JP5110287B2 - 低起泡性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物及び自動車オイルシール - Google Patents

低起泡性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物及び自動車オイルシール Download PDF

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Description

本発明は、自動車オイルシール用として有効な低起泡性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物に関し、特にオートマチックトランスミッションオイル(ATF)、CVT(連続可変トランスミッション)オイルに分散又は溶解しても低泡立ち性の室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物及びこの組成物を硬化させることにより得られる自動車オイルシールに関する。
自動車エンジンの種々のオイル漏れ止め用シールには、従来、コルク、有機ゴム、アスベストなどで作られた耐油性の固形ガスケット及びパッキング材が使用されている。これらの材料は、在庫管理及び作業工程が複雑であるという不利があり、更にはそのシール性能にも信頼性が低いという欠点がある。
そこで、従来の固形ガスケットなどに代わり、室温硬化性シリコーンゴム組成物を用いたFIPG(Formed In Place Gaskets)方式と呼ばれるシール方法が採用されてきている。これは、エンジンの組み立て時に、一液型室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物をエンジンブロックのシール面に塗布し、組成物が未硬化状態のうちに、シール面同士を張り合わせ、ボルト締めするものである。この方式は、作業性、密閉性及び耐熱性の面で高い評価を得ている。
FIPG方式によるオイルシールを施しながら組み立てられたエンジンは、通常、組み立てた直後に、種々のオイルを注入して、始動テストを行うことが多い。ところが、上記の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、その硬化に比較的長い時間を要する。始動テストの際、十分に硬化していないと、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物の一部がオイル中に分散又は溶解してしまう。特に、オートマチックトランスミッションオイル(ATF)、CVT(連続可変トランスミッション)オイルに分散又は溶解した場合には、トランスミッション自体の構造が複雑なため、該オイルの泡立ちを助長し、オイル注入口からオイルが噴き出すこともある。従って、FIPG方式は、マニュアル車のエンジンオイル及びギヤオイルのシールに用いられても、オートマチックトランスミッションオイル、CVT(連続可変トランスミッション)オイルには、泡立ち対策がされていないと採用されないケースが多い。このため各種オイル(エンジンオイル、ギヤオイル、特にオートマチックトランスミッションオイル、CVT(連続可変トランスミッション)オイルに使用しても低起泡性の一液型室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が要望されている。
泡立ち対策は、種々検討、研究が行われており、例えば、イソシアネートシランを添加する方法(特開平08−73745号公報:特許文献1)やアミノシロキサンを添加する方法(特開平02−215862号公報、特公平06−41561号公報:特許文献2,3)が挙げられるが、いずれもオイルに添加成分を溶出させることにより泡立ちを抑制するため、使用するオイルへの影響が懸念され、泡立ちには効果は認められるものの、十分な耐油性は得られていなかった。更に、アルコキシシランとアルミニウムステアレートを添加する方法(特開平03−17157号公報:特許文献4)、特定のシランカップリング剤を添加する方法(特開平09−124946号公報:特許文献5)が挙げられるが、使用するオイルへの影響は殆どないが、泡立ちには効果が不十分であり、十分な耐油性も得られていなかった。
特開平08−73745号公報 特開平02−215862号公報 特公平06−41561号公報 特開平03−17157号公報 特開平09−124946号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、オートマチックトランスミッションオイル(ATF)、CVT(連続可変トランスミッション)オイル等に分散又は溶解しても低泡立ち性である室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物、及びこの組成物を硬化して得られる自動車オイルシールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、一液型室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物がエンジンオイル、ギヤオイル、特にオートマチックトランスミッションオイル、CVT(連続可変トランスミッション)オイルなどの自動車オイル中に分散又は溶解したときの泡立ち性について研究した結果、泡立ち性の原因は分子鎖両末端が水酸基で封鎖されたポリシロキサンやトリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位よりなる網状ポリシロキサン等の水酸基によるものであることを特定するに至った。前者はベースポリマーとして使用される成分であり、後者は耐油性を向上させるために有効な成分である。FIPG方式によるオイルシール材料には、耐久性の面からこれら成分が必須とされていた。このため、本発明が目的とする低起泡性は水酸基のない成分で構成されることが必須であることから、ベースポリマー、架橋剤、充填剤等に関して鋭意検討した結果、特定の組成のオルガノポリシロキサン組成物が優れた低泡立ち性と耐油性を示すことを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、(A)(i)下記一般式(1)
Figure 0005110287
(式中、Rはメチル基又はエチル基であり、R1は炭素原子数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは10以上の整数である。Yは炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Nは独立に0又は1の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、
(ii)下記一般式(2)
Figure 0005110287
(式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、Zは炭素原子数2〜5のアルケニル基である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、
(iii)下記一般式(3)
Figure 0005110287
〔式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、dは1以上10以下の整数である。また、R2は下記一般式(4)
Figure 0005110287
(ここで、R、R1、Y、Nは上記の通りである。)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。〕
で示されるオルガノポリシロキサン、
(iv)下記一般式(5)
Figure 0005110287
(式中、R、R1、X、Y、Z、N、dは上記の通りである。また、R2は上記一般式(4)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。)
で示されるオルガノポリシロキサン
から選ばれる1種又は2種以上 100質量部、
(B)軽質炭酸カルシウム 10〜300質量部、
(C)下記一般式(6)
3 4-nSiKn (6)
(式中、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基又はハロアルキル基である。また、Kは加水分解性基であり、nは3又は4の整数である。)
で示されるシラン又はその部分加水分解物 1〜30質量部、
(D)硬化触媒 0.01〜15質量部、
(E)シランカップリング剤として、下記一般式(7)
Figure 0005110287
(式中、R、R 1 は上記の通りであり、R 4 は炭素原子数1〜10の二価の炭化水素基、R 5 は芳香環を含む炭素原子数7〜10の二価の炭化水素基を示し、pは1〜3の整数を表す。但し、NH基及びNH 2 基の少なくとも一方はR 5 の芳香環に直結していない。
で示されるシラン化合物又はその部分加水分解物 0.05〜15質量部
を必須成分としてなり、水酸基を含む成分を含有しないことを特徴とする低起泡性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
更に、本発明は、上記組成物を硬化させることにより得られる自動車オイルシールを提供する。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、自動車のオイルに分散又は溶解しても、自動車オイルの泡立ちを助長することが少ない。特に、オートマチックトランスミッション、CVT(連続可変トランスミッション)など構造が複雑で泡立ちを抑制しなければならないオートマチックトランスミッションオイル、CVT(連続可変トランスミッション)オイルのシールに有用である。
本発明に使用される(A)成分は、本組成物のベースポリマーとなるものである。脱アルコール型室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物を調製する場合、未硬化組成物の保存安定性が懸念されるため、(i)下記一般式(1)
Figure 0005110287
(式中、Rはメチル基又はエチル基であり、R1は炭素原子数1〜10の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは10以上の整数である。Yは炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Nは独立に0又は1の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、(ii)下記一般式(2)
Figure 0005110287
(式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、Zは炭素原子数2〜5のアルケニル基である。)
で示されるオルガノポリシロキサン、(iii)下記一般式(3)
Figure 0005110287
〔式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、dは1以上10以下の整数である。また、R2は下記一般式(4)
Figure 0005110287
(ここで、R、R1、Y、Nは上記の通りである。)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。〕
で示されるオルガノポリシロキサン、及び(iv)下記一般式(5)
Figure 0005110287
(式中、R、R1、X、Y、Z、N、dは上記の通りである。また、R2は上記一般式(4)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。)
で示されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1種又は2種以上を使用する。
(A)成分の好ましい粘度は、25℃の条件下において1,000〜300,000mPa・sである。これは1,000mPa・sより小さいと硬化後のゴムの伸びが低下し、十分なシール性が得られないおそれがあるためであり、また、300,000mPa・sより大きいと組成物の粘度が高くなり、流動性が著しく低下するおそれがあるためである。そのため、より好ましくは5,000〜100,000mPa・sである。なお、この粘度は回転粘度計による測定値である。
上記一般式中、Rはメチル基又はエチル基であり、メチル基が好ましい。R1は炭素原子数1〜10、特に1〜6の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基及びこれらの基の水素結合が部分的にハロゲン原子などで置換された基、例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、ビニル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。上記一般式中の複数のR1は同一の基であっても異種の基であってもよい。
また、Yは炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等が挙げられ、具体的にはエチレン基が好ましい。
また、Zは炭素原子数2〜5のアルケニル基であり、アルケニル基としてはビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基等が挙げられ、その中でもビニル基が最も好ましい。
本発明に使用される(B)成分である軽質炭酸カルシウムは、本組成物に良好な作業性を与えるとともに、十分な耐油性及び接着性を得るための必須成分である。また、本発明の組成物は水酸基を含まない成分で構成されるとともに、軽質炭酸カルシウムを使用することにより泡立ち性を更に低くすることができる。
ここで、(B)成分は表面が特に脂肪酸又は樹脂酸等の処理剤で処理されていることが十分な耐油性、接着性を得るために有効であり、接着性及び作業性等に有利である。このような軽質炭酸カルシウムは市販品を用いることができ、例えば、白艶華 U、白艶華 CCR、Viscolite−OS、白艶華 DD、Homocal D等(以上、白石カルシウム(株)製)、カルファイン200、カルファイン500、カーレックス300、MT−100、シーレッツ200、MC−K、ユニグロス1000等(以上、丸尾カルシウム(株)製)、ネオライトSP、ネオライトSS、ネオライトSA−200等(以上、竹原化学工業(株)製)が使用される。
(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対し10〜300質量部であり、好ましくは30〜200質量部である。多すぎると組成物の粘度が上昇し、混合及び施工時の吐出性が悪くなる。また、少なすぎると十分なゴム強度、耐油性が得られなくなる。
本発明に使用される(C)成分の下記一般式(6)
3 4-nSiKn (6)
(式中、R3は同一又は異種の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、Kは加水分解性基であり、nは3又は4の整数である。)
で示されるシラン又はその部分加水分解物は、本発明の組成物において架橋剤として作用するものである。
上記一般式(6)のR3は同一又は異種の好ましくは炭素原子数1〜10、特に炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル基、ハロアルキル基等の非置換又は置換の一価炭化水素基である。また、Kは加水分解性基であり、具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基、イソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシム基などのアルケニルオキシム基、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基、アセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロイロキシ基、ベンゾイルオキシム基などのアシロキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのアミノ基、ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基などのアミノキシ基、N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基、N−メチルベンズアミド基などのアミド基などが例示される。
上記(C)成分の具体例としては、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリ(ブタノキシム)シラン、ビニルトリ(ブタノキシム)シラン、フェニルトリ(ブタノキシム)シラン、プロピルトリ(ブタノキシム)シラン、テトラ(ブタノキシム)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピル(ブタノキシム)シラン、3−クロロプロピル(ブタノキシム)シラン、メチルトリ(プロパノキシム)シラン、メチルトリ(ペンタノキシム)シラン、メチルトリ(イソペンタノキシム)シラン、ビニル(シクロペンタノキシム)シラン、メチルトリ(シクロヘキサノキシム)シラン
など、及びこの部分加水分解物などが例示される。
この(C)成分の架橋剤は、シラン、この部分加水分解で得られたシロキサンのいずれでもよいし、このシロキサンは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、これらは1種類に限定されず、その2種以上を使用してもよい。
この(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し1〜30質量部であり、1〜25質量部が好ましく、より好ましくは3〜15質量部である。(C)成分が1質量部未満ではこの組成物の製造時あるいは保存中にこれがゲル化を起したり、この組成物から得られる弾性体が目的とする物性を示さなくなり、逆に30質量部より多くするとこの組成物の硬化時における収縮率が大きくなり、この硬化物の弾性も低くなる。
次に、本発明の組成物に使用される(D)成分の硬化触媒は、本発明の組成物における(A)成分のベースオイルと(C)成分の加水分解性架橋剤との縮合反応の触媒作用を行なうものである。具体的には、オクタン酸鉄、ナフテン酸鉄、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクタン酸錫、ナフテン酸錫、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛のような有機酸金属塩、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエートなどのようなアルキル錫エステル化合物、ハロゲン化錫化合物、錫オルソエステル化合物、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネートのような金属アルコレート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート、ジエチルヒドロキシルアミン、ジメチルヒドロキシルアミンなどのアミン類などが例示される。
この(D)成分としての硬化触媒の使用は1種類に限定されず、これは2種以上を使用してもよい。この(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し0.01〜15質量部が望ましく、より具体的には、0.05〜10質量部が好ましい。0.01質量部未満では、この組成物を空気中に曝したときにタックフリーの皮膜形成に長時間が必要となるし、その内部硬化性も悪くなり、また15質量部より多くすると、皮膜形成時間が数秒間と極めて短くなって作業性が劣るようになるほか、硬化物に耐熱性の低下などが起こる。
本発明の組成物に使用される(E)成分のシランカップリング剤は、本発明の組成物において接着性及び耐油性付与成分として重要な作用を有する成分である。
(E)成分の有機ケイ素化合物は、NH基(イミノ基)とNH2基(アミノ基)とを有し、NH基とNH2基との間に芳香環を含み、更にNH基とNH2基の少なくとも一方が芳香環に直結していないようなアルコキシシラン化合物であり、詳しくは特開平05−105689号公報に記載されている。この化合物は下記一般式(7)で示される。
Figure 0005110287
(式中、R、R1は上記の通りであり、R4は炭素原子数1〜10の二価の炭化水素基、R5は芳香環を含む炭素原子数7〜10の二価の炭化水素基を示し、pは1〜3の整数を表す。但し、NH基及びNH2基の少なくとも一方はR5の芳香環に直結していない。)
この場合、式(7)において、Rはメチル基又はエチル基であることが好ましく、R4はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、2−メチルプロピレン基等のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基、これらアルキレン基とアリーレン基とが結合した基などが挙げられるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、特に好ましくはプロピレン基である。また、R5としては、フェニレン基とアルキレン基とが結合した基が好ましく、例えば下記式で示されるものが挙げられる。
−CH2−C64
−CH2−C64−CH2
−CH2−C64−CH2−CH2
−CH2−C64−CH2−CH2−CH2
−CH2−CH2−C64
−CH2−CH2−C64−CH2
−CH2−CH2−C64−CH2−CH2
−CH2−CH2−CH2−C64
−CH2−CH2−CH2−C64−CH2
これらの中で、特に好ましくは−CH2−C64−CH2−である。
この場合、フェニレン基の右側(式(7)においてNH2側)に結合するアルキレン基(アルキレン基がない場合は−NH2基となる)は、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよい。
上記一般式(7)で示される有機ケイ素化合物としては、下記式のものが例示される。
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287
上記(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対し0.05〜15質量部であり、好ましくは0.3〜10質量部、特に好ましくは0.5〜5質量部である。0.05質量部未満では、硬化物が十分な接着性能を示さないものとなり、15質量部を超えて配合すると、硬化後のゴム強度が低下して目的のゴム弾性体が得難くなり、経済的にも不利になる。
その他の添加剤
本発明の組成物は、(A)〜(E)成分のほかに必要に応じて種々の化合物を添加することが可能である。例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、石英粉末、炭素粉末、タルク、ベントナイトなどの補強剤;アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、有機繊維などの繊維質充填剤;重質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、セライトなどの塩基性充填剤;ベンガラ、酸化セリウムなどの耐熱性向上剤;耐寒性向上剤;脱水剤;防錆剤;顔料;分子鎖がトリオルガノシロキシ基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンなどの希釈剤;並びに、トリオルガノシロキシ単位及びSiO2単位よりなる水酸基を含有しない網状ポリシロキサンなどの液状補強剤が挙げられる。これらは、適宜1種単独又は2種以上組み合わせて使用してもよい。但し、これらの配合量は、自動車オイルに対する低泡立ち性を阻害しない範囲である。
オルガノポリシロキサン組成物の調製及びその硬化
本発明の室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物は、(A)〜(E)成分及び必要に応じて各種添加剤を、湿気を遮断した状態で混合することにより得られる。得られた組成物は密閉容器中でそのまま保存し、使用時に空気中の水分に晒すことによりゴム状弾性体に硬化する、いわゆる1包装型室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物として用いることができる。
本発明の組成物は、シーリング剤、接着剤、コーティング剤、ポッティング剤等として使用でき、特に自動車オイルシール用途に有効である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、例中の部は質量部を表す。
[実施例1]
(A)分子鎖両末端が、エチレン基を介し、トリメトキシシリル基で封鎖された粘度30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン100部に、(B)表面が脂肪酸で処理された軽質炭酸カルシウム100部を均一になるまで分散混合したのち、(C)メチルトリメトキシシラン5部、(D)ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン2部、(E)キシリレンジアミンと3−クロロプロピルトリメトキシシランの脱塩酸反応により得られた化合物1部を加え、減圧下で完全に混合し、組成物を得た。
次に、得られた組成物を5g採取して、オートマチックトランスミッションオイル[商品名:トヨタ純正 JWS3309] 1000gに溶解し、120℃の油浴中に72時間保持した。次に、JIS K 2518に従って、オートマチックトランスミッションオイルの温度が24℃、93.5℃及び93.5℃から24℃とした場合の泡立ち度を調べた。その結果、泡立ち度は、それぞれ、20cc、10cc及び20ccであり、泡安定度は、三者とも0ccであった。
参考例1、比較例1〜4]
各例において、実施例1の(A)〜(E)成分及びその他成分の代わりに、表1に示す各成分を用いた以外は、実施例1と同様にオルガノポリシロキサン組成物を調製し、泡立ち性の試験を実施例1と同様の操作で行った。その結果を表2に示す。
次に、上記実施例1、参考例1及び比較例1〜4のオルガノポリシロキサン組成物を2mmの型枠に流し込み、23℃,50%RHで7日間養生して2mm厚のゴムシートを得た。JIS K6249に準じて2mm厚のゴムシートよりゴム物性を測定した。また、この組成物により、幅25mm、長さ100mmの被着体(アルミニウム)を用いて接着面積2.5mm2、接着厚さ1mmの接着試験体を作製し、JIS K6850に準じて剪断接着力と凝集破壊率を測定した。また、得られたゴムシートの耐薬品性能を確認するためATFオイルに120℃にて240時間浸漬し、耐ATFオイル性について上記と同様の試験を行った。結果を表3に示す。
ATFオイル トヨタ純正オートフルードD−II
劣化条件 120℃×240時間
Figure 0005110287
Figure 0005110287
Figure 0005110287

Claims (3)

  1. (A)(i)下記一般式(1)
    Figure 0005110287
    (式中、Rはメチル基又はエチル基であり、R1は炭素原子数1〜10のハロゲン原子置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは10以上の整数である。Yは炭素原子数1〜5のアルキレン基であり、Nは独立に0又は1の整数である。)
    で示されるオルガノポリシロキサン、
    (ii)下記一般式(2)
    Figure 0005110287
    (式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、Zは炭素原子数2〜5のアルケニル基である。)
    で示されるオルガノポリシロキサン、
    (iii)下記一般式(3)
    Figure 0005110287
    〔式中、R、R1、X、Y、Nは上記の通りであり、dは1以上10以下の整数である。また、R2は下記一般式(4)
    Figure 0005110287
    (ここで、R、R1、Y、Nは上記の通りである。)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。〕
    で示されるオルガノポリシロキサン、
    (iv)下記一般式(5)
    Figure 0005110287
    (式中、R、R1、X、Y、Z、N、dは上記の通りである。また、R2は上記一般式(4)で示される加水分解性基を含む分岐鎖である。)
    で示されるオルガノポリシロキサン
    から選ばれる1種又は2種以上 100質量部、
    (B)軽質炭酸カルシウム 10〜300質量部、
    (C)下記一般式(6)
    3 4-nSiKn (6)
    (式中、R3は同一又は異種の炭素原子数1〜10のアルキル基、アルケニル基又はハロアルキル基である。また、Kは加水分解性基であり、nは3又は4の整数である。)
    で示されるシラン又はその部分加水分解物 1〜30質量部、
    (D)硬化触媒 0.01〜15質量部、
    (E)シランカップリング剤として、下記一般式(7)
    Figure 0005110287
    (式中、R、R 1 は上記の通りであり、R 4 は炭素原子数1〜10の二価の炭化水素基、R 5 は芳香環を含む炭素原子数7〜10の二価の炭化水素基を示し、pは1〜3の整数を表す。但し、NH基及びNH 2 基の少なくとも一方はR 5 の芳香環に直結していない。
    で示されるシラン化合物又はその部分加水分解物 0.05〜15質量部
    を必須成分としてなり、水酸基を含む成分を含有しないことを特徴とする低起泡性室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 組成物が、自動車オイルシール用であることを特徴とする請求項1に記載の室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物。
  3. 上記請求項に記載の組成物を硬化させることにより得られる自動車オイルシール。
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