JPH07327610A - スチ−ム、ベ−クまたはフライした食品 - Google Patents

スチ−ム、ベ−クまたはフライした食品

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JPH07327610A
JPH07327610A JP6154303A JP15430394A JPH07327610A JP H07327610 A JPH07327610 A JP H07327610A JP 6154303 A JP6154303 A JP 6154303A JP 15430394 A JP15430394 A JP 15430394A JP H07327610 A JPH07327610 A JP H07327610A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存中に、そのクリスピーな食感を損うこと
のないスチーム、ベークまたはフライした食品を得る。 【構成】 ツエインを主成分とする疎水性の被覆層を有
するスチーム、ベークまたはフライした食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスチーム(蒸煮、Steam
) 、ベーク(焙焼、 Bake )またはフライ(油揚げ、Fry)
により加熱調理した食品に関するものである。
【0002】それらの具体的な食品の各一例として、ギ
ョウザ(スチーム加熱調理)、ピザ(ベーク加熱調
理)、天ぷら(フライ加熱調理)を挙げ得る。
【0003】また、本発明ではスチーム、ベークまたは
フライした食品として、これらの加熱調理後、ただちに
食卓に供する食品の他に、スチーム、ベークまたはフラ
イ後、冷蔵または冷凍し、喫食前に解凍、加熱する食
品、喫食前にスチーム、ベークまたはフライする調理用
半加工食品、さらにそれらの冷蔵または冷凍食品を含
む。
【0004】
【従来の技術】食生活の多様化あるいは加工調理の簡便
化指向が進行するなかで、ただちに、あるいは簡単な調
理を加えて、食卓に供し得る多くの種類の調理済あるい
は半調理済の食品が提供されており、一般の家庭内ばか
りではなく、レストランなどでも多量に利用されてい
る。
【0005】これらのスチーム、ベークまたはフライし
た食品は、喫食時、特に、そのクリスピイさ(Crispy,
サクサク、パリパリあるいはカリカリとした食感)が尊
重される場合が多い。しかも、この好ましい食感は、調
理後、食卓に供されるまでの間に速やかに失われる。こ
の好ましい食感を尊重する麺帯食品、生地食品[ドウ
(Dough)食品]あるいはフライ食品は、冷蔵または冷凍
食品として、提供されることが多いが、解凍により、こ
の好ましい食感が失われる。したがって、上記の食感が
劣化する問題は、冷凍食品の商品価値を左右する問題と
して、従来より当業者の最大関心事の一つとなってい
る。
【0006】これらの冷凍食品は食卓に供する前に、解
凍する必要がある。解凍に際しては、室温内に放置す
る、フライパン内で加熱する、オーブン・トースター内
で加熱する、電子レンジ内で加熱するなどの方法が行わ
れている。その際、解凍の後、喫食までの間に、解凍時
に発生する水蒸気が凝結し、その水分が解凍した食品に
吸収されて、食品を軟化するため、食感を損なう原因と
なっている。
【0007】また、食品の内部に存在する水分あるいは
食品から発生する水分が、より水分含量の低い表面部、
例えば 天ぷらの衣の部分に移行し、表面部に吸収され
て、食品を軟化するため、好ましい食感が損なわれるこ
とも指摘されている。
【0008】これらの食品の食感が損なわれることを回
避するためには、従来より、種々の検討が加えられてき
た。例えば、ギョウザ (餃子) 、シュウマイ( 焼売) 、
春巻などの食品では、それらの具の部分あるいは具を包
み込む澱粉質の皮膜の部分を、卵白のような蛋白、シェ
ラック(Shellac) のような天然樹脂あるいはプルラン(P
ullulan)のような多糖類よりなる可食性かつ防水性の皮
膜で被覆し、具および皮膜が直接に接触することなく、
具の部分に含まれる水分が澱粉質の皮膜の部分に移行す
ることを防止した食品およびその製造法(特開昭60-172
273 明細書参照)、
【0009】パン粉付きフライ、フリッター(Fritter)
、春巻、天ぷら などの加工調理の際に、バッター液
(Batter)の組成を改良して、内部にある具より外側の
衣、皮膜への水分の移行を防止する方法(特公平02-034
586 明細書参照)、
【0010】あるいは、上記と同種類の食品の調理時
に、複数層の衣を形成せしめ、内部からの水分の移行を
防止する方法 (特開平02-016938 明細書参照)、
【0011】また、食品用皮膜形成素材として、ツエイ
ン(Zein)1重量部を3容量部の60〜90%(容量/容
量)含水エタノールに溶解した溶液を使用する方法(特
開平03-207775 明細書参照)などの方法が知られてい
る。しかしながら、本発明者らが、これらの方法を適用
し、スチーム、ベークまたはフライした食品を調理試作
した限りでは、それらの食品が有するクリスピーな食感
を、満足できる程度に再現することは困難であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、本来、そ
れらの食品が、調理直後に有するクリスピーな食感を、
保存後にも維持、再現できるスチーム、ベークまたはフ
ライした食品を提供することを課題とする。特に、この
食感を、解凍後に満足できる程度に再現する冷蔵または
冷凍した、麺帯食品、生地食品またはフライ食品を提供
することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、それらの
食品、とくに冷凍食品について調理直後に、本来その食
品が有しているクリスピーな食感を維持、再現できる方
法に関し、鋭意、多岐にわたる研究を行い、(1)調理
済の食品、半調理済の食品あるいはこれらの食品の部分
に、乾燥状態あるいは半乾燥状態で疎水性となる蛋白を
接触せしめることにより、食品の内側部分より外側部分
への水分の移行を防止し得ること、(2)同様にして、
冷凍食品を解凍した場合に発生する水蒸気が凝縮した水
分の移行、付着、吸収をも防止し得ること、(3)食品
の外側部分への水分の移行あるいは吸収が発生しない限
り、その食品が、本来、有するクリスピーな食感に変化
のないこと、(4)また、この脱水状態で疎水性となる
物質として、各種の多糖、蛋白、天然樹脂使用できる可
能性があり、これらの候補として考えられる多数の物質
について、個別に実験、検討し選択の結果、乾燥状態ま
たは半乾燥状態で疎水性となる各種の可食性の物質が使
用できるが、特にそれらの内で、トウモロコシ(コー
ン,Corn)の蛋白であるツエインが、卵白、大豆蛋白、
カラギーナン(carageenan)、プルラン、カードラン(Cur
dran) 、アルギン酸(Alginic acid)などの物質に比較し
ても、格段に被膜形成能に優れ、また、取扱い易さから
の点でも優れており、本発明で使用する物質として最適
であること、(5)食品にツエインを接触せしめる際に
は、溶液状態で完全に溶解しているツエイン溶液と接触
せしめてもよいが、ツエインの粉末あるいは微小フレー
クの水性分散液を接触せしめてもよい。場合によって
は、水性分散液の方が、取扱上、簡便であること、を発
見した。本発明は、これらの発見に基づき完成されたも
のであって、特許請求の範囲、請求項各項に記載する次
の発明である。すなわち、
【0014】(発明1)ツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を有するスチーム、ベークまたはフライした食
品。
【0015】(発明2)ツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を有する 冷蔵または冷凍したスチーム、ベー
クまたはフライした食品。
【0016】(発明3)ツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を有する調理用半加工スチーム、ベークまたは
フライした食品。
【0017】(発明4)ツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を有する冷蔵または冷凍した調理用半加工スチ
ーム、ベークまたはフライした食品。
【0018】(発明5)発明1〜発明4の何れかにおい
て、食品が麺帯食品であることを特徴とするスチーム、
ベークまたはフライした食品。
【0019】(発明6)発明1〜発明4の何れかにおい
て、食品が生地食品であることを特徴とするスチーム、
ベークまたはフライした食品。
【0020】(発明7)発明1〜発明4の何れかにおい
て、食品がフライ食品であることを特徴とするスチー
ム、ベークまたはフライした食品。
【0021】
【作用】発明1〜発明7の何れか(全発明)において、
ツエインを主成分とする疎水性の被覆層は、スチーム、
ベークまたはフライした食品の外部に存在する水分ある
いは内部から分離した水分が、食品に付着、浸透し、あ
るいは内部から外部への移行し、食品の外部を軟化する
ことを防止できる部位に形成せしめる。該部位は対象と
する食品の種類、構造、性質、調理方法、保存方法、解
凍方法あるいは解凍手段を勘案して決定する。一般に
は、食品の最外層部、より高濃度に水分を含有する部分
と直接に接触する中具以外の部分(皮部分など)あるい
は中具自体の周辺を被覆するように、疎水性の被覆層を
形成する。
【0022】また、疎水性の被覆層は対象とする食品の
全面に渉って形成せしめる場合の他に、水分による軟化
が発生し易い部位に選択的に形成せしめる場合がある。
例えば、タルト食品では、中具を収容するタルトの内側
の底面部分に、選択的に疎水性の被覆層を形成せしめ
る。なお、該被覆層は単層であっても、複数層を重層し
てもよい。
【0023】発明1〜発明7の何れか(全発明)におい
て、ツエインを主成分とする疎水性の被覆層を形成せし
める方法としては、食品に該被覆層を形成せしめる部位
に、ツエインを含有する溶液またはツエインを含有する
分散液を噴霧し、ツエインを含有する溶液またはツエイ
ンを含有する分散液へ当該部分を浸漬し、あるいはツエ
インを含有する溶液またはツエインを含有する分散液を
塗布する処理を行った後、そのツエイン添着部分を乾燥
せしめる。
【0024】発明5にあって、対象とする食品は、特に
麺帯食品であって、小麦粉を主成分とする穀粉を水性液
と捏和した生地を、帯状または平板状に成形した麺帯に
より具材を被覆し、あるいは麺帯と具材を交互に重層し
てなる食品である。
【0025】麺帯食品の例としては、ギョウザ、シュウ
マイ、ラザニア(Lasagna) またはラビオリ(Ravioli) を
挙げることができる。
【0026】なお、ギョウザ、シュウマイ、ラザニアま
たはラビオリにあって、麺帯により被覆する具材、ある
いは麺帯と交互に重層する具材あるいは麺帯に付す調味
ソ−スには、特に限定はない。
【0027】麺帯食品にツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を形成せしめる方法としては、食品に該被覆層
を形成せしめる部位に、ツエインを含有する溶液または
ツエインを含有する分散液を噴霧し、ツエインを含有す
る溶液またはツエインを含有する分散液へ当該部分を浸
漬し、あるいはツエインを含有する溶液またはツエイン
を含有する分散液を塗布した後、そのツエイン添着部分
を乾燥せしめる方法が採用される。
【0028】例えば、ギョウザの場合、展張、成形した
ギョウザの皮の一方の面に、ツエインを含有する分散液
を、刷毛により塗布後乾燥し、塗布した面を内側にし
て、ギョウザの中具を包み、これを蒸煮する方法、シュ
ウマイの場合、成形したシュウマイの外皮に、万遍な
く、ツエインを含有する溶液をスプレイにより噴霧後乾
燥し、これを蒸煮する方法などである。
【0029】発明6において、対象とする食品は、特に
生地食品であって、小麦粉を主成分とする穀粉を水性液
と捏和した生地と、多くの場合、バター、ショートニン
グなどの油脂成分を重層または混和し、あるいは必要に
より酵母発酵を行い、成形した後、具材を収容し、ある
いは具材を載置、添加してなる食品である。
【0030】生地食品の例としては、ピザ(Pizza) 、パ
イ(Pie) 、タルト(Tart)、ピザ・クラスト(Pizza crus
t) 、パイ・クラスト(Pie crust) 、タルト・クラスト
(Tartcrust)、パン(Bread) またはパン生地(Bread doug
h) を挙げることができる。
【0031】なお、ピザ、パイ、タルト、ピザ・クラス
ト、パイ・クラスト、タルト・クラスト、パンまたはパ
ン生地にあって、生地により具材を被覆し、生地中に収
容し、あるいは生地と具材を交互に重層する具材、調味
ソース、内部に含有せしめるフィリング(Filling) 、上
部に載置するトッピング(Topping)には、特に限定はな
い。
【0032】生地食品にツエインを主成分とする疎水性
の被覆層を形成せしめる方法としては、食品に該被覆層
を形成せしめる部位に、ツエインを含有する溶液または
ツエインを含有する分散液を噴霧し、ツエインを含有す
る溶液またはツエインを含有する分散液へ当該部分を浸
漬し、あるいはツエインを含有する溶液またはツエイン
を含有する分散液を塗布した後、そのツエイン添着部分
を乾燥せしめる方法が採用される。
【0033】例えば、ピザの場合、展張、成形したピザ
皮をピザ皿に載置し、ピザ皮の凹んだ面に、ツエインを
含有する分散液を、刷毛により塗布後乾燥し、塗布した
面の上に、ピザ・ソースおよびトッピングを置き、これ
を焙焼する方法、パイの場合、パイ皿の上に載置したパ
イの本体部分となるパイ皮の凹んだ面に、ツエインを含
有する溶液をスプレイにより噴霧し乾燥後、この凹んだ
面にパイの中具を収容し、一方で別途に製作した、中具
に接し内面に位置する面を、同様に、ツエインを含有す
る溶液をスプレイにより噴霧後乾燥したパイ皮より成る
蓋部分により本体部分を被覆し、本体部分と蓋部分を圧
着し、あるいは必要により接着面に澱粉糊材を施用して
両部分を接着した後、これを焙焼する方法などである。
【0034】発明7において、対象とする食品は、特に
フライ食品であって、中身の具材を衣を形成するバッタ
ー液に浸漬し、必要により、その上にパン粉などの顆粒
状物を付着せしめた後、加熱した食用油脂中で油揚げし
た食品である。
【0035】フライ食品の例としては、天ぷら、フラ
イ、フリッター、コロッケ、メンチカツ、春巻を挙げる
ことができる。
【0036】なお、天ぷら、フライ、フリッター、コロ
ッケ、メンチカツまたは春巻の中身の具あるいは衣の種
類には、特に限定はない。例えば、各種の顆粒物を含む
バッター液を使用した変わり衣の天ぷら、あるいはコー
ン・フレークを含むバッター液を使用したフライなどが
含まれる。
【0037】フライ食品にツエインを主成分とする疎水
性の被覆層を形成せしめる方法としては、食品に該被覆
層を形成せしめる部位に、ツエインを含有する溶液また
はツエインを含有する分散液を噴霧し、ツエインを含有
する溶液またはツエインを含有する分散液へ当該部分を
浸漬し、あるいはツエインを含有する溶液またはツエイ
ンを含有する分散液を塗布した後、そのツエイン添着部
分を乾燥せしめる方法が採用される。
【0038】例えば、コロッケの場合、一旦、油揚げし
たコロッケを、ツエインを含有する分散液に、短時間、
浸漬後乾燥し、これを再度、油揚げする方法、春巻の場
合、中具を巻き込んだ生春巻の外皮に、万遍なく、ツエ
インを含有する溶液をスプレイにより噴霧後乾燥し、こ
れを油揚げする方法などである。
【0039】発明1にあって、ツエインを主成分とする
疎水性の被覆層は、スチーム、ベークまたはフライした
食品の外部に存在する水分あるいは内部から分離した水
分が、食品に付着、浸透し、あるいは内部から外部へ移
行することによる食品の外部の軟化を防止できるという
作用がある。
【0040】発明2にあって、ツエインを主成分とする
疎水性の被覆層は、冷蔵または冷凍したスチーム、ベー
クまたはフライした食品の外部に存在する水分あるいは
内部から分離した水分が食品に付着、浸透し、あるいは
内部から外部へ移行することによる食品の外部の軟化を
防止できるという作用がある。特に、これらの食品の解
凍時に発生する水蒸気が凝縮して生成する水分が、食品
に付着することによる、食品の外部の軟化を防止できる
という作用がある。
【0041】発明3にあって、ツエインを主成分とする
疎水性の被覆層は、調理用半加工スチーム、ベークまた
はフライした食品の外部に存在する水分あるいは内部か
ら分離した水分が食品に付着、浸透し、あるいは内部の
水分が外部へ移行することによる食品の外部の軟化を防
止できるという作用がある。特に、これらの食品を調理
後、食卓に供する間に、発生した水蒸気が凝縮しその水
分が食品に付着、浸透することによる、食品の外部の軟
化を防止できるという作用がある。
【0042】発明4にあって、ツエインを主成分とする
疎水性の被覆層は、冷蔵または冷凍した調理用半加工ス
チーム、ベークまたはフライした食品の外部に存在する
水分あるいは内部から分離した水分が食品に付着、浸透
し、あるいは内部の水分が外部への移行することによる
食品の外部の軟化を防止できるという作用がある。特
に、これらの食品の解凍時に発生する水蒸気が凝縮して
生成する水分あるいは、解凍後の食品を調理し食卓に供
する間に発生する水蒸気が凝縮して生成する水分が、食
品に付着、浸透することによる食品の外部の軟化を防止
できるという作用がある。
【0043】発明3または発明4にあって、調理用半加
工スチーム、ベークまたはフライした食品あるいは冷蔵
または冷凍した調理用半加工スチーム、ベークまたはフ
ライした食品とは、必要により解凍後、該食品にさらに
調理操作、一般には簡単な調理操作を加えた後に供せら
れる食品をいう。この際の調理には、各種の加熱、調味
料の添加、他の食品との取り合わせなどを含む。具体的
には、衣およびパン粉を施したフライ用の半加工鯵フィ
レー、別添ソースを付したラビオリ麺帯、再度、蒸煮し
て供せられる冷蔵(チルド、Chilled)したシュウマイな
どを例示することが出来る。
【0044】ツエインを含有する溶液としては、ツエイ
ンを溶解しているエタノール溶液、アセトン溶液、イソ
プロパノール溶液、n−ブタノール溶液、プロピレング
リコール溶液、エチレングリコール溶液、グリコールエ
ーテル溶液が挙げられる。特に、含水エタノール溶液が
使用される。また、その際のツエインの濃度は1%(重
量%、以下同様)以上、好ましくは1〜25%である。
ツエイン溶液が希薄に過ぎるときは、必要な程度に疎水
性の被覆層を形成することが困難となる。一方、濃厚に
過ぎるときは、噴霧、浸漬、塗布などの操作に支障が生
じ、疎水性の被覆層を均一に形成することは困難とな
る。
【0045】ツエインを含有する分散液としては、ツエ
インの微細な粉末あるいはフレークを分散する水性分散
液である。また、その際のツエインの濃度は、溶液と同
様、1%以上、好ましくは1〜25%である。
【0046】ツエイン溶液あるいはツエイン分散液に
は、必要により、油脂、脂肪酸、ツエイン以外の蛋白、
多糖、調味料、香辛料、風味油などを添加してもよい。
【0047】これらのツエイン溶液あるいはツエイン分
散液は、食品の表面へ、スプレーなどを使用して、噴霧
する、食品全体あるいは食品の部分をこれらの溶液ある
いは分散液中に浸漬する、あるいは食品表面へ刷毛など
を使用して塗布するなどの方法により、食品に添着せし
める。ツエインの添着は、食品の表面全面に施す場合の
他に、一部分のみに施す場合がある。また、ツエインの
添着は、当該食品の調理加熱工程以前におこなわれるこ
とが多いが、調理加熱後、ツエインの添着を行ってもよ
い。
【0048】ツエインの添着後は、添着部分を乾燥せし
める。乾燥操作により、ツエインの被覆層の物理的強度
は強化され、疎水性は増加される。乾燥は、自然乾燥、
恒温庫内乾燥、恒温恒湿庫内乾燥の何れでもよい。
【0049】
【実施例】以下、実施例、実施例と比較する対照例なら
びに実施例および対照例で試作した実施例品または対照
例品の非冷凍環境条件下での保存試験例により、本発明
を説明する。なお、実施例ならびに対照例における、急
速凍結とは−40℃のフリーザー内での急速凍結を、ま
た、凍結保存とは−20℃の低温恒温庫内での凍結保存
を意味する。実施例ならびに比較対照例で試作した実施
例品ならびに対照例品に対する食感の官能検査は、5名
の専門パネルにより行った。評価基準は次の5段階法に
よる: A・・・・・非常に優れている、 B・・・・・優れている、 C・・・・・普通、 (実施例品または対照例品の外側部分に、多少の軟化が
みられるものの、全体としての食感は良い) D・・・・・悪い、 E・・・・・非常に悪い。 なお、実施例ならびに対照例の記載中、「%」および
「部」は、それぞれ、重量%および重量部を表す。
【0050】(対照例1・・春巻・・対照例品の試作)
次の工程により春巻を試作した。 (a) 小エビ、タケノコ、キャベツ、しいたけ、ジャ
ガイモ澱粉、うま味調味料からなる春巻の中具用の炒め
具を調製した。 (b) 下記の配合により、春巻の麺皮Aを調製した。 (c) 炒め具を(b)の麺皮Aで巻き、生の春巻をつ
くった。1個、約45g。 (d) 170〜180℃に加熱した菜種サラダ油中
で、生の春巻を4分間揚げた。 (e) この春巻を急速凍結および凍結保存した。 麺皮Aの配合:小麦粉(薄力粉)71部、水28部、食
塩1部
【0051】(実施例1・・春巻・・実施例1品の試
作)対照例1工程(c)において、炒め具が接触する麺
皮Aの内面に、下記の組成のツェイン溶液Aを、刷毛を
使用して、十分量、塗布した。この麺皮を、庫内温度3
5℃に設定した恒温庫内で、10分間乾燥させた。ツェ
イン被膜を麺皮Aの内面に形成させた麺皮を使用して、
対照例1と同じ工程により 生春巻を試作した。これら
も同様に急速凍結し、凍結保存した。 ツェイン溶液のA組成:90%含水エタノール85部
に、ツェイン(昭和産業(株)製「昭和ツェインD
P」)15部を溶解した溶液。
【0052】(実施例2・・春巻・・実施例2品の試
作)対照例1工程(c)において炒め具が接触する麺皮
Aの内面に、十分量のツェイン溶液Aを、刷毛を使用し
て塗布した。この麺皮を、庫内温度35℃に設定した恒
温庫内で10分間乾燥させた。ツェイン被膜を麺皮Aの
内面に形成せしめ、具を巻き込み、生春巻を試作した。
対照例1工程(d)における条件により、油揚げした春
巻の麺皮Aの表面全体に、下記の組成のツェイン溶液B
を、刷毛を使用して、十分量、塗布した。15分間、自
然乾燥させて、ツェイン被膜を麺皮Aの表面全体に形成
させた。以下、対照例1と同じ工程により春巻を試作
し、これを急速凍結し、凍結保存した。 ツェイン溶液Bの組成:75%含水エタノ−ル90部
に、ツェイン(昭和産業(株)製「昭和ツェインD
P」)10部を溶解した溶液。
【0053】(実施例3・・春巻・・実施例3品の試
作)対照例1工程(c)において、炒め具が接触する麺
皮Aの内面に、十分量のツェイン溶液Aを塗布した。こ
の麺皮を、庫内温度35℃に設定した恒温庫内で、10
分間、乾燥させた。ツェイン被膜を内面に形成させた麺
皮Aで、具を巻き込み、対照例1工程(d)と同一の条
件で油揚げした。この春巻の麺皮Aの表面全体に、十分
量のツェイン溶液Bを塗布した。10分間、自然乾燥さ
せ、さらに、連続して庫内温度35℃に設定した恒温庫
内で、5分間、乾燥して、春巻の外側全体にツェイン被
膜を形成させた。以下、対照例1と同じ工程により春巻
を試作し、これを急速凍結し、凍結保存した。
【0054】(対照例1および実施例1〜3で得られた
春巻の官能検査およびその結果)対照例1および実施例
1〜3で得られた春巻、4種を、凍結保存1日後に、電
子レンジ調理した(加熱条件、500W、加熱時間50
秒/個/回)。調理直後に、麺皮の食感に関する官能検
査に付した。いずれの品も食感良好であり、評価はいず
れもAであった(表1中、保存前の欄を参照)。その
後、凍結保存2ヶ月目に、再度、官能検査結果に付した
(表1中、保存後の欄を参照)。それらの結果を、表1
にまとめて示す。
【0055】(保存試験例1)実施例1において得られ
た春巻をそのまま、急速凍結した。その後、170〜1
80℃に加熱した菜種サラダ油中で、4分30秒間、油
揚げした。次いで、日常、しばしば、想定される非冷凍
下の、次の態様で保存放置した。 (a) 温かいご飯の入った弁当のおかず入れに入れ
て、フタをして1時間30分間放置。 (b) スチロール皿に入れ、ラップし、約50℃のホ
ット・ショーケース内に3時間放置。 (c) スチロール皿に入れ、ラップし、室温(約25
℃)に4時間放置。
【0056】(保存試験例2)実施例2において得た春
巻を、急速凍結及び凍結保存することなく、保存試験例
1における場合と同様の態様で保存した。
【0057】(保存試験例1および保存試験例2の試験
結果)保存試験例1および保存試験例2の春巻は、いず
れの保存態様の場合にも、麺皮のクリスピー感が残って
いた。一方、対照例1品を、急速凍結および凍結保存す
ることなく、試験例1におけると同様の態様で保存した
春巻では、麺皮が軟化し、食感が劣化していた。
【0058】(対照例2・・ギョウザ・・対照例品の試
作)次の工程によりギョウザを試作した。 (a) 豚ひき肉、キャベツ、玉ねぎ、しょうが、ジャ
ガイモ澱粉、うま味調味料からなるギョウザの中具を調
製した。 (b) 下記の配合により麺皮Bを調製した。 (c) (a)の具を(b)の麺皮Bで包み、生ギョウ
ザを作った。1個、約25g (d) フライパンで油を熱した。 (e) フライパンに(c)の生ギョウザを並べ、皮に
焼き色が着いたら、水を入れ、蓋をして水気がなくなる
まで、約5分間、蒸焼きにした。 (f) このギョウザを急速凍結し、凍結保存した。 麺皮Bの配合:小麦粉(強力粉27部、薄力粉27部)
54部、熱湯37部、植物油9部から調製。
【0059】(実施例4・・ギョウザ・・実施例4品の
試作)対照例2の工程(c)において、具が接触する麺
皮Bの内面に、スプレーを使用して、十分量のツエイン
溶液Aを噴霧した。この麺皮Bを、庫内温度30℃、相
対湿度50%に設定した恒温恒湿庫内で10分間乾燥さ
せて、ツェイン被膜を麺皮Bの内面に形成させた。以
下、対照例2と同じ工程により、ギョウザを試作し、こ
れを急速凍結し、凍結保存した。
【0060】(実施例5・・ギョウザ・・実施例5品の
試作)対照例2の工程(b)において、具が接触する麺
皮Bの内面に、刷毛を使用して、十分量のツェイン溶液
Aを塗布した。庫内温度35℃に設定した恒温庫内で、
10分間、乾燥させてツェイン被膜を麺皮Bの内面に形
成させた。そして対照例2の工程(e)の条件で、蒸焼
きしたギョウザの麺皮Bの表面全体に、スプレーを使用
して、十分量のツェイン溶液Aを噴霧し、15分間、自
然乾燥させて、ツェイン被膜を麺皮Bの表面全体に形成
させた。以下、対照例2と同じ工程により、ギョウザを
試作し、これを急速凍結および凍結保存した。
【0061】(対照例3・・ラザニア・・対照例品の試
作) (a) 下記の配合により調製した麺皮Cを 厚さ1m
mぐらいに長くのばし、15cm×5cmぐらいの長方
形に切りそろえた。1枚、約10g。 (b) 沸騰した湯の中に食塩、菜種サラダ油を少々入
れ、(a)の麺皮Cを堅めに茹でた。茹で上がった麺皮
Cを氷水にさらし、水気を切った。 (c) 焼き皿に、溶かしバターを塗り、各々、下記の
組成のミートソースおよびホワイトソースを少しずつ入
れ、(b)を少しずつ重ねて敷いた。さらにこれらのソ
ースおよびチーズをかけて、麺皮Cを繰り返し敷き、最
後に残余の両ソースをかけた。1皿分、約220g。 (d) (c)にチーズと溶かしバターを振りかけ、約
250℃のオーブン中で、15分間、焼いた。 (e) 出来上がったラザニアを急速凍結し、凍結保存
した。 麺皮Cの組成:小麦粉(薄力粉)65. 5部、全卵3
3. 5部、植物油脂1部。ミートソースの組成:牛ひき
肉30部、トマト61部、赤ワイン9部、香味野菜、に
んにく少々、うま味調味料。 ホワイトソースの組成:小麦粉4. 5部、無塩バター
4. 5部、牛乳91部、うま味調味料。
【0062】(実施例6・・ラザニア・・実施例6品の
試作)対照例3工程(b)におけるラザニアの麺皮Cを
ツェイン溶液Aに、短時間、浸漬後、余分なツェイン溶
液Aを自然流下により取り除き、15分間、自然乾燥さ
せてツェイン被膜を麺皮Cの表面全体に形成させた。以
下、対照例3と同じ工程によりラザニアを試作した。こ
れを急速凍結し、凍結保存した。
【0063】(対照例4・・ラビオリ・・対照例品の試
作)次の工程によりラビオリを試作した。 (a) カテージ・チーズ、ほうれん草、全卵、うま味
調味料から具を調製した。これを絞り出し袋に入れた。 (b) ラザニアの場合と同様にして調製した麺皮Cの
全面に、刷毛を使用して、下記の組成の水溶き卵を塗っ
た。 (c) (b)の麺皮Cに(a)の具を絞り出し、その
上に卵を塗っていない麺皮Cを覆うように重ね合わせ、
布巾で軽く叩いて落ち着かせた。 (d) 具がはみ出さぬように成形後、麺皮Cの表面に
軽く包丁目を入れ、沸騰した湯で茹で、水気を切った。
1個の大きさ、3cm×3cm、約10g。 (e) 鍋にバターを入れて熱した。 (d) (e)の鍋のなかで、ラビオリおよび下記の組
成のトマトソースを和えたのち、チーズをふった。1皿
分、約220g。 (f) 出来上がったラビオリを急速凍結および凍結保
存した。 トマトソースの組成:トマト90部、玉ねぎ10部、う
ま味調味料。 水溶き卵の調製:卵黄50部、水50部から調製。
【0064】(実施例7・・ラビオリ・・実施例7品の
試作)対照例4の工程(b)の水溶き卵を塗る前のラビ
オリの麺皮Cと対照例4の工程(c)で重ね合わせるラ
ビオリの麺皮Cにおいて、具と接触する麺皮Cの内面
に、刷毛を使用して、十分量のツェイン溶液Aを塗布し
た。庫内温度を50℃に設定した恒温庫内で、10分
間、乾燥し、ツェイン被膜を麺皮Cの内面に形成させ
た。次いで、対照例4の工程(d)における、水気を切
ったラビオリをツェイン溶液Bに浸漬後、余分なツェイ
ン溶液Bを、自然流下により取り除いた。さらに、庫内
温度30℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿庫内
で、10分間、乾燥させて、ツェイン被膜を麺皮Cの表
面全体に形成させた。以下、対照例4と同じ工程により
ラビオリを試作した。これを急速凍結および凍結保存し
た。
【0065】(対照例1〜4及び実施例1〜7で試作し
た製品の官能検査ならびにその結果)表1に各試作品の
凍結保存(保存期間、2ヶ月)前および後の麺皮の食感
に関する官能検査の結果を示す。各冷凍製品を、電子レ
ンジ(E.R.)またはオーブン・トースター(O.V.T.)に
より加熱調理し、官能検査は、調理の直後に行った。加
熱調理条件は、次の通りである。 対照例1及び実施例1〜3における試作品( 春巻 )・・
・500W,50 秒/個/回(E.R.) 対照例2及び実施例4、5における試作品(ギョウザ)
・・・500W,150秒/5 個/回(E.R.) 対照例3及び実施例6における試作品(ラザニア)・・
・800W, 12 分/皿/回(O.V.T.) 対照例4及び実施例7における試作品(ラビオリ)・・
・800W, 12分/皿/回(O.V.T.)
【0066】
【表1】
【0067】(対照例5・・ピザ・・対照例品の試作)
次の工程によりピザを試作した。 (a) 下記の配合により調製した生地Aを 適当な大
きさに分割し、厚さ約3mm、直径約10cmの円形に
のばした。 (b) (a)の円形の生地を、約250℃のオーブン
中で、10分間程度、焼いた。 (c) (b)の生地に、下記の組成のトマトソースを
塗り、チーズをのせ、サラミソーセージ、マッシュルー
ム等の具を載置して、トッピングとした。1枚、約15
0g。 (d) 出来上がったピザを急速凍結し、凍結保存し
た。 生地Aの配合:小麦粉(強力粉)64部、湯(40℃)
29部、ショートニング3部、イースト1. 5部、砂糖
2部、食塩0. 5部。 トマトソースの配合:トマト90部、玉ねぎ10部、う
ま味調味料。
【0068】(実施例8・・ピザ・・実施例8品の試
作)対照例5工程(b)において焼成した生地Aの具材
トッピング面に、ツェイン溶液A(組成、実施例1に記
載、以下の実施例でも同様)を、スプレーを使用して、
十分量を噴霧した。このピザ皮を、庫内温度35℃に設
定した恒温庫内で、10分間、乾燥させてツェイン被膜
を生地Aの具材トッピング面に形成させた。以下、対照
例5と同じ工程によりピザを試作した。これらを急速凍
結および凍結保存した。
【0069】(実施例9・・ピザ・・実施例9品の試
作)対照例5工程(b)において焼成した生地Aの表面
および裏面の全体にツェイン溶液Aを、スプレーを使用
して、十分量を噴霧した。このピザ皮を、庫内温度35
℃に設定した恒温庫内で、10分間、乾燥させてツェイ
ン被膜を生地Aの表面全体に形成させた。以下、対照例
5と同じ工程によりピザを試作した。これらを急速凍結
および凍結保存した。
【0070】(対照例5および実施例8、9で得られた
ピザの官能検査およびその結果)対照例5および実施例
8、9で得られたピザ、3種を、凍結保存1日後に、電
子レンジ調理した(500W、加熱時間3分30秒/枚
/回)。調理直後に、ピザ皮生地の食感に関する官能検
査に付した。いずれの品も食感良好であり、評価はいず
れもAであった。なお、凍結保存2ヶ月目後に、再度、
官能検査に付した。それらの結果を、表2にまとめて示
す。
【0071】(保存試験例3)対照例、実施例8または
実施例9において得られたピザ、3種を、急速凍結およ
び凍結保存することなく、日常、しばしば想定される非
冷凍下の、次の態様で保存放置した。 (a) スチロール皿に入れ、ラップし、約50℃のホ
ット・ショーケース内に3時間放置。 (b) スチロール皿に入れ、ラップし、室温(約25
℃)に4時間放置。
【0072】保存試験例3の保存条件を経過したピザ、
3種を、電子レンジ調理(500W、30秒/個/回)
した。実施例8または実施例9で得られたピザは、ピザ
皮部分の食感がサクサクとしており、良好であった。一
方、対照例3品を、急速凍結および凍結保存することな
く、試験例3におけると同様の態様で保存放置して得た
ピザは、ピザ皮部分が軟化し、食感が劣化していた。
【0073】(対照例6・・ミート・パイ・・対照例品
の試作)次の工程によりミート・パイを試作した。 (a) 下記の配合により調製した生地Bを丸くのばし
た本体部分を、パイ皿に敷き込んだ。直径、約6cm。 (b) 牛ひき肉、玉ねぎ、ピーマン、粉チーズ、うま
味調味料からなる ミート・パイの中具用の炒め具を調
製した。
【0074】(c) (a)の本体部分の凹み位置に
(b)の中具を収容し、その上に生地Bを丸くのばした
蓋部分を載置し、本体部分および蓋部分の各周辺を、指
およびル−レットで摘み捩じりながら両部分を圧着し、
形を整えた後、上面に軽く包丁目を入れた。1個、約2
00g。 (d) (c)の生ミート・パイを約200℃に保って
あるオーブンに入れ、焙焼した。 (e) 焙焼したミート・パイを急速凍結し、凍結保存
した。 生地Bの組成:小麦粉(強力粉)45部、無塩バター3
2部、水23部、うま味調味料。
【0075】(実施例10・・ミート・パイ・・実施例
10品の試作)対照例6の工程(d)において焙焼した
パイの皮部分、上面および下面の表面全体に、十分量の
ツェイン溶液B(組成:実施例2に記載、以下の実施例
でも同様)を、刷毛を使用して塗布した。庫内温度35
℃に設定した恒温庫内で、10分間、乾燥させてツェイ
ン被膜をパイ皮部分の表面全体に形成させた。以下、対
照例6と同じ工程によりミート・パイを試作した。これ
らを急速凍結および凍結保存した。
【0076】(保存試験例4)対照例6および実施例1
0において得られたミート・パイを、急速凍結および凍
結保存することなく、保存試験例3と同様の、日常、し
ばしば想定される非冷凍の態様で保存放置した。
【0077】これらのミート・パイを、保存試験例4の
保存態様に放置後、電子レンジ調理(500W、30秒
/個/回)した。実施例9品および実施例10品のパイ
生地の食感はサクサクとしており、良好であった。一
方、対照例6品を、急速凍結および凍結保存することな
く、保存試験例4における態様で 放置したミート・パ
イのパイ皮部分は、軟化しており、食感は劣化してい
た。
【0078】(対照例7・・マカロニグラタン・タルト
・・対照例品の試作)次の工程により、マカロニグラタ
ン・タルトを試作した。 (a) 下記の配合により調製した生地Cをのばし、タ
ルト型に敷き込んだ。 (b) (a)の生地を約160℃のオーブン内で焼成
した。 (c) 下記の配合により調製したホワイト・ソースお
よび茹でたマカロニを混ぜた。 (d) (b)のタルト生地に(c)のソースで和えた
マカロニを入れた。1個、約150g。 (e) 出来上がったマカロニグラタン・タルトを 急
速凍結および凍結保存した。 生地Cの組成:小麦粉(薄力粉)49部、無塩バター2
4部、卵黄10部、水17部、食塩少々。 ホワイト・ソースの組成:牛乳79部、玉ねぎ13部、
小麦粉(薄力粉)4部、バター4部、うま味調味料。
【0079】(実施例11・・マカロニグラタン・タル
トの試作)対照例7の工程(b)において焼成したタル
ト生地を、ツェイン溶液Aに浸漬後、余分なツェイン溶
液Aを、自然流下により、取り除いた。このタルト生地
を、庫内温度30℃、相対湿度50%に設定した恒温恒
湿庫内で、10分間、乾燥させて、ツェイン被膜をタル
ト生地の表面全体に形成させた。以下、対照例7と同じ
工程により、マカロニグラタン・タルトを試作した。
【0080】(対照例8・・ピザ・トースト・・対照例
品の試作)次の工程によりピザ・トーストを試作した。 (a) 下記の配合により食パンを作成し、1. 5〜2
cmの厚さに切った。 (b) (a)の食パンを、オーブン内で表面を軽く焼
いた。 (c) (b)の食パンの片面にバターを塗り、対照例
5のピザの具材トッピングと同様のトッピングを載置し
た。 (d) (c)のトッピングを載せた食パンを、約20
0℃のオーブン内で、5分間程度、焼いた。1枚、約2
00g。 (e) 出来上がったピザ・トーストを急速凍結および
凍結保存した。 食パンの組成:小麦粉(強力粉)54部、温湯(40
℃)35部、バター2部、スキム・ミルク3部、砂糖4
部、ドライ・イースト1部、食塩1部。
【0081】(実施例12・・ピザ・トースト・・実施
例12品の試作)対照例8の工程(b)において、表面
を軽く焼いた食パンのトッピング載置面に、刷毛を使用
して、ツェイン溶液Aを、十分量、塗布し、15分間、
自然乾燥させて、ツェイン被膜を食パンのトッピング面
に形成させた。以下、対照例8と同じ工程によりピザ・
トーストを試作した。 これを急速凍結および凍結保存
した。
【0082】(対照例9・・ハンバーガー・・対照例品
の試作)次の工程により、ハンバーガーを試作した。 (a) 下記の配合により、ハンバーガー用のバンズ・
パン(Bun)を作成し、そのパンに側面より、切れ目を入
れた。 (b) (a)のパンの切り口を、オーブントースター
で、軽く焼いた。 (c) 合い挽き肉、玉ねぎ、卵、食パン、調味料か
ら、中具となるハンバーグを作った。 (d) (b)のパンの切り口面に 芥子バターを塗
り、サラダ菜を敷き、(c)のハンバーグを挟んだ。1
個、約200g。 (e) このハンバーガーを急速凍結および凍結保存し
た。 バンズ・パンの組成:小麦粉(強力粉)47部、牛乳2
7部、温湯(40℃)13部、バター7部、砂糖3. 7
部、 ドライ・イースト1. 5部、食塩0.8部。
【0083】(実施例13・・ハンバーガー・・実施例
13品の試作)対照例9の工程(b)において、切り口
を軽く焼いたパンの切り口にツェイン溶液Aを、スプレ
−を使用して、十分量、噴霧した。これを庫内温度30
℃、相対湿度50%に設定した恒温恒湿庫内で、10分
間、乾燥させてツェイン被膜をパンの切り口に形成させ
た。以下、対照例9と同じ工程により、ハンバーガーを
試作した。これを急速凍結および凍結保存した。
【0084】(保存試験例5 調理後保存放置試験)実
施例13において得られたハンバーガーを、急速凍結お
よび凍結保存することなく、日常、しばしば想定される
非冷凍下の、次の態様で放置した。 (a) スチロール皿に入れ、ラップし、約50℃のホ
ット・ショーケース内に3時間放置。 (b) スチロール皿に入れ、ラップし、約4℃のショ
ー・ケース内に3時間放置。
【0085】保存試験例5により得られたハンバーガー
を、各放置態様経過後、電子レンジ調理した。調理加熱
条件:(a)については500W、20秒/個/回、
(b)については500W、60秒/個/回。実施例1
3品の試作ハンバーガーのパン部分の食感は良好であっ
た。一方、対照例9品を、急速凍結および凍結保存する
ことなく、保存試験例3における態様で放置して得たハ
ンバーガーのパン部分の食感は、水分を吸収して、劣化
していた。
【0086】(対照例10・・ホットドック・・対照例
品の試作)次の工程によりホットドックを試作した。 (a) 対照例9のハンバーガーのバンズ・パンと同様
の配合により、ドッグパン用に成形してドッグ・パンを
作成し、そのパンの上面に切れ目を入れた。 (b) (a)のパンの切り口に、芥子バターを塗り、
キャベツのソテー、軽く炒めたウィンナソーセージを挟
み、オーブントースター内で温める程度に焼き、ケチャ
ップソースをかけた。1個、約200g。 (c) このホットドックを急速凍結および凍結保存し
た。
【0087】(実施例14・・ホットドック・・実施例
14品の試作)対照例14の工程(a)のパンの切り口
に、十分量のツェイン溶液Aを、刷毛を使用して塗布し
た。このパンを、庫内温度35℃に設定した恒温庫内
で、10分間、乾燥させてツェイン被膜をパンの切り口
面に形成させた。以下、対照例14と同じ工程により、
ホットドックを試作した。これを急速凍結および凍結保
存した。
【0088】(保存試験例6・・調理後保存放置試験)
実施例14において得られたホットドックを、急速凍結
および凍結保存することなく、次の、日常、しばしば想
定される非冷凍下の態様で放置した。 (a) スチロール皿に入れ、ラップし、約50℃のホ
ット・ショーケース内に3時間放置。 (b) スチロール皿に入れ、ラップし、約4℃のショ
ー・ケース内に3時間放置。
【0089】対照例10および実施例14により得られ
たホットドックは、いずれの放置態様を経過した品を
も、電子レンジ調理した。加熱調理条件:(a)につい
ては500W、20秒/個/回、(b)については50
0W、60秒/個/回。実施例14品のホットドックの
パン部分の食感は良好であった。一方、対照例品を、急
速凍結および凍結保存することなく、保存試験例6にお
ける態様を経過し放置したホットドックのパン部分は、
水分を吸収して軟化しており、食感の劣化が認められ
た。
【0090】(対照例5〜10及び実施例8〜14で試
作した製品の官能検査ならびにその結果)表2に各試作
品の凍結保存(保管期間、2ヶ月)前および後のパン部
分の食感に関する官能検査の結果を示す。各冷凍製品を
電子レンジ加熱調理した。官能検査は、その直後に行っ
た。加熱調理条件は、次の通りである。 対照例5及び実施例8,9における試作品(ピザ)・・
・500W、 加熱時間 3分30秒/枚/回 対照例6及び実施例10における試作品(ミート・パ
イ)・・・500W、 加熱時間 4分/個/回 対照例7及び実施例11における試作品(マカロニグラ
タン・タルト)・・・500W, 加熱時間 3分/個/回 対照例8及び実施例12における試作品(ピザトース
ト)・・・500W、 加熱時間 4分/個/回 対照例9及び実施例13における試作品(ハンバーガ
ー)・・・500W、 加熱時間 6分/個/回 対照例10及び実施例14における試作品(ホットドッ
グ)・・・500W、加熱時間 6分/個/回
【0091】
【表2】
【0092】(対照例11・・メンチカツ・・対照例品
の試作)次の工程によりメンチカツを試作した。 (a) 豚肉、炒め玉ねぎ、卵、パン粉、調味料からな
る中具を調製し、小判型に成形した。 (b) 小判型中具に小麦粉で打ち粉を施した。 (c) (b)を下記の組成のバッター液および下記の
組成のパン粉を使用し、通常の衣付けをおこない、1個
/30g程度の生メンチカツを作った。 (d) (c)の生メンチカツを、170〜180℃に
加熱した菜種サラダ油中で、2分間、揚げた。 (e) 揚げたメンチカツを急速凍結し、凍結保存し
た。 バッター液の組成および調製:卵白粉13部、微粉パン
粉7部およびグアガム0.25部を均一に混合して得られる
粉体混合物を、家庭用ミキサー内で、低速に攪拌してい
る水80部中に、徐々に投入し、3分間、ミキシングし
た。1回の調製量は500gに限定した。 パン粉の組成:水分含有量、約26%で粒度8メッシュ
のパン粉。
【0093】(実施例15・・メンチカツ・・実施例1
5品の試作)対照例11の工程(a)における小判型中
具の表面に、スプレーを使用して、ツエイン溶液Aを、
十分量、噴霧した。この小判型中具を、庫内温度35℃
に設定した恒温庫内で10分間乾燥させて、中具にツエ
イン被膜を形成させた。以下、対照例11と同じ工程に
よりメンチカツを試作した。これを急速凍結し、凍結保
存した。
【0094】(実施例16・・メンチカツ・・実施例1
6品の試作)対照例11の工程(d)における揚げたメ
ンチカツの衣の表面に、ツエイン溶液Aを、十分量、噴
霧し、5分間、自然乾燥させて、衣の上にツエイン被膜
を形成させた。以下、対照例11と同じ工程により、メ
ンチカツを試作した。これを急速凍結および凍結保存し
た。
【0095】(実施例17・・メンチカツ・・実施例1
7品の試作)対照例1の工程(a)における小判型中具
の表面に、ツエイン溶液Aを、十分量、噴霧し、庫内温
度35℃に設定した恒温庫内で10分間乾燥させて、中
具にツエイン被膜を形成させた。さらに、対照例11の
工程(d)における揚げたメンチカツの衣の表面に、ツ
エイン溶液Aを、十分量、噴霧し、5分間、自然乾燥さ
せて、衣の上にツエイン被膜を形成させた。以下、対照
例11と同じ工程により、メンチカツを試作した。これ
を急速凍結および凍結保存した。
【0096】(対照例11および実施例15〜17で得
られたメンチカツ、4種の官能検査およびその結果)対
照例11および実施例15〜17で得られた4種のメン
チカツを、凍結保存1日後、電子レンジ調理した(50
0W、加熱時間35秒/個/回)。調理直後に、衣のク
リスピー感に関する官能検査に付した。いずれの品も、
クリスピー感があり、評価はいずれもAであった。な
お、凍結保存2カ月目後に、再度、官能検査結果に付し
た。その結果を、表3にまとめて示す。
【0097】(保存試験例7)実施例15において得ら
れたメンチカツを、急速凍結および凍結保存することな
く、日常、しばしば想定される非冷凍下の、次の態様で
放置した。 (イ) 温かいご飯の入った弁当箱のおかず入れにメン
チカツを入れ、蓋をして、1時間30分放置。 (ロ) スチロール皿に入れ、ラップし、約50℃のホ
ット・ショーケース内に、3時間放置。 (ハ) スチロール皿に入れ、ラップし、室温約25℃
に、4時間放置。
【0098】(保存試験例8)実施例15において得た
生メンチカツを、急速凍結および凍結保存することな
く、170〜180℃に加熱した菜種サラダ油中で、約
4分間、揚げた。以下、保存試験例7における同様の態
様で放置した。
【0099】(保存試験例7および保存試験例8の放置
試験の結果)試験例7または試験例8の保存放置態様を
経過したメンチカツは、いずれの放置態様においても、
衣にクリスピー感が残り、その食感は良好であった。一
方、対照例11品を、急速凍結および凍結保存すること
なく、保存試験例7における態様にて放置して得たメン
チカツは、その衣に軟化が発生しており、クリスピー感
は認められなかった。
【0100】(対照例12・・とんかつ・・対照例品の
試作)次の工程により とんかつを試作した。 (a) とんかつ用にカットした豚肉にジャガイモ澱粉
で打ち粉を施した。 (b) (a)をバッター液およびパン粉を使用し、通
常の衣付けを行い、1個50g程度の生とんかつ を製
作した。 (c) 生とんかつを、170〜180℃に加熱した菜
種サラダ油中で、2分間、揚げた。 (d) 揚げた とんかつを急速凍結および凍結保存し
た。
【0101】(実施例18・・とんかつ・・実施例18
品の試作)対照例2の工程(a)における豚肉の表面
に、下記の組成のツエイン溶液Cを、スプレーにより、
十分量、噴霧した。庫内温度35℃に設定した恒温庫内
で、10分間、乾燥させて、中具上にツエイン被膜を形
成させた。次いで、対照例12の工程(c)における揚
げたとんかつの衣の表面に、十分量のツエイン溶液Aを
噴霧し、5分間、自然乾燥させて、衣上にツエイン被膜
を形成させた。以下、対照例12と同じ工程によりとん
かつを試作した。これを急速凍結および凍結保存した。
ツエイン溶液Cの組成および調製:75%含水エタノー
ル85部にツエイン(昭和産業(株)製「昭和ツェイン
DP」)10部を溶解した溶液に食塩、粗挽き黒胡椒、
うま味調味料を適当量添加。
【0102】(対照例13・・エビフライ・・対照品の
試作例)次の工程により、ビフライを試作した。 (a) 大正エビのむき身に、揚げ調理時の収縮防止の
ため、切れ目を入れた。 (b) (a)を小麦粉で打ち粉を施した。 (c) 打ち粉した むき身にバッター液およびパン粉
を使用して、通常の衣付けを行い、1本40g程度の生
エビフライを製作した。 (d) 生エビフライを、170〜180℃に加熱した
菜種サラダ油中で、2分間、揚げた。 (e) 揚げたエビフライを急速凍結および凍結保存し
た。
【0103】(実施例19・・エビフライ・・実施例1
9品の試作)対照例3の工程(a)における大正エビの
表面に、刷毛を使用して、十分量のツエイン溶液Aを塗
布した。 庫内温度35℃に設定した恒温庫内で、10
分間乾燥して、中具上にツエイン被膜を形成させた。次
いで対照例13の工程(d)における揚げたエビフライ
の衣の表面に、スプレーを使用して、十分量のツエイン
溶液Aを噴霧し、5分間、自然乾燥させて、衣上にツエ
イン被膜を形成させた。以下、対照例13と同じ工程に
よりエビフライを試作し、これを急速凍結および凍結保
存した。
【0104】(対照例14・・エビ天ぷら・・対照品の
試作例)次の工程により、エビ天ぷらを試作した。 (a) 下記の配合に従い、天ぷらの衣液を調製した。 (b) むき身の車エビの表面の水気をよく拭き取り、
揚げた際の収縮を防止するために、切れ目を入れた。 (c) (b)に小麦粉の打ち粉を施した。 (d) これに、(a)の天ぷらの衣液をつけた後、1
70〜180℃に加熱した菜種サラダ油で、2分間揚げ
た。 (e) 揚げたエビ天ぷらは急速凍結および凍結保存し
た。 天ぷらの衣液の組成: 小麦粉(薄力粉)21部、全卵
6部、卵白粉7部、水36部および菜種サラダ油30
部。
【0105】(実施例20・・エビ天ぷら・・実施例2
0品の試作)対照例14の工程(c)における車エビの
表面に、十分量のツエイン溶液Aを、スプレーを使用し
て噴霧した。15分間、室温で自然乾燥させて、中具に
ツエイン被膜を形成させた。次いで、そのツエイン被膜
を有する車エビを、対照例14の工程(d)に従って揚
げ、そのエビ天ぷらをツエイン溶液Aに浸漬後、余分な
ツエイン溶液Aを、自然流下により、取り除いた。さら
に庫内温度50℃に設定した恒温庫内で、5分間、乾燥
させた。これを急速凍結および凍結保存した。
【0106】(対照例15・・わかさぎフリッター・・
対照品の試作例)次の工程により、わかさぎフリッター
を試作した。 (a) 下記の配合に従い、フリッター衣液を調製し
た。 (b) わかさぎ魚体の表面の水気をよく拭き取り、小
麦粉の打ち粉を施した。 (c) これに、(a)のフリッター衣液をつけた後、
170〜180℃に加熱した菜種サラダ油で、2分間、
揚げた。 (d) 揚げた わかさぎフリッターは急速凍結および
凍結保存した。 フリッター衣液の組成:小麦粉(薄力粉)19部、卵白
粉7部、全卵9部、牛乳35部、ベーキングパウダー0.
2 部、食塩0.3 部および菜種サラダ油30部
【0107】(実施例21・・わかさぎフリッター・・
実施例21品の試作)対照例15の工程(b)における
わかさぎ魚体の表面の水気をよく拭き取った後、十分量
のツエイン溶液Aを、スプレーにより噴霧した。庫内温
度35℃に設定した恒温庫内で、10分間乾燥させて、
中具上にツエイン被膜を形成させた。次いで、対照例1
5の工程(c)における揚げたわかさぎフリッターの衣
の表面にツエイン溶液Aを、十分量、噴霧した。これ
を、庫内温度30℃、相対湿度50%に設定した恒温恒
湿庫内で、5分間、乾燥させて、衣の上にツエイン被膜
を形成させた。以下、対照例15と同じ工程により、わ
かさぎフリッターを試作した。これを急速凍結および凍
結保存した。
【0108】(対照例11〜15及び実施例15〜21
で試作した製品の保管時の水分の変化ならびに官能検査
の結果)表3に、試作品の凍結保存(保管期間、2カ
月)前および後の、衣中の水分変化ならびに保存後の衣
のクリスピー感に関する官能検査の結果を示す。なお、
水分増加率(%)は次の式により算定した。 A = b−a/a ×100 (ただし、A:水分増加率、 a:凍結保存前の衣中の水分、 b:凍結保存2カ月後の衣中の水分) また、水分は電子水分計により測定した。官能検査は、
各冷凍製品を電子レンジで調理した直後に行った。電子
レンジによる調理条件は、次の通り。 対照例11及び実施例15〜17における試作品(メン
チカツ)・・・500W、加熱時間35秒/個/回 対照例12及び実施例18における試作品(トンカツ)
・・・500W、加熱時間60秒/個/回 対照例13及び実施例19における試作品(エビフラ
イ)・・・500W、加熱時間45秒/本/回 対照例14及び実施例20における試作品(エビ天ぷ
ら)・・・500W、 加熱時間60秒/2 本/回 対照例14及び実施例21における試作品(わかさぎフ
リッター)・・・500W、 加熱時間70秒/3 本/回
【0109】
【表3】
【0110】
【発明の効果】本発明の各項に記載する食品、すなわ
ち、ツエインを主成分とする疎水性の被覆層を有するス
チーム、ベークまたはフライした各種の食品は、食品の
内部からの水分の移動あるいは食品の外部からの水分の
付着、吸収を防止し、食品の外側部分の軟化を防止でき
るので、食品の調理製造後も、長時間にわたって、その
好ましい食感、クリスピー感を保持できるという効果を
有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ツエインを主成分とする疎水性の被覆層
    を有するスチーム、ベークまたはフライした食品。
  2. 【請求項2】 ツエインを主成分とする疎水性の被覆層
    を有する冷蔵または冷凍したスチーム、ベークまたはフ
    ライした食品。
  3. 【請求項3】 ツエインを主成分とする疎水性の被覆層
    を有する調理用半加工スチーム、ベークまたはフライし
    た食品。
  4. 【請求項4】 ツエインを主成分とする疎水性の被覆層
    を有する冷蔵または冷凍した調理用半加工スチーム、ベ
    ークまたはフライした食品。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4の何れかにおいて、
    食品が麺帯食品であることを特徴とするスチーム、ベー
    クまたはフライした食品。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項4の何れかにおいて、
    食品が生地食品であることを特徴とするスチーム、ベー
    クまたはフライした食品。
  7. 【請求項7】 請求項1〜請求項4の何れかにおいて、
    食品がフライ食品であることを特徴とするスチーム、ベ
    ークまたはフライした食品。
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