JP2007126116A - 光輝性軽合金ホイールおよびその塗膜形成方法 - Google Patents

光輝性軽合金ホイールおよびその塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 メタリック層形成前の歩留まりの低下、および塗装の手直しが容易かつ安価にでき、同時に、従来の3層用の塗装設備を使用でき、安価かつ耐候性や密着性が良好で品質にバラツキのない金属調塗膜を施せる光輝性軽合金ホイールを提供する。
【解決手段】 プライマー層および/もしくはカラーベース層からなる下地層と、メタリック層と、前記メタリック層の上にクリアー層が形成された光輝性塗膜が基体に施された軽合金ホイールであって、前記下地層とメタリック層の間に中間層が形成されていることを特徴とする。中間層はクリアー層であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属調の光輝性塗装が施された、アルミニウム合金などを基体とする光輝性軽合金ホイールに関するものであり、特に鋳肌部分に光輝性塗装を施すものである。
自動車(例えば乗用車)部品である軽合金ホイールでは、高質感をもった外観を呈するようにするために、基体の表面に多層からなる塗装が施される。近年、さらに高質感を高めるために、金属の研摩面を連想させる金属調シルバー塗装(光輝性塗装)を施すものが製造されている。この光輝性シルバー塗装では、従来のシルバーメタリック系のぎらぎらした粒子感を感じさせない高い緻密感と、視覚の方向によって大きな陰影感を与える金属調塗装が要求されており、このような光輝性塗膜を実現するために、種々の提案がなされている。
一般的な金属調シルバー塗装として、特許文献1にはめっき調のアルミホイールの塗膜構成が開示され、アルミホイールの表面に、粉体プライマー、溶剤あるいは水性カラーベースコート、溶剤あるいは水性めっき調コート、溶剤あるいは粉体トップコート(クリヤー)からなる4層の塗膜が記載されている。また、特許文献2にも同様の、被覆材の表面に、ポリエステル、アクリル、エポキシ系の粉体樹脂塗膜を20〜200μmの厚さで設け、その上にポリエステル樹脂を主材とした熱硬化性樹脂による10〜40μmのアンダーコート層を設け、その上にチタン合金薄膜を設け、その上に透明樹脂塗膜を設けた4層の塗膜材料が記載され、被覆する対象としてアルミホイールを用いることが記載されている。
一方、現在の軽合金ホイール塗膜は、特許文献3に記載するように、エポキシポリエステル系粉体塗料などのプライマー層、アクリル系カラー塗料からなるベースコート層、アクリル系クリアー塗料からなるクリアー層の3層塗膜を形成したものが主流である。上記の光輝性顔料を用いる金属調シルバー塗装の需要が高まっているとはいえ、その比率は軽合金ホイールの分野で3割程度に留まっており、コンマ数%程度の特殊塗装を除けば、それ以外はほぼこのプライマー層、ベースコート層、クリアー層からなる3層塗膜の軽合金ホイールが用いられている。
特開2000−140756号公報((0024)〜(0031)、図1) 特開2002−219771号公報((0019)〜(0021)、図1) 特開平5−209141号公報((0012)〜(0020))
光輝性軽合金ホイールは、外観に光輝性を施すために、通常、薄さ0.1μm以下の蒸着アルミフレークが内部で分散したメタリック塗料が用いられる。しかしながら、このメタリック塗料は、非常に高価である。通常、メタリック塗料は、他のプライマー塗料、カラーベース塗料、クリアー塗料の、3つの塗料コストの合計よりも高い。よって、光輝性軽合金ホイールの外観不良が、メタリック塗料の形成後に見つかった場合、手直しした後に再度メタリック塗料を塗らなければならないため、非常にコストが高くなる。
外観不良は下地層を原因とするものもある。下地層を塗装した時点で一度検査を行うと、全体のホイールの不良の中で、下地層を原因とする外観不良の発生分がなくなり、その分高価なメタリック塗料の再塗装が不要になる。下地層を原因とする外観不良とは、鋳肌の凹凸が下地層の表面に表れてしまうものである。この手直しとして、研磨機もしくはサンドペーパーなどを用いた手作業で、下地層表面の凹凸を平滑にする作業が行われる。しかし、研磨によってホイール基体が露出したり、下地層が多層の場合は下層部が露出したりすることがあり、その場合は、再度下地層の塗装をやり直す必要があった。
また、殆どの軽合金ホイールメーカでは、製品の多くを占める上記特許文献3に示すような3層塗膜の軽合金ホイール用の製造ラインを設備している。この製造ラインは、軽合金ホイールの基体表面にプライマー塗装を施す粉体塗装工程と、カラーベース塗料を吹付けるための塗装装置と、このカラーベース塗料を焼付けるための第1の焼成炉と、クリアー塗料を吹付けるための塗装装置と、このクリアー塗料を焼付けるための第2の焼成炉を有する。
一方、一般の金属調シルバー塗装は、特許文献1のように、プライマー層、濃色系のカラーベース層、蒸着アルミフレークなどの金属箔を含んだメタリック層、クリアー層の4層構造とする必要がある。この4層構造の各塗料を塗装するには、上記の3層用の塗装設備に塗料の塗装装置とその塗料を焼付けるための焼成炉それぞれをもう1つずつ設置して、4層塗装対応の塗装設備にすることが好ましいが、3層用の塗装設備と4層用の塗装設備の両方を設置することはコスト的に問題がある。
逆に、4層用の塗装設備で一般の3層塗装を行おうとすると、メタリック層用の塗装装置と焼成炉は単なる軽合金ホイールの通過スペースとなる。メタリック塗料用の焼成炉で軽合金ホイールに熱を付与しないまま通過させると、軽合金ホイールがこのスペースで放熱してしまい、クリアー塗料の焼成炉5の温度管理が困難となる。また、メタリック塗料用の焼成炉で軽合金ホイールに熱を付与し、軽合金ホイールの温度を保持しようとしても、カラーベース塗料が2つの焼成炉で長時間焼付けされてしまう。これによりカラーベース塗料の樹脂特性が変わり、その上に形成されるメタリック層との密着性が悪化する。
これらの問題からホイールメーカでは、金属調シルバー塗装の4層塗膜を形成する場合でも、4層用の塗装設備を設置せず、従来の3層塗膜用の塗装製造ラインを使用していた。具体的には、図5に示すように、軽合金のホイール基体9にプライマー層を設けた後、カラーベース塗料の塗装装置2に入れ、カラーベース塗料を焼成炉3で焼付け、再度軽合金ホイールを塗装装置2に戻し(一端、別の場所に滞留させた後に戻すこともある)、カラーベース塗料と同じ塗装装置2でメタリック塗料を塗装し、焼成炉3で焼付ける。その後、塗装装置4に軽合金ホイールを搬送してクリアー塗料を塗布し、そのクリアー塗料を焼成炉5によって焼付けしていた。しかし、この塗装方法では、カラーベースを焼付ける焼成炉3にはホイール基体が2回搬送されるのに対し、クリアー塗料を焼付けする焼成炉5には1回しか搬送されない。このため、クリアー塗料を焼付けする焼成炉5には、ホイール基体が搬送されていない時間帯ができる。よって、ホイール基体が搬送され始めた際に炉温が低下し、熱処理温度が安定せず、クリアー塗料の焼き付き不良が出やすいという問題があった。
このため、発明者等は、軽合金ホイールにカラーベース塗料を塗装装置2、焼成炉3で形成した後、クリアー塗料を塗布せずに塗装装置4内を通過させ、焼成炉5は常に軽合金ホイール基体を流して一定温度が保てるよう稼動させ続け、その後、再度軽合金ホイール基体を塗装装置2に戻し、カラーベース塗料を塗布した同じ塗装装置2でメタリック塗料を塗布し、焼成炉3で焼付けし、その後クリアー塗料を塗装装置4で塗布し、焼成炉5で焼付けして4層の塗膜を形成するなどの対策を行った。しかしながら、この方法では、前記と同様にカラーベース塗料が塗装された状態で2度焼成炉を通るため、長時間焼付けされて塗膜の特性が変わってしまい、メタリック層との密着性が悪化してしまうことがわかった。
本発明は上記の問題を解決し、メタリック層形成前の歩留まりの低下を防止し、また、手直しをしても下地層の再塗装が不要であり、同時に、従来の3層用の塗装設備を使用でき、密着性が良好で品質にバラツキのない金属調塗膜を施せる光輝性軽合金ホイールを提供すること、およびその塗膜の形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の光輝性軽合金ホイールは、下地層と、メタリック層と、前記メタリック層の上にクリアー層が形成された光輝性軽合金ホイールであって、前記下地層とメタリック層の間に中間層が形成されていることを特徴とする。前記下地層は、プライマー層および/もしくはカラーベース層からなるものが適用できる。
本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記中間層は、5μm以上100μm以下の厚さで形成されていることが好ましい。ここで中間層とは、中間層の上下面に接する層とは異なる成分からなる層を指す。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記中間層は、顔料を含まない透明な樹脂層を用いることが好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記中間層は、前記クリアー層と同種、さらには同じ塗料を用いることが好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記下地層は、基体の表面に形成されたプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたカラーベース層からなることが好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記メタリック層の厚みが10μm以下であり、かつ、メタリック層中に厚さが10Å〜500Å、アスペクト比が300〜800の金属フレークが分散していることが外観的に好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、前記プライマー層はエポキシ系粉体塗料またはエポキシポリエステル系粉体塗料からなることが好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、鋳肌部分に塗装を施したものが好ましい。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールの塗膜形成方法は、下地塗料、もしくはメタリック塗料を塗布するための塗装装置、前記下地塗料もしくはメタリック塗料を焼付けるための第1の焼成炉、クリアー塗料を塗布するための塗装装置、前記クリアー塗料を焼付けるための第2の焼成炉の順に被覆物を搬送する塗装設備を用い、軽合金ホイール基体を前記塗装設備に搬送させ、下地層、第1のクリアー層、メタリック層、第2のクリアー層の順に塗膜形成することを特徴とする。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールの塗膜形成方法は、前記下地塗料はカラーベース塗料であり、プライマー塗料は別の塗装設備により形成されることが好ましい。
本発明の光輝性軽合金ホイールは、下地層とメタリック層の間に中間層が形成されている。そのため、中間層が形成された状態で外観検査および表面の研磨を行っても、研磨による傷が下地層に届きにくい。これによって手直しによる下地層の再塗装が不要となり、手間とコストが低減される。また、中間層を入れることにより中間層表面が平滑化され、下地層の凹凸による外観不良の発生が少なくなるという効果もある。また、3層用の塗装設備を用いても、カラーベース層が最表層面となった状態で2度焼成炉を通ることが無いため、樹脂の特性が変化することもなく、メタリック層との密着性が悪化することがない。
手直しの研磨による傷から下地層を守るため、この中間層の厚さは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上設けるとよい。全体の膜厚が厚くなりすぎないように、中間層の厚さは100μm以下とすることが好ましい。また、光輝性を出すために、塗膜表面から入った光はメタリック層を通過し、その後下地層で反射され、再度メタリック層を通過して塗膜表面から出て行かなくてはならない。このため、下地層とメタリック層の間に形成される中間層は、透明性の樹脂層であることが好ましい。完全な透明であってもよいし、若干顔料を含む半透明のものでもよい。顔料は樹脂層の耐候性、耐食性、耐薬品性などを悪化させる要因になる。中間層に顔料を用いないことで、従来の4層塗膜の光輝性軽合金ホイールで下地層を厚く塗ったものに比べ、耐候性、耐食性、耐薬品性の点でよりよい効果が得られた光輝性軽合金ホイールを得ることができる。
この中間層として用いられる透明性の樹脂層は、メタリック層の上に形成されるクリアー塗料と同種なもの、さらには同じものを使用することが好ましい。同一の塗料を用いることで、製造管理が容易になる、新たな設備が不要になる、同一の塗料を倍使用することになり購入コストが下げられる、などのメリットが得られる。
下地層は、例えば、基体の表面に形成されたプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたカラーベース層からなるものが採用できる。この他、カラーベース層のみからなるものも適用できるし、カラー系のプライマー層のみを下地層とすることもできる。光輝性を施すために、下地層は黒色や紺色系の濃彩色とすることが好ましい。よって、下地層が単層であれ多層であれ、下地層の最上層となる層は濃彩色系の塗料を用いることが好ましい。本発明の光輝性軽合金ホイールは、2次的な効果として、外観性を長期保護する効果がある。ユーザーが洗浄の際に使用する洗浄剤の中にはフッ酸が入っているものが有り、このフッ酸がクリアー層、メタリック層を介して下地層の濃彩色系まで到達すると、ホイールの色調が部分的に濃くなることがある。中間層はこのフッ酸の下地層までの侵入を防ぐ役目を持つ。また、中間層は顔料を含まない透明性の樹脂の方が耐薬品性に強いので、この効果がさらに得やすい。
下地層を有色プライマーの一層とした時は、プライマー層が厚く形成されるので、手直しによるホイール基体が露出する可能性は低い。しかし、下地層をプライマー層とカラーベース層とした時は、カラーベース層が薄いため、下のプライマー層が露出してしまうことが多く、再塗装の発生する頻度はより高い。そのため、プライマー層とカラーベース層の下地層の上に中間層を形成する場合には、歩留まり低減させる効果がさらに得やすい。
下地層が多層の場合、プライマー層とは30μ以上の厚い塗料とし、カラーベース層はプライマー層よりも薄く顔料を含む層を指すものとする。カラーベース塗料には金属粒子を含むものでもよいが、この金属粒子は塗膜体積に対して20%以下とする。
また、メタリック層は、金属フレークが塗膜体積に対して20%超含まれるものが好ましい。この金属フレークの含有量は、塗膜の断面撮影を行い、その断面映像に移る塗膜面積と金属フレークの断面積から求めることができる。例えば、メタリック層の厚みが10μm以下であり、かつ、メタリック層中に厚さが10Å〜500Å、アスペクト比が300以上800以下の金属フレークが分散しているものが適用できる。これらの金属フレークは蒸着により薄肉化されるため、この種類のメタリック塗料は非常に高価である。本発明の光輝性軽合金ホイールは、下地層が凹凸で外観不良の可能性が高い状態であっても、中間層を設けることで目立たなくする効果があり、かつメタリック塗料塗装前に外観不良があっても中間層を研磨することにより手直しができる。よってメタリック塗料塗装後の外観不良品の発生率が下げられるので、本発明の光輝性軽合金ホイールは、高価なメタリック塗料の再塗装が減り、コストが下がるという効果がある。
また、プライマー層はエポキシ系粉体塗料またはエポキシポリエステル系粉体塗料などを採用できる。エポキシポリエステル系粉体塗料でプライマー層を形成し、アクリル系カラーコート層をその上に形成することで、耐候性、密着性の良好な塗膜が形成できる。
また、本発明の光輝性軽合金ホイールは、鋳肌部分に塗装を施すことが好ましい。鋳肌の凹凸が有っても、本発明の光輝性軽合金ホイールであれば、中間層が凹凸を少なくする効果を持ち、歩留まりが向上してコストが低減されるという効果が十分に発揮される。本発明の光輝性軽合金ホイールに用いられるホイール基体は、低圧鋳造さらには一体型鋳造によるものが好ましい。
また、中間層(クリアー塗料)をカラーベース層の上側に設けることで、低温で焼付けされた(100℃〜130℃)カラーベース層が2度焼付けされるのを防ぐことができ、このため樹脂特性が変わらずメタリック層の密着性が低下しない。つまり、クリアー塗料焼付け(130℃〜160℃)の焼成炉5を通す際に、塗膜としては実質的に不用な中間層をもう一層設けることで、この中間層(クリアー塗料)が熱的バリアの役割を果たすものである。また、一般的な3層塗装の塗装設備を使用し、かつクリアー塗料焼付けの焼成炉5も常にホイールが流れる定常状態を維持できるので炉内温度が安定し、焼き付き不良を出すことも無い。このため塗膜性能が従来以上の特性を持ち、かつ品質にバラツキのない軽合金ホイールを提供できる。
本発明の軽合金ホイールは、一般的な3層塗装の塗装設備内を2回くり返して搬送往復させられるため、中間層とクリアー層には同じ塗料を使用することで品質管理が容易に行える。
また、本発明は軽合金ホイールの塗膜形成方法であって、カラーベース塗料もしくはメタリック塗料を吹き付けるための塗装装置、前記カラーベース塗料もしくはメタリック塗料を焼付けるための第1の焼成炉、クリアー塗料を吹付けるための塗装装置、前記クリアー塗料を焼付けるための第2の焼成炉の順に被覆物を搬送する塗装設備を用い、基体の表面にプライマー層を設けた前記軽合金ホイールを前記塗装設備に複数回流して、カラーベース層、中間層、メタリック層、クリアー層の順に塗膜形成することを特徴とするものであり、一般的な3層塗装の塗装設備を使用して製造できる。
カラーベース塗料、メタリック塗料を焼付けるための焼成炉3は、クリアー塗料を焼付けるための焼成炉5よりも焼成温度が低く、具体的には、カラーベース塗料、メタリック塗料を焼付けるための焼成炉は100℃〜130℃で焼付けを行うものであり、かつクリアー塗料を焼付けるための焼成炉は130℃〜160℃で焼付けを行う。
軽合金ホイールの基体(軽合金素材)表面は、プライマー層を設ける前に前処理が施される。この前処理には、一般に、脱脂と酸洗を行い、その後化成処理が施される。化成処理液として一般的にはクロム酸クロムやリン酸クロムを用いたクロメート処理が適用されるが、環境保護の観点からノンクロムの化成処理液として、Ti酸やZr酸を用いたものが使用される。
プライマー塗料は、ポリエステル系、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系の樹脂を使用できる。水酸基の配向による金属への密着性の良好なエポキシ系粉体塗料(グリシジルエーテル型(例えばビスフェノールA型)、グリシジルエステル型、グリシジルアミン型、環状オキシラン型エポキシ樹脂を主体とする)を用いることが好ましい。架橋剤や、必要により顔料、硬化剤、表面調整剤などが用いられる。
エポキシ系粉体塗料としては、価格及び基体との密着性の点から、特に、酸末端ポリエステル樹脂を硬化剤とするグルシジル基/カルボキシル基架橋型エポキシ樹脂からなり、固形分濃度が高い(40〜60質量%)エポキシ・ポリエステル系粉体塗料が好ましい。エポキシ・ポリエステル/ハイブリッド系粉体塗料を、150〜180℃の温度で、10〜30分間焼付けることにより、平滑でかつ強固な高分子架橋塗膜が形成される。プライマー層の膜厚は、上記のように軽合金ホイールの鋳肌の凹凸を隠す必要がある場合、40〜200μm程度の厚さで形成される。塗膜装置には静電塗装装置が一般的に用いられる。また、下地層としてプライマー単層とする場合は、濃彩色系のものを用いる。
本発明において、カラーベース塗料とは顔料を含んだ有色の塗料を指す。カラーベース塗料として、例えばアクリル、ポリエステル、エポキシ樹脂等からなり溶剤を含むものがある。プライマー層にエポキシ−ポリエステル系のハイブリット粉体塗料を用いた場合、熱硬化性のアクリル樹脂系着色塗料を用いることが好ましい。アクリル樹脂や硬化剤、顔料などを有機溶剤に溶解もしくは分散してなる熱硬化性塗料が好ましい。環境保護のために有機溶剤の割合が少ないハイソリッド系のものが好ましく、例えばアクリル樹脂と硬化剤、顔料などがvol%で全体の50%以上のものが好ましい。軽合金ホイールへの塗布方法として、エアスプレ−や静電塗装などで塗装することが好ましい。膜厚は10〜40μmが一般的である。カラーベース塗料には顔料が用いられ、黒色に近い濃彩色系のベース層とする必要がある。有機顔料、無機顔料、炭素系顔料(例えば、カーボンブラック、グラファイト等)、メタリック粉末などの公知の顔料を適宜使用し、黒色系の濃彩色ベース層とする。他、防錆顔料、硬化触媒、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、表面調整剤、ワキ防止剤等の添加剤を配合することができる。
中間層に5μm以上の厚みがあると、下地層の凹凸が平滑化される。100μmを超えるとコスト高となる。好ましくは10〜40μmの厚みとする。また、中間層を研磨しても、下地層を傷つけることがない。また、焼成炉を通過した際にカラーベース塗料に熱的ダメージを伝えない。中間層は特に限定されず既知のものが使用できるが、光輝性を出すための光の透過性や、一般の3層塗装における塗装設備への汎用性を考慮すると、トップコート層と同種のクリアー塗料とすることが好ましい。
中間層として、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の塗料が使用できる。硬化剤として、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ樹脂、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート、イソシアヌレート体、もしくはこれらのブロック体等が使用できる。クリアー塗料とする場合は、光の透過性を保つことを前提に、増粘剤、硬化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面調整剤、等を使用することができる。
例えば、アクリル樹脂を主剤としメラミン樹脂を架橋剤として用いて、120〜160℃で熱硬化反応させて形成され、膜厚が20〜40μmであるものが用いられる。あるいは、前記透明保護膜が、アクリル・メラニン塗料またはポリエステル・ウレタン塗料を用いて、60〜100℃で乾燥させ熱硬化反応させて形成され、膜厚が20〜30μmであるものが用いられる。
有機溶媒を用いた溶剤塗料あるいは粉体塗料の他、水分散型、非水分散型、水溶液型のいずれもが適用できる。
メタリック塗料は、金属調(メッキ調)の外観を持つ合金の金属箔(フレーク)を含む塗料もの全てを含むものである。例えば、クロム、アルミニウム、ニッケルおよびそれらの合金の金属箔(フレーク)を含む塗料を用いえる。金属箔は蒸着した金属薄帯を粉砕したものが好ましい。例えば、平均厚みが10Å以上900Å以下で、平均径が2μm以上70μm以下のフレークが使用できる。更に好ましくは、平均厚みが10Å以上500Å以下で、平均径が3μm以上50μm以下のフレークを含むものが好ましい。これら金属箔がある部分に投射された光はメタリック層で反射し、金属箔がない部分に投射された光はその下のクリアー層を介してカラーベース層で反射するため、カラーベース層の色調を反映した外観性に優れた金属調塗膜となる。カラーベース層は濃彩色のものが好ましく、鋼の色合いを出すことができる。金属箔のアスペクト比(金属フレークの幅/厚さ)は30以上のものが使用でき、300超〜800が好ましく、更に好ましくは400〜700が好ましい。
メタリック顔料となる偏平な(鱗片状の)フレークの多くは、クリアー層5に沿って平行に並ぶように(配向された)状態で、クリアー層5との界面近傍に偏在している。フレークの配向を容易にするために、リーフィング化されたアルミニウムフレークを使用することもできる。リーフィング化されたアルミニウムフレークは飽和脂肪酸(例えばステアリン酸)などで被覆することにより得られる。このアルミニウムフレークは、クリアー層と平行に配向され、これにより反射光や干渉光により高い輝度感をもった塗膜が得られる。このメタリック層の厚さは0.05〜10μm、好ましくは0.1〜3μmである。メタリック層の厚さが0.05μm未満であると、紫外線がクリアー層に到達し易くなり、耐候性が低下し、その厚さが10μmを越えると、層形成時間が長くなる。
金属フレークとして、蒸着アルミフレークが好ましい。蒸着アルミニウムフレークは、アルミニウムをプラスチックフィルム基材の表面に蒸着後粉砕し、基材を溶解除去することにより作成される。厚さが非常に薄く、アスペクト比は300超のものを用いるため、クリアー層に沿って平行に並ぶように配向される。また本発明では、リーフィング化されたアルミフレークとともに蒸着アルミフレークを添加することにより、さらに高い輝度感を得ることが可能である。さらに本発明では、リーフィング化されたアルミニウムフレーク及び/又は蒸着アルミニウムフレークの他に、粉砕アルミニウムフレークを添加することにより、別の意匠感を創出することが可能である。
また、メタリック塗料の顔料として、平均粒径が300nm以下の黒色顔料を添加することができる。平均粒径が300nmより大きいと、クリアー層とベース層を通過する可視光が顔料7,8により遮断され、その下地のベース層2にまで到達できなくなる。渋みの有るシルバーの色調、高級感の有るチタン合金肌のような色調を出すためには濃彩色のベース層が外部から入射される可視光の反射壁となり、再度クリアー層にまで反射しなければならない。よって、この黒色顔料の粒度を所定の値まで小さくする必要がある。
メタリック層に含まれる黒色系顔料としては、フリップフロップ性を向上させるために、例えば黒色乃至茶色または青色の色相を呈する無機顔料あるいは有機着色顔料を用い得る。これらの顔料としては、カーボンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、マグネタイト、ヘマタイト(茶色)、銅・クロムブラック、コバルトブラック、銅・マンガン・鉄ブラック等の無機黒色顔料、群青、紺青、コバルトブルー等の無機青色顔料、フタロシアンブルー等の有機青色顔料が挙げられる。
また、イエロー系顔料を用いる場合もあり、黄鉛、黄色酸化鉄、黄色系LiFeO黄色系酸化チタン粉末など、適宜使用可能である。
メタリック層の上に塗布されるクリアー塗料は、透明なものであれば良いが、有機溶剤にポリマーまたはオリゴマーを溶解した溶剤系クリアー塗料または粉体系クリアー塗料を使用して形成することが可能である。クリアー塗料としては、透明性、光沢、耐候性等に優れたアクリル塗料、例えば、固形分濃度が40〜50質量%程度のアクリル溶剤塗料を用いることが好ましい。アクリル塗料には、アクリル系モノマーとエポキシ基、カルボキシル基、水酸基等の官能性モノマーを溶液重合させて得られる熱硬化性アクリル樹脂が使用される。特に、メラミンを架橋剤とした硬化性アクリル樹脂が使用され、樹脂固形分濃度が40〜50質量%程度のアクリル溶剤塗料を用いることが好ましい。クリアー層は、メタリックベース層の表面に塗布後、130〜180℃の温度で焼付けることにより、例えば10〜40μmの厚さに形成される。
本発明によれば、下地層とメタリック層の間に中間層を設けることにより、下地層の表面の凹凸により発生する外観不良が減り、高価なメタリック層を形成する前段階で外観不良品の発生を抑えることができる。また、メタリック層を形成する前段階で外観不良品が発生しても、研磨などの手直しが下地層を傷つけにくいため、下地層の再塗装が不要である。また、洗浄剤中のフッ酸が下地層まで染み込むのを防ぐので、下地層の濃彩色の色調が斑になるのを防ぐ役目も持つ。
さらに、本発明によれば、下地層とメタリック層の間に中間層を設けることにより、従来の3層塗膜形成用の軽合金塗装設備をそのまま用いることができるため、塗膜の形成方法としても非常に汎用性が高い。クリアー塗料焼付け用の高温の焼成炉を通してもプライマー層やカラーベース層に熱的付加を与えることがないので、従来と同様の良好な密着性を持つ軽合金ホイールを製造することができる。また、常にクリアー塗料焼付け用の焼成炉に軽合金ホイールが流れるため、焼成炉の保持温度が一定となり、塗膜品質にバラツキのない軽合金ホイールを製造できる。
(実施例1)
以下本発明の詳細を添付図面により説明する。
図1は本発明の金属調塗膜の断面を模式的に示す図である。図1において、30は、Al、Mg、Fe等の金属またはそれらの合金で鋳造により形成された軽合金ホイールの基体であり、その表面に粉体樹脂によるプライマー層11a、カラーベース層12、中間層(クリアー層)14、メタリック層16、及びクリアー層18からなる5層の塗膜が形成されている。通常、この塗膜を形成する前に、耐食性を高めるために基体30の表面に前処理が施される。基体30が鋳物などのアルミニウム合金の場合は、アルカリ脱脂、及びクロメート処理に代表される化成処理を施す。化成被膜は、3mg/m以上(好ましくは5〜20mg/m)の付着量を有するように形成される。化成処理後の基体30は、水洗、乾燥される。
Al−Si−Mg系合金(JIS AC4CH材相当)からなる基体(低圧鋳造による一体型アルミホイール)をアルカリ脱脂、クロメート処理後、純水で水洗し、乾燥して、前処理を施した。その後、プライマー層11aとして、エポキシ・ポリエステル系粉体塗料(日本ペイント社製)を、軽合金ホイール基体30の鋳肌に静電塗装により約100μmの厚さに積層し、150〜180℃の温度で、30〜60分間焼付けた。その後、カラーベース層12として、アクリル系の黒色の熱硬化性樹脂(日本ペイント工業社製のアクリルメラミン樹脂系塗料(AS70ブラックベース))を膜厚が20μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、100〜130℃で10〜30分間焼付けた。これによりプライマー層11aとカラーベース層12からなる下地層を形成した。この下地層の上に中間層14として、アクリル系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が25μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付けた。外観検査の結果、この中間層14の表面に凹凸が残るものは、軽合金ホイール全体の10%以下となることが解った。
また、この中間層14の表面に凹凸が残るものに対し、手直しによる表面研磨を行った。♯600〜1200番のサンドペーパーにより研磨し、凹凸を平滑にした。この手直しによる下地層の研磨傷は発生せず、そのまま中間層14の上にメタリック層16およびクリアー層18を形成しても、最終的な外観になんら問題はでなかった。
(比較例1)
実施例1と同様に、軽合金ホイールの基体表面に、粉体樹脂によるプライマー層11a、カラーベース層12からなる下地層を形成した。
外観検査を行ったところ、この下地層の表面の凹凸は、軽合金ホイール全体の約20%に見受けられ、手直しによる研磨処理が必要であった。中間層14を設けた実施例1の結果に対し、手直しの総数が全体の10%以上も増えている。
また、手直しをした場合はカラーベース層の下のプライマー層が見えてしまい、下地層の再塗装が必要となる。
(実施例2)
図2は本発明の金属調塗膜の断面を模式的に示す図である。図2において、30は、Al、Mg、Fe等の金属またはそれらの合金で鋳造により形成された基体であり、その表面に粉体樹脂による濃彩色系のプライマー層11b、中間層(クリアー層)14、メタリック層16、及びクリアー層18からなる4層の塗膜が形成されている。
実施例1と同様にして、軽合金ホイールの基体30に化成処理を施し、その後、水洗して乾燥した。
Al−Si−Mg系合金(JIS AC4CH材相当)からなる基体(ディスク面が低圧鋳造でリム部が圧延材の2ピースアルミホイール)をアルカリ脱脂、クロメート処理後、純水で水洗し、乾燥して、前処理を施した。その後、プライマー層11bとして、濃彩色系のエポキシ・ポリエステル系粉体塗料(日本ペイント社製)を、軽合金ホイール基体30の鋳肌に静電塗装により約110μmの厚さに積層し、150〜180℃の温度で、30〜60分間焼付け、下地層とした。この下地層の上に中間層14として、アクリル系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が20μmとなるようにスプレーガンにより吹付け、130〜160℃で焼付けた。外観検査の結果、この中間層14の表面に凹凸が残るものは、軽合金ホイール全体の約11%しか発生しないことが解った。
また、この中間層14の表面に凹凸が残るものに対し、手直しによる表面研磨を行った。♯600〜1200番のサンドペーパーにより研磨し、凹凸を平滑にした。この手直しによる下地層の研磨傷は発生せず、そのまま中間層14の上にメタリック層16およびクリアー層18を形成しても、最終的な外観になんら問題はでなかった。
(比較例2)
実施例2と同様に、軽合金ホイールの基体表面に、粉体樹脂による濃彩色系のプライマー層11bからなる下地層を形成した。
外観検査を行ったところ、この下地層の表面の凹凸は、軽合金ホイール全体の約23%に見受けられ、手直しによる研磨処理が必要であった。中間層14を設けた実施例2の結果に対し、手直しの総数が全体の10%以上も増えている。
(実施例3)
Al−Si−Mg系合金(JIS AC4CH材相当)からなる基体(低圧鋳造による一体型アルミホイール)をアルカリ脱脂、クロメート処理後、純水で水洗し、乾燥して、前処理を施した。
塗装設備の一例を図3に示す。また、図4は本発明の製造方法の工程を示すフローチャートである。1はプライマー塗料を塗膜して焼付けるためのプライマー層形成装置である。まずこのプライマー層形成装置1により、エポキシ・ポリエステル/ハイブリッド系粉体塗料(日本ペイント社製)を、軽合金ホイール9に静電塗装により約100μmの厚さに積層し、150〜180℃の温度で、30〜60分間焼付ける。(step1)その後、軽合金ホイール9をカラーベース塗料とメタリック塗料を切り替えてホイール表面に塗布できる塗装装置2に搬送する。被覆したプライマー層の上に、アクリルハイソリッド系の黒色の熱硬化性樹脂(日本ペイント工業社製のアクリルメラミン樹脂系塗料(AS70ブラックベース))を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付ける。(step2)その後、焼成炉3に軽合金ホイール9を搬送し、100〜130℃で10〜30分間焼付け、カラーベース層を形成する。(step3)その後、クリアー塗料を塗布するための塗装装置4に軽合金ホイール9を搬送し、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂(溶剤系クリアー、日本ペイント(株)製)を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付ける。(step4)その後、この塗布した透明な熱硬化性樹脂を、130〜160℃で焼付け、樹脂(クリアー)層を形成する。(step5)中間層が形成されていないと、この130〜160℃の焼付け処理の際に下地のプライマー層とカラーベース層が熱的負荷を受け、従来の金属調4層塗膜並みの耐候性や密着性が得られず、さらには後述の加工工程で、加工を施した端部で塗膜の割れやはがれが発生する。
従来の3層の塗膜を形成する場合は、クリアー層形成後は、このまま次の加工機6に軽合金ホイール9を搬送し、リムなどの必要箇所を旋盤加工などで切削加工する。本発明では、搬送ルートを切り替えられる搬送路7により、再度この軽合金ホイール9を塗装装置2に戻す。
2周目の塗装装置2では、蒸着アルミニウムフレーク(平均厚さが170Å、平均粒径が14μm)15質量部、平均粒径200Åのカーボンブラック10質量部、バインダー樹脂(ポリエステル系樹脂)100質量部と、キシレン100質量部を混練したメタリック塗料を膜厚が0.5μmとなるようにスプレーガンにより吹付ける。(step6)その後、焼成炉3に軽合金ホイール9を搬送し、100〜130℃で20分間焼付けて、厚さ0.5μmのメタリック層を形成する。(step7)その後、クリアー塗料を塗布するための塗装装置4に再度軽合金ホイール9を搬送し、中間層の時と同様に、アクリルハイソリッド系の透明な熱硬化性樹脂を膜厚が30μmとなるようにスプレーガンにより吹付ける。(step8)その後、この塗布した透明な熱硬化性樹脂を、130〜160℃で焼付け、クリアー層を形成する。(step9)これにより図1に示す5層の塗膜構成を有する軽合金ホイールが得られた。
(比較例3)
図5に示すような、塗装設備を用いて図6に示す従来の4層の金属調塗膜の軽合金ホイールを製造した。本願発明に用いる塗装設備と異なり、切り替え可能な搬送路8は、焼成路3から出てきた軽合金ホイールを塗装装置2に戻すよう構成されている。この塗装設備を用いた場合、軽合金ホイールは塗装装置2と焼成炉3を2周りし、塗装装置4と焼成炉5を1周りだけ搬送される。この従来の塗装の形成方法では、塗装装置4と焼成炉5には軽合金ホイールが連続して流れないため、炉内の保持温度が安定しない。このため、軽合金ホイールが塗装装置4と焼成炉5内に流れると一気に焼成炉5の炉内温度が下がり、塗膜の密着性が安定して得られないと言う問題が発生した。
(比較例4)
本願発明で用いた図3の塗装設備10を用い、カラーベース層の上に中間層(クリアー層)を設けず、従来と同様の4層構造の金属調塗装を施した。カラーベース層は焼成炉3と焼成炉5の両方で焼付けされたため塗膜の特性が変わってしまい、その上にメタリック塗料を塗装しても密着性が低く、焼付き不良が多発した。
本発明の5層の金属調塗膜を模式的に示す図である。 本発明の4層の金属調塗膜を模式的に示す図である。 本発明で用いた塗装設備を模式的に示す図である。 本発明の製造工程を示すフローチャートである。 従来の塗装設備を模式的に示す図である。 従来の4層金属調塗膜の一例を模式的に示す図である。
符号の説明
1:粉体プライマー塗装装置、2:濃彩色系カラー塗料/メタリック塗料の塗膜装置、3:濃彩色系カラー塗料/メタリック塗料焼付けの焼成炉、4:クリアー塗料の塗膜装置、5:クリアー塗料焼付けの焼成炉、6:加工装置、7、8:切り替え式搬送路、9:軽合金ホイール、10:塗装設備、11:粉体プライマー層、12:濃彩色系カラーベース層、14、18:クリアー層、16:メタリック層、30:軽合金ホイール基体

Claims (10)

  1. 下地層と、メタリック層と、前記メタリック層の上にクリアー層が形成された光輝性軽合金ホイールであって、前記下地層とメタリック層の間に中間層が形成されていることを特徴とする光輝性軽合金ホイール。
  2. 前記中間層は、5μm以上100μm以下の厚さで形成されている樹脂層であることを特徴とする請求項1に記載の光輝性軽合金ホイール。
  3. 前記中間層は、顔料を含まない塗料を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の光輝性軽合金ホイール。
  4. 前記中間層は、前記クリアー層と同種の塗料を用いることを特徴とする請求項1乃至3に記載の光輝性軽合金ホイール。
  5. 前記下地層は、基体の表面に形成されたプライマー層と、前記プライマー層の上に形成されたカラーベース層からなることを特徴とする請求項1乃至4に記載の光輝性軽合金ホイール。
  6. 前記メタリック層は、メタリック層の厚みが10μm以下であり、かつ、メタリック層中に厚さが10Å〜500Å、アスペクト比が300〜800の金属フレークが分散していることを特徴とする請求項1乃至5に記載の光輝性軽合金ホイール。
  7. 前記プライマー層はエポキシ系粉体塗料またはエポキシポリエステル系粉体塗料からなることを特徴とする請求項1乃至6に記載の光輝性軽合金ホイール。
  8. 前記光輝性軽合金ホイールは、鋳肌部分に塗装を施したものである請求項1乃至7に記載の光輝性軽合金ホイール。
  9. 光輝性軽合金ホイールの塗膜形成方法であって、下地塗料もしくはメタリック塗料を塗布するための塗装装置、前記下地塗料もしくはメタリック塗料を焼付けるための第1の焼成炉、クリアー塗料を塗布するための塗装装置、前記クリアー塗料を焼付けるための第2の焼成炉の順にホイール基体を搬送する塗装設備を用い、軽合金ホイール基体を前記塗装設備に搬送させ、下地層、第1のクリアー層、メタリック層、第2のクリアー層の順に塗膜形成することを特徴とする光輝性軽合金ホイールの塗膜形成方法。
  10. 前記下地塗料はカラーベース塗料であり、プライマー塗料は別の塗装設備により形成されることを特徴とする請求項9に記載の光輝性軽合金ホイールの塗膜形成方法。
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