JP3506662B2 - マグネシウム合金製品の塗装方法 - Google Patents
マグネシウム合金製品の塗装方法Info
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム合金
製品の塗装方法に関するものである。
製品の塗装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、従来のマグネシウム合金製品の
塗装工程の一例を示す図である。
塗装工程の一例を示す図である。
【0003】同図に示すように、従来の塗装工程では、
成形されたマグネシウム合金製品の表面を、塗装前に脱
脂、水洗、酸エッチング、水洗、脱スマット、水洗、化
成皮膜生成、水洗、乾燥の各工程で処理し、その後のプ
ライマー塗装、上塗り塗装工程で塗装を行っている。
成形されたマグネシウム合金製品の表面を、塗装前に脱
脂、水洗、酸エッチング、水洗、脱スマット、水洗、化
成皮膜生成、水洗、乾燥の各工程で処理し、その後のプ
ライマー塗装、上塗り塗装工程で塗装を行っている。
【0004】前記脱脂工程では、マグネシウム合金製品
の表面に付着した離型剤などの油分を、アルカリと表面
活性剤を用いて除去する。
の表面に付着した離型剤などの油分を、アルカリと表面
活性剤を用いて除去する。
【0005】前記酸エッチング工程では、前記脱脂工程
で除去できない油分をマグネシウム合金の一部と共に溶
解する。
で除去できない油分をマグネシウム合金の一部と共に溶
解する。
【0006】前記脱スマット工程では、前記酸エッチン
グ工程でスマットと呼ばれ黒色の固形物が形成されるの
で、これをアルカリにより除去する。
グ工程でスマットと呼ばれ黒色の固形物が形成されるの
で、これをアルカリにより除去する。
【0007】前記化成皮膜生成工程では、マグネシウム
合金製品の表面にリン酸マンガン皮膜、クロメート皮膜
などの化成皮膜を生成して耐食性、塗装密着性を向上さ
せる。化成皮膜溶液として金属塩を含む酸性溶液を用い
るのが一般的である。殆どの酸はマグネシウムを多少な
りにもエッチングさせる。但し、クロム酸自体はエッチ
ング作用は持たないため、そのままで化成処理溶液ある
いは塗装下地工程用酸洗い液として用いることは少な
い。
合金製品の表面にリン酸マンガン皮膜、クロメート皮膜
などの化成皮膜を生成して耐食性、塗装密着性を向上さ
せる。化成皮膜溶液として金属塩を含む酸性溶液を用い
るのが一般的である。殆どの酸はマグネシウムを多少な
りにもエッチングさせる。但し、クロム酸自体はエッチ
ング作用は持たないため、そのままで化成処理溶液ある
いは塗装下地工程用酸洗い液として用いることは少な
い。
【0008】前記プライマー塗装工程では、白色、灰
色、黒色などのプライマーを塗布し、マグネシウム合金
製品の表面と上塗り塗装の塗装密着性を向上させる。
色、黒色などのプライマーを塗布し、マグネシウム合金
製品の表面と上塗り塗装の塗装密着性を向上させる。
【0009】前記上塗り塗装工程では、マグネシウム合
金製品に意匠性を付与する。
金製品に意匠性を付与する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来のマグネシウム合
金製品の塗装工程は、上記のように構成されているた
め、次のような問題点があった。 (a)酸エッチング工程で酸エッチングを行うため、マ
グネシウム合金の表面が荒れ、高輝度の金属光沢が失わ
れる。 (b)酸エッチング工程でスマットが形成されるので、
アルカリによる脱スマット工程が必要となる。 (c)化成皮膜生成工程で生成される化成皮膜は有色で
あるので、高輝度の金属光沢が失われる。 (d)プライマー塗装工程でプライマーを塗布するた
め、マグネシウム合金の表面が見えなくなり高輝度の金
属光沢が失われる。
金製品の塗装工程は、上記のように構成されているた
め、次のような問題点があった。 (a)酸エッチング工程で酸エッチングを行うため、マ
グネシウム合金の表面が荒れ、高輝度の金属光沢が失わ
れる。 (b)酸エッチング工程でスマットが形成されるので、
アルカリによる脱スマット工程が必要となる。 (c)化成皮膜生成工程で生成される化成皮膜は有色で
あるので、高輝度の金属光沢が失われる。 (d)プライマー塗装工程でプライマーを塗布するた
め、マグネシウム合金の表面が見えなくなり高輝度の金
属光沢が失われる。
【0011】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたもので、マグネシウム合金製品の塗装工
程を簡素化すると共に、マグネシウム合金製品上に高輝
度の金属光沢を有する塗装を得ることを目的とする。
ためになされたもので、マグネシウム合金製品の塗装工
程を簡素化すると共に、マグネシウム合金製品上に高輝
度の金属光沢を有する塗装を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によるマグネシウ
ム合金製品の塗装方法は、マグネシウム合金製品の表面
を、塗装前に、機械的研磨、水洗、クロム酸洗浄、水
洗、乾燥した後、その表面に透明な上塗り塗装(クリア
ーまたはカラークリアー塗装)を行うことを特徴とす
る。これにより、高輝度の金属光沢を有する塗装を得る
ことができる。
ム合金製品の塗装方法は、マグネシウム合金製品の表面
を、塗装前に、機械的研磨、水洗、クロム酸洗浄、水
洗、乾燥した後、その表面に透明な上塗り塗装(クリア
ーまたはカラークリアー塗装)を行うことを特徴とす
る。これにより、高輝度の金属光沢を有する塗装を得る
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0014】図1は、本発明によるマグネシウム合金製
品の塗装工程の一実施例を示す図である。
品の塗装工程の一実施例を示す図である。
【0015】同図に示すように、本発明の塗装工程で
は、塗装前に成形されたマグネシウム合金製品の表面
を、機械的研磨、水洗、クロム酸洗浄、水洗、乾燥の各
工程で処理し、その後の上塗り塗装工程で塗装を行な
う。
は、塗装前に成形されたマグネシウム合金製品の表面
を、機械的研磨、水洗、クロム酸洗浄、水洗、乾燥の各
工程で処理し、その後の上塗り塗装工程で塗装を行な
う。
【0016】前記機械研磨工程では、マグネシウム合金
製品の表面を機械的に研磨することにより表面に付着し
ている離型剤や切削油を除去する。また、研磨により表
面の粗度を向上したり、ヘアライン加工したり、シボ模
様を作製したりする。
製品の表面を機械的に研磨することにより表面に付着し
ている離型剤や切削油を除去する。また、研磨により表
面の粗度を向上したり、ヘアライン加工したり、シボ模
様を作製したりする。
【0017】前記機械研磨工程の後、機械研磨で表面に
付着した不純物(研磨カスなど)を水洗で落とす。
付着した不純物(研磨カスなど)を水洗で落とす。
【0018】前記クロム酸洗浄工程では、水洗で落とし
きれなかった不純物を極微量のクロム酸(10〜250
g/L)を用いて洗浄する。
きれなかった不純物を極微量のクロム酸(10〜250
g/L)を用いて洗浄する。
【0019】前記クロム酸洗浄工程の後、マグネシウム
合金製品の表面に付着したクロム酸を水洗で落とし、乾
燥する。
合金製品の表面に付着したクロム酸を水洗で落とし、乾
燥する。
【0020】前記上塗り塗装工程では、上塗り塗装(例
えばクリアー、カラークリアー塗装など)を行う。塗装
膜厚は10〜100μmとする。その結果、表面に高輝
度の金属光沢を有する塗装が得られる。
えばクリアー、カラークリアー塗装など)を行う。塗装
膜厚は10〜100μmとする。その結果、表面に高輝
度の金属光沢を有する塗装が得られる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例について説明する。
【0022】マグネシウム合金(AZ91D)の平板の
試験片(75×100×2mm)を試供材とし、次のよ
うな手順で塗装を行った。 (a)マグネシウム合金の平板を、アルミのメディア
(5mmの球)を用いて機械的研磨(遠心バレル研磨)
を10分間行った。 (b)表面に付着した不純物(研磨カスなど)を水洗で
落とした。 (c)クロム酸(200g/L)を用いて水洗で落とし
きれなかった不純物を洗浄した。 (d)マグネシウム合金の平板表面に過剰に付着してい
るクロム酸を水洗で除去した。 (e)80℃、10分間の水切り乾燥を行った。 (f)粉体塗装によりクリアーとカラークリアー塗装
(30〜60μm)を行った。 (g)200℃で10分間の焼き付けを行った。
試験片(75×100×2mm)を試供材とし、次のよ
うな手順で塗装を行った。 (a)マグネシウム合金の平板を、アルミのメディア
(5mmの球)を用いて機械的研磨(遠心バレル研磨)
を10分間行った。 (b)表面に付着した不純物(研磨カスなど)を水洗で
落とした。 (c)クロム酸(200g/L)を用いて水洗で落とし
きれなかった不純物を洗浄した。 (d)マグネシウム合金の平板表面に過剰に付着してい
るクロム酸を水洗で除去した。 (e)80℃、10分間の水切り乾燥を行った。 (f)粉体塗装によりクリアーとカラークリアー塗装
(30〜60μm)を行った。 (g)200℃で10分間の焼き付けを行った。
【0023】上記の結果、平板の試験片に高輝度の金属
光沢を有する塗装がなされた。また、塗装された試験片
で次のような塗装密着試験を行った。
光沢を有する塗装がなされた。また、塗装された試験片
で次のような塗装密着試験を行った。
【0024】1次密着試験として、碁盤の目試験(1m
m角×100目)を行った。その結果、問題がないこと
が確認できた。
m角×100目)を行った。その結果、問題がないこと
が確認できた。
【0025】更に、2次密着試験として、塗装表面にク
ロスカットを入れ、95時間の5%塩水噴射試験を行っ
た後、洗浄し、セロハンテープにより塗膜剥離を行っ
た。その結果、問題がないことが確認できた。
ロスカットを入れ、95時間の5%塩水噴射試験を行っ
た後、洗浄し、セロハンテープにより塗膜剥離を行っ
た。その結果、問題がないことが確認できた。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次のような効果を得ることができる。 (1)マグネシウム合金の塗装工程を簡素化することが
できる。
ているので、次のような効果を得ることができる。 (1)マグネシウム合金の塗装工程を簡素化することが
できる。
【0027】(a)表面を機械的に研磨することによ
り、従来の脱脂工程と酸エッチング工程を省略できる。
り、従来の脱脂工程と酸エッチング工程を省略できる。
【0028】(b)表面をクロム酸で処理することによ
り、黒色のスマットが発生しないので、従来の脱スマッ
ト工程を省略できる。
り、黒色のスマットが発生しないので、従来の脱スマッ
ト工程を省略できる。
【0029】(c)表面をクロム酸で処理することによ
り、金属光沢を損なうことなく良好な下地処理ができ
る。これにより、従来の化成皮膜生成工程とプライマー
塗装工程を省略できる (2)マグネシウム合金の表面に高輝度の金属光沢を有
する塗装が得られる。
り、金属光沢を損なうことなく良好な下地処理ができ
る。これにより、従来の化成皮膜生成工程とプライマー
塗装工程を省略できる (2)マグネシウム合金の表面に高輝度の金属光沢を有
する塗装が得られる。
【図1】本発明によるマグネシウム合金製品の塗装工程
の一実施例を示す図である。
の一実施例を示す図である。
【図2】従来のマグネシウム合金製品の塗装工程の一例
を示す図である。
を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C23G 1/12
B05D 3/10
B05D 3/12
B05D 7/14
Claims (3)
- 【請求項1】 成形されたマグネシウム合金製品の表面
を、塗装前に機械的研磨、水洗、クロム酸洗浄、水洗、
乾燥の各工程で処理し、その後、透明な上塗り塗装を行
う上塗り塗装工程で塗装を行うことを特徴とするマグネ
シウム合金製品の塗装方法。 - 【請求項2】 前記機械研磨工程では、表面に付着して
いる離型剤を除去することを特徴とする請求項1記載の
マグネシウム合金製品の塗装方法。 - 【請求項3】 前記クロム酸洗浄工程では、水洗で落と
しきれなかった不純物を洗浄することを特徴とする請求
項1または2記載のマグネシウム合金製品の塗装方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000263221A JP3506662B2 (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | マグネシウム合金製品の塗装方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000263221A JP3506662B2 (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | マグネシウム合金製品の塗装方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002069678A JP2002069678A (ja) | 2002-03-08 |
JP3506662B2 true JP3506662B2 (ja) | 2004-03-15 |
Family
ID=18750799
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000263221A Expired - Fee Related JP3506662B2 (ja) | 2000-08-31 | 2000-08-31 | マグネシウム合金製品の塗装方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3506662B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101646322B (zh) * | 2008-08-04 | 2013-02-20 | 富准精密工业(深圳)有限公司 | 镁合金壳体及其制备方法 |
CN113289878A (zh) * | 2021-05-12 | 2021-08-24 | 山东华盛荣镁业科技有限公司 | 一种镁合金壳体表面涂装工艺 |
-
2000
- 2000-08-31 JP JP2000263221A patent/JP3506662B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JP2002069678A (ja) | 2002-03-08 |
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Legal Events
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