JP2007099151A - 軽合金ホイールおよびその塗膜形成方法 - Google Patents

軽合金ホイールおよびその塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗装による着色部と、軽合金素材が有する光輝色部をデザイン面に持つ軽合金ホイール素材を製造する際、その両者の境目が綺麗に分かれ、外観不良を出さないようにするための塗装方法と、その塗装方法によって形成された塗膜を有する軽合金ホイールを提供する。
【解決手段】 着色された塗膜が形成された着色部と、切削加工による光輝面をデザイン部に持つ軽合金ホイールであって、前記着色部と光輝面に形成されたクリアーコート層の積層数が各部で異なることを特徴とする軽合金ホイール。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属調の塗装が施された、アルミニウム合金などを基体とする軽合金ホイールに関する。
自動車(例えば乗用車)部品である軽合金ホイールでは、高質感をもった外観を呈するようにするために、基体の表面に多層からなる塗装が施される。近年、さらに高質感を高めるために、デザイン面の全てを色彩塗料で覆わず、軽合金金属の金属面を透明性塗料のみで覆った光輝品の切削仕上げが製造されている。
特許文献1には、光輝アルミロードホイールの製造方法として、ディスクの表側面に飾り穴を有したアルミロードホイール素材に塗装を施してアルミロードホイールを製造するに際して、アルミロードホイール素材の少なくともディスクの表側面全体に電解着色アルマイト処理を行ったのち、切削加工により光輝面を形成すると共に当該光輝面に対してクロメート処理を行い、次いで飾り穴の周縁部および光輝面にクリアー塗装を行うことが開示されている。
また、特許文献2には、つるつる感や防食性、作業者の切り傷対策、飛び石による塗膜損傷低減、を達成するためのアルミホイールの塗膜とその塗装方法として、アルミホイールの鋳肌面上にカチオンあるいはアニオン電着プライマー層を形成し、その上にアクリル系溶剤カラー層を形成し、切削後、さらにその上にかつ切削面にアクリル系クリアー層を順に形成することが記載されている。
特開平7−329502号公報((0022)〜(0024)) 特開平10−193512号公報((0016)〜(0019))
しかしながら、軽合金ホイールのディスク面に塗装を施して着色し、その後例えば、スポークの表面側のみを切削加工し、塗装による着色部と切削加工により表皮した軽合金の材質自体を際立たせた光輝面の2色を出そうとすると、その両者の境目が綺麗なラインを描かないという問題が発生する。これは、スポークの表面側を切削加工する際、境目の部分で、着色部のプライマー層、カラーベースコート層やメタリック層が割れたり剥げたりするためである。また、切削屑がこのカラーベースコート層やメタリック層にぶつかって発生する外観不良(たたかれ)が発生することもある。このような不具合が発生すると、再度塗装を施して着色部を設けるか、手直しなどによって両者の境目のラインが綺麗に見えるように修正しなければならず、コスト高になる原因であった。
本発明は上記の問題を解決し、塗装による着色部と、軽合金素材が有する光輝色部をデザイン面に持つ軽合金ホイール素材を製造する際、その両者の境目が綺麗に分かれ、かつたたかれ等の外観不良を出さないようにするための塗装方法と、その塗装方法によって形成された塗膜を有する軽合金ホイールを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の軽合金ホイールの塗膜形成方法は、軽合金ホイール基体に最上層がクリアーコート層となる多層の着色部を形成する工程と、前記形成された着色部の一部を加工して軽合金ホイール基体を出す光輝面を形成する工程と、前記光輝面と着色部の両方にクリアートップコート層を設けることを特徴とするものである。
つまり、前記のように従来では、カラーコート層を最上面になるよう全面に塗装し、その後切削加工により軽合金ホイール基体を露出させて光輝面を形成していたため、厚い粉体プライマー層が割れたりはがれたりするので、当然カラーベースコート層やメタリック層も割れたりして外観不良が発生しやすい。また、カラーベースコート層やメタリック層では微細な傷でも目立つが、切削加工中に発生する切削屑がぶつかってたたかれ等の傷が付きやすい。よって、光輝面を形成するための切削加工の前に、カラーベースコート層やメタリック層をクリアーコート層で覆うことで、クリアーコート層がカラーコート層やメタリック層の割れ、剥がれを防ぐことができる。クリアーコート層も多少割れたり剥がれたりするが、透明であるため、着色部と光輝面に再度クリアートップコート層を設ければ外観不良とならない。
クリアーコート層の形成コストはかかるものの、カラーコート層やメタリック層が割れたり剥げたりしたときの、手直しのための人件費や、再度プライマー層、カラーベース層、メタリック層などを塗装するよりトータルして遥かに安価な塗装設備とすることができる。
これにより塗装された本発明の軽合金ホイールは、塗膜構成として、着色された塗膜が形成された着色部と、切削加工による光輝面をデザイン部に持つ軽合金ホイールであって、前記着色部と光輝面に形成されたクリアーコート層の積層数が各部で異なることを特徴とするものが得られる。
また、前記着色部には、プライマー層、カラーベースコート層、クリアーコート層、クリアートップコート層の順に形成された4層塗膜、若しくはプライマー層、カラーベースコート層、メタリック層、クリアーコート層、クリアートップコート層の順に形成された5層塗膜が形成されているものに適用することが好ましい。前記光輝面には、着色部と同じクリアートップコート層のみが形成されることになる。耐候性や防食性などをあげるために、さらに上層にクリアーコート層を設けるなど、適宜多層にしてもよい。特にメタリック層は金属製フレークを用いるものが多く、割れや剥がれが発生しやすいため、本発明を適用した際の外観不良の発生を抑えるのに多大な効果を発揮する。クリアーコート層とクリアートップコート層が同じ材質の場合、各層が多層なのかは成分分析からは解析困難であるが、膜厚の厚みが光輝面では従来通り40μm以下となり、着色部では40μm超の膜厚となる。
本発明の軽合金ホイールには、鋳造により形成されたものを適用することが好ましい。鋳肌面を持ち、前記着色部の塗膜は鋳肌面上に設けられる。
本発明において、クリアーコート層、クリアートップコート層とは、透明性の塗料であれば既知のものが使用できる。例えば、有機溶剤にポリマーまたはオリゴマーを溶解した溶剤系クリアー塗料または粉体系クリアー塗料を使用して形成することが可能である。
本発明によれば、軽合金ホイール基体の光輝面を出すための切削加工を行う前に、カラーコート層の上にクリアーコート層を施すので、切削加工されるカラーコート層の端部でカラーコート層が割れたり剥がれたりすることが無くなる。これにより、光輝面と着色部の境界線が明確になり、外観不良の発生が極めて少なくなる。
従来よりもクリアーコート層を1層分多く塗装するコストよりも、カラーコート層が割れたり剥がれたりした時の塗装のし直しや、手直しによる人件費が無くなるコストの方が大きく、全体的な塗装設備としてコストが安いものとなる。
本発明の軽合金ホイールとして使用するものはJIS規格AC4CH材などを使用した低圧鋳造さらには一体型鋳造によるものが好適である。鋳造軽合金ホイールは鋳肌に凹凸を持つため、プライマー層はこの凹凸を隠すことができる膜厚となる粉体塗装であることが好ましい。
軽合金ホイールの基体(軽合金素材)表面は、プライマー層を設ける前に前処理が施される。この前処理には、一般に、脱脂と酸洗を行い、その後化成処理が施される。化成処理液として一般的にはクロム酸クロムやリン酸クロムを用いたクロメート処理が適用されるが、環境保護の観点からノンクロムの化成処理液として、Ti酸やZr酸を用いたものが使用される。
プライマー塗料は、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系の樹脂を使用できる。水酸基の配向による金属への密着性の良好なエポキシ系粉体塗料(グリシジルエーテル型(例えばビスフェノールA型)、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、環状オキシラン型エポキシ樹脂を主体とする)を用いることが好ましい。エポキシ系粉体塗料としては、価格及び基体との密着性の点から、特に、酸末端ポリエステル樹脂を硬化剤とするグルシジル基/カルボキシル基架橋型エポキシ樹脂からなり、固形分濃度が高い(40〜60質量%)エポキシ・ポリエステル系粉体塗料が好ましい。エポキシ・ポリエステル/ハイブリッド系粉体塗料を、150〜180℃の温度で、10〜30分間焼付けることにより、平滑でかつ強固な高分子架橋塗膜が形成される。プライマー層の膜厚は、上記のように軽合金ホイールの鋳肌の凹凸を隠す必要がある場合、40〜200μm程度の厚さで形成される。塗膜装置には静電塗装装置が一般的に用いられる。
カラーベース塗料として、例えばアクリル、ポリエステル、エポキシ樹脂等からなり溶剤を含むものがある。プライマー層にエポキシ−ポリエステル系のハイブリット粉体塗料を用いた場合、熱硬化性のアクリル樹脂系着色塗料を用いることが好ましい。アクリル樹脂や硬化剤、顔料などを有機溶剤に溶解もしくは分散してなる熱硬化性塗料が好ましい。環境保護のために有機溶剤の割合が少ないハイソリッド系のものが好ましく、例えばアクリル樹脂と硬化剤、顔料などがvol%で全体の50%以上のものが好ましい。軽合金ホイールへの塗布方法として、エアスプレ−や静電塗装などで塗装することが好ましい。膜圧は10〜40μmが一般的である。
メタリック塗料を上層に塗装する場合、カラーベース塗料には顔料が用いられ、黒色に近い濃彩色系のベース層とする必要がある。有機顔料、無機顔料、炭素系顔料(例えば、カーボンブラック、グラファイト等)、メタリック粉末などの公知の顔料を適宜使用し、黒色系の濃彩色ベース層とする。他、防錆顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、ワキ防止剤等の添加剤を配合することができる。
メタリック塗料は、金属調(めっき調)の外観を持つもの全てを含むものである。例えば、クロム、アルミニウム、ニッケルおよびそれらの合金の金属箔(フレーク)を含む塗料か、ニッケル、金、銀、銅、クロムおよびそれらの合金などを蒸着などにより被覆した層を指す。金属箔は蒸着した金属薄帯を粉砕したものが好ましい。例えば、平均厚みが10Å以上500Å以下で、平均径が3μm以上50μm以下のフレークを含むものが好ましい。これら金属箔がある部分に投射された光はメタリック層で反射し、金属箔がない部分に投射された光はその下のクリアー層を介してカラーベース層で反射するため、カラーベース層の色調を反映した外観性に優れた金属調塗膜となる。カラーベース層は濃彩色のものが好ましく、チタン合金のような鋼の色合いを出すことができる。金属箔のアスペクト比(金属フレークの幅/厚さ)は300超〜800が好ましく、更に好ましくは400〜700が好ましい。
メタリック顔料となる偏平な(鱗片状の)フレークの多くは、クリアー層5に沿って平行に並ぶように(配向された)状態で、クリアー層5との界面近傍に偏在している。フレークの配向を容易にするために、リーフィング化されたアルミニウムフレークを使用することもできる。リーフィング化されたアルミニウムフレークは飽和脂肪酸(例えばステアリン酸)などで被覆することにより得られる。このアルミニウムフレークは、クリアー層と平行に配向され、これにより反射光や干渉光により高い輝度感をもった塗膜が得られる。このメタリック層の厚さは0.05〜10μm、好ましくは0.1〜3μmである。メタリック層の厚さが0.05μm未満であると、紫外線がクリアー層に到達し易くなり、耐候性が低下し、その厚さが10μmを越えると、層形成時間が長くなる。
この蒸着アルミニウムフレークは、アルミニウムをプラスチックフィルムの表面に蒸着後粉砕し、基材を溶解除去することにより作成される。厚さが非常に薄く、アスペクト比は300超のものを用いるため、クリアー層に沿って平行に並ぶように配向される。また本発明では、リーフィング化されたアルミフレークとともに蒸着アルミフレークを添加することにより、さらに高い輝度感を得ることが可能である。さらに本発明では、リーフィング化されたアルミニウムフレーク及び/又は蒸着アルミニウムフレークの他に、粉砕アルミニウムフレークを添加することにより、別の意匠感を創出することが可能である。
また、メタリック塗料の顔料として、平均粒径が300nm以下の黒色顔料を添加することが好ましい。平均粒径が300nmより大きいと、クリアー層とベース層を通過する可視光が顔料7,8により遮断され、その下地のベース層2にまで到達できなくなる。渋みの有るシルバーの色調、高級感の有るチタン合金肌のような色調を出すためにはベース層の濃彩色が外部から入射される可視光の反射壁となり、再度クリアー層にまで反射しなければならない。よって、この黒色顔料およびイエロー顔料の粒度を所定の値まで小さくする必要がある。
メタリック層に含まれる黒色系顔料としては、フリップフロップ性を向上させるために、例えば黒色乃至茶色または青色の色相を呈する無機顔料あるいは有機着色顔料を用い得る。これらの顔料としては、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、マグネタイト、ヘマタイト(茶色)、銅・クロムブラック、コバルトブラック、銅・マンガン・鉄ブラック等の無機黒色顔料、群青、紺青、コバルトイブルー等の無機青色顔料、フタロシアンブルー等の有機青色顔料が挙げられる。
また、イエロー系顔料として、黄鉛、黄色酸化鉄、黄色系LiFeO黄色系酸化チタン粉末など、適宜使用可能である。
前記したように、クリアーコート層、クリアートップコート層は、例えば、有機溶剤にポリマーまたはオリゴマーを溶解した溶剤系クリアー塗料または粉体系クリアー塗料を使用して形成することが可能である。クリアー塗料としては、透明性、光沢、耐候性等に優れたアクリル塗料、例えば、固形分濃度が40〜50質量%程度のアクリル溶剤塗料を用いることが好ましい。アクリル塗料には、アクリル系モノマーとエポキシ基、カルボキシル基、水酸基等の官能性モノマーを溶液重合させて得られる熱硬化性アクリル樹脂が使用される。特に、メラミンを架橋剤とした硬化性アクリル樹脂が使用され、樹脂固形分濃度が40〜50質量%程度のアクリル溶剤塗料を用いることが好ましい。クリアー層4は、メタリックベース層の表面に塗布後、130〜180℃の温度で焼付けることにより、例えば10〜40μmの厚さに形成される。クリアーコート層、クリアートップコート層は、同じ塗料を用いても、異なる塗料を用いてもよい。
(実施例1)
以下本発明の詳細を添付図面により説明する。
図1は本発明の金属調塗膜の断面を模式的に示す図である。図1(c)において、30は、Al、Mg、Fe等の金属またはそれらの合金で鋳造により形成された基体であり、図3における軽合金ホイールのスポーク部のA−A断面を示す。本発明の軽合金ホイールは、その表面に粉体樹脂によるプライマー層11、カラーベースコート層12、クリアーコート層13、及びクリアートップコート層14からなる塗膜を有する着色部15と、クリアートップコート層14のみからなる光輝面16を持つ。
通常、この塗膜を形成する前に、耐食性を高めるために基体30の表面に前処理が施される。基体30が鋳物などのアルミニウム合金の場合は、アルカリ脱脂、及びクロメート処理に代表される化成処理を施す。化成被膜は、3mg/m以上(好ましくは5〜20mg/m)の付着量を有するように形成される。化成処理後の基体30は、水洗、乾燥される。
Al−Si−Mg系合金(JIS AC4CH材相当)からなる基体(低圧鋳造による一体型アルミホイール)をアルカリ脱脂、クロメート処理後、純水で水洗し、乾燥して、前処理を施した。
その後、プライマー層11として、エポキシ・ポリエステル/ハイブリッド系粉体塗料を、軽合金ホイール基体1に静電塗装により約100μmの厚さに積層し、150〜180℃の温度で、30〜60分間焼付けた。その後、被覆したプライマー層の上に、アクリルハイソリッド系のシルバー系の熱硬化性樹脂(日本ペイント工業社製のアクリルメラミン樹脂系塗料)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、100〜130℃で10〜30分間焼付け、カラーベースコート層を形成した。その後、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付け、クリアーコート層13を形成した。このときの軽合金ホイール基体と塗膜の構成は、図1(a)に模式的に示すものである。
その後、光輝面を形成するために、軽合金ホイールを旋盤加工機に取付け、スポーク部の中央部デザイン面側とデザイン面の周囲を、ほぼ平坦になるように切削加工を施し、軽合金ホイール基体が表層に出した光輝面を作成した。このときの軽合金ホイール基体と塗膜の構成は、図1(b)に模式的に示すものである。この切削工程の際、プライマー層11、カラーベースコート層12の端部は、クリアーコート層13により覆われているために割れや剥がれが起きず、光輝面16と着色部15の境界は綺麗なライン状となり、外観不良の発生率は0.5%以下となった。
その後、軽合金ホイールを旋盤加工機から外し、先ほど形成した光輝面16と着色部15の両方の上面に、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付け、クリアートップコート層14を形成した。このときの軽合金ホイール基体と塗膜の構成は、図1(c)に模式的に示すものである。
(実施例2)
実施例1と同様に、軽合金ホイール基体にアルカリ脱脂、クロメート処理後、純水で水洗し、乾燥して、前処理を施した。
その後、プライマー層11として、エポキシ・ポリエステル/ハイブリッド系粉体塗料を、軽合金ホイール基体1に静電塗装により約100μmの厚さに積層し、150〜180℃の温度で、30〜60分間焼付けた。その後、被覆したプライマー層の上に、アクリルハイソリッド系の黒色の熱硬化性樹脂(日本ペイント工業社製のアクリルメラミン樹脂系塗料)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、100〜130℃で10〜30分間焼付け、カラーベースコート層を形成した。このカラーベースコート層の上に、蒸着アルミニウムフレーク(平均厚さが170Å、平均粒径が14μm)15質量部、平均粒径200Åのカーボンブラック10質量部、バインダー樹脂(ポリエステル系樹脂)100質量部と、キシレン100質量部を混練したメタリック塗料を膜厚が0.5μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、100〜130℃で20分間焼付けて、厚さ0.5μmのメタリック層を形成した。その後、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付け、クリアーコート層13を形成した。
その後、光輝面16を形成するために、軽合金ホイールを旋盤加工機に取付け、スポーク部の中央部デザイン面側とデザイン面の周囲を、ほぼ平坦になるように切削加工を施し、軽合金ホイール基体が表層に出した光輝面16を作成した。この切削工程の際、プライマー層11、カラーベースコート層12の端部は、クリアーコート層13により覆われているために割れや剥がれが起きず、光輝面16と着色部15の境界は綺麗なライン状となり、外観不良の発生率は0.5%以下となった。
その後、軽合金ホイールを旋盤加工機から外し、先ほど形成した光輝面16と着色部15の両方の上面に、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付け、クリアートップコート層14を形成した。このときの軽合金ホイール基体と塗膜の構成は、図2に模式的に示すものである。
(比較例1)
従来の方法と同様にして、着色部と光輝面を持つ光輝性軽合金ホイールを製造した。実施例2の塗膜に対し、クリアーコート層13を設けず、プライマー層11、カラーベースコート層12、メタリック層17の塗膜を軽合金ホイールのデザイン面全体に形成し、その後、軽合金ホイール1を旋盤加工機に設置し、スポーク部の中央部デザイン面側とデザイン面の周囲を、ほぼ平坦になるように切削加工を施し、軽合金ホイール基体が表層に出した光輝面16を作成した。プライマー層17の端部は、旋盤加工機の切削工具が衝突などを起こす場所であり、図3に示すように、切削割れや、剥がれ18aが生じており、光輝面16と着色部15の境界はいびつなライン状となっていた。また、カラーベースコート層12やメタリック層17の表面にはたたかれ18bが発生していた。これによる外観不良の発生率は5%以上であり、これらは再度の塗装、もしくは手直しによる修正を行った。
本発明の軽合金ホイールの塗膜構成を示す模式図である。 本発明の別の塗膜構成を示す模式図である。 光輝性軽合金ホイールの外観を示す一例である。 従来の軽合金ホイールの塗膜構成を示す模式図である。
符号の説明
1:軽合金ホイール、11:プライマー層、12:カラーベースコート層、13:クリアーコート層、14:クリアートップコート層、15:着色部、16:光輝面、17:メタリック層、30:軽合金ホイール基体

Claims (5)

  1. 着色された塗膜が形成された着色部と、切削加工による光輝面をデザイン部に持つ軽合金ホイールであって、前記着色部と光輝面に形成されたクリアーコート層の積層数が各部で異なることを特徴とする軽合金ホイール。
  2. 前記着色部には、プライマー層、カラーベースコート層、クリアーコート層、クリアートップコート層の順に形成された4層塗膜、若しくはプライマー層、カラーベースコート層、メタリック層、クリアーコート層、クリアートップコート層の順に形成された5層塗膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の軽合金ホイール。
  3. 前記光輝面には、着色部と同じクリアートップコート層のみが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軽合金ホイール。
  4. 前記軽合金ホイールは鋳造により形成された鋳肌面を持ち、前記着色部の塗膜は鋳肌面上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の軽合金ホイール。
  5. 軽合金ホイールの塗膜形成方法であって、軽合金ホイール基体に最上層がクリアーコート層となる多層の着色部を形成する工程と、前記形成された着色部の一部を加工して軽合金ホイール基体を出す光輝面を形成する工程と、前記光輝面と着色部の両方にクリアートップコート層を設けることを特徴とする軽合金ホイールの塗膜形成方法。
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