JP3548515B2 - 成形肉加工食品の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジューシー感及びソフト感等に優れ、且つ保型性良好なハンバーグ等の成形肉加工食品を歩留り良く、しかも略同一品質で大量生産可能な成形肉加工食品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンバーグ等の成形肉加工食品においては、内部のジューシーでソフトな食感が好まれている。このような成形肉加工食品を大量生産する場合は、従来、材料の配合割合や混合条件等が工夫されてきたが、加熱調理条件の制御等が困難であり、略同一品質の優れた食感を有するものが得られ難い。例えば、加熱調理後の保型性を保持しようとした場合、肉のパサパサ感が強調され、ジューシー感やソフト感が低下し、逆に、ジューシー感やソフト感を出そうとした場合、加熱調理中又は加熱調理後の保型性が悪化するために、ジューシー感やソフト感に優れた成形肉加工食品を歩留り良く製造することが困難であった。
そこで、近年、このような課題を解決するために、包餡式成形機等を用いて、中具を外皮で被覆し、二重構造とした成形物を加熱調理して得られた成形肉加工食品が多数提案されている。
例えば、特開平6−38710号公報には、内部に柔らかいハンバーグ生地を用い、該内部のハンバーグ生地を、硬いハンバーグ生地で包み焼成したハンバーグが、特許第2902547号には、低ミンチ度の挽肉材料の中具の表面を高ミンチ度の挽肉材料の外皮で包み込んで成形した成形挽肉加工食品の製造方法が、特開平11−243917号公報には、異なる2種類のハンバーグ用生地の一方を中具、他方を外具とし、該中具と外具に含まれる材料を工夫し、肉粒感がありジューシーなハンバーグを大量生産することが可能なハンバーグの製造方法がそれぞれ記載されている。
これらはハンバーグの構造やその成形法、若しくは配合材料を特徴とするものであり、いずれも従来の二重構造ではない成形物のハンバーグよりも食感の改善は認められるが、更にジューシー感やソフト感に優れる製品の開発が望まれている。
【0003】
ところで、ハンバーグの加熱調理は、通常、鉄板やオーブン等で焼成したり、蒸煮する方法が採用されている。最近、コンベア上を流れる食材の上下方向から強い熱風を吹き付けて加熱調理する、コンベア方式のエアーインピンジメントオーブンが開発され、一般的には、焦げ目を付ける、ピザ、チキン、魚等の加熱調理に好適に用いられ、またハンバーグの加熱調理にも使用されている。
このエアーインピンジメントオーブンは、強い熱風を上下から吹きつけることからハンバーグの加熱調理に用いた場合、食材の歩留りが悪く、しかも肉のパサパサ感が強調される恐れがあり、必ずしもジューシー感に優れたハンバーグの大量生産等に向いているとは言えない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、歩留り良く、しかもジューシー感及びソフト感等に優れ、且つ加熱調理時及び加熱調理後の保型性が良好であり、大量生産にも好適な成形肉加工食品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、まず、使用する素材や成形方法について検討した。一方、加熱調理方法についても従来法に捕らわれず種々検討した。その結果、肉材料として加工方法が異なる挽肉と練り肉を用い、外皮に練り肉を主成分とする肉材料を使用した肉含有成形材料を、初期加熱のみにコンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付ける加熱装置を用いて加熱し、その後本加熱を行なうという加熱調理方法を採用することにより上記課題が解決しうることを見出し本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、挽肉を主成分とする肉材料(A)を含む中具と、該中具を被覆した、練り肉を主成分とする肉材料(B)を含む外皮とを有する肉含有成形材料を、コンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付けるエアーインピンジメントオーブンにより初期加熱する工程と、蒸煮、オーブン加熱、湿熱オーブン加熱、マイクロウェーブ加熱、ジュール加熱、遠赤外線加熱又は高周波焼成加熱により中具まで加熱する本加熱工程とを含むことを特徴とする成形肉加工食品の製造方法が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明により得られる成形肉加工食品は、挽肉を主成分とする肉材料(A)を含む中具と、該中具を被覆した、練り肉を主成分とする肉材料(B)を含む外皮とを有する肉含有成形材料を、特定の加熱調理方法で調理して得られた、例えば、ハンバーグ等の成形肉加工食品である。
【0007】
前記挽肉とは、肉挽き機、グラインダー、チョッパー又はコミトロール等で細かく挽いた肉であって、所望粒度、例えば、1〜12mm程度に挽いたものである。中具に用いる挽肉は、特に3〜8mm程度のものが食感向上のため好ましい。
一方、前記練り肉は、肉材料をサイレントカッター等のカッターで、所望により脂肪等を混和してペースト状になるまでカッティングしたものである。この練り肉の製造は、通常、ソーセージに用いるペースト状の練り肉の製造と同様に行なうことができ、所望により、例えば、水、動植物油、全卵、卵白、卵黄、牛乳等の液状物;小麦粉、澱粉、粉末状植物性蛋白、乾燥卵白等の粉体類;リン酸塩、ホエイソルト等の改良剤;塩、砂糖、化学調味料、ソース、ケチャップ、醤油、各種エキス類、スパイス等の調味料;キサンタンガム、カードラン、ゼラチン等の増粘剤を加えてカッティングすることもできる。
前記挽肉及び練り肉の製造に用いる肉材料は、牛肉、豚肉、鶏肉又はこれらの混合物等が挙げられ、使用に際しては、挽肉の肉材料の種類と、練り肉の肉材料の種類とは同じであっても異なっていても良い。
【0008】
本発明に用いる中具は、挽肉を主成分とする肉材料(A)を含む。肉材料(A)は、肉材料として前記挽肉を主成分としておれば良く、練り肉が含まれていても良い。中具には肉材料(A)の他に、通常、他の食品素材が混合される。他の食品素材としては、例えば、タマネギ、ネギ、キャベツ、ジャガイモ、ニンジン等の野菜類;各種調味料、香辛料、澱粉、小麦粉、パン粉、動植物油、全卵、卵白、卵黄、牛乳等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中具の調製は、肉材料(A)と他の食品素材とを所望の割合で混合することにより行なうことができる。
【0009】
本発明に用いる外皮は、上記中具を被覆したものであり、通常、2〜20mm厚に被覆することが好ましい。外皮は、練り肉を主成分とする肉材料(B)を含む。肉材料(B)は、肉材料として前記練り肉を主成分としておれば良く、挽肉が含まれていても良いが、含まないことが好ましい。外皮には肉材料(B)の他に、他の食品素材が混合されていても良い。他の食品素材としては、上記中具の説明で列挙した食品素材を挙げることができるが、他の食品素材の粒度は小さい方が好ましい。
外皮を形成する材料の調製は、肉材料(B)と、必要により他の食品素材とを所望の割合で混合することにより行なうことができる。他の食品素材を混合する場合には、外皮中の肉材料(B)の含有割合が40容量%以上となるように調製することが好ましい。
【0010】
本発明に用いる肉含有成形材料を調製するには、例えば、工業的には、包餡式成形機等を用いて公知の方法に従って中具を外皮で被覆するように成形することができる。ハンバーグを調製する場合には、その厚さが10〜30mmとなるように適宜成形することが好ましい。また、中具と外皮との割合は、質量比で20:80〜80:20、特に、30:70〜50:50が望ましい。外皮として肉材料(B)中の練り肉の代わりに、中具の挽肉よりも粒度の小さい挽肉を用いた場合、後述する本発明における加熱調理法では、通常の鉄板等による焼成や蒸煮で加熱調理したものより歩留りがかえって悪化し、しかもパサパサとした食感が強調され好ましくない食感となってしまう。
【0012】
本発明の成形肉加工食品の製造方法では、上記肉含有成形材料を、コンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付けるエアーインピージメントオーブンにより初期加熱する工程(以下、工程(a)という)と、中具まで加熱する本加熱工程(以下、工程(b)という)とを含む。
工程(a)において用いる、コンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付けるエアーインピンジメントオーブンの他の加熱装置、例えば、熱風が対流するコンベクションオーブンや、肉含有成形材料を載置して移動させずに熱風を吹き付ける加熱装置等を用いた場合には本発明の所望の効果が得られない。
【0013】
工程(a)において、初期加熱の条件は、肉含有成形材料の少なくとも表面の肉タンパク質が目視で観察できる程度に熱変性し、且つ表面に焦げ目が付かない条件の範囲で行なうことが望ましい。このような加熱条件とするためには、肉含有成形材料の形態や大きさに応じて適宜選択することができるが、好ましくは140〜260℃、特に好ましくは200〜260℃の熱風を、肉含有成形材料の上下方向から、好ましくは風速6〜15m/sで吹き付け、加熱時間が好ましくは30秒間〜10分間、特に好ましくは1〜6分間となるようにコンベアの速度を制御することによって行なうことができる。前記初期加熱において、肉含有成形材料の表面に焦げ目が付く程度の加熱を行なうと、歩留りが低下し、更には食感が劣化するので好ましくない。
【0014】
このような工程(a)による初期加熱によって、肉含有成形材料の表面を構成する上記肉材料(B)を含む外皮を固め、内部の肉汁を閉じ込め、ドリップの流出が抑制され、得られる成形肉加工食品の歩留りを高くすることができると共に、本加熱時における保型性が確保される。肉含有成形材料の表面が肉材料(B)ではなく、挽肉材料で形成されている場合には、このような熱風での加熱では表面に多数の空隙が生じ、ドリップの流出が防止できず歩留りが低下する。
【0015】
工程(b)の本加熱は、中具まで加熱する条件で行なうものであって、蒸煮、オーブン加熱、湿熱オーブン加熱、マイクロウェーブ加熱、ジュール加熱、遠赤外線加熱、高周波焼成加熱により行なうことができる。この際、本発明の本加熱は、初期加熱に用いた、コンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付けるエアーインピージメントオーブンによる加熱は除かれる。
本加熱においては、特に蒸煮を行なうことが好ましく、該蒸煮は、通常のハンバーグの加熱に用いられている蒸煮方法が採用できる。例えば、コンベクションオーブン等を用いて行なうことができる。この際の加熱条件は、中具の所望の加熱程度に応じて適宜選択できるが、蒸煮の場合は、通常95〜100℃の範囲内で行なうことが好ましい。
【0016】
本発明の製造方法では、本発明の所望の目的を損なわない範囲若しくは更に所望の効果や他の効果を向上させるために、他の工程を行なうこともできる。このような他の工程としては、例えば、上記工程(a)と工程(b)との間に、肉含有成形材料の表面に焦げ目を付ける焦げ目付け加熱工程等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
前記焦げ目付け加熱工程は、例えば、鉄板やシュバングを用いた焼成加熱が好ましく、鉄板を用いた際の条件は、180〜200℃で、片面30〜90秒間程度が望ましい。この際、焦げ目付けに有効であることが知られている、工程(a)に使用しうるコンベア方式のエアーインピンジメントオーブンを用いると、焦げ目が付くまでに中具まで加熱され、本発明の所望の効果が得られないのでこのような加熱装置により焦げ目付け加熱工程を行なうことは困難である。
【0017】
本発明の方法により得られた成形肉加工食品は、常温流通品、チルド流通品若しくは凍結流通品として通常の各処理を施すことができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明の製造方法では、前記工程(a)と工程(b)とを含むので、歩留り良く、しかもジューシー感及びソフト感等に優れ、且つ加熱調理時及び加熱調理後の保型性が良好な成形肉加工食品が得られる。この方法は、均一品質のものが容易に得ることができるので、大量生産にも好適である。
【0019】
【実施例】
以下本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
牛肉及び豚肉64.0質量部、全卵10.0質量部及び水4.0質量部を、サイレントカッター(ヤナギヤ社製、SL100−N)で、ペースト状になるまでカッティングし、練り肉(I)を得た。
次いで、得られた練り肉(I)78.0質量部、タマネギ8.0質量部、パン粉5.0質量部、牛乳6.0質量部及び調味料3.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合し、略ペースト状の外皮形成材料(I)を調製した。
一方、ミートチョッパー(南常鉄工社製、MD−22)で3mmに挽いた挽肉69.0質量部、全卵8.0質量部、タマネギ11.0質量部、パン粉3.0質量部、牛乳6.0質量部及び調味料3.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合し、中具(I)を調製した。
次いで、得られた外皮形成材料(I)と中具(I)とを、包餡式成型機(コバード社製、ロボセブンAR−8)を使用し、中具(I)を外皮形成材料(I)で被覆するように包餡して成型し、圧延ローラーで小判形状のハンバーグ原料(I)を調製した。この際、外皮形成材料(I)と中具(I)との割合は質量比で3:2とし、1つあたりのハンバーグ原料は平均150gとし、厚さは19mmとした。
【0020】
次いで、得られたハンバーグ原料(I)を、ジェットスイープ式コンベアオーブン(ミドルビーマーシャル社製、PS220、コンベア方式のエアーインピンジメントオーブンの一種)を用い、コンベアで移動させながら、200℃、2分間加熱した。続いて、プレート焼成機(エイシン電気社製、RG600)で、180℃、1分間加熱し、片面に焦げ目を付け、更に反転して180℃、1分間加熱して反対面にも焦げ目を付けた。次に、コンベクションオーブンを用い、8分間、蒸煮加熱を行なった。この際、蒸煮加熱は、中心品温が78〜83℃となるような条件で加熱した。得られたハンバーグの歩留りを、ハンバーグ原料の質量との差で求めた。結果を表1に示す。
次いで、得られたハンバーグを−35℃の凍結庫で凍結した後、プラスチック製の袋に入れ真空包装した。次いで、真空包装した袋を沸騰湯中で15分間解凍・加熱し、得られた解凍・加熱ハンバーグについて、品質評価を行なった。
品質評価は、専門のパネル10人が5点満点で、ハンバーグのジューシー感、ソフト感及び総合的な食感について以下の基準に基づいて評価した。評価結果は、10人の平均点により表1に示す。
<ジューシー感の評価基準>
5点:非常にジューシーである、4点:ジューシーである、3点:普通、2点:ややパサパサしている、1点:パサパサしている。
<ソフト感の評価基準>
5点:非常にソフトである、4点:ソフトである、3点:普通、2点:やや硬い、1点:硬い。
<総合的な食感の評価基準>
5点:非常に良い、4点:良い、3点:普通、2点:やや悪い、1点:悪い。
【0021】
比較例1
外皮形成材料(I)の代わりに、ミートチョッパー(南常鉄工社製、MD−22)で3mmに挽いた挽肉64.0質量部、全卵10.0質量部、水4.0質量部、タマネギ8.0質量部、パン粉5.0質量部、牛乳6.0質量部及び調味料3.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合して得た外皮形成材料を用いた以外は、実施例1と同様にハンバーグ原料を調製した後、ハンバーグを調製し、歩留りを測定した。次いで、得られたハンバーグを実施例1と同様に凍結した後、解凍・加熱し、品質評価を行なった。これらの結果を表1に示す。
【0022】
比較例2
実施例1で調製した、外皮形成材料(I)と、中具(I)とを、質量比で3:2の比率になるように計量し、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合した。得られた混合物を用いて、実施例1と同様に包餡式成型機によりハンバーグ原料を調製した後、ハンバーグを調製し、歩留りを測定した。このハンバーグは、中具と外皮の原材料が同じものである。次いで、得られたハンバーグを実施例1と同様に凍結した後、解凍・加熱し、品質評価を行なった。これらの結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003548515
【0024】
実施例2
牛肉48.0質量部、鶏肉10.0質量部、全卵8.0質量部及び植物性蛋白質1.0質量部を、サイレントカッター(ヤナギヤ社製、SL100−N)で、ペースト状になるまでカッティングし、練り肉(II)を得た。
次いで、得られた練り肉(II)67.0質量部、植物性蛋白質10.0質量部、タマネギ10.0質量部、パン粉5.0質量部、牛乳4.0質量部及び調味料4.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合し、略ペースト状の外皮形成材料(II)を調製した。
一方、ミートチョッパー(南常鉄工社製、MD−22)で5mmに挽いた牛挽肉52.0質量部、同じミートチョッパーで5mmに挽いた鶏挽肉7.0質量部、植物性たんぱく質10.0質量部、全卵7.0質量部、タマネギ10.0質量部、パン粉5.0質量部、牛乳5.0質量部及び調味料4.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合し、中具(II)を調製した。
次いで、得られた外皮形成材料(II)と中具(II)とを、包餡式成型機(コバード社製、ロボセブンAR−8)を使用し、中具(II)を外皮形成材料(II)で被覆するように包餡して成型し、圧延ローラーで小判形状のハンバーグ原料(II)を調製した。この際、外皮形成材料(II)と中具(II)との割合は質量比で2:1とし、1つあたりのハンバーグ原料は平均120gとし、厚さは17mmとした。
【0025】
次いで、得られたハンバーグ原料(II)を、ジェットスイープ式コンベアオーブン(ミドルビーマーシャル社製、PS220、コンベア方式のエアーインピンジメントオーブンの一種)を用い、コンベアで移動させながら、240℃、1分30秒間加熱した。続いて、プレート焼成機(エイシン電気社製、RG600)で、200℃、1分間加熱し、片面に焦げ目を付け、更に反転して200℃、1分間加熱して反対面にも焦げ目を付けた。次に、コンベクションオーブンを用い、6分間、蒸煮加熱を行なった。この際、蒸煮加熱は、中心品温が約80℃となるような条件で加熱した。得られたハンバーグの歩留りを、ハンバーグ原料の質量との差で求めた。結果を表2に示す。
次いで、得られたハンバーグを実施例1と同様に凍結した後、解凍・加熱し、品質評価を行なった。結果を表2に示す。
【0026】
比較例3
実施例2で調製したハンバーグ原料(II)を、プレート焼成機(エイシン電気社製、RG600)で、200℃、1分30秒間加熱し、片面に焦げ目を付け、更に反転して200℃、1分30秒間加熱して反対面にも焦げ目を付けた。次に、コンベクションオーブンを用い、6分間、蒸煮加熱を行なってハンバーグを調製した。この際、蒸煮加熱は、中心品温が約80℃となるような条件で加熱した。得られたハンバーグの歩留りを、ハンバーグ原料の質量との差で求めた。結果を表2に示す。
次いで、得られたハンバーグを実施例2と同様に凍結した後、解凍・加熱し、品質評価を行なった。結果を表2に示す。
【0027】
比較例4
外皮形成材料(II)の代わりに、ミートチョッパー(南常鉄工社製、MD−22)で5mmに挽いた牛挽肉48.0質量部、同じく5mmに挽いた鶏挽肉10.0質量%、全卵8.0質量部、植物性蛋白質11.0質量部、タマネギ10.0質量部、パン粉5.0質量部、牛乳4.0質量部及び調味料4.0質量部を、ミキサー(花木製作所社製)で均一混合して得た外皮形成材料を用いた以外は、実施例2と同様にハンバーグ原料を調製した。得られたハンバーグ原料を用いて、比較例3と同様にハンバーグを調製し、歩留りを測定した。次いで、得られたハンバーグを実施例2と同様に凍結した後、解凍・加熱し、品質評価を行なった。これらの結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003548515

Claims (5)

  1. 挽肉を主成分とする肉材料(A)を含む中具と、該中具を被覆した、練り肉を主成分とする肉材料(B)を含む外皮とを有する肉含有成形材料を、コンベアで移動させながら熱風を上下方向から吹き付けるエアーインピンジメントオーブンにより初期加熱する工程と、蒸煮、オーブン加熱、湿熱オーブン加熱、マイクロウェーブ加熱、ジュール加熱、遠赤外線加熱又は高周波焼成加熱により中具まで加熱する本加熱工程とを含むことを特徴とする成形肉加工食品の製造方法。
  2. 初期加熱する工程を、肉含有成形材料の少なくとも表面の肉タンパク質が熱変性し、且つ表面に焦げ目が付かない条件の範囲で行なうことを特徴とする請求項に記載の成形肉加工食品の製造方法。
  3. 初期加熱する工程を、肉含有成型材料の上下方向から140〜260℃の熱風を風速6〜15m/sで30秒間〜10分間吹き付ける条件で行う請求項1又は2記載の成形肉加工食品の製造方法。
  4. 初期加熱する工程と、本加熱工程との間に、肉含有成形材料の表面に焦げ目を付ける焦げ目付け加熱工程を行なうことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の成形肉加工食品の製造方法。
  5. 中具と外皮との割合が、質量比で30:70〜50:50であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形肉加工食品の製造方法。
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