JP5080405B2 - 未焼成の冷凍餃子の製造方法 - Google Patents
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また、前記餃子用皮は、複数の小孔が打ち抜かれている皮であることが好ましい。
さらに、本発明は、前記記載の冷凍餃子の製造方法を用いて製造された冷凍餃子を提供するものである。
挽肉とみじん切りにした野菜類を、塩、調味料、香辛料、調製水を加え、よく混捏した。得られた豚脂以外の具材の混捏物を、10号型抜餃子用皮(1.0〜1.1mm厚)一枚当たり17.2gとなるようにのせた。これらに、具材全体に対する豚脂の配合量が表1記載の配合量となるように、それぞれ豚脂を添加した後、包み、成形し、生餃子を得た。これらの生餃子を、餃子1個当たりの焼き面につける油脂の量が、0.5g/個となるように白絞油を滴下したトレーに、焼き面がトレー底面側となるように配置した後、トレーごと88℃で10分10秒間蒸煮した。その後、−35℃で40分間凍結処理を施し、冷凍餃子を得た。
得られた冷凍餃子を、焼き面が鉄板に接するように、油を引いていない加熱したフライパンにおき、水80mLを入れて蓋をし、5分間蒸し焼きにし、焼き餃子を得た。この結果、全ての配合の餃子で、フライパンへの焦げ付きはほとんどみられなかったが、焼き目は、内部への豚脂の配合量により差がみられた。
得られた焼き餃子の焼き色の評価を表1に示す。この結果、豚脂を添加することにより、焼き目がより均一になり、また、フライパンからの剥がれも良くなる傾向が観察された。豚脂量を増やしていくにつれて、中具から流出する油で焼き目は揚げたようになり、標準調理では焼き目がつきにくくはなるものの、35%までは食感に大きな影響を与えることなく調理することができた。
具材全体に対する豚脂の配合量が15%となるように豚脂を配合した以外は、実施例1と同様にして生餃子を得た。これらの生餃子を、トレーに焼き面がトレー底面側となるように配置し、さらに、餃子1個当たりの焼き面につける油脂の量が、表2記載の量となるように白絞油を滴下した。その後、88℃で10分10秒間蒸煮した後、−35℃で40分間凍結処理を施し、冷凍餃子を得た。
得られた冷凍餃子を、焼き面が鉄板に接するように、油を引いていない加熱したフライパンにおき、水80mLを入れて蓋をし、5分間蒸し焼きにし、焼き餃子を得た。
得られた焼き餃子の焼き色の評価を表2に示す。この結果、滴下油0.1g/個と0.2g/個には、5分間調理では焦げ目がついてしまい、フライパンに張り付くものが多かった。一方で、0.3g/個以上のものは、焦げることはなく焼き目もうまくついた。また、滴下油を増やしていくと、焼き目はきれいにつくものの、焼き色がつくまで時間がかかる傾向がみられた。また、底面が油に浸るため揚げたような食感になるものもあった。2.0g/個では、食感が油っぽく、焼き餃子独特の香ばしさ等の風味が損なわれていた。
豚脂に代えて、ラード、液体油脂(白絞油)、粉末油脂(スプレーファット)を用いることによる、焼き色に対する影響を観察した。なお、豚脂は油脂約70%と水約30%でできているため、各油脂:水=7:3の割合で混合した混合物を用いた。
具材全体に対する油脂(豚脂、ラード、液体油脂、又は粉末油脂)の配合量が15%となるように油脂を配合した以外は、実施例1と同様にして生餃子を得た。これらの生餃子を、餃子1個当たりの焼き面につける油脂の量が、0.5g/個となるように白絞油を滴下したトレーに、焼き面がトレー底面側となるように配置した後、トレーごと88℃で10分10秒間蒸煮した。その後、−35℃で40分間凍結処理を施し、冷凍餃子を得た。
得られた冷凍餃子を、焼き面が鉄板に接するように、油を引いていない加熱したフライパンにおき、水80mLを入れて蓋をし、5分間蒸し焼きにし、焼き餃子を得た。
得られた焼き餃子の焼き色の評価を表3に示す。この結果、豚脂は蒸し凍結の段階から油が染み出していたのに対して、ラード、液体油脂、及び粉末油脂は、いずれも油の染み出しはなく、フライパンへ焦げついてしまう傾向にあった。また、食感は、ラードと豚脂ではあまり差はなく大きな違いは感じられなかったが、焼き色については、豚脂は良好であったが、ラードは濃淡の差が大きく、均一な品質のものは得られなかった。一方、液体油脂と粉末油脂は、明らかに食感が違い、焼き目もうまくつけることができず、焦げ付きやすかった。
豚脂に代えて、乳化状の油脂を用いることによる、焼き色に対する影響を観察した。乳化油脂としては、マヨネーズ、乳化油脂(食用植物油脂、水飴、及びデキストリンのペースト状混合物)、及びマーガリンを用いた。
具材全体に対する油脂(豚脂、マヨネーズ、乳化油脂、又はマーガリン)の配合量が15%となるように油脂を配合した以外は、実施例1と同様にして生餃子を得た。これらの生餃子を、餃子1個当たりの焼き面につける油脂の量が、0.5g/個となるように白絞油を滴下したトレーに、焼き面がトレー底面側となるように配置した後、トレーごと88℃で10分10秒間蒸煮した。その後、−35℃で40分間凍結処理を施し、冷凍餃子を得た。
得られた冷凍餃子を、焼き面が鉄板に接するように、油を引いていない加熱したフライパンにおき、水80mLを入れて蓋をし、5分間蒸し焼きにし、焼き餃子を得た。
得られた焼き餃子の焼き色の評価を表4に示す。この結果、豚脂は蒸し凍結の段階から油が染み出していたのに対して、マヨネーズ、乳化油脂、及びマーガリンは、いずれも油の染み出しはなく、フライパンへ焦げついてしまう傾向にあった。焼き色については、豚脂よりは劣るものの、いずれも一応良好な焼き色がついた。但し、いずれも豚脂より品位差が大きい傾向が観察された。具体的には、マヨネーズでは焼き色が薄く、乳化油脂やマーガリンの場合は、焼き色の濃淡が大きく、皮が焦げやすい傾向にあった。
餃子用皮として、複数の小孔が打ち抜かれている皮を用いることによる、焼き色や焦げ付きに対する影響を観察した。
餃子用皮として、45個の小孔が打ち抜かれている皮を用いて、具材全体に対する豚脂の配合量が0%又は15%となるように豚脂を配合した以外は、実施例1と同様にして生餃子を得た。一方、小孔のない皮を餃子用皮とし、具材全体に対する豚脂の配合量が0%又は15%となるように豚脂を配合した以外は、実施例1と同様にして生餃子を得、これらを対照とした。これらの生餃子を、餃子1個当たりの焼き面につける油脂の量が、0.5g/個となるように白絞油を滴下したトレーに、焼き面がトレー底面側となるように配置した後、トレーごと88℃で10分10秒間蒸煮した。その後、−35℃で40分間凍結処理を施し、冷凍餃子を得た。
得られた冷凍餃子を、焼き面が鉄板に接するように、油を引いていない加熱したフライパンにおき、水80mLを入れて蓋をし、5分間蒸し焼きにし、焼き餃子を得た。
得られた焼き餃子の焼き色の評価を表5に示す。豚脂を配合しなかった餃子では、いずれも、焦げ付きが多く発生し、焼き色も不良であった。両者を比較すると、小孔のある皮を用いた餃子のほうが、焼き色と焦げ付きのいずれも若干の改善が観察された。これに対して、豚脂を15%配合した餃子では、餃子皮の小孔の有無にかかわらず、全ての餃子において焼き面に焦げ付きは生じなかった。一方、焼き色に関しては、小孔のある皮を用いた餃子のほうが、焼きむらが生じにくく、相対的に良好であった。
Claims (3)
- 豚脂を5〜35%(質量)配合した具材を餃子用皮で包み成形した生餃子を、焼き面となる面に餃子1個当たり0.3〜1.6gの油脂をつけて蒸した後、凍結させることを特徴とする未焼成の冷凍餃子の製造方法。
- 前記餃子用皮が、複数の小孔が打ち抜かれている皮であることを特徴とする請求項1記載の未焼成の冷凍餃子の製造方法。
- 請求項1又は2記載の冷凍餃子の製造方法を用いて製造された冷凍餃子。
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