JP2001037426A - フライ食品及びその製造方法 - Google Patents

フライ食品及びその製造方法

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JP2001037426A
JP2001037426A JP11211820A JP21182099A JP2001037426A JP 2001037426 A JP2001037426 A JP 2001037426A JP 11211820 A JP11211820 A JP 11211820A JP 21182099 A JP21182099 A JP 21182099A JP 2001037426 A JP2001037426 A JP 2001037426A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間冷凍保存後に電子レンジで加熱調理し
ても、衣が揚げたてのようなサクサク感を有するフライ
食品及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 フライ食品の中種の表面に、乾燥した澱
粉の皮膜を形成させる。澱粉を水に分散させて加熱した
澱粉の水溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の
表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで、衣を付
けて油ちょうしてフライ食品を製造する。あるいは、中
種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、乾燥させて、中種
の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで、衣を
付けて油ちょうしてフライ食品を製造する。前記フライ
食品を凍結処理して冷凍フライ食品とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライ食品及びそ
の製造方法に関する。本発明のフライ食品は、長期間冷
凍保存した後、電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げ
たてのサクサク感を有するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フライとは、食品を油ちょうす
ること、あるいは油ちょうして得られる食品のことをい
う。食品を加工せずにそのままの形で油ちょうする場合
は、小麦粉やパン粉等の揚げ衣を付けたり、揚げ衣を付
けないで油ちょうすることもできる。一方で、コロッケ
等、食品を加工して成形したものでは、素材間の結着性
が弱く、油ちょう中に油が素材の中に浸透して、成形食
品が崩壊することがあるので、これを防止するために揚
げ衣を付けて油ちょうするのが一般的である。また、近
年の冷凍食品市場の拡大、主婦の有職化、家庭の個食化
等により、予め油ちょうした冷凍食品の利用が盛んであ
る。中でも、クリームコロッケ、ポテトコロッケ、カ
ツ、エビフライ等のように、小麦粉やパン粉等の衣を付
けて油ちょうしたフライ食品は、衣のサクサク感が好ま
れている。フライ食品は、油ちょうした直後は、衣がサ
クサクとして、いわゆるクリスピー性を有している。し
かし、フライ食品を冷凍食品とする場合は、油ちょう後
に凍結処理をして凍結状態で長期間保存されるため、保
存中に中種の水分が衣に移行し、電子レンジで加熱調理
しても、衣のサクサク感を再現できないといった問題点
があった。
【0003】特開平11−123055号公報には、精
製澱粉の水分散液を加熱し、糊化液状の衣液を作り、予
め加熱処理したテンプラ具材に前記衣液を付け、蒸気熱
により蒸して、テンプラの具材の表面に第一の衣を形成
する工程と、前記第一の衣の表面に、小麦粉を主体とす
るテンプラ粉を含む衣液を付け、油ちょうして第二の衣
を形成する工程と、急速凍結する工程とを経て得られる
冷凍テンプラ及びその製造方法が開示されている。この
公報に記載の製造方法により得られる冷凍テンプラは、
電子レンジで加熱調理した際に、揚げたてのテンプラ特
有の外側のサクサクとした軽い食感と、内側の弾力のあ
る食感を有し、長期間保存した後もその食感が失われな
いことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載の発明において、テンプラの衣がサクサクとし
た軽い食感を呈するのは、衣液に水と水より沸点の低い
液体を加えるためであり、長期間の冷凍保存による中種
の水分の衣への移行を十分に抑制することができない。
このような現状において、長期間冷凍保存後に電子レン
ジで加熱調理しても、衣が揚げたてのサクサク感を有す
るフライ食品が求められているが、そのような冷凍フラ
イ食品は提供されていない。そこで、本発明は、長期間
冷凍保存後に電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げた
てのようなサクサク感を有するフライ食品及びその製造
方法を提供することを課題とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】本発明者らは上述した課
題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、(1)中種を澱粉の
水溶液に浸漬した後、好ましくは80〜250℃の温度
で加熱、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜
を形成させ、次いで、衣を付けて、好ましくは150〜
200℃の温度で油ちょうすること、または(2)中種
の表面に澱粉をまぶした後、好ましくは80〜100℃
で蒸煮加熱し、好ましくは80〜250℃で加熱、乾燥
して、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次
いで、衣を付けて、好ましくは150〜200℃で油ち
ょうすることにより、凍結処理した後、長期間冷凍保存
しても、電子レンジで加熱調理した際に、衣が揚げたて
のようなサクサク感を有するフライ食品が得られること
を見出し、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、中種の表面に、乾燥
した澱粉の皮膜を有することを特徴とするフライ食品で
ある。本発明はまた、澱粉を水に分散させて加熱した澱
粉の水溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の表
面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて
油ちょうすることを特徴とするフライ食品の製造方法で
ある。本発明はまた、中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱し
た後、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を
形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴と
するフライ食品の製造方法である。本発明はまた、前記
フライ食品を凍結処理して得られる冷凍フライ食品であ
る。
【0007】なお、本発明では、上記(1)において、
澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の溶液に中種を浸漬
した後、好ましくは80〜250℃で加熱し、乾燥させ
ることにより、または上記(2)において、中種の表面
に澱粉をまぶした後、好ましくは80〜100℃で蒸煮
加熱し、好ましくは80〜250℃で加熱し、乾燥させ
ることにより、澱粉の澱粉粒が膨潤して崩壊し、澱粉粒
の細胞膜が破裂してゲル状物質が溶出し、中種の表面に
糊状の膜が形成され、これを乾燥して固化させることに
より、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜が形成される。
この乾燥した皮膜によって、冷凍保存中に中種の水分が
衣に移行するのを抑制できるため、長期間冷凍保存して
も、電子レンジで加熱調理した際に衣が揚げたてのよう
なサクサク感を示すものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明においてフライ食品とは、衣を付けて油ちょうし
た食品のことであり、例えば、フライ類、フリッター等
のことをいう。また、冷凍フライ食品とはこれらフライ
食品を凍結処理したものをいう。本発明においてフライ
類とは、中種に小麦粉をまぶし、溶き卵に浸し、パン粉
を付けて油ちょうしたもの、あるいはバッター液に浸漬
させ、パン粉を付けて油ちょうしたものであり、例え
ば、ポテトコロッケ、カレーコロッケ、カニクリームコ
ロッケ、コーンクリームコロッケ等のコロッケ;チーズ
フライ;エビ、帆立、鰺、カキ、鰯、烏賊、白身魚、鮭
等の魚介類のフライ;鶏肉、ハム、挽肉、牛肉、豚肉、
コーンビーフ、ソーセージ等の肉類のフライ;じゃがい
も、かぼちゃ、玉葱、なす、しいたけ、グリーンアスパ
ラ、れんこん、ブロッコリー、カリフラワー、オクラ等
の野菜類のフライの他、とんかつ、メンチカツ等を挙げ
ることができる。本発明においてフリッターとは、卵
黄、水または牛乳、サラダ油、塩を合わせたものにサラ
ダ油を加え、泡立てた卵白を混ぜた衣、あるいは工業的
に製造する場合には、前記卵白の代わりにベーキングパ
ウダーや重曹を加えた衣を、上記のコロッケ以外の中種
に付けて油ちょうしたものである。
【0009】本発明のフライ食品の製造方法は、(1)
澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水溶液に中種を浸
漬した後、加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した
澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうする
こと、または(2)中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した
後、加熱し、乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の
皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょうすることを
特徴とするものである。
【0010】最初に、上記(1)の方法から説明する。
(1)の方法では、先ず澱粉の水溶液を調製する。澱粉
の水溶液は、水に澱粉を添加混合し、加熱して澱粉をα
化させ完全に溶解させる。澱粉としては、天然澱粉、化
工澱粉及びα化澱粉のいずれも用いることができる。天
然澱粉としては、コーン、ポテト、ワキシーコーン、タ
ピオカ、米等由来の澱粉を例示することができる。天然
澱粉の場合は、水に対する添加量を1〜10重量%とす
ることが好ましい。天然澱粉の添加量が1重量%未満で
は、澱粉の皮膜を形成させたときに、中種の水分移行を
抑制するのに充分な効果が得られず、10重量%を超え
ると、澱粉の水溶液を加熱した際に粘度が高くなりすぎ
るため好ましくない。化工澱粉としては、コーン、ポテ
ト、ワキシーコーン、タピオカ、米等を原料とし、酸処
理した酸処理澱粉、エーテル化処理したエーテル化澱
粉、エステル化処理したエステル化澱粉またはリン酸架
橋処理したリン酸架橋澱粉等を例示することができる。
化工澱粉の場合は、水に対する添加量を1〜20重量%
とすることが好ましい。化工澱粉の添加量が1重量%未
満では、澱粉の皮膜を形成させたときに、中種の水分移
行を抑制するのに充分な効果が得られず、20重量%を
超えると、澱粉の水溶液を加熱した際に、粘度が高くな
りすぎるため好ましくない。なお、天然澱粉及び化工澱
粉は水には溶解しないので、加熱して澱粉をα化させ溶
解させる必要がある。α化澱粉としては、コーン、ポテ
ト、ワキシーコーン、タピオカ、米等由来の澱粉を予め
加熱処理してα化させた澱粉を例示することができる。
α化澱粉は、水に溶解するので、水への添加量を、0.
5〜5重量%とすることができる。α化澱粉の添加量が
0.5重量%未満では、澱粉の皮膜を形成させたとき
に、中種の水分移行を抑制するのに充分な効果が得られ
ず、5重量%を超えると、澱粉の水溶液の粘度が高くな
りすぎるため好ましくない。
【0011】このようにして調製した澱粉の水溶液に中
種を浸漬した後、オーブンで加熱し、乾燥させて、中種
の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させる。オーブンの
加熱温度は80〜250℃とすることが好ましい。さら
にこれを油ちょうすることにより、皮膜の水分がさらに
脱水されてより強固な皮膜を形成させることができる。
次に、表面に乾燥した澱粉の皮膜が形成された中種に衣
を付けて油ちょうする。油ちょうの温度は、約150〜
200℃とすることが好ましい。なお、衣とは、通常使
用されるものであればよく、例えば、得られた澱粉の皮
膜が形成された中種に小麦粉をまぶし、溶き卵に浸し、
パン粉を付けることにより、衣を付けることができる。
または、得られた澱粉の皮膜が形成された中種をバッタ
ー液に浸漬した後、パン粉を付けることにより、衣を付
けることができる。バッター液とは、小麦粉等の穀粉ま
たは澱粉と油脂及び/または水を主成分とし、さらにそ
の他の材料を含有する流動性を有するものである。フリ
ッターの場合は、該中種に卵黄、水または牛乳、サラダ
油及び塩を合わせたものにサラダ油を加え、泡立てた卵
白を混ぜることにより衣を付けることができる。また
は、前記卵白の代わりに、ベーキングパウダーや重曹を
加えた衣を付けることができる。
【0012】次に、上記(2)の方法を説明する。上記
(2)の方法では、澱粉をそのまま中種の表面全体にま
ぶし、その後、スチーマー、蒸し器、せいろ等を用いて
蒸煮加熱後、オーブンで加熱し、乾燥させて、中種の表
面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させる。この蒸煮加熱の
際の温度は、80〜100℃とすることが好ましく、オ
ーブンによる加熱は、80〜250℃とすることが好ま
しい。なお、澱粉は、上記(1)の方法と同様のものを
用いることができる。さらにこれを油ちょうすることよ
り、皮膜の水分がさらに脱水されてより強固な皮膜を形
成させることができる。次に、表面に乾燥した澱粉の皮
膜が形成された中種に衣を付けて油ちょうする。油ちょ
うの温度は、150〜200℃とすることが好ましい。
この衣を付けて油ちょうする方法は、上記(1)の場合
と同じように行えばよい。さらに、このようにして得ら
れた本発明のフライ食品を、常法に従い−10℃以下で
急速凍結することにより、冷凍フライ食品を得ることが
できる。
【0013】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を具体的に説明
する。実施例、比較例及び試験例中の「部」はすべて
「重量部」を表すものとする。 (実施例1:フライ食品の製造) 中種の調製:じゃがいもを蒸煮加熱し、マッシャーで潰
してマッシュポテトとした。このマッシュポテト25部
に、バター2部、コーン24部、タマネギ24部、豚挽
き肉24部、食塩0.2部、胡椒0.02部及びコンソ
メ0.8部を加えて十分に炒めた後、室温に放置し、冷
めてから1個50gの小判型に成形して中種を調製し
た。 本発明品1の調製:水98部に、ポテト澱粉(ホクレン
社製)2部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱
粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水
溶液に上記の中種を浸漬した後、200℃のオーブンで
15分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥
した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、バッター粉(T
43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中
に、表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬
した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5
分間油ちょうして本発明品1を調製した。
【0014】(実施例2:フライ食品の製造) 本発明品2の調製:コーンスターチ(日本食品化工社
製)を実施例1で調製した中種にまぶし、スチーマーを
用いて、100℃で蒸煮加熱を5分間行った後、200
℃のオーブンで15分間加熱し、表面を乾燥させて、中
種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、
バッター粉(T43:昭和産業社製)を所定量の水に溶
解したものの中に、表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成さ
せた中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃に熱
した油で1.5分間油ちょうして本発明品2を調製し
た。
【0015】(実施例3:フライ食品の製造) 本発明品3の調製:水99部に、ポテトα化澱粉(アミ
コールHF:日澱化学社製)1部を加え、撹拌して澱粉
の水溶液を調製した。この澱粉の水溶液に実施例1で調
製した中種を浸漬した後、200℃のオーブンで15分
間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱
粉の皮膜を形成させた。次いで、バッター粉(T43:
昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中に、表
面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させた中種を浸漬した
後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で2分間油ち
ょうして本発明品3を調製した。
【0016】(比較例1:フライ食品の製造) 比較品1の調製:バッター粉(T43:昭和産業社製)
を所定量の水に溶解し、実施例1で調製した中種を浸漬
した後、パン粉をまぶし、200℃に熱した油で1.5
分間油ちょうして比較品1を調製した。
【0017】(比較例2:フライ食品の製造) 比較品2の調製:水98部に、ポテト澱粉(ホクレン社
製)2部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉
をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶
液に実施例1で調製した中種を浸漬した後、100℃で
10分間、蒸煮加熱を行った。次いで、バッター粉(T
43:昭和産業社製)を所定量の水に溶解したものの中
に、この中種を浸漬した後、パン粉をまぶし、200℃
に熱した油で1.5分間油ちょうして比較品2を調製し
た。このようにして得られた本発明品1〜3及び比較品
1〜2を−20℃で急速凍結した。
【0018】(試験例1)−20℃に凍結した本発明品
1〜3及び比較品1〜2を−20℃で6カ月間保存し、
保存テストを行った。この保存テストでは、1日2回、
0℃以上に昇温させて、デフロスト作用による影響を調
べた。凍結直後、3カ月保存後及び6ヵ月保存後のもの
を、それぞれ電子レンジで加熱調理し、衣の破断変位を
測定し、また、官能評価にて衣のサクサク性を評価し
た。なお、加熱調理は凍結したそれぞれのフライ食品2
個を500Wの電子レンジにて1分間加熱することによ
り行った。破断変位の測定は、レオナーRE−3300
5(山電社製)を用い、プランジャー直径;8mm、テ
ーブルスピード;1mm/sec.の条件で、突き刺し
試験を行い、衣の破断点までの距離(mm)を測定し
た。なお、衣が破断するまでの距離が短いほど、衣に弾
性がなく、サクサク感を有することを意味する。衣に中
種の水分が移行すると、衣の弾性が強くなり、破断する
までの距離が長くなる。結果を表1に示す。
【0019】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 破 断 変 位(mm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 凍結直後 3カ月保存後 6カ月保存後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本発明品1 1.8 2.0 2.3 本発明品2 1.7 2.1 2.5 本発明品3 1.9 2.2 2.5 比較品1 1.9 2.6 4.3 比較品2 1.8 2.6 4.7 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0020】本発明品1〜3及び比較品1〜2を25名
の熟練パネラーに食してもらい、衣のサクサク感につい
て、以下に示す基準で官能評価を行なった。官能評価点
は、5点:大変良い、4点:良い、3点:どちらとも言
えない、2点:悪い、1点:大変悪いとし、その平均点
で示した。(なお、小数点第2位を四捨五入した。) 結果を表2に示す。
【0021】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 官 能 評 価 点 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 凍結直後 3カ月保存後 6カ月保存後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本発明品1 4.5 4.2 4.0 本発明品2 4.3 4.2 4.0 本発明品3 4.2 4.1 3.9 比較例1 4.2 3.1 2.2 比較例2 4.3 3.2 2.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0022】表1及び表2に示される結果から明らかな
ように、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、
衣を付けて油ちょうした本発明品1〜3は、凍結直後、
3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値
が小さく、官能評価でも衣がサクサク感を有していると
いう良好な結果を得た。一方、中種の表面に乾燥した澱
粉の皮膜を形成させずに衣を付けて油ちょうした比較品
1〜2は、凍結直後において、破断変位の値が小さく、
官能評価でも衣がサクサク感を有しているという良好な
結果を得たが、3カ月保存後及び6カ月保存後におい
て、破断変位の値が大きく、官能評価でも衣がサクサク
感を有するものではなかった。
【0023】(実施例4:フリッターの製造) 中種の調製:縦1cm、横2cm、長さ5cmの拍子切
りにしたジャガイモを蒸煮加熱し、中種とした。 本発明品4の調製:水97部に、ポテト澱粉(ホクレン
社製)3部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱
粉をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水
溶液に上記の中種を浸漬した後、200℃のオーブンで
20分間加熱し、表面を乾燥させて、中種の表面に乾燥
した澱粉の皮膜を形成させた。次いで、小麦粉(日清製
粉社製)39部、ポテト澱粉(ホクレン社製)9部、ベ
ーキングパウダー(愛国産業社製)1部、食塩0.5
部、砂糖0.5部、キサンタンガム(三栄源FFI社
製)0.1部、水49.9部を混合し、TKホモミキサー
(特殊機化工業社製)を用いて500rpmで5分間ミ
キシングし、フリッター衣溶液を調製し、このフリッタ
ー衣溶液の中に、表面を乾燥した澱粉の皮膜を形成させ
た中種を浸漬した後、200℃に熱した油で2分間油ち
ょうして本発明品4を調製した。
【0024】(比較例3:フリッターの製造) 比較品3の調製:水97部に、ポテト澱粉(ホクレン社
製)3部を加え、撹拌しながら80℃まで加熱して澱粉
をα化させ、澱粉の水溶液を調製した。この澱粉の水溶
液に実施例4で調製した中種を浸漬した。次いで、実施
例4と同様のフリッター衣溶液の中に、澱粉液を付着さ
せた中種を浸漬した後、200℃に熱した油で2分間油
ちょうして比較品3を調製した。このようにして得られ
た本発明品4及び比較品3を−20℃に急速凍結した。
【0025】(試験例2)−20℃に凍結した本発明品
4及び比較品3を−20℃で6ケ月間保存し、保存テス
トを行なった。この保存テストでは、1日2回、0℃以
上に昇温させて、デフロスト作用による影響を調べた。
凍結直後、3カ月保存後及び6カ月保存後のものを、そ
れぞれ電子レンジで加熱調理し、衣の破断変位を測定
し、また、官能評価にて衣のサクサク性を評価した。な
お、加熱調理は凍結したそれぞれのフライ食品50gを
500Wの電子レンジで1分20秒間加熱することによ
り行なった。破断変位の測定は、レオナーRE−330
05(山電社製)を用い、プランジャー直径;8mm、
デーブルスピード;1mm/sec.の条件で、突き刺
し試験を行い、衣の破断点までの距離(mm)を測定し
た。結果を表3に示す。
【0026】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 破 断 変 位(mm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 凍結直後 3カ月保存後 6カ月保存後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本発明品4 2.2 3.0 3.6 比較品3 2.8 6.3 6.0 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0027】本発明品4及び比較品3を25名の熟練パ
ネラーに食してもらい、衣のサクサク感について、以下
に示す基準で官能評価を行なった。官能評価点は、5
点:大変良い、4点:良い、3点:どちらとも言えな
い、2点:悪い、1点:大変悪いとし、その平均点で示
した。(なお、小数点第2位を四捨五入した。) 結果を表4に示す。
【0028】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 官 能 評 価 点 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 凍結直後 3カ月保存後 6カ月保存後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 本発明品4 4.5 4.2 3.6 比較例3 4.1 2.6 1.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0029】表3及び表4に示される結果から明らかな
ように、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成させ、
衣を付けて油ちょうした本発明品4は、凍結直後、3カ
月保存後及び6カ月保存後において、破断変位の値が小
さく、官能評価でも衣がサクサク感を有しているという
良好な結果を得た。一方、中種の表面に乾燥した澱粉の
皮膜を形成させずに衣を付けて油ちょうした比較品3
は、凍結直後において、破断変位の値が小さく、官能評
価でも衣がサクサク感を有しているという良好な結果を
得たが、3カ月保存後及び6カ月保存後において、破断
変位の値が大きく、官能評価でも衣がサクサク感を有す
るものではなかった。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、長期間(6カ月間)冷
凍保存後に電子レンジで加熱調理しても、衣が揚げたて
のようなサクサク感を有するフライ食品及びその製造方
法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B025 LB06 LE03 LG28 LP01 LP03 LP12 LP13 LP15 4B035 LC03 LC05 LE17 LE18 LG21 LP03 LP07 LP24 LP26 LP27 LP43

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中種の表面に、乾燥した澱粉の皮膜を有
    することを特徴とするフライ食品。
  2. 【請求項2】 澱粉を水に分散させて加熱した澱粉の水
    溶液に中種を浸漬した後、乾燥させて、中種の表面に乾
    燥した澱粉の皮膜を形成させ、次いで衣を付けて油ちょ
    うすることを特徴とするフライ食品の製造方法。
  3. 【請求項3】 中種に澱粉をまぶし、蒸煮加熱した後、
    乾燥させて、中種の表面に乾燥した澱粉の皮膜を形成さ
    せ、次いで衣を付けて油ちょうすることを特徴とするフ
    ライ食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のフライ食品を凍結処理し
    て得られる冷凍フライ食品。
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