JPH07329502A - 光輝アルミロードホイールの製造方法 - Google Patents

光輝アルミロードホイールの製造方法

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JPH07329502A
JPH07329502A JP13036494A JP13036494A JPH07329502A JP H07329502 A JPH07329502 A JP H07329502A JP 13036494 A JP13036494 A JP 13036494A JP 13036494 A JP13036494 A JP 13036494A JP H07329502 A JPH07329502 A JP H07329502A
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Japan
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road wheel
bright
aluminum road
aluminum
manufacturing
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JP13036494A
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Jiro Kishitani
谷 二 郎 岸
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタリック塗装を施した場合と同等ないしそ
れ以上のメタリック感を飾り穴の周縁部に醸し出すこと
を実現したうえで、ランニングコストを大幅に低減させ
ることが可能である光輝アルミロードホイールの製造方
法を提供する。 【構成】 ディスク8の表側面に飾り穴5を有したアル
ミロードホイール素材2に塗装を施してアルミロードホ
イールを製造するに際して、アルミロードホイール素材
2の少なくともディスク8の表側面全体に電解着色アル
マイト処理を行ったのち、切削加工により光輝面4を形
成すると共に当該光輝面4に対してクロメート処理を行
い、次いで、少なくとも飾り穴5の周縁部7および光輝
面4にクリヤ塗装を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスクの表側面に飾
り穴を有するアルミロードホイールの製造方法に係わ
り、とくに、飾り穴の周縁部にメタリック感を有すると
共にディスクの表側面にアルミニウム合金本来の光沢感
を有する光輝アルミロードホイールを製作するのに利用
される光輝アルミロードホイールの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記したディスクの表側面に飾り
穴を有する光輝アルミロードホイールを製造する際に用
いられる製造方法としては、例えば、図6〜図8に示す
ように、ブロック51における鋳造によって成形したア
ルミロードホイール素材61に対して、ブロック52a
〜52iにおける脱脂工程,水洗い工程,化学研磨工
程,水洗い工程,中和工程,水洗い工程,陽極酸化工
程,水洗い工程および封孔処理工程からなる下地防錆処
理としてのアルマイト処理(ブロック52)を施してア
ルマイト層aを全体に形成したのち、ブロック53およ
びブロック54において、アルミロードホイール素材6
1における飾り穴62の周縁部63に着色するためのカ
ラーベース塗装および焼付けを行ってカラーベース塗料
層bを形成し、続いて、ブロック55において、アルミ
ロードホイール素材61の表側に光輝面64を形成する
ための切削加工を行うと共に、ブロック56において、
この光輝面64に対して防錆処理としてのクロメート処
理を行ってクロム層cを形成したのち、ブロック57お
よびブロック58において、カラーベース塗装が施され
た飾り穴62の周縁部63およびクロメート処理が施さ
れた光輝面64を含む全体に対してクリヤ塗装および焼
付けを行ってクリヤ塗料層dを形成する方法があった。
【0003】また、上記製造方法のほかには、図9およ
び図10に示すような製造方法があり、この製造方法で
は、ブロック71における鋳造によって成形したアルミ
ロードホイール素材81に対して、ブロック72におい
て、下地防錆処理としてアルマイト処理ではなくクロメ
ート処理を行ってクロメート層cを形成するようにして
おり、この後のブロック73〜78において上記製造方
法のブロック53〜58と同じ工程を行うようになって
いる。
【0004】これらの光輝アルミロードホイールの製造
方法に関連する塗装技術が、1992年6月15日、社
団法人 自動車技術会発行の「自動車技術ハンドブック
4生産・品質・整備編」の第139頁〜第146頁に
記載されてる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の光輝アルミロードホイールの製造方法では、上述の
説明からも明らかなように、光輝アルミロードホイール
を製造するにあたって、その飾り穴62の周縁部63に
メタリック感を醸し出すと共に、光輝面64にアルミニ
ウム合金本来の光沢感をもたせるようにしなければなら
ないことから、いずれの方法においても、周縁部63に
メタリック感を醸し出すためのブロック52〜ブロック
54(ブロック72〜ブロック74)における下地防錆
処理および焼付け工程を含めたカラーベース塗装工程
と、光輝面64に光沢感をもたせるためのブロック56
〜ブロック58(ブロック76〜ブロック78)におけ
る下地防錆処理および焼付け工程を含めたクリヤ塗装工
程との合計2回の塗装工程を必要としており、とくに、
光輝面64を形成する部分に形成されたカラーベース塗
料層bはブロック55(ブロック75)の切削加工によ
りすべて削りとられてしまう。
【0006】したがって、周縁部63にメタリック感を
醸成するためのカラーベース塗装工程における塗料費,
ブースオーブンに必要なエネルギー費,塗装に付帯する
工数および設備費の大半が無駄なものとなり、これが原
因でランニングコストが高いものになっているという問
題があり、この問題を解決することが従来の課題となっ
ていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記した従来の課題に着目し
てなされたものであって、飾り穴の周縁部にメタリック
感を有すると共にディスクの表側面にアルミニウム合金
本来の光沢感を有する光輝アルミロードホイールを製造
するに際し、メタリック塗装を行わずにメタリック塗装
を施した場合と同等ないしそれ以上のメタリック感を飾
り穴の周縁部に醸し出すことが実現でき、その結果、ラ
ンニングコストを大幅に低減させることが可能である光
輝アルミロードホイールの製造方法を提供することを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る発明は、ディスクの表側面に飾り穴を有したアルミロ
ードホイール素材に塗装を施してアルミロードホイール
を製造するに際して、前記アルミロードホイール素材の
少なくともディスクの表側面全体に電解着色アルマイト
処理を行ったのち、切削加工により光輝面を形成すると
共に当該光輝面に対して下地防錆処理を行い、次いで、
少なくとも前記飾り穴の周縁部および光輝面にクリヤ塗
装を行う構成としており、この光輝アルミロードホイー
ルの製造方法の構成を前述した従来の課題を解決するた
めの手段としている。
【0009】そして、請求項1における光輝アルミロー
ドホイールの製造方法の好ましい一実施態様において
は、アルミロードホイール素材が2.9重量%以上のシ
リコンを含有しているアルミニウム合金である構成と
し、他の実施態様においては、下地防錆処理をクロメー
ト処理とした構成としている。
【0010】また、本発明の請求項3に係わる発明は、
ディスクの表側面に飾り穴を有したアルミロードホイー
ル素材に塗装を施してアルミロードホイールを製造する
に際して、前記アルミロードホイール素材の少なくとも
ディスクの表側面全体にショットブラスト処理を行った
のち、切削加工により光輝面を形成すると共に、少なく
とも前記飾り穴の周縁部および光輝面に対して下地防錆
処理およびクリヤ塗装を行う構成としており、この光輝
アルミロードホイールの製造方法の構成を前述した従来
の課題を解決するための手段としている。
【0011】そして、請求項3における光輝アルミロー
ドホイールの製造方法のより好ましい一実施態様におい
ては、ショットブラスト処理を湿式ショットブラスト処
理とした構成とし、他の好ましい実施態様においては、
ショットブラスト処理に、研磨材としてガラスビーズを
用いる構成としており、このショットブラスト処理を行
う場合にとくに好ましい実施態様として、飾り穴の周縁
部および光輝面に対して施す下地防錆処理をクロメート
処理とした構成としている。
【0012】この場合、本発明の請求項1および請求項
2に係わる発明は、電解着色工程および水洗い工程を含
む電解着色アルマイト処理を行う関係上、従来からアル
ミロードホイール素材全体に下地防錆処理としてアルマ
イト処理を施すようにしている塗装ラインに適用するこ
とが望ましい。
【0013】さらに、アルミロードホイール素材は、鋳
造により成形されたもの、あるいは、鍛造により成形さ
れたもののいずれであっても良い。
【0014】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる光輝アルミロ
ードホイールの製造方法では、ディスクの表側面に飾り
穴を有したアルミロードホイール素材の少なくともディ
スクの表側面全体に電解着色アルマイト処理を行うと、
メタリック塗装を施した場合と同等ないしはそれ以上の
メタリック感が醸し出されることから、こののち、切削
加工により光輝面を形成すると共にこの光輝面に対して
下地防錆処理を行い、次いで、少なくとも飾り穴の周縁
部および光輝面に対してクリヤ塗装を行うと、飾り穴の
周縁部にメタリック感を有すると共にディスクの表側面
にアルミニウム合金本来の光沢感を有する光輝アルミロ
ードホイールが得られることとなり、結局、飾り穴の周
縁部にカラーベース塗装を行う必要がないので、ランニ
ングコストの大幅な低減が図られることとなる。
【0015】また、本発明の請求項2に係わる光輝アル
ミロードホイールの製造方法では、上記した構成として
いるので、アルミロードホイール素材の表面から多くの
シリコンが析出して電解着色アルマイト処理の中和工程
において除去され、このシリコンが除去された部分とア
ルミニウム合金の金属光沢部分との間に細かな明暗の差
が多く生じることから、飾り穴の周縁部により一層強い
メタリック感が醸し出されることとなる。
【0016】一方、本発明の請求項3に係わる光輝アル
ミロードホイールの製造方法では、ディスクの表側面に
飾り穴を有したアルミロードホイール素材の少なくとも
ディスクの表側面全体にショットブラスト処理を行う
と、メタリック塗装を施した場合と同等ないしはそれ以
上のメタリック感が醸し出されることから、こののち、
切削加工により光輝面を形成すると共に、少なくとも飾
り穴の周縁部および光輝面に対して下地防錆処理および
クリヤ塗装を行うと、請求項1に係わる光輝アルミロー
ドホイールの製造方法と同様に、メタリック感を有する
飾り穴の周縁部と、アルミニウム合金本来の光沢感を有
する光輝面を備えた光輝アルミロードホイールが得られ
ることとなり、この場合も、飾り穴の周縁部にカラーベ
ース塗装を行う必要がないことから、ランニングコスト
は大幅に低減することとなる。
【0017】また、本発明の請求項4に係わる光輝アル
ミロードホイールの製造方法では、ショットブラスト処
理を湿式ショットブラスト処理としているので、研磨粉
が舞い上がることがなく、加えて、静電気が生じにくい
ため、活性なアルミニウム合金を研磨しても障害を起こ
す恐れがないことから、メタリック感を有する飾り穴周
縁部と、アルミニウム合金本来の光沢感を有する光輝面
を備えた光輝アルミロードホイールを得る塗装作業が、
環境を損なうことなくかつ安全に行われることとなる。
【0018】さらに、本発明の請求項5に係わる光輝ア
ルミロードホイールの製造方法では、ショットブラスト
処理に、研磨材としてガラスビーズを用いるため、メタ
リック塗装の鱗片状アルミ顔料のような光輝顔料に相当
する光の反射する微細な光輝部分が形成されることとな
り、飾り穴の周縁部により一層強いメタリック感が醸し
出されることとなる。
【0019】さらに、本発明の請求項6に係わる光輝ア
ルミロードホイールの製造方法では、下地防錆処理をク
ロメート処理としているので、とくに、アルミロードホ
イール素材にショットブラスト処理を行う場合、飾り穴
の周縁部に付着するクロムの量が多くなり、耐蝕性が向
上することとなる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
【0021】[第1実施例]図1ないし図3は本発明の
請求項1,請求項2および請求項6に係わる光輝アルミ
ロードホイールの製造方法の一実施例を示すものであ
る。
【0022】図1に示すように、光輝アルミロードホイ
ール1は、アルミロードホイール素材2に対して、本発
明の光輝アルミロードホイールの製造方法における着色
処理,切削加工および塗装を施して得られるもので、ハ
ブ取付け部3と、このハブ取付け部3の周囲に位置して
アルミニウム合金本来の光沢感が醸し出された光輝面4
と、この光輝面4内でかつハブ取付け部3の周囲に等間
隔で設けた複数の裏表両側に開放する飾り穴5とを具備
したディスク8およびこのディスク8の周囲に位置する
リム6を備えており、飾り穴5の各周縁部7においては
それぞれメタリック感が醸し出されている。
【0023】そして、このアルミロードホイール素材2
から上記光輝アルミロードホイール1を得るには、ま
ず、図3に示すブロック11において鋳造により成形さ
れたアルミロードホイール素材2(アルミロードホイー
ル素材2におけるディスク8の表側面全体だけでもよ
い)に対して、ブロック12a〜12hにおける脱脂工
程,水洗い工程,化学研磨工程,水洗い工程,中和工
程,水洗い工程,陽極酸化工程および水洗い工程と、こ
の後のブロック12i〜12kにおける電解着色工程,
水洗い工程および封孔処理工程とからなる電解着色アル
マイト処理(ブロック12)を施して、図2(a)に示
すように、電解着色アルマイト層Aを形成する。
【0024】この後、ブロック13において、アルミロ
ードホイール素材2におけるディスク8の表側面に切削
加工を行って光輝面4を形成すると共に、図2(b)に
示すように、ブロック14において、この光輝面4に対
してクロメート処理を行ってクロム層Bを形成し、次い
で、ブロック15およびブロック16において、飾り穴
5の周縁部7および光輝面4を含む全体(飾り穴5の周
縁部7および光輝面4だけでもよい)にクリヤ塗装およ
び焼付けを順次行ってクリヤ塗料層Cを形成する。
【0025】この実施例において、アルミロードホイー
ル素材2は、7.0重量%のシリコンを含有している鋳
物およびダイカスト用のアルミニウム合金(AC4CH
材)からなるものとしている。
【0026】また、ブロック12gにおける陽極酸化工
程では、常法である硫酸法を用い、さらに、ブロック1
2iにおける電解着色工程では、ニッケルを対極とし
て、硼酸50g/l,硫酸ニッケル20g/lおよび硫
酸亜鉛6g/lを主成分としたグレー系電解着色浴(p
H.4.5)において、電圧1.7V、処理時間210
秒で交流電解処理を実施し、厚さ約15μmの電解着色
アルマイト層Aを得た。
【0027】このように、本発明の請求項1,請求項2
および請求項6に係わる光輝アルミロードホイールの製
造方法により得られた光輝アルミロードホイール1にお
いて、電解着色アルマイト層Aにクリヤ塗料層Cを積層
した飾り穴5の周縁部7について、関西ペイント製メタ
リック感測定装置ALCOPE LMR−100を用い
てIV値(メタリック感の強さを表す値)の測定を行っ
たところ、IV値は103であった。
【0028】[第2実施例〜第4実施例]次に、第2実
施例としてアルミロードホイール素材を2.9重量%の
シリコンを含有している鋳物およびダイカスト用のアル
ミニウム合金からなるものとし、また、第3実施例とし
てアルミロードホイール素材を12.4重量%のシリコ
ンを含有している鋳物およびダイカスト用のアルミニウ
ム合金からなるものとし、さらに、第4実施例としてア
ルミロードホイール素材を20.0重量%のシリコンを
含有している鋳物およびダイカスト用のアルミニウム合
金からなるものとして、各アルミロードホイール素材に
対して第1実施例と同様の製造方法を用いて得られた光
輝アルミロードホイールの飾り穴における周縁部のIV
値を各々測定した。
【0029】この際、第1比較例として、一般的なアル
ミロードホイール用シルバーメタリック塗装のIV値を
測定すると共に、第2比較例として、アルミロードホイ
ール素材を、展伸材料でありかつ0.4〜0.8重量%
のシリコンを含有しているアルミロードホイールの鍛造
用素材として代表されるアルミニウム合金(6061合
金)からなるものとして、このアルミロードホイール素
材に対して第1実施例と同様の製造方法を用いて得られ
た光輝アルミロードホイールの飾り穴における周縁部の
IV値を測定した。
【0030】以上の第1実施例〜第4実施例および第
1,第2比較例の測定結果を表1にまとめて示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、第1実施例〜第4実施例
に係わる光輝アルミロードホイールの製造方法では、光
輝アルミロードホイールの飾り穴における周縁部に、メ
タリック塗装を施した場合と同等ないしはそれ以上のメ
タリック感が醸し出されることが実証でき、また、上記
各実施例のように、アルミロードホイール素材を2.9
重量%以上のシリコンを含有しているアルミニウム合金
とすることにより、飾り穴の周縁部により一層強いメタ
リック感が醸し出されることが実証できた。
【0033】これにより、飾り穴の周縁部にカラーベー
ス塗装を行う必要がない分、ランニングコストの大幅な
低減が図られることとなる。
【0034】[第5実施例]図4および図5は本発明の
請求項3ないし請求項6に係わる光輝アルミロードホイ
ールの製造方法の一実施例を示すものである。
【0035】この実施例において、図4および図5示す
ように、アルミロードホイール素材32から光輝アルミ
ロードホイール(図1参照)を得るには、まず、ブロッ
ク21において鋳造により成形されたアルミロードホイ
ール素材32(アルミロードホイール素材32における
ディスク38の表側面全体だけでもよい)に対して、ブ
ロック22において、湿式ショットブラスト処理を行っ
てブラスト面Dを形成したのち、ブロック23におい
て、アルミロードホイール素材32におけるディスク3
8の表側面に切削加工を行って光輝面を形成すると共
に、ブロック24において、飾り穴の周縁部37および
光輝面を含む全体(飾り穴の周縁部37および光輝面だ
けでもよい)に対して、クロメート処理(下地防錆処
理)を行ってクロム層Eを形成し、次いで、ブロック2
5およびブロック26において、同じく飾り穴の周縁部
37および光輝面を含む全体にクリヤ塗装および焼付け
を順次行ってクリヤ塗料層Fを形成する。
【0036】この場合、ブロック22における湿式ショ
ットブラスト処理には、(株)不二精機製のLH−10
型液体ホーニング装置を用いると共に、研磨材として、
(株)不二精機製のガラスビーズ(平均粒度が125μ
mのフジブライト FB100S)を用い、研磨材濃度
(見掛け体積比)を25%、吹き付けエア圧力を4.0
kg/cm、ノズル径を8.33mmとした条件下に
おいて、アルミロードホイール素材32を7分間にわた
って研磨した。
【0037】このように、本発明の請求項3ないし請求
項6に係わる光輝アルミロードホイールの製造方法によ
りアルミロードホイール素材32から得られた光輝アル
ミロードホイールにおいて、ブラスト面Dにクロム層E
およびクリヤ塗料層Fを積層した飾り穴の周縁部37に
ついて、上記と同様に、関西ペイント製メタリック感測
定装置ALCOPE LMR−100を用いてIV値の
測定を行った結果、クリヤ塗装後のIV値は117であ
り、このときブラスト面Dに付着しているクロムの量は
12mg/mであった。
【0038】[第6実施例〜第9実施例]次に、第6実
施例として研磨材に平均粒度250μmのガラスビーズ
(FB60S)を用い、また、第7実施例として研磨材
に平均粒度177μmのガラスビーズ(FB80S)を
用い、さらに、第8実施例として研磨材に平均粒度74
μmのガラスビーズ(FB150S)を用い、さらにま
た、第9実施例として研磨材に平均粒度53μmのガラ
スビーズ(FB220S)を用いてそれぞれ湿式ショッ
トブラスト処理を行い、この後、各アルミロードホイー
ル素材に対して第5実施例と同様の製造方法における切
削加工および塗装をそれぞれ施して得られた光輝アルミ
ロードホイールの飾り穴における周縁部のIV値および
クロム付着量をそれぞれ測定した。
【0039】[第10実施例および第11実施例]ま
た、第10実施例および第11実施例として、ショット
ブラスト処理を(株)不二精機製のDH−10型乾式シ
ョットブラスト装置を用いた乾式ショットブラスト処理
とし、研磨材として、第10実施例では平均粒度250
μmのガラスビーズ(FB60S)を用い、また、第1
1実施例では平均粒度53μmのガラスビーズ(FB2
20S)を用いて、吹き付けエア圧力を4.0kg/c
、ノズル径を8.33mmとした条件下において、
アルミロードホイール素材における飾り穴の周縁部を重
点的に5分間にわたって研磨した。
【0040】そして、乾式ショットブラスト処理を施し
た各アルミロードホイール素材に対して第5実施例と同
様の製造方法における切削加工および塗装をそれぞれ行
って得られた光輝アルミロードホイールの飾り穴におけ
る周縁部のIV値およびクロム付着量をそれぞれ測定し
た。
【0041】この際、第3比較例として、一般的なアル
ミロードホイール用シルバーメタリック塗装のIV値お
よびクロム付着量を測定すると共に、第4比較例〜第6
比較例として、研磨材をそれぞれ平均粒度250μmの
アルミナ系研磨材(FBR60S)、平均粒度125μ
mのアルミナ系研磨材(FBR100S)、平均粒度5
3μmのアルミナ系研磨材(FBR220S)としてそ
れぞれ研磨を行い、この後、各アルミロードホイール素
材に対して第5実施例と同様の製造方法における切削加
工および塗装をそれぞれ施して得られた光輝アルミロー
ドホイールの飾り穴における周縁部のIV値およびクロ
ム付着量をそれぞれ測定した。
【0042】以上の第5実施例〜第11実施例および第
3比較例〜第6比較例の測定結果を表2にまとめて示
す。
【0043】
【表2】
【0044】表2の結果から、第5実施例ないし第11
実施例に係わる光輝アルミロードホイールの製造方法に
おいても、光輝アルミロードホイールの飾り穴における
周縁部に、メタリック塗装の場合と同等ないしはそれ以
上のメタリック感が醸成されることが実証でき、したが
って、飾り穴の周縁部にカラーベース塗装を行う必要が
なくなることから、ランニングコストは大幅に低減する
こととなり、加えて、ショットブラスト処理設備は、比
較的安価でかつ自動化も容易であることから、上記光輝
アルミロードホイールの製造方法に使用する塗装ライン
を新たに設置する際には、設備費を低く抑えることがで
きることとなる。
【0045】また、第5実施例ないし第9実施例では、
ショットブラスト処理を湿式ショットブラスト処理とし
ているので、処理中に研磨粉が舞い上がったり、静電気
による障害を起こしたりすることがないことから、塗装
作業は環境を損なうことなくかつ安全に行われることと
なる。
【0046】さらに、第5実施例ないし第11実施例で
は、研磨材としてガラスビーズを用いていることから、
光をよく反射する微細な光輝部分が形成されることとな
り、研磨材にアルミナ系研磨材を用いた場合と比較し
て、飾り穴の周縁部により一層強いメタリック感が醸し
出されることとなる。
【0047】さらにまた、これらの実施例では、下地防
錆処理をクロメート処理としているので、表2から判る
ように、ショットブラスト処理を行った飾り穴の周縁部
に付着するクロムの量が多くなり、耐蝕性が向上するこ
ととなる。
【0048】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の請求
項1に係わる光輝アルミロードホイールの製造方法で
は、上記した構成としているので、ディスクの表側面に
飾り穴を有したアルミロードホイール素材の少なくとも
ディスクの表側面全体に電解着色アルマイト処理を行う
と、メタリック塗装を施した場合と同等ないしはそれ以
上のメタリック感が醸し出されることから、飾り穴の周
縁部にカラーベース塗装を行う必要がなくなり、その結
果、ランニングコストを大幅に低減させることができる
という極めて優れた効果がもたらされる。
【0049】また、本発明の請求項2に係わる光輝アル
ミロードホイールの製造方法では、ランニングコストを
大幅に低減させることが可能であるうえ、電解着色アル
マイト処理中に多くの析出シリコンが除去されることか
ら、このシリコンが除去された部分とアルミニウム合金
の金属光沢部分との間に細かな明暗の差が多く生じるこ
ととなり、飾り穴の周縁部により一層強いメタリック感
を醸し出すことができるという極めて優れた効果がもた
らされる。
【0050】さらに、本発明の請求項3に係わる光輝ア
ルミロードホイールの製造方法では、ディスクの表側面
に飾り穴を有したアルミロードホイール素材の少なくと
もディスクの表側面全体にショットブラスト処理を行う
と、メタリック塗装を施した場合と同等ないしはそれ以
上のメタリック感が醸し出されるため、請求項1に係わ
る光輝アルミロードホイールの製造方法と同様に、飾り
穴の周縁部にカラーベース塗装を行う必要がなく、結
局、ランニングコストの大幅な低減を実現できるという
極めて優れた効果がもたらされる。
【0051】さらにまた、本発明の請求項4に係わる光
輝アルミロードホイールの製造方法では、ショットブラ
スト処理の際に、研磨粉が舞い上がることがないうえ、
静電気による障害を起こす恐れがないことから、光輝ア
ルミロードホイールを得る塗装作業を環境や安全性を損
なうことなく行うことができるという極めて優れた効果
がもたらされる。
【0052】さらにまた、本発明の請求項5に係わる光
輝アルミロードホイールの製造方法では、光が多く反射
する微細な光輝部分を形成できることから、飾り穴の周
縁部により一層強いメタリック感を醸し出させることが
でき、本発明の請求項6に係わる光輝アルミロードホイ
ールの製造方法において、とくに、アルミロードホイー
ル素材の少なくとも表側面全体にショットブラスト処理
を行う場合には、飾り穴の周縁部に付着するクロムの量
を多くすることができるので、耐蝕性を向上させること
が可能であるという極めて優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1,請求項2および請求項6に
係わる光輝アルミロードホイールの製造方法の一実施例
により製造された光輝アルミロードホイールの正面説明
図である。
【図2】(a)図1に示した光輝アルミロードホイール
における飾り穴の周縁部での断面説明図である。 (b)図1に示した光輝アルミロードホイールにおける
光輝面での断面説明図である。
【図3】本発明の請求項1,請求項2および請求項6に
係わる光輝アルミロードホイールの製造方法の一実施例
を工程順に示すブロック図である。
【図4】本発明の請求項3ないし請求項6に係わる光輝
アルミロードホイールの製造方法の一実施例を工程順に
示すブロック図である。
【図5】本発明の請求項3ないし請求項6に係わる光輝
アルミロードホイールの製造方法の一実施例により製造
された光輝アルミロードホイールの飾り穴周縁部での断
面説明図である。
【図6】従来における光輝アルミロードホイールの製造
方法を工程順に示すブロック図である。
【図7】従来における光輝アルミロードホイールの製造
方法により製造された光輝アルミロードホイールの部分
正面説明図である。
【図8】(a)図7に示した光輝アルミロードホイール
における飾り穴の周縁部での断面説明図である。 (b)図7に示した光輝アルミロードホイールにおける
光輝面での断面説明図である。
【図9】従来における他の光輝アルミロードホイールの
製造方法を工程順に示すブロック図である。
【図10】従来における他の光輝アルミロードホイール
の製造方法により製造された光輝アルミロードホイール
の飾り穴周縁部での断面説明図である。
【符号の説明】
2,32 アルミロードホイール素材 4 光輝面 5 飾り穴 7,37 飾り穴の周縁部 8,38 ディスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 22/24 28/00 C

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスクの表側面に飾り穴を有したアル
    ミロードホイール素材に塗装を施してアルミロードホイ
    ールを製造するに際して、前記アルミロードホイール素
    材の少なくともディスクの表側面全体に電解着色アルマ
    イト処理を行ったのち、切削加工により光輝面を形成す
    ると共に当該光輝面に対して下地防錆処理を行い、次い
    で、少なくとも前記飾り穴の周縁部および光輝面にクリ
    ヤ塗装を行うことを特徴とする光輝アルミロードホイー
    ルの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミロードホイール素材が2.9重量
    %以上のシリコンを含有しているアルミニウム合金であ
    る請求項1に記載の光輝アルミロードホイールの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 ディスクの表側面に飾り穴を有したアル
    ミロードホイール素材に塗装を施してアルミロードホイ
    ールを製造するに際して、前記アルミロードホイール素
    材の少なくともディスクの表側面全体にショットブラス
    ト処理を行ったのち、切削加工により光輝面を形成する
    と共に、少なくとも前記飾り穴の周縁部および光輝面に
    対して下地防錆処理およびクリヤ塗装を行うことを特徴
    とする光輝アルミロードホイールの製造方法。
  4. 【請求項4】 ショットブラスト処理を湿式ショットブ
    ラスト処理とした請求項3に記載の光輝アルミロードホ
    イールの製造方法。
  5. 【請求項5】 ショットブラスト処理に、研磨材として
    ガラスビーズを用いる請求項3または請求項4に記載の
    光輝アルミロードホイールの製造方法。
  6. 【請求項6】 下地防錆処理をクロメート処理とした請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光輝アルミロ
    ードホイールの製造方法。
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