコール;1,2−ブチレングリ
コール;1,3−ブチレングリコール;1,4−ブチレ
ングリコール;2,3−ブチレングリコール;ポリブチ
レングリコール;2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル;2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなど)をは
じめ、グリセリン,ヒンダードアルコール(ネオペンチ
ルグリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリス
リトール,ジペンタエリスリトールなど),ソルビトー
ル,ソルビタンがある。また、その誘導体としては、例
えば塩化物,金属塩等をあげることができる。
があるが、好ましくは炭素数2〜12の脂肪族飽和ジカ
ルボン酸(シュウ酸,マロン酸,コハク酸,グルタル
酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン
酸,セバシン酸,ドデカン−2酸など)、炭素数4〜1
4の脂肪族不飽和ジカルボン酸(マレイン酸,フマル
酸,アルケニルコハク酸など)、炭素数8の芳香族ジカ
ルボン酸(フタル酸,イソフタル酸,テレフタル酸な
ど)、その他、エポキシヘキサヒドロフタル酸等のエポ
キシ化物などのジカルボン酸および三価以上のカルボン
酸、具体的にはクエン酸,トリメリット酸,ピロメリッ
ト酸などをあげることができる。またその誘導体として
は、これら多価カルボン酸のモノエステル,ジエステ
ル,金属塩,無水物,酸塩化物等がある。 多価アルコールとしては、グリコール類(エチレング
リコール;ジエチレングリコール;トリエチレングリコ
ール;テトラエチレングリコール;ポリエチレングリコ
ール;プロピレングリコール;ジプロピレングリコー
ル;ポリプロピレングリコール;1,2−ブチレングリ
コール;1,3−ブチレングリコール;1,4−ブチレ
ングリコール;2,3−ブチレングリコール;ポリブチ
レングリコール;2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル;2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなど)をは
じめ、グリセリン,ヒンダードアルコール(ネオペンチ
ルグリコール,トリメチロールプロパン,ペンタエリス
リトール,ジペンタエリスリトールなど),ソルビトー
ル,ソルビタンがある。また、その誘導体としては、例
えば塩化物,金属塩等をあげることができる。
【0008】さらに、一価脂肪酸としては、各種のも
の(一級,二級,三級を含む)があるが、炭素数1〜2
0のアルキル基、特に炭素数3〜18の分岐アルキル
基、とりわけ炭素数4〜12の分岐アルキル基を有する
ものが、特に流動性改良効果が大きいため好ましい。具
体的には酢酸;プロピオン酸;iso −プロピオン酸;酪
酸;iso 酪酸;ピバル酸;n−バレイン酸;iso −バレ
イン酸;カプロン酸;2−エチル酪酸;n−カプロン
酸;2−メチルカプロン酸;n−ヘプチル酸;n−オク
タン酸;2−エチルヘキサン酸;3,5,5−トリメチ
ルヘキサン酸;ノナン酸;tert−ノナン酸;ドデカン
酸;tert−ドデカン酸;ラウリン酸等をあげることがで
きる。また、その誘導体としては、エステル,金属塩,
酸塩化物,無水物などがある。 一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体としては、
各種のものがあるが、炭素数1〜20のアルキル基、特
に炭素数3〜18の分岐アルキル基、とりわけ炭素数4
〜12の分岐アルキル基を有するものが、特に流動性改
良効果が大きいため好ましい。具体的にはメチルアルコ
ール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,is
o −プロピルアルコール,n−ブチルアルコール,iso
−ブチルアルコール,sec −ブチルアルコール,tert−
ブチルアルコール,n−アミルアルコール,iso −アミ
ルアルコール,tert−アミルアルコール,ジエチルカル
ビノール,n−ヘキシルアルコール,メチルアミルアル
コール,エチルブチルアルコール,ヘプチルアルコー
ル,メチルアミルカルビノール,ジメチルペンチルアル
コール,n−オクチルアルコール,sec −オクチルアル
コール,2−エチルヘキシルアルコール,iso −オクチ
ルアルコール,n−ノニルアルコール,ジイソブチルカ
ルビノール,n−デシルアルコール,iso −デシルアル
コール等をあげることができる。また、その誘導体とし
ては、例えば塩化物,金属塩等をあげることができる。
の(一級,二級,三級を含む)があるが、炭素数1〜2
0のアルキル基、特に炭素数3〜18の分岐アルキル
基、とりわけ炭素数4〜12の分岐アルキル基を有する
ものが、特に流動性改良効果が大きいため好ましい。具
体的には酢酸;プロピオン酸;iso −プロピオン酸;酪
酸;iso 酪酸;ピバル酸;n−バレイン酸;iso −バレ
イン酸;カプロン酸;2−エチル酪酸;n−カプロン
酸;2−メチルカプロン酸;n−ヘプチル酸;n−オク
タン酸;2−エチルヘキサン酸;3,5,5−トリメチ
ルヘキサン酸;ノナン酸;tert−ノナン酸;ドデカン
酸;tert−ドデカン酸;ラウリン酸等をあげることがで
きる。また、その誘導体としては、エステル,金属塩,
酸塩化物,無水物などがある。 一価脂肪族アルコールあるいはその誘導体としては、
各種のものがあるが、炭素数1〜20のアルキル基、特
に炭素数3〜18の分岐アルキル基、とりわけ炭素数4
〜12の分岐アルキル基を有するものが、特に流動性改
良効果が大きいため好ましい。具体的にはメチルアルコ
ール,エチルアルコール,n−プロピルアルコール,is
o −プロピルアルコール,n−ブチルアルコール,iso
−ブチルアルコール,sec −ブチルアルコール,tert−
ブチルアルコール,n−アミルアルコール,iso −アミ
ルアルコール,tert−アミルアルコール,ジエチルカル
ビノール,n−ヘキシルアルコール,メチルアミルアル
コール,エチルブチルアルコール,ヘプチルアルコー
ル,メチルアミルカルビノール,ジメチルペンチルアル
コール,n−オクチルアルコール,sec −オクチルアル
コール,2−エチルヘキシルアルコール,iso −オクチ
ルアルコール,n−ノニルアルコール,ジイソブチルカ
ルビノール,n−デシルアルコール,iso −デシルアル
コール等をあげることができる。また、その誘導体とし
ては、例えば塩化物,金属塩等をあげることができる。
【0009】上記エステル化合物は、所定の動粘度を有
するとともに、上記(I)〜(V)の反応生成物である
ことが好ましい。ここで、反応生成物(I)は、前述し
た,およびの化合物を反応させて得られるもので
ある。この反応生成物(I)の構造は、必ずしも明確で
はないが、通常は多価カルボン酸の二つのカルボキシ
ル基(その誘導体にあっては、カルボキシル基から誘導
される基、以下同じ)それぞれが、多価アルコールの
一つのヒドロキシル基(その誘導体にあっては、ヒドロ
キシル基から誘導される基、以下同じ)と反応して結合
し、更にこの多価アルコールの他の一つのヒドロキシ
ル基が、一価脂肪酸のカルボキシル基と反応して結合
したものとなっている。なお、多価カルボン酸の残り
のカルボキシル基および多価アルコールの残りのヒド
ロキシル基は、そのままカルボキシル基およびヒドロキ
シル基として存在しても、また他の官能基と反応したも
のとなっていてもよい。反応生成物(II)は、前述した
,およびの化合物を反応させて得られるものであ
る。この反応生成物(II)の構造は、必ずしも明確では
ないが、通常は多価アルコールの二つのヒドロキシル
基が、それぞれ多価カルボン酸の一つのカルボキシル
基と反応して結合し、更にこの多価カルボン酸の残り
のカルボキシル基が、一価脂肪族アルコールのヒドロ
キシル基と反応して結合したものとなっている。なお、
多価カルボン酸の残りのカルボキシル基および多価
アルコールの残りのヒドロキシル基は、そのままカルボ
キシル基およびヒドロキシル基として存在しても、また
他の官能基と反応したものとなっていてもよい。
するとともに、上記(I)〜(V)の反応生成物である
ことが好ましい。ここで、反応生成物(I)は、前述し
た,およびの化合物を反応させて得られるもので
ある。この反応生成物(I)の構造は、必ずしも明確で
はないが、通常は多価カルボン酸の二つのカルボキシ
ル基(その誘導体にあっては、カルボキシル基から誘導
される基、以下同じ)それぞれが、多価アルコールの
一つのヒドロキシル基(その誘導体にあっては、ヒドロ
キシル基から誘導される基、以下同じ)と反応して結合
し、更にこの多価アルコールの他の一つのヒドロキシ
ル基が、一価脂肪酸のカルボキシル基と反応して結合
したものとなっている。なお、多価カルボン酸の残り
のカルボキシル基および多価アルコールの残りのヒド
ロキシル基は、そのままカルボキシル基およびヒドロキ
シル基として存在しても、また他の官能基と反応したも
のとなっていてもよい。反応生成物(II)は、前述した
,およびの化合物を反応させて得られるものであ
る。この反応生成物(II)の構造は、必ずしも明確では
ないが、通常は多価アルコールの二つのヒドロキシル
基が、それぞれ多価カルボン酸の一つのカルボキシル
基と反応して結合し、更にこの多価カルボン酸の残り
のカルボキシル基が、一価脂肪族アルコールのヒドロ
キシル基と反応して結合したものとなっている。なお、
多価カルボン酸の残りのカルボキシル基および多価
アルコールの残りのヒドロキシル基は、そのままカルボ
キシル基およびヒドロキシル基として存在しても、また
他の官能基と反応したものとなっていてもよい。
【0010】また、流動性改良剤として、ポリオキシア
ルキレングリコール化合物を用いることができる。ここ
で、ポリオキシアルキレングリコール化合物としては、
各種のものがあり、用途等に応じて適宜選定すればよ
い。その好適なものとしては、一般式(VI)
ルキレングリコール化合物を用いることができる。ここ
で、ポリオキシアルキレングリコール化合物としては、
各種のものがあり、用途等に応じて適宜選定すればよ
い。その好適なものとしては、一般式(VI)
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1 は水素,炭素数1〜10のア
ルキル基,炭素数2〜10のアルケニル基,炭素数2〜
10のアルキニル基,炭素数6〜10のアリール基,炭
素数7〜10のアラルキル基,炭素数1〜10のアシル
基又は結合部位2〜6を有する脂肪族炭化水素基を示
し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3 は
水素,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10の
アルケニル基,炭素数2〜10のアルキニル基,炭素数
6〜10のアリール基,炭素数7〜10のアラルキル基
又は炭素数1〜10アシル基を示す。nは1〜6の整数
を示し、mはm×nの平均値が2〜40となる数であ
る。)で表わされるポリオキシアルキレングリコール化
合物を挙げることができる。ここで、炭素数1〜10の
アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれであっ
てもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチ
ル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シ
クロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることが
できる。このアルキル基の炭素数が10を超えると流動
性改良効果が低下する。好ましいアルキル基の炭素数は
1〜6である。また、該アシル基のアルキル基部分は直
鎖状,分枝鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシ
ル基のアルキル基部分の具体例としては、メチル基,エ
チル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル
基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基,各種ノニル基,シクロペンチル
基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。該ア
シル基の炭素数が10を超えると流動性改良効果が低下
する。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
ルキル基,炭素数2〜10のアルケニル基,炭素数2〜
10のアルキニル基,炭素数6〜10のアリール基,炭
素数7〜10のアラルキル基,炭素数1〜10のアシル
基又は結合部位2〜6を有する脂肪族炭化水素基を示
し、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R3 は
水素,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10の
アルケニル基,炭素数2〜10のアルキニル基,炭素数
6〜10のアリール基,炭素数7〜10のアラルキル基
又は炭素数1〜10アシル基を示す。nは1〜6の整数
を示し、mはm×nの平均値が2〜40となる数であ
る。)で表わされるポリオキシアルキレングリコール化
合物を挙げることができる。ここで、炭素数1〜10の
アルキル基は、直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれであっ
てもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチ
ル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シ
クロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることが
できる。このアルキル基の炭素数が10を超えると流動
性改良効果が低下する。好ましいアルキル基の炭素数は
1〜6である。また、該アシル基のアルキル基部分は直
鎖状,分枝鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシ
ル基のアルキル基部分の具体例としては、メチル基,エ
チル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル
基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル
基,各種オクチル基,各種ノニル基,シクロペンチル
基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。該ア
シル基の炭素数が10を超えると流動性改良効果が低下
する。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0013】該R1 及びR3 は、R1 とR3 は同一であ
ってもよいし、たがいに異なっていてもよい。さらにn
が2以上の場合は、1分子中の複数のR3 は同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。R1 が結合部位2〜
6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である
場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものであってもよ
いし、環状のものであってもよい。結合部位2個を有す
る脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,
ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン
基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基,ビニル
基,アリル基,ブテニル基,エチニル基,プロピニル
基,フェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,
フェネチル基などが挙げられる。また、結合部位3〜6
個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチ
ロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,
ソルビトール,1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキ
サン,1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなど
の多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げること
ができる。この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超え
ると流動性改良効果が低下する。好ましい炭素数は2〜
6である。前記一般式(VI) 中のR2 は炭素数2〜4の
アルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン
基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,
オキシブチレン基があげられる。1分子中のオキシアル
キレン基は同一であってもよいし、2種以上のオキシア
ルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なく
ともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、特に
オキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシプロ
ピレン単位を含むものが好適である。前記一般式(VI)
中のnは1〜6の整数で、R1 の結合部位の数に応じて
定められる。例えばR1 が水素,アルキル基,アルケニ
ル基,アルキニル基,アリール基やアシル基の場合、n
は1であり、R1 が結合部位2,3,4,5及び6個を
有する脂肪族炭化水素基である場合、nはそれぞれ2,
3,4,5及び6となる。また、mはm×nの平均値が
2〜40となる数であり、m×nの平均値が前記範囲を
逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない。
ってもよいし、たがいに異なっていてもよい。さらにn
が2以上の場合は、1分子中の複数のR3 は同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。R1 が結合部位2〜
6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である
場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものであってもよ
いし、環状のものであってもよい。結合部位2個を有す
る脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,
ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン
基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基,ビニル
基,アリル基,ブテニル基,エチニル基,プロピニル
基,フェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,
フェネチル基などが挙げられる。また、結合部位3〜6
個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチ
ロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,
ソルビトール,1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキ
サン,1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなど
の多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げること
ができる。この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超え
ると流動性改良効果が低下する。好ましい炭素数は2〜
6である。前記一般式(VI) 中のR2 は炭素数2〜4の
アルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン
基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,
オキシブチレン基があげられる。1分子中のオキシアル
キレン基は同一であってもよいし、2種以上のオキシア
ルキレン基が含まれていてもよいが、1分子中に少なく
ともオキシプロピレン単位を含むものが好ましく、特に
オキシアルキレン単位中に50モル%以上のオキシプロ
ピレン単位を含むものが好適である。前記一般式(VI)
中のnは1〜6の整数で、R1 の結合部位の数に応じて
定められる。例えばR1 が水素,アルキル基,アルケニ
ル基,アルキニル基,アリール基やアシル基の場合、n
は1であり、R1 が結合部位2,3,4,5及び6個を
有する脂肪族炭化水素基である場合、nはそれぞれ2,
3,4,5及び6となる。また、mはm×nの平均値が
2〜40となる数であり、m×nの平均値が前記範囲を
逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない。
【0014】本発明で使用するポリオキシアルキレング
リコール化合物は、上記のほか、例えば、一般式(VII)
リコール化合物は、上記のほか、例えば、一般式(VII)
【0015】
【化2】
【0016】(式中、R4 は炭素数1〜10の一価の炭
化水素基、R5 〜R9 はそれぞれ水素あるいは炭素数1
〜10の一価の炭化水素基を示す。)で表わされる構成
単位を少なくとも1つ含有するポリオキシアルキレング
リコール化合物などをあげることもできる。また、上記
ポリオキシアルキレングリコール化合物としては、上記
のほかにグリシジル基を有するもの、分子中にカルボニ
ル結合を有するもの、フッ素置換化合物等種々のものが
使用可能である。
化水素基、R5 〜R9 はそれぞれ水素あるいは炭素数1
〜10の一価の炭化水素基を示す。)で表わされる構成
単位を少なくとも1つ含有するポリオキシアルキレング
リコール化合物などをあげることもできる。また、上記
ポリオキシアルキレングリコール化合物としては、上記
のほかにグリシジル基を有するもの、分子中にカルボニ
ル結合を有するもの、フッ素置換化合物等種々のものが
使用可能である。
【0017】更に本発明では、流動性改良剤として、ト
リグリセライドも使用でき、その種類については特に制
限なく、炭素数3〜20の脂肪酸のトリグリセライドを
使用することができる。その他、ポリシロキサン及びそ
のフッ化物も使用することができる。なお、これらの流
動性改良剤は2種以上を混合して使用しても有効であ
る。
リグリセライドも使用でき、その種類については特に制
限なく、炭素数3〜20の脂肪酸のトリグリセライドを
使用することができる。その他、ポリシロキサン及びそ
のフッ化物も使用することができる。なお、これらの流
動性改良剤は2種以上を混合して使用しても有効であ
る。
【0018】これらの炭化水素系化合物と流動性改良剤
との配合割合は、炭化水素系化合物70〜95重量%、
流動性改良剤5〜30重量%であり、好ましくは炭化水
素系化合物75〜90重量%、流動性改良剤10〜25
重量%である。流動性改良剤が5重量%未満では、流動
性が改良されず、油戻りが不十分となり好ましくない。
また、流動性改良剤が30重量%を超えると耐摩耗性等
が低下して好ましくない。
との配合割合は、炭化水素系化合物70〜95重量%、
流動性改良剤5〜30重量%であり、好ましくは炭化水
素系化合物75〜90重量%、流動性改良剤10〜25
重量%である。流動性改良剤が5重量%未満では、流動
性が改良されず、油戻りが不十分となり好ましくない。
また、流動性改良剤が30重量%を超えると耐摩耗性等
が低下して好ましくない。
【0019】本発明の潤滑油は、上記炭化水素系化合物
と流動性改良剤からなる基油を主成分とするものである
が、さらに所望により、各種添加剤を配合することがで
きる。その添加剤としては、リン酸エステル,亜リン酸
エステル等の耐摩耗添加剤をはじめ、酸化防止剤,塩素
捕捉剤,金属不活性化剤,消泡剤,清浄分散剤,粘度指
数向上剤,防錆剤,腐食防止剤等を挙げることができ
る。
と流動性改良剤からなる基油を主成分とするものである
が、さらに所望により、各種添加剤を配合することがで
きる。その添加剤としては、リン酸エステル,亜リン酸
エステル等の耐摩耗添加剤をはじめ、酸化防止剤,塩素
捕捉剤,金属不活性化剤,消泡剤,清浄分散剤,粘度指
数向上剤,防錆剤,腐食防止剤等を挙げることができ
る。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例及び参考例に
基いて、更に詳しく説明する。各実施例、比較例及び参
考例における炭化水素系化合物と流動性改良剤の配合割
合及び冷媒の種類は、第1表に従った。
基いて、更に詳しく説明する。各実施例、比較例及び参
考例における炭化水素系化合物と流動性改良剤の配合割
合及び冷媒の種類は、第1表に従った。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】なお、全て、耐摩耗添加剤(リン酸エステ
ル)を0.5重量%配合し実施した。但し、実施例6,2
4,25及び比較例11,12では、耐摩耗添加剤(リ
ン酸エステル)を1.0重量%配合し実施した。また、表
中の注記は次の通りである。 *1:ソフト型アルキルベンゼン(40℃で38cSt ) *2:C6 ・C9 の混合脂肪酸とペンタエリストリール
とのエステルおよびC7 脂肪酸とトリメチロールプロパ
ンとのエステルの混合物(40℃で31cSt ) *3:C7 脂肪酸とトリメチロールプロパンとのエステ
ル(40℃で14cSt) *4:C7 脂肪酸とペンタエリストリールとのエステル
(40℃で30cSt) *5:2−エチルヘキシルトリグリセライド(40℃で
16cSt ) *6:ポリシロキサン(40℃で10cSt ) *7:ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテ
ル(40℃で28cSt) *8:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンジメ
チルエーテル(40℃で41cSt ) *9:流動点−42.5℃のパラフィン系鉱油(40℃で
30cSt ) R−134a:1,1,1,2−テトラフルオロエタン R−12 :ジクロロジフルオロメタン
ル)を0.5重量%配合し実施した。但し、実施例6,2
4,25及び比較例11,12では、耐摩耗添加剤(リ
ン酸エステル)を1.0重量%配合し実施した。また、表
中の注記は次の通りである。 *1:ソフト型アルキルベンゼン(40℃で38cSt ) *2:C6 ・C9 の混合脂肪酸とペンタエリストリール
とのエステルおよびC7 脂肪酸とトリメチロールプロパ
ンとのエステルの混合物(40℃で31cSt ) *3:C7 脂肪酸とトリメチロールプロパンとのエステ
ル(40℃で14cSt) *4:C7 脂肪酸とペンタエリストリールとのエステル
(40℃で30cSt) *5:2−エチルヘキシルトリグリセライド(40℃で
16cSt ) *6:ポリシロキサン(40℃で10cSt ) *7:ポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテ
ル(40℃で28cSt) *8:ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンジメ
チルエーテル(40℃で41cSt ) *9:流動点−42.5℃のパラフィン系鉱油(40℃で
30cSt ) R−134a:1,1,1,2−テトラフルオロエタン R−12 :ジクロロジフルオロメタン
【0024】また、その性能評価としては、各試験項目
を次の試験方法で測定した。 性能評価 (1) 低温流動性 径8mmφの耐圧ガラス管にR−134aを10%混入し
た潤滑油を採取し、3/16インチφの鋼球を入れ密封
した。−45℃に保った後、鋼球を落下させ、鋼球が管
底10cmから5cmに達する時間(秒)を測定した。 評価方法 ○ :鋼球が均一に流動 △ :流動するが部分的に固化 × :全体が固化し、流動しない (2) 耐摩耗性 ファレックス耐摩耗試験を以下の条件で行った。R−1
34aを5リットル/時間で吹き込み、荷重300lbs
,回転数1,000rpm で60分間摩耗させた。なお、
ブロック、ピンの材は、ASTM D−3233の規格
材を用いた。 評価方法(摩耗量) ○: 6.0mg未満 △: 6.0mg以上15mg ×: 15mg以上 (3) 電気絶縁性 JIS C−2101に準じて体積抵抗率(室温)を測
定した。 (4) 加水分解安定性 300ccの耐圧容器に潤滑油100g ,R−134a
10g ,水5ml及び銅,鉄触媒を入れて密封し、100
℃、5日間経過後の全酸価の上昇率を測定した。 評価方法 ○: 0.01mgKOH/g 未満 △: 0.01〜0.1mgKOH/g ×: 0.1mgKOH/g 以上 (5) 吸水性 径30mmφの50ccのガラス容器に試料10g 取り、温
度25℃、湿度85%の恒温恒湿槽に5日間静置した後
の水分を測定した。 評価方法 ○: 水分が0.03%以下 △: 0.03〜0.1% ×: 0.1%以上
を次の試験方法で測定した。 性能評価 (1) 低温流動性 径8mmφの耐圧ガラス管にR−134aを10%混入し
た潤滑油を採取し、3/16インチφの鋼球を入れ密封
した。−45℃に保った後、鋼球を落下させ、鋼球が管
底10cmから5cmに達する時間(秒)を測定した。 評価方法 ○ :鋼球が均一に流動 △ :流動するが部分的に固化 × :全体が固化し、流動しない (2) 耐摩耗性 ファレックス耐摩耗試験を以下の条件で行った。R−1
34aを5リットル/時間で吹き込み、荷重300lbs
,回転数1,000rpm で60分間摩耗させた。なお、
ブロック、ピンの材は、ASTM D−3233の規格
材を用いた。 評価方法(摩耗量) ○: 6.0mg未満 △: 6.0mg以上15mg ×: 15mg以上 (3) 電気絶縁性 JIS C−2101に準じて体積抵抗率(室温)を測
定した。 (4) 加水分解安定性 300ccの耐圧容器に潤滑油100g ,R−134a
10g ,水5ml及び銅,鉄触媒を入れて密封し、100
℃、5日間経過後の全酸価の上昇率を測定した。 評価方法 ○: 0.01mgKOH/g 未満 △: 0.01〜0.1mgKOH/g ×: 0.1mgKOH/g 以上 (5) 吸水性 径30mmφの50ccのガラス容器に試料10g 取り、温
度25℃、湿度85%の恒温恒湿槽に5日間静置した後
の水分を測定した。 評価方法 ○: 水分が0.03%以下 △: 0.03〜0.1% ×: 0.1%以上
【0025】性能評価テストの結果は、第2表に示した
通りである。
通りである。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】第2表から、流動性改良剤が5重量%未満
では、耐摩耗性は良好であるが、低温流動性が不十分で
ある。また、流動性改良剤が30重量%を超えると逆
に、低温流動性は良好であるが、耐摩耗性が低下する。
従って、流動性改良剤は5〜30重量%の範囲で、耐摩
耗性及び低温流動性ともに良好である。そして、流動性
改良剤は5〜30重量%の範囲では、他の体積抵抗率,
加水分解安定性,吸水率もともに良好で、本発明のテト
ラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油の性能が非常に優
れたものであることが判る。このことは図1からも読み
取ることができる。これに対して、炭化水素系化合物の
み、あるいは流動性改良剤のみでは、耐摩耗添加剤を増
量してもその効果は向上せず、全性能を同時に満足する
ものは得られないことが判る。
では、耐摩耗性は良好であるが、低温流動性が不十分で
ある。また、流動性改良剤が30重量%を超えると逆
に、低温流動性は良好であるが、耐摩耗性が低下する。
従って、流動性改良剤は5〜30重量%の範囲で、耐摩
耗性及び低温流動性ともに良好である。そして、流動性
改良剤は5〜30重量%の範囲では、他の体積抵抗率,
加水分解安定性,吸水率もともに良好で、本発明のテト
ラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油の性能が非常に優
れたものであることが判る。このことは図1からも読み
取ることができる。これに対して、炭化水素系化合物の
み、あるいは流動性改良剤のみでは、耐摩耗添加剤を増
量してもその効果は向上せず、全性能を同時に満足する
ものは得られないことが判る。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明のテトラフルオロ
エタン冷媒冷凍機用潤滑油は、耐磨耗性,電気絶縁性,
加水分解安定性,非吸水性等の性能が優れると共に、特
に、油戻り性も優れ、圧縮式冷凍サイクルにおいて代替
フロン系の冷媒とともに問題なく使用することができ
る。したがって、本発明のテトラフルオロエタン冷媒冷
凍機用潤滑油は、カーエアコン,ルームエアコン,冷蔵
庫等に使用する際に特に効果的であり、その工業的な利
用価値は極めて高いものである。
エタン冷媒冷凍機用潤滑油は、耐磨耗性,電気絶縁性,
加水分解安定性,非吸水性等の性能が優れると共に、特
に、油戻り性も優れ、圧縮式冷凍サイクルにおいて代替
フロン系の冷媒とともに問題なく使用することができ
る。したがって、本発明のテトラフルオロエタン冷媒冷
凍機用潤滑油は、カーエアコン,ルームエアコン,冷蔵
庫等に使用する際に特に効果的であり、その工業的な利
用価値は極めて高いものである。
【図1】本発明のテトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤
滑油において、炭化水素系化合物に対する流動性改良剤
の配合割合と流動時間及び摩耗性との関係を示す図であ
る。
滑油において、炭化水素系化合物に対する流動性改良剤
の配合割合と流動時間及び摩耗性との関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 107:02 129:70 129:72 145:38 155:02) C10N 20:02 30:04 30:06 40:30 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10M 101/02 C10M 105/04 - 105/06 C10M 107/02 C10M 129/70 - 129/72 C10M 145/38 C10M 155/02 C10N 20:02 C10N 30:04 C10N 30:06 C10N 40:30 WPI/L(QUESTEL)
Claims (1)
- 【請求項1】 1,1,1,2−テトラフルオロエタン
又は1,1,2,2−テトラフルオロエタンを冷媒とし
た冷凍機用潤滑油において、炭化水素系化合物70〜9
5重量%及び40℃における動粘度が3〜50cStの
流動性改良剤5〜30重量%からなる基油を主成分とす
るテトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22011291A JP2977962B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22011291A JP2977962B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0559386A JPH0559386A (ja) | 1993-03-09 |
JP2977962B2 true JP2977962B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=16746104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22011291A Expired - Lifetime JP2977962B2 (ja) | 1991-08-30 | 1991-08-30 | テトラフルオロエタン冷媒冷凍機用潤滑油 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2977962B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL9300834A (nl) * | 1993-05-14 | 1994-12-01 | Bernardina Carolina Maria Enge | Koelinrichting. |
JPH08188787A (ja) * | 1995-01-11 | 1996-07-23 | Nippon Oil Co Ltd | 冷凍機油および冷凍機用流体組成物 |
GB0105065D0 (en) * | 2001-03-01 | 2001-04-18 | Ici Plc | Lubricant compositions |
WO2005012469A1 (ja) | 2003-08-01 | 2005-02-10 | Nippon Oil Corporation | 冷凍機油組成物 |
JP4772504B2 (ja) * | 2003-08-01 | 2011-09-14 | Jx日鉱日石エネルギー株式会社 | 冷凍機油組成物 |
JP6046408B2 (ja) * | 2012-07-26 | 2016-12-14 | 前田道路株式会社 | 振動軽減舗装 |
-
1991
- 1991-08-30 JP JP22011291A patent/JP2977962B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0559386A (ja) | 1993-03-09 |
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