JP2503007B2 - 微孔性ポリプロピレンフイルム - Google Patents

微孔性ポリプロピレンフイルム

Info

Publication number
JP2503007B2
JP2503007B2 JP7446487A JP7446487A JP2503007B2 JP 2503007 B2 JP2503007 B2 JP 2503007B2 JP 7446487 A JP7446487 A JP 7446487A JP 7446487 A JP7446487 A JP 7446487A JP 2503007 B2 JP2503007 B2 JP 2503007B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
fibrils
parts
porosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7446487A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63243146A (ja
Inventor
茂 田中
勝洋 土屋
健次 矢部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP7446487A priority Critical patent/JP2503007B2/ja
Publication of JPS63243146A publication Critical patent/JPS63243146A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2503007B2 publication Critical patent/JP2503007B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D39/00Filtering material for liquid or gaseous fluids
    • B01D39/14Other self-supporting filtering material ; Other filtering material
    • B01D39/16Other self-supporting filtering material ; Other filtering material of organic material, e.g. synthetic fibres
    • B01D39/1669Cellular material
    • B01D39/1676Cellular material of synthetic origin

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Filtering Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無菌包装シート、衣服の芯地、衛生ナプキ
ン、電解コンデンサー用セパレーター、電気2重層コン
デンサー用セパレーター、バッテリー用セパレーター、
フィルターなどの用途に適した微孔性ポリプロピレンフ
ィルムに関するものである。
〔従来の技術〕
微孔性ポリプロピレンフィルムとしては、従来より次
のようなものが知られている。
(1) 非相溶性ポリマーおよび無機微粒子をブレンド
し、延伸して得られたフィルム(特開昭50−16561号公
報)。
(2) 高剪断下でポリオレフィンを冷却することによ
り、特定の結晶構造を形成し、延伸して得られたフィル
ム(特公昭46−40119号公報)。
(3) 抽出可能な成分をポリオレフィンに添加し、シ
ート成形後、抽出して得られたフィルム(特公昭58−32
171号公報、特公昭61−37436号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記従来の微孔性フィルムは、下記のような
問題を有していた。すなわち、(1)は微孔性フィルム
の孔径の均一性に劣り、孔径が10μm以上と大きく、フ
ィルムがもろくて機械的性質に劣る。(2)では、フィ
ルム厚みが20〜30μmと限定され、孔径が0.01〜0.05μ
mと小さく、しかも長手方向に裂けやすく取扱い性に劣
る。また、低温押出/高ドラフトキャストという特殊な
成形条件、さらに15分〜60分と非常に長い時間の熱処理
工程が必要なため、生産性が非常に悪い。(3)では、
平均孔径が0.1〜5μmであるが、空孔率が低く、フィ
ルムがもろくて使用に耐えない。また、いずれのフィル
ムも120℃/15分の熱風オーブン加熱で、長手方向が7%
以上収縮して熱寸法安定性に劣る。などの欠点を有して
いた。
本発明は、かかる問題点を解消し、空孔率が高く、し
かも機械的性質に優れ、熱寸法安定性に優れた微孔性ポ
リプロピレンフィルムを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、平均孔径が0.1〜5μmの空胞同志が連続
した三次元網目構造と、一方向に配列したフィブリルと
を有し、かつ該フィブリル間の平均間隙が0.2〜10μm
であることを特徴とする微孔性ポリプロピレンフィルム
に関するものである。
本発明の微孔性ポリプロピレンフィルムにおいて、三
次元網目構造と一方向に配列したフィブリルとは、フィ
ルムの表面および断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で、1
000〜10000倍程度で観察し、その表面が一方向に配列し
てフィブリル化しており、表面および断面に網目状の空
胞同志が連続して重なり合った状態をいう。
上記空胞の平均孔径は0.1〜5μm、好ましくは0.2〜
3μmで、フィブリル間の平均間隙は0.2〜10μm、特
に0.7〜5μmであることが好ましい。平均孔径が0.1μ
m、好ましくは0.2μm以下では、空孔率および透湿度
が低く、液体の含浸性も悪い。また5.0μm、好ましく
は3μmを越えると漏水性に劣り、フィルムの破断強度
や破断伸度が低下して機械的性質も劣る。フィブリル間
の平均間隙が0.2μm以下では空孔率および透湿度が低
く、10μm以上ではフィルムの破断強度や破断伸度が低
下して機械的性質が劣る。
また、本発明の微孔性フィルムは、三次元網目構造と
一方向に配列したフィブリルから構成されている必要が
ある。網目状に微孔化したのみではフィルムが脆く、フ
ィブリルのみでは裂けやすく実用に必要な機械的性質に
劣るため、取扱い性が非常に悪くなる。
本発明で用いるポリプロピレ原料の極限粘度(η)
(135℃のテトラリン中で測定)は1.6〜4.2dl/g、好ま
しくは2.0〜3.2dl/gの範囲のものが好ましく、またアイ
ソタクチックインデックス(II)(沸騰n−ヘプタン中
の不溶分)として90%以上のもの、好ましくは96%以上
のものが好ましい。得られたフィルムの極限粘度として
は、1.9〜2.9程度のものが好ましい。また、ポリプロピ
レン以外の第2成分、例えばエチレン、ブテン−1、な
どの共重合成分をポリプロピレンに対して5モル%以下
の量を共重合させてもよい。また公知の添加剤、たとえ
ば滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、熱安定
剤、すべり剤、帯電防止剤、結晶核剤などを含有させて
もよい。また本発明のフィルムは、微孔性フィルムとし
ての性能を低下させない程度に無機物質、例えば二酸化
ケイ素、酸化チタン、ステアリン酸カルシウムなどを含
有したものとしてもよい。
本発明のフィルムは、例えば次のようにして得ること
ができる。まず、ポリプロピレン100重量部と抽出可能
な有機固体70〜180重量部と平均粒径5〜100mμの無機
物質20〜50重量部を含む混合物を溶融押出後、50〜100
℃の温度で線圧25〜200kg/cmの圧力をかけながらシート
状に成形した後、抽出可能な有機固体を抽出し、少なく
とも一軸に2〜10倍に延伸する。または少なくとも一軸
に2〜10倍延伸した後抽出可能な有機固体を抽出する。
抽出可能な有機固体とは、軟化点が35℃〜100℃、分
子量が200〜1000のものである。これらの抽出可能な有
機固体としては、ジシクロヘキシルフタレート(DCH
P)、トリフェニレンホスフェイト(TPP)、セチルパル
ミエート、ステアリルスアレート、ペンタエリスリトー
ルステアレートなどがあり、特に分子構造中に分極性お
よび極性基を含有するDCHP、TPPが、目的とする空孔率
および平均孔径を得る上で特に好ましい。
また無機物質の粒径としては5〜100mμ、より好まし
くは、7〜30mμのものが分散性の点で望ましい。
本発明においては、上述のポリプロピレン100重量部
に対し、抽出可能な有機固体を70〜180重量部、好まし
くは、90〜160重量部と無機物質を20〜50重量部、好ま
しくは25〜40重量部添加混合する。該有機固体の添加量
が少なすぎると、形成される孔の空孔率が、孔径共に小
さいものしか得られず、添加量が多すぎると、該組成物
の粘度が著しく低下し押出しが困難になる。一方、無機
物質の添加量が少ないと、形成される孔の空孔率が、空
径共に小さいものしか得られず、添加量が多すぎると、
押出性が低下する。
該組成物を220℃で溶融押出し、カレンダーロールを
用いて加圧しながら冷却してシート状に成形する。この
時のカレンダーロール温度は50〜100℃、好ましくは60
〜90℃としておくと延伸性、微孔性共に良好になるので
望ましい。また、線圧は25〜200kg/cm、好ましくは50〜
150kg/cmで、該シートの機械方向の強度(SMD)と幅方
向の強度(STD)との比(SMD/STD)を1.1〜2.5の範囲と
しておくことが本発明のフィルムを得る点で特に望まし
い。次いで、このシートを抽出層に導き有機固体を抽出
する、該有機固体の抽出溶媒としては、ポリプロピレン
の不溶溶媒で、抽出可能な有機固体の可溶溶媒であれば
特に制限されない。これらの溶媒としては、トリクロル
エチレン、トリクロルエタン、メチルエチルケトン、ト
ルエン、キシレン、メタノール、酢酸エチル等が挙げら
れる。
また、本発明においては、抽出前あるいは、抽出後ま
たは抽出中に少なくとも一軸に2〜10倍延伸することが
必要である。延伸温度としては、90〜140℃が微孔化お
よび安定製膜性の点で好ましい。延伸倍率が2倍以下で
は、平均孔径が0.1〜5μmのフィブリル化した微孔性
フィルムが得られない。延伸倍率が10倍を越えると、平
均孔径が大きくなり、フィルムが脆くなる。
上記工程後、完全に有機固体が出された状態で、120
〜170℃の温度で熱処理して本発明の微孔性フィルムを
得る。
以上の様にして得られた微孔性ポリプロピレンフィル
ムは、必要に応じて無機物質をアルカリ水溶液で抽出す
る。また、必要に応じてコロナ放電処理、プラズマ処
理、あるいは親水性コーティング、親水基グラフト処
理、スルホン化処理等により親水化したものとしてもよ
い。
〔作用〕
本発明の微孔性ポリプロピレンフィルムは、平均孔径
が0.1〜5μmの空胞同志が連続した三次元網目構造
と、一方向に配列したフィブリルとを有し、かつ該フィ
ブリル間の平均間隙を0.2〜10μmとしたことにより、
空孔率が高いものにもかかわらず、機械的に強靭であ
り、取扱い性に優れたものとすることができたものであ
る。
〔特性の測定方法並びに効果の評価方法〕
本発明フィルムの特性値の測定方法並びに効果の評価
方法は次の通りである。
(1) 平均孔径は、SEM(走査電子顕微鏡)によって
得られた表面および断面写真の画像をイメージアナライ
ザー処理し、孔の面積からその面積に等しい円の直径に
換算し孔径とし、その平均値を平均孔径とした。
(2) フィブリルの平均間隙は、SEMによる表面観察
結果から、5cm平方当りのフィブリルの平均間隙を計算
した。
(3) 空孔率は試料(10×10cm)を流動パラフィンに
24時間浸漬し、表層の流動パラフィンを充分に拭きとっ
た後の重量(W2)を測定し、該試料の浸漬前の重量(W
1)と流動パラフィンの密度(ρ)より空孔体積(v)
を次式で求める。
va=(W27−W1)/ρ 空孔率(Pr)は、見掛体積(厚み、寸法より計算され
る値)Vと空孔体積より次式で計算される。
Pr=(V−va)/V×100(%) (4) 連続貫通孔は、流動パラフィンを該フィルム表
面に滴下し、それが浸透して該フィルムが透明化すれば
連続貫通孔であり、その浸透速度が速ければ速いほど連
続貫通孔性に優れている。
(5) 透湿度は、JISZ−0208に従い、40℃・90%RHの
条件で測定した値でg/m2・日/0.1mm単位で表わす。
(6) 漏水性は、ブンデスマンテスト方式で、降雨量
600mm/hrで2時間実施した。
(7) 極限粘度(η)は、ASTM D 1601に従ってテ
トラリン中で測定したもので、dl/g単位で表わす。
(8) アイソタクチック・インデックス(II)は、沸
騰n−ヘプタンの抽出残量(wt%)で表わす。
(9) 破断強度、破断伸度は、JIS K 6782に準じ
て測定した。
(10) 熱収縮率は、フィルムから、長さ200mm、幅10m
mの試料を切取る(熱収縮率を測定する方向を長さ方向
とする。)この試料を120℃の熱風循環オーブン中に15
分間保持した後、室温中に取出し、その長さL(mm)を
測定し、次式で求める。
熱収縮率(%)=100×(200−L)/200 (11) 引裂伝潘抵抗は、JIS Z 1702に準じて測定
した。
(12) 融点(Tm)は、走査型熱量計DSC−2型(Perki
n Elmer社製)を用い、試料5mgを窒素気流下で、昇温速
度20℃/分にて室温より測定し、融解に伴なう吸熱ピー
ク温度を融点(Tm)とする。
〔実施例〕
以下、本発明について実施例および比較例に基づいて
説明する。
実施例1,2 (η)2.8、(II)97%のポリプロピレン粉末100重量
部に対し、融点63℃、重量平均分子量330のジシクロヘ
キシルフタレート128重量部と平均粒径12mμの無機物質
(“アエロジル”#200、日本アエロジル製)45重量部
を添加混合し、二軸押出機により200℃で溶融混合しペ
レット化した。尚、この時、押出性改良の目的で該混合
物100重量部に対し、ステアリン酸カルシウムを1.0重量
部添加した。
こうして得られたペレットを38mmφ押出機よりT−ダ
イを用い220℃でシート状に溶融押出し、70℃のカレン
ダーロールにて線圧100kg/cmの圧力をかけながら冷却固
化した。つづいて該シートを50℃のメチルエチルケトン
の抽出槽に導き、1分間の抽出時間を保持しつつ抽出を
行ない、防爆型オーブンで120℃にて乾燥を行ない巻き
取った。
引き続きロール表面温度140℃に加熱された縦延伸機
で3.0倍縦延伸し、続いて140℃に加熱保持されているス
テンターに導入し、幅方向に3.0倍延伸し、さらに幅方
向に5%のリラックスをしながら熱固定する(実施例
1)。またカレンダーロールにて圧力をかけながら冷却
固化された上記シートをロール表面温度120℃に加熱さ
れた縦延伸機で3.0倍縦延伸し、続いて130℃に加熱され
ているステンターに導入し、幅方向に4倍延伸し、さら
に幅方向に5%のリラックスをしながら熱固定する。次
いでこのフィルムを50℃のメチルエチルケトンの抽出槽
に導き、1分間の抽出時間を保持しつつ抽出を行ない、
防爆型オーブンで140℃にて乾燥を行なうと同時に熱固
定を行ない巻き取った(実施例2)。かくして得られた
フィルムの厚みはいずれも55μmで、SEMによる表面お
よび断面観察で三次元網目構造と一方に配列したフィブ
リルから構成されていた。SEMによる表面写真を第1図
に、断面写真を第2図に示した。またこれらのフィルム
特性は第1表の通りであった。この表から明らかなよう
に本発明のフィルムは、空孔率が高く、連続貫通孔性に
優れ、機械的性質および熱寸法安定性に優れた微孔性フ
ィルムであることがわかる。
実施例3,4 (η)2.3、(II)97%のポリプロピレン粉末100重量
部に対し、融点49℃、重量平均分子量326のトリフェニ
ルホスフェイトを150重量部と平均粒径7mμの“アエロ
ジル”#380を45重量部添加混合し、実施例1と同様に
してペレット化した。
該ペレットを38mmφ押出機よりT−ダイを用い220℃
でシート状に溶融押出し、90℃のカレンダーロールにて
線圧50kg/cmの圧力をかけながら冷却固化してシートを
得た。
該シートを実施例1と同様に、抽出、延伸、熱固定し
てフィルムを得た(実施例3)。
また、上記シートをロール表面温度140℃に加熱され
た縦延伸機で4.5倍縦延伸し、続いて140℃に加熱保持さ
れたステンターに導入し、幅方向に4.0倍延伸し、さら
に幅方向に5%のリラックスをしながら熱固定してフィ
ルムを得た(実施例4)。
かくして得られたいずれの微孔性フィルムもSEMによ
る表面および断面観察で三次元網目構造と一方向に配列
したフィブリルから構成されていた。またこれらのフィ
ル特性は第1表に示すが、いずれも空孔率、機械的性質
および熱寸法安定性に優れたものであった。
比較例1,2 実施例1において、カレンダーロールキャスト時の線
圧を15kg/cm(比較例1)と300kg/cm(比較例2)とし
た以外はまったく同様にしてそれぞれのフィルムを得
た。いずれのフィルムもSEMによる表面観察では三次元
網目構造とフィブリルとから構成されていたが、比較例
1のフィルムは平均孔径が7μmでフィブリル間の平均
間隙が15μmと大きく、特性は第1表に示したように空
孔率が高いがフィルムが脆く機械的性質に劣ったもので
あった。比較例2のフィルムは平均孔径が0.05μmでフ
ィブリル間の平均間隙が0.1μmと小さく、特性は機械
的性質は良好であったが空孔率が低く、透湿性の劣った
ものであった。
比較例3 (η)2.8、(II)98%のポリプロピレン100重量に対
し、融点49℃、分子量326のトリフェニルホスフェイト
を60重量部と“アエロジル”#200を20重量部添加混合
し、実施例1と同様にペレット化して、220℃でシート
状に溶融押出し、60℃のキャスティングドラム上で冷却
固化し、以下実施例1と同様にしてフィルムを得た。該
フィルムは、SEMによる表面観察では見掛上、孔は観測
されるものの、三次元網目構造とフィブリルとから構成
されず、特性としては、第1表に示したように、空孔率
が低く、機械的性質に劣り、熱収縮率の大きなものであ
った。
比較例4 (η)1.5、(II)97%のポリプロピレン粉末100重量
部に、表面活性化処理された平均粒径0.15μmの炭酸カ
ルシウム(ビコット10S,白石工業製)を100重量部と、
ポリスチレン樹脂(スタイロン679,旭化成工業製)を50
重量部添加混合し、二軸押出機により220℃で溶融混合
しペレット化した。該ペレットを38mmφ押出機よりT−
ダイを用い220℃でシート状に押出し、実施例1と同様
にカレンダーロールキャストで、シート状に成形した。
つづいて該シートをロール表面温度130℃に加熱された
縦延伸機で3.0倍縦延伸し、続いて140℃に加熱されてい
るステンターに導入し、幅方向に3.0倍延伸し、さらに
幅方向に5%のリラックスをしながら熱固定し、フィル
ム厚さ48μmの微孔性フィルムを得た。このフィルムの
SEMによる表面および断面観察では、三次元網目構造は
しておらず、単に表面のみ微孔化しており、断面は層状
になっている。またその孔の平均孔径は12μmと大き
い。このフィルム品質は第1表に示したように、平均孔
径が大きく、漏水性に劣り、フィルムが脆くて機械的性
質に劣ったものであった。
比較例5 (η)1.8、(II)97%のポリプロピレンを38mmφ押
出機よりT−ダイを用い、押出温度220℃でシート状に
溶融押出し、60℃に保たれた水槽中で30:1の延伸比で42
μmのフィルムを巻き取った。つづいて該フィルムを熱
風オーブン内で張力下に100℃10秒間の一次熱処理を行
ない、ひきつづき60℃で1.7倍縦延伸した。こうして得
られたフィルムを張力下に140℃に保たれた熱風オーブ
ンで10秒間熱固定し、25μmの微孔性フィルムを得た。
このフィルムのSEMによる表面および断面写真では、三
次元網目状に微孔化しているが、フィブリル化しておら
ず、平均孔径が0.03μmと小さく、空孔率が低く、孔の
位置に分布がある。このフィルム品質は第1表に示した
ように、空孔率が低く、透湿性に劣り、長手方向に裂け
やすく、また長手方向の熱収縮率が大きいものであっ
た。
〔発明の効果〕 かくして得られた本発明の微孔性ポリプロピレンフィ
ルムは、次のような効果を奏するものである。
(1) 三次元網目構造とフィブリルとから構成されて
いるため、機械的に強靭であり、しかも長手方向に裂け
にくく、取り扱い性にすぐれている。
(2) 平均孔径が均一で空孔率が高いため、防水透気
性にすぐれ、無機包装シート、衣服の芯地、フィルター
などにすぐれた性能を示すのみならず、電気絶縁性で液
体の含浸性にすぐれており、バッテリー、電解コンデン
サー等のセパレータとしてすぐれた性能を示す。
(3) 抽出可能物質の抽出性に優れ、抽出時間が短く
て済むためにコスト性に優れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明にかかる微孔性フィルムの表面の結晶構
造(×10000)で、第2図は本発明にかかる微孔性フィ
ルムの断面の結晶構造(×10000)である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均孔径が0.1〜5μmの空胞同志が連続
    した三次元網目構造と、一方向に配列したフィブリルと
    を有し、かつ該フィブリル間の平均間隙が0.2〜10μm
    であることを特徴とする微孔性ポリプロピレンフィル
    ム。
JP7446487A 1987-03-30 1987-03-30 微孔性ポリプロピレンフイルム Expired - Fee Related JP2503007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7446487A JP2503007B2 (ja) 1987-03-30 1987-03-30 微孔性ポリプロピレンフイルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7446487A JP2503007B2 (ja) 1987-03-30 1987-03-30 微孔性ポリプロピレンフイルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63243146A JPS63243146A (ja) 1988-10-11
JP2503007B2 true JP2503007B2 (ja) 1996-06-05

Family

ID=13548002

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7446487A Expired - Fee Related JP2503007B2 (ja) 1987-03-30 1987-03-30 微孔性ポリプロピレンフイルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2503007B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4863792A (en) * 1988-10-14 1989-09-05 Minnesota Mining And Manufacturing Company Multi-layer laminates of microporous films
AU2855599A (en) * 1998-03-24 1999-10-18 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Microporous polyolefin film
JP4833486B2 (ja) * 2002-05-28 2011-12-07 住友化学株式会社 ミクロフィルター用濾材の製造方法およびミクロフィルター用濾材
ATE539105T1 (de) 2002-06-14 2012-01-15 Toray Industries Poröse membran und verfahren zur herstellung der porösen membran
JP2005137972A (ja) * 2003-11-04 2005-06-02 Chisso Corp ポリオレフィン樹脂製フィルター
JP2007061673A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Toray Ind Inc 医用分離膜用微孔性ポリプロピレンシートおよびそれを用いた医用分離膜
KR101592075B1 (ko) 2009-03-09 2016-02-04 아사히 가세이 이-매터리얼즈 가부시키가이샤 적층 세퍼레이터, 폴리올레핀 미다공막 및 축전 디바이스용 세퍼레이터

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63243146A (ja) 1988-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6666969B1 (en) Microporous polyolefin film and process for producing the same
KR101227325B1 (ko) 다층 다공막 및 그의 제조 방법
JP4195810B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法並びに用途
JP5005387B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜の製造方法
US20190088917A1 (en) Polyolefin microporous membrane, method of producing polyolefin microporous membrane, battery separator, and battery
JPH0554495B2 (ja)
JPWO2006106783A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
KR20140023303A (ko) 개선된 배터리 분리막 및 그의 형성 방법
JP2011184671A (ja) 耐熱性ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法。
WO2020195380A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、二次電池用セパレータ、及び二次電池
JP3699562B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP2012131990A (ja) 蓄電デバイス用セパレータ
JP5251193B2 (ja) 多孔性ポリオレフィンフィルム
JP7380570B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ、二次電池及びポリオレフィン微多孔膜の製造方法
JP3549290B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP3682120B2 (ja) 電池セパレーター用複合膜及び電池用セパレーター
JP2503007B2 (ja) 微孔性ポリプロピレンフイルム
JP3699561B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜及びその製造方法
JP2010219037A (ja) 多孔性フィルムおよび蓄電デバイス
JP2019102126A (ja) 電池用セパレータ及び非水電解液二次電池
WO2014103713A1 (ja) 多孔性ポリオレフィンフィルムおよびその製造方法、ならびにそれを用いてなる蓄電デバイス用セパレータ
WO2023276468A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜および電池用セパレータ
JP2022082461A (ja) ポリオレフィン微多孔膜、電池用セパレータ、及び二次電池
WO2021015269A1 (ja) ポリオレフィン微多孔膜、及び非水電解液二次電池用セパレータ
JP6988880B2 (ja) ポリオレフィン微多孔膜

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees