JP2016199687A - 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物 - Google Patents

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貴章 田中
坂本 隆文
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Abstract

【課題】硬化してナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好でかつエンジンオイルやLLC等に対する耐薬品性に優れ、さらに耐水性にも優れるシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。【解決手段】(A)分子鎖両末端に水酸基及び/または加水分解性基を有し、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、(B)(A)成分以外の、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、(C)(A)成分及び(B)成分以外の、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.001〜10質量部(R’O)3−pR3pSi-Z1-NH2(3)(式中、pは0〜2の整数であり、R’Oは一価の加水分解性基であり、R3は置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Z1は炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状二価炭化水素基である。)、及び(E)炭酸カルシウム微粉末:5〜200質量部を含有することを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物、特に、硬化して接着性、耐薬品性、耐水性に優れるシリコーンゴム硬化物(エラストマー状オルガノポリシロキサン硬化物)を与える室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物(シリコーンゴム)を使用した各種物品に関する。
自動車用のエンジン周辺のシールについては、従来、コルク、有機ゴム、アスベストなどで作られた耐油性のガスケット、パッキング材が使用されているが、これらには在庫管理および作業工程が煩雑であるという不利があり、さらに、それらのシール性能には信頼性がないという欠点がある。そのため、この種の用途には液体ガスケットとして室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を利用したFIPG方式(Formed In Place Gasket)が採用され、エンジンオイルのシールや、ロングライフクーラント(LLC)のシール等に利用されている。
近年においては、環境への配慮の高まりから、自動車の燃費向上を目的とした、自動車部品の軽量化が図られている。具体的には、鉄やアルミニウムなどの金属に比べ、軽い材料である有機樹脂製の自動車部品が増えている。有機樹脂の一つであるナイロン樹脂の中でも、耐熱性、耐薬品性、機械的強度に優れるナイロン66は、自動車用用途等において、幅広く使用されている。他にも、耐熱性、耐薬品性、難燃性に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂が、近年注目を集め、自動車用用途等において使用されつつある。しかしながら、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂は優れた特徴がある一方で、接着させることが難しい材料である。
また、液体ガスケットとして十分な信頼性を有するためには、エンジンオイルやLLC等に対する耐薬品性も必要である。そこで、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂との接着性が良好でかつエンジンオイルやLLC等に対する耐薬品性にも優れる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の開発が求められている。
これに対し、特開2004−043778号公報(特許文献1)には、フェライトを配合することにより、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好なシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られることが開示されている。
また、特開2004−035631号公報(特許文献2)には、オルガノオキシシラン又はその部分加水分解縮合物とチタンキレート触媒を配合することにより、ポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好なシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られることが開示されている。
さらに、特開2008−150491号公報(特許文献3)には、吸着水を有する充填剤を配合することにより、ポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好なシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られることが開示されている。
特開2009−292914号公報(特許文献4)には、分子鎖片末端のみが水酸基で封鎖されたポリオルガノシロキサンを配合することにより、ポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好なシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られることが開示されている。
特開2012−219113号公報(特許文献5)には、アルコキシシリル末端封鎖オルガノポリシロキサンと水酸基およびアルコキシ基を有さないオルガノポリシロキサンとアルコキシシランと触媒からなる、ポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好なシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が開示されている。
しかしながら、自動車用部品や、電気・電子製品等に使用されている各種の有機樹脂は、近年の樹脂の改良によって、耐久性の技術が向上すると共に、近年、ますます接着させることがより困難となり、従来の組成物では接着できないケースが増えてきており、建築用シーリング材、電気・電子機器等のシーリング用、接着用、コーティング用として使用されている上記組成物は、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対して十分な接着性は得られていない。
特開2004−043778号公報 特開2004−035631号公報 特開2008−150491号公報 特開2009−292914号公報 特開2012−219113号公報 特開2013−234245号公報
そういった状況を鑑み、本発明者らは、ナイロン66やポリフェレンサルファイド樹脂に対する接着性の問題を解決するため、特開2013−234245号公報(特許文献6)等に記載され、既に公知となっている、アミノ基含有シランカップリング剤である3−アミノプロピルトリメトキシシランや、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、エポキシ基含有シランカップリング剤であるグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤である(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシランを使用したが、いずれにおいても、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が不十分であった。なお、ここで、シランカップリング剤とは、アミノ官能性基、エポキシ官能性基、(メタ)アクリル官能性基等の接着性に寄与し得る官能性基で置換された一価炭化水素基を含有するオルガノアルコキシシラン等の加水分解性シラン(いわゆるカーボンファンクショナルシラン)及び/又はその部分加水分解縮合物を意味する。
従って、本発明は、硬化してナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好でかつエンジンオイルやLLC等に対する耐薬品性に優れ、さらに耐水性にも優れるシリコーンゴム硬化物を与える、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定のオルガノポリシロキサン組成物において、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物
(R’O)3−p Si-Z -NH (3)
(式中、pは0〜2の整数であり、R’Oは一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状二価炭化水素基である。)を配合すると共に、充填剤として炭酸カルシウム微粉末を併用して配合することにより、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対して優れた接着性を発現するとともに、耐エンジンオイル性や耐LLC性、耐水性に優れるシリコーンゴム硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が得られ、上述した従来の問題点を解決できることを知見し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び該組成物の硬化物(シリコーンゴム)を用いた各種の物品等を提供するものである。
〈1〉
(A)分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有し、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)(A)成分以外の、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
(C)(A)成分及び(B)成分以外の、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.001〜10質量部
(R’O)3−p Si-Z -NH (3)
(式中、pは0〜2の整数であり、R’Oは一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状二価炭化水素基である。)
及び
(E)炭酸カルシウム微粉末:5〜200質量部
を含有することを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〈2〉
(C)成分の一般式(3)におけるZ が、炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状二価炭化水素基であることを特徴とする〈1〉記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〈3〉
(C)成分が、下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であることを特徴とする〈2〉記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
(R’O)3−p Si-Z -NH (4)
(式中、R’Oは、一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数4〜14個の非置換の直鎖状二価炭化水素基であり、pは0〜2の整数である。)
〈4〉
(C)成分が、下記一般式(5)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であることを特徴とする〈3〉記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
(R’O)3−p Si-Z -NH (5)
(式中、R’Oは、一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数5〜11個の非置換の直鎖状二価炭化水素基であり、pは0〜2の整数である。)
〈5〉
(C)成分の一般式(3)における-Z -NHが、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル基であることを特徴とする〈1〉記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
〈6〉
〈1〉〜〈5〉のいずれか1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、自動車用部品または自動車用オイルシール。
〈7〉
〈1〉〜〈5〉のいずれか1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、電気用部品または電子用部品。
〈8〉
〈1〉〜〈5〉のいずれか1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、建築用構造物または土木工事用構造物。
〈9〉
〈1〉〜〈5〉のいずれか1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含む接着剤、シーリング材、ポッティング剤又はコーティング剤。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、硬化してナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好でかつ耐エンジンオイル性や耐LLC性に優れ、さらに耐水性にも優れるシリコーンゴム硬化物(エラストマー状オルガノポリシロキサン硬化物)を与えるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。尚、本発明において、粘度は、JIS Z 8803に規定する方法に順じた回転粘度計による測定値である。特に記述がない限り、「室温」とは温度23℃±2℃、湿度50%RH±5%RHの状態をいう。
[(A)成分]
(A)成分は分子鎖両末端にシラノール基(即ち、ケイ素原子に結合した水酸基)及び/又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンであり、本発明のオルガノポリシロキサン組成物の主成分(ベースポリマー)である。該ジオルガノポリシロキサンの分子構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、分岐構造を有する直鎖状のいずれであってもよいが、好ましくは、分子鎖両末端がジオルガノヒドロキシシリル基又は1〜3個の加水分解性基を含有するトリオルガノシリル基(例えば、ジオルガノアルコキシシリル基、オルガノジアルコキシシリル基、トリアルコキシシリル基など)で封鎖され、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなる直鎖状ジオルガノポリシロキサンである。該直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、分岐構造を少量有していてもよい。また、該ジオルガノポリシロキサンは分子鎖途中(例えば、分子鎖両末端に存在するジオルガノヒドロキシシリル基又は加水分解性基含有トリオルガノシリル基と、主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位の繰返し構造の末端との連結部分など)にシルアルキレン構造(−SiRSi−)を有するものであってもよい。この式においてRは、炭素原子数1〜20、好ましくは2〜6である二価の炭化水素基(例えば、直鎖状又は分岐状のアルキレン基等)である。また、炭素原子に結合する水素原子の一部または全部がハロゲン原子、又はシアノ基で置換されているものであってもよい。
該(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・s、好ましくは100〜300,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜200,000mPa・s、特に10,000〜100,000mPa・sであるものがよい。ジオルガノポリシロキサンの粘度が上記下限値(20mPa・s)未満であると、後述する(B)成分が多量に必要となるため、経済的に不利となる。また、ジオルガノポリシロキサンの粘度が上記上限値(1,000,000mPa・s)超では、作業性が低下するので、好ましくない。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンが有する加水分解性基として好ましいものは、アルコキシ基又はアルコキシ置換アルコキシ基である。ジオルガノポリシロキサンの各末端に存在する水酸基(シラノール基)及び加水分解性基の数は特に限定されるものでない。好ましくは、末端に水酸基(シラノール基)を有する場合は、分子鎖の両末端に、ケイ素原子に結合する水酸基(シラノール基)を一つずつ有する(即ち、ヒドロキシジオルガノシリル基として存在する)のがよい。また、加水分解性基として末端にアルコキシ基又はアルコキシ置換アルコキシ基を有する場合は、分子鎖の両末端に、ケイ素原子に結合するアルコキシ基(即ち、アルコキシシリル基)またはケイ素原子に結合するアルコキシ置換アルコキシ基(即ち、アルコキシアルコキシシリル基)を、2つまたは3つずつ有する(即ち、ジアルコキシオルガノシリル基又はビス(アルコキシアルコキシ)オルガノシリル基や、トリアルコキシシリル基又はトリス(アルコキシアルコキシ)シリル基として存在する)ものがよい。
ここで、アルコキシ基としては、炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ置換アルコキシ基は、全炭素原子数2〜10、特に全炭素原子数3又は4のアルコキシ置換アルコキシ基が好ましく、例えば、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシメトキシ基が挙げられる。特に、ジオルガノポリシロキサンの両末端に水酸基、メトキシキ基、又はエトキシ基を有するものが好ましい。
水酸基及び加水分解性基以外の、ケイ素原子に結合する有機基としては、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基が挙げられる。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子またはシアノ基で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価炭化水素基;β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基等のシアノアルキル基が例示される。中でもメチル基が好ましい。
上記(A)ジオルガノポリシロキサンとしては、特に下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
上記式(1)中、Rは、互いに独立に、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、及びオクチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、及びエトキシメチル基等の炭素原子数2〜10のアルコキシ置換アルキル基から選択される基である。好ましくは、水素原子、メチル基、又はエチル基である。Rは、互いに独立に、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、上述した水酸基及び加水分解性基以外の有機基が挙げられ、中でもメチル基が好ましい。aは0、1または2である。特に、Rがアルキル基又はアルコキシ置換アルキル基である場合は、aは0又は1であり、Rが水素原子である場合は、aは2であるものがよい。nは、ジオルガノポリシロキサンの25℃における粘度が、20〜1,000,000mPa・s、好ましくは100〜300,000mPa・s、更に好ましくは1,000〜200,000mPa・s、特に10,000〜100,000mPa・sとなるような数であり、通常、nは、1〜2000、好ましくは10〜1500、更に好ましくは50〜1200、特には100〜1000程度の整数である。
なお、本発明において、重合度(又は分子量)は、通常、トルエンを展開溶媒としてゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析におけるポリスチレン換算の質量平均重合度(又は質量平均分子量)等として求めたものである。
上記式(1)中、Yは、互いに独立に、酸素原子、炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基、又は下記一般式(2)で示される基である。
式(2)中、Rは上記式(1)の通りであり、Zは炭素原子数1〜20、好ましくは炭素原子数1〜6の、非置換又は置換の二価炭化水素基である。
上記二価炭化水素基(Y又はZ)は直鎖状であっても分岐構造を有していてもよい(例えばメチルエチレン基)が、特にメチレン基、エチレン基、プロピレン基(トリメチレン基)、ブチレン基(テトラメチレン基)、ヘキシレン基(ヘキサメチレン基)等の直鎖アルキレン基が好ましい。中でも、特にエチレン基が好ましい。
特に好ましくは、Yは酸素原子である。
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、従来公知の方法で製造することができる。該ジオルガノポリシロキサンは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。特に、分子鎖両末端にヒドロキシシリル基を有するジオルガノポリシロキサン(即ち、上記式(1)において両末端のRが水素原子であるジオルガノポリシロキサン)を(A)成分100質量部中に10〜100質量部となる量で含有することが好ましく、50〜100質量部となる量で含有することがさらに好ましい。
(A)成分は、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物中、99〜20質量%含有することが好ましく、特に95〜50質量%含有することが好ましい。
[(B)成分]
(B)成分は、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物(即ち、残存加水分解性基を3個以上有するシロキサンオリゴマー等のシロキサン化合物)である。(B)成分は上記(A)成分と縮合反応して架橋構造を形成する。但し、本発明において、該(B)成分は上記(A)成分及び後述する(C)成分以外の化合物とする。従って(B)成分は、通常、分子中に非加水分解性のジオルガノシロキサン単位からなる繰返し構造を含有しないものであり、また、分子中に炭素原子数4個以上の置換又は非置換二価炭化水素基を介してケイ素原子に結合した窒素原子(アミノ基)を含有しないものである。
(B)成分の加水分解性オルガノシラン化合物またはその部分加水分解縮合物(シロキサン化合物)が有する加水分解性基としては、全炭素原子数1〜10である、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、アシロキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アミノキシ基及びアミド基が挙げられる。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシ置換アルコキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基等のアシロキシ基;ビニロキシ基、イソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケノキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等のケトオキシム基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基及びN−エチルアセトアミド基等のアミド基が挙げられる。中でも、アルコキシ基及びケトオキシム基が好ましく、特にメチルエチルケトオキシム基及びメチルイソブチルケトオキシム基のケトオキシム基が好ましい。
上記加水分解性基以外の、ケイ素原子に結合する有機基としては、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10の一価炭化水素基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子またはシアノ基で置換したもの、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。中でも、有機基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。
(B)成分のシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン;メチルトリ(メトキシメトキシ)シラン、エチルトリ(メトキシメトキシ)シラン、ビニルトリ(メトキシメトキシ)シラン、フェニルトリ(メトキシメトキシ)シラン、メチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、エチルトリ(エトキシメトキシ)シラン、ビニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、フェニルトリ(エトキシメトキシ)シラン、テトラ(メトキシメトキシ)シラン、テトラ(エトキシメトキシ)シラン等のアルコキシアルコキシシラン;メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン等のアルケノキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシランが挙げられる。
(B)成分のシロキサン化合物としては、上記加水分解性オルガノシラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。該シロキサンの質量平均分子量(又は質量平均重合度)は特に制限されるものでないが、上記加水分解性オルガノシラン化合物が2個〜100個、好ましくは2〜20個程度重合したオリゴマーが好ましい。該シロキサンは、複数の重合度を有するオリゴマーの混合物であってもよい。
(B)成分は、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、本発明の効果を妨げない範囲で、一分子中に加水分解性基を2個有するシラン化合物及び/またはシロキサン化合物を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは1〜20質量部である。(B)成分の量が上記下限値(0.1質量部)未満では、硬化性や保存性の低下を招くおそれがある。また、上記上限値(40質量部)を超えると、価格的に不利になるばかりか、硬化物の伸びが低下したり、耐久性の悪化を招いたりするおそれがある。特に、(A)成分が、末端に水酸基を有するジオルガノポリシロキサンを含む場合は、(B)成分中の加水分解性基の個数が(A)成分中の水酸基の個数を上回るような量とすることが好ましい。
[(C)成分]
(C)成分は、(A)成分及び(B)成分以外の、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である。
(R’O)3−p Si-Z -NH (3)
(式中、pは0〜2の整数であり、R’Oは一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状二価炭化水素基である。)
この(C)成分は、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られる硬化物(シリコーンゴム)がナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対して良好な接着性を有することや、耐エンジンオイル性や耐LLC性といった耐薬品性が良好であることに関して、大きく貢献していると推察される。接着性が良好である理由は、Si原子とN原子間の置換又は非置換の二価炭化水素部分が長いため、NH部分がナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂と相互作用しやすいためと推察される。そのため、(C)成分は、接着性向上剤(接着促進剤)として、本発明の重要な構成要素である。
さらに、(C)成分として、一般式(3)の-Z -NH部位が、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル基であるものが特に好ましい。
他には、(C)成分として、一般式(3)のZ部位が、非置換でなおかつ直鎖の二価炭化水素基であり、4個以上19個以下の炭素原子を含むことが好ましく、4個以上14個以下の炭素原子を含むことがさらに好ましく、5個以上11個以下の炭素原子を含むことが特に好ましい。
上記式(3)中、R’O−は、一価の加水分解性基であり、例えば、全炭素原子数が1〜10、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4である、アルコキシ基、アルコキシ置換アルコキシ基、アシロキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アミノキシ基及びアミド基が挙げられる。具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基等のアシロキシ基;ビニロキシ基、アリロキシ基、プロペノキシ基、イソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケノキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等のケトオキシム基が挙げられる。中でも、アルコキシ基及びケトオキシム基が好ましく、特にメトキシ基もしくはエトキシ基のアルコキシ基が好ましい。
上記式(3)中、Rとしては、置換または非置換の、炭素原子数1〜18、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基が挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子またはシアノ基で置換したもの、例えば、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。cは、0〜2の整数であり、中でも、0もしくは1が好ましい。
(C)成分の加水分解性オルガノシラン化合物として、一般式(3)の-Z -NH部位が、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル基であるものとしては、例えば、
4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン、
4−アミノ−3,3−ジメチルブチルメチルジメトキシシラン、
4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリエトキシシラン、
4−アミノ−3,3−ジメチルブチルメチルジエトキシシラン
などが挙げられる。
(C)成分のシラン化合物として、一般式(3)のZ部位が、非置換でなおかつ直鎖の二価炭化水素基であり、5個以上11個以下の炭素原子を含むものとしては、例えば、
(HCO)SiC10NH
(HCO)SiC14NH
(HCO)SiC18NH
(HCO)SiC1122NH
(HCO)(HC)SiC10NH
(HCO)(HC)SiC14NH
(HCO)(HC)SiC18NH
(HCO)(HC)SiC1122NH
(HO)(HC)SiC10NH
(HO)(HC)SiC14NH
(HO)(HC)SiC18NH
(HO)(HC)SiC1122NH
(HO)SiC10NH
(HO)SiC14NH
(HO)SiC18NH
(HO)SiC1122NH
などが挙げられる。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜10質量部であり、好ましくは0.01〜7質量部であり、さらに好ましくは0.05〜5質量部であり、最も好ましくは0.2〜2質量部である。(C)成分の量が上記下限値(0.001質量部)未満であると、所望の接着性が得られない。また、(C)成分の量が上記上限値(10質量部)を超えると、価格的に不利になるばかりか、伸びの低下、耐油性の低下、耐水性の低下または耐久性の悪化を招くおそれがある。
[(D)成分]
本発明の組成物には、更に必要に応じて(D)成分として硬化触媒を任意成分として添加することが好ましい。硬化触媒としては、例えば組成物の硬化促進剤として従来から一般的に使用されている縮合触媒、例えばジブチルスズメトキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジメチルスズジメトキサイド、ジメチルスズジアセテート等の有機スズ化合物;テトラプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、ジメトキシチタンジアセチルアセトナート等の有機チタン化合物;ヘキシルアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等のアミン化合物やこれらの塩などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)成分を配合する場合には、その量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部、好ましくは0.005〜5質量部、さらに好ましくは0.01〜2質量部である。(D)成分の量が上記下限値未満であると、触媒効果が得られない場合があり、また、(D)成分の量が上記上限値を超えると、価格的に不利になるばかりか、組成物の耐久性が悪化する場合、あるいは接着性が悪化する場合がある。
[(E)成分]
本発明の組成物は、硬化したシリコーンゴムがナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する優れた接着性を発現するとともに、耐エンジンオイル性や耐LLC性、耐水性にも優れるシリコーンゴム硬化物を与える目的で、無機質充填剤として炭酸カルシウム微粉末を前記(A)成分100質量部に対して5〜200質量部、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部配合するものである。この炭酸カルシウム微粉末としてはコロイダル炭酸カルシウム、重質(又は粉砕法)炭酸カルシウム等が好ましい。炭酸カルシウム微粉末の配合量が少なすぎると、耐エンジンオイル性や耐LLC性、耐水性等に劣る場合があり、配合量が多すぎると、基材に対する接着性に劣る場合がある。
[その他の成分]
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記成分以外に、樹脂組成物用に一般に知られている添加剤をさらに含有することができる。該添加剤としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、石英微粉末、ケイソウ土粉末、水酸化アルミニウム粉末、微粒子状アルミナ、マグネシア粉末、酸化亜鉛粉末、及びこれらをシラン類、シラザン類、低重合度ポリシロキサン類等で表面処理した微粉末状の無機質充填剤などの(E)成分以外の無機質充填剤;顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤;抗菌剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を硬化して得られるシリコーンゴム硬化物は、ナイロン66やポリフェニレンサルファイド樹脂に対する接着性が良好であり、耐エンジンオイル性や耐LLC性といった耐薬品性にも優れる。その為、本発明の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、接着剤、シーリング材、コーティング剤、またはポッティング剤等として有用である。本発明のオルガノポリシロキサン組成物を接着剤、シーリング材、コーティング剤、またはポッティング剤として使用する方法は、従来公知の方法に従えばよい。対象となる物品としては、例えば、自動車用部品、電気・電子部品、電線・ケーブル、建築用構造物、土木工事用構造物等が挙げられる。特に、本発明品は、自動車用部品のための接着材として好適に使用することができ、例えば、FIPG材料として有用である。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、実施例中の部はいずれも質量部を意味する。また、粘度はJIS Z 8803に規定する方法に準じた25℃における回転粘度計による測定値である。
(A)成分
(A−1)分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)をそれぞれ一つずつ有する直鎖状ジメチルポリシロキサン(信越化学工業株式会社製、粘度5,000mPa・s)
(B)成分
(B−1)メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン
(B−2)メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名;KC−89E、信越化学工業株式会社製、重合度2〜8)
(B−3)ビニルトリイソプロペノキシシシラン
(C)成分
(C−1)4−アミノ−3,3−ジメチルブチルトリメトキシシラン(販売元:Fluorochem)
(C−2)5−アミノペンチルトリメトキシシラン
(C−3)7−アミノヘプチルトリメトキシシラン
(C−4)11−アミノウンデシルトリメトキシシラン(販売元:Gelest)
(C−5)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−903、信越化学工業株式会社製)
(C−6)N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名;KBM−603、信越化学工業株式会社製)
(C−2)は、5−ブロモ−1−ペンテンとフタルイミドカリウムを反応させた後に、白金触媒存在下で、トリメトキシシランを反応させることによって合成した。(C−3)は、7−ブロモ−1−ヘプテンとフタルイミドカリウムを反応させた後に、白金触媒存在下で、トリメトキシシランを反応させることによって合成した。尚、反応は、公知の反応条件によって行えばよい。
(D)成分
(D−1)ジオクチルスズジラウレート
(E−1)炭酸カルシウム(商品名;カーレックス300、丸尾カルシウム株式会社製)
[実施例1]
分子鎖両末端にケイ素原子に結合した水酸基をそれぞれ一つずつ有する直鎖状ジメチルポリシロキサン(A−1)100部と、炭酸カルシウム(E−1)100部とを、均一に混合し、さらに(B−1)15部、(C−1)1部、(D−1)0.1部を順次加えて室温で均一に混合して、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。尚、混合は、万能混合機を用いて行った。
[実施例2〜9]
表1に示す組成で実施例1と同様にして室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[比較例1〜4]
表2に示す組成で実施例1と同様にして室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を調製した。
[せん断接着力試験(初期)]
上記で得られた各組成物について、下記に示す方法によりせん断接着力を評価した。
幅25mm、長さ50mm、厚さ2mmのナイロン66またはポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂製被着体を用いて、接着面積250mm、接着厚さ1mmのせん断接着試験体を作製し、室温(温度23℃±2℃、湿度50%RH±5%RH)で7日間静置した後に、せん断接着力測定を測定した。ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれにおいても、せん断接着力が1.0MPa以上である場合に、初期接着性が〇(良好)と評価し、ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のどちらか一方でも0.9MPa以下となった場合に、初期接着性が×(悪い)と評価した。
[せん断接着力試験(エンジンオイル浸漬後)]
せん断接着力試験(初期)と同様にせん断接着試験体を作製し、室温で7日間静置した後に、エンジンオイルに浸漬し、150℃で7日間静置した後に、せん断接着力を測定した。ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれにおいても、エンジンオイル浸漬後のせん断接着力が0.7MPa以上である場合に、耐エンジンオイル性が〇(良好)と評価し、ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のどちらか一方でも0.6MPa以下となった場合に、耐エンジンオイル性が×(悪い)と評価した。
なお、エンジンオイルは、トヨタ社のトヨタキャッスルSN GF−5 0W−20を用いた。
[せん断接着力試験(LLC浸漬後)]
せん断接着力試験(初期)と同様にせん断接着試験体を作製し、室温で7日間静置した後に、LLCの50質量%水溶液に浸漬し、100℃で7日間静置した後に、せん断接着力測定を測定した。ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれにおいても、LLC水溶液浸漬後のせん断接着力が0.7MPa以上である場合に、耐LLC性が〇(良好)と評価し、ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のどちらか一方でも、0.6MPa以下となった場合に、耐LLC性が×(悪い)と評価した。
なお、LLCは、トヨタ社のスーパーロングライフクーラントを用いた。
[せん断接着力試験(水浸漬後)]
せん断接着力試験(初期)と同様にせん断接着試験体を作製し、室温で7日間静置した後に、水に浸漬し、40℃で7日間静置した後に、せん断接着力測定を測定した。ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のいずれにおいても、水浸漬後のせん断接着力が0.7MPa以上である場合に、耐水性が〇(良好)と評価し、ナイロン66およびポリフェニレンサルファイド樹脂のどちらか一方でも0.6MPa以下となった場合に、耐水性が×(悪い)と評価した。
[総合判定]
初期接着性、耐エンジンオイル性、耐LLC性、耐水性において、いずれについても〇(良好)であった場合、総合判定が〇(良好)と評価し、1つでも×(悪い)がある場合に、総合判定が×(悪い)と評価した。
表1に示す通り、接着性向上剤として(C−1)、(C−2)、(C−3)、(C−4)といったSi原子とNHが炭素数4以上の炭化水素基で連結されたシラン化合物を配合した場合、これらの組成物を硬化して得られたシリコーンゴム硬化物は、初期接着性、耐エンジンオイル性、耐LLC性、耐水性が良好であった[実施例1〜9]。
一方、表2に示す通り、本願(C)成分の代わりに、(C−5)といったSi原子とNHが炭素数3の炭化水素基で連結されたシラン化合物を配合した場合、初期接着性、耐エンジンオイル性、耐LLC性、耐水性がいずれも悪い結果であった。また、(C−6)といったSi原子とNHが炭素数3の炭化水素基で連結され1分子中に2個の窒素原子を有するシラン化合物を配合した場合も、初期接着性、耐エンジンオイル性、耐LLC性、耐水性が悪い結果であった[比較例1〜4]。
従って、本発明品は、ナイロン66およびポリフェニレサルファイド樹脂への初期接着性、耐エンジンオイル性、耐LLC性や耐水性に優れたシリコーンゴム硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物であることがわかる。
本発明によれば、ナイロン66およびポリフェニレサルファイド樹脂への初期接着性および耐薬品性や耐水性に優れたシリコーンゴム硬化物を与える室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供することができる。従って、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、接着剤、シーリング材、コーティング剤、またはポッティング剤等として有用であり、特に、自動車用部品、電気用部品または電子用部品、建築用構造物または土木工事用構造物のための接着剤として好適に使用することができ、更に、自動車用部品のための接着剤として好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. (A)分子鎖両末端に水酸基及び/又は加水分解性基を有し、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)(A)成分以外の、ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有する、加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
    (C)(A)成分及び(B)成分以外の、下記一般式(3)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.001〜10質量部
    (R’O)3−p Si-Z -NH (3)
    (式中、pは0〜2の整数であり、R’Oは、一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状又は分岐鎖状二価炭化水素基である。)
    及び
    (E)炭酸カルシウム微粉末:5〜200質量部
    を含有することを特徴とする室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. (C)成分の一般式(3)におけるZ が、炭素原子数4個以上の置換又は非置換の直鎖状二価炭化水素基であることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  3. (C)成分が、下記一般式(4)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であることを特徴とする請求項2記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
    (R’O)3−p Si-Z -NH(4)
    (式中、R’Oは、一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数4〜14個の非置換の直鎖状二価炭化水素基であり、pは0〜2の整数である。)
  4. (C)成分が、下記一般式(5)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であることを特徴とする請求項3記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
    (R’O)3−p Si-Z -NH(5)
    (式中、R’Oは、一価の加水分解性基であり、Rは置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数5〜11個の非置換の直鎖状二価炭化水素基であり、pは0〜2の整数である。)
  5. (C)成分の一般式(3)における-Z -NHが、4−アミノ−3,3−ジメチルブチル基であることを特徴とする請求項1記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、自動車用部品または自動車用オイルシール。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、電気用部品または電子用部品。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物を有する、建築用構造物または土木工事用構造物。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項記載の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物を含む接着剤、シーリング材、ポッティング剤又はコーティング剤。
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