JP2021055036A - ポリプロピレンフィルムの製造方法、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法、及び、フィルムコンデンサの製造方法 - Google Patents

ポリプロピレンフィルムの製造方法、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法、及び、フィルムコンデンサの製造方法 Download PDF

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立治 石田
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剛史 冨永
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Abstract

【課題】 高温下において良好な耐電圧性を有するポリプロピレンフィルム及びその製造方法を提供する。【解決手段】 ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃且つ剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる工程を含み、前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFRA)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFRB)の差分MFRA−MFRBが、1.5g/10分以上であり、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い、ポリプロピレンフィルムの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリプロピレンフィルムの製造方法、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法、及び、フィルムコンデンサの製造方法に関する。
ポリプロピレンフィルムは、高い耐電圧性や低い誘電損失特性等の優れた電気特性を有し、且つ、高い耐湿性を有する。そのため、広く電子機器や電気機器に用いられている。具体的には、例えば、高電圧コンデンサ、各種スイッチング電源、フィルター用コンデンサ(例えば、コンバーター、インバーター等)、平滑用コンデンサ等に使用されるフィルムとして利用されている。
特開2007−204646
特許文献1は、重量平均分子量、分子量分布、立体規則性成分の分率がそれぞれ特定の範囲で規定されたコンデンサー用ポリプロピレンフィルムが記載されている。しかしながら、当該コンデンサー用ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂を1種類のみ(1銘柄のみ)使用している。かかるポリプロピレンフィルムでは、高温下(例えば120℃等)における優れた絶縁破壊電圧が得られないおそれがある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高温下において良好な耐電圧性を有するポリプロピレンフィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らはポリプロピレンフィルムについて鋭意検討を行った。その結果、原料として特定のポリプロピレン樹脂組成物を特定の温度および剪断速度で溶融させたポリプロピレンフィルムの製造方法によれば、高温下での耐電圧性が良好であるポリプロピレンフィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るポリプロピレンフィルムの製造方法は、
少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃且つ剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる工程を含み、
前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)の差分MFR−MFRが、1.5g/10分以上であり、
前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い、
ポリプロピレンフィルムの製造方法、であることを特徴とする。その他、本発明を以下に示す。
〔1〕 ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃且つ剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる工程を含み、
前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)の差分MFR−MFRが、1.5g/10分以上であり、
前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い、
ポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔2〕
前記ポリプロピレンフィルムが、二軸延伸ポリプロピレンフィルムである、〔1〕に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔3〕 前記ポリプロピレンフィルムが、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムである、〔1〕又は〔2〕に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔4〕 前記ポリプロピレン樹脂Aと前記ポリプロピレン樹脂Bの合計質量に対する前記ポリプロピレン樹脂Aの質量の割合が60〜99質量%である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔5〕 前記ポリプロピレンフィルムの厚さが0.8μm〜6μmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔6〕 前記MFRが5.0g/10分以上である、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔7〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法により得られうる、ポリプロピレンフィルム。
〔8〕 〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法を含み、さらに前記ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に金属層を形成する工程を含む、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。
〔9〕 〔8〕に記載の製造方法を含み、さらに前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムを巻回する工程を含む、フィルムコンデンサの製造方法。
本発明によれば、高温下において、良好な耐電圧性を有するポリプロピレンフィルムを提供することができる。また、当該ポリプロピレンフィルムを有する金属層一体型ポリプロピレンフィルム、及び、当該金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有するフィルムコンデンサを提供することができる。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムの製造方法は、
少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃且つ剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる工程を含み、
前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)の差分MFR−MFRが、1.5g/10分以上であり、
前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い、
ポリプロピレンフィルムの製造方法に関する。当該製造方法によれば、高温下において、良好な耐電圧性を有するポリプロピレンフィルムを提供することができる。その理由は、特定の、異なる2種のポリプロピレン樹脂を使用したことによるキャスト原反シートの海−島相分離構造(特に、適切な島のサイズ)によるものと考えられている。
本実施形態に係るポリプロピレンフィルムの製造方法では、少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を用いる。前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い。樹脂全体を100質量%とすると、主樹脂のポリプロピレン樹脂Aは55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、65質量%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂全体を100質量%とすると、主樹脂のポリプロピレン樹脂Aは99質量%以下であることが好ましく、98質量%以下であることがより好ましく、95質量%以下であることがさらに好ましい。また、樹脂全体を100質量%とすると、副樹脂であるポリプロピレン樹脂Bは1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂全体を100質量%とすると、副樹脂のポリプロピレン樹脂Bは45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、35質量%以下であることがさらに好ましい。ポリプロピレン樹脂組成物中のポリプロピレン樹脂は、主樹脂のポリプロピレン樹脂Aと副樹脂のポリプロピレン樹脂Bの2種類であってもよく、3種類以上を使用してもよい。
前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)の差分MFR−MFRは、1.5g/10分以上である。つまり、前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)は前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)よりも大きい。上記差分MFR−MFRは、1.6g/10分以上が好ましく、2.0g/10分以上がより好ましく、3.0g/10分以上がさらに好ましい。上記差分MFR−MFRが1.5g/10分未満(当該1.5g/10分未満は、マイナスの値も包含する)である場合、後述するキャスト原反シート成形時点での海―島相分離構造が形成されないか、または形成されるにしても島のサイズが非常に小さいため、最終的に、高温での絶縁破壊電圧に優れたポリプロピレンフィルムが得られない。特に、上記MFRとMFRとの差が大きかったとしても、副樹脂成分のポリプロピレン樹脂BのメルトフローレートMFRの方が大きい場合(上記差分MFR−MFRがマイナスとなる場合)、海―島相分離構造の島のサイズが非常に小さいものとなる。
前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレートは、4.8g/10分以上であることが好ましく、5g/10分以上であることがより好ましく、5.5g/10分以上がさらに好ましい。前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレートは、10g/10分以下であることが好ましい。前記ポリプロピレン樹脂Bのメルトフローレートは、4.5g/10分以下であることが好ましく、4g/10分以下であることがより好ましく、3.3g/10分以下がさらに好ましく、3g/10分以下が特に好ましい。前記ポリプロピレン樹脂Bのメルトフローレートは、0.1g/10分以上であることが好ましい。
ポリプロピレン樹脂Aの重量平均分子量Mwは、好ましくは25万以上35万未満、より好ましくは25万以上34.5万以下、さらに好ましくは27万以上34万以下である。
ポリプロピレン樹脂Aの数平均分子量Mnは、好ましくは30000以上54000以下、より好ましくは33000以上52000以下、さらに好ましくは33000以上50000以下である。
ポリプロピレン樹脂Aのz平均分子量Mzは、好ましくは700000以上1550000以下、より好ましくは750000以上1500000以下である。
ポリプロピレン樹脂Aの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは5.0以上、より好ましくは5.5以上である。
ポリプロピレン樹脂Aの前記Mw/Mnは、10.0以下が好ましく、9.5以下がより好ましい。
ポリプロピレン樹脂Aの分子量分布(Mz/Mn)は、10以上70以下であることが好ましく、15以上60以下であることがより好ましく、15以上50以下であることがさらに好ましい。
本明細書において、前記ポリプロピレン樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、z平均分子量(Mz)、及び、分子量分布(Mw/Mn、及び、Mz/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)装置を用いて測定した値である。より具体的には、東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵型高温GPC測定機のHLC−8121GPC−HT(商品名)を使用して測定した値である。GPCカラムとして、東ソー株式会社製の3本のTSKgel GMHHR−H(20)HTを連結して使用する。カラム温度を140℃に設定して、溶離液としてトリクロロベンゼンを1.0ml/10分の流速で流して、MwとMnの測定値を得る。東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いてその分子量Mに関する検量線を作成して、測定値をポリスチレン値に換算して、Mw、Mn及びMzを得る。
ポリプロピレン樹脂Aのヘプタン不溶分は、好ましくは97.0%以上である。ヘプ
タン不溶分は、好ましくは98.5%以下である。ヘプタン不溶分は、多いほど樹脂の立
体規則性が高いことを示す。
ポリプロピレン樹脂BのMwは好ましくは35万以上である。第2ポリプロピレン樹脂におけるMwは、好ましくは55万以下、より好ましくは45万以下、さらに好ましくは38万以下である。
ポリプロピレン樹脂BのMnは、好ましくは40000以上54000以下、より好ましくは42000以上50000以下、さらに好ましくは44000以上48000以下である。
ポリプロピレン樹脂BのMzは、好ましくは1550000超え2000000以下、より好ましくは1580000以上1700000以下である。
ポリプロピレン樹脂Bにおいて、MwのMnに対する比(Mw/Mn)は、好ましくは3.0以上、より好ましくは4.5以上、さらに好ましくは5.0以上、さらに好ましくは5.5以上、さらに好ましくは7.0以上、特に好ましくは7.5以上である。ポリプロピレン樹脂BにおけるMw/Mnの上限は、たとえば11.0、10.0、9.0、8.5などである。
ポリプロピレン樹脂Bにおける、MzのMnに対する比(Mz/Mn)は、好ましく
は30以上40以下、より好ましくは33以上36以下である。
ポリプロピレン樹脂Bのヘプタン不溶分は、好ましくは97.5%以上、より好ましくは98.0%以上、さらに好ましくは98.5%超え、特に好ましくは98.6%以上である。また、ヘプタン不溶分は、好ましくは99.5%以下であり、より好ましくは99.0%以下である。
樹脂混合する方法としては、特に制限はないが、主樹脂と副樹脂(添加樹脂)の重合粉、又は、ペレットを、ミキサー等を用いてドライブレンドする方法や、主樹脂と添加樹脂の重合粉、又は、ペレットを、混練機に供給し、溶融混練してブレンド樹脂を得る方法が挙げられる。
前記ミキサーや前記混練機は、特に制限されない。前記混練機は、1軸スクリュータイプ、2軸スクリュータイプ、それ以上の多軸スクリュータイプの何れでもよい。2軸以上のスクリュータイプの場合、同方向回転、異方向回転のどちらの混練タイプでも構わない。
溶融混練によるブレンドの場合は、良好な混練物が得られれば、混練温度は特に制限されない。一般的には、200℃から300℃の範囲であり、樹脂の劣化を抑制する観点から、230℃から270℃が好ましい。また、樹脂の混練混合の際の劣化を抑制するため、混練機に窒素などの不活性ガスをパージしても構わない。溶融混練された樹脂は、一般的に公知の造粒機を用いて、適当な大きさにペレタイズしてもよい。これにより、混合ポリプロピレン原料樹脂ペレットを得ることができる。
ポリプロピレン原料樹脂中に含まれる重合触媒残渣等に起因する総灰分は、電気特性を向上させるために可能な限り少ないことが好ましい。総灰分は、ポリプロピレン樹脂を基準(100重量部)として、50ppm以下であることが好ましく、40ppm以下であることがより好ましく、30ppm以下であることが特に好ましい。
前記ポリプロピレン樹脂は、添加剤を含んでいてもよい。「添加剤」とは、一般的に、ポリプロピレン樹脂に使用される添加剤であって、ポリプロピレンフィルムを得ることができる限り特に制限されない。前記添加剤としては、例えば、酸化防止剤、塩素吸収剤、紫外線吸収剤、滑剤、可塑剤、難燃化剤、帯電防止剤等が挙げられる。前記ポリプロピレン樹脂は、前記添加剤を、前記ポリプロピレンフィルムに悪影響を与えない量で含めてもよい。
まず、ポリプロピレン樹脂ペレット、ドライ混合されたポリプロピレン樹脂ペレット、又は、予め溶融混練して作製した混合ポリプロピレン樹脂ペレットを押出機に供給して、加熱溶融する。
前記ポリプロピレン樹脂組成物は、225〜270℃で溶融させるようにする。具体的には、ポリプロピレン樹脂組成物の加熱溶融時の押出機設定温度を、225〜270℃とする。これにより、上記特定のポリプロピレン樹脂組成物を使用するという前提で、後述するキャスト原反シート成形時点での海―島相分離構造が形成され、最終的に、高温での絶縁破壊電圧に優れたポリプロピレンフィルムが得られる。
ポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃にした状態で剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる。これにより、上記特定のポリプロピレン樹脂組成物を使用するという前提で、後述するキャスト原反シート成形時点での海―島相分離構造が形成され、最終的に、高温での絶縁破壊電圧に優れたポリプロピレンフィルムが得られる。剪断速度が2000s−1を下回ると、押出量が一定せず、原反シートの形状や寸法が不規則になったり、または規則的に変動するようになり、原反シート搬送時の破断や延伸時の破断が発生しやすくなる。
また、剪断速度が15000s−1を上回ると、押出機内でブレークアップと呼ばれる現象により未溶融物が押出され、均一な原反シートが得られなくなることで延伸時の破断が発生しやすくなる、または、チップクリアランスを通過する際の発熱が過多となり、ポリプロピレン樹脂組成物の劣化が著しくなることで、均一な現反シートが得られたとしても、延伸により得られるフィルムの絶縁破壊強さが低下してしまう。剪断速度は、押出機のシリンダー直径およびスクリュー回転数、スクリューの溝深さで調整できる。
次に、Tダイを用いて溶融された前記樹脂組成物をシート状に押し出し、少なくとも1個以上の金属ドラムで、冷却、固化させることで、未延伸のキャスト原反シートを成形する。また、前記金属ドラムの表面温度(押し出し後、最初に接触する金属ドラムの温度)は、50〜105℃であることが好ましく、より好ましくは、60〜100℃である。前記金属ドラムの表面温度は、使用するポリプロピレン樹脂の物性等に応じて決定することができる。金属ドラムの表面温度が50℃を著しく下回ると、原反シートの良好なシート成形性が得られにくいため、延伸製膜時に延伸むらや破断をすることなくポリプロピレンフィルムを良好に得る、ということが困難となる。
前記キャスト原反シートの厚さは、前記ポリプロピレンフィルムを得ることができる限り、特に制限されることはないが、通常、0.05mm〜2mmであることが好ましく、0.1mm〜1mmであることがより好ましい。
前記ポリプロピレンフィルムは、前記ポリプロピレンキャスト原反シートに延伸処理を行って製造することができる。延伸は、縦及び横に二軸に配向せしめる二軸延伸が好ましく、延伸方法としては逐次二軸延伸方法が好ましい。逐次二軸延伸方法としては、例えば、まず、キャスト原反シートを110〜170℃の温度(好ましくは135〜170℃)に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に延伸する。流れ方向の延伸倍率は3.5〜5.5倍が好ましく、4.2〜5.4倍がより好ましい。引き続き、当該シートをテンターに導いて、横方向に延伸する。横方向の延伸時の温度は150℃〜165℃が好ましく、横方向の延伸倍率は9〜11倍が好ましい。その後、2〜10倍に緩和、熱固定を施す。以上により、二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られる。前記流れ方向の延伸倍率、横方向の延伸倍率、緩和後の倍率を適宜設定することにより本実施形態におけるポリプロピレンフィルムを好適に得ることができる。
前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、コンデンサーに使用した場合のコンデンサーの小型化及び高容量化を担保する観点から、0.8〜6μmが好ましい。具体的に、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、5.5μm以下が好ましく、4.0μm以下がより好ましく、3.5μm以下がさらに好ましく、3.0μm以下が特に好ましい。また、前記ポリプロピレンフィルムの厚さは、製造上の観点から、1.0μm以上が好ましく、1.5μm以上、1.8μm以上とすることができる。
前記ポリプロピレンフィルムの120℃での絶縁破壊強度ESは、226Vac/μm以上であることが好ましく、228Vac/μm以上であることがより好ましく、230Vac/μm以上であることがさらに好ましい。前記ポリプロピレンフィルムの120℃での絶縁破壊強度ESは、高いほど好ましいが、例えば、300Vac/μm以下、280Vac/μm以下、250Vac/μm以下である。なおVacはVACとも表現できる。
前記ポリプロピレンフィルムの100℃での絶縁破壊強度ESは、235Vac/μm以上であることが好ましく、238Vac/μm以上であることがより好ましい。前記ポリプロピレンフィルムの100℃での絶縁破壊強度ESは、高いほど好ましいが、例えば、400Vac/μm以下、350Vac/μm以下、300Vac/μm以下である。
前記ポリプロピレンフィルムの110℃での絶縁破壊強度ESは、230Vac/μm以上であることが好ましく、235Vac/μm以上であることがより好ましい。前記ポリプロピレンフィルムの110℃での絶縁破壊強度ESは、高いほど好ましいが、例えば、400Vac/μm以下、350Vac/μm以下、300Vac/μm以下である。
前記ポリプロピレンフィルムの27℃、100℃、110℃、120℃での絶縁破壊強度ESの測定方法は、実施例記載の方法による。
前記ポリプロピレンフィルムには、金属蒸着加工工程などの後工程において、接着特性を高める目的で、延伸及び熱固定工程終了後に、オンライン又はオフラインにてコロナ放電処理を行ってもよい。コロナ放電処理は、公知の方法を用いて行うことができる。雰囲気ガスとして空気、炭酸ガス、窒素ガス、又は、これらの混合ガスを用いて行うことが好ましい。
コンデンサーとして加工するために、前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層し、金属層一体型ポリプロピレンフィルムとしてもよい。前記金属層は、電極として機能する。前記金属層に用いられる金属としては、例えば、亜鉛、鉛、銀、クロム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属単体、それらの複数種の混合物、それらの合金などを使用することができるが、環境、経済性及びコンデンサー性能などを考慮すると、亜鉛、アルミニウムが好ましい。
前記ポリプロピレンフィルムの片面又は両面に金属層を積層する方法としては、例えば、真空蒸着法やスパッタリング法を例示することができる。生産性及び経済性などの観点から、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着法として、一般的にるつぼ法式やワイヤー方式などを例示することができるが、特に限定されることはなく、適宜最適なものを選択することができる。
蒸着により金属層を積層する際のマージンパターンも特に限定されるものではないが、コンデンサーの保安性等の特性を向上させる点から、フィッシュネットパターンないしはTマージンパターンといった、いわゆる特殊マージンを含むパターンをフィルムの片方の面上に施すことが好ましい。保安性が高まり、コンデンサーの破壊、ショートの防止、などの点からも効果的である。
マージンを形成する方法はテープ法、オイル法など、一般に公知の方法が、何ら制限無く使用することができる。
前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムは、従来公知の方法で積層するか、巻回してフィルムコンデンサとすることができる。
本実施形態のフィルムコンデンサは、金属層一体型ポリプロピレンフィルムが複数積層された構成を有していてもよいし、巻回された金属層一体型ポリプロピレンフィルムを有していてもよい。このようなフィルムコンデンサは、電気自動車やハイブリッド自動車などの駆動モーターを制御するインバーター電源機器用コンデンサなどに好適に使用できる。このほか、鉄道車両用、風力発電用、太陽光発電用、一般家電用などにおいても好適に使用できる。
〔実施例、比較例、参考例〕
≪樹脂≫
参考例、実施例および比較例で使用した樹脂の詳細について以下記載する。
・ポリプロピレン(PP)樹脂A:Mw=27×10、Mn=4.7×10、Mz=75×10、Mw/Mn=5.7、Mz/Mn=16、ヘプタンインデックス(HI)=97.8%、微分分布値差(D)=8.8%、メルトフローレート(MFR)=5.6g/10分。プライムポリマー社製。
・ポリプロピレン樹脂B:Mw=38×10、Mn=4.6×10、Mz=160×10、Mw/Mn=8.3、Mz/Mn=34.8、ヘプタンインデックス(HI)=98.8%、微分分布値差(D)=−3.6%、メソペンタッド分率(mmmm)=96%、メルトフローレート(MFR)=2.3g/10分。大韓油化社製。
・ポリプロピレン樹脂C:Mw=34×10、Mn=4.2×10、Mz=150×10、Mw/Mn=8.1、Mz/Mn=35.7、ヘプタンインデックス(HI)=98.5%、微分分布値差(D)=4.8%、メソペンタッド分率(mmmm)=96%、メルトフローレート(MFR)=4.0g/10分。ボレアリス社製。
・ポリプロピレン樹脂D:Mw=31×10、Mn=3.3×10、Mz=140×10、Mw/Mn=9.4、Mz/Mn=42.4、ヘプタンインデックス(HI)=97.3%、微分分布値差(D)=9.2%、メソペンタッド分率(mmmm)=95%、メルトフローレート(MFR)=4.9g/10分。プライムポリマー社製。
≪ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、及び、分子量分布(Mz/Mn)の測定≫
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用い、以下の条件で、ポリプロピレン樹脂の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、z平均分子量(Mz)、分子量分布(Mw/Mn)、分子量分布(Mz/Mn)、分布曲線の微分分布値を測定した。
東ソー株式会社製、示差屈折計(RI)内蔵高温GPC装置であるHLC−8321GPC-HT型を使用した。カラムとして、東ソー株式会社製のTSKgel GMHHR−H(20)HTを3本連結して使用した。140℃のカラム温度で、溶離液として、トリクロロベンゼンを、1.0ml/minの流速で流して測定した。検量線を、東ソー株式会社製の標準ポリスチレンを用いて作製した。ただし、分子量はQ−ファクターを用いてポリプロピレンの分子量へ換算し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び、z平均分子量(Mz)を得た。このMwとMnの値を用いて分子量分布(Mw/Mn)を得た。また、このMzとMnの値を用いて分子量分布(Mz/Mn)を得た。
≪対数分子量log(M)=4.5のときの微分分布値、対数分子量log(M)=6.0のときの微分分布値、及び、分子量微分分布値差の測定≫
また、PP樹脂A〜Dについて、対数分子量log(M)=4.5のときの微分分布値、対数分子量log(M)=6.0のときの微分分布値を、次のような方法で得た。まず、RI検出計を用いて検出される強度分布の時間曲線(溶出曲線)を、上記標準ポリスチレンを用いて作製した検量線を用いて標準ポリスチレンの分子量M(Log(M))に対する分布曲線に変換した。次に、分布曲線の全面積を100%とした場合のLog(M)に対する積分分布曲線を得た後、この積分分布曲線をLog(M)で、微分することによってLog(M)に対する微分分布曲線を得た。この微分分布曲線から、Log(M)=4.5およびLog(M)=6.0のときの微分分布値を読んだ。また、Log(M)=4.5のときの微分分布値とLog(M)=6.0のときの微分分布値との差を分子量微分分布値差とした。なお、微分分布曲線を得るまでの一連の操作は、使用したGPC測定装置に内蔵されている解析ソフトウェアを用いて行った。
≪ヘプタン不溶分(HI)の測定≫
PP樹脂A〜Dについて、10mm×35mm×0.3mmにプレス成形して約3gの測定用サンプルを作製した。次に、ヘプタン約150mLを加えてソックスレー抽出を8時間行った。抽出前後の試料質量よりヘプタン不溶分を算出した。
≪メルトフローレート(MFR)の測定≫
実施例、比較例で使用した原料樹脂ペレットの形態でのメルトフローレート(MFR)を、東洋精機株式会社のメルトインデックサを用いてJIS K 7210の条件Mに準じて測定した。具体的には、まず、試験温度230℃にしたシリンダ内に、4gに秤りとった試料を挿入し、2.16kgの荷重下で3.5分予熱した。その後、30秒間で底穴より押出された試料の重量を測定し、MFR(単位:g/10分又はg/10min)を求めた。上記の測定を3回繰り返し、その平均値をMFRの測定値とした。
≪粘度≫
実施例及び比較例に先立って、ポリプロピレン樹脂A〜Dの、溶融温度230℃で剪断速度5000s−1における剪断粘度を測定した。なお、測定方法は、以下の方法である。その結果、ポリプロピレン樹脂Aの剪断粘度は4.3Pa・s、ポリプロピレン樹脂Bの剪断粘度は8.2Pa・s、ポリプロピレン樹脂Cの剪断粘度は13.6Pa・s、ポリプロピレン樹脂Dの剪断粘度は7.8Pa・s、であった。
<剪断粘度の測定方法>
まず、以下の(1)〜(5)の手順により、測定温度230℃、240℃、250℃における剪断粘度ηと剪断速度γとの関係(フローカーブ)を得た。なお、測定には、Thermofisher Scientific社製のHAAKE MiniLabRheomex CTW5(マイクロレオロジーコンパウンダー)を用いた。
(1)ペレットを5g秤り取り、全量を試料投入部から投入した。
(2)回転数10rpmで1分間安定化させた後、回転数10rpmから360rpmの間の10点の圧力損失dPを測定し、測定した圧力損失dPから、各回転数の剪断応力τを導出した。なお、測定した10点は、対数表記で均等分割したときの10点である。
(3)回転数10、20、50、100rpmの時に吐出口から排出された各樹脂量Qを測定し、測定した樹脂量Qから、各回転数の剪断速度γを導出し、γと回転数の線形近似式を求めた。得られた近似式から、上記(2)の10点の回転数の時のγを求めた。
(4)上記(1)〜上記(3)で得られた10点の剪断応力τと剪断速度γから、変形Hargen−Poiseulleの式([剪断粘度η]=[剪断応力τ]/[剪断速度γ])を用いて剪断粘度ηを求めた。以上より、剪断粘度ηと剪断速度γとの関係(フローカーブ)を得た。
(5)上記(1)〜(4)の操作を測定温度230℃、240℃、250℃で実施し、各測定温度での剪断粘度ηと剪断速度γとの関係(フローカーブ)を得た。
次に、解析ソフト(株式会社HASLの解析ソフトMaterialfit Ver.3.0.0)の非ニュートン純粘性モデルフィット機能を用いて、上記(5)で得られたフローカーブ(η-γカーブ)を式(1)に示すCarreau−Yasudaモデル(粘度式)にフィッティングして、マスターカーブを得た。このマスターカーブより剪断粘度を求めた。
≪二軸延伸ポリプロピレンフィルムの耐電圧性評価≫
JIS C2330(2001)7.4.11.2 B法(平板電極法)に準じて、交流電源(AC)を使用し、100℃、110℃、120℃で、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの絶縁破壊電圧値を12回測定した。絶縁破壊電圧値Vacを、フィルムの厚み(μm)で割り、12回の測定結果中の上位2点および下位2点を除いた8点の平均値を、絶縁破壊強度ES(Vac/μm)とした。また、直流電源(DC)においても同様に測定した(120℃)。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂Aとポリプロピレン樹脂Bとをドライブレンドした。混合比率は、質量比で樹脂A:樹脂B=65:35とした。その後、ドライブレンドした樹脂組成物を、一軸押出機を用いて、バレル温度250℃、剪断速度2000s−1で溶融及び混練した。
得られた溶融混練物を、Tダイを用いて押出して未延伸キャストシートを得た。得られた未延伸のキャストシートを130℃の温度に保ち、速度差を設けたロール間に通して流れ方向に4.5倍に延伸し、直ちに室温に冷却した。引き続き、延伸フィルムをテンターに導いて、158℃の温度で幅方向に8倍に延伸した後、緩和、熱固定を施して巻き取り、40℃程度の雰囲気中でエージング処理を施して実施例1に係る2.3μmのポリプロピレンフィルムを得た。実施例1のポリプロピレンフィルムの100℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は249.7V/μm、110℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は244.7V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は239.0V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VDC/μm)は527.6V/μm、であった。
(実施例2)
混合比率が質量比で樹脂A:樹脂B=65:35である樹脂組成物に代えて、樹脂A:樹脂C=65:35を使用する以外は、実施例1と同様にして実施例2のフィルムを得た。実施例2のポリプロピレンフィルムの100℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は243.0V/μm、110℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は240.8V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は237.0V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VDC/μm)は525.5V/μm、であった。
(比較例1)
混合比率が質量比で樹脂A:樹脂B=65:35である樹脂組成物に代えて、樹脂B:樹脂D=65:35を使用する以外は、実施例1と同様にして比較例1のフィルムを得た。比較例1のポリプロピレンフィルムの100℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は237.3V/μm、110℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は237.1V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VAC/μm)は230.1V/μm、120℃の絶縁破壊強さ(VDC/μm)は508.5V/μm、であった。
≪Wuによる分散粒子径の相対値≫
二相系ポリマーブレンド中での平均分散粒子径dは、以下の式:
=(4r/γη)×(η/η±0.84
(ただし、rは界面張力〔単位:mN/m〕、γは剪断速度〔s−1〕、ηはマトリクス(フィルムの主成分である第1樹脂)の剪断粘度〔単位:Pa・s〕、ηは分散相(フィルムの副成分である第2樹脂)の剪断粘度〔単位:Pa・s〕である。べき乗数(±0.84)の符号は、η/η≧1のとき正、η/η<1のとき負となる。)
〔Wu, S: Polym. Eng. Sci., 27, 335 (1987)〕。そこで、dnRとして、上記PP樹脂Aのみの分散粒子径(γ=5000s−1、η=4.3Pa・s、η=4.3Pa・s)を計算した結果、PP樹脂Aの分散粒子径は0.186×10−6rだった。同様に、実施例1のPP樹脂Bの分散粒子径は0.321×10−6r、実施例2のPP樹脂Cの分散粒子径は0.490×10−6r、比較例1のPP樹脂Dの分散粒子径は0.101×10−6r、であった。そこで、ポリプロピレン樹脂組成物中のPP樹脂同士ではマトリクスと分散相との界面張力が同等とした場合、実施例1のPP樹脂Bの分散粒子径相対値は、0.321×10−6r/0.186×10−6r=1.73、実施例2のPP樹脂Cの分散粒子径相対値は、0.490×10−6r/0.186×10−6r=2.63、比較例1のPP樹脂Bの分散粒子径相対値は、0.101×10−6r/0.186×10−6r=0.54、であった。
≪考察≫
キャストシート(延伸前のフィルム原反)の「島サイズ」が大きいほど、延伸フィルムの高温(100℃、110℃、120℃)における絶縁破壊電圧が向上することが分かった。本検討より、キャストシート成形時点での海―島相分離構造が、延伸フィルムの絶縁破壊の強さ(ES)へ大きく寄与することが推定される。

Claims (9)

  1. ポリプロピレンフィルムの製造方法であって、
    少なくともポリプロピレン樹脂Aおよびポリプロピレン樹脂Bを含有するポリプロピレン樹脂組成物を温度225〜270℃且つ剪断速度2000s−1〜15000s−1で溶融させる工程を含み、
    前記ポリプロピレン樹脂Aのメルトフローレート(MFR)と前記ポリプロピレン樹脂Bの(MFR)の差分MFR−MFRが、1.5g/10分以上であり、
    前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Aの含有量が、前記ポリプロピレン樹脂組成物中の前記ポリプロピレン樹脂Bの含有量よりも多い、
    ポリプロピレンフィルムの製造方法。
  2. 前記ポリプロピレンフィルムが、二軸延伸ポリプロピレンフィルムである、請求項1に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
  3. 前記ポリプロピレンフィルムが、コンデンサ用ポリプロピレンフィルムである、請求項1又は2に記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
  4. 前記ポリプロピレン樹脂Aと前記ポリプロピレン樹脂Bの合計質量に対する前記ポリプロピレン樹脂Aの質量の割合が60〜99質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
  5. 前記ポリプロピレンフィルムの厚さが0.8μm〜6μmである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
  6. 前記MFRが5.0g/10分以上である、請求項1〜5のいずれかに記載のポリプロピレンフィルムの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られうる、ポリプロピレンフィルム。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法を含み、さらに前記ポリプロピレンフィルムの少なくとも一方の面に金属層を形成する工程を含む、金属層一体型ポリプロピレンフィルムの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法を含み、さらに前記金属層一体型ポリプロピレンフィルムを巻回する工程を含む、フィルムコンデンサの製造方法。
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