JP7140009B2 - 自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法 - Google Patents
自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
[1]
(A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量、及び
(C)下記一般式(3)、(4)及び(5)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物 :0.1~10質量部
の反応混合物と、
(D)塩基性充填剤 :(A)成分100質量部に対して1~500質量部と、
(E)硬化触媒 :(A)成分100質量部に対して0.001~20質量部と
を含有する自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[2]
反応混合物が、(A’)分子鎖末端が-O-CH(CH3)-C(=O)-O-R2(R2は上記と同じである。)で示される加水分解性基を2個又は3個有する加水分解性シリル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンを含む[1]に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[3]
(A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、
(C’)下記一般式(2’)で示される窒素原子を含まない加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :0.1~10質量部、
(D)塩基性充填剤 :1~500質量部、及び
(E)硬化触媒 :0.001~20質量部
を含有し、(B)成分の配合量が、(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量であることを特徴とする自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[4]
(C’)成分が、下記一般式で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種である[3]に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[5]
(D)成分の一部又は全部が、表面処理された炭酸カルシウムである[1]~[4]のいずれかに記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[6]
更に、(F)架橋密度向上剤を(A)成分100質量部に対して0.1~50質量部含有する[1]~[5]のいずれかに記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[7]
(F)成分が、R11 3SiO1/2単位(式中、R11は炭素数1~10の非置換1価炭化水素基である。)及びSiO4/2単位を含有し、SiO4/2単位に対するR11 3SiO1/2単位のモル比が0.6~1.2であって、ヒドロキシ基の含有量が0.7質量%未満である三次元網状構造のオルガノシロキサンレジンである[6]に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
[8]
(F)成分が、下記一般式(6)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である[6]に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
R12 4-cSi(OR13)c (6)
(式中、R12はメチル基又はビニル基であり、R13は非置換又は置換アルキル基であり、cは3又は4である。)
[9]
(A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量、及び
(C)下記一般式(3)、(4)及び(5)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物 :0.1~10質量部
を0~60℃で20~120分間混合して反応混合物を調製し、更に該反応混合物に、
(D)塩基性充填剤 :(A)成分100質量部に対して1~500質量部と、
(E)硬化触媒 :(A)成分100質量部に対して0.001~20質量部と
を混合することを特徴とする自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
本発明の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、
(A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、及び
(C)下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物
の反応混合物と、
(D)塩基性充填剤と、
(E)硬化触媒と
を特定割合で含有してなるものである。
(A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン、
(B)上記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、
(C)上記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、
(D)塩基性充填剤、及び
(E)硬化触媒
を特定割合で含有してなる自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物(以降、これを組成物[II]とする)も用いることができる。
[(A)成分]
(A)成分は、分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)で封鎖されたジオルガノポリシロキサンであり、本発明の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の主剤(ベースポリマー)である。該ジオルガノポリシロキサンの分子構造は特に制限されるものでなく、直鎖状、分岐鎖状、分岐構造を有する直鎖状のいずれであってもよいが、好ましくは、主鎖が基本的にジオルガノシロキサン単位の繰返しからなり、分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンである。該直鎖状ジオルガノポリシロキサンは、分岐構造を少量有していてもよい。また、該ジオルガノポリシロキサンは分子鎖中(特には、分子鎖両末端のシラノール基と主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位の繰返し構造との連結部等)にシルアルキレン構造(-SiRSi-)などを有するものであってもよい。前記Rは、炭素数1~20、好ましくは炭素数2~6の2価炭化水素基(例えば、直鎖状又は分岐状のアルキレン基等)である。また、炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、又はシアノ基で置換されているものであってもよい。
なお、ケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)は、通常、ヒドロキシ(ジメチル)シロキシ基、ヒドロキシ(ジフェニル)シロキシ基、ヒドロキシ(メチルフェニル)シロキシ基などのヒドロキシ(ジオルガノ)シロキシ基等の形態で分子鎖末端に存在することが好ましい。
(B)成分は、下記一般式(1)で示される、一分子中に-O-CH(CH3)-C(=O)O-R2(R2は炭素数1~10の直鎖状又は分岐鎖状アルキル基)で示される乳酸エステル(2-ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル)を脱離可能な加水分解性基を3個又は4個有する加水分解性(オルガノ)シラン化合物(即ち、ラクタートシラン化合物)及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化剤(架橋剤)として作用する。
aは3又は4であり、特には3が好ましい。
ここで、-O-CH(CH3)-C(=O)O-R2で示される乳酸エステル(2-ヒドロキシプロピオン酸アルキルエステル)を脱離可能な加水分解性基としては、例えば、2-ヒドロキシプロピオン酸メチルエステル基、2-ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル基、2-ヒドロキシプロピオン酸プロピルエステル基、又は2-ヒドロキシプロピオン酸イソプロピルエステル基である。好ましくは2-ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル基(乳酸エチル基)である。
また、式(1)のメチル基が結合しているメチン炭素は不斉中心となり得るが、(R)体、(S)体、ラセミ体のいずれであっても構わない。
これらの中では、メチルトリス(エチルラクタート)シラン、ビニルトリス(エチルラクタート)シラン、メチルトリス(メチルラクタート)シラン、ビニルトリス(メチルラクタート)シランが好ましく、メチルトリス(エチルラクタート)シラン、ビニルトリス(エチルラクタート)シランが特に好ましい。
(B)成分は、(A)成分中の水酸基(シラノール基)に対してモル比で3~11倍、好ましくは4~10倍、即ち、(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基(シラノール基)に対する(B)成分のモル比が1:3~1:11、好ましくは1:4~1:10となる比率で添加する。通常、組成物中には水分が微量含まれ、架橋剤が消費される。更に自動車オイルシール用組成物では塩基性充填剤を多量に配合する必要があるが、これらの充填剤にも水分を0.1質量%以上含有するため、より多くの架橋剤が消費されることになる。そのため、(A)成分中の水酸基(シラノール基)に対して(B)成分はモル比で3倍以上必要となる。それよりも少ないと十分な保存安定性が得られない。また、(A)成分の水酸基に対して(B)成分がモル比で11倍を超えると得られる硬化物は機械特性が低下し易く、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化速度も遅くなるなどの欠点がある。
(C)成分は、下記一般式(2)で示される加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物であり、本発明の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の接着向上剤として作用する重要な効果を発揮する化合物である。
-R6NH2
-R6NHR7NH2
-R8-N=R9
-R8-NH-R10
-R6OC(=O)CH=CH2
-R6SH
-R6C(=O)OSiR14 3
(式中、R6は炭素数1~10の2価炭化水素基であり、R7はアルキレン基と芳香環を含む炭素数7~10の2価炭化水素基であり、但し、1級及び2級アミンの少なくとも一方はR7中の芳香環に直結していない。R8はヘテロ原子を含んでいてもよい炭素数1~10の非置換又は置換の2価炭化水素基であり、R9はその構造中に窒素原子を2個以上含有する炭素数1~15の2価炭化水素基であり、R10はその構造中に窒素原子を2個以上含有する炭素数1~15の1価炭化水素基であり、R14は炭素数1~10の非置換1価炭化水素基である。)
-CH2-C6H4-
-CH2-C6H4-CH2-
-CH2-C6H4-CH2-CH2-
-CH2-C6H4-CH2-CH2-CH2-
-CH2-CH2-C6H4-
-CH2-CH2-C6H4-CH2-
-CH2-CH2-C6H4-CH2-CH2-
-CH2-CH2-CH2-C6H4-
-CH2-CH2-CH2-C6H4-CH2-
これらの中で、特に好ましくは-CH2-C6H4-CH2-である。
(R15 2N)2C=
(式中、R15は独立に、水素原子又は炭素数1~10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基である。)
で示されるN-置換又は非置換のグアニジル基等の強塩基性を示すものなどが挙げられる。
これらは1種類に限定されず、2種類以上を同時に使用してもよい。
本発明の組成物[I]の実施態様では、上記(A)成分と(B)成分とを、末端封鎖の触媒としての(C)成分の存在下に反応させた反応混合物を用いる。
ここで、反応混合物の調製方法としては、上記(A)、(B)及び(C)成分を上述した配合割合で混合し、反応させる。反応条件としては、通常、0~60℃、好ましくは10~40℃の温度範囲で、10~120分、好ましくは20~90分の混合時間とすることができる。
(D)成分の塩基性充填剤は、本組成物の耐薬品性を向上させると共にゴム物性を付与するための補強性、非補強性充填剤を指す。種類としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、微粒子状アルミナなどが挙げられ、炭酸カルシウムや炭酸亜鉛、酸化マグネシウムが好ましい。また、表面は、処理の有無によらず、使用できる。表面処理剤としては、脂肪酸類、パラフィン類、シラン類、シラザン類、低重合度シロキサン類、有機化合物などが使用できる。
(D)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して1~500質量部の範囲、好ましくは5~300質量部の範囲で使用される。多すぎると組成物の粘度が上がりすぎて混合及び施工時の作業性が悪くなるおそれがあり、また、少なすぎると十分な耐薬品性、硬化後のゴム物性が得られないため、使用用途に適さない。
(E)成分の硬化触媒は、錫、チタン、ジルコニウム、鉄、アンチモン、ビスマス、マンガン等の金属の有機カルボン酸塩、アルコキサイド;有機チタン酸エステル、有機チタンキレート化合物が例示され、より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートエステル、ジメチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジネオデカノエート、スタナスオクトエート等の錫化合物;テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等のチタン化合物などが例示される。本発明組成物の速硬化性や深部硬化性などの硬化特性が優れることから、有機錫化合物を添加することが好ましく、中でも、ジアルキル錫ジアルコキサイド、ジアルキル錫ジカルボン酸塩であることが好ましい。
(E)硬化触媒の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.001~20質量部、好ましくは0.01~5質量部、特に好ましくは0.05~3質量部である。0.001質量部未満では、得られる組成物において十分な架橋性が得られない。20質量部を超えると、組成物の硬化が速すぎるため、組成物塗布後の作業時間が短くなったり、機械特性が低下したりする。
本発明の組成物には、必要に応じて、架橋密度向上剤(耐薬品性向上剤)として作用し、耐薬品性向上に寄与する(F)成分を任意成分として含有させることができる。
R12 4-cSi(OR13)c (6)
(式中、R12はメチル基又はビニル基であり、R13は非置換又は置換アルキル基であり、cは3又は4である。)
本発明においては、前記の(A)~(F)成分に加えて、その他の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、公知の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。例えば、補強剤として(D)成分以外の煙霧質シリカ、沈降性シリカ、石英粉末、炭素粉末等、ウェッターやチキソトロピー向上剤としてのポリエーテル、可塑剤としての非反応性ジメチルシリコーンオイル、イソパラフィン等が挙げられる。
更に、必要に応じて、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、防かび剤、抗菌剤、ブリードオイルとしての非反応性フェニルシリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、シリコーンと非相溶の有機液体等の表面改質剤、トルエン、キシレン、溶剤揮発油、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、低沸点イソパラフィン等の溶剤も添加してよい。
組成物[I]は、上記(A)、(B)、(C)成分の反応混合物に、(D)、(E)成分、任意に(F)成分、その他の成分を混合、好ましくは乾燥雰囲気(実質的に湿分の不存在)下において均一に混合することにより製造できる。
[(A)~(F)成分]
組成物[II]の実施態様に用いられる(A)~(F)成分は、上述した組成物[I]の(A)~(F)成分で例示したものと同様のものが例示できるが、(C)成分としては、窒素原子を含まないシラン化合物又はその部分加水分解物を用いることがより好ましい。
また、(A)~(F)成分の使用割合は、上記組成物[I]の配合量と同様である。なお、(A)成分は、本発明の組成物[II]中、25~75質量%、好ましくは30~70質量%、より好ましくは35~65質量%含有することが望ましい。
組成物[II]には、前記の(A)~(F)成分に加えて、その他の添加剤を配合してもよい。その他の添加剤としては、上述した組成物[I]で例示したものと同様のものが例示できる。
本発明の組成物[II]は、上記(A)~(E)成分、任意に(F)成分、その他の成分を混合、好ましくは乾燥雰囲気(実質的に湿分の不存在)下において均一に混合することにより製造できる。
25℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(水酸基濃度;0.0044モル/100g)100質量部と、ビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサンの水酸基に対して4倍モルになる7質量部と、(A)成分の末端封鎖触媒として下記式(8)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン2.5質量部を常温・常圧下にて60分混合して、分子鎖両末端がビニルビス(エチルラクタート)シリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンを含有する反応混合物を調製した。次いで、該反応混合物に、表面が脂肪酸で処理された重質炭酸カルシウム80質量部と表面が脂肪酸で処理されたコロイダル炭酸カルシウム20質量部、及び煙霧質シリカ10質量部を減圧下(0.08MPa以下、以下同様。)にて30分混合した。減圧混合後、ジオクチル錫ジネオデカノエート0.2質量部を加え、減圧下にて15分混合して組成物1を得た。
H2N-CH2-C6H4-CH2-NH-C3H6-Si(OCH3)3 (8)
25℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(水酸基濃度;0.0044モル/100g)100質量部、表面が脂肪酸で処理された重質炭酸カルシウム80質量部と表面が脂肪酸で処理されたコロイダル炭酸カルシウム20質量部、及び煙霧質シリカ10質量部を減圧下にて30分混合した。次いでビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサンの水酸基に対して5倍モルになる9質量部とジオクチル錫ジネオデカノエート0.2質量部を加え、減圧下にて30分混合した。減圧混合後、下記式(9)で示される加水分解性オルガノシラン1質量部を加え、更に減圧下にて15分混合して組成物2を得た。
(H3CO)3SiC3H6C(=O)OSi(CH3)3 (9)
25℃における粘度が20,000mPa・sの分子鎖両末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(水酸基濃度;0.0044モル/100g)100質量部と、ビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサンの水酸基に対して5倍モルになる9質量部と、(A)成分の末端封鎖触媒として式(8)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン2.5質量部を常温・常圧下にて60分混合して、分子鎖両末端がビニルビス(エチルラクタート)シリル基で封鎖されたジメチルポリシロキサンを含有する反応混合物を調製した。次いで、該反応混合物に、架橋密度向上剤としてSiO4/2単位に対する(CH3)3SiO1/2単位のモル比が0.7、ヒドロキシシリル基を0.6質量%未満有するオルガノシロキサン15質量部を加え、減圧下にて15分混合した。次いで表面が脂肪酸で処理された重質炭酸カルシウム80質量部と表面が脂肪酸で処理されたコロイダル炭酸カルシウム20質量部、及び煙霧質シリカ10質量部を減圧下にて30分混合した。減圧混合後、ジオクチル錫ジネオデカノエート0.2質量部を加え、減圧下にて15分混合して組成物3を得た。
実施例3の架橋密度向上剤をメチルトリメトキシシランの4量体と5量体を主体とした加水分解混合物2.0質量部に変えた以外は、実施例3と同様の条件にて調製し、組成物4を得た。
実施例1のビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水酸基量に対して10倍モルになる18.0質量部添加した以外は、実施例1と同様の条件にて調製し、組成物5を得た。
実施例1のビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水酸基量に対して2.5倍モルになる4.5質量部添加した以外は、実施例1と同様の条件にて調製し、組成物6を得た。
実施例1の表面が脂肪酸で処理された重質炭酸カルシウムと表面が脂肪酸で処理されたコロイダル炭酸カルシウムを除いた以外は、実施例1と同様の条件にて調製し、組成物7を得た。
実施例1のアミノ基含有加水分解性オルガノシランを除いた以外は、実施例1と同様の条件にて調製し、組成物8を得た。
実施例1のビニルトリス(エチルラクタート)シランをジメチルポリシロキサンの水酸基に対して14倍モルになる25質量部添加した以外は、実施例1と同様の条件にて調製し、組成物9を得た。
[試験方法]
上記実施例、比較例で得られた組成物1~9を2mmの型枠に流し込み、23℃、50%RHで7日間養生して2mm厚のゴムシートを得た。JIS K 6249に準じて2mm厚のゴムシートよりゴム物性(硬さ、切断時伸び、引張強さ)を測定した。
Claims (9)
- (A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量、及び
(C)下記一般式(3)、(4)及び(5)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物 :0.1~10質量部
の反応混合物と、
(D)塩基性充填剤 :(A)成分100質量部に対して1~500質量部と、
(E)硬化触媒 :(A)成分100質量部に対して0.001~20質量部と
を含有する自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - 反応混合物が、(A’)分子鎖末端が-O-CH(CH3)-C(=O)-O-R2(R2は上記と同じである。)で示される加水分解性基を2個又は3個有する加水分解性シリル基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンを含む請求項1に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、
(C’)下記一般式(2’)で示される窒素原子を含まない加水分解性オルガノシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :0.1~10質量部、
(D)塩基性充填剤 :1~500質量部、及び
(E)硬化触媒 :0.001~20質量部
を含有し、(B)成分の配合量が、(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量であることを特徴とする自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。 - (D)成分の一部又は全部が、表面処理された炭酸カルシウムである請求項1~4のいずれか1項に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- 更に、(F)架橋密度向上剤を(A)成分100質量部に対して0.1~50質量部含有する請求項1~5のいずれか1項に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (F)成分が、R11 3SiO1/2単位(式中、R11は炭素数1~10の非置換1価炭化水素基である。)及びSiO4/2単位を含有し、SiO4/2単位に対するR11 3SiO1/2単位のモル比が0.6~1.2であって、ヒドロキシ基の含有量が0.7質量%未満である三次元網状構造のオルガノシロキサンレジンである請求項6に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
- (F)成分が、下記一般式(6)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物である請求項6に記載の自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
R12 4-cSi(OR13)c (6)
(式中、R12はメチル基又はビニル基であり、R13は非置換又は置換アルキル基であり、cは3又は4である。) - (A)分子鎖末端がケイ素原子に結合した水酸基で封鎖されたジオルガノポリシロキサン :100質量部、
(B)下記一般式(1)で示される加水分解性(オルガノ)シラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物 :(A)成分中のケイ素原子に結合した水酸基と(B)成分とのモル比が1:3~1:11となる量、及び
(C)下記一般式(3)、(4)及び(5)で示されるアミノ基含有加水分解性オルガノシラン及び/又はその部分加水分解縮合物から選ばれる少なくとも1種の化合物 :0.1~10質量部
を0~60℃で20~120分間混合して反応混合物を調製し、更に該反応混合物に、
(D)塩基性充填剤 :(A)成分100質量部に対して1~500質量部と、
(E)硬化触媒 :(A)成分100質量部に対して0.001~20質量部と
を混合することを特徴とする自動車オイルシール用室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の製造方法。
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