JP7281900B2 - 餃子の皮用ミックス、餃子の皮の製造方法、及び焼き餃子の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の餃子の皮用ミックスは、焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を調製するための餃子の皮用ミックスであって、小麦粉を含む原料粉、及び膨張剤を含有することを特徴とする。本発明のミックスを用いることで、膨張剤を含有する餃子の皮を調製でき、これにより焼き餃子の製造時の焼き色のムラを抑制することができる。この作用機作としては、明確ではないが、焼き餃子を鉄板等で蒸し焼きする際、仕上げに焼き色を付ける段階で、膨張剤の作用により、発生した気体によって餃子の皮が均一に膨化することで、餃子の焼き面と鉄板等の加熱体との間の隙間を低減するためと考えられる。一般に、膨張剤はベーカリー製品用のミックスには配合される場合があるが、餃子の皮に使用された例はない。また、特開2010-239884号公報には、具材を餃子用皮で包み成形した生餃子を蒸した後、焼く前まで冷蔵又は冷凍で保存する餃子の製造方法であって、生餃子を蒸す前又は蒸した後保存前に、当該生餃子の焼き面となる面に、油脂、穀物粉、及び膨張剤を有効成分とする加工液を付着させることを特徴とする餃子の製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法は、上記の特許文献1と同様に冷凍餃子の表面に付着させる加工液(特許文献1におけるバッター液)中に膨張剤を配合し、その加工液により焼き色のムラを低減する技術であり(特開2010-239884号公報段落[0018]参照)、焼き餃子の皮自体の焼き色のムラを抑制する本発明の技術とは全く異なるものである。
本発明の餃子の皮の製造方法は、焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を製造する方法であって、小麦粉を含む原料粉、膨張剤、水、及び必要に応じてその他の材料を混捏し、餃子の皮用生地を調製する工程、を含むことを特徴とする。本発明の製造方法を用いることで、膨張剤を含有する餃子の皮を製造でき、これにより焼き餃子の製造時の焼き色のムラを抑制することができる。この作用機作としては、上述の餃子の皮用ミックスの場合と同様に、焼き餃子を鉄板等で蒸し焼きする際、仕上げに焼き色を付ける段階で、膨張剤の作用により、発生した気体によって餃子の皮が均一に膨化することで、餃子の焼き面と鉄板等の加熱体の間の隙間を低減するためと考えられる。
本発明の焼き餃子の製造方法は、本発明の餃子の皮の製造方法によって得られた餃子の皮を用いることを特徴とする。上述の通り、本発明の餃子の皮の製造方法によって得られた餃子の皮を用いることにより、焼き色のムラが抑制された焼き餃子を製造することができる。本発明の焼き餃子の製造方法は、常法に従って実施することができる。具体的には、例えば、本発明の餃子の皮の製造方法によって得られた餃子の皮に、一般に、粗く若しくは細かく刻んだキャベツ、ネギ、にら、玉ねぎ、ニンニク、ニンジン等の野菜類、大豆、小豆、緑豆等の豆類、牛肉、豚肉、鶏肉等の畜肉類、エビ、帆立貝等の魚介類、鶏卵等の卵類、チーズ等の乳製品、リンゴ等の果実類、醤油、食塩、砂糖等の調味料等を混練した餡、及び/又は豚の角煮等の肉類やエビ等の魚介類等の大きめの具材を包み、生餃子を調製する。次いで、その生餃子を鉄板等で蒸し焼き調理して焼き餃子を製造することができる。なお、本発明の焼き餃子の製造方法においては、蒸し焼き調理前の未加熱、又は半加熱(焼き色を付ける仕上げ段階前)の状態で冷蔵又は冷凍保存し、必要に応じて蒸し焼き調理等を実施することもできる。
1.餃子の皮の調製方法
表1及び表2に示した各コントロール、実施例の配合で餃子の皮を調製した。具体的には、各材料の内、食塩以外の材料(小麦粉1kg使用)を混練機(カントーミキサー10Q、フック使用)に投入し、所定の量の食塩、及び水を混合したものを混練機中へ投入し、さらに混練し、そぼろ状の生地を調製した。その後、そぼろ状の生地を製麺機の圧延ロールに掛け(8号ロール1回、6号ロール2回)麺帯を調製した。得られた麺帯を型でくり抜き、餃子の皮(直径90mm、厚さ0.8mm)を調製した。
2.焼き餃子の製造方法
豚挽き肉200質量部、ラード30質量部を混合し、ごま油25質量部、醤油25質量部、酒15質量部、おろしニンニク2質量部、おろしショウガ2質量部、及びコショウ少々を加えてさらに混合し、キャベツ(脱水処理(5~7mmの角切りにし、1質量%の食塩を振って混ぜた後、1時間放置後、水分を搾った(歩留まり約80質量%))したもの)400質量部、及び刻んだニラ400質量部を加えて軽く混合して、餡を調製した。1.で調製した餃子の皮を用いて、上記餡(15g)を包み、各例10個の生餃子を調製した。次いで、200℃に加熱したフライパンに2gの油を引き、得られた生餃子を置き、1分間加熱後、水140ml添加し、蓋をして約4分間加熱した。その後、蓋をはずして240℃まで加熱して焼き餃子を製造した。
焼き餃子の焼き面の外観、焼き餃子の皮の食感、及び風味について、膨張剤、酸性剤を含有しないコントロールを対照として評価した。なお、キシロース及びグリシンは焼き餃子の焼き色が付き易くするために配合されるが、表1においては、これらを含まないコントロールAを用い、表2においては、これら含むコントロールBを用いて評価した。上記評価は、焼き餃子の焼成後、5分間室温で放冷した後、専門パネル10名で評価し、(1)については、以下の評価基準で評価した結果の平均値を算出し、結果を表1及び表2に示した。(2)及び(3)については、パネル全員で相談して評価結果を決定した。
(1)焼き餃子の焼き面の外観
5:焼き色のムラがなく、コントロールより非常に好ましい
4:焼き色のムラがあまりなく、コントロールより好ましい
3:焼き色のムラがコントロールと同程度である
2:焼き色のムラがやや目立ち、コントロールよりやや好ましくない
1:焼き色のムラが目立ち、コントロールより好ましくない
(2)焼き餃子の皮の食感
コントロールと比較して焼き餃子の皮の食感を評価した。
(3)焼き餃子の皮の風味
コントロールと比較して焼き餃子の皮の風味を評価した。
Claims (8)
- 焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を調製するための餃子の皮用ミックスであって、
小麦粉を含む原料粉、及び膨張剤を含有し、
前記膨張剤が、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸水素アンモニウムを含み、
前記炭酸水素ナトリウム及び/又は前記炭酸水素アンモニウムの含有量が、前記原料粉100質量部に対して0.05~0.5質量部である
ことを特徴とする餃子の皮用ミックス。 - 焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を調製するための餃子の皮用ミックスであって、
小麦粉を含む原料粉、膨張剤、並びにキシロース及び/又はグリシンを含有することを特徴とする餃子の皮用ミックス。 - 焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を調製するための餃子の皮用ミックスであって、
小麦粉を含む原料粉、膨張剤、並びにキシロース及び/又はグリシンを含有し、
前記膨張剤が、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸水素アンモニウムを含み、
前記炭酸水素ナトリウム及び/又は前記炭酸水素アンモニウムの含有量が、前記原料粉100質量部に対して0.05~0.5質量部である
ことを特徴とする餃子の皮用ミックス。 - 焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を製造する方法であって、
小麦粉を含む原料粉、膨張剤、水、及び必要に応じてその他の材料を混捏し、餃子の皮用生地を調製する工程、
を含み、
前記膨張剤が、炭酸水素ナトリウム及び/又は炭酸水素アンモニウムを含み、
前記炭酸水素ナトリウム及び/又は前記炭酸水素アンモニウムの含有量が、前記原料粉100質量部に対して0.05~0.5質量部である
ことを特徴とする餃子の皮の製造方法。 - 焼き餃子を製造するために用いる餃子の皮を製造する方法であって、
小麦粉を含む原料粉、膨張剤、並びにキシロース及び/又はグリシン、水、及び必要に応じてその他の材料を混捏し、餃子の皮用生地を調製する工程、
を含むことを特徴とする餃子の皮の製造方法。 - 前記餃子の皮用生地を、請求項1~3のいずれか1項に記載の餃子の皮用ミックスを含む材料を用いて調製する請求項4又は5に記載の餃子の皮の製造方法。
- 請求項4~6のいずれか1項に記載の餃子の皮の製造方法によって得られた餃子の皮を用いる焼き餃子の製造方法。
- 請求項7に記載の焼き餃子の製造方法を用いることによる焼き餃子の焼き色のムラを抑制する方法。
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Citations (1)
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レシピサイトcookpadに掲載されたレシピ「餃子、小籠包の皮」, レシピID : 5260882,2018年10月21日,[オンライン], 検索日:2022年11月21日,URL,https://cookpad.com/recipe/5260882 |
動画共有サイトYouTubeにおける「やえこのレシピチャンネル」に投稿された情報「皮も手作りだから健康的、モチモチ皮が美味しい棒餃子」,2014年 3月12日,検索日:2022年11月21日,URL,https://www.youtube.com/watch?v=uztDjwh_ey0 |
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