JPH07320624A - 回路遮断器の消弧装置 - Google Patents
回路遮断器の消弧装置Info
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- JPH07320624A JPH07320624A JP6133662A JP13366294A JPH07320624A JP H07320624 A JPH07320624 A JP H07320624A JP 6133662 A JP6133662 A JP 6133662A JP 13366294 A JP13366294 A JP 13366294A JP H07320624 A JPH07320624 A JP H07320624A
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- H01H9/302—Means for extinguishing or preventing arc between current-carrying parts wherein arc-extinguishing gas is evolved from stationary parts
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Abstract
(57)【要約】
【目的】消弧装置の構造を簡単にするとともに、アーク
による損傷を受けにくくする。 【構成】水平断面がコ字形の消弧コア１４とこれから水
平に延びる基板１５とからなる磁性体１３を基板１５を
介して固定接触子６のＵ字状の折り返し部６ａに固定し
て消弧装置を構成する。基板１５にはアークに対する磁
気駆動力を高める磁気駆動コア１６及びアークを消弧コ
ア１４に導くアークホーン９を一体形成することができ
る。磁性板を複数枚積み重ねるディアイオン形消弧装置
に比べて構造が簡単で製作が容易であり、また消弧コア
１４はアークと接触することが少ないので損傷を受けに
くい。
による損傷を受けにくくする。 【構成】水平断面がコ字形の消弧コア１４とこれから水
平に延びる基板１５とからなる磁性体１３を基板１５を
介して固定接触子６のＵ字状の折り返し部６ａに固定し
て消弧装置を構成する。基板１５にはアークに対する磁
気駆動力を高める磁気駆動コア１６及びアークを消弧コ
ア１４に導くアークホーン９を一体形成することができ
る。磁性板を複数枚積み重ねるディアイオン形消弧装置
に比べて構造が簡単で製作が容易であり、また消弧コア
１４はアークと接触することが少ないので損傷を受けに
くい。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、配線用遮断器や漏電
遮断器などの回路遮断器に関し、特に電磁反発形の回路
遮断器の消弧装置に関する。
遮断器などの回路遮断器に関し、特に電磁反発形の回路
遮断器の消弧装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種の回路遮断器の消弧装置として、
図６に示すいわゆるディアイオン形のものが知られてい
る。この消弧装置１は可動接触子２が通るＶ字形の切欠
を持つ磁性板３を適当な間隔で積み重ね、これらを絶縁
物の側壁４で支持したもので、磁性板３は側壁４に接着
やかしめ加工により固定されている。
図６に示すいわゆるディアイオン形のものが知られてい
る。この消弧装置１は可動接触子２が通るＶ字形の切欠
を持つ磁性板３を適当な間隔で積み重ね、これらを絶縁
物の側壁４で支持したもので、磁性板３は側壁４に接着
やかしめ加工により固定されている。
【０００３】図７は上記ディアイオン形消弧装置を備え
た回路遮断器の電源側半部を示す縦断面図で、電源側端
子５が一体形成された固定接触子６は可動接触子２に沿
うようにＵ字状に折り返され、この折り返し部６ａの先
端に可動接触子２の可動接点７と接触する固定接点８が
取り付けられている。また、固定接触子６には可動・固
定接点７，８間に発生したアークを消弧装置１に向かっ
て導くアークホーン９が取り付けられている。
た回路遮断器の電源側半部を示す縦断面図で、電源側端
子５が一体形成された固定接触子６は可動接触子２に沿
うようにＵ字状に折り返され、この折り返し部６ａの先
端に可動接触子２の可動接点７と接触する固定接点８が
取り付けられている。また、固定接触子６には可動・固
定接点７，８間に発生したアークを消弧装置１に向かっ
て導くアークホーン９が取り付けられている。
【０００４】よく知られる通り、固定接触子６の折り返
し部６ａとこれに平行な可動接触子２とをそれぞれ流れ
る電流の向きは矢印Ａで示すように互いに逆向きである
ため、これらの電流間には電磁反発力が作用し、短絡電
流などの大電流が流れると可動接触子２はこの電磁反発
力で撥ね上げられる。その結果、説明は省略するが可動
接触子２は限流機構１０に駆動されて開閉機構１１の作
動を待たずに図示鎖線位置まで急速開離する。また、そ
の際に可動・固定接点７，８間に発生したアーク１２は
折り返し部６ａを流れる電流の磁界により矢印Ｂ方向に
力を受け、消弧装置１の奥に向かって駆動される。この
アーク１２は消弧装置１内で引き伸ばされてアーク電圧
が高められ、電流は早期に遮断される。
し部６ａとこれに平行な可動接触子２とをそれぞれ流れ
る電流の向きは矢印Ａで示すように互いに逆向きである
ため、これらの電流間には電磁反発力が作用し、短絡電
流などの大電流が流れると可動接触子２はこの電磁反発
力で撥ね上げられる。その結果、説明は省略するが可動
接触子２は限流機構１０に駆動されて開閉機構１１の作
動を待たずに図示鎖線位置まで急速開離する。また、そ
の際に可動・固定接点７，８間に発生したアーク１２は
折り返し部６ａを流れる電流の磁界により矢印Ｂ方向に
力を受け、消弧装置１の奥に向かって駆動される。この
アーク１２は消弧装置１内で引き伸ばされてアーク電圧
が高められ、電流は早期に遮断される。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
消弧装置１は多数の磁性板３を側壁４に固定する作業が
煩雑でコストが高く、また大電流遮断の際にアーク熱に
より磁性板３の表面が溶融し、生じた金属微粒子が接点
表面に付着して異常温度上昇の原因となったり、開閉機
構に付着して正常な動作を妨げたりするという問題があ
る。
消弧装置１は多数の磁性板３を側壁４に固定する作業が
煩雑でコストが高く、また大電流遮断の際にアーク熱に
より磁性板３の表面が溶融し、生じた金属微粒子が接点
表面に付着して異常温度上昇の原因となったり、開閉機
構に付着して正常な動作を妨げたりするという問題があ
る。
【０００６】一方、図７に示したような電磁反発形の回
路遮断器において、固定接触子の折り返し部６ａにＵ字
形の磁気駆動鉄心を交叉させて取り付け、この折り返し
部を流れる電流の磁束を磁気駆動鉄心に集中させてアー
クに対する磁界の作用を高めた回路遮断器が特開平２−
１３２７１６号公報などにより知られている。その場
合、従来は磁気駆動鉄心は消弧装置とは別に固定接触子
に取り付けられ、構造を複雑にしている。
路遮断器において、固定接触子の折り返し部６ａにＵ字
形の磁気駆動鉄心を交叉させて取り付け、この折り返し
部を流れる電流の磁束を磁気駆動鉄心に集中させてアー
クに対する磁界の作用を高めた回路遮断器が特開平２−
１３２７１６号公報などにより知られている。その場
合、従来は磁気駆動鉄心は消弧装置とは別に固定接触子
に取り付けられ、構造を複雑にしている。
【０００７】この発明は、このような状況の下になされ
たもので、まず積み重ねられた磁性板を持たず、したが
って製作が容易でアーク熱による損傷の少ない回路遮断
器の消弧装置を提供することを目的とするものである。
また、この発明は、磁気駆動鉄心やアークホーンが消弧
装置と一体形成された構造簡単な回路遮断器の消弧装置
を提供することを目的とするものである。
たもので、まず積み重ねられた磁性板を持たず、したが
って製作が容易でアーク熱による損傷の少ない回路遮断
器の消弧装置を提供することを目的とするものである。
また、この発明は、磁気駆動鉄心やアークホーンが消弧
装置と一体形成された構造簡単な回路遮断器の消弧装置
を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、固定接触子が可動接触子に沿うように
Ｕ字状に折り返され、この折り返し部の先端に固定接点
が取り付けられた回路遮断器において、水平断面がコ字
形の消弧コアと、この消弧コアの背面壁と直交して水平
に延びる基板とからなる磁性体を前記基板を介して固定
接触子の折り返し部の下面に結合して消弧装置を構成す
るものである。上記磁性体には基板の両側をＵ字形に立
ち上げて磁気駆動コアを一体形成し、更に基板の一部を
斜め上方に切り曲げてアークホーンを一体形成すること
により、消弧コア、磁気駆動コア及びアークホーンを一
体的に構成することができる。
に、この発明は、固定接触子が可動接触子に沿うように
Ｕ字状に折り返され、この折り返し部の先端に固定接点
が取り付けられた回路遮断器において、水平断面がコ字
形の消弧コアと、この消弧コアの背面壁と直交して水平
に延びる基板とからなる磁性体を前記基板を介して固定
接触子の折り返し部の下面に結合して消弧装置を構成す
るものである。上記磁性体には基板の両側をＵ字形に立
ち上げて磁気駆動コアを一体形成し、更に基板の一部を
斜め上方に切り曲げてアークホーンを一体形成すること
により、消弧コア、磁気駆動コア及びアークホーンを一
体的に構成することができる。
【０００９】
【作用】この発明においては、水平断面がコ字形の消弧
コアにより消弧装置を形成し、これを消弧コアの背面壁
と直交して水平に延びる基板を介して固定接触子の折り
返し部の下面に結合する。固定接触子の折り返し部を流
れる電流の磁界により消弧コアに向かって駆動されたア
ークは消弧コアのコ字形磁路を通るアーク自体の磁束に
より消弧コア内に伸長された状態で閉じ込められ、かつ
その壁面で冷却されることによりアーク電圧が高められ
て早期に消弧される。この磁性体は磁性板の積み重ねが
ないのでプレス成形のみで容易に製作され、またアーク
が磁性板と直交する従来のディアイオン形消弧装置と比
べると、コ字形の消弧コアは形状的にアークとの接触が
少ないのでアーク熱による溶融も少ない。消弧コアを形
成した磁性体には磁気駆動コア及びアークホーンを同時
に形成して磁気駆動力を大幅に高めることが可能であ
り、その場合にも全体が一体的に形成されるので構造が
きわめて簡素となる。
コアにより消弧装置を形成し、これを消弧コアの背面壁
と直交して水平に延びる基板を介して固定接触子の折り
返し部の下面に結合する。固定接触子の折り返し部を流
れる電流の磁界により消弧コアに向かって駆動されたア
ークは消弧コアのコ字形磁路を通るアーク自体の磁束に
より消弧コア内に伸長された状態で閉じ込められ、かつ
その壁面で冷却されることによりアーク電圧が高められ
て早期に消弧される。この磁性体は磁性板の積み重ねが
ないのでプレス成形のみで容易に製作され、またアーク
が磁性板と直交する従来のディアイオン形消弧装置と比
べると、コ字形の消弧コアは形状的にアークとの接触が
少ないのでアーク熱による溶融も少ない。消弧コアを形
成した磁性体には磁気駆動コア及びアークホーンを同時
に形成して磁気駆動力を大幅に高めることが可能であ
り、その場合にも全体が一体的に形成されるので構造が
きわめて簡素となる。
【００１０】
【実施例】図１〜図５はこの発明の実施例を示すもの
で、図１は回路遮断器の電源側半部のオン状態の縦断面
図、図２は図１における消弧装置の斜視図、図３は図１
における磁性体の斜視図、図４は図３の磁性体を固定接
触子に結合した状態の斜視図、図５は図４の磁性体に装
着する絶縁カバーの斜視図である。なお、従来例と対応
する部分には同一の符号を用いるものとする。
で、図１は回路遮断器の電源側半部のオン状態の縦断面
図、図２は図１における消弧装置の斜視図、図３は図１
における磁性体の斜視図、図４は図３の磁性体を固定接
触子に結合した状態の斜視図、図５は図４の磁性体に装
着する絶縁カバーの斜視図である。なお、従来例と対応
する部分には同一の符号を用いるものとする。
【００１１】まず、図３において、鉄板からなる磁性体
１３は、水平断面がコ字形の消弧コア１４と、この消弧
コア１４の背面壁１４ａと直交して水平に延びる基板１
５とからなっている。そして、基板１５は両側がＵ字形
に立ち上げられてこの部分に磁気駆動コア（磁気駆動鉄
心）１６が一体形成され、またその前方の一部が斜め上
方に切り曲げられてアークホーン９が一体形成されてい
る。消弧コア１４の背面壁１４ａには、アークガスを排
出するための横長の排気口１７が複数個（図では３個）
設けられている。一方、基板１５には、磁性体１３を固
定接触子６に固定するためのねじ穴１８が設けられてい
る。このような磁性体１３は鉄板のプレス成形により容
易に製作される。
１３は、水平断面がコ字形の消弧コア１４と、この消弧
コア１４の背面壁１４ａと直交して水平に延びる基板１
５とからなっている。そして、基板１５は両側がＵ字形
に立ち上げられてこの部分に磁気駆動コア（磁気駆動鉄
心）１６が一体形成され、またその前方の一部が斜め上
方に切り曲げられてアークホーン９が一体形成されてい
る。消弧コア１４の背面壁１４ａには、アークガスを排
出するための横長の排気口１７が複数個（図では３個）
設けられている。一方、基板１５には、磁性体１３を固
定接触子６に固定するためのねじ穴１８が設けられてい
る。このような磁性体１３は鉄板のプレス成形により容
易に製作される。
【００１２】磁性体１３は図４に示すように、基板１５
が固定接触子６の折り返し部６ａの下面に接するように
組み合わされ、折り返し部６ａにあけられた図示しない
穴を通してねじ穴１８にねじ込まれるねじ１９により固
定接触子６に結合される。この状態で、基板１５に形成
された磁気駆動コア１６は、折り返し部６ａの先端上面
に取り付けられた固定接点８を囲み、またアークホーン
９は固定接点８と連続する。固定接触子６と一体の電源
側端子５には、端子ねじ２０（図１）を装着するための
ねじ穴２１と、固定接触子６をケース２２にねじ２３
（図１）で固定するためのねじ穴２４とが設けられてい
る。また、固定接触子６には、後述するようにその折り
返し部６ａを支承するケース２２の支柱２２ａを通過さ
せる逃げ穴２５が設けられている。
が固定接触子６の折り返し部６ａの下面に接するように
組み合わされ、折り返し部６ａにあけられた図示しない
穴を通してねじ穴１８にねじ込まれるねじ１９により固
定接触子６に結合される。この状態で、基板１５に形成
された磁気駆動コア１６は、折り返し部６ａの先端上面
に取り付けられた固定接点８を囲み、またアークホーン
９は固定接点８と連続する。固定接触子６と一体の電源
側端子５には、端子ねじ２０（図１）を装着するための
ねじ穴２１と、固定接触子６をケース２２にねじ２３
（図１）で固定するためのねじ穴２４とが設けられてい
る。また、固定接触子６には、後述するようにその折り
返し部６ａを支承するケース２２の支柱２２ａを通過さ
せる逃げ穴２５が設けられている。
【００１３】図５に示す絶縁カバー２６は耐弧性の樹
脂、例えばポリエステルプリミックスから一体成形によ
り製作されている。この絶縁カバー２６は、消弧コア１
４と磁気駆動コア１６とを一体的に覆う２重壁の袋状部
２６ａと、固定接触子６における折り返し部６ａの上面
を覆う平板部２６ｂと、折り返し部６ａのＵ曲げ部及び
磁性体１３における基板１５の両側面を覆うスカート部
２６ｃとを備えている。そして、袋状部２６ａの背面壁
には、消弧コア１４の排気口１７に合わせて、排気口２
７があけられ、平板部２６ｂには固定接点８とアークホ
ーン９とを逃げる長方形の窓穴２８があけられている。
脂、例えばポリエステルプリミックスから一体成形によ
り製作されている。この絶縁カバー２６は、消弧コア１
４と磁気駆動コア１６とを一体的に覆う２重壁の袋状部
２６ａと、固定接触子６における折り返し部６ａの上面
を覆う平板部２６ｂと、折り返し部６ａのＵ曲げ部及び
磁性体１３における基板１５の両側面を覆うスカート部
２６ｃとを備えている。そして、袋状部２６ａの背面壁
には、消弧コア１４の排気口１７に合わせて、排気口２
７があけられ、平板部２６ｂには固定接点８とアークホ
ーン９とを逃げる長方形の窓穴２８があけられている。
【００１４】また、絶縁カバー２６の端部には開閉機構
１１（図１）との間を仕切る遮蔽板２９が一体形成さ
れ、この遮蔽板２９には可動接触子２（図１）を通す隙
間３０が設けられている。更に、絶縁カバー２６には袋
状部２６ａの背面壁に接して、後述する排気弁を支承す
る底部が円弧面の軸受溝３１が形成されている。なお、
絶縁カバー２６は軸受溝３１の近傍の角部が図示の通り
切り欠かれ、固定接触子６の電源側端子５との接続部６
ｂ（図４）を逃げている。
１１（図１）との間を仕切る遮蔽板２９が一体形成さ
れ、この遮蔽板２９には可動接触子２（図１）を通す隙
間３０が設けられている。更に、絶縁カバー２６には袋
状部２６ａの背面壁に接して、後述する排気弁を支承す
る底部が円弧面の軸受溝３１が形成されている。なお、
絶縁カバー２６は軸受溝３１の近傍の角部が図示の通り
切り欠かれ、固定接触子６の電源側端子５との接続部６
ｂ（図４）を逃げている。
【００１５】図２は図５の絶縁カバー２６を図４の状態
の固定接触子６及び磁性体１３に装着した状態を示して
いる。ここで、絶縁カバー２６の軸受溝３１には、排気
弁３２が取り付けられている。排気弁３２は弾性のある
耐熱性の樹脂により一体形成され、方形平板状の弁体３
２ａと、その基部の円筒状の軸部３２ｂと、これから斜
め上方に突出する舌状の弾性片３２ｃとからなってい
る。排気弁３２は軸部３２ｂが軸受溝３１に挿入される
と、弾性片３２ｃがその上縁部３１ａに当たって袋状部
２６ａ側に力を受け、その背面壁に接触して排気口２７
を塞ぐ。
の固定接触子６及び磁性体１３に装着した状態を示して
いる。ここで、絶縁カバー２６の軸受溝３１には、排気
弁３２が取り付けられている。排気弁３２は弾性のある
耐熱性の樹脂により一体形成され、方形平板状の弁体３
２ａと、その基部の円筒状の軸部３２ｂと、これから斜
め上方に突出する舌状の弾性片３２ｃとからなってい
る。排気弁３２は軸部３２ｂが軸受溝３１に挿入される
と、弾性片３２ｃがその上縁部３１ａに当たって袋状部
２６ａ側に力を受け、その背面壁に接触して排気口２７
を塞ぐ。
【００１６】図１の回路遮断器の組立の際には、予め図
２の状態に部分組立してから、すなわち固定接触子６に
磁性体１３を結合し、絶縁カバー２６を装着し、更に排
気弁３２を取り付けてから、固定接触子６をケース２２
に挿入し、その裏側からねじ２３をねじ穴２４にねじ込
んで固定する。ケース２２の底部に一体形成された支柱
２２ａは固定接触子６の逃げ穴２５（図４）を通って磁
性体１３における基板１５の下面に当接し、可動接触子
２からの衝撃に対して折り返し部６ａを下支えする。最
終的にケース２２にカバー３３を装着すると、絶縁カバ
ー２６は袋状部２６ａの左右の各前後２箇所がカバー３
３で押さえられて固定される。
２の状態に部分組立してから、すなわち固定接触子６に
磁性体１３を結合し、絶縁カバー２６を装着し、更に排
気弁３２を取り付けてから、固定接触子６をケース２２
に挿入し、その裏側からねじ２３をねじ穴２４にねじ込
んで固定する。ケース２２の底部に一体形成された支柱
２２ａは固定接触子６の逃げ穴２５（図４）を通って磁
性体１３における基板１５の下面に当接し、可動接触子
２からの衝撃に対して折り返し部６ａを下支えする。最
終的にケース２２にカバー３３を装着すると、絶縁カバ
ー２６は袋状部２６ａの左右の各前後２箇所がカバー３
３で押さえられて固定される。
【００１７】図１において、回路遮断器を短絡電流など
の大電流が通過すると、固定接触子６の折り返し部６ａ
及び可動接触子２を矢印Ａで示すように互いに逆向きに
流れる電流の間に働く電磁反発力により可動接触子２が
撥ね上げられ、次いで限流機構１０の作用を受けて瞬時
に鎖線で示す開離位置まで駆動される。その際、折り返
し部６ａを流れる電流の磁束は磁気駆動コア１６に集中
し、その両極（Ｕ字状立ち上げ部の先端）間に強力な磁
界を生じる。そのため、この磁界を受けたアーク１２は
矢印Ｂ方向に磁気駆動され、まず可動接触子２が固定接
触子６から離れた初期にその足がアークホーン９に移動
する。その場合、図示の通り固定接触子６における固定
接点子８の周辺及び磁気駆動コア１６を絶縁カバー２６
で絶縁すれば、不安定なアーク１２のこれらの部分での
点弧が防がれ、アーク１２は確実にアークホーン９に導
かれる。
の大電流が通過すると、固定接触子６の折り返し部６ａ
及び可動接触子２を矢印Ａで示すように互いに逆向きに
流れる電流の間に働く電磁反発力により可動接触子２が
撥ね上げられ、次いで限流機構１０の作用を受けて瞬時
に鎖線で示す開離位置まで駆動される。その際、折り返
し部６ａを流れる電流の磁束は磁気駆動コア１６に集中
し、その両極（Ｕ字状立ち上げ部の先端）間に強力な磁
界を生じる。そのため、この磁界を受けたアーク１２は
矢印Ｂ方向に磁気駆動され、まず可動接触子２が固定接
触子６から離れた初期にその足がアークホーン９に移動
する。その場合、図示の通り固定接触子６における固定
接点子８の周辺及び磁気駆動コア１６を絶縁カバー２６
で絶縁すれば、不安定なアーク１２のこれらの部分での
点弧が防がれ、アーク１２は確実にアークホーン９に導
かれる。
【００１８】次いで消弧コア１４に接近したアーク１２
は、それ自身の磁束が消弧コア１４のコ字形磁路に引き
込まれるためその内側に押し込まれ、更にその状態で拘
束される。その間、アーク１２は可動接触子２の開離の
進行に伴って引き伸ばされ、かつ消弧コア１４で冷却さ
れる結果、アーク電圧が高められて速やかに消弧され
る。消弧コア１４はアーク１２を取り囲む構造なので、
アークと直交する構造のディアイオン形消弧装置の磁性
板３（図６）と比較するとアーク１２との接触ははるか
に少ないが、図示の通り消弧コア１４を絶縁カバー２６
で被覆すれば、アーク１２との接触による消弧コア１４
の溶融は全く生じなくなる。また、その場合、絶縁カバ
ー２６をアーク熱によって熱分解ガスを生じる材料、例
えばナイロン６６、ジュラコン、ポリアセタール樹脂な
どで構成すれば、この熱分解ガスによってアークの冷却
を促進し、消弧を速めることが可能となる。
は、それ自身の磁束が消弧コア１４のコ字形磁路に引き
込まれるためその内側に押し込まれ、更にその状態で拘
束される。その間、アーク１２は可動接触子２の開離の
進行に伴って引き伸ばされ、かつ消弧コア１４で冷却さ
れる結果、アーク電圧が高められて速やかに消弧され
る。消弧コア１４はアーク１２を取り囲む構造なので、
アークと直交する構造のディアイオン形消弧装置の磁性
板３（図６）と比較するとアーク１２との接触ははるか
に少ないが、図示の通り消弧コア１４を絶縁カバー２６
で被覆すれば、アーク１２との接触による消弧コア１４
の溶融は全く生じなくなる。また、その場合、絶縁カバ
ー２６をアーク熱によって熱分解ガスを生じる材料、例
えばナイロン６６、ジュラコン、ポリアセタール樹脂な
どで構成すれば、この熱分解ガスによってアークの冷却
を促進し、消弧を速めることが可能となる。
【００１９】上述した電流遮断において、アークガスの
発生により消弧装置近傍の内圧が上昇すると、ガス圧を
受けた排気弁３２は弾性片３２ｃを変形させながら外側
に開き、アークガスを排気口１７及び２７を通して排出
させる。アークガスの排出により内圧が低下すると、排
気弁３２は弾性片３２ｃの復元により再び排気口２７を
塞ぐ。なお、排気口１７，２７や排気弁３２は遮断容量
に応じて適宜に設けるものとし、小遮断容量器では必ず
しも必要ない。一方、遮蔽板２９はアークガスの開閉機
構１１側への流入を遮り、高温ガスによる機構部の損傷
や含まれる接点溶融微粒子の付着による可動部の動作不
良を防止する。したがって、遮蔽板２９の隙間３０（図
２）は可動接触子２の幅近くまで狭くするのがよい。
発生により消弧装置近傍の内圧が上昇すると、ガス圧を
受けた排気弁３２は弾性片３２ｃを変形させながら外側
に開き、アークガスを排気口１７及び２７を通して排出
させる。アークガスの排出により内圧が低下すると、排
気弁３２は弾性片３２ｃの復元により再び排気口２７を
塞ぐ。なお、排気口１７，２７や排気弁３２は遮断容量
に応じて適宜に設けるものとし、小遮断容量器では必ず
しも必要ない。一方、遮蔽板２９はアークガスの開閉機
構１１側への流入を遮り、高温ガスによる機構部の損傷
や含まれる接点溶融微粒子の付着による可動部の動作不
良を防止する。したがって、遮蔽板２９の隙間３０（図
２）は可動接触子２の幅近くまで狭くするのがよい。
【００２０】図示実施例に示した消弧装置において、消
弧コア１４を含む磁性体１３は構造が簡単でプレス成形
により容易に製作可能である。また、形状的にアーク１
２と接触することが少なく、かつ消弧コア１４全体を絶
縁カバー２６で覆えるので、溶融による金属微粒子の発
生がほとんどない。更に、磁気駆動コア１６やアークホ
ーン９を一体形成できるので、これらを含めた消弧装置
全体の構造がきわめて簡潔になり、かつ消弧装置を固定
接触子６に一体的に組み付けた状態でケース２２に組み
込めるので組立作業が簡単になる。
弧コア１４を含む磁性体１３は構造が簡単でプレス成形
により容易に製作可能である。また、形状的にアーク１
２と接触することが少なく、かつ消弧コア１４全体を絶
縁カバー２６で覆えるので、溶融による金属微粒子の発
生がほとんどない。更に、磁気駆動コア１６やアークホ
ーン９を一体形成できるので、これらを含めた消弧装置
全体の構造がきわめて簡潔になり、かつ消弧装置を固定
接触子６に一体的に組み付けた状態でケース２２に組み
込めるので組立作業が簡単になる。
【００２１】
【発明の効果】この発明は、水平断面がコ字形の消弧コ
アと、この消弧コアの背面壁と直交して水平に延びる基
板とからなる磁性体を前記基板を介して固定接触子の折
り返し部の下面に結合して消弧装置を構成したので、消
弧装置をプレス成形により容易に製作することができ
る。また、コ字形の消弧コアは形状的にアークによる損
傷を受けにくく、またこの消弧コアは全体を絶縁カバー
で覆えるので金属溶融物がアークガスとともに飛散して
接点の接触不良や開閉機構の動作不良を生じさせること
が少ない。
アと、この消弧コアの背面壁と直交して水平に延びる基
板とからなる磁性体を前記基板を介して固定接触子の折
り返し部の下面に結合して消弧装置を構成したので、消
弧装置をプレス成形により容易に製作することができ
る。また、コ字形の消弧コアは形状的にアークによる損
傷を受けにくく、またこの消弧コアは全体を絶縁カバー
で覆えるので金属溶融物がアークガスとともに飛散して
接点の接触不良や開閉機構の動作不良を生じさせること
が少ない。
【００２２】更に、上記磁性体には磁気駆動コアやアー
クホーンを一体形成すれば、これらを固定接触子に別途
に取り付ける必要がなく、アークに対する磁気駆動力を
高めた消弧装置の構造が全体としてきわめて簡素になる
とともに、組立作業も簡単となる。すなわち、この発明
の消弧装置は高性能でありながら安価であり、コストダ
ウン要求の大きい遮断容量が 2.5〜５KAの回路遮断器に
特に効果が大きい。
クホーンを一体形成すれば、これらを固定接触子に別途
に取り付ける必要がなく、アークに対する磁気駆動力を
高めた消弧装置の構造が全体としてきわめて簡素になる
とともに、組立作業も簡単となる。すなわち、この発明
の消弧装置は高性能でありながら安価であり、コストダ
ウン要求の大きい遮断容量が 2.5〜５KAの回路遮断器に
特に効果が大きい。
【図１】この発明の実施例を示す回路遮断器の要部縦断
面図である。
面図である。
【図２】図１の回路遮断器における消弧装置部分の斜視
図である。
図である。
【図３】図２の消弧装置における磁性体の斜視図であ
る。
る。
【図４】図３の磁性体を固定接触子に結合した状態の斜
視図である。
視図である。
【図５】図２の消弧装置における絶縁カバーの斜視図で
ある。
ある。
【図６】従来の消弧装置の斜視図である。
【図７】図６の消弧装置を備えた回路遮断器の要部縦断
面図である。
面図である。
２ 可動接触子 ６ 固定接触子 ９ アークホーン １０ 限流機構 １１ 開閉機構 １２ アーク １３ 磁性体 １４ 消弧コア １５ 基板 １６ 磁気駆動コア １７ 排気口 ２２ ケース ２６ 絶縁カバー ２７ 排気口 ２９ 遮蔽板 ３２ 排気弁 ３３ カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 淳 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内 (72)発明者 浅川 浩司 神奈川県川崎市川崎区田辺新田１番１号 富士電機株式会社内
Claims (3)
- 【請求項１】固定接触子が可動接触子に沿うようにＵ字
状に折り返され、この折り返し部の先端に固定接点が取
り付けられた回路遮断器において、 水平断面がコ字形の消弧コアと、この消弧コアの背面壁
と直交して水平に延びる基板とからなる磁性体を前記基
板を介して固定接触子の折り返し部の下面に結合して構
成したことを特徴とする回路遮断器の消弧装置。 - 【請求項２】磁性体の基板の両側をＵ字形に立ち上げ
て、磁気駆動コアを一体形成したことを特徴とする請求
項１記載の回路遮断器の消弧装置。 - 【請求項３】磁性体の基板の一部を斜め上方に切り曲げ
て、アークホーンを一体形成したことを特徴とする請求
項１又は請求項２記載の回路遮断器の消弧装置。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13366294A JP3166890B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 回路遮断器の消弧装置 |
| US08/441,835 US5569894A (en) | 1994-05-24 | 1995-05-16 | Circuit breaker arc quenching device with venting structure including flapper valve |
| TW084104887A TW308703B (ja) | 1994-05-24 | 1995-05-17 | |
| KR1019950012714A KR100304150B1 (ko) | 1994-05-24 | 1995-05-22 | 회로차단기의아아크소멸장치 |
| CN95106530A CN1045840C (zh) | 1994-05-24 | 1995-05-24 | 电路断路器的灭弧装置 |
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| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13366294A JP3166890B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 回路遮断器の消弧装置 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07320624A true JPH07320624A (ja) | 1995-12-08 |
| JP3166890B2 JP3166890B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=15110001
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13366294A Expired - Fee Related JP3166890B2 (ja) | 1994-05-24 | 1994-05-24 | 回路遮断器の消弧装置 |
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|---|---|
| US (1) | US5569894A (ja) |
| JP (1) | JP3166890B2 (ja) |
| KR (1) | KR100304150B1 (ja) |
| CN (1) | CN1045840C (ja) |
| TW (1) | TW308703B (ja) |
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