JP4077583B2 - フライ食品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フライ食品及びその製造方法に関する。本発明のフライ食品は、長期間冷凍保存した後、電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げたてのサクサク感を有するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、フライとは、食品を油ちょうすること、あるいは油ちょうして得られる食品のことをいう。食品を加工せずにそのままの形で油ちょうする場合は、小麦粉やパン粉等の揚げ衣を付けたり、揚げ衣を付けないで油ちょうすることもできる。一方で、コロッケ等、食品を加工して成形したものでは、素材間の結着性が弱く、油ちょう中に油が素材の中に浸透して、成形食品が崩壊することがあるので、これを防止するために揚げ衣を付けて油ちょうするのが一般的である。
また、近年の冷凍食品市場の拡大、主婦の有職化、家庭の個食化等により、予め油ちょうした冷凍食品の利用が盛んである。中でも、クリームコロッケ、ポテトコロッケ、カツ、エビフライ等のように、小麦粉やパン粉等の衣を付けて油ちょうしたフライ食品は、衣のサクサク感が好まれている。フライ食品は、油ちょうした直後は、衣がサクサクとして、いわゆるクリスピー性を有している。しかし、フライ食品を冷凍食品とする場合は、油ちょう後に凍結処理をして凍結状態で長期間保存されるため、保存中に中種の水分が衣に移行し、電子レンジで加熱調理しても、衣のサクサク感を再現できないといった問題点があった。
【0003】
特開平11−123055号公報には、精製澱粉の水分散液を加熱し、糊化液状の衣液を作り、予め加熱処理したテンプラ具材に前記衣液を付け、蒸気熱により蒸して、テンプラの具材の表面に第一の衣を形成する工程と、前記第一の衣の表面に、小麦粉を主体とするテンプラ粉を含む衣液を付け、油ちょうして第二の衣を形成する工程と、急速凍結する工程とを経て得られる冷凍テンプラ及びその製造方法が開示されている。この公報に記載の製造方法により得られる冷凍テンプラは、電子レンジで加熱調理した際に、揚げたてのテンプラ特有の外側のサクサクとした軽い食感と、内側の弾力のある食感を有し、長期間保存した後もその食感が失われないことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報に記載の発明において、テンプラの衣がサクサクとした軽い食感を呈するのは、衣液に水と水より沸点の低い液体を加えるためであり、長期間の冷凍保存による中種の水分の衣への移行を十分に抑制することができない。
このような現状において、長期間冷凍保存後に電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げたてのサクサク感を有するフライ食品が求められているが、そのような冷凍フライ食品は提供されていない。
そこで、本発明は、長期間冷凍保存後に電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げたてのようなサクサク感を有するフライ食品及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは上述した課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、(1)中種を澱粉の水溶液に浸漬した後、好ましくは80〜250℃の温度で加熱、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで、衣を付けて、好ましくは150〜200℃の温度で油ちょうすること、または(2)中種の表面に澱粉をまぶした後、好ましくは80〜100℃で蒸煮加熱し、好ましくは80〜250℃で加熱、乾燥して、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで、衣を付けて、好ましくは150〜200℃で油ちょうすることにより、凍結処理した後、長期間冷凍保存しても、電子レンジで加熱調理した際に、衣が揚げたてのようなサクサク感を有するフライ食品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、中種の表面に、乾燥した澱粉の皮膜を有することを特徴とするフライ食品である。
本発明はまた、澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするフライ食品の製造方法である。
本発明はまた、中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするフライ食品の製造方法である。
本発明はまた、前記フライ食品を凍結処理して得られる冷凍フライ食品である。
【0007】
なお、本発明では、上記(1)において、澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の溶液に中種を浸漬した後、好ましくは80〜250℃で加熱し、乾燥させることにより、または上記(2)において、中種の表面に澱粉をまぶした後、好ましくは80〜100℃で蒸煮加熱し、好ましくは80〜250℃で加熱し、乾燥させることにより、澱粉の澱粉粒が膨潤して崩壊し、澱粉粒の細胞膜が破裂してゲル状物質が溶出し、中種の表面に糊状の膜が形成され、これを乾燥して固化させることにより、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜が形成される。この乾燥した皮膜によって、冷凍保存中に中種の水分が衣に移行するのを抑制できるため、長期間冷凍保存しても、電子レンジで加熱調理した際に衣が揚げたてのようなサクサク感を示すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明においてフライ食品とは、衣を付けて油ちょうした食品のことであり、例えば、フライ類、フリッター等のことをいう。また、冷凍フライ食品とはこれらフライ食品を凍結処理したものをいう。
本発明においてフライ類とは、中種に小麦粉をまぶし、溶き卵に浸し、パン粉を付けて油ちょうしたもの、あるいはバッター液に浸漬させ、パン粉を付けて油ちょうしたものであり、例えば、ポテトコロッケ、カレーコロッケ、カニクリームコロッケ、コーンクリームコロッケ等のコロッケ;チーズフライ;エビ、帆立、鰺、カキ、鰯、烏賊、白身魚、鮭等の魚介類のフライ;鶏肉、ハム、挽肉、牛肉、豚肉、コーンビーフ、ソーセージ等の肉類のフライ;じゃがいも、かぼちゃ、玉葱、なす、しいたけ、グリーンアスパラ、れんこん、ブロッコリー、カリフラワー、オクラ等の野菜類のフライの他、とんかつ、メンチカツ等を挙げることができる。
本発明においてフリッターとは、卵黄、水または牛乳、サラダ油、塩を合わせたものにサラダ油を加え、泡立てた卵白を混ぜた衣、あるいは工業的に製造する場合には、前記卵白の代わりにベーキングパウダーや重曹を加えた衣を、上記のコロッケ以外の中種に付けて油ちょうしたものである。
【0009】
本発明のフライ食品の製造方法は、(1)澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすること、または(2)中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするものである。
【0010】
最初に、上記(1)の方法から説明する。
(1)の方法では、先ず澱粉の水溶液を調製する。澱粉の水溶液は、水に澱粉を添加混合し、加熱して澱粉をα化させ完全に溶解させる。
澱粉としては、天然澱粉、化工澱粉及びα化澱粉のいずれも用いることができる。
天然澱粉としては、コーン、ポテト、ワキシーコーン、タピオカ、米等由来の澱粉を例示することができる。天然澱粉の場合は、水に対する添加量を1〜10重量%とすることが好ましい。天然澱粉の添加量が1重量%未満では、澱粉の皮膜を形成させたときに、中種の水分移行を抑制するのに充分な効果が得られず、10重量%を超えると、澱粉の水溶液を加熱した際に粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
化工澱粉としては、コーン、ポテト、ワキシーコーン、タピオカ、米等を原料とし、酸処理した酸処理澱粉、エーテル化処理したエーテル化澱粉、エステル化処理したエステル化澱粉またはリン酸架橋処理したリン酸架橋澱粉等を例示することができる。化工澱粉の場合は、水に対する添加量を1〜20重量%とすることが好ましい。化工澱粉の添加量が1重量%未満では、澱粉の皮膜を形成させたときに、中種の水分移行を抑制するのに充分な効果が得られず、20重量%を超えると、澱粉の水溶液を加熱した際に、粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
なお、天然澱粉及び化工澱粉は水には溶解しないので、加熱して澱粉をα化させ溶解させる必要がある。
α化澱粉としては、コーン、ポテト、ワキシーコーン、タピオカ、米等由来の澱粉を予め加熱処理してα化させた澱粉を例示することができる。α化澱粉は、水に溶解するので、水への添加量を、0.5〜5重量%とすることができる。α化澱粉の添加量が0.5重量%未満では、澱粉の皮膜を形成させたときに、中種の水分移行を抑制するのに充分な効果が得られず、5重量%を超えると、澱粉の水溶液の粘度が高くなりすぎるため好ましくない。
【0011】
このようにして調製した澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、オーブンで加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させる。オーブンの加熱温度は80〜250℃とすることが好ましい。さらにこれを油ちょうすることにより、皮膜の水分がさらに脱水されてより強固な皮膜を形成させることができる。
次に、表面に乾燥した澱粉の皮膜が形成された中種に衣を付けて油ちょうする。油ちょうの温度は、約150〜200℃とすることが好ましい。なお、衣とは、通常使用されるものであればよく、例えば、得られた澱粉の皮膜が形成された中種に小麦粉をまぶし、溶き卵に浸し、パン粉を付けることにより、衣を付けることができる。または、得られた澱粉の皮膜が形成された中種をバッター液に浸漬した後、パン粉を付けることにより、衣を付けることができる。バッター液とは、小麦粉等の穀粉または澱粉と油脂及び/または水を主成分とし、さらにその他の材料を含有する流動性を有するものである。フリッターの場合は、該中種に卵黄、水または牛乳、サラダ油及び塩を合わせたものにサラダ油を加え、泡立てた卵白を混ぜることにより衣を付けることができる。または、前記卵白の代わりに、ベーキングパウダーや重曹を加えた衣を付けることができる。
【0012】
次に、上記(2)の方法を説明する。
上記(2)の方法では、澱粉をそのまま中種の表面全体にまぶし、その後、スチーマー、蒸し器、せいろ等を用いて蒸煮加熱後、オーブンで加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させる。この蒸煮加熱の際の温度は、80〜100℃とすることが好ましく、オーブンによる加熱は、80〜250℃とすることが好ましい。なお、澱粉は、上記(1)の方法と同様のものを用いることができる。さらにこれを油ちょうすることより、皮膜の水分がさらに脱水されてより強固な皮膜を形成させることができる。
次に、表面に乾燥した澱粉の皮膜が形成された中種に衣を付けて油ちょうする。油ちょうの温度は、150〜200℃とすることが好ましい。この衣を付けて油ちょうする方法は、上記(1)の場合と同じように行えばよい。
さらに、このようにして得られた本発明のフライ食品を、常法に従い−10℃以下で急速凍結することにより、冷凍フライ食品を得ることができる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明を具体的に説明する。実施例、比較例及び試験例中の「部」はすべて「重量部」を表すものとする。
(実施例1:フライ食品の製造)
中種の調製:じゃがいもを蒸煮加熱し、マッシャーで潰してマッシュポテトとした。このマッシュポテト25部に、バター2部、コーン24部、タマネギ24部、豚挽き肉24部、食塩0.2部、胡椒0.02部及びコンソメ0.8部を加えて十分に炒めた後、室温に放置し、冷めてから1個50gの小判型に成形して中種を調製した。
本発明品1の調製:水98部に、ポテト澱粉(ホクレン社製)2部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に上記の中種を浸漬した後、200℃のオーブンで15分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中に、表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5分間油ちょうして本発明品1を調製した。
【0014】
(実施例2:フライ食品の製造)
本発明品2の調製:コーンスターチ(日本食品化工社製)を実施例1で調製した中種にまぶし、スチーマーを用いて、100℃で蒸煮加熱を5分間行った後、200℃のオーブンで15分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中に、表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5分間油ちょうして本発明品2を調製した。
【0015】
(実施例3:フライ食品の製造)
本発明品3の調製:水99部に、ポテトα化澱粉(アミコールHF:日澱化学社製)1部を加え、撹拌して澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に実施例1で調製した中種を浸漬した後、200℃のオーブンで15分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中に、表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で2分間油ちょうして本発明品3を調製した。
【0016】
(比較例1:フライ食品の製造)
比較品1の調製:バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解し、実施例1で調製した中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5分間油ちょうして比較品1を調製した。
【0017】
(比較例2:フライ食品の製造)
比較品2の調製:水98部に、ポテト澱粉(ホクレン社製)2部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に実施例1で調製した中種を浸漬した後、100℃で10分間、蒸煮加熱を行った。次いで、バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中に、この中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5分間油ちょうして比較品2を調製した。
このようにして得られた本発明品1〜3及び比較品1〜2を−20℃で急速凍結した。
【0018】
(試験例1)
−20℃に凍結した本発明品1〜3及び比較品1〜2を−20℃で6カ月間保存し、保存テストを行った。この保存テストでは、1日2回、0℃以上に昇温させて、デフロスト作用による影響を調べた。
凍結直後、3カ月保存後及び6ヵ月保存後のものを、それぞれ電子レンジで加熱調理し、衣の破断変位を測定し、また、官能評価にて衣のサクサク性を評価した。
なお、加熱調理は凍結したそれぞれのフライ食品2個を500Wの電子レンジにて1分間加熱することにより行った。
破断変位の測定は、レオナーRE−33005(山電社製)を用い、プランジャー直径;8mm、テーブルスピード;1mm/sec.の条件で、突き刺し試験を行い、衣の破断点までの距離(mm)を測定した。
なお、衣が破断するまでの距離が短いほど、衣に弾性がなく、サクサク感を有することを意味する。衣に中種の水分が移行すると、衣の弾性が強くなり、破断するまでの距離が長くなる。
結果を表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0004077583
【0020】
本発明品1〜3及び比較品1〜2を25名の熟練パネラーに食してもらい、衣のサクサク感について、以下に示す基準で官能評価を行なった。
官能評価点は、5点:大変良い、4点:良い、3点:どちらとも言えない、2点:悪い、1点:大変悪いとし、その平均点で示した。(なお、小数点第2位を四捨五入した。)
結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
Figure 0004077583
【0022】
表1及び表2に示される結果から明らかなように、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、衣を付けて油ちょうした本発明品1〜3は、凍結直後、3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値が小さく、官能評価でも衣がサクサク感を有しているという良好な結果を得た。
一方、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させずに衣を付けて油ちょうした比較品1〜2は、凍結直後において、破断変位の値が小さく、官能評価でも衣がサクサク感を有しているという良好な結果を得たが、3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値が大きく、官能評価でも衣がサクサク感を有するものではなかった。
【0023】
(実施例4:フリッターの製造)
中種の調製:縦1cm、横2cm、長さ5cmの拍子切りにしたジャガイモを蒸煮加熱し、中種とした。
本発明品4の調製:水97部に、ポテト澱粉(ホクレン社製)3部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に上記の中種を浸漬した後、200℃のオーブンで20分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、小麦粉(日清製粉社製)39部、ポテト澱粉(ホクレン社製)9部、ベーキングパウダー(愛国産業社製)1部、食塩0.5部、砂糖0.5部、キサンタンガム(三栄源FFI社製)0.1部、水49.9部を混合し、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて500rpmで5分間ミキシングし、フリッター衣溶液を調製し、このフリッター衣溶液の中に、表面を乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬した後、200℃に熱した油で2分間油ちょうして本発明品4を調製した。
【0024】
(比較例3:フリッターの製造)
比較品3の調製:水97部に、ポテト澱粉(ホクレン社製)3部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に実施例4で調製した中種を浸漬した。次いで、実施例4と同様のフリッター衣溶液の中に、澱粉液を付着させた中種を浸漬した後、200℃に熱した油で2分間油ちょうして比較品3を調製した。
このようにして得られた本発明品4及び比較品3を−20℃に急速凍結した。
【0025】
(試験例2)
−20℃に凍結した本発明品4及び比較品3を−20℃で6ケ月間保存し、保存テストを行なった。この保存テストでは、1日2回、0℃以上に昇温させて、デフロスト作用による影響を調べた。
凍結直後、3カ月保存後及び6カ月保存後のものを、それぞれ電子レンジで加熱調理し、衣の破断変位を測定し、また、官能評価にて衣のサクサク性を評価した。
なお、加熱調理は凍結したそれぞれのフライ食品50gを500Wの電子レンジで1分20秒間加熱することにより行なった。
破断変位の測定は、レオナーRE−33005(山電社製)を用い、プランジャー直径;8mm、デーブルスピード;1mm/sec.の条件で、突き刺し試験を行い、衣の破断点までの距離(mm)を測定した。
結果を表3に示す。
【0026】
【表3】
Figure 0004077583
【0027】
本発明品4及び比較品3を25名の熟練パネラーに食してもらい、衣のサクサク感について、以下に示す基準で官能評価を行なった。
官能評価点は、5点:大変良い、4点:良い、3点:どちらとも言えない、2点:悪い、1点:大変悪いとし、その平均点で示した。(なお、小数点第2位を四捨五入した。)
結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
Figure 0004077583
【0029】
表3及び表4に示される結果から明らかなように、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、衣を付けて油ちょうした本発明品4は、凍結直後、3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値が小さく、官能評価でも衣がサクサク感を有しているという良好な結果を得た。
一方、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させずに衣を付けて油ちょうした比較品3は、凍結直後において、破断変位の値が小さく、官能評価でも衣がサクサク感を有しているという良好な結果を得たが、3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値が大きく、官能評価でも衣がサクサク感を有するものではなかった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、長期間(6カ月間)冷凍保存後に電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げたてのようなサクサク感を有するフライ食品及びその製造方法が提供される。

Claims (4)

  1. 澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とする製造方法、または
    中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とする製造方法
    により得られる、中種の表面に、乾燥した澱粉の皮膜を有することを特徴とするフライ食品。
  2. 澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするフライ食品の製造方法。
  3. 中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするフライ食品の製造方法。
  4. 請求項1記載のフライ食品を凍結処理して得られる冷凍フライ食品。
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