JP2019038163A - 粉体塗装物およびその製造方法 - Google Patents
粉体塗装物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019038163A JP2019038163A JP2017161014A JP2017161014A JP2019038163A JP 2019038163 A JP2019038163 A JP 2019038163A JP 2017161014 A JP2017161014 A JP 2017161014A JP 2017161014 A JP2017161014 A JP 2017161014A JP 2019038163 A JP2019038163 A JP 2019038163A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pretreatment
- layer
- coating
- powder
- coated product
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
Description
(1)基材の少なくとも片面と、粉体塗料により形成した塗膜層との間に、シランカップリング剤および有機スズ化合物を含有する前処理水溶液により形成した前処理層を有し、前記前処理層が、シランカップリング剤由来成分と有機スズ化合物由来成分を含有し、前記前処理層中の前記シランカップリング剤由来成分の含有量が、前記基材の片面当たりのSiO2付着量にして、8.0〜24.0mg/m2の範囲であり、前記前処理層中の前記有機スズ化合物由来成分の含有量が、前記基材の片面当たりのSn付着量にして、0.15〜0.75mg/m2の範囲であることを特徴とする粉体塗装物。
図1は、本発明の粉体塗装物の実施形態を模式的断面で示したものである。
図1に示す粉体塗装物1は、基材2と前処理層3と塗膜層4とにより主に構成されている。
次に、本発明に従う粉体塗装物の製造方法の実施形態について図3および図4を参照しながら以下で説明する。
本発明の粉体塗装物の製造方法は、以下に詳細に示す第1〜第4工程を少なくとも順に行なうことにより、粉体塗装物を製造することができる。
まず、基材2(例えば鋼板)の表面に、スケールや錆などの酸化膜等の形成を抑制するために防錆油などを塗布して油膜5が存在する場合には、基材2の表面から油膜5を除去するため、第1工程の前に脱脂工程S1を行う(図3(a))。脱脂する具体的な方法は、特に限定はしないが、例えば水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)とケイ酸ナトリウムを含有するアルカリ水溶液を用いたアルカリ脱脂や、電解脱脂などが挙げられる。
次に、水膜6が存在する状態にて、基材2の少なくとも片面に、有機スズ化合物とシランカップリング剤を含有する前処理水溶液を常温で塗布することにより前処理液層7を形成する(第1工程S3(図3(c)))。
第1工程後、基材2を第1温度域で水切り乾燥することにより前処理液層7を前処理変性層8とする(第2工程S4(図3(d)))。
第2工程S4の後、基材2の表面に形成した前処理変性層8上に、粉体塗料を塗着して塗料層9を形成する(第3工程S5(図3(e)))。前処理変性層8上に粉体塗料を塗着することにより、前処理変性層8を構成するシロキサンの外側に配向した官能基に、粉体塗料が付着する。
第3工程S5後、基材2を第1温度域よりも高温である第2温度域で焼付け乾燥することにより、前処理変性層8および塗料層9をそれぞれ前処理層3および塗膜層4とする(第4工程S6(図3(f)))。基材2を第2温度域で焼付け乾燥することにより、塗料層9中の粉体(塗料)を一旦溶融させた後に固化させることで前処理変性層8中のシロキサンを塗料層9中に拡散混合させるとともに、塗料層9を焼付け乾燥することにより、前処理変性層8および塗料層9をそれぞれ前処理層3および塗膜層4に変化させて、基材の表面に強固に固着される。
第4工程S6後に基材2を冷却することによって、粉体塗装物(製品)を得ることができる。
また、図5は、吊下げ治具Hに、複数枚の基材2(図5で3枚の基材)を下方に間隔をおいて吊下げ、この吊下げた状態で水平搬送させて第1工程S3〜第4工程S6を連続的に行う粉体塗装物の製造方法の他の実施形態を示したものである。前処理水溶液の塗布は、従来では図7に示すように、複数枚の基材2を、上端面2bが、図7に示すように、仮想水平面Lと平行になるような吊下げ状態で行なっていた。しかしながら、かかる吊下げ状態では、各基材2の上端面2b上に付着した余分な塗布液(前処理水溶液)Cを、基材2の下方へ効果的に流れ落ちる構造にはなっていないため、基材2の表面に前処理液層を均一に塗布することができない場合があった。このため、このような場合には、少なくとも第1工程S1における前処理水溶液Cの塗布を、複数枚の基材2がともに、上端面2bを、図6に示すように、仮想水平面Lに対し、適当な角度θ(好適にはθ=5〜30°の範囲)だけ傾斜させた吊下げ状態にして行なうことによって、各基材2の上端面2b上に付着した余分な前処理水溶液Cを、基材2の下方へ流れ落ちるのを促進する構造になる結果、基材2の表面に前処理液層をより一層均一に塗布することができる。前記角度θが5°未満だと、各基材2の上端面2b上に付着した余分な前処理水溶液Cを、基材2の下方へ流れ落ちるのを促進する効果が顕著ではなく、また、30°を超えると、吊下げ治具Hに吊下げられている基材2が脱落するおそれがあるからである。
2 基材(または鋼板)
3 前処理層
4 塗膜層
5 油膜
6 水膜
7 前処理液層
8 前処理変性層
9 塗料層
C 塗布液(または前処理水溶液)
H 吊下げ治具
L 仮想水平面
Claims (7)
- 基材の少なくとも片面と、粉体塗料により形成した塗膜層との間に、シランカップリング剤および有機スズ化合物を含有する前処理水溶液により形成した前処理層を有し、
前記前処理層が、シランカップリング剤由来成分と有機スズ化合物由来成分を含有し、
前記前処理層中の前記シランカップリング剤由来成分の含有量が、前記基材の片面当たりのSiO2付着量にして、8.0〜24.0mg/m2の範囲であり、
前記前処理層中の前記有機スズ化合物由来成分の含有量が、前記基材の片面当たりのSn付着量にして、0.15〜0.75mg/m2の範囲であることを特徴とする粉体塗装物。 - 水膜を形成した前記基材の少なくとも片面に、有機スズ化合物とシランカップリング剤を含有する前処理水溶液を常温で塗布することにより前処理液層を形成する第1工程と、
前記基材を第1温度域で水切り乾燥することにより前記前処理液層を前処理変性層とする第2工程と、
前記基材表面の前記前処理変性層上に、粉体塗料を塗着して塗料層を形成する第3工程と、
前記基材を前記第1温度域よりも高温である第2温度域で焼付け乾燥することにより、前記前処理変性層および前記塗料層をそれぞれ前処理層および塗膜層とする第4工程と
を順に行なうことを特徴とする粉体塗装物の製造方法。 - 前記第1温度域が100℃以上である請求項2に記載の粉体塗装物の製造方法。
- 前記第2温度域が150℃以上である請求項2または3に記載の粉体塗装物の製造方法。
- 前記第4工程は、前記第2温度域内で2段加熱によって行なう請求項4に記載の粉体塗装物の製造方法。
- 前記粉体塗料が、エポキシ系、ポリエステル系、アクリル系またはエポキシ−ポリエステル系の粉体塗料である請求項2〜5のいずれか1項に記載の粉体塗装物の製造方法。
- 複数枚の前記基材を下方に間隔をおいて吊下げた状態で水平搬送させて前記第1〜第4工程を連続的に行う粉体塗装物の製造方法であって、
少なくとも前記第1工程における前記前処理水溶液の塗布を、前記複数枚の基材がともに、上端面を仮想水平面に対して傾斜させた吊下げ状態にして行なう請求項2〜6のいずれか1項に記載の粉体塗装物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017161014A JP7091038B2 (ja) | 2017-08-24 | 2017-08-24 | 粉体塗装物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017161014A JP7091038B2 (ja) | 2017-08-24 | 2017-08-24 | 粉体塗装物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019038163A true JP2019038163A (ja) | 2019-03-14 |
JP7091038B2 JP7091038B2 (ja) | 2022-06-27 |
Family
ID=65725192
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017161014A Active JP7091038B2 (ja) | 2017-08-24 | 2017-08-24 | 粉体塗装物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7091038B2 (ja) |
Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62255141A (ja) * | 1986-04-30 | 1987-11-06 | 新日本製鐵株式会社 | ポリオレフイン被覆鋼材 |
JPH1095930A (ja) * | 1996-04-25 | 1998-04-14 | Sumitomo Chem Co Ltd | 粉体塗料およびその塗装物 |
JP2002080976A (ja) * | 2000-09-07 | 2002-03-22 | Chuo Spring Co Ltd | 化成被膜処理システムおよび化成被膜処理方法 |
JP2002088492A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-03-27 | Topy Ind Ltd | アルミホイールの塗装方法 |
JP2003034881A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Kawasaki Steel Corp | 防食被覆鋼材の製造方法 |
JP2005152732A (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-16 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 塗装用治具、塗装ブース、および塗装システム |
JP2005153168A (ja) * | 2003-11-20 | 2005-06-16 | Nippon Steel Corp | 成形加工部の塗膜密着性に優れたプレコート金属板 |
JP2013087312A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Nippon Paint Co Ltd | 塗布型塗装用の塗装前処理剤及び塗布型塗装方法 |
JP2014227427A (ja) * | 2013-05-17 | 2014-12-08 | 株式会社カネカ | 硬化性組成物 |
JP2016199687A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 信越化学工業株式会社 | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 |
JP2016198934A (ja) * | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 新日鐵住金株式会社 | 下地化成処理を行ったポリオレフィン被覆鋼材 |
JP2016204692A (ja) * | 2015-04-20 | 2016-12-08 | 新日鐵住金株式会社 | 有機樹脂被覆鋼材 |
JP2019037928A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | 株式会社オカムラ | 粉体塗装物の製造方法 |
-
2017
- 2017-08-24 JP JP2017161014A patent/JP7091038B2/ja active Active
Patent Citations (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62255141A (ja) * | 1986-04-30 | 1987-11-06 | 新日本製鐵株式会社 | ポリオレフイン被覆鋼材 |
JPH1095930A (ja) * | 1996-04-25 | 1998-04-14 | Sumitomo Chem Co Ltd | 粉体塗料およびその塗装物 |
JP2002088492A (ja) * | 2000-06-30 | 2002-03-27 | Topy Ind Ltd | アルミホイールの塗装方法 |
JP2002080976A (ja) * | 2000-09-07 | 2002-03-22 | Chuo Spring Co Ltd | 化成被膜処理システムおよび化成被膜処理方法 |
JP2003034881A (ja) * | 2001-07-26 | 2003-02-07 | Kawasaki Steel Corp | 防食被覆鋼材の製造方法 |
JP2005153168A (ja) * | 2003-11-20 | 2005-06-16 | Nippon Steel Corp | 成形加工部の塗膜密着性に優れたプレコート金属板 |
JP2005152732A (ja) * | 2003-11-21 | 2005-06-16 | Mitsubishi Rayon Eng Co Ltd | 塗装用治具、塗装ブース、および塗装システム |
JP2013087312A (ja) * | 2011-10-14 | 2013-05-13 | Nippon Paint Co Ltd | 塗布型塗装用の塗装前処理剤及び塗布型塗装方法 |
JP2014227427A (ja) * | 2013-05-17 | 2014-12-08 | 株式会社カネカ | 硬化性組成物 |
JP2016198934A (ja) * | 2015-04-09 | 2016-12-01 | 新日鐵住金株式会社 | 下地化成処理を行ったポリオレフィン被覆鋼材 |
JP2016199687A (ja) * | 2015-04-10 | 2016-12-01 | 信越化学工業株式会社 | 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 |
JP2016204692A (ja) * | 2015-04-20 | 2016-12-08 | 新日鐵住金株式会社 | 有機樹脂被覆鋼材 |
JP2019037928A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | 株式会社オカムラ | 粉体塗装物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7091038B2 (ja) | 2022-06-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106011816B (zh) | 一种石墨烯基皮膜剂 | |
US11389823B2 (en) | Process for coating metallic surfaces of substrates and articles coated by this process | |
CN1894436A (zh) | 用超细层涂覆金属表面的方法 | |
CN109401613B (zh) | 一种用于钢板表面熔结粉末环氧涂层的硅烷化预处理工艺 | |
CN102873956A (zh) | 具有减振降噪功能的彩色涂覆层钢板及其制备方法 | |
CN101407004A (zh) | 具纳米涂层的气体保护焊丝 | |
CN104895479A (zh) | 一种采用热镀锌静电喷塑管材加工生产电动伸缩门的方法 | |
CN205703254U (zh) | 环氧锌基聚酯复合涂层的公路钢护栏生产线 | |
JP2011509184A5 (ja) | ||
KR20160078773A (ko) | 내부식성이 우수한 저온 경화형 방청코팅 조성물 및 이를 이용한 아연도금 강판 | |
JP2013081941A (ja) | 防汚塗膜の形成方法及び防汚塗装物 | |
ZA200205289B (en) | Method for producing coated metal surfaces and the use of said metal surfaces. | |
JP7091038B2 (ja) | 粉体塗装物およびその製造方法 | |
JP6925199B2 (ja) | 粉体塗装物の製造方法 | |
JP2690629B2 (ja) | 耐食性およびスポット溶接性に優れた有機複合被覆鋼板 | |
JP4143306B2 (ja) | 被覆鋼板の製造方法 | |
CN1051373A (zh) | 涂料组合物及其涂敷过的金属制品的制造方法 | |
JP2013204054A (ja) | 化成処理Zn系めっき鋼板の製造方法、それによって得られる化成処理Zn系めっき鋼板、および塗装Zn系めっき鋼板 | |
CN106362931A (zh) | 不锈钢表面装饰纳米陶瓷铝涂层工艺 | |
CN108048832A (zh) | 一种模型表面防腐处理工艺 | |
CN106752693A (zh) | 一种油分离器铜管表面耐腐蚀处理方法 | |
CN111719174A (zh) | 各类金属家具表面自泳工艺 | |
CN106634419A (zh) | 一种耐腐蚀化工泵表面涂漆方法 | |
JP2001172770A (ja) | 表面処理金属板の製造方法および表面処理金属板 | |
JP6203924B2 (ja) | 前処理Zn系めっき鋼板、および塗装Zn系めっき鋼板 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200821 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210526 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210803 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20220308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220613 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220615 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7091038 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |