JPH0733449B2 - ポリオレフイン微孔性フイルムの製造方法 - Google Patents

ポリオレフイン微孔性フイルムの製造方法

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JPH0733449B2
JPH0733449B2 JP3671587A JP3671587A JPH0733449B2 JP H0733449 B2 JPH0733449 B2 JP H0733449B2 JP 3671587 A JP3671587 A JP 3671587A JP 3671587 A JP3671587 A JP 3671587A JP H0733449 B2 JPH0733449 B2 JP H0733449B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電解コンデンサ、電気2重層コンデンサ、バ
ッテリー等のセパレータとして用いられるポリオレフイ
ン微孔性フイルムの製造方法に関するものである。
[従来の技術] ポリオレフイン微孔性フイルムの製造方法としては、従
来より次の様な方法が知られている。
(1)非相溶性ポリマー及び無機微粒子をブレンドし、
延伸する。
(2)高せん断下でポリオレフインを冷却することによ
り、特定の結晶構造を形成し、延伸する。
(3)抽出可能な成分をポリオレフインに添加し、シー
ト形成後、抽出する。
[発明が解決しようとする問題点] これらの中で、(1)は非相溶性ポリマーを均一に押出
すことが困難であるため、得られた微孔性フイルムの均
一性に劣るばかりか、孔径も10μm以上と大きいものし
か得られない。また、(2)では、均一な微孔を得る優
れた方法であるが、フイルム厚みが20〜30μmと限定さ
れ、しかも孔径についても0.01〜0.1μmと限定される
ことが問題であった。(3)では、可塑剤等の常温有機
液体を無機微粒子に吸着させ、ポリオレフインに添加
し、シート成形後、該常温有機液体あるいは無機微粒子
を抽出する方法(特公昭58−32171等),あるいはパラ
フインを添加し、溶融押出後、抽出する方法(特公昭61
−37436)が知られている。
しかしながら、該方法では、次の様な問題点を有してい
た。すなわち、有機液体をポリオレフインに添加する方
法では、担体として特定量の無機微粒子が必須であり、
殊に、プロセス上有機液体と無機微粒子との添加割合が
限定されるために、製造できる空孔径あるいは、空孔率
に制限があり、電解コンデンサ等に使用する場合、特性
上不十分な点があった。また、パラフインを添加し、こ
れを抽出する方法では、パラフインを抽出するために極
めて時間がかかり、実用に供するためにはコスト等の問
題があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、少なくともポリオレフイン樹脂と抽出可能物
質からなる混合物を溶融成形した後、該抽出可能物質を
該ポリオレフイン樹脂の貧溶媒でかつ該抽出可能物質の
良溶媒で抽出することにより、平均孔径が0.05〜5μm
である微細孔が連続したポリオレフイン微孔性フイルム
を得る方法であって、該抽出可能物質の融点が35〜100
℃、分子量が200〜1000であり、かつ該分子構造中に分
極性及び極性基を含有する有機固体であり、該抽出可能
物質のブレンド量が、該ポリオレフイン樹脂100容量部
に対し、80〜180容量部であり、更に少なくとも1軸に
2〜10倍に延伸する工程を含むことを特徴とするポリオ
レフイン微孔性フイルムの製造方法、に関するものであ
る。
本発明において使用されるポリオレフイン樹脂とは、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4
−メチルペンテン−1、アイソタクチックポリスチレン
等から選ばれた樹脂又はこれらの共重合体や混合物であ
り、これらの中でも、耐熱性、延伸性、コスト性にバラ
ンスしたポリプロピレン樹脂(以下PP樹脂と略称する)
が好ましく、この中でも、極限粘度(以下[η]と略称
する)が2.1〜3.3dl/g,より好ましくは、2.3〜3.0dl/g
の範囲のものが、押出後、延伸性に優れるばかりか、フ
イルムの機械強度に優れるので望ましい。
また、該PP樹脂のアイソタクチックインデックス(以下
IIと略称する)は、97%以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは99%以上である。IIがこの範囲にあると
空孔径、空孔率共に良好となるばかりか、添加した有機
固体の抽出速度が大きく、抽出時間が短時間ですみコス
ト性に優れる。
また、該PPの数平均分子量Mnと、重量平均分子量Mwとの
比で定義される分子量分布Mw/Mnは、4以上、より好ま
しくは6〜10であると、添加した有機固体の分散性が良
好となり、この結果空孔径が均一となるので望ましい。
次に、本発明に用いる抽出可能な有機固体とは、融点が
35〜100℃であることが必要であり、好ましくは、45〜8
0℃である。融点が低すぎる場合は、PPとのブレンド時
に押出機スクリューの供給部でスリップを生じる原因と
なり、実質的にブレンドできず、無機微粒子の添加が必
須となる。無機微粒子の役割は、特公昭58−32171等に
見られる様に有機液状物を程よく含浸し、ブレンドを可
能とするものであるが、多量の無機粒子の添加は特にポ
リプロピレンの様なチクソトロピー性の高いポリマーで
は、吐出性を著しく低下させる原因となり、その添加量
は限定されるため、得られる空孔率に限界が生ずる。
一方、融点が高すぎる場合は、抽出速度が遅くなり、コ
スト的な問題を生じるばかりか、ポリオレフインとのブ
レンド物をキャストした際の相分離構造が不均一とな
り、孔径分布が広がったり、延伸できない場合も生ず
る。
また、有機固体の分子量は、200〜1000であることが必
要であり、好ましくは、300〜500である。分子量が小さ
すぎると、ポリオレフインに対する溶解性が高くなって
いくために、空孔率、空孔径共に小さいものしかでき
ず、本発明の目的を果たさない。一方、分子量が大きす
ぎると、該有機固体のポリオレフイン中での分散径が大
きくなり、形成される空孔が大きく、孔径分布も広が
り、本発明の目的を果たさない。また、抽出時間も長く
なるため、コストアップの原因となる。
更に、該有機固体の分子構造の中には、分極性及び極性
基を含有していることが必要である。ここで、分極性の
基とは、ベンゼン環、ナフタレン環等のπ電子を有する
不飽和結合性の基を指し、極性基とは、例えば岩波書店
「理化学辞典」に記されているような、有極性分子を構
成要素とするものであり、大きな双極子モーメントを有
し、通常酸素、窒素、イオウ、ハロゲンを含む基であ
る。このような基としては、例えばカルボニル基、カル
ボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン基等が挙げら
れる。該有機固体中に分極性の基のみである様な、例え
ば、低分子量ポリスチレンの様なものでは、ポリオレフ
インに対する分散性が極めて高いために、多量に添加し
抽出したとしても、孔径、空孔率共に低いものしかでき
ず、電解液を含浸した際の抵抗が増大する。
一方、極性基のみを含有する様な有機固体、例えば,脂
肪酸エステルの様なものでは、ポリオレフインに多量に
添加した際に相分離構造の分散径が大きくなるためか、
キャストされたシートあるいはチューブ状物が著しくも
ろくなり引続くプロセスが実質的に不可能である。
もちろん、極性基も分極性基のいずれも含有しないよう
物質では、ポリオレフインに添加した際の相分離構造が
均一に形成できないばかりか抽出溶媒がポリオレフイン
を溶解し易いものに限定されてくるために抽出が困難に
なる。
以上の様な特性を有する有機固体の中でも、塩化ビニル
等の可塑剤として使用されているフタル酸エステル、リ
ン酸エステル等が優れており、特に、ジシクロヘキシル
フタレート(DCHP),あるいはトリフエニレンフオスフ
エイト(TPP)から選ばれた少なくとも1種であること
が好ましい。
該有機固体の添加量は、ポリオレフイン樹脂100容量部
に対し、80〜180容量部であることが必要であり、好ま
しくは90〜160容量部である。
添加量が少ないと、連続した微細孔が形成されず、電解
コンデンサ等のセパレータとして使用した場合、電解液
抵抗が増大し、使用できない。一方、添加量が多すぎる
と、押出機に原料を供給した際に、吐出変動を生じ、均
一なフイルムにならないばかりか、フイルムの機械強度
が低下し、使用に耐えない。
更に、ポリオレフイン樹脂には、空孔率を上げる、ある
いは押出性を改善する目的で、無機微粒子を添加しても
良く、径粒としては3〜100mμ、より好ましくは、5〜
30mμのものが分散性の点で望ましい。添加量は、有機
固体の添加量100容量部に対し、2〜20容量部、より好
ましくは5〜17容量部であることが吐出を安定させ、均
一なフイルムとすることができるので望ましい。
また、ポリオレフイン樹脂には、熱安定剤、酸化防止
剤、有機あるいは無機滑剤、帯電防止剤等を添加しても
良く、特に無機粒子を添加する際には、ステアリン酸カ
ルシウム等の脂肪酸の金属塩を全組成物に対して0.1〜
5重量部添加しておくと、吐出性等が良好となるので好
ましい。
以上の組成物は、例えば、2軸スクリュー押出機を用い
て、溶融ブレンドしペレット化する。また、無機微粒子
を添加する際に、かさ比重が著しく異なり、ブレンドし
にくい場合、まず、有機固体と無機微粒子とをヘンシエ
ルミキサー等を用いて、該有機固体の融点以上の温度に
てミキシングしておき、その後冷却し粉砕することによ
り、かさ密度が増大し引続くポリオレフインパウダーと
のブレンド性が良好となるので好ましい。
本発明においては、上記組成物をシート状、チューブ状
に溶融成形した後、該有機固体の抽出前、抽出後又は抽
出中に、少なくとも1軸に2〜10倍延伸する必要があ
る。未延伸のままであると、機械的強度が不足するばか
りか、空孔径、空孔率共に低いものしか得られず、電解
液抵抗が増大する。この観点から、延伸倍率は、1軸延
伸の場合、3〜6倍であるとさらに好ましく、2軸延伸
の場合、面積倍率にして、8〜30倍の範囲であるとさら
に好ましい。
また、延伸工程と抽出工程とは、いずれが先になっても
良いが、延伸後抽出する方法では、製造できるフイルム
は、空孔分布、空孔径共に若干低いものとなるが、機械
強度に優れ、逆に、抽出後延伸する方法では、空孔径、
空孔率に優れるが、機械強度に若干低い特徴を有する。
したがって、用途に応じてプロセスを選択すれば良い。
本発明において、抽出に用いるポリオレフインの貧溶媒
でかつ有機固体の良溶媒とは、具体的には、トリクロル
メタン、トリクロルエタン、アセトン、メチルエチルケ
トン、酢酸エチル、メタノール、トルエン、キシレン等
が挙げられる。
本発明において、無機微粒子を添加した場合について、
以上で述べたプロセスにおいて特に好ましいものについ
て説明する。必要な組成の原料を押出機を用いてシート
状に押出し、冷却固化する際に、キャステイングドラム
と小径ロールとの間で加圧しながら冷却すると無機微粒
子の分散が均一となるので好ましい。
また、このときのキャスト温度は、50〜110℃、より好
ましくは60〜90℃としておくと延伸性、微孔性共に良好
となるので望ましい。
引続くプロセスでは、延伸後抽出することが延伸性、機
械特性を良好とする上で好ましい。また、このとき、キ
ャストフイルムに含有する有機固体の内10〜50%を部分
抽出しておき、延伸しその後に、完全に有機固体を抽出
しても良い。こうすると、延伸性、機械特性を損なうこ
となく空孔分布の優れたフイルムとなるので好ましい。
以上の様にして得られたポリオレフイン微孔性フイルム
には、用途に応じ、該フイルムにコロナ放電処理、低温
プラズマ処理等の表面処理、親水化処理コーチング、あ
るいはスルホン化、メチルメタアクリレートグラフト処
理等の親水化処理等を行っておいてもよい。
以上の様にして得られるポリオレフイン微孔性フイルム
は、厚みが10〜500μm、空孔率が40〜90%,平均空孔
径が0.05〜5μmであり、特に、電解コンデンサ、アル
カリ電池等のセパレータ用として好適な、厚み20〜40μ
m、空孔率50〜80%、平均空孔率が0.05〜2μmの微孔
性フイルムを得る上で優れた製造方法である。
また、以上の様にして得られたフイルムは、電解コンデ
ンサ、アルカリ電池等のセパレータだけでなく、限外ろ
か等のフイルター、スポーツウエアー等に使用される透
湿防水用フイルム等としも使用可能である。
[特性の測定方法及び効果の評価方法] 次に本発明に関する測定方法及び評価方法について、ま
とめて示す。
(1)極限粘度([η]) 試料0.1gを135℃のテトラリン100mlに完全溶解させ、こ
の溶液を粘度計で135℃の恒温槽中で、測定して比粘度
Sより次式にしたがって極限粘度を求める。
[η]=S/{0.1×(1+0.22×S)} (2)アイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(m
g)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ、沸騰n
−ヘプタンで12時間抽出する。
次に、この試料を取出し、アセトンで十分洗浄した後、
130℃で6時間真空乾燥し、その後重量W′(mg)を測
定し、次式で求める。
II(%)=(W′/W)×100 (3)有機固体の融点 ASTM−E−28にしたがい測定する。
(4)分子量分布(Mw/Mn) ゲル透過クロマトグラフ(GPC−150C)により重量平均
分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定し、その
比を分子量分布(Mw/Mn)とする。
但し、測定条件は以下の通り。
溶媒:o−ジクロルベンゼン 温度:135℃ 試料濃度:0.1(wt/vol)% 分子校正:ポリスチレン基準 (5)強度 サンプル長手方向の破断強度をJIS K6782にしたがい測
定する。
(6)ラクトン透過時間 サンプルにγ−ブチロラクトンを滴下し、滴下時からラ
クトンがサンプルを透過し、反対面を湿すまでの時間を
ラクトン透過時間(秒)とする。
(6)平均孔径 走査型電子顕微鏡(SEM)により測定する。
(7)空孔率(Pr) 試料(10×10cm)を流動パラフインに24時間浸漬し、表
層の流動パラフインを十分に拭きとった後の重量(W2)
を測定し、該試料の浸漬前の重量(W1)流動パラフイン
の密度(ρ)より空孔体積(V0)を次式で求める。
V0=(W2−W1)/ρ 空孔率(Pr)は、見掛け体積(厚み、寸法より計算され
る値)Vと空孔体積V0より計算される。
Pr=V0/V×100(%) (8)実施例中のブレンド物の構成比 実施例中のブレンド物の構成比は、各ブレンド物の重量
比と真比重より換算したものである。
[実施例] 次に本発明について、実施例に基づき、説明する。
実施例1、2 ポリプロピレン樹脂として、IIが98(%)、[η]が2.
8(dl/g),Mw/Mnが4.9、比重が0.91のパウダーと、抽出
可能有機固体として、ジシクロヘキシルフタレート(DC
HP,融点63℃、分子量330、比重1.2),さらに無機粒子
として、“アエロジル"200(日本アエロジル(株)製、
SiO2,比重2.0,粒径12mμ、表面積200m2/g)とを用意
し、DCHPと無機粒子とを、120℃のミキサー中でブレン
ドし、室温に冷却後、粉砕し、ポリプロピレンパウダー
と同程度のかさ密度の粉体を得た。
次に該粉体とPPパウダーとを混合し、30mmの2軸スクリ
ュー押出機により、200℃で溶融混練し、ガット状に押
出し、ペレット化した。
こうして得られた組成物の構成は、表1に示す様なもの
である。
次に、該ペレットを40mm押出機を用い、200℃で溶融押
出し、80℃の冷却ドラム上で、小径ロールで加圧しなが
ら冷却固化し、240μmのシートを得た。該シートを120
℃において、ロール上で縦方向に3.5倍延伸し、引続き
ステンターに導き、横方向に130℃にて4倍延伸し、ス
テンター出口にて20℃の冷風にて、冷却後、エッジ部を
スリットし、巻き取った(実施例1)。
同様に、該ペレットを40mm押出機より押出し、100μm
のシートを得、110℃にて縦方向に4倍延伸し、直ちに3
0℃の冷却ロール上で冷却し、エッジ部をスリットし、
巻き取った(実施例2)。
実施例1の2軸延伸フイルム及び実施例2の1軸延伸フ
イルムをそれぞれメチルエチルケトン抽出バスに導き、
50℃にて60秒間の抽出時間を保持しながら、連続的に抽
出を行い、引続き120℃の防爆型乾燥オーブン中で乾燥
後、150℃のロール上で縦方向に3%にリラックスを許
しつつ、巻き取った。この抽出により、両者共にDCHPは
添加量の99.5%以上抽出された。
このようにして得られたフイルムの特性を評価した結果
を表1にまとめて示すが、実施例1,2共に空孔率が65%
以上あり、ラクトン透過時間も1秒以下と優れている。
実施例3 実施例2のキャストフイルムを50℃のメチルエチルケト
ンバス中で10分の抽出時間を保持しながら抽出を行い添
加量の99.5%以上を抽出した。かくして得られたフイル
ムを、120℃の乾燥オーブン中で十分に乾燥した後に、1
40℃にて縦方向に4倍延伸し、引続き150℃の加熱ロー
ルを用いて縦方向に5%のリラックスを許しながら熱処
理した。
かくして得られた微孔性フイルムの特性を表1にまとめ
て示すが、機械強度は、実施例2に比較して若干劣るも
のの、空孔率に優れ、ラクトン透過時間も速いことが分
る。
実施例4 IIが97%,[η]が2.3dl/g,Mw/Mnが5.0のPPと抽出可能
物質としてトリフエニレンフオスフェイト(TPP,融点49
℃、分子量326、比重1.2)と無機粒子として“アエロジ
ル"380(粒径7mμ、表面積380m2/g,比重2.0)とを実施
例1に準じて表1に示す様な組成でペレット化した。
引続き実施例1と同様に2軸延伸、抽出を行い、厚さ30
μmの微孔性フイルムを得た。
かかるフイルムの特性を表1に示すが、微孔性、機械特
性共に良好であった。
比較例1、2 実施例4において、抽出可能物質として、それぞれ次の
有機固体を用いた以外は同様にして、ペレット化した。
低分子量ポリスチレン(“ハイマー"ST−75、三洋化成
工業(株)製、融点75℃、分子量900、比重1.1)[比較
例1]及び水添ジシクロペンタジエン樹脂(“エスコレ
ッ"5320、エクソン化学(株)製、融点125℃、分子量
(Mw)600、比重1.1)[比較例2] かくして得られたペレットを実施例1と同様にして溶融
押出し、2軸延伸し巻き取った。引続く抽出工程におい
ては、溶媒としてトルエンを用い、2分の抽出時間を保
持してつつ抽出をし、以下実施例1と同様にして、乾
燥、熱処理を行い微孔性フイルムを得た。
かくして得られたフイルムの特性を表1にまとめて示す
が、比較例1では分散性に劣ることが原因と思われるフ
イッシュアイあるいは空孔径のむらが多く発生し、10μ
mを越える大きい孔も確認された。また比較例2では空
孔率も低くセパレータとしては実用に耐えるものではな
かった。
比較例3 実施例1で用いたPPと抽出可能物質としてステアリルス
テアレート(融点51℃、分子量536、比重0.99)を用い
た以外は、同様にして、ペレット化した。該ペレットを
実施例1と同様にして溶融押出したがキャストされたフ
イルムは、きわめて脆く、引続く延伸あるいは抽出が困
難であったために、実験を中止した。
実施例5 ポリオレフイン樹脂として、IIが99%,[η]が2.4dl/
g,Mw/Mnが6.5,比重0.91のパウダーとDCHP“アエロジル"
300(粒径7mμ、表面積300m2/g,比重2.0)とを表1の組
成にて30mmの2軸押出機により、混合、ペレット化し
た。
該ペレットを40mm押出機により、60μmのキャストフイ
ルムを得た。該フイルムを130℃にて縦方向に3倍延伸
し、直ちに30℃の冷却ロールで冷却し、エッジ部をスリ
ットし、巻き取った。
該未抽出フイルムを実施例1に準じて抽出し、微孔性フ
イルムを得た。
かかるフイルムの特性を表1にまとめて示すが、微孔
性、機械特性ともに優れたものであった。
比較例4 実施例5においてDCHPの添加量を60容量部、無機粒子を
4容量部とした以外は同様にペレット化・延伸・抽出を
行いフイルムを得た。
かかるフイルムを評価した結果を表1に示すが、SEMに
よる表面観察では見掛上、孔は観測されるものの空孔率
は著しく低く、ラクトンも透過しないことから実質的に
連続孔が形成されおらずセパレータ等としては使用でき
ない。
実施例6 ポリオレフイン樹脂として、4メチルペンテン1ポリマ
ー(“TPX"DX845,三井石油化学(株)製、比重0.84をパ
ウダー化したもの)とDCHP及び無機粒子として“アエロ
ジル"380とを表1の組成にて、30mm2軸押出機により、2
40℃にて溶融混、ペレット化した。
該ペレットを40mm押出により、Tダイより押出し100μ
mのキャストフイルムを得た。
かくして得られたフイルムを130℃にて縦方向に4倍に
延伸後、実施例1と同様にしてメチルエチルケトンを用
いて抽出を行い、DCHPを99.5%以上抽出した。
かくして得られた微孔性フイルムの特性評価結果を表1
にまとめて示すが、空孔率、孔径共にセパレータ用とし
て優れたものであった。
[発明の効果] 本発明は、ポリオレフインに添加する抽出可能物質を特
定の有機固体を使用し、しかも延伸工程を抽出工程と適
宜組合わせることにより、次の様な効果を奏するのであ
る。
(1)ポリオレフインと抽出可能物質との混合に当たっ
て、無機粒子の添加比率の選択が広くなり、製膜性が良
好になった。
(2)抽出可能物質の抽出性に優れ抽出時間が短くて済
むために、コスト性に優れる。
(3)抽出と延伸を組合わせることにより幅広い特性の
微孔性フイルムが得られ、特に、電解コンデンサ等のセ
パレータとして優れた品質の微孔性フイルムが得られ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともポリオレフイン樹脂と抽出可能
    物質からなる混合物を溶融成形した後、該抽出可能物質
    を該ポリオレフイン樹脂の貧溶媒でかつ該抽出可能物質
    の良溶媒で抽出することにより、平均孔径が0.05〜5μ
    mである微細孔が連続したポリオレフイン微孔性フイル
    ムを得る方法であって、該抽出可能物質の融点が35〜10
    0℃、分子量が200〜1000であり、かつ該分子構造中に分
    極性及び極性基を含有する有機固体であり、該抽出可能
    物質のブレンド量が、該ポリオレフイン樹脂100容量部
    に対し、80〜180容量部であり、更に少なくとも1軸に
    2〜10倍に延伸する工程を含むことを特徴とするポリオ
    レフイン微孔性フイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】抽出可能物質がジシクロヘキシルフタレー
    ト及びトリフエニレンフオスフエイトから選ばれた少な
    くとも1種であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項に記載のポリオレフイン微孔性フイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】ポリオレフインが、極限粘度が2.1〜3.3dl
    /g,かつアイソタクチックインデックスが97%以上のポ
    リプロピレンであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項又は第2項に記載のポリオレフイン微孔性フイルム
    の製造方法。
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