JP2002088492A - アルミホイールの塗装方法 - Google Patents

アルミホイールの塗装方法

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JP2002088492A
JP2002088492A JP2001182794A JP2001182794A JP2002088492A JP 2002088492 A JP2002088492 A JP 2002088492A JP 2001182794 A JP2001182794 A JP 2001182794A JP 2001182794 A JP2001182794 A JP 2001182794A JP 2002088492 A JP2002088492 A JP 2002088492A
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coating
treatment
solvent
aluminum wheel
organic
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JP2001182794A
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English (en)
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Kishiro Abe
喜四郎 阿部
Toru Shimizu
徹 清水
Tatsuya Oguri
立也 小栗
Takayuki Sato
隆行 佐藤
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Topy Industries Ltd
Original Assignee
Topy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロメート処理と同等以上の耐食性を有し、
六価クロムイオンを含まないアルミホイールの塗装方法
の提供。 【解決手段】 (1)アルミホイールの塗装前に、アル
ミホイールの表面に、脱脂+ノンクロメート処理からな
る前処理を施すアルミホイールんお塗装方法。 (2)アルミホイールの塗装前に、アルミホイール表面
に、脱脂+酸洗+ノンクロメート処理からなる前処理を
施すアルミホイールの塗装塗装。(2)アルミホイール
の塗装前に、アルミホイール表面に、脱脂+酸洗+ノン
クロメート処理+有機処理からなる前処理を施すアルミ
ホイールの塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用アルミホ
イールの塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミホイール塗装の前処理とし
て、脱脂後、クロメート処理するのが主流である。クロ
メート処理液中には、六価クロムイオンを含む。六価ク
ロムイオンは、人体に対して悪影響を及ぼすといわれて
いる。クロメート処理時には六価クロムイオンがアルミ
ホイールに付着する。前処理後、塗料を吹き付け塗膜を
形成させる。車走行中、塗膜劣化が進むと、金属表面に
付着していた六価クロムイオンが溶出し、土壌が汚染さ
れ、食物連鎖により人体に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。クロメート処理に代わり、脱脂後、ノンクロメート
処理が、多く検討されているが、クロメート処理に比べ
て耐食性が不十分であり、未だにアルミホイールに最適
な前処理方法が見出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属ホイールの塗装の
前処理から六価クロムイオンを除くことが環境保全のた
め緊急に必要とされている。そのため、従来のクロメー
ト処理と耐食性上同等の性能を有する、六価クロムイオ
ンを含まない前処理方法を確立することが急務である。
本発明の目的は、クロメート処理と耐食性上同等の性能
を有する、六価クロムイオンを含まない、前処理方法を
有するアルミホイールの塗装方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明はつぎの通りである。 (1) 前処理と塗装からなるアルミホイールの塗装方
法であって、前記前処理が、脱脂+ノンクロメート処理
からなり、塗装が溶剤塗装、水性塗装の何れかの1コー
ト以上からなるアルミホイールの塗装方法。 (2) 前処理と塗装からなるアルミホイールの塗装方
法であって、前記前処理が、脱脂+酸洗+ノンクロメー
ト処理からなり、塗装が溶剤塗装、水性塗装、粉体塗装
の何れかの1コート以上からなるアルミホイールの塗装
方法。 (3) 前処理と塗装からなるアルミホイールの塗装方
法であって、前記前処理が、脱脂+酸洗+ノンクロメー
ト処理+有機処理からなり、塗装が溶剤塗装、水性塗
装、粉体塗装の何れかの1コート以上からなるアルミホ
イールの塗装方法。 (4) 前記有機処理に用いる有機物は、金属と反応す
る反応基と有機材料と反応または結合または相溶化する
基とを含む(3)記載のアルミホイールの塗装方法。 (5) 前記有機処理に用いる有機物は、チオグリレー
ト、トリアジチオール、シランカップリング、タンニン
酸のグループから選択された1種以上の有機物からなる
(4)記載のアルミホイールの塗装方法。
【0005】上記(1)のアルミホイールの塗装方法で
は、その前処理からクロメート処理を除去したので六価
クロムイオンを含まない。また、上記(1)のノンクロ
メート前処理+溶剤塗装、水性塗装は、従来の前処理
(脱脂+クロメート処理)+溶剤塗装、水性塗装のクロ
メート処理をノンクロメート処理に置き換えただけなの
で、従来の設備をほぼそのまま使用可能で、設備投資を
押さえることができ、外観および耐食性を含む塗膜耐久
性も同等以上である。ただし、前処理後の塗装が溶剤塗
装か水性塗装であることが必要で、その場合は、薄膜の
ため、内部応力(塗膜が剥がれようとする力)が低く、
ノンクロメートの接着力が内部応力より優るため、密着
性がよく、耐食性が確保される。粉体塗装では厚膜のた
め、内部応力が低く、ノンクロメートの接着力が内部応
力より劣るため、密着性が悪く、耐食性が確保できな
い。上記(2)のアルミホイールの塗装方法では、その
前処理からクロメート処理を除去したので六価クロムイ
オンを含まない。また、前処理が酸洗を含むので、アル
ミホイール表面上のアルミ酸化物、不純物、前工程の雑
イオン、鉄および酸化鉄が除去される。そのため、塗料
付着阻害要因が無くなるため、ノンクロメートが均一か
つ十分付着し、そのノンクロメートは、従来のクロメー
トと同様な接着力を有するために、金属素地と塗膜との
密着力を強め、従来と同程度の耐食性が確保される。ま
た、アルミホイール表面に残った鉄が除去されて、外観
が向上する。それゆえ、上記(2)のノンクロメート前
処理+溶剤塗装、水性塗装は、従来の前処理(脱脂+ク
ロメート処理)+溶剤塗装、水性塗装、あるいは(1)
の前処理(脱脂+ノンクロメート処理)+溶剤塗装、水
性塗装に比べて、外観、および耐食性を含む塗膜耐久性
が向上する。また、前処理後の塗装が粉体塗装は1コー
ト以下に押さえて、溶剤塗装か水性塗装をすることが望
ましく、その場合は、膜厚がそれほど厚くないため、内
部応力(塗膜が剥がれようとする力)が高くなく、ノン
クロメートの接着力が内部応力より優るため、密着性が
良く耐食性が確保される。粉体塗装が2コート以上で
は、厚膜のため内部応力が高く、ノンクロメートの接着
力が内部応力より劣るため、密着性が悪く、耐食性が確
保できない場合が生じる。上記(3)〜(5)のアルミ
ホイールの塗装方法では、その前処理からクロメート処
理を除去したので六価クロムイオンを含まない。また、
上記(3)〜(5)のアルミホイールの塗装方法は、上
記(2)のアルミホイールの塗装方法に比べて、前処理
において有機処理が加わっている。この有機物は、有機
物成分中に両性反応基をもち、両性反応基の一つはアル
ミホイール素地およびノンクロメート化成皮膜と反応
し、両性反応基のもう一つは塗膜と反応するもので、ア
ルミ素地と塗膜をより強固に密着する作用がある。有機
処理とは、脱脂+酸洗+ノンクロメートの後に、両性反
応基をもつ有機物を、スプレー、浸漬、塗布などによっ
て付着させる処理である。なお、水洗については、各工
程の後に水洗してもしなくてもよい。有機処理が加わっ
た場合は、塗膜の膜厚が薄いものから厚いものまで、す
なわち内部応力の低いものから高いものまで、密着力が
高められ、耐食性が向上する。したがって、厚膜な粉体
塗装(粉体プライマー→粉体カラー→粉体トップクリア
ーの3コート)であっても、十分耐食性を含む塗膜耐久
性を確保できる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のアルミホイールの塗装方
法を、図1〜図4を参照して、説明する。図1は本発明
の実施形態1のアルミホイールの塗装方法を示し、図2
は本発明の実施形態2のアルミホイールの塗装方法を示
し、図3、図4は本発明の実施形態3のアルミホイール
の塗装方法を示す。
【0007】本発明の実施形態1のアルミホイールの塗
装方法は、図1に示すように、前処理工程10とその後
に行われる塗装工程20からなるアルミホイールの塗装
方法からなる。前処理工程10が、脱脂工程11+ノン
クロメート処理工程13からなり、塗装工程20が溶剤
塗装、水性塗装、粉体塗装の何れかの1コート以上から
からなる。
【0008】脱脂(工程11)は、アルカリ脱脂であ
る。アルカリは、たとえばカセイソーダ、ケイ酸ソー
ダ、炭酸ソーダ、リン酸ソーダ等である。アルカリ成分
と界面活性剤とを併用したアルカリ水溶液で浸漬法、ス
プレー法等で処理する。
【0009】ノンクロメート(工程13)は、クロメー
ト中の6価クロムイオンを代替する金属として、コバル
ト、亜鉛、チタン、シリカ、バナジウム、セリウム、モ
リブデン、タングステンおよびジルコニウム等からなる
単体金属塩あるいは、それらの単体を組み合わせた複合
金属塩を使用する。その塩として、硫酸塩、炭酸塩、リ
ン酸塩、硝酸塩、フッ酸塩、酸化塩、アンモニウム塩、
酢酸塩等が考えられる。あるいは、有機物処理剤、無機
錯塩、無機酸化物等を配合してもよい。
【0010】塗装工程20では、溶剤あるいは水性シル
バー塗装22→溶剤あるいは水性トップクリアー塗装2
3の順に塗装する。また、溶剤あるいは水性カラー種と
しては、従来のホイール塗装で用いられるものでよい
が、環境面から有機溶剤の少ないハイソリッド溶剤カラ
ー、水性カラーが望ましい。トップクリアー種として
は、従来のホイール塗装で使用されるものでよいが、耐
候性を考慮した場合、アクリル樹脂、フッ素樹脂等が望
ましい。この前処理(脱脂+ノンクロメート処理)+塗
装品は、従来の前処理(脱脂+クロメート処理)に比
べ、外観および耐食性が同等以上であることが判明し
た。
【0011】本発明の実施形態2のアルミホイールの塗
装方法は、図2に示すように、前処理工程10とその後
に行われる塗装工程20からなるアルミホイールの塗装
方法であって、前処理工程10が、脱脂工程11+酸洗
工程12+ノンクロメート処理工程13からなり、塗装
工程20が溶剤塗装、水性塗装、粉体塗装の何れかの1
コート以上からからなる。脱脂11とノンクロメート処
理工程13については、実施形態1と同じである。
【0012】アルミホイールでは、鋳造時の離型剤を除
去するために、ショットブラスとを行う。そのためアル
ミホイールの表面に金属、ショットの残滓が残り、塗膜
の密着性を阻害する要因となる。また、大気中の水分等
が塗膜を透過し、それが金属ショットの残滓と反応し変
色することで、外観不良の原因となることもある。酸洗
(工程12)は、アルミホイール表面上の金属、ショッ
トの残滓を溶かして、ホイール表面を活性化させ、その
後の有機処理でホイール表面素地と有機物の付着性をよ
り強固にさせることで、より一層のホイールの耐食性を
向上させ、ホイール外観を向上させる。
【0013】塗装工程20では、粉体プライマー塗装
(この工程はなくともよい)→溶剤あるいは水性シルバ
ー塗装22→溶剤あるいは水性トップクリアー塗装23
の順に塗装する。なお、粉体プライマー層として、たと
えば、アクリル樹脂、エポキシポリエステル樹脂、ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。また、溶
剤あるいは水性カラー種としては、従来のホイール塗装
で用いられるものでよいが、環境面から有機溶剤の少な
いハイソリッド溶剤カラー、水性カラーが望ましい。ト
ップクリアー種としては、従来のホイール塗装で使用さ
れるものでよいが、耐候性を考慮した場合、アクリル樹
脂、フッ素樹脂等が望ましい。この前処理(脱脂+酸洗
+ノンクロメート処理)+塗装品は、従来の前処理(脱
脂+クロメート処理)に比べ、外観および耐食性に優れ
ていることが判明した。
【0014】本発明の実施形態3のアルミホイールの塗
装方法は、図3に示すように、前処理工程10とその後
に行われる塗装工程20からなるアルミホイールの塗装
方法であって、前処理工程10が、脱脂工程11+酸洗
工程12+ノンクロメート処理工程13+有機処理工程
14からなり、塗装工程20がカラー塗装工程をを含
み、該カラー塗装は溶剤塗装、水性塗装、粉体塗装の何
れかの1コート以上からからなる。脱脂11とノンクロ
メート13については、実施形態2と同じである。
【0015】有機処理(工程14)に用いる有機物は、
図4に示すように、該有機物の1つの分子の中に2種類
の基をもち、2種類の基の一種類の基は金属、(例えば
アルミホイールの素地であるアルミ)と化学的に反応可
能な反応基ORであり、2種類の基のもう一種類の基は
樹脂(たとえば、前処理後に塗装される塗膜)と化学的
に反応、または科学的に結合、または相溶化(塗膜焼付
の時に塗膜と熱的に相溶け合う)、することが可能な基
Xである。すなわち、この有機物の分子は金属素地と化
学的に結合し、塗膜と反応、または結合または相溶化し
たときに金属素地と塗膜との両者を接着する働きをす
る。
【0016】この種の有機物には、たとえばオルガノア
ルコキシラン、チオグリレート、トリアジチオール、シ
ランカップリング、タンニン酸などがある(ただし、上
記の2種類の基をもつものであれば、これらに限るもの
ではない)。有機処理においては、スプレー、浸漬、塗
布などによって、有機物を、金属ホイール素地に付着さ
せる。なお、水洗については、各工程の後に水洗しても
しなくてもよい。
【0017】図4は、有機物と金属および塗膜との反応
または結合または相溶化を、有機物としてたとえばシラ
ンカップリング(ただし、有機物はシランカップリング
に限るものではない)を例にとって、示している。図
中、 X:各種合成樹脂などの有機材料と化学反応、または結
合、または相溶化する基、たとえば、ビニル基、エポキ
シ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基 OR:無機質材料と化学結合する反応基、たとえば、メ
トキシ基、エトキシ基 M:金属、たとえばホイール金属素地である、Al、F
e、またはSi、Mg、Ti、Zrなどを示す。また、
シランカップリングでは、構造中にアルコキシル基(有
機化合物中の基であるRO−の一般名、Rはアルキル
基)を含む化合物(Si−OR)のアルコキシル基が水
あるいは湿気により加水分解され、シラノール基(Si
−OH)になる。このシラノール基と無機質表面とが縮
合反応により、Si−O−M結合を形成する。すなわ
ち、 X−Si−OR + H2 O → X−Si−OH (加水分解) X−Si−OH + M → X−Si−O−M + H2 O (縮合反応、シランカップリング反応) 上記において、無機質とは、金属、ガラス、砂などを含
み、有機質とは、各種合成樹脂を含む。また、基Xが、
有機処理後の塗装による塗膜の焼付時に塗膜の樹脂と相
溶化し、これによって有機処理の分子により塗膜とホイ
ール金属素地が接着される。この接着を剥がそうとする
と有機処理の分子自体を破壊しなければならず、その接
着力は、通常の接着剤の場合の分子と分子との間の剥が
れに比べて、はるかに強力である。
【0018】上記の有機処理後に、素地表面を、水洗無
しでまたは水洗して、および乾燥無しでまたは乾燥し
て、有機処理後の有機物分子が化学結合している金属素
地表面に塗装(工程20)により塗膜を形成する。通常
は水洗無しであるが、有機物が過剰の場合、密着性が阻
害されるかもしれないため、水洗により過剰分を洗い流
す。また、乾燥(水切り乾燥程度)する。塗膜を乾燥す
る過程で、有機処理の分子を介しての塗膜および金属の
結合をはかる。経済性、工程短縮から乾燥無しも考慮に
入れられる。
【0019】塗装では、溶剤塗装、水性塗装、粉体塗装
によるコートを少なくとも1層塗り重ねる。塗装工程2
0では、粉体プライマー塗装21(この工程は省略可)
→粉体あるいは溶剤あるいは水性カラー塗装22→粉体
あるいは溶剤あるいは水性トップクリアー塗装23の順
に塗装する。あるいは、前処理(脱脂工程11+酸洗工
程12+ノンクロメート処理工程13+有機処理工程1
4)後、溶剤あるいは水性シルバー塗装22→溶剤ある
いは水性トップクリアー塗装23の順に塗装する。
【0020】上記の有機処理を含むノンクロム前処理と
組み合わせられる塗膜構造は、つぎのものを含む。 ホイール表面から、粉体プライマーコート→溶剤も
しくは水性シルバーコート→粉体または水性または溶剤
トップクリアーコート、の順の比較的厚い塗膜 ホイール表面から、溶剤もしくは水性シルバーコー
ト→粉体または水性または溶剤トップクリアーコート、
の順の比較的薄い塗膜 ホイール表面から、粉体プライマー・シルバーコー
ト→粉体または水性または溶剤トップクリアーコート、
の順の比較的薄い塗膜 ホイール表面に、粉体または水性または溶剤トップ
クリアーコート、の比較的薄い塗膜 上記に用いられるアルミホイールは、ショットがけした
鋳肌仕様と鋳肌部を切削した切削仕様とがあり、その両
仕様に適用される。そして、上記の、の薄い塗膜か
らの厚い塗膜まで、本発明の塗膜は、従来のクロメー
ト処理後塗装の塗装品と比較して、塗膜耐久性(耐食性
を含む)が同等以上であることが判明した。はと
の中間の厚さの塗膜であるが、の3コートに比べて2
コートで済み、1コート分の焼付が節約でき工程数減、
および省エネルギー化をはかることができる。
【0021】一般的に、塗膜が厚くなると塗膜の内部応
力が大きくなり、塗膜が金属表面から剥がれようとす
る。しかし、本発明では、前処理の有機処理の有機物が
金属素地の塗膜の両方に強固に反応して金属素地と塗膜
とを結びつけるので、従来品に比べて同等以上の塗膜耐
久性(耐食性を含む)が確保される。なお、粉体プライ
マーとして、たとえばアクリル、エポキシポリエステ
ル、ポリエステル、アクリルポリエステル、エポキシ等
が用いられる。粉体プライマーで、金属ホイール表面の
ショットブラストの凹凸を埋め、ホイール表面を平滑に
して、ツルツル感を出し、高級感のある外観を創出す
る。また、トップクリアーは、従来のホイール塗装で使
用されるものでよいが、耐候性を考慮した場合、アクリ
ル、フッ素が望ましい。環境面から、粉体塗料、ハイソ
リッド溶剤シルバー塗料、水性シルバー塗料の使用が望
ましい。
【0022】
【実施例】本発明実施例品を以下のように作製した。 A1 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→ノ
ンクロメート処理→溶剤カラー→焼付→溶剤トップクリ
アー→焼付 A2 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→粉体プライマー→焼付→粉体
カラー→焼付→粉体トップクリアー→焼付 A3 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→粉体プライマー→焼付→溶剤
カラー→焼付→粉体トップクリアー→焼付 A4 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→粉体プライマー→焼付→溶剤
カラー→焼付→溶剤トップクリアー→焼付 A5 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→溶剤カラー→焼付→溶剤トッ
プクリアー→焼付 A6 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→有機処理→粉体プライマー→
焼付→粉体カラー→焼付→粉体トップクリアー→焼付 A7 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→有機処理→粉体プライマー→
焼付→溶剤カラー→焼付→粉体トップクリアー→焼付 A8 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→有機処理→粉体プライマー→
焼付→溶剤カラー→焼付→溶剤トップクリアー→焼付 A9 :本発明実施例品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→酸
洗→ノンクロメート処理→有機処理→溶剤カラー→焼付
→溶剤トップクリアー→焼付
【0023】また、比較品(クロメート処理)を以下の
ように作製した。 A10 :比較品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→ク
ロメート処理→溶剤カラー→焼付→溶剤トップクリアー
→焼付 A11 :比較品 ホイール・鋳肌(ショットブラストがけ)品→脱脂→ク
ロメート処理→粉体プライマー→焼付→溶剤カラー→焼
付→溶剤トップクリアー→焼付
【0024】上記の本発明実施例品と比較品とを作製し
て、つぎの試験を実行した。 (1)塗膜硬度試験 種々の硬度の鉛筆で試験片の塗膜を引っかき、そのすり
傷により塗膜硬度を測定した。 (2)密着性試験 試験片の塗膜にカッターナイフにより、2mm間隔で縦
横11本の平行線を引き、その上にセロファンテープを
密着させ、上方に引き剥がした後に、残存した、ます目
をカウントして評価した。なお、全面が剥がれた場合を
0/100 、剥がれがまったく無い場合を100/100 と表示し
た。 (3)塩水噴霧試験 試験片の表面にクロスカットを入れ、5%重量濃度、5
0℃の塩水噴霧を1200時間行い、クロスカットより
2mm以上の錆の有無を調べた。 (4)複合腐食試験 試験片の表面にクロスカットを入れ、5%重量濃度、5
0℃の塩水噴霧を1700時間行い、ついで、70℃で
3時間の乾燥を行い、ついで5%重量濃度、50℃の塩
水に2時間浸漬し、さらに2時間乾燥する、というサイ
クルを60回繰り返した後、クロスカットより2mm以
上の錆の有無を調べた。 (5)耐水性試験 試験片を40℃の温水中に240時間浸漬させ、その後
24時間自然放置し、先に述べた密着性試験を行った。 (6)耐候性試験 試験片にサンシャインウエザーメーターにより600時
間の曝露を行い、その後60℃で相対湿度90%の雰囲
気に240時間保持し、24時間放置後に先に述べた密
着性試験を行った。 (7)外観および鋳肌のツルツル感 目視にて評価した。試験結果を表1に示した。表1から
わかるように、本発明実施例品A1 〜A9は、上記のす
べての試験において比較品A10〜A11より優れていた。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】請求項1のアルミホイールの塗装方法に
よれば、その前処理からクロメート処理を除去したので
六価クロムイオンを含まない。請求項2のアルミホイー
ルの塗装方法によれば、請求項1のアルミホイールの塗
装方法の効果に加えて、前処理が酸洗を含むので、アル
ミホイール表面上のアルミ酸化物、不純物、前工程の雑
イオン、鉄および酸化鉄を除去できる。そのため、塗料
付着阻害要因が無くなるため、ノンクロメートが均一か
つ十分付着し、そのノンクロメートは、従来のクロメー
トと同様な接着力を有するために、金属素地と塗膜との
密着力を強め、従来と同程度の耐食性が確保される。ま
た、アルミホイール表面に残った鉄が除去されて、外観
が向上する。請求項3〜5のアルミホイールの塗装方法
によれば、請求項2のアルミホイールの塗装方法の効果
に加えて、有機処理が加わっているので、塗膜の膜厚が
薄いものから厚いものまで、すなわち内部応力の低いも
のから高いものまで、密着力が高められ、耐食性を向上
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のアルミホイールの塗装方
法の工程図である。
【図2】本発明の実施形態2のアルミホイールの塗装方
法の工程図である。
【図3】本発明実施形態3のアルミホイールの塗装方法
の工程図である。
【図4】本発明における有機処理による有機物と金属お
よび塗膜との結合図である。
【符号の説明】
10 前処理工程 11 脱脂工程 12 酸洗工程 13 ノンクロメート処理工程 14 有機処理工程 20 塗装工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 22/34 C23C 22/34 22/40 22/40 22/83 22/83 (72)発明者 小栗 立也 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内 (72)発明者 佐藤 隆行 東京都千代田区四番町5番地9 トピー工 業株式会社内 Fターム(参考) 4D075 BB65X BB68X BB73X BB76X CA02 CA13 CA32 CA33 CA38 DA23 DB07 DC13 EA02 EA06 EA07 EB16 EB22 EB33 EB35 4K026 AA09 AA21 BA01 BA03 BA08 BA12 BB01 BB06 BB08 CA16 CA23 CA28 CA29 CA30 CA31 CA32 CA38 EA02 EA07 EA08 EB07 EB08 4K053 PA10 PA17 QA04 RA14 RA21 RA22 RA64 TA01 TA07 TA12 TA16 TA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前処理と塗装からなるアルミホイールの
    塗装方法であって、前記前処理が、脱脂+ノンクロメー
    ト処理からなり、塗装が溶剤塗装、水性塗装、粉体塗装
    の何れかの1コート以上からなるアルミホイールの塗装
    方法。
  2. 【請求項2】 前処理と塗装からなるアルミホイールの
    塗装方法であって、前記前処理が、脱脂+酸洗+ノンク
    ロメート処理からなり、塗装が溶剤塗装、水性塗装の何
    れかの1コート以上からなるアルミホイールの塗装方
    法。
  3. 【請求項3】 前処理と塗装からなるアルミホイールの
    塗装方法であって、前記前処理が、脱脂+酸洗+ノンク
    ロメート処理+有機処理からなり、塗装が溶剤塗装、水
    性塗装、粉体塗装の何れかの1コート以上からなるアル
    ミホイールの塗装方法。
  4. 【請求項4】 前記有機処理に用いる有機物は、金属と
    反応する反応基と有機材料と反応または結合または相溶
    化する基とを含む請求項3記載のアルミホイールの塗装
    方法。
  5. 【請求項5】 前記有機処理に用いる有機物は、チオグ
    リレート、トリアジチオール、シランカップリング、タ
    ンニン酸のグループから選択された1種以上の有機物か
    らなる請求項4記載のアルミホイールの塗装方法。
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