JPH0778146B2 - ポリオレフイン微孔性膜の製造方法 - Google Patents

ポリオレフイン微孔性膜の製造方法

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JPH0778146B2 JP62326437A JP32643787A JPH0778146B2 JP H0778146 B2 JPH0778146 B2 JP H0778146B2 JP 62326437 A JP62326437 A JP 62326437A JP 32643787 A JP32643787 A JP 32643787A JP H0778146 B2 JPH0778146 B2 JP H0778146B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電解コンデンサ、電気2重層コンデンサ、バ
ッテリー等のセパレータあるいはミクロフイルターとし
て好適なポリオレフイン微孔性膜の製造方法に関するも
のである。
なお、ここでいう微孔性膜とは、少なくとも厚み方向に
連続した微細孔を有するフイルム状、チューブ状あるい
は中空糸状のものを指す。
[従来の技術] ポリオレフイン微孔性膜の製造方法としては、従来よ
り、可塑剤等の常温有機液体を無機微粒子に吸着させ、
ポリオレフインに添加し、シート成形後、該常温有機液
体あるいは無機微粒子を抽出する方法(特公昭58-32171
等)が知られている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、該方法では、次の様な問題点を有してい
た。すなわち、有機液体をポリオレフインに添加する方
法では、担体として特定量の無機微粒子が必須であるた
め、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ4メチルペンテン1等の側鎖分岐の多
い、チクソトロピー性の強いポリマーに関し、該技術を
適用しようとすると無機粒子添加によりさらにチクソト
ロピー性が強まり、押出安定性が得られないため、厚み
の均一性に劣り、特に膜厚の薄い微孔性膜が得られな
い、あるいは、無機粒子を添加するために、後工程で抽
出する場合でも完全に抽出するためには長時間必要であ
ったり、無機粒子の凝集物が原因と思われるボイド状欠
点があるという問題点があった。
[問題点を解決するための手段] 本発明はポリオレフインと、抽出可能な有機固体とのブ
レンド物を溶融押出し、冷却・固化後、該有機固体を抽
出することにより、連続した微細孔を有する微孔性膜を
形成する方法において、該有機固体の融点が35〜100
℃、分子量が200〜1000で、かつ分子構造中に分極性及
び極性基を含有するものであり、該ブレンド物を成形す
る際の冷却温度が、該有機固体の融点以上、該ポリオレ
フインの溶融結晶化温度以下の範囲であることを特徴と
するポリオレフイン微孔性膜の製造方法に関するもので
ある。
本発明においてポリオレフインとは、高密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、ポリメチ
ルブテン等のαオレフィン重合体及びこれらの共重合体
及びブレンド体である。
これらの中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン
系樹脂が、機械特性、耐薬品性、コスト性にバランスし
ており、特にポリプロピレン樹脂(以下PP樹脂と略称す
る)は、耐熱性の点で優れているので好ましい。さらに
機械強度を良好とし、微細孔を均一とするためには、PP
樹脂の極限粘度(以下[η]と略称する)が2.1〜3.3dl
/g,好ましくは、2.3〜3.0dl/gの範囲のものが優れてい
る。
また、該PP樹脂のアイソタクチックインデックス(以下
IIと略称する)は、93%以上であることが好ましく、さ
らに好ましくは97%以上である。IIがこの範囲にあると
空孔径、空孔率共に良好となるばかりか、添加した有機
固体の抽出速度が大きく、抽出時間が短時間ですみコス
ト性に優れる。
次に、本発明に用いる抽出可能な有機固体とは、融点が
35〜100℃であることが必要であり、好ましくは、45〜8
0℃である。融点が低すぎると、PPとのブレンド時に押
出機スクリューの供給部でスリップを生じる原因とな
り、実質的にブレンドできず、無機微粒子の添加が必須
となり、本発明の目的と果たさない。
一方、融点が高すぎると、抽出速度が遅くなり、コスト
的な問題を生じるばかりか、ポリオレフインとのブレン
ド物をキャストした際の相分離構造が不均一となり、孔
径分布が広がったり、延伸できない場合も生ずる。
また、有機固体の分子量は、200〜1000であることが必
要であり、好ましくは、300〜500である。分子量が小さ
すぎると、ポリオレフインに対する溶解性が高くなって
いくために、空孔率、空孔径共に小さいものしかでき
ず、本発明の目的を果たさない。一方、分子量が大きす
ぎると、該有機固体のポリオレフイン中での分散径が大
きくなり、形成される空孔が大きく、孔径分布も広が
り、本発明の目的を果たさない。また、抽出時間も長く
なるため、コストアップの原因となる。
更に、該有機固体の分子構造の中には、分極性及び極性
基を含有していることが必要である。ここで、分極性の
基とは、ベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族環を含む
基を指し、極性基とは、例えば岩波書店「理化学辞典」
に記されているような有極性分子を構成要素とするもの
であり、カルボニル基、アミノ基、スルホン基、水酸基
等が例示される。該有機固体中に分極性の基のみである
様な、例えば、低分子量ポリスチレンの様なものでは、
ポリオレフインに対する分散性は極めて高いために、多
量に添加し抽出したとしても、孔径、空孔率共に低いも
のしかできず、電解液を含浸した際の抵抗が増大する。
一方、極性基のみを含有する様な有機固体、例えば、脂
肪酸エステルの様なものでは、ポリオレフインに多量に
添加した際に相分離構造の分散径が大きくなるためか、
キャストされたシートあるいはチューブ状物が著しくも
ろくなり引続くプロセスが実質的に不可能である。もち
ろん、極性基及び分極基のいずれも含有しないような物
質では、ポリオレフインに添加した際の相分離構造が均
一に形成できないばかりか、抽出溶媒がポリオレフイン
を溶解し易いものに限定されてくるために抽出が困難に
なる。
以上の様な特性を有する有機固体の中でも、塩化ビニル
等の可塑剤として使用されているフタル酸エステル、リ
ン酸エステル等が優れており、特に、ジシクロヘキシル
フタレート(DCHP),あるいはトリフエニルフオスフエ
イト(TPP)から選ばれた少なくとも1種であることが
好ましい。
該有機固体の添加量は、ポリオレフイン樹脂100容量部
に対し、80〜180容量部であることが好ましく、さらに
好ましく90〜160容量部であることが望ましい。添加量
が少ないと、連続した微細孔が形成されず、電解コンデ
ンサ等のセパレータとして使用した場合、電解液抵抗が
増大し、使用できない。一方、添加量が多すぎると、押
出機に原料を供給した際に、吐出変動を生じ、均一な膜
にならないばかりか、、膜の機械強度が低下し、使用に
耐えない。
また、ポリオレフイン樹脂には、熱安定剤、酸化防止
剤、有機あるいは無機滑剤、帯電防止剤等を添加しても
良く、特にステアリン酸カルシウム等の脂肪酸の金属塩
を全組成物に対して0.01〜5重量部添加しておくと、吐
出性等が良好となるので好ましい。
さらに、無機微粒子の添加については、添加による押出
し性の悪化が生じない範囲で添加することは許される
が、極力添加しないことが好ましく、ポリオレフイン樹
脂100容量部に対し、10容量部以下、さらに好ましくは
5容量部以下としておくことが好ましい。
次に上述のブレンド物を溶融押出し、成形する際の温度
は、該有機固体の融点(Tm1)以上、該ポリオレフイン
の溶融結晶化温度(Tmc)以下で冷却することが必要で
あり、好ましくは、Tm1〜(Tm1+Tmc)/2の範囲であ
る。
冷却温度が低すぎると、ポリオレフインと有機固体との
相分離が進行せず、連続した微細孔が形成されない。一
方、冷却温度が高すぎるとポリオレフインの球晶発達の
ために連続貫通孔性が低下し、電解液セパレータとして
使用した際に、抵抗の増大等を招く。
さらに、冷却時の冷却速度は、極力大きいことが好まし
く、さらに押出したシート・フイルム状物あるいは、チ
ューブ、中空糸の表裏が均一に冷却されることが好まし
い。この観点から、これら溶融押出し物の冷却は、上述
の温度に保たれた水槽中に導いて行うことが好ましい。
ここで、冷却に使用する液体は、通常水が良く使用され
るが、必要に応じエチレングリコール、ジエンチレング
リコール等の沸点の高い液体を水と混合しておいてもよ
く、またこれに限定されるものではない。
また、溶融物をTダイにてフイルムあるいはシート状に
成形する場合には、静電印加法により十分な押圧力にて
密着させることにより、水槽キャスト法と同等の冷却速
度が得られる。
以上の様にして、成形する際のドラフト比は4以上とし
ておくことが、相分離構造の均一性・連続貫通孔性に優
れるために好ましく、さらに6以上であるとより好まし
い。
以上の様にして得られた成形品は、該有機固体の良溶媒
であり、かつ該ポリオレフインの貪溶媒中に導いて、該
有機固体の好ましくは95%以上、より好ましくは99%以
上を抽出することにより、微孔性膜を得る。ここで、使
用する溶媒としては、トリクロルメタン、トリクロルエ
タン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メ
タノール、トルエン、キシレン等が挙げられる。この中
でも、トリクロルエタン、トリクロルエチレン等のハロ
ゲン系溶媒は抽出能力も高く、発火の危険も無いため工
業上良く使用される。
また、キャストされた成形品は、延伸することにより機
械特性及び微細孔の連続貫通孔性が良好となるので好ま
しい。ここで延伸する際には延伸前の抽出で、添加した
有機固体の95%以上、好ましくは99%以上を取り除いて
おくことが連続貫通孔性を良好とする上で好ましいが、
必ずしも抽出は延伸の前に行なう必要は無く、延伸の後
に抽出を行なう、あるいは延伸しながら抽出を行なう、
部分的に抽出を行ない延伸し、次に完全に抽出する等の
方法が可能である。
ここで、延伸は(該ポリオレフィンのガラス転移点)〜
(該ポリオレフィンの融点−10℃)の温度にて、少なく
とも一軸に1.5〜10倍、好ましくは1.7〜7倍延伸するこ
とが機械特性、連続貫通孔性を良好とする上で好まし
い。また、この時に少なくとも一部の延伸工程におい
て、延伸速度が5000%/分以下、好ましくは2000%/分
以下、さらに好ましくは1000%/分以下の低速延伸工程
を含んでいるとさらに連続貫通孔性が良好となるので好
ましく、例えば一軸延伸にて複数段に延伸ゾーンを設
け、少なくともいずれかの延伸ゾーンにて上記低速延伸
を行なう方法、あるいは、二軸に延伸する方法において
いずれか一方向の延伸工程に上記低速延伸工程を含めば
良い。ここで、二軸に延伸する方法としては、長手方向
に任意の延伸速度で1.5〜10倍延伸した後、幅方向に上
記低速延伸法により、1.1〜4倍、好ましくは、1.1〜2
倍、さらに好ましくは1.2〜1.5倍で延伸することにより
面積倍率で1.7〜15倍、好ましくは2〜10倍の範囲とし
ておくと、機械特性・連続貫通孔性・微孔形状の均一性
いずれも良好となるので好ましい。
以上のような延伸の後に、必要に応じ再度抽出を行なう
ことにより、添加した有機固体の95%以上、好ましくは
99%以上を抽出した後、該ポリオレフィンの溶融結晶化
温度以上、融点−5℃以下の温度で0〜20%、好ましく
は1〜10%のリラックスを許しながら熱固定すると、熱
寸法安定性が良好となるので好ましい。
さらに本発明においては、必要に応じ微孔性膜に紫外線
照射処理、コロナ放電処理、低温プラズマ処理等の表面
処理、界面活性剤塗布、あるいはスルホン化、メチルメ
タアクリレート等のグラフト処理による親水化処理を行
なっても良い。特に本発明により得られる微孔性膜を水
溶液系のミクロフィルター、電解液セパレータとして使
用する際には、親水化処理を行なうことが好ましい。
本発明において、抽出後延伸する際に、延伸前あるいは
延伸中に上記の親水化処理を行なうことができる。こう
するとコスト性が向上するばかりか、処理が均一にでき
るので好ましい。
以上の様にして得られたフイルムは、通常平均孔径が0.
05〜5μm、空孔率が50〜85%の範囲であり、空孔の均
一性の優れるばかりか、製法上、ボイド状の欠点が生じ
ることがなく、耐ピンホール性が良好であるために、ミ
クロフイルター、電解コンデンサ、リチウム電池等の電
解液セパレータとして有用であるばかりか、本フイルム
を基体フイルムとして表層に例えば気体分離能等の分離
能を有する様な機能性膜のコーチングを行うことによ
り、酸素富化膜、パーベーパレーション等の用途等にも
使用できる。
[特性の測定方法及び効果の評価方法] 次に本発明に関する測定方法及び評価方法について、ま
とめて示す。
(1)PPの極限粘度([η]) ASTM D 1601に準拠し、試料0.1gを135℃のテトラリン10
0mlに完全溶解させ、この溶液を粘度計で135℃の恒温槽
中で、測定して比粘度Sより次式にしたがって極限粘度
を求める。
[η]=S/{0.1×(1+0.22×S)} (2)メルトインデックス(MI) PE:ASTM−D1238−65Tに従い測定する。
PP:ASTM−D1238−62Tに従い測定する。
単位はいずれもg/10分 (3)PPのアイソタクチックインデックス(II) 試料を130℃で2時間真空乾燥する。これから重量W(m
g)の試料をとり、ソックスレー抽出器に入れ、沸騰n
−ヘプタンで12時間抽出する。
次に、この試料を取出し、アセトンで十分洗浄した後、
130℃で6時間真空乾燥し、その後重量W′(mg)を測
定し、次式で求める。
II(%)=(W′/W)×100 (4)ポリオレフインの融点及び溶融結晶化温度走査型
熱量計DSC−2型(Perkin Elmer社製)を用い、試料5mg
を窒素気流下で、昇温速度20℃/分にて室温より測定
し、融解に伴う吸熱ピーク温度を融点とする。
引続き、280℃まで昇温し、5分間保持した後に20℃/
分の降下速度にて温度を下げる過程で、ポリオレフイン
の結晶化に伴う潜熱のピーク温度を溶融結晶化温度とす
る。
(5)有機固体の融点 ASTM−E−28に従い測定する。
(6)MD(長手方向)強度 サンプル長手方向(MD)の破断強度をJISK6782に従い測
定し、kg/15mmで表す。
(7)流動パラフイン透過時間 JIS K 9003に規定された、37.8℃における粘度が77±1
センチストークスの流動パラフインを使用し、流動パラ
フイン及びサンプルを雰囲気温度25℃にて24時間保持
後、サンプルを水平面におき、サンプル上5〜20mmの高
さより流動パラフイン0.03〜0.06gを自然落下させる。
このとき、流動パラフインがサンプル面に接した時よ
り、サンプル面を透過し、反体面を湿すまでの時間を測
定し、流動パラフイン透過時間(秒)とする。
(8)平均孔径 サンプル表面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察により孔
径の長軸及び短軸を測定し、平均長軸及び平均短軸の相
乗平均を平均孔径とする。
(9)空孔率(Pr) 試料(10×10cm)を流動パラフインに24時間浸漬し、表
層の流動パラフインを十分に拭きとった後の重層(W2)
を測定し、該試料の浸漬前の重量(W1)流動パラフイン
の密度(ρ)より空孔体積(V0)を次式で求める。
V0=(W2−W1)/ρ 空孔率(Pr)は、見掛け体積(厚み、寸法より計算され
る値)Vと空孔体積V0より計算される。
Pr=V0/V×100(%) (10)ドラフト比 押出機口金の断面積(S1)とキャストされたシート状も
しくはチューブ状物の断面積(S2)との比S1/S2で定義
する。
(11)実施例中のブレンド物の構成比 実施例中のブレンド物の構成比は、各ブレンド物の重量
比と真比重より換算したものである。
[実施例] 次に本発明について、実施例に基づき、説明する。
(原料の調製) 表1に示すように、ポリプロピレン(PP)パウダー(い
ずれも、三井ノーブレンパウダー)及び中密度ポリエチ
レン(MDPE)パウダー(ネオゼックス)とを用意し、可
抽出物質として、ジシクロヘキシルフタレート(DCH
P)、トリフエニルホスフエイト(TPP),DOP(ジオクチ
ルフタレート),低分子量ポリスチレン(“ハイマー"S
T−75,三洋化成(株)製)とを2軸スクリュー押出機を
用い溶融ブレンドし、ペレット化した。なお、DOPを添
加する際には、無機微粒子(“アエロジル"200日本アエ
ロジル(株)製)に予めDOPを吸着させ、樹脂パウダー
に添加した。また、表1に記した添加量はポリオレフイ
ン樹脂100容量部に対するものである。
実施例1〜3 原料Aを用い、40mm押出機よりTダイを用いシート状に
溶融押出し、ドラフト比6にて、65℃のキャステイング
ドラム上にタングステン線に6kvの直流電圧を印加して
密着させつつ冷却固化した(静電印加法、実施例1)。
また、静電印加を行わないで、同様な条件で冷却固化し
た(実施例2)。
さらに、溶融シートを、水槽(68℃、水)に導き、ドラ
フト比7にて導きながら、冷却固化した(実施例3)。
以上の様にして得られたキャストフイルムを1−1−1
トリクロルエタン抽出槽に導き、2分間の抽出時間を保
ちながら、添加したDCHPの99%以上を抽出し、100℃に
て溶媒を乾燥後巻きとった。
こうして得られた抽出フイルムをロール式延伸装置を用
い135℃にて、3.5倍に長手方向(MD)に延伸後、145℃
にて5%のリラックスをゆしるながら熱固定し巻きとっ
た。
以上のようにして、得られたフイルムの製造条件及び特
性を表2にまとめて示すが、機械特性、流動パラフイン
透過性(微孔の連続性)に優れた微孔性フイルムとなっ
ていることがわかる。
比較例1,2 実施例1において、キャステイングドラム温度をつぎの
様に変更した以外は同様に微孔性フイルムを製膜した。
CD温度:50℃(比較例1) 120℃(比較例2) 以上の様にして得られた微孔性フイルムの特性を表2に
示すが、実施例1に比較し、著しく流動パラフイン透過
時間が増大しており、微細孔の連続性が低下しているこ
とがわかる。
比較例3 原料として表1のDを用い、実施例1でもちいた押出し
装置を用いキャステイングドラムにて冷却固化したが、
溶融物の押出し安定性に劣るために、250μm以下の薄
いキャストフイルムは得られなかった(ドラフト比
2)。
つぎに、実施例1で用いた抽出槽に導き、添加したDOP
の99%以上を抽出するたえ6分必要であった。
引続き、実施例1と同様に長手方向に延伸し、微孔性フ
イルムを得た。
こうして得られたフイルムの特性を表2に示すが、MD強
度が小さいばかりか、流動パラフイン透過時間が長く、
微細孔の連続性に劣ることが分る。さらに、部分的に無
機微粒子の凝集物によるボイド状欠点を有していた。
実施例4 原料として、表1のBを用い、ドラフト比20にて68℃の
水槽に導いて冷却固化し、厚み25μmのキャストフイル
ムを得た。
引続き実施例1の抽出装置で、添加したDCHPの99%以上
を抽出し、乾燥後巻きとった。
こうして、得られたフイルムの特性を表2に示すが、延
伸していないにもかかわらず、流動パラフイン透過性に
優れ、かつ、平均孔径の小さい微孔性フイルムを得る方
法として、優れていることがわかる。
実施例5、6 原料として表1のC(実施例5)及び、E(実施例6)
を用い、実施例3と同様に冷却固化し巻きとり、抽出を
おこなった。引続き実施例5では138℃にて3倍に延伸
し、実施例6では100℃にて3倍に延伸し、微孔性フイ
ルムを得た。
こうして得られたフイルムは、表2に示す様に、機械特
性、微孔性共に優れていることが分かる。
比較例4 原料として表1のFを用い、水槽温度を80℃とした以外
は実施例3と同様に冷却固化し巻きとった。引続き1−
1−1トリクロルエタン抽出槽に導き抽出を行ったが、
添加した低分子量ポリスチレンの99%以上を抽出するた
めに20分必要とした。次にこうして得られた抽出フイル
ムを、138℃にて3.0倍に延伸し引続き145℃にて5%の
リラックスを許しながら熱固定し、巻きとった。
こうして得られた微孔性フイルムの特性を表2に示す
が、流動パラフイン透過時間が著しく長く、連続貫通孔
性に劣ることがわかる。
実施例7 実施例1において、ドラフト比を3とした以外は、同様
にして微孔性フイルムを得た。
表2に示す様に。流動パラフイン透過性、機械特性いず
れも優れることがわかる。
[発明の効果] 本発明は、ポリオレフインに添加する有機固体を特定化
し、冷却温度条件を有機固体の融点からポリオレフイン
の溶融結晶化温度の範囲とすることにより、次の様な効
果を奏するものである。
(1)可抽出物質の添加のために無機微粒子等の添加副
物質が必要となくなり、製造できる微孔性膜にフィッシ
アイ状の欠点がないばかりか、溶融押出時のチクソトロ
ピー性をベースポリオレフインと比較し著しく損なうこ
とがなく、多くのポリオレフインに対し適用できる。
(2)キャスト時の相分離構造の均一性、連続性に優れ
るために、製造できる微孔のサイズの均一性及び厚み方
向の連続貫通孔性にすぐれる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフインと、抽出可能な有機固体と
    のブレンド物を溶融押出し、冷却・固化後、該有機固体
    を抽出することにより、連続した微細孔を有する微孔性
    膜を形成する方法において、該有機固体の融点が35〜10
    0℃、分子量が200〜1000で、かつ分子構造中に分極性及
    び極性基を含有するものであり、該ブレンド物を成形す
    る際の冷却温度が、該有機固体の融点以上、該ポリオレ
    フインの溶融結晶化温度以下の範囲であることを特徴と
    するポリオレフイン微孔性膜の製造方法。
  2. 【請求項2】溶融押出し後の冷却・固化を水槽中で行な
    うことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載のポリ
    オレフイン微孔性膜の製造方法。
  3. 【請求項3】溶融押出しを、T型ダイにより行ない、か
    つ冷却・固化をドラム上で行ない、かつ静電印加により
    溶融物を該ドラム上に押圧することを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載のポリオレフイン微孔性膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】溶融押出し時のドラフト比が4以上である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第3項のいず
    れかに記載のポリオレフイン微孔性膜の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリオレフインと、抽出可能な有機固体と
    のブレンド物を溶融押出し、冷却後該有機固体を抽出後
    延伸することにより連続した微細孔を有する微孔性膜を
    形成する方法において、該有機固体の融点が35〜100
    ℃、分子量が200〜1000でかつ分子構造中に分極性およ
    び極性基を含有するものであり、該ブレンド物を成形す
    る際の冷却温度が該有機固体の融点以上、該ポリオレフ
    インの溶融結晶化温度以下の範囲であり、少なくとも一
    軸に1.5〜10倍延伸する工程を含むことを特徴とするポ
    リオレフイン微孔性膜の製造方法。
  6. 【請求項6】延伸する際の引き伸ばし速度が5000%/分
    以下であることを特徴とする特許請求の範囲第5項のポ
    リオレフイン微孔性膜の製造方法。
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